JPH07126122A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤Info
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Abstract
定性を向上させ、それらの薬効に持続性を持たせた皮膚
外用剤を提供する。 【構成】 コウジ酸および/またはその誘導体と紫外線
吸収剤を含む外用剤に炭化水素類、脂質、および硬化ま
たは未硬化油脂類からなる群より選ばれる少なくとも一
種を添加したことを特徴とする皮膚外用剤。
Description
はその誘導体と紫外線吸収剤を含む外用剤に、炭化水素
類、脂質類、硬化または未硬化油脂類からなる群から選
ばれた少なくとも一種を添加することによって、コウジ
酸および/またはその誘導体の製剤安定性を向上させ、
それらの薬効に持続性を持たせた皮膚外用剤に関する。
/W型エマルジョンとW/O型エマルジョンがあげら
れ、水や油分の組成比や物性はそれぞれ異なるが、とも
に界面活性剤の介在によって水相と油相が安定に乳化分
散された均一の製剤である。
およびその誘導体は、種々の優れた特性をもつ有用性の
高い薬物として知られている。かかる技術的成果は、例
えば、特開昭55−157509号公報、特公昭56−
18569号公報、特公昭58−22151号公報、特
公昭58−22152号公報、特公昭58−34446
号公報、特公昭60−7961号公報、特公昭60−9
722号公報、特公昭60−10005号公報、特開昭
60−137253号公報、特公昭61−10447号
公報、特公昭61−60801号公報、特開昭62−5
909号公報、特公昭62−3820号公報、特公昭6
3−27322号公報、特開平1−132502号公報
および特公平5−30422号公報等に開示されてい
る。
(以下、これらを総称して単に「コウジ酸類」と呼ぶこ
とがある)は、それ自体非常に安定性確保の難しい薬物
としても知られている。とりわけ、コウジ酸類を先に述
べたようなO/W型エマルジョンまたはW/O型エマル
ジョンに配合して製剤化するときの処方設計にはかなり
高度な技術を要することから、使用感に悪い影響を与え
ずしかも過酷な流通過程にたえ得る製剤の技術開発がコ
ウジ酸類の製剤化上の当面の課題であった。
は、大なり小なり、その着色・分解の外的原因となる紫
外線にさらされやすい条件下にある。このことから、紫
外線吸収剤を適宜配合する対策が講じられてきた。その
一例としては、特開昭62−108804号公報、特開
昭64−83008号公報および特公平4−46924
号公報などが例示できる。
性に問題があり、製剤中で析出することが多いために紫
外線吸収剤そのものの効果が充分発揮されず、コウジ酸
類の安定性低下へと波及していた。
使用されていたが、油性の助剤を多量配合することによ
ってべたつくなど使用感に悪影響を及ぼしていた。ま
た、コウジ酸類を配合した外用剤を製剤化する際に、着
色安定性、使用感および皮膚への安全性の点で好適に使
用される界面活性剤としては、ノニオン系のものが挙げ
られるが、そもそも、このノニオン系の界面活性剤は、
イオン系の界面活性剤等のように強い乳化力を持ち合わ
せていないうえに、極性の高い成分やpHの影響によっ
て乳化力が低下するという欠点を有するため、pHを4
ないし5に調整することが多いコウジ酸類製剤において
は、極性の高い紫外線吸収剤を配合することによって、
乳化安定性が経時的に低下するという問題を抱えてい
た。
よび/またはその誘導体と紫外線吸収剤を含む外用剤
に、炭化水素類、脂質類、および硬化または未硬化油脂
類からなる群より選ばれた少なくとも一種を添加するこ
とにより、従来のコウジ酸製剤の持つ上記の問題点を解
決したものであって、紫外線吸収剤の析出がなく、か
つ、コウジ酸類の着色・分解の経時的安定性および薬効
の持続性を改善した製剤特性に優れた皮膚外用剤を提供
することを目的とするものである。
ば、コウジ酸および/またはその誘導体と紫外線吸収剤
を含む外用剤に、炭化水素類、脂質類、および硬化また
は未硬化油脂類からなる群より選ばれた少なくとも1種
を添加したことを特徴とし、紫外線吸収剤の析出がな
く、かつ、コウジ酸類の着色・分解の経時的安定性およ
び薬効の持続性を改善した製剤特性に優れた皮膚外用剤
が提供される。
使用されるコウジ酸(5−オキシ−2−オキシメチル−
γ−ピロン)としては、5−オキシ−2−オキシメチル
−γ−ピロンの純品、コウジ酸生産能を有する公知の菌
株を培養して得られるコウジ酸を主成分とする醗酵液、
該醗酵液の濃縮液、および該醗酵液からコウジ酸を抽出
して結晶化したもの等が使用される。
公昭60−10005号公報、特公平1−45472号
公報、特公平3−74229号公報等に開示されたも
の、あるいは、特公昭58−22151号公報、特公昭
58−22152号公報等に開示されているコウジ酸の
エステル化物およびコウジ酸の2位の−CH2 OH基に
糖類を結合させたコウジ酸誘導体など公知のものを単独
または二種以上を組み合わせて用いることができる。上
記コウジ酸および/またはその誘導体の製剤に対する配
合量は、外用剤全体に対し0.001ないし10重量
%、好ましくは0.1ないし5重量%の範囲である。
る紫外線吸収剤としては、特に制限はされないが、例え
ば、ベンゾフェノン系のオキシベンゾン、オキシベンゾ
ンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスル
ホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェ
ノンなど、サリチル酸系のサリチル酸エチレングリコー
ル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸フェニルな
ど、ウロカニン酸およびウロカニン酸エチル、桂皮酸系
のパラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、メトキシ桂
皮酸オクチルなど、パラアミノ安息香酸系のパラアミノ
安息香酸グリセチル、パラジメチルアミノ安息香酸2−
エチルヘキシル、ジベンゾイルメタン系の4−tert
−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンなどやベ
ンゾトリアゾール系の2−(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが好適なものとし
て挙げられ、これらを単独または二種以上を組み合わせ
て使用することができる。また、その他にも紫外線吸収
能を有する公知の動・植物エキスを適宜任意の組み合わ
せによって使用できる。これら紫外線吸収剤の配合量
は、その種類によって多少異なるが、通常外用剤全体に
対し0.001ないし10重量%、好ましくは0.1な
いし5重量%である。
水素類としては、例えばα−オレフィンオリゴマー、流
動イソパラフィン、プラスチベース(日本スクイヴ
社)、ポリイソブチレン、ポリブテンなどのパラフィン
系炭化水素やオレフィン系炭化水素が挙げられ、その中
でも炭素数10以上の低極性のものが好適に使用でき
る。
いものとして挙げられ、例えば卵黄、大豆、トウモロコ
シなどの天然物から抽出して得られるフォスファチジル
コリン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチ
ジルエタノールアミン、フォスファチジルセリンなどの
グリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドシリ
アチンなどのスフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、
ジステアロイルフォスファチジルコリン、ジパルミトイ
ルフォスファチジルコリンなどの合成リン脂質類などが
具体的なものとして挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン
酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリン酸ポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ
油、ポリオキシエチレンソルビットミツロウなどの重合
度が40ないし100程度の完全硬化ヒマシ油が好適な
ものとして挙げられ、これらは単独または二種以上を組
み合わせて使用することができるこれら第3の成分の配
合量は、その種類によって多少異なるが、通常外用剤全
体に対し0.001ないし20重量%、好ましくは0.
1ないし10重量%である。
とする外用剤を、公知の製法によって調製すれば、紫外
線吸収剤の析出がなく、経時的に安定な乳化製剤を得る
ことができる。また、本製剤中におけるコウジ酸類の着
色・分解の経時的安定性が著しく改善できる他、コウジ
酸類の薬効が持続的に発揮される皮膚外用剤を提供する
ことができる。もちろん、上記の本発明の製剤は、O/
W型エマルジョンおよびW/O型エマルジョンなどの乳
化タイプに制限されるものではなく、成分の選択によっ
て透明タイプの製剤に対しても同様に適用されるもので
ある。また、その他にもW/O/W型やO/W/O型な
どの多層乳化型製剤やマイクロカプセル製剤化のための
基礎技術として利用しても良い。
ものであれば特に制限はなく、例えばパップ剤、プラス
ター剤、ペースト剤、クリーム、軟膏、エアゾール剤、
乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ゲル
剤、パウダー、ファンデーション、サンケア、バスソル
トなどの医薬品、医薬部外品、化粧品として公知の形態
で幅広く使用に供されるものである。
いられる種々の公知の有効成分、例えば、塩化カルプロ
ニウム、セファランチン、ビタミンE、ビタミンEニコ
チネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸
ベンジル、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキなど
の末梢血管拡張剤、カンフル、メントール、ハッカ油な
どの清涼剤、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム、
ウンデシレン酸などの抗菌剤、副腎皮質ホルモン、ε−
アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン、
アラントインなどの消炎剤、アスコルビン酸、アルブチ
ンなどの色白剤、胎盤抽出液、肝臓抽出物、紫根エキ
ス、乳酸菌培養抽出物などの動物・植物・微生物由来の
各種抽出物などを本発明の目的を損なわない範囲でその
時々の目的に応じて適宜添加して使用することができ
る。さらに、前述の医薬品、医薬部外品、化粧品には公
知の有効成分に加え、油脂類などの基剤成分の他、必要
に応じて公知の保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート
剤、pH調整剤、香料、着色剤など種々の添加剤を本発
明の目的を損なわない範囲で併用することができる。
説明するが、これらの例は本発明の好適な態様を開示す
るものであって、本発明を限定するものではないことは
理解されるであろう。
4.5)を調製した。これらを4オンスローソク瓶に充
填後、紫外線を照射しながら、50℃の過酷な温度条件
で2ケ月間保存した。2ケ月後、色差(ΔE)を測定し
た(色差計:日本電色工業 Z-1001DP使用)。その際、
外観変化(紫外線吸収剤析出の有無、乳化安定性)の観
察、使用感の評価も行った。
線吸収剤の析出もなく乳化安定性も極めて良好であっ
た。また、製剤中におけるコウジ酸の着色安定性も良好
で、使用感も良好な状態が維持されていた。
制効果 黄褐色モルモットを用い、色素沈着の改善効果を調べ
た。この結果を表2に示す。表2の結果から明らかなよ
うに、本発明の製剤は、色素沈着抑制効果に優れ、しか
も、その効果が長時間維持される持続的な製剤であるこ
とが確認された。
部毛をバリカンにて刈毛し、更に電気カミソリにて剃毛
した。このモルモットの背部を、4ヶ所正方形(2.0
×2.0cm)の穴の開いたアルミ箔で覆い、UV−B
(SEランプ3本、140mJ/cm2 )で1日1回9
0秒、3日毎に4回照射した。照射開始日から、実験1
で調製した製剤をモルモットの被験部位に1日3回10
日間連続して塗布した。塗布開始後10日目、20日目
に色素沈着の判定を行った。
にて肉眼判定した。判定基準 3:色素沈着を全く認めない 2:わずかな色素沈着を認める 1:中程度の色素沈着を認める 0:コントロール部位(無処置)と変わらない −1:コントロール部位(無処置)よりも強い色素沈着
を認める
例中、「適量」とは処方全体が100重量%になる量を
意味する。
2に開示されたデータと同様に、本発明の目的を満足す
る効果を有する製剤であることが確認された。
はその誘導体と紫外線吸収剤を含む外用剤に、炭化水素
類、脂質類、および硬化または未硬化油脂類から選ばれ
る少なくとも一種を添加した皮膚外用剤が提供され、該
外用剤は紫外線吸収剤の析出がなく、経時的に安定な製
剤であり、かつ、コウジ酸類の着色・分解の経時的安定
性が著しく改善できる他、薬効が持続的に発揮される製
剤である。
Claims (2)
- 【請求項1】 コウジ酸および/またはその誘導体と紫
外線吸収剤を含む外用剤に、炭化水素類、脂質類、およ
び硬化または未硬化油脂類からなる群より選ばれる少な
くとも一種を添加したことを特徴とする皮膚外用剤。 - 【請求項2】 炭化水素類が、パラフィン系炭化水素ま
たはオレフィン系炭化水素であり、脂質類が、グリセロ
リン脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質から
なる群から選ばれたものであり、硬化または未硬化油脂
類が、ポリオキシエチレン硬化油脂またはポリオキシエ
チレン未硬化油脂である請求項1記載の皮膚外用剤。
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