JPH07125063A - 二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸延伸ポリエステルフィルムInfo
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- JPH07125063A JPH07125063A JP27696993A JP27696993A JPH07125063A JP H07125063 A JPH07125063 A JP H07125063A JP 27696993 A JP27696993 A JP 27696993A JP 27696993 A JP27696993 A JP 27696993A JP H07125063 A JPH07125063 A JP H07125063A
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- biaxially stretched
- stretched polyester
- polyester film
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Abstract
(57)【要約】
【構成】フィルムの面配向崩れ指数が5以上であって、
フィルム面内全方向におけるF5値の最小値が7kg/
mm2 以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステ
ルフィルム。 【効果】本発明で得られる二軸延伸ポリエステルフィル
ムは、本来の機械特性を維持しつつ結晶の面配向性を崩
したものであり、これによって二軸延伸ポリエステルフ
ィルム本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)を維持
し、しかも耐層間剥離性に優れたフィルムである。
フィルム面内全方向におけるF5値の最小値が7kg/
mm2 以上であることを特徴とする二軸延伸ポリエステ
ルフィルム。 【効果】本発明で得られる二軸延伸ポリエステルフィル
ムは、本来の機械特性を維持しつつ結晶の面配向性を崩
したものであり、これによって二軸延伸ポリエステルフ
ィルム本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)を維持
し、しかも耐層間剥離性に優れたフィルムである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気絶縁材料用などに
用いることができる耐層間剥離性および耐割れ性に優れ
た二軸延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
用いることができる耐層間剥離性および耐割れ性に優れ
た二軸延伸ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリエステルフィルムは、その
優れた機械特性、耐熱性、電気特性、耐薬品性等のゆえ
に、磁気記録媒体用、包装用、農業用などさまざまな分
野で工業的に広く使用されており、電気絶縁材料用とし
ても同様にその優れた特性を生かして幅広く利用されて
いる。特に厚み188μm以上の規格で用いられている
いわゆる厚物の二軸延伸ポリエステルフィルムは冷凍機
用、家電用などのモーターのスロット内絶縁用としてウ
エッジ、スロットの相間絶縁に用いられている。
優れた機械特性、耐熱性、電気特性、耐薬品性等のゆえ
に、磁気記録媒体用、包装用、農業用などさまざまな分
野で工業的に広く使用されており、電気絶縁材料用とし
ても同様にその優れた特性を生かして幅広く利用されて
いる。特に厚み188μm以上の規格で用いられている
いわゆる厚物の二軸延伸ポリエステルフィルムは冷凍機
用、家電用などのモーターのスロット内絶縁用としてウ
エッジ、スロットの相間絶縁に用いられている。
【0003】過去においては、これらのモーターのスロ
ット、ウエッジの絶縁用としては樹脂含浸の厚物プレス
ボード紙などが使用されていたが、厚物二軸延伸ポリエ
ステルフィルムが適用されるようになって、加工収率の
向上とともに、モーターとしての耐熱性、電気特性など
も大幅に向上した。しかしこの厚物二軸延伸ポリエステ
ルフィルムは、成形、挿入などの工程で硬い金属材料と
の圧裂、衝撃などの厳しい条件下で扱われるため、使用
条件や作業環境によっては、「層間剥離」や「割れ」が
起こり絶縁不良や工程トラブルの原因となる。これらの
問題点を解決するために種々の改良、検討が行なわれて
おり、例えばポリマ原料の分子量を高め、延伸条件を最
適化する方法(特開昭58−209530号公報)、層
間剥離を抑制するために共重合成分と共押出にて積層す
る方法(特開昭63−17023号公報)などが示され
ており、この他にもジエチレングリコール(DEG)な
どの低分子物を添加する方法なども一般的に知られてい
る。
ット、ウエッジの絶縁用としては樹脂含浸の厚物プレス
ボード紙などが使用されていたが、厚物二軸延伸ポリエ
ステルフィルムが適用されるようになって、加工収率の
向上とともに、モーターとしての耐熱性、電気特性など
も大幅に向上した。しかしこの厚物二軸延伸ポリエステ
ルフィルムは、成形、挿入などの工程で硬い金属材料と
の圧裂、衝撃などの厳しい条件下で扱われるため、使用
条件や作業環境によっては、「層間剥離」や「割れ」が
起こり絶縁不良や工程トラブルの原因となる。これらの
問題点を解決するために種々の改良、検討が行なわれて
おり、例えばポリマ原料の分子量を高め、延伸条件を最
適化する方法(特開昭58−209530号公報)、層
間剥離を抑制するために共重合成分と共押出にて積層す
る方法(特開昭63−17023号公報)などが示され
ており、この他にもジエチレングリコール(DEG)な
どの低分子物を添加する方法なども一般的に知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、厚物二軸延伸
ポリエステルフィルムにおいては特開昭58−2095
30号公報にも記載のあるように耐層間剥離性と耐割れ
(座屈)性とは概ね逆相関性を呈し、前記の提案も本発
明者らの検討の結果ではその効果はまだ十分ではない。
さらにポリマの重合度を高めることやフィルムを積層化
することはコストや生産時に発生する屑のリサイクルの
面からあまり好ましいことではない。
ポリエステルフィルムにおいては特開昭58−2095
30号公報にも記載のあるように耐層間剥離性と耐割れ
(座屈)性とは概ね逆相関性を呈し、前記の提案も本発
明者らの検討の結果ではその効果はまだ十分ではない。
さらにポリマの重合度を高めることやフィルムを積層化
することはコストや生産時に発生する屑のリサイクルの
面からあまり好ましいことではない。
【0005】本発明は、この厚物二軸延伸ポリエステル
フィルムにおける宿命的ともいえる相反する特性を兼備
するフィルム、すなわち二軸延伸ポリエステルフィルム
本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)を維持し、し
かも耐層間剥離性に優れたフィルムを提供するものであ
る。
フィルムにおける宿命的ともいえる相反する特性を兼備
するフィルム、すなわち二軸延伸ポリエステルフィルム
本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)を維持し、し
かも耐層間剥離性に優れたフィルムを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はフィ
ルムの面配向崩れ指数が5以上であって、フィルム面内
全方向におけるF5値の最小値が7kg/mm2 以上で
あることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに
関するものである。
ルムの面配向崩れ指数が5以上であって、フィルム面内
全方向におけるF5値の最小値が7kg/mm2 以上で
あることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィルムに
関するものである。
【0007】本発明で言うポリエステルとは、ジオール
とジカルボン酸とから縮重合により得られるポリマであ
り、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸などで代表されるものであり、また、ジオー
ルとは、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどで代表されるものである。具体的には例え
ば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどがあげら
れる。もちろんこれらのポリエステルは、ホモポリマで
あってもコポリマであっても良く、共重合成分としては
例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、ア
ジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が
あげられる。本発明の場合、特に、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが電気
特性、機械的強度、耐熱性などの観点から好ましい。
とジカルボン酸とから縮重合により得られるポリマであ
り、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、
セバチン酸などで代表されるものであり、また、ジオー
ルとは、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどで代表されるものである。具体的には例え
ば、ポリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどがあげら
れる。もちろんこれらのポリエステルは、ホモポリマで
あってもコポリマであっても良く、共重合成分としては
例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、ア
ジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分が
あげられる。本発明の場合、特に、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが電気
特性、機械的強度、耐熱性などの観点から好ましい。
【0008】また、このポリエステルの中には、公知の
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、結晶核剤、無機粒子
などが添加されていてもよい。
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、結晶核剤、無機粒子
などが添加されていてもよい。
【0009】本発明における二軸延伸フィルムとは、十
分乾燥したポリエステル樹脂を押出機で溶融押出し、シ
ート状にキャストしたものを周知の方法で縦および横方
向に延伸して配向させたものである。延伸方法は特に限
定されるものではないが、例えば、同時二軸延伸、ある
いは、ロールによる縦一方向延伸およびテンターによる
横一方向延伸を適宜組み合わせた逐次二軸延伸、また
は、同時二軸延伸と逐次二軸延伸を組み合わせたものな
どが挙げられる。次いで必要に応じ、熱固定処理や熱弛
緩処理がなされてもよい。
分乾燥したポリエステル樹脂を押出機で溶融押出し、シ
ート状にキャストしたものを周知の方法で縦および横方
向に延伸して配向させたものである。延伸方法は特に限
定されるものではないが、例えば、同時二軸延伸、ある
いは、ロールによる縦一方向延伸およびテンターによる
横一方向延伸を適宜組み合わせた逐次二軸延伸、また
は、同時二軸延伸と逐次二軸延伸を組み合わせたものな
どが挙げられる。次いで必要に応じ、熱固定処理や熱弛
緩処理がなされてもよい。
【0010】周知のように、二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、他の結晶性ポリマと同様に延伸によって分子が
延伸方向に配向し、熱固定課程も併せて結晶化が促進さ
れる。生成した結晶は、延伸条件および熱固定や弛緩条
件に対応して、エックス線回折で求められる(100)
面や(010)面などが、それぞれの方向に成長し配向
する。この中でベンゼン環を含む(100)面は、二軸
延伸によって膜面に平行に配向し二軸延伸ポリエステル
フィルムにおいては、高度な面配向性を呈しているのが
一般的であり、二軸延伸ポリエステルフィルムの諸特性
を高めている要素の一つである。また、この(100)
面の面配向性や結晶サイズはフィルムの結晶構造を表わ
すパラメーターとして一般的に良く用いられている。
ルムは、他の結晶性ポリマと同様に延伸によって分子が
延伸方向に配向し、熱固定課程も併せて結晶化が促進さ
れる。生成した結晶は、延伸条件および熱固定や弛緩条
件に対応して、エックス線回折で求められる(100)
面や(010)面などが、それぞれの方向に成長し配向
する。この中でベンゼン環を含む(100)面は、二軸
延伸によって膜面に平行に配向し二軸延伸ポリエステル
フィルムにおいては、高度な面配向性を呈しているのが
一般的であり、二軸延伸ポリエステルフィルムの諸特性
を高めている要素の一つである。また、この(100)
面の面配向性や結晶サイズはフィルムの結晶構造を表わ
すパラメーターとして一般的に良く用いられている。
【0011】二軸延伸ポリエステルフィルムが使用され
ている各産業分野における技術の進歩につれて、フィル
ムの要求される特性も、構造の微細な点にまで及ぶに至
っている。(100)面の面配向性についても適度に乱
れていることが要求される場合もあり、例えば磁気記録
媒体用途において、一定範囲の面配向の乱れが磁気テー
プの走行性向上に有効な要因となるとの提案がなされて
いる(特公平4−62854号公報など)。
ている各産業分野における技術の進歩につれて、フィル
ムの要求される特性も、構造の微細な点にまで及ぶに至
っている。(100)面の面配向性についても適度に乱
れていることが要求される場合もあり、例えば磁気記録
媒体用途において、一定範囲の面配向の乱れが磁気テー
プの走行性向上に有効な要因となるとの提案がなされて
いる(特公平4−62854号公報など)。
【0012】本発明者らは、電気絶縁用途における二軸
延伸ポリエステルフィルムの耐層間剥離性および耐割れ
性という概ね逆相関関係にある両特性を兼備したフィル
ムを得るために、未延伸フィルムの特性や延伸条件、熱
固定条件などについて鋭意検討を重ねた。その結果、面
配向崩れ指数がある値以上をとり、かつ機械強度が一定
値以上のフィルムを用いることにより、耐層間剥離性お
よび耐割れ性をともに満足するフィルムが得られるとい
うことが判明した。
延伸ポリエステルフィルムの耐層間剥離性および耐割れ
性という概ね逆相関関係にある両特性を兼備したフィル
ムを得るために、未延伸フィルムの特性や延伸条件、熱
固定条件などについて鋭意検討を重ねた。その結果、面
配向崩れ指数がある値以上をとり、かつ機械強度が一定
値以上のフィルムを用いることにより、耐層間剥離性お
よび耐割れ性をともに満足するフィルムが得られるとい
うことが判明した。
【0013】すなわち、本発明による二軸延伸ポリエス
テルフィルムとは、フィルムの面配向崩れ指数が5以
上、好ましくは10以上であり、かつ、フィルム面内全
方向におけるF5値の最小値が7kg/mm2 以上、好
ましくは10kg/mm2 以上であることを特徴とする
ものである。面配向崩れ指数が5未満の場合には面配向
が十分崩れているとは言えず満足できる耐層間剥離性が
得られない。また、F5値が7kg/mm2 未満の場合
には、十分な耐割れ性が得られない。このような特長を
有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得る方法につい
て、我々は鋭意検討した結果、従来法とは異なり二軸延
伸前のフィルムの結晶化度を15〜50%、好ましくは
25〜40%にせしめることが必要であることが判明し
た。結晶化度が15%を下回る場合は効果が十分でなく
50%を上回る場合には延伸性が不良となるので好まし
くない。
テルフィルムとは、フィルムの面配向崩れ指数が5以
上、好ましくは10以上であり、かつ、フィルム面内全
方向におけるF5値の最小値が7kg/mm2 以上、好
ましくは10kg/mm2 以上であることを特徴とする
ものである。面配向崩れ指数が5未満の場合には面配向
が十分崩れているとは言えず満足できる耐層間剥離性が
得られない。また、F5値が7kg/mm2 未満の場合
には、十分な耐割れ性が得られない。このような特長を
有する二軸延伸ポリエステルフィルムを得る方法につい
て、我々は鋭意検討した結果、従来法とは異なり二軸延
伸前のフィルムの結晶化度を15〜50%、好ましくは
25〜40%にせしめることが必要であることが判明し
た。結晶化度が15%を下回る場合は効果が十分でなく
50%を上回る場合には延伸性が不良となるので好まし
くない。
【0014】なお、従来よくとられている方法は、ほぼ
非晶状態のフィルムを二軸延伸する手法であり、該手法
ではF5値が高くなるにつれて面配向崩れ指数は小さく
なり、通常強度の二軸延伸フィルムではほぼ0になって
しまう。このようなフィルムでは耐層間剥離性と耐割れ
性とをともに満足するものは得られず、特に耐層間剥離
性に劣ってしまう。
非晶状態のフィルムを二軸延伸する手法であり、該手法
ではF5値が高くなるにつれて面配向崩れ指数は小さく
なり、通常強度の二軸延伸フィルムではほぼ0になって
しまう。このようなフィルムでは耐層間剥離性と耐割れ
性とをともに満足するものは得られず、特に耐層間剥離
性に劣ってしまう。
【0015】次に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの製造方法について説明するが、かかる例に限定さ
れるものではない。
ルムの製造方法について説明するが、かかる例に限定さ
れるものではない。
【0016】ポリエステルとして極限粘度が0.65の
ポリエチレンテレフタレートを用い、真空下において十
分加熱乾燥を行なう。このペレットを270〜300℃
に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に押
し出す。このシートを冷却ドラム上に静電気力で密着固
化し未延伸シートを得る。該未延伸シートを熱風加熱式
オーブンに導き100〜160℃で熱結晶化を施す。熱
結晶化度は15〜50%とする。この結晶化した未延伸
シートを100〜160℃の加熱ロールで加熱し縦方向
に2〜5倍に1段もしくは多段で延伸し、20〜70℃
のロール群で冷却する。続いてフィルムの両端をクリッ
プで把持しながらテンタに導き100〜240℃に加熱
された熱風雰囲気中で横方向に2〜5倍に横延伸した
後、均一に徐冷後室温まで冷やして巻取る。縦、横の延
伸条件によっては、横延伸後熱固定および弛緩処理を施
すことも有効である。
ポリエチレンテレフタレートを用い、真空下において十
分加熱乾燥を行なう。このペレットを270〜300℃
に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に押
し出す。このシートを冷却ドラム上に静電気力で密着固
化し未延伸シートを得る。該未延伸シートを熱風加熱式
オーブンに導き100〜160℃で熱結晶化を施す。熱
結晶化度は15〜50%とする。この結晶化した未延伸
シートを100〜160℃の加熱ロールで加熱し縦方向
に2〜5倍に1段もしくは多段で延伸し、20〜70℃
のロール群で冷却する。続いてフィルムの両端をクリッ
プで把持しながらテンタに導き100〜240℃に加熱
された熱風雰囲気中で横方向に2〜5倍に横延伸した
後、均一に徐冷後室温まで冷やして巻取る。縦、横の延
伸条件によっては、横延伸後熱固定および弛緩処理を施
すことも有効である。
【0017】また延伸前結晶化の方法としてはオーブン
以外にも、ドラム上で冷却する際に徐冷する方法、テフ
ロン、シリコーンゴム、サンドブラストなどの非粘着ロ
ールで加熱する方法、赤外線ヒーターで急速加熱する方
法などがある。
以外にも、ドラム上で冷却する際に徐冷する方法、テフ
ロン、シリコーンゴム、サンドブラストなどの非粘着ロ
ールで加熱する方法、赤外線ヒーターで急速加熱する方
法などがある。
【0018】かくして得られた本発明の二軸延伸ポリエ
ステルフィルムは、上記のごとく電気絶縁材料用途とし
て特に好適であるが、成形用、易接着フィルム用、建材
用、他のフィルムや紙、金属との組合わせによる複合材
用などにも好ましく用いることができる。また必要に応
じて一般にポリエステルフィルムが用いられる他の用
途、例えば磁気記録媒体用、包装用、農業用などに用い
ることを妨げるものではない。
ステルフィルムは、上記のごとく電気絶縁材料用途とし
て特に好適であるが、成形用、易接着フィルム用、建材
用、他のフィルムや紙、金属との組合わせによる複合材
用などにも好ましく用いることができる。また必要に応
じて一般にポリエステルフィルムが用いられる他の用
途、例えば磁気記録媒体用、包装用、農業用などに用い
ることを妨げるものではない。
【0019】
【特性の測定方法並びに効果の評価方法】本発明の特性
の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
【0020】(1)面配向崩れ指数 Cu−Kα線を用いた広角エックス線回折の反射法によ
る測定により以下の手順で求めた。
る測定により以下の手順で求めた。
【0021】2θ=35°から10°の範囲を測定
し、フィルム膜面に平行に存在する結晶の回折パターン
を得る。
し、フィルム膜面に平行に存在する結晶の回折パターン
を得る。
【0022】2θ=35°と2θ=19°および2θ
=19°と2θ=10°の点を結んだ線をベースライン
とし、これより上の部分を結晶による回折、下の部分を
非晶およびバックグランドによる散乱とみなす。
=19°と2θ=10°の点を結んだ線をベースライン
とし、これより上の部分を結晶による回折、下の部分を
非晶およびバックグランドによる散乱とみなす。
【0023】2θが約26°の位置にある(100)
面ピークのベースラインからの高さをI(100)、2
θが約17°の位置にある(010)面ピークのベース
ラインからの高さをI(010)とする。
面ピークのベースラインからの高さをI(100)、2
θが約17°の位置にある(010)面ピークのベース
ラインからの高さをI(010)とする。
【0024】面配向崩れ指数=[I(010)/I
(100)]×100(百分率)として求める。
(100)]×100(百分率)として求める。
【0025】(2)F5値 インストロンタイプの引張り試験機を用いて、試料フィ
ルムを幅10mm、試長間100mm、引張り速度20
0mm/分で引張った。得られた応力−歪曲線から5%
伸長時の応力を求めた。測定は25℃、65%RHの雰
囲気下で行った。
ルムを幅10mm、試長間100mm、引張り速度20
0mm/分で引張った。得られた応力−歪曲線から5%
伸長時の応力を求めた。測定は25℃、65%RHの雰
囲気下で行った。
【0026】(3)結晶化度 四塩化炭素とn−ヘプタンからなる密度勾配管を用い
て、25℃の条件下で密度を測定し、次式により結晶化
度を算出した。
て、25℃の条件下で密度を測定し、次式により結晶化
度を算出した。
【0027】結晶化度(%)=[(d−da)/(dc
−da)]×100 なお、ここでdは試料密度、daは非晶密度(1.33
5g/cc)、dcは結晶密度(1.455g/cc)
である。
−da)]×100 なお、ここでdは試料密度、daは非晶密度(1.33
5g/cc)、dcは結晶密度(1.455g/cc)
である。
【0028】(4)耐層間剥離性および耐割れ性 10℃の低温環境室内において、線径0.7mmのコイ
ルを用いて実装によりウエッジおよびスロットとしての
成形、挿入時の耐層間剥離性および耐割れ性を◎、○、
△、×の4段階法で評価した。評価テスト中全く発生し
ない状態を◎、頻繁に発生する状態を×とし、中間のも
のを状態に応じて○、△で評価した。
ルを用いて実装によりウエッジおよびスロットとしての
成形、挿入時の耐層間剥離性および耐割れ性を◎、○、
△、×の4段階法で評価した。評価テスト中全く発生し
ない状態を◎、頻繁に発生する状態を×とし、中間のも
のを状態に応じて○、△で評価した。
【0029】なお、市販の二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚み250μm)は△〜×レベルで
ある。
タレートフィルム(厚み250μm)は△〜×レベルで
ある。
【0030】
【実施例】本発明を実施例を用いて説明する。
【0031】実施例1 極限粘度が0.65のポリエチレンテレフタレートペレ
ットを減圧下で十分加熱乾燥した後、270〜280℃
に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に押
し出した。このシートを表面温度25℃の冷却ドラム上
に静電気力で密着固化し厚み2.1mmの未延伸シート
を得た。この未延伸シートを140℃の熱風加熱式オー
ブンに導き30%熱結晶化させた。この結晶化した未延
伸シートを140℃の加熱ロールで加熱し縦方向に2.
8倍延伸した後、30℃のロール群で冷却した。続いて
フィルムの両端をクリップで把持しながらテンタに導き
220℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向に3倍延伸
した後、室温まで徐冷して巻取った。得られたフィルム
の特性は表1のとおりである。
ットを減圧下で十分加熱乾燥した後、270〜280℃
に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に押
し出した。このシートを表面温度25℃の冷却ドラム上
に静電気力で密着固化し厚み2.1mmの未延伸シート
を得た。この未延伸シートを140℃の熱風加熱式オー
ブンに導き30%熱結晶化させた。この結晶化した未延
伸シートを140℃の加熱ロールで加熱し縦方向に2.
8倍延伸した後、30℃のロール群で冷却した。続いて
フィルムの両端をクリップで把持しながらテンタに導き
220℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向に3倍延伸
した後、室温まで徐冷して巻取った。得られたフィルム
の特性は表1のとおりである。
【0032】実施例2 実施例1と同様の方法で押出機の回転速度を調整して厚
み2.3mm、結晶化度28%の未延伸結晶化シートを
得た。このシートをパンタグラフ方式で140℃に加熱
された熱風雰囲気中で縦、横方向同時にそれぞれ3倍延
伸した後220℃で熱固定し、室温まで徐冷して巻取っ
た。得られたフィルムの特性は表1のとおりである。
み2.3mm、結晶化度28%の未延伸結晶化シートを
得た。このシートをパンタグラフ方式で140℃に加熱
された熱風雰囲気中で縦、横方向同時にそれぞれ3倍延
伸した後220℃で熱固定し、室温まで徐冷して巻取っ
た。得られたフィルムの特性は表1のとおりである。
【0033】比較例1 実施例1と同様の方法で厚み2.1mmの未延伸シート
を得た。この未延伸シートを140℃の熱風加熱式オー
ブンに導き、実施例1に比べて加熱ゾーンを短くして7
%熱結晶化させた。この結晶化した未延伸シートを95
℃の加熱ロールで加熱し縦方向に2.8倍延伸した後、
30℃のロール群で冷却した。続いてフィルムの両端を
クリップで把持しながらテンタに導き100℃に加熱さ
れた熱風雰囲気中で横方向に3.1倍延伸した後220
℃で熱固定しさらに幅方向に2%弛緩した後、室温まで
徐冷して巻取った。得られたフィルムの特性は表1のと
おりである。
を得た。この未延伸シートを140℃の熱風加熱式オー
ブンに導き、実施例1に比べて加熱ゾーンを短くして7
%熱結晶化させた。この結晶化した未延伸シートを95
℃の加熱ロールで加熱し縦方向に2.8倍延伸した後、
30℃のロール群で冷却した。続いてフィルムの両端を
クリップで把持しながらテンタに導き100℃に加熱さ
れた熱風雰囲気中で横方向に3.1倍延伸した後220
℃で熱固定しさらに幅方向に2%弛緩した後、室温まで
徐冷して巻取った。得られたフィルムの特性は表1のと
おりである。
【0034】比較例2 実施例1と同様の方法で押出機の回転速度を調整して厚
み1.7mm、結晶化度32%の未延伸結晶化シートを
得た。このシートを140℃の加熱ロールで加熱し縦方
向に2.1倍延伸した後、30℃のロール群で冷却し
た。続いてフィルムの両端をクリップで把持しながらテ
ンタに導き220℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向
に3.3倍延伸した後、室温まで徐冷して巻取った。得
られたフィルムの特性は表1のとおりである。
み1.7mm、結晶化度32%の未延伸結晶化シートを
得た。このシートを140℃の加熱ロールで加熱し縦方
向に2.1倍延伸した後、30℃のロール群で冷却し
た。続いてフィルムの両端をクリップで把持しながらテ
ンタに導き220℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向
に3.3倍延伸した後、室温まで徐冷して巻取った。得
られたフィルムの特性は表1のとおりである。
【0035】比較例3 実施例1と同様の方法で厚み2.1mmの未延伸シート
を得た後、オーブンを通すことなく90℃の加熱ロール
で加熱し縦方向に2.8倍延伸した。この未延伸シート
を実施例1と同様の方法で100℃に加熱された熱風雰
囲気中で横方向に3倍延伸した後220℃で熱固定し、
室温まで徐冷して巻取った。得られたフィルムの特性は
表1のとおりである。
を得た後、オーブンを通すことなく90℃の加熱ロール
で加熱し縦方向に2.8倍延伸した。この未延伸シート
を実施例1と同様の方法で100℃に加熱された熱風雰
囲気中で横方向に3倍延伸した後220℃で熱固定し、
室温まで徐冷して巻取った。得られたフィルムの特性は
表1のとおりである。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明で得られる二軸延伸ポリエステル
フィルムは、本来の機械特性を維持しつつ結晶の面配向
性を崩したものであり、これによって二軸延伸ポリエス
テルフィルム本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)
を維持し、しかも耐層間剥離性に優れたフィルムを提供
するものである。
フィルムは、本来の機械特性を維持しつつ結晶の面配向
性を崩したものであり、これによって二軸延伸ポリエス
テルフィルム本来の優れた機械特性(耐割れ性を含む)
を維持し、しかも耐層間剥離性に優れたフィルムを提供
するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 フィルムの面配向崩れ指数が5以上であ
って、フィルム面内全方向におけるF5値の最小値が7
kg/mm2 以上であることを特徴とする二軸延伸ポリ
エステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27696993A JPH07125063A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27696993A JPH07125063A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07125063A true JPH07125063A (ja) | 1995-05-16 |
Family
ID=17576940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27696993A Pending JPH07125063A (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 二軸延伸ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07125063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319444A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-11-11 | Toray Ind Inc | 電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム |
-
1993
- 1993-11-05 JP JP27696993A patent/JPH07125063A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319444A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-11-11 | Toray Ind Inc | 電気絶縁用二軸配向ポリエステルフィルム |
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