JPH07123239B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JPH07123239B2
JPH07123239B2 JP23452092A JP23452092A JPH07123239B2 JP H07123239 B2 JPH07123239 B2 JP H07123239B2 JP 23452092 A JP23452092 A JP 23452092A JP 23452092 A JP23452092 A JP 23452092A JP H07123239 B2 JPH07123239 B2 JP H07123239B2
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signal
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echo canceller
linear
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靖斉 志田
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NEC Corp
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエコーキャンセラに関
し、特にディジタル加入者線伝送システムにおいて送信
回路の非線形特性に起因する非線形成分を含むエコーの
消去機能を有するエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル加入者線伝送システムなどの
データ通信システムにおいて、通常、送信回路はディジ
タル送信データ対応の多値送信符号をアナログ信号に変
換する機能およびこのアナログ信号のレベルを変換する
機能を含むので、アナログ回路の適用を避けられない。
したがって、完全に線形な特性を得ることが難しく、シ
ステムの性能劣化の一原因となる非線形歪が多値送信符
号に生じ、非線形成分を含むエコーが反響路に発生す
る。
【0003】このような非線形歪に基づく非線形成分を
含むエコーの消去(厳密には、許容レベル以下に抑圧す
ること)を可能にする技術の一例が特開昭61−263
331号公報に開示されている。同公報記載の非線形適
応フィルタ(エコーキャンセラ)では、入力信号に対す
る雑音源信号の寄与を適応的にモデル化してキャンセル
信号を生成し、入力信号からキャンセル信号を減算する
線形フィルタおよび非線形フィルタと、トレーニング期
間の最初の部分において線形アルゴリズムに従って線形
フィルタを適応し、この後に非線形アルゴリズムに従っ
て非線形フィルタを適応する適応回路とを備えることに
より、入力信号に含まれる雑音(非線形成分)と雑音源
信号との非線形関係を短いトレーニング期間にモデル化
できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報開示技術では、線形フィルタのトレーニングは初期ト
レーニングの最初の部分でのみ行うため、線形成分の変
動し対して非線形フィルタで対処しなくてはならない。
このため、非線形フィルタにも線形フィルタと同じ数の
タップを設ける必要があり、結果的にハードウェア量が
増加する。
【0005】また、詳細構成を検討すると、RAMに記
憶している全ての値を1サイクルで書き換える場合があ
り、RAMにはダイナミックメモリを用いなくてはなら
ない。このため、リフレッシュ回路が必要となり、ハー
ドウェア量の増加を促進する。
【0006】さらに、線形フィルタと非線形フィルタと
のトレーニングを別途行う適応回路が必要であり、適応
制御およびその回路構成が複雑となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエコーキャンセ
ラは、キャンセル信号と反響路からのエコーとしての入
力信号との差分である誤差信号を定数倍した適応信号を
送出するスケーリング回路と;このスケーリング回路か
らの前記適応信号と多値送信符号対応の雑音源信号とを
供給され前記エコーの線形成分を推定する線形エコーキ
ャンセラと;前記スケーリング回路からの前記適応信号
と前記雑音源信号とを供給され前記エコーの非線形成分
を推定する非線形エコーキャンセラと前記線形エコー
キャンセラと前記非線形エコーキャンセラとの出力を加
算する第1の加算器とを備え;前記非線形エコーキャン
セラは、前記雑音源信号の多値の数に対応した多出力の
各各に予め定めた第1および第2の論理信号を送出する
セレクタと、このセレクタの多出力の各各を初段入力と
し各各別に縦続接続される複数組の単位遅延回路と、こ
れら複数組の単位遅延回路および前記セレクタの出力の
うち時間的に連続する複数個を選ぶ出力をそれぞれ入力
とする複数のアンド回路と、これら複数のアンド回路に
それぞれ対応して設けられ対応の前記アンド回路から有
意の論理信号が供給されたとき適応係数の記憶値を更新
して送出する複数の適応係数回路と、前記複数組の単位
遅延回路の各各の最終段の出力対応の前記アンド回路に
対応する前記適応係数回路からの前記適応係数を加算す
る第2の加算器と、この第2の加算器の出力を単位時間
毎に減衰させる減衰器と、前記複数の適応係数回路と前
記減衰器との出力を加算しエコーレプリカとして前記第
1の加算器に送出する第3の加算器とを有する。
【0008】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0009】本発明の一実施例を示す図1を参照する
と、このエコーキャンセラ101は雑音源信号(多値送
信符号)102および適応信号104の各各を入力とす
る線形エコーキャンセラ(線形フィルタ)106および
非線形エコーキャンセラ107(非線形フィルタ)と、
線形エコーキャンセラ106および非線形エコーキャン
セラ107の出力を加算する加算器110と、減算器1
08により求められた入力信号(反響路からのエコー)
103とキャンセル信号111との差分対応の誤差信号
109を入力とするスケーリング回路105とを備え
る。この構成において、トレーニングの初期にはスケー
リング回路105は減算器108により入力信号103
からキャンセル信号111を減算して求められた誤差信
号109を定数倍し、適応信号104として線形エコー
キャンセラ106にのみ供給する。線形エコーキャンセ
ラ106は雑音源信号102および適応信号104をも
とにエコーの線形成分を推定して加算器110に出力す
る。加算器110は線形エコーキャンセラ106の出力
と非線形エコーキャンセラ107の出力とを加算し、キ
ャンセル信号111として減算器108に出力する。こ
のときの非線形エコーキャンセラ107の出力は0であ
る。線形エコーキャンセラ106が収束した後、スケー
リング回路105は非線形エコーキャンセラ107にも
同様に定数倍した適応信号104を出力する。非線形エ
コーキャンセラ107は雑音源信号102および適応信
号104により非線形成分を推定して加算器110に供
給する。線形エコーキャンセラはLMSアルゴリズムを
用いた通常のトランスバーサルフィルタにIIRフィル
タを縦続接続して構成できる。この実施例では、線形エ
コーキャンセラ106のキャンセル区間に対して、非線
形エコーキャンセラ107のキャンセル区間を短くして
いる。これは、非線形歪の影響の大きい区間はエコーの
時間応答の一部であるからである。
【0010】次に雑音源信号102が2値、かつ非線形
エコーのキャンセル区間が4[UI](ユニットインタ
ーバル)の場合の非線形エコーキャンセラ107の詳細
構成例を示す図2を参照すると、非線形エコーキャンセ
ラ107は2値(たとえば、±1)の送信符号対応の雑
音源信号102を入力する遅延回路121と、遅延回路
121の出力を入力とするセレクタ122と、セレクタ
122の出力125を第1番目の単位遅延回路の入力と
して縦続接続される4個の単位遅延回路123と、セレ
クタ122の出力126を第1番目の単位遅延回路の入
力として縦続接続される4個の単位遅延回路124と、
単位遅延回路123,124およびセレクタ122の出
力を入力とする16個のアンド(AND)回路113と
を有する。また、この非線形エコーキャンセラ107は
適応信号をそれぞれ入力としAND回路113に1対1
に対応する16個の適応係数回路114と、第4番目の
単位遅延回路123の出力または第4番目の単位遅延回
路124の出力を入力としているAND回路113対応
の適応係数回路114の出力を入力とする加算器115
と、加算器115の出力を入力とする減衰器117と、
適応係数回路114の出力と減衰器117の出力とを入
力とする加算器116とを有する。ここで、2入力のA
ND回路113の接続はセレクタ122の出力125,
126および単位遅延回路123,124の出力から時
間的に連続する2つをそれぞれ選ぶように行われてい
る。なお、遅延回路121は符号送信後に反響路からエ
コーが戻る時間調整のために設けている。
【0011】この非線形エコーキャンセラ107の動作
について詳述すると、雑音源信号102は遅延回路12
1を通してセレクタ122に入力される。セレクタ12
2は遅延回路121から入力される符号の値±1に応じ
て各各出力125,126の一方にバイナリ信号1をセ
ットし、他方にバイナリ信号0をセットする。セレクタ
122の出力125,126は縦続接続された単位遅延
回路123,124にそれぞれ入力されて単位時間毎の
遅延を与えられる。AND回路113の各各は対応する
単位遅延回路123,124の入出力が全て1の場合に
1を出力する。出力が1のAND回路113と接続され
た適応係数回路114のみ出力し、かつ内蔵レジスタが
更新される。単位遅延回路123,124の最終段の出
力を入力としているAND回路113に対応している適
応係数回路114の出力は加算器115に入力される。
加算器115の出力は減衰器117によって単位時間毎
に減衰させられる。これにより、第4番目の単位遅延回
路123,124より後の非線形歪の影響が小さいキャ
ンセル区間のエコーを推定している。適応係数回路11
4の出力および減衰器117の出力はすべて加算器11
6で加算されエコーレプリカの非線形成分として出力さ
れる。このように、非線形エコーキャンセラ107は雑
音源信号102の各送信符号パターンによって生じる非
線形エコーの時間応答を推定しキャンセル信号を生成す
る。
【0012】消去を行う非線形エコーと図2に示す回路
構成との関係についてより詳細に説明する。時刻nで送
信符号をXn、時刻n−1での送信符号をXn−1、送
信時にXn−1によりXnに非線形歪が生じるものとす
ると、時刻nの送信レベルYnは式(1)のようにな
る。 ここで、aは送信回路での変換係数、b(i,j)
(i,jは+1または−1の送信符号)はXn,Xn−
1のパターンによって値が決まる関数である。エコーキ
ャンセル点でのエコーの時間応答Ck(k=0〜L−
1)がLサンプル分の長さであるとすると、時刻nのキ
ャンセル点でのエコーEnは式(2)のようになる。 ここで、以下のようなパターン検出特性を持つ関数di
j(Xn−k,Xn−k−1)(添え字i,jは、+1
または−1の送信符号)を導入する。 i=Xn−kかつj=Xn−k−1の場合、dij(X
n−k,Xn−k−1)=1 それ以外の場合、dij(Xn−k,Xn−k−1)=
dijにより式(2)を変形すると式(3)のようにな
る(kに対して式(3)の2項から5項のうち1項のみ
値をもつ)。 式(3)の第1項が線形エコー成分を、第2〜5項は送
信時に発生した非線形歪の時間応答を示している。ここ
で、式(3)の第2項について、非線形エコーは送信後
4サンプル目まで影響が大きく、4サンプル目以降は単
調減少となるというように近似してもよい場合とし、そ
の減衰定数をh(0<h<1)としg11k=Ck・b
(1,1)とすると、式(4)のように変形できる。 同様な近似により式(3)の3項から5項を変形する
と、式(3)は式(5)のようになる(線形成分につい
てはLサンプル分の時間応答に対して近似は行っていな
い)。 図2において、左から1から4番目までの加算器116
の入力が式(5)の第2項に、5から8番目までの入力
が式(5)の第4項に、9から12番目までの入力が式
(5)の第6項に、13から16番目までの入力が式
(5)の第8項に対応する。式(5)の第3,5,7,
9項は減衰器117に対応している。また、式(5)中
の関数dij(Xn,Xn−1)はアンド回路113
に、gijkは適応係数回路114にそれぞれ対応す
る。 上述したように、送信点で発生する非線形歪は送信
符号パターンにより異なる。この非線形エコーキャンセ
ラ107では、各パターンによって発生する非線形歪の
時間応答を推定し、それらをたし合せることで受信点で
の非線形歪の総和を求めている。時間的に連続した2つ
の出力を入力とするアンド回路113でパターン検出を
行いこれを実現している。図3に適応係数回路114の
詳細構成例を示す。図2に示す適応係数回路114の各
各はスケーリング回路からの適応信号104とスイッチ
120の出力とを加算する加算器118と、加算器11
8の出力を入力とするレジスタ119と、レジスタ11
9の出力を入力としAND回路113の出力を制御信号
とするスイッチ120とから構成される。ここで、レジ
スタ119はフリップフロップにより、またスイッチ1
20は半導体スイッチ素子により構成できる。この適応
係数回路114では、AND回路113の出力1の場合
にスイッチ120が動作(閉成)し、レジスタ119に
保持されている値(REGn−1)に適応信号(2α・
ERR)104を加算することにより行われる。AND
回路113の出力が0または1の論理信号であるので、
この実施例の非線形エコーキャンセラの適応係数回路1
14の各各は乗算器を不要とするトランスバーサルフィ
ルタ構成となる。
【0013】上述した実施例では、線形エコーキャンセ
ラ106が収束した後、非線形エコーキャンセラ107
のトレーニングを開始しているが、これらのトレーニン
グを同時に開始しても問題はない。すなわち、線形エコ
ーキャンセラ106のタップ係数が常に更新されるのに
対し、非線形エコーキャンセラ107の適応係数回路1
14の更新はAND回路113の出力が1の場合のみに
行われるため、線形エコーキャンセラ106の方が収束
速度が早くなり、線形エコーキャンセラ106および非
線形エコーキャンセラ107が同時に動作してきょうあ
いし、適応係数の安定性が悪くなることを回避できるか
らである。
【0014】また、スケーリング回路105から出力さ
れる適応信号104を線形エコーキャンセラ106への
出力(2α2・ERR)より非線形エコーキャンセラ1
07への出力(2α1・ERR)を小さくとることでも
両エコーキャンセラ106,107のトレーニングの時
間開始問題に対処できる。なお、スケーリング回路10
5において適応信号104の定数(2α1,2α2)の
切替えを行うためには、誤差信号(ERR)109を測
定してその平均が一定になった場合に小さい定数(2α
1)に切替える手法、また時間によってアプリケーショ
ンを満足するように小さい定数に切替える手法などをス
ケーリング回路105に採用する必要がある。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
値送信符号の値ごとに論理信号(0,1)を格納するよ
うにそれぞれ縦続接続された複数組の単位遅延回路の出
力を参照するAND回路の出力によって適応等化を行う
構成の非線形エコーキャンセラを設けることにより、ハ
ードウェア量が削減でき、かつ適応制御が簡略化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1中の非線形エコーキャンセラの詳細構成例
を示す図である。
【図3】図2中の適応係数回路の詳細構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
101 エコーキャンセラ 102 雑音源信号 103 入力信号 104 適応信号 105 スケーリング回路 106 線形エコーキャンセラ 107 非線形エコーキャンセラ 108 減算器 109 誤差信号 110,115,116,118 加算器 111 キャンセル信号 113 アンド回路 114 適応係数回路 117 減衰器 119 レジスタ 120 スイッチ 121 遅延回路 122 セレクタ 123,124 単位遅延回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャンセル信号と反響路からのエコーと
    しての入力信号との差分である誤差信号を定数倍した適
    応信号を送出するスケーリング回路と; このスケーリング回路からの前記適応信号と多値送信符
    号対応の雑音源信号とを供給され前記エコーの線形成分
    を推定する線形エコーキャンセラと; 前記スケーリング回路からの前記適応信号と前記雑音源
    信号とを供給され前記エコーの非線形成分を推定する非
    線形エコーキャンセラと 前記線形エコーキャンセラと前記非線形エコーキャンセ
    ラとの出力を加算する第1の加算器とを備え; 前記非線形エコーキャンセラは、前記雑音源信号の多値
    の数に対応した多出力の各各に予め定めた第1および第
    2の論理信号を送出するセレクタと、このセレクタの多
    出力の各各を初段入力とし各各別に縦続接続される複数
    組の単位遅延回路と、これら複数組の単位遅延回路およ
    び前記セレクタの出力のうち時間的に連続する複数個を
    選ぶ出力をそれぞれ入力とする複数のアンド回路と、こ
    れら複数のアンド回路にそれぞれ対応して設けられ対応
    の前記アンド回路から有意の論理信号が供給されたとき
    適応係数の記憶値を更新して送出する複数の適応係数回
    路と、前記複数組の単位遅延回路の各各の最終段の出力
    対応の前記アンド回路に対応する前記適応係数回路から
    の前記適応係数を加算する第2の加算器と、この第2の
    加算器の出力を単位時間毎に減衰させる減衰器と、前記
    複数の適応係数回路と前記減衰器との出力を加算しエコ
    ーレプリカとして前記第1の加算器に送出する第3の加
    算器とを有すること特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】 前記複数の適応係数回路の各各は、対応
    の前記アンド回路から有意の論理信号が供給されたとき
    に前記適応係数の記憶値を前記第2および第3の加算器
    の少なくとも一方に送出するように動作するスイッチ
    と、このスイッチの動作時に前記適応係数の記憶値を送
    出するレジスタと、このレジスタからの前状態の前記記
    憶値と前記スケーリング回路からの前記適応信号とを加
    算し前記レジスタの前記記憶値を更新する第4の加算器
    とを有することを特徴とする請求項1記載のエコーキャ
    ンセラ。
JP23452092A 1992-09-02 1992-09-02 エコーキャンセラ Expired - Lifetime JPH07123239B2 (ja)

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