JPH07122024B2 - 含油樹脂組成物 - Google Patents

含油樹脂組成物

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JPH07122024B2
JPH07122024B2 JP62124833A JP12483387A JPH07122024B2 JP H07122024 B2 JPH07122024 B2 JP H07122024B2 JP 62124833 A JP62124833 A JP 62124833A JP 12483387 A JP12483387 A JP 12483387A JP H07122024 B2 JPH07122024 B2 JP H07122024B2
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慎司 森
克敏 石岡
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エヌオーケー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、含油樹脂組成物に関する。更に詳しくは、摺
動特性を改善せしめた成形品を与え得る、含油樹脂組成
物に関する。
〔従来の技術〕および〔発明が解決しようとする問題
点〕 摺動材料として用いられる熱可塑性樹脂の摺動特性を改
善させるために、四フッ化エチレン樹脂粉末、二硫化モ
リブデン、炭素繊維によって代表される固体潤滑剤を添
加する方法が広く用いられている。また、熱硬化性樹脂
に液状油を添加した含油樹脂も、一方では用いられてい
る。
後者の含油樹脂の場合、マトリックス樹脂と液状油との
混合物をスクリュー押出機などを用いて混練しようとす
ると、マトリックス樹脂に付着した油のため、押出機の
ホッパー口で空滑りして押出機中に喰い込まれないとい
う不具当がみられ、実質的に含油樹脂が得られないので
ある。また、スクリュー押出機に代えて2本ロール混練
機を用いた場合にも、ロール表面で空滑りしてロール間
に喰い込まないという同様の不具合がみられる。
その他、操作性、成形性、成形品物性などに種々の問題
がみられ、かかる課題の解決が強く望まれているのが現
状である。
本発明者らは、操作性、成形性などを損なうことなく、
熱硬化性樹脂の摺動特性を改善させる方法について検討
した結果、液状油を多孔質スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体に吸着せしめた含油樹脂が、それが添加された
熱硬化性樹脂の摺動特性を大幅に改善せしめるものであ
ることを見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
従って、本発明は含油樹脂組成物に係り、この含油樹脂
組成物は、多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
に液状油を吸着せしめた含油樹脂および熱硬化性樹脂よ
りなる。
液状油を吸着させる多孔質スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体は、ジビニルベンゼン部分がスチレン基体の架
橋点として作用する樹脂であり、見掛上細孔を有するも
のと有しないものとがある。
これらの樹脂は、三菱化成工業製品ダイヤイオンとして
市販されているが、見掛上の細孔を有するもの(ダイヤ
イオンHPシリーズ)16〜8000Åの孔径および0.1ml/g以
上の細孔容積の細孔を有しており、吸着性は強いものの
細孔容積が大きいので、完全に細孔に水が入った状態で
販売されている製品を水切りすると、細孔中に空気が入
り被処理液と接触しなくなるとされている。
本発明においては、マイクロポーラス型イオン交換樹脂
の前駆体として、水溶液中の不純物を吸着除去するなど
の作用をするかかる含水合成吸着剤の粉体または粒体
を、約80〜150℃の温度に約3〜15時間加熱して完全に
乾燥させた後、そこの細孔部分に粘度約5〜70000セン
チストークス(40℃)の液状油を吸着させることが行わ
れる。
その吸着を完全ならしめるために、液状油を有機溶剤溶
液としてまず含浸させると、その溶液は乾燥合成吸着剤
たる多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粉体ま
たは粒体の細孔内の空気を追い出しながら浸透して行
く。
また、見掛上細孔を有しない共重合体樹脂でも、トルエ
ンなど後記するような有機溶剤に浸漬すると膨潤し、そ
の状態を電子顕微鏡で観察すると、細孔が開くことが判
明した。従って、かかる共重合体樹脂もまた、多孔質体
の一種といえる。
このような細孔を利用して、共重合体樹脂に液状油を含
浸させることもできるが、そのままでは含浸速度が遅い
ため、上記の如く有機溶剤を利用し、膨潤により開いた
微細孔中に液状油を有機溶剤溶液として含浸せしめる方
法が好んで用いられる。
液状油の有機溶剤溶液としては、例えばベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類に溶解させた鉱
物油またはシリコーン油、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類に溶解させたエステル油、メタノー
ル、エタノールなどのアルコール類またはアセトンなど
のケトン類に溶解させたポリグリコール油、トリクロル
トリフルオロエタンまたはそれと塩化メチレンとの混合
溶剤、テトラクロルジフルオロエタンなどのハロゲン化
炭化水素類に溶解させたフッ素油などが、一般に約20重
量%以上の濃度の溶液として用いられる。
これらの、有機溶剤溶液中で多孔質共重合体粉体または
粒体を撹拌することにより含浸を行なった後、有機溶剤
を約50〜150℃に加熱および/または減圧することによ
り蒸発除去させ、多孔質体のもつ細孔容積以下の油を共
重合体中に吸着させ、含油樹脂を得る。
このようにして得られた含油樹脂は、例えば約1.1〜1.2
ml/gという大きな含油量を示していながらお互いに付着
し合わず、さらさらした状態を示しており、流動性の良
好な樹脂であって、以下の各種熱硬化性樹脂の粉体また
は粒体との混合、分散が容易である。
この含油樹脂を、レゾール型フェノール樹脂成形コンパ
ウンド、ノボラック型フェノール樹脂成形コンパウン
ド、エポキシ樹脂成形コンパウンド、ジオクチルフタレ
ート樹脂成形コンパウンド、不飽和ポリエステル樹脂成
形コンパウンドなどの各種熱硬化性樹脂の粉体または粒
体とリボン型ミキサー、V型混合機、ヘンシェル型混合
機などの混合機で撹拌混合し、更にスクリュー押出機、
2本ロール混合機などで混練し、粗粉砕して粒形を揃え
てグラニュー化したものは、それの操作性、成形性など
を損なうことなく、射出成形機、熱圧縮成形機、トラン
スファー成形機などで成形することがでる。
熱硬化性樹脂との組成物の調製に際しては、組成物中油
量が約3〜30重量%を占めるように、含油樹脂が約5〜
50重量%の割合で用いられる。この範囲外では、所望の
耐摩擦耗性の改善硬化が発揮されず、特に耐摩耗性が損
われるようになる。
この際、含油樹脂としては、それぞれ異なる種類の液状
油を吸着させた含油樹脂を2種類以上混合して用いるこ
とができ、例えば鉱物油を吸着させたものとシリコーン
油を吸着させたものとの混合物、エステルを吸着させた
ものとフッ素油を吸着させたものとの混合物を用いるこ
とができ、あるいは互いに異なる粘度の液状油を吸着さ
せた含油樹脂を2種類以上混合して用いることができ、
例えば鉱物油で30センチストークスのものを吸着させた
多孔質共重合体と480センチストークスのものを吸着さ
せた多孔質共重合体との混合物として用いることもでき
る。
前記各種の熱硬化性樹脂の内、フェノール樹脂が好んで
用いられるが、成形材料としてはフェノール樹脂がそれ
単独で使用される例は殆んどなく、最大約70重量%程度
の充填材(強化材、増量材など)を配合、分散させた形
で用いられることが多い。
本発明に係る含油樹脂組成物は、ポンプ、バルブなどの
ケースなどの構造部品、電気絶縁性スイッチ部品などの
電気部品、ギャー、ブッシュ、スラストベアリング、羽
根車などの摺動部品など各種の用途に使用し得るが、こ
れらの各種用途には耐熱性、耐水性、耐薬品性、耐油
性、耐燃料性、寸法安定性、機械的強度などにすぐれた
フェノール樹脂が多く用いられるものの、これらの特性
はそこに配合された充填材の種類によって大きく左右さ
れる。
即ち、機械的強度の向上にはガラス繊維、アスベスト繊
維、炭素繊維などの繊維質充填材が用いられ、摺動特性
の改善にはフッ素樹脂粉末、炭素繊維、二硫化モリブデ
ンなどが用いられる。これら以外にも、木粉、綿布屑、
タルク、アスベスト粉、黒鉛粉、金属粉などの無機質ま
たは有機質充填材が適宜用いられる。
〔発明の効果〕
本発明で用いられる含油樹脂は、吸油量が多く反面油に
よる膨潤が少なく、かつ含油状態でも油による表面のベ
ト付きが少なく、従ってスクリュー押出機、スクリュー
射出成形機、ロール混練機などに熱硬化性樹脂と共に供
給した場合でも喰い込みが良いという結果が得られる。
かかる効果はスチレン−ジビニルベンゼン共重合体系マ
イクロポーラスビーズの場合に得られる特有の効果であ
り、同じマイクロポーラスビーズを用いても、SiO2系の
ものの場合にはこのような効果が得られない。
また、熱硬化性樹脂と混合する場合、含油樹脂の含油量
が大きいのでその混合割合を少なくすることができるた
め、成形性は何ら損なわれることなく、熱硬化性樹脂の
摺動特性(摩擦摩耗特性)を顕著に改善させるという効
果を奏する。特に、フェノール樹脂と混合して用いた場
合には、広いPV域での耐摩擦摩耗性の顕著な改善が達成
される。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例、比較例 多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化成
製品ダイヤイオンMP−A)1000gを容量5のステンレ
ススチール製容器にとり、シリコーン油〔トーレシリコ
ーン製品SH−200;粘度200センチストークス(40℃)〕1
250gをトルエン1000gに溶解させた溶液をそこに加えて
撹拌した。
このようにしてシリコーン油のトルエン溶液を含浸させ
た多孔質共重合体を、50×50×10cmのステンレススチー
ル製パレットに拡げて防爆型電気乾燥炉に入れ、120℃
で6時間加熱してトルエンを除去することにより、シリ
コーン油吸着多孔質共重合体(安息角40゜)を得た。
このシリコーン油吸着多孔質共重合体100g(5重量%、
油量として2.8重量%)およびフェノール樹脂成形コン
パウンド(オタライト製品RX650)1900g(95重量%)を
混合し、スクリュー射出成形機(東芝機械製IS45−Pを
用い、曲げ試験片(JIS K−6911)および平板(30×60
×2mm)をそれぞれ成形した(実施例)。同様に、フェ
ノール樹脂成形コンパウンドのみの引張試験片および平
板を成形した(比較例)。射出成形条件は、いずれも次
の如くである。
シリンダー温度 ホッパー側 70℃ ノズル側 100℃ 金型温度 175℃ 射出圧 一次圧 800kg f/cm2 型締圧 45ton スクリュー回転数 100rpm 射出時間 30秒 硬化時間 30秒 これらの各試料について、曲げ強さ、摩擦摩耗特性(荷
重5kg/cm2、周速0.2m/秒、時間24時間、相手材鋼S45C、
相手粗さ1.5S、室温、無潤滑)および摺動温度をそれぞ
れ測定した。得られた結果は、次の表に示される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合
    体に液状油を吸着せしめた含油樹脂および熱硬化性樹脂
    よりなる含油樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂がフェノール樹脂である特許
    請求の範囲第1項記載の含油樹脂組成物。
  3. 【請求項3】組成物中、油量が3〜30重量%になるよう
    に含油樹脂を5〜50重量%混合した特許請求の範囲第1
    項記載の含油樹脂組成物。
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