JPH07122016B2 - ブロ−成形に適する樹脂組成物 - Google Patents

ブロ−成形に適する樹脂組成物

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JPH07122016B2
JPH07122016B2 JP504387A JP504387A JPH07122016B2 JP H07122016 B2 JPH07122016 B2 JP H07122016B2 JP 504387 A JP504387 A JP 504387A JP 504387 A JP504387 A JP 504387A JP H07122016 B2 JPH07122016 B2 JP H07122016B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリフェニレンオキサイド系樹脂およびポリ
アミド樹脂を含む樹脂組成物に関し、本樹脂組成物はブ
ロー成形に適する。
[従来の技術] ポリフェニレンオキサイドは、その優れた寸法安定性、
耐熱性、機械的性質及び電気的性質の故に成形材料用樹
脂として有用であるが、流動性、耐衝撃性及び耐油性に
劣ることが大きな欠点である。
ポリフェニレンオキサイドとポリアミドを混合すること
によってポリフェニレンオキサイドの流動性を改善する
ことが特公昭45−997号公報に、またポリフェニレンオ
キサイドとポリアミドを混合することによってポリフェ
ニレンオキサイドの耐油性を改善することが特開昭56−
16525号公報に開示されている。
これら従来公知のポリフェニレンオキサイドとポリアミ
ドから成る樹脂組成物は、射出成形に用いられた。しか
し、該樹脂組成物をブロー成形に用いることは困難であ
った。すなわち、ポリフェニレンオキサイドにポリアミ
ドを配合することによって、溶融樹脂組成物の流動性が
高くなるが、するとブローする前のパリソンが自重で垂
れ下り、成形品の肉厚、寸法が著しく不均一になるドロ
ーダウン現象が起る。従って、ポリフェニレンオキサイ
ドとポリアミドを含む樹脂組成物を用いてブロー成形す
ることは、困難であり、特に大形の中空成形品を得るこ
とは殆んど不可能であり、たとえ可能であっても肉厚の
均一な成形品は得られなかった。
通常の押出スクリュー型のブロー成形機を用いてブロー
成形するとき、押出機スクリューにかかわる負荷を小さ
くするため、及び溶融ポリマーを高速で口金から吐出さ
せた際にメルトフラクチャーを発生させないために、溶
融粘度が低い事が望ましい。一方、パリソンのドローダ
ウン現象を起さずに、均一な肉厚および寸法の成形品を
得るためには、溶融粘度が高い事が望ましい。
この二つの要請を満すには、ポリマーが高剪断速度下で
は低い溶融粘度を持ち、低剪速度下では高い溶融粘度を
持てば良い。しかし、従来のポリフェニレンオキサイド
とポリアミドから成る樹脂組成物の溶融粘度は、剪断速
度にあまり依存せず、常に低かった。
[発明が解決しようとする問題点] ポリフェニレンオキサイドとポリアミドを含む樹脂組成
物からブロー成形により均一な肉厚および寸法の中空成
形品を作ることを可能とするために、その溶融粘度が剪
断速度に大きく依存するところの樹脂組成物を創作する
ことが本発明の目的である。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、通常成形に用いられているポリアミド、す
なわち末端アミノ基量と末端カルボキシル基量が同じポ
リアミドまたは安定化のために末端アミノ基を封鎖し
て、末端アミノ基量を少くしたポリアミドではなくて、
末端アミノ基対末端カルボキシル基のモル比が2以上で
あり、かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g以上のポ
リアミドを用い、かつ酸変性ポリオレフィンを加えるこ
とにより、樹脂組成物の溶融粘度の剪断速度依存性を高
められることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、 (A) ポリフェニレンオキサイド系樹脂20〜80重量部 (B) 末端アミノ基対末端カルボキシル基のモル比が
2以上であり、かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g
以上のポリアミド樹脂 80〜20重量部 (C) 上記成分(A)及び(B)の合計100重量部に
対して1〜20重量部の酸変性ポリオレフィン樹脂を含む
樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物は好ましくは、上記成分(A)及び
(B)の合計100重量部に対して0.1〜10重量部のα,β
−不飽和カルボン酸及びその誘導体及び飽和脂肪族ポリ
カルボン酸及びその誘導体より成る群から選ばれた化合
物(D)の1種または2種以上を更に含むことができ
る。
また本発明の樹脂組成物は好ましくは、上記成分(A)
及び(B)の合計100重量部に対して1〜20重量部のゴ
ム様物質(E)を更に含むことができる。
本発明において、ポリフェニレンオキサイド系樹脂
(A)は、それ自体公知であり、たとえば一般式 〔式中R1,R2,R3並びにR4は水素、ハロゲン、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子とフェニル環との間に
少くとも2個の炭素原子を有するハロアルキル基および
ハロアルコキシ基で第3級α−炭素を含まないものから
選んだ一価置換基を示し、nは重合度を表わす整数であ
る〕 で表わされる重合体の総称であって、上記一般式で表わ
される重合体の一種単独であっても、二種以上が組合わ
された共重合体であってもよい。好ましい具体例ではR1
およびR2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3,R
4は水素もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であ
る。例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロ
ピル−1,4−フェニレン)エーテルなどが挙げられる。
特に好ましいポリフェニレンエーテル樹脂はポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。また
ポリフェニレンエーテル共重合体としては上記ポリフェ
ニレンエーテル繰返し単位中にアルキル三置換フェノー
ルたとえば2,3,6−トリメチルフェノールを一部含有す
る共重合体を挙げることができる。またこれらのポリフ
ェニレンエーテルに、スチレン系化合物がグラフトした
共重合体であってもよい。スチレン系化合物グラフト化
ポリフェニレンエーテルとしては上記ポリフェニレンエ
ーテルに、スチレン系化合物として、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン
などをグラフト重合して得られる共重合体である。
ポリアミド樹脂(B)としては、たとえばナイロン−
4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−12、ナ
イロン−6,10などが挙げられるが、これらに限定されな
い。本発明において必須なことは、ポリアミドの末端ア
ミノ基対末端カルボキシル基のモル比が2以上であり、
かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g以上であること
である。このようなポリアミドは、ポリアミドの重合の
際にたとえばカルボキシル基と反応する基を持つ化合物
例えばジアミンを余分に添加することによって得ること
ができる。あるいは、ポリアミドの重合の後に、たとえ
ばカルボキシル基と反応する基を有する化合物と反応さ
せることによっても得ることができる。通常、ポリアミ
ド樹脂の末端アミノ基の数と末端カルボキシル基の数の
比(以下、末端基比と言う)は1ないしはそれ以下であ
る。射出成形用のポリアミドにおいて、溶融粘度を適度
に調節するために重合成分に末端封止剤を加えることが
行われているが、そのようなポリアミドの末端基比は1
より小さい。
本発明において末端アミノ基量対末端カルボキシル基の
末端基比は、2以上である。本発明に従い、末端アミノ
基対末端カルボキシル基のモル比が2以上であり、かつ
末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g以上のポリアミドを
用い、かつ酸変性ポリオレフィン樹脂をこれと組合わせ
て用いることにより樹脂組成物の溶融粘度の剪断速度依
存性が高くなり、高剪断速度下では溶融粘度は低く、低
剪断速度下ではこれが高くなる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(C)は、アルキレンモノマ
ーたとえばエチレン、プロピレンなどの1種または2種
以上と、不飽和カルボン酸またはその誘導体の1種また
は2種以上を共重合したものであり、ブロック共重合
体、グラフト共重合体またはランダム共重合体が挙げら
れる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、不飽和
カルボン酸の誘導体としてはアミド、イミド、エステ
ル、金属塩化合物、酸無水物などが挙げられる。
本発明において、ポリフェニレンオキサイド系樹脂
(A)の量を20重量部より少くすると成形品の耐熱性が
劣り、80重量部より多くすると成形品の耐油性が不十分
になる。30〜70重量部の範囲が好ましい。
ポリアミド(B)の量を20重量部より少くすると成形品
の耐油性が不十分であり、80重量部より多くすると成形
品の耐熱性が劣り、吸湿性が顕著になり、またソリが顕
著になる。70〜30重量部の範囲が好ましい。
本発明において酸変性ポリオレフィン(C)は、末端ア
ミノ基対末端カルボキシル基のモル比が2以上であり、
かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g以上のポリアミ
ド樹脂(B)と共働して樹脂組成物の溶融粘度の剪断速
度依存性を高める働きをする。酸変性ポリオレフィン
(C)の量は、1重量部未満ではこれを加える効果が小
さく、20重量部より多くては成形品の耐熱性が悪い。1
〜15重量部の範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物に、α,β−不飽和カルボン酸及び
その誘導体及び飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導
体から成る群より選ばれた化合物(D)を更に加えるこ
とにより、ポリフェニレンオキサイド系樹脂(A)とポ
リアミド(B)との相溶性を改善して成形品の耐衝撃強
度を向上させることができる。
α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、マ
レイン酸、イタコン酸、アコニット酸、フマル酸、アク
リル酸、メタクリル酸、またはこれらのアミド、イミ
ド、エステル、金属塩化合物および酸無水物等が挙げら
れ、これらの1種あるいは2種以上併用されてもよい。
飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体としては以下
に示す構造を示すものが挙げられる。
(RIO)mR(COORII (CONRIIIRIV ここで、 R:直鎖又は分枝飽和脂肪族炭化水素 〔炭素数;2〜20、好ましくは2〜10) RI:水素、アルキル基、アリール基、アシル基又はカル
ボニルジオキシ基 〔炭素数;1〜10、好ましくは1〜6、さらに好ましくは
1〜4、特に好ましくは水素〕 RII:水素、アルキル基、又はアリール基 〔炭素数;1〜20、好ましくは1〜10〕 RIII及びRIV:水素、アルキル基、又はアリール基 〔炭素数;1〜10、好ましくは1〜6、さらに好ましくは
1〜4〕 m=1 n+S≧2、好ましくは2又は3 n≧0 S≧0 (RIO)はカルボニル基のα位又はβ位に位置し、 少くとも2つのカルボニル基の間には、2〜6個の炭素
が存在する。
飽和脂肪族ポリカルボン酸誘導体とは、たとえば飽和脂
肪族ポリカルボン酸のエステル化合物、アミド化合物、
無水物、水加物及び塩などを示す。飽和脂肪族ポリカル
ボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸など
が挙げられる。酸エステル化合物として、クエン酸のア
セチルエステル、モノ又はジステアリルエステルなどが
挙げられる。酸アミド化合物として、クエン酸のN,N′
−ジエチルアミド、N,N′−ジ・プロピルアミド、N−
フェニルアミド、N−ドデシルアミド、N,N′−ジ・ド
デシルアミド、また、リンゴ酸のN−ドデシルアミドな
どが挙げられる。
成分(D)として、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、
フマル酸およびこれらの誘導体が好ましい。
成分(D)の量は、0.1重量部未満ではこれを加えたこ
との効果が小さく、逆に10重量部を越えて加えても効果
の顕著な上昇はなく、熱安定性が悪くなり、成形加工時
にガスが発生するという欠点が発生する。5重量部以
下、特に2重量部以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物にゴム様物質(E)を更に加えて、
成形品の耐衝撃性を改良することができる。
ゴム様物質は、室温で弾性体である天然および合成の重
合体材料を含む。その具体例としては、天然ゴム、ブタ
ジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダ
ム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体など
すべて含まれる。)、イソプレン重合体、クロロブタジ
エン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エ
ステル重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体、チオコールゴム、多
硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(たと
えば、ポリプロピレンオキシドなど)、エピクロロヒド
リンゴムなどが挙げられる。
これらのゴム様物質は、いかなる製造法(たとえば、乳
化重合、溶液重合)、いかなる触媒(たとえば、過酸化
物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウム、
ニッケル系触媒)で作られたものでもよい。更に、各種
の架橋度を有するもの、各種の割合のミクロ構造を有す
るもの(たとえば、シス構造、トランス構造、ビニル基
など)あるいは、各種の平均ゴム粒径を有するものも使
われる。又、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック
共重合体、グラフト共重合体など、各種の共重合体はい
ずれも本発明のゴム様物質として用いられる。更には、
これらのゴム様物質をつくるに際し、他のオレフィン
類、ジエン類、芳香族ビニル化合物、アクリル酸、アク
リル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどの単量体
との共重合も可能である。それらの共重合の方法は、ラ
ンダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合など、
いずれの手法も可能である。これらの単量体の具体例と
しては、たとえば、エチレン、プロピレン、スチレン、
クロロスチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロブタジエン、ブテン、イソブチレン、
アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、アクリロニト
リルなどが挙げられる。更に、これらゴム様物質を部分
変性したものを用いることもでき、たとえば、ヒドロキ
シ又はカルボキシ−末端変性ポリブタジエン、部分水添
スチレン−ブタジエンブロック共重合体などが挙げられ
る。とくに、スチレン系炭化水素ポリマーブロック−共
役ジエン系エラストマーブロック共重合体およびスチレ
ン系炭化水素ポリマーブロック−オレフィン系エラスト
マーブロック共重合体が好ましい。成分(E)の量は、
1重量部未満では、成形品の耐衝撃強度改善の効果が少
なく、20重量部を越えると成形品の耐熱性が悪くなる。
1〜15重量部が好ましい。
本発明において好ましい樹脂組成物は、 (A) ポリフェニレンオキサイド系樹脂30〜70重量部 (B) 末端アミノ基対末端カルボキシル基のモル比が
2以上であり、かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g
以上のポリアミド樹脂 70〜30重量部 (C) 上記成分(A)及び(B)の合計100重量部に
対して1〜15重量部の酸変性ポリオレフィン樹脂 (D) 上記成分(A)及び(B)の合計100重量部に
対して1〜5重量部の上記(D)成分、および (E) 上記成分(A)及び(B)の合計100重量部に
対して1〜15重量部の上記(E)成分 を含む。
[実 施 例] 以下、実施例により本発明を更に説明する。以下におい
て各成分の量は、重量部により示す。
ポリフェニレンオキサイド系樹脂(A)として、固有粘
度〔η〕(クロロホルム25℃)が0.48dl/gのポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレン)オキサイド(以下、PPO
と略す)を用いた。
ポリアミド(B)として、8.4×10-5モル/gの末端アミ
ノ基と1.8×10-5モル/gの末端カルボキシル基をもつ分
子量13,000のポリアミド−6(以下、PA6−Aと云う)
を用いた。また比較のために、4.6×10-5モル/gの末端
アミノ基と7.0×10-5モル/gの末端カルボキシル基をも
つ分子量13,000ポリアミド−6(以下、PA6−B)と云
う)を用いた。
酸変性ポリオレフィン(C)として、エチレン−エチル
アクリレート−無水マレイン酸ターポリマー(住友シー
ディエフ社製、ボンダインFX8000(商標)を用いた。
また、成分(D)としてクエン酸、成分(E)としてSB
S〔スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(シェル社製、カリフレックスTR1101(商標)〕を用い
た。
これら成分を、表1に示す割合で混合し、290℃に設定
した2軸押出機(スクリュー径50mm)で押出しペレット
化した。このペレットを120℃で4時間乾燥した。但
し、参考例1では押出し温度は300℃であり、参考例2
では押出し温度は250℃であった。
得た各ペレットの溶融粘度特性を下記の方法で評価し
た。
先ず、各ペレットのブロー成形に適するブロー成形温度
を求める必要がある。このために、各ペレットについて
キャピラリー式流れ特性試験機を用いて、剪断速度100s
ec-1で、種々の温度での見かけの溶融粘度(MV)を測定
した。MVが40,000ポイズとなる温度を、ブロー成形温度
とした。但し、比較例1及び参考例2では溶融粘度が低
すぎる為に、ブロー成形温度はポリアミドの融点に近い
温度となり測定不可能であるので、ブロー成形温度を24
0℃と設定した。
次に、各ペレットのブロー成形温度において剪断速度1s
ec-1で各ペレットのMVを測定し、同じく剪断速度100sec
-1でMVを測定した。この二つのMVの比をMV比と云う。ブ
ロー成形においてはパリソンのドローダウンを少なくす
る為に溶融樹脂の低剪速度でのMVは大きいほど良く、一
方、押出機のスクリューに加わる負荷を少なくする為に
高剪断速度でのMVは低いほど良い。すなわちMV比の値が
大きいほど樹脂組成物がブロー成形に適した粘度特性を
有していることを意味する。
結果を表1に示す。
実施例1と比較例1とでは、ポリアミドの種類のみ異
り、MV比に大きな差があることが判る。比較例2は、酸
変性ポリオレフィンを用いずに、SBSで置き代えた例で
あるが、MV比が実施例1より小さく、比較例1より大き
い。
実施例3〜6は、PPOとPA6−Aの量比を変化させた例で
ある。実施例7ではクエン酸を用いず、実施例8はSBS
を用いていない。
参考例1および2は、PPOとポリアミドの組成物でない
場合を参考のため示すものであり、参考例1ではポリア
ミドが用いられず、参考例2ではPPOが用いられない。
次に参考のために、各ペレットにおいて用いた成分が成
形品の物性に及ぼす影響を模型的に知るために、射出成
形によりテストピースを作って物性を測定した。すなわ
ち、各ペレットを用いて、シリンダー温度270℃、金型
温度80℃で射出成形を行い、物性測定用の試験片を作成
した。但し、参考例1ではシリンダー温度は300℃、参
考例2ではシリンダー温度は240℃であった。
物性測定は、下記の方法で行った。
熱変形温度:1/8″厚みの試験片を用いASTM D−648によ
り18.6kg/cm2における熱変形温度を測定した。
アイゾット衝撃強度:1/8″厚みの試験片(ノッチ付)を
用いASTM D−256により測定した。
耐落錘衝撃性:1/8″厚みの角板を用い内径32mmの金属リ
ングの上にこの角板を固定し、重さ3.64kgで、直径12.7
mmの半球状先端を有する金属錘を高さ1mから角板の中心
に落下させたときの角板の破壊状態を観察した。
耐ガソリン性:1/8″厚みの試験片(熱変形温度の測定に
用いたものと同じ)に1%の強制曲げ歪みを与え、室温
にてガソリン中に浸漬しクラックが発生するまでにかか
った時間を測定した。また浸漬から1時間後に試験片を
取り出し、表面に付着したガソリンをふき取って重量を
測定し、この重量とあらかじめガソリン浸漬前に測定し
ておいた重量とから、重量増加(%)を求めた。
測定された物性値を表2に示す。
実施例1が比較例1に比べて、耐衝撃性において著しく
優れることが判る。実施例1と実施例7から、クエン酸
が耐衝撃性に著しく良い効果をもたらすことが明瞭であ
る。
[発明の効果] 本発明により、溶融粘度の剪断速度依存性が大きい、ポ
リフェニレンオキサイドとポリアミドを含む樹脂組成物
が得られた。このような溶融粘度特性をもつ樹脂組成物
は、ブロー成形に用いるのに適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンオキサイド系樹脂20
    〜80重量部、 (B)末端アミノ基対末端カルボキシル基のモル比が2
    以上であり、かつ末端アミノ基量が8.0×10-5モル/g以
    上のポリアミド樹脂80〜20重量部、 (C)上記成分(A)および(B)の合計100重量部に
    対して1〜20重量部の酸変性ポリオレフィン樹脂 を含む樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記成分(C)が、エチレン又はプロピレ
    ンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
    酸、またはこれのアミド、イミド、エステル、金属塩化
    合物および酸無水物より成る群から選ばれた不飽和カル
    ボン酸及び/又はその誘導体との共重合体である特許請
    求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
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JPS63175062A (ja) 1988-07-19

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