JPH07121967B2 - オレフイン重合用触媒 - Google Patents

オレフイン重合用触媒

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JPH07121967B2
JPH07121967B2 JP11755286A JP11755286A JPH07121967B2 JP H07121967 B2 JPH07121967 B2 JP H07121967B2 JP 11755286 A JP11755286 A JP 11755286A JP 11755286 A JP11755286 A JP 11755286A JP H07121967 B2 JPH07121967 B2 JP H07121967B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の技術分野 本発明は、オレフイン重合用触媒に関する。
従来の技術 V(アセチルアセトナト)、V(2−メチル−1,3−
ブタンジオナト)等のバナジウム化合物と、ハロゲン
化有機アルミニウム化合物とからなる触媒が、プロピレ
ンの重合、特にリビング重合に有効であり、そこでは分
子量分布が単分散に近いポリマーが得られることが知ら
れている〔Macromclecules,12,814(1979)、Makromol.
Chem.,Rapid.Commun.,639(1985)〕。
発明が解決しようとする問題点 上記の触媒は、溶媒に可溶な均一系触媒であるため、生
成したポリマーも溶媒に溶解している。この系では、生
成したポリマーを溶媒から分離するのが容易でなく、従
つて特にブロツク共重合の場合にプロセス上の制約を受
ける。又、溶液重合のため、重合系のポリマー濃度を余
り高くすることができないという問題がある。
問題点を解決するための手段 発明の目的 溶液重合の場合の上記の弊害を解消する手段の一つに固
体の触媒を用いるスラリー重合法がある。本発明は、前
記バナジウム化合物を触媒成分として含むオレフイン重
合用の固体触媒を提供することを目的とする。
一方、シリカ等の金属酸化物に種々のケイ素化合物を担
持せしめ、これを触媒又はその先駆体として使用する方
法については、例えば“Polmer−supported Reactions
in Organic Synthesis"John Wiley & Sons,(1980),5
2〜55頁等で報告されている。又、クロロベンジル基 の塩基をアセチルアセトンのような化合物で置換し、バ
ナジウムイオンの配位子とする方法については、J.Cata
l,48巻,284頁(1977)に報告されている。
本発明者らは、これらの技術を参考にして鋭意研究を行
つた結果、金属酸化物と特定のケイ素化合物及び特定の
有機アルカリ金属化合物を接触させることによつて得ら
れる固体物に、前記のバナジウム化合物を接触させるこ
とによつて得られる固体触媒成分と有機金属化合物から
なる触媒が本発明の目的を達成し得ることを見出して本
発明を完成した。
発明の要旨 本発明の要旨は、 (a)(イ) 元素の周期律表第II族〜第第IV族の金属
元素の群から選ばれる金属元素の酸化物と、 (ロ) 一般式 〔但し、Y1〜Y3は同一か異なるハロゲン原子若しくは炭
素数1〜8個のオキシヒドロカルビル基、nは1〜9の
整数、R1〜R5は同一か異なる水素原子若しくは炭素数1
〜8個の炭化水素基、R6,R7は同一か異なる水素原子若
しくは炭素数1〜3個のアルキル基、Xはハロゲン原子
を示す。〕で表わされるケイ素化合物を接触させ、次い
で (ハ) 一般式 〔但し、Mはアルカリ金属、R8は炭素数1〜8個の炭化
水素基を示す。〕で表わされる有機アルカリ金属化合物
と接触させた後、 (ニ) 一般式 〔R9〜R11は水素原子又は炭素数1〜8個の炭化水素基
を示す。但し、R9〜R11の少なくとも一つは水素原子で
ある必要があるが、R9〜R11の全部が水素原子であつて
はならない。〕で表わされるバナジウム化合物を接触さ
せることからなる触媒成分と、 (b) 周期律表第I族ないし第III族金属の有機金属
化合物 とからなるオレフイン重合用触媒にある。
触媒成分調製のための原料 (イ)金属酸化物 本発明で用いられる金属酸化物は、元素の周期律表第II
族〜第IV族の元素の群から選ばれる元素の酸化物であ
り、それらを例示すると、B2O3、MgO、Al2O3、SiO2、Ca
O、TiO2、ZnO、ZrO2、SnO2、BaO、ThO2等が挙げられ
る。更に、これら金属酸化物を含む複合酸化物、例えば
SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、Si
O2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgO等も使用し得る。これらの
中でもB2O3、MgO、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2等が望まし
く、特にSiO2が望ましい。
上記の金属酸化物及び複合酸化物は、基本的には吸着水
を含まないことが望ましいが、通常混在する程度の微量
の水分の混入は許される。又、金属酸化物の性質を著る
しく損なわない程度の不純物の混入も許される。許容さ
れる不純物としては、酸化ナトリウム、酸化カリウム、
酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸ア
ルミニウム、硫酸バリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネ
シウム、硝酸アルミニウム等の酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、硝酸塩等が挙げられる。
これら金属酸化物の形状は通常粉末状のものが用いられ
る。粉末の大きさ及び形状等の形体は、得られるオレフ
イン重合体の形体に影響を及ぼすことが多いので、適宜
調節することが望ましい。
本発明に係る触媒成分は、金属酸化物の表面に存在する
水酸基を利用してバナジウム化合物を固定化担持するも
のである。従つて、金属酸化物は、使用に当つて吸着水
を除去する目的等から、100〜400℃、好ましくは150〜3
00℃で窒素気流下又は真空中で焼成し、更には大気と直
接接触しないように取扱うのが望ましい。
(ロ)ケイ素化合物 本発明で用いられるケイ素化合物は、一般式 〔但し、Y1〜Y3,n,R1〜R5,R6,R7,Xは前記と同意義。〕
で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。
Y1〜Y3:F,Cl,Br,I,OCH3,OC2H5,OC3H7,Oi−C3H7,OC4H9,O
i−C4H9,OC6H13,OC8H17,OC6H5,OCH2C6H5,OCH2CH2C6H5
が挙げられ、好ましくはCl,Br,OCH3,OC2H5,OC6H5,OCH2C
6H5であり、特に好ましくはCl,OC2H5である。
n:好ましくは1〜3の整数である。
R1〜R5:H,CH3,C2H5,C3H7,i−C3H7,C4H9,i−C4H9,C6H13,
C8H17,C6H5,C6H5CH2等が挙げられ、好ましくはH,CH3
ある。
R6,R7:H,CH3,C2H5,C3H7,i−C3H7,C4H9が挙げられ、好ま
しくはHである。
X:Cl,Br,Iが挙げられ、好ましくはClである。
これらの内でも特に、クロロメチルベンジルトリクロロ
シラン クロロメチルフエチネルトリクロロシラン クロロメチル3−フエニルプロピルトリクロロシラン クロロメチルベンジルトリエトキシシラン クロロメチルフエチネルトリエトキシシラン、クロロメ
チル3−フエニルピロピルトリエトキシシラン等が最も
好ましい。
(ハ)有機アルカリ金属化合物 本発明で用いられる有機アルカリ金属化合物は、一般式 〔但し、M及びR8は前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。
M:Li,Na,K,Rb,Csが挙げられ、好ましくはNa,Kである。
R8:CH3,C2H5,C3H7,i−C3H7,C4H9,i−C4H9,C6H13,C8H17,
C6H5,C6H5CH2が挙げられ、好ましくはCH3,C2H5,C6H5
ある。
これらの内でも、特にナトリウム1,3−ブタンジオナ
ト、カリウム1,3−ブタンジオナト、ナトリウム1−フ
エニル−1,3−プロパンジオナトが好ましい。
(ニ)バナジウム化合物 本発明で用いられるバナジウム化合物は、一般式 〔但し、R9〜R11は前記と同意義。〕で表わされる。
上記式に含まれる具体例を以下に説明する。
R10が水素原子であり、R9とR11が炭化水素基である場
合。
R9/R11:CH3/CH3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,CH3/C6H5,C2H5/C6
H5,C6H5/C6H5,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5CH2,C2H5/C6H5
CH2,C6H5/C6H5CH2 R10が炭化水素基であり、R9,R11のいずれかが水素原
子で他が炭化水素基である場合。
R10/R9又はR11:CH3/CH3,C2H5/CH3,CH3/C2H5,C2H5/C2H5,
C6H5/CH3,CH3/C6H5,C6H5/C2H5,C2H5/C6H5,C6H5/C6H5,C6
H5CH2/CH3,CH3/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5CH2,C6H5CH2/C
2H5,C2H5/C6H5CH2,C6H5CH2/C6H5,C6H5/C6H5CH2 R10が水素原子であり、R9,R11のいずれかが水素原子
で他が炭化水素基である場合。
R9又はR11:CH3,C2H5,C6H5,C6H5CH2 等が挙げられ、これらの内でも特に下記の化合物が望ま
しい。
触媒成分の調製法 本発明に係る触媒成分は、金属酸化物(a成分)とケイ
素化合物(b成分)を接触させ、次いで有機アルカリ金
属化合物(c成分)と接触させた後、バナジウム化合物
(d成分)と接触させることにより調製することができ
る。
a成分とb成分の接触 a成分とb成分の接触は、不活性媒体の存在下又は不存
在下に両者を混合撹拌することによりなされる。
不活性媒体としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素、1,2−ジクロルエタン、1,2
−ジクロルプロパン、四塩化炭素、塩化ブチル、塩化イ
ソアミル、ブロムベンゼン、クロルトルエン等のハロゲ
ン化炭化水素等が使用し得る。
a成分とb成分の接触は、通常−20℃〜+150℃で0.1〜
100時間行なわれる。又、接触割合は、モル比でb/a=0.
005〜10である。
a成分とb成分の接触により得られた固体状生成物(以
下、反応生成物Iという。)は、次の接触に供される
が、必要に応じて接触に先立つて適当な洗浄剤、例えば
前記の不活性媒体で洗浄してもよい。
反応生成物Iとc成分の接触 両者の接触は、通常−20℃〜+150℃で0.1〜100時間行
なわれる。c成分は反応生成物Iを調製する際に用いら
れたb成分に対してモル比で通常0.1〜20モル用いられ
る。
接触の際に、一般式MeXで表わされるアルカリ金属ハロ
ゲン化物を反応促進剤として用いることができる。式に
おいて、Meはアルカリ金属を示し、具体的にはLi,Na,K,
Rb,Csであり、Xはハロゲン原子を示し、望ましくはヨ
ウ素である。アルカリ金属ハロゲン化物は、C成分1モ
ルに対して0.05〜0.5モル使用される。
反応生成物Iとc成分の接触を極性溶媒の存在下で行つ
てもよい。極性溶媒としては、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチル、ギ酸ブチル
等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ンが挙げられる。これらの中でもアセトンが特に好まし
い。
反応生成物Iとc成分の接触により得られた固体状生成
物(以下、反応生成物IIという。)は、次のd成分との
接触に先立つて、洗浄剤で洗浄するのが望ましい。洗浄
剤としては、鉱酸又はその水溶液が使用される。鉱酸と
しては、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
反応生成物IIとd成分の接触 反応生成物IIとd成分の接触は、不活性媒体の存在下又
は不存在下に両者を混合撹拌することにより行なわれ
る。接触は、通常−20℃〜+150℃で0.1〜100時間行な
われる。d成分は、使用したb成分1モルに対して通常
0.1〜10モル用いられる。不活性媒体としては、前記a
成分とb成分の接触の際に用い得る炭化水素、ハロゲン
化炭化水素が挙げられる。
上記のようにして本発明に係る触媒成分は製造すること
ができるが、該触媒成分は、必要に応じてヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素で洗浄することができ、更に
必要に応じて乾燥することができる。
オレフイン重合用触媒 本発明は、上記のようにして得られた触媒成分と周期律
表第I族ないし第III族金属の有機金属化合物とを組み
合せたオレフイン重合用触媒である。
I族ないしIII族金属の有機金属化合物 該有機金属化合物としては、リチウム、マグネシウム、
カルシウム、亜鉛及びアルミニウムの有機化合物が使用
し得る、これらの中でも特に、有機アルミニウム化合物
が好適である。用い得る有機アルミニウム化合物として
は、一般式RnAlX3-n(但し、Rはアルキル基又はアリー
ル基、Xはハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1
n<3の範囲の任意の数である。)で示されるものであ
り、例えばジアルキルアルミニウムモノハライド、モノ
アルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウム
セスキハライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは
炭素数2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又は
その混合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的に
は、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチ
ルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムシクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジプロミド、エチル
アルミニウムジプロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド等が挙げられる。
該触媒成分と該有機金属化合物の使用割合は、該触媒成
分中のバナジウム1グラム原子当り該有機金属化合物1
〜1,000グラムモルである。
本発明の触媒は、エチレン又はプロピレンの単独重合、
エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフ
インとの共重合、プロピレンと他のα−オレフインとの
共重合用として有用である。
オレフインの(共)重合 (共)重合反応は、(共)重合反応に対して不活性で、
かつ重合時に液状である溶媒中で行なうのが望ましく、
該溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパ
ン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げら
れる。又、α−オレフインモノマーからなる溶媒中で重
合することも可能である。
(共)重合温度は、通常−100℃〜+150℃の範囲であ
る。(共)重合温度を低温、特に−60℃以下にすると、
得られるポリマーは単分散に近い分子量分布を持つ。特
に−65℃以下では、w(重合平均分子量)/n(数
平均分子量)=1.05〜1.50のリビング重合体とすること
ができる。又、(共)重合温度を高めると、分子量分布
は広がるが、ポリマーの収率を向上することができる。
又、(共)重合反応時に、反応促進剤を用いることがで
きる。反応促進剤としては、アニソール、水、酸素、ア
ルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール
等)、エステル(安息香酸エチル、酢酸エチル等)等が
挙げられる。促進剤の使用量は、該触媒成分中のバナジ
ウム1グラム原子当り、通常0.1〜2グラムモルであ
る。
発明の効果 本発明の重合触媒を用いることにより、従来のV(アセ
チルアセトナト)、V(2−メチル−1,3−ブタンジ
オナト)系触媒では不可能であつたオレフインのスラ
リー重合が可能となつた。従つて、特にプロピレン等の
リビング(共)重合の場合にポリマーと溶媒の分離が容
易になり、これはブロツク共重合の際に有利であると共
に、重合系のポリマー濃度を高めることを可能にした。
実施例1 触媒成分の調製 マグネチツクスターラが入り、充分窒素置換した反応容
器に、予め300℃で4時間真空中焼成したシリカ(DAVIS
ON社製、商品名G−952、比表面積302m2/g、細孔容積1.
54cm3/g、平均細孔半径204Å)5gを入れた。次に、トル
エン50ml及びクロロメチルフエネチルトリクロロシラン 2ミリモルを加え、トルエン還流下6時間撹拌して反応
を行つた後、室温で12時間撹拌を継続した。得られた固
型生成物をトルエンにより5回洗浄した後、減圧下乾燥
した。元素分析の結果、この固形生成物Iは1g当り、水
素4.0ミリモル、炭素1.9ミリモル、塩素0.10ミリモル含
んでいることが判明した。この固形生成物I 5gに、ナ
トリウム1,3−ブタンジオナト4ミリモル、ヨウ化ナト
リウム0.8ミリモル及びアセトン50mlを加え、ナトリウ
ム1,3−ブタンジオナト及びヨウ化ナトリウムが溶解す
る迄室温で撹拌した。その後、内容物を40〜50℃で1時
間撹拌し、更に0℃で3時間撹拌した。得られた固形生
成物を5%塩酸水溶液で5回洗浄した後、減圧下乾燥し
た。元素分析の結果、この固形生成物IIは、1g当り水素
5.5ミリモル、炭素2.3ミリモル含んでいることが判明
し、塩素は観測されなかつた。
上記で得られた固形生成物II 5gとトルエン30mlを反応
容器に入れ、これにV(2−メチル−1,3−ブタンジオ
ナト) 1.8ミリモル加え、室温で12時間撹拌した。
固形生成物をトルエンで5回洗浄し、減圧下乾燥して触
媒成分を得た。得られた触媒成分を電子スペクトルで測
定した結果、バナジウムを0.20ミリモル/g含んでいるこ
とが判明した。
プロピレンの重合 マグネチツクスターラーが入り、窒素で充分置換した反
応容器に、実施例1で得られた触媒成分0.25g(バナジ
ウム0.05ミリモル)及びトルエン25mlを入れ、撹拌しな
がら−65℃でプロピレン35g(830ミリモル)を加えた。
次いで、5.0ミリモルのジエチルアルミニウムクロリド
トルエン溶液を加え、−65℃で撹拌下重合を開始した。
3時間後、撹拌を停止して観察したところ、ポリマーは
速やかに沈降し、上澄液は無色透明であつた。次いで、
−78℃に冷却した500mlのエタノール−塩酸溶液に、反
応液を注ぎ重合を停止せしめた。生成したポリマーを30
0mlのエタノールで5回洗浄し、室温で乾燥した。重合
結果を第1表に示した。又、得られたポリマーのGPCチ
ヤートを第2図に示した。なお、ポリマーの13C−NMR測
定の結果、ラセミダイアドのモル分率は0.8であつた。
比較例1 実施例1で用いた触媒成分の代わりに、V(アセチルア
セトナト)を0.05ミリモル用いた以外は、応用例1と
同様にしてプロピレンの重合を行つた。3時間重合を行
つた後に、撹拌を停止して重合系を観察したところ、赤
橙色の均一溶液であり、ポリマーの沈降は観測されなか
つた。
実施例2〜8 重合温度又はジエチルアルミニウムクロリドの使用量を
第1表に示すように変えた以外は、実施例1と同様にし
てプロピレンの重合を行つた。それらの結果を第1表に
示した。それらの結果から、−60℃以下の低温ではリビ
ング重合となり、−40℃以上の温度ではw/nが約2
以上の分子量分布がやゝ広いポリマーが高収率で得られ
ることが判る。
実施例9 プロピレンとエチレンのブロツク共重合 実施例1と同様にしてプロピレンのホモ重合を3時間行
なつた後、エチレンを1.8g(420ミリモル)重合系内導
入し、エチレンとプロピレンのランダム共重合を行つ
た。10分後に、実施例1と同様にして重合を停止せし
め、ポリプロピレンとエチレン・プロピレンランダム共
重合体からなるブロツク共重合体を0.88g得た。
共重合体のn=208,000、w/n=1.1、プロピレン
含量54モル%、ホモポリプロピレン部分=20重量%であ
つた。得られた共重合体のGPCチヤートを第2図に示
す。
実施例10 触媒成分の調製 実施例1と同様にして得た固形生成物II5g、トルエン30
ml及びV(アセチルアセトナト)32.0ミリモルを実施例
1と同様にして接触させて、バナジウム含有量0.15ミリ
モル/gの触媒成分を調製した。
プロピレンの重合 実施例10で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1
と同様にしてプロピレンの重合を行ない0.05gの収量で
ポリプロピレンを得た。ポリプロピレンのn=42,00
0、w/n=1.3であつた。
実施例11 触媒成分の調製 実施例1と同様にして得た固形生成物II5g、トルエン30
ml及びV(1,3−ブタンジオナト)32.0モリモルを実施
例1と同様にして接触させて、バナジウム含有量0.18ミ
リモル/gの触媒成分を調製した。
プロピレンの重合 実施例11で得られた触媒成分を用いた以外は実施例1と
同様にしてプロピレンの重合を行ない、n=44,000、
w/n=1.4のポリプロピレンを0.13g得た。
実施例12 プロピレンの重合 マグネチツクスターラーが入り、窒素で充分置換した反
応容器に、実施例1で調製した触媒成分0.25g及びトル
エン100mlを入れ、これに20℃で内圧が1kg/cm2になるよ
うにプロピレンを導入した。次いで5.0ミリモルのジエ
チルアルミニウムクロリドトルエン溶液を加え重合を開
始した。重合中はプロピレンを導入して内圧を1kg/cm2
に保持した。
3時間後撹拌を停止し、実施例1と同様にして重合を停
止せしめた後、生成したポリマーを洗浄乾燥してn=
11,400、w/n=48.8のポリプロピレンを0.23g得
た。
実施例13 プロピレンの重合 重合温度を−78℃とし、更にジエチルアルミニウムクロ
リドの代わりにエチルアルミニウムセスキクロリドを5.
0ミリモル用いた以外は、実施例1と同様にしてプロピ
レンの重合を行ない、n=68,000、w/n=1.9の
ポリプロピレンを0.37g得た。
実施例14 触媒成分の調製 実施例1の触媒成分の調製の際に用いたクロロメチルフ
エネチルトリクロロシランの代りに、クロロメチル−3
−フエニルプロピルトリエトキシシラン を用いた以外は、実施例1と同様にしてバナジウム含有
量0.14ミリモル/gの触媒成分を調製した。
プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行つた。その結果を第2表
に示した。
実施例15 触媒成分の調製 実施例1の触媒成分の調製の際に用いたナトリウム1,3
−ブタンジオナトの代わりにカリウム1,3−ブタンジオ
ナトを、ヨウ化ナトリウムの代わりにヨウ化カリウムを
それぞれ用いた以外は、実施例1と同様にしてバナジウ
ム含有量0.18ミリモル/gの触媒成分を調製した。
プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行つた。その結果を第2表
に示した。
実施例16 触媒成分の調製 実施例1の触媒成分の調製の際に用いたナトリウム1,3
−ブタンジオナトの代わりにナトリウム1−フエニル−
1,3−プロパンジオナトを、V(2−メチル−1,3−ブタ
ンジオナト)の代わりにV(1−フエニル−1,3−プ
ロパンジオナト) 2.0ミリモルをそれぞれ用いた以
外は実施例1と同様にしてバナジウム含有量0.09ミリモ
ル/gの触媒成分を調製した。
プロピレンの重合 上記で得られた触媒成分を用いた以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行つた。その結果を第2表
に示した。
実施例17 プロピレンの重合 実施例16で得られた触媒成分を用い、ジエチルアルミニ
ウムクロリドの代わりにエチルアルミニウムジクロリド
を用いて重合温度を−78℃とした以外は、実施例1と同
様にしてプロピレンの重合を行つた。その結果を第2表
に示した。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明に係る触媒成分調製のフローチヤート
図であり、第2図は本発明の触媒を用いて重合されたポ
リマーのGPCチヤートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(イ)元素の周期律表第II族〜第IV
    族の金属元素の群から選ばれる金属元素の酸化物と、 (ロ)一般式 〔但し、Y1〜Y3は同一か異なるハロゲン原子若しくは炭
    素数1〜8個のオキシヒドロカルビル基、nは1〜9の
    整数、R1〜R5は同一か異なる水素原子若しくは炭素数1
    〜8個の炭化水素基、R6,R7は同一か異なる水素原子若
    しくは炭素数1〜3個のアルキル基、Xはハロゲン原子
    を示す。〕で表わされるケイ素化合物を接触させ、次い
    で (ハ)一般式 〔但し、Mはアルカリ金属、R8は炭素数1〜8個の炭化
    水素基を示す。〕で表わされる有機アルカリ金属化合物
    と接触させた後、 (ニ)一般式 〔R9〜R11は水素原子又は酸素数1〜8個の炭化水素基
    を示す。但し、R9〜R11の少なくとも1つは水素原子で
    ある必要があるが、R9〜R11の全部が水素原子であって
    はならない。〕で表わされるバナジウム化合物を接触さ
    せることからなる触媒成分と、 (b)周期律表第1族ないし第III族金属の有機金属化
    合物 とからなるオレフイン重合用触媒。
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