JPH07121928B2 - ラクトン類の精製法 - Google Patents

ラクトン類の精製法

Info

Publication number
JPH07121928B2
JPH07121928B2 JP1274999A JP27499989A JPH07121928B2 JP H07121928 B2 JPH07121928 B2 JP H07121928B2 JP 1274999 A JP1274999 A JP 1274999A JP 27499989 A JP27499989 A JP 27499989A JP H07121928 B2 JPH07121928 B2 JP H07121928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ruthenium
catalyst
solvent
lactones
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1274999A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03141273A (ja
Inventor
千尋 宮沢
和成 高橋
広志 亀尾
真治 磯谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP1274999A priority Critical patent/JPH07121928B2/ja
Priority to US07/582,158 priority patent/US5047561A/en
Priority to EP90118196A priority patent/EP0420062B1/en
Priority to DE69017570T priority patent/DE69017570T2/de
Priority to BR909004837A priority patent/BR9004837A/pt
Priority to KR1019900015317A priority patent/KR0145318B1/ko
Publication of JPH03141273A publication Critical patent/JPH03141273A/ja
Publication of JPH07121928B2 publication Critical patent/JPH07121928B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラクトン類の精製法に関するものである。詳し
くは、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボ
ン酸エステルをルテニウム触媒の存在下液相で水素化す
ることにより得られる粗ラクトン類を精製する方法に関
するものである。
(従来の技術) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸エ
ステル、あるいはこれ等の混合物を水素化してラクトン
類を製造する方法は古くから検討され、これまでに多数
提案されている。例えば触媒としてニッケル系触媒(特
公昭43-6947号公報)、コバルト系触媒(特開昭51-9505
7号公報)、銅−クロム系触媒(特公昭38-20119号公
報)、銅−亜鉛系触媒(特公昭42-14463号公報)等を使
用して、固定床又は懸濁液相により水素化反応を行なう
方法が知られている。
一方、均一系のルテニウム系触媒を使用して上記の水素
化反応を行なう方法も知られ、例えば米国特許3957827
号には、[RuXn(PR1R2R3)xLy]型のルテニウム系触媒
を使用し40〜400psiの加圧下で水素下してラクトン類を
製造する方法が記載され、また米国特許4485246号に
は、同様の触媒による水素化反応を有機アミンの存在下
で行なうことが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のニッケル系触媒、コバルト系触
媒、銅−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒等の固体触媒を
使用する従来の方法は、反応条件が数十気圧以上の苛酷
な条件の採用は避けられないという問題点があった。一
方、上記均一系のルテニウム系触媒を使用する方法は、
比較的温和な条件下で水素化反応が進行するという特徴
がある半面、触媒活性がやや低水準であるうえ、触媒寿
命が短かく、またハロゲンを使用しているため反応装置
の腐蝕が生ずるという問題がある。
そこで本出願人は、先に溶媒を用い、ルテニウム、有機
ホスフィン及びpKa値が2より小さい酸の共役塩基を含
有するルテニウム触媒の存在下液相で水素化する方法を
提案した(特開平1-25771号公報)。この方法では高活
性なルテニウム触媒を使用するので、温和な条件下で収
率よくラクトン類を製造することができる。
しかし、その後の検討により、水素化反応の溶媒として
好適なエーテル類又はポリエーテル類、あるいはこれ等
の混合物を使用すると、粗ラクトン類を蒸留により精製
する際に不純物が生成して溶媒を着色し、これが製品の
品位を低下する原因となることが判明した。
ラクトン類は極めて高品位を要求される製品であるの
で、微量でも不純物が混入することは、商業的にラクト
ン類を製造する場合に極めて不利であり、この問題を解
決することがラクトン類を製造する場合の大きな課題で
あった。
本発明は、ルテニウム触媒を使用してラクトン類を製造
する方法における上述の問題点を解決し、高純度のラク
トン類を工業的有利に得ることを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記の目的を達成するために検討中のとこ
ろ、粗ラクトン類を蒸留した場合に生成する不純物が、
溶媒に使用したエーテル類、ポリエーテル類が微量分解
することに起因することを確かめ、この知見に基づいて
更に検討を重ねた結果、粗ラクトン類を蒸留して精製す
る際に、特定の蒸留条件を選ぶときは、溶媒の分解が抑
制されて着色が抑制され高品位のラクトン類を得ること
ができることを見出し本発明を達成した。即ち、本発明
の要旨は、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカ
ルボン酸エステルを、溶媒としてポリエーテル類を使用
しルテニウム触媒の存在下液相で水素化して得られる反
応生成物から触媒を分離した粗ラクトン類を蒸留するこ
とにより精製するにあたり、蒸留塔の塔底温度を150℃
以下とすることを特徴とするラクトン類の精製法に存す
る。
本発明を詳細に説明するに、本発明におけるラクトン類
の原料物質としては、炭素数3〜7の飽和又は不飽和の
ジカルボン酸、それ等の無水物、あるいはそれ等のジカ
ルボン酸のエステル、あるいはこれ等の混合物が挙げら
れ、エステルとしては低級アルキルエステルが好まし
い。具体的には例えば、マレイン酸、フマール酸、コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、マレイン酸ジメ
チル、フマール酸ジエチル、コハク酸−ジ−n−ブチル
等が使用される。
また、ルテニウム触媒としては、例えば(イ)ルテニウ
ム、(ロ)有機ホスフィン及び(ハ)pKaが2より小さ
い酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒が挙げら
れ、場合によりこれに更に(ニ)中性配位子を含有させ
た触媒が好適に使用される。
更に、溶媒であるポリエーテル類としては、例えばトリ
グライム(トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル)、18−クラウン−6等が挙げられ、これ
等は単独で又は混合物として使用される。
ラクトン類の製造は、反応容器に前記原料物質、触媒成
分及び溶媒を仕込み、これに水素を導入して水素化する
ことにより実施される。水素は窒素あるいは二酸化炭素
等の反応に不活性なガスで希釈されたものであってもよ
い。反応温度は通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃
である。水素分圧は特に限られないが、工業的実施上は
通常0.1〜100kg/cm2、好ましくは10〜50kg/cm2である。
反応は回分方式及び連続方式の何れも実施することがで
き、回分方式の場合の所要反応時間は通常1〜20時間で
ある。
上記の水素化反応により得られる反応生成物を、通常の
蒸留塔を用いて蒸留し、塔頂から粗ラクトン類を留出さ
せて、触媒を含む残留液(触媒液)から分離する。この
ようにして得られた粗ラクトン類は、主要成分の一つと
してラクトン類を含み、更に溶媒、未反応原料、水素化
反応による生成水、その他副反応生成物であるプロピオ
ン酸等の有機酸、軽沸点生成物、高沸点生成物等を含有
している液状物である。
本発明の方法では、この粗ラクトン類を蒸留して精製す
る際に、蒸留塔の塔底温度を150℃以下、好ましくは130
℃以下とし、かつ缶出液の蒸留塔内における滞留時間は
通常6時間以下、好ましくは3時間以下、特に好ましく
は1時間以下に保持することが望ましい。なお、塔底温
度の下限は蒸留可能であればよく通常20℃程度以上であ
る。また缶出液の滞留時間の下限は、実用上30分間程度
である。
塔底温度を150℃以下に調整するには、主として塔頂の
減圧度を調整すればよい。例えば、塔頂の減圧度を30〜
10mmHgとすることにより塔底温度は130〜150℃に保持さ
れる。また、蒸留塔内における缶出液の滞留時間の調整
は、熱交換器の伝熱面積、塔の熱媒体と塔底液の温度差
を適切に調整することにより達成される。
以上に述べた本発明の方法によって、粗ラクトン類に含
まれる溶媒の分解を無視し得る程度に抑制して、溶媒の
着色を阻止し、高品位のラクトン類を得ることができ
る。
なお、本発明における前示(イ)ルテニウム、(ロ)有
機ホスフィン及び(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役
塩基を含有し、更に場合により中性配位子を含有してい
てもよいルテニウム触媒の具体例を詳記すれば以下の通
りである。
(イ)ルテニウム: ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム化
合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合物
としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化
物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体
的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、
二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウ
ム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウ
ム、トリス(アセチルアセトン)ルテニウム、ヘキサク
ロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニ
ウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シク
ロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモト
リカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−ブ
チルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニ
ルテトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテ
ニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリ
ルテニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられ
る。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使
用量は、反応溶液1リットル中のルテニウムとして0.00
01〜100ミリモル、好ましくは0.001〜10ミリモルであ
る。
(ロ)有機ホスフィン: 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウムの
電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定化
するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィンの
具体例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ
−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキ
シルホスフィンのようなトリシクロアルキルホスフィン
類、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホス
フィン類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキ
ルアリールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタンのような多官能性ホスフィン類が挙げら
れる。有機ホスフィンの使用量は通常、ルテニウム1モ
ルに対して、0.1〜1000モル程度、好ましくは1〜100モ
ルである。また、有機ホスフィンは、それ自体単独で、
あるいはルテニウム触媒との複合体の形で、反応系に供
給することができる。
(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役塩基: pKa値が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム触媒
の付加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系中
において、pKa値が2より小さい酸の共役塩基を生成す
るものであればよく、その供給形態としては、pKa値が
2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩等が用
いられる。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜
硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフル
オロ燐酸、タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング
ステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ酸、フル
オロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、あ
るいはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が
挙げられる。
また、これ等の酸の共役塩基が反応系で生成すると考え
られる酸誘導体、例えば酸ハロゲン化物、酸無水物、エ
ステル、酸アミド等の形で添加しても同様の効果が得ら
れる。これ等の酸又はその塩の使用量は、ルテニウム1
モルに対して0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モ
ル、更に好ましくは0.5〜20モルの範囲である。
上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分の外に、場合によ
り含有することができる(ニ)中性配位子としては、水
素、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ブタジエン、シクロペンタジエン、シ
クロオクタジエン、ノルボナジエン等のオレフィン類、
一酸化炭素、ジエチルエーテル、アニソール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、プロピオン酸、カ
プロン酸、酪酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、
安息香酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル等の含酸素化
合物、酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチル
アミン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、ピ
ロール、ピリジン、N−メチルホルムアミド、アセトア
ミド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリ
ドン、カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合
物、二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフェノ
ール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チ
オフェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキ
シド等の含硫黄化合物、トリブチルホスフィンオキシ
ド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、トリフェニ
ルホスフィンオキシド、ジエチルフェニルホスフィネー
ト、ジフェニルメチルホスフィネート、ジフェニルエチ
ルホスフィネート、o,o−ジメチルメチルホスホノチオ
レート、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機
ホスフィン以外の含燐化合物が挙げられる。
(実施例) 以下本発明を実施例及び比較例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
実施例1 触媒液の調製: ルテニウムアセチルアセトナート1.99g(Ru:5ミリモ
ル)、トリオクチルホスフィン18.5g(50ミリモル)及
びp−トルエンスルホン酸8.4g(44ミリモル)を、トリ
グライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル溶
媒)3.2kgに溶解し、アルゴン雰囲気下200℃で2時間加
熱処理して触媒液を調製した。
水素化反応: 反応器(SUS製10 1加圧釜)に上記触媒液及び無水コハ
ク酸400g(4.0モル)を仕込み、室温で水素を40気圧で
圧入し、205℃に加熱して4時間水素化反応を行なっ
た。反応後、生成物をガスクロマトグラフィーにより分
析した結果、無水コハク酸の転化率は91.4%であり、γ
−ブチロラクトンの選択率は90.2%、収率は82.4%であ
った。
粗ラクトンの採取: 上記反応生成物1.5kgを、30段の蒸留塔を用い、塔頂減
圧度30〜10mmHg、塔底温度130〜150℃、還流比10で回分
蒸溜して、塔頂からγ−ブチロラクトン45重量%、水9.
0重量%及び溶媒43重量%を含む粗ラクトンを留出させ
採取した。残留液は、触媒、溶媒及び未反応原料等を含
有する触媒液である。
粗ラクトンの精製: 上記に採取した粗ラクトンを、ガラスオルダーショー実
段数35段、塔頂減圧度20mmHg、塔底温度130℃、缶出液
滞留時間3時間で運転する蒸留塔に供給して蒸留し、塔
頂からγ−ブチロラクトン及び水を留出させると共に、
溶媒及び高沸点物質を含む缶出液を塔底から抜き出し
た。
上記留出液及び缶出液の夫々に含まれるジエチレングリ
コールモノメチルエーテル(トリグライムの分解物)を
ガスクロマトグラフィーにより分析し、蒸留塔に供給し
た溶媒(トリグライム)の分解率(分解物のモル数/供
給物のモル数)を求め、分解率を後記の表1に示した。
また、缶出液の着色度を下記の測定法により測定し、表
1にAPHA値を示した。
着色度の測定(硫酸着色法) 硫酸着色試験法には、モンサント法、イーストマン法、
積水法等があるが、何れも微細な条件が異なるのみで主
たる操作は同じであり、モンサント法が一般に広く用い
られている。本実施例においても以下に記載するモンサ
ント法を採用した。
[測定法] 洗浄し乾燥した300mlの共栓付平底フラスコに、試料100
mlを入れる。試料を撹拌しながら30℃以下の室温で98重
量%の濃硫酸8mlを25mlビュレットにて2ml/分の速度で
加える。フラスコに栓をして98±2℃の水浴中に2時間
浸しておく。ついで水で室温まで冷却した後、試料100m
lを内径25mm、高さ270mmの平底のガラス製比色管に移
し、同様な比色管にて同量のAPHA色標準液と目視により
比較し、同色のAPHA値を測定値とする。
APHA色原液の組成は次の通りである。
塩化白金酸カリウム(K2PtCl6) 1.245g 塩化コバルト (CoCl2・6H2O) 1.000g 98%濃硫酸 100ml 以上を1000ml容のメスフラスコに入れ、蒸留水を加えて
溶解し、蒸留水にて正確に1000mlとする。この液がAPHA
500であり、以下蒸留水にて比例希釈して低いAPHA色標
準液を得る。
実施例1〜6及び比較例1〜2 実施例1の方法で蒸留採取した粗ラクトンを、表1に示
す条件で運転する実施例1の蒸留塔に供給して蒸留を行
ない、塔頂からγ−ブチロラクトン及び水を留出させ、
溶媒及び高沸点物質を含む缶出液を塔底から抜き出し
た。実施例1の方法で測定した溶媒の分解率及び缶出液
の着色度を表1に示した。
実施例7 実施例1の方法で蒸留採取した粗ラクトン(γ−ブチロ
ラクトン45重量%、水9.0重量%及び溶媒43重量%を含
む)を、実段数30段、塔頂減圧度30〜10mmHg、塔底温度
90〜120℃、還流比10で運転する蒸留塔に供給して蒸留
し、塔頂から水を留出させた。
残留液(γ−ブチロラクトン33重量%及び溶媒67重量%
からなる)をガラスオルダーショー実段数35段、塔頂減
圧度20mmHg、塔底温度125℃、缶出液滞留時間3時間で
運転する蒸留塔に供給して蒸留し、塔頂からγ−ブチロ
ラクトンを留出させると共に、溶媒からなる缶出液を塔
底から抜き出した。
上記留出液及び缶出液について、実施例1と同一の方法
で測定した溶媒の分解率を表2に示した。また缶出液の
着色度を表2に示した。
実施例8及び比較例3 実施例7において、粗ラクトン中の水を蒸留により留出
させた残留液(γ−ブチロラクトン33重量%及び溶媒67
重量%からなる)を、表2に示す条件で運転する実施例
7の蒸留塔に供給して蒸留を行ない、塔頂からγ−ブチ
ロラクトン及び水を留出させ、溶媒及び高沸点物質を含
む缶出液を塔底から抜き出した。実施例1の方法で測定
した溶媒の分解率及び缶出液の着色度を表2に示した。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水
物及び/又はジカルボン酸エステルからなる原料をポリ
エーテル類から選ばれた溶媒を用い、ルテニウム触媒の
存在下液相で水素下して得られる反応生成物から触媒を
分離した粗ラクトン類を蒸溜することにより精製する際
に、特定の蒸留条件を選ぶことにより、前記の実施例に
示すように、高品位のラクトン類を得ることができ、工
業的にラクトン類を製造する場合の価値は大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジ
    カルボン酸エステルを、溶媒としてポリエーテル類を使
    用しルテニウム触媒の存在下液相で水素化して得られる
    反応生成物から触媒を分離した粗ラクトン類を蒸留する
    ことにより精製するにあたり、蒸留塔の塔底温度を150
    ℃以下とすることを特徴とするラクトン類の精製法。
JP1274999A 1989-09-27 1989-10-24 ラクトン類の精製法 Expired - Lifetime JPH07121928B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1274999A JPH07121928B2 (ja) 1989-10-24 1989-10-24 ラクトン類の精製法
US07/582,158 US5047561A (en) 1989-09-27 1990-09-14 Process for producing a lactone
EP90118196A EP0420062B1 (en) 1989-09-27 1990-09-21 Process for producing a lactone
DE69017570T DE69017570T2 (de) 1989-09-27 1990-09-21 Verfahren zur Herstellung eines Lactons.
BR909004837A BR9004837A (pt) 1989-09-27 1990-09-26 Processo para a producao de uma lactona
KR1019900015317A KR0145318B1 (ko) 1989-09-27 1990-09-26 락톤의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1274999A JPH07121928B2 (ja) 1989-10-24 1989-10-24 ラクトン類の精製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03141273A JPH03141273A (ja) 1991-06-17
JPH07121928B2 true JPH07121928B2 (ja) 1995-12-25

Family

ID=17549484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1274999A Expired - Lifetime JPH07121928B2 (ja) 1989-09-27 1989-10-24 ラクトン類の精製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07121928B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0210143D0 (en) 2002-05-02 2002-06-12 Davy Process Techn Ltd Process
GB0325384D0 (en) 2003-10-30 2003-12-03 Davy Process Techn Ltd Process

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03141273A (ja) 1991-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4892955A (en) Method for producing a lactone
JP2590350B2 (ja) 酸加速ヒドロカルボキシル化
JPH0778054B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JP2013513653A (ja) 改良されたカルボニル化プロセス
US6946574B2 (en) Method for preparing carboxylic acids by palladium carbonylation
US5292944A (en) Process for the preparation of adipic acid or pentenoic acid
EP0395038B1 (en) Preparation of adipic acid from lactones
JPH07121928B2 (ja) ラクトン類の精製法
JP2516809B2 (ja) ラクトン類の製法
JPH1180068A (ja) トリシクロデカンジアルデヒドの製造方法
KR0145318B1 (ko) 락톤의 제조방법
JP2516815B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP2785967B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JP2516836B2 (ja) ラクトン類の製造法
JPH02121976A (ja) フタライド類の製造法
JP2516805B2 (ja) ラクトン類の製造方法
KR101494953B1 (ko) 디카복실산의 제조 방법
JPH0491085A (ja) ラクトン類の製造法
JPH0436275A (ja) ラクトン類の製造法
JPH07121927B2 (ja) ラクトン類の製造法
JP2785363B2 (ja) ラクトン類の精製方法
JP2825286B2 (ja) ラクトン類の製造法
KR20120128705A (ko) 락톤 제조 방법
JP2022156346A (ja) ラクトン類の製造方法
JPH02233674A (ja) ラクトン類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081225

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091225

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term