JPH07121816B2 - 異常な正の部分分散のある光学弗燐酸塩ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

異常な正の部分分散のある光学弗燐酸塩ガラスおよびその製造方法

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JPH07121816B2
JPH07121816B2 JP61505653A JP50565386A JPH07121816B2 JP H07121816 B2 JPH07121816 B2 JP H07121816B2 JP 61505653 A JP61505653 A JP 61505653A JP 50565386 A JP50565386 A JP 50565386A JP H07121816 B2 JPH07121816 B2 JP H07121816B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルカリ土類金属燐酸塩、アルミニウム燐酸
塩、アルカリ土類金属弗化物、アルミニウム弗化物およ
びアルカリ土類金属酸化物を基礎とする異常な正の部分
分散のある光学弗燐酸塩ガラス並びにその製造方法に関
する。
光学精密器具において、定評のある光学的なパラメータ
組合せ(ne−υ−パラメータ組合せ)および異常な部
分分散値の他に別の物理化学的性質の域においても最高
の値を示すガラスが多く目的の為に用いられる。この場
合ガラス化学者の課題は、定評のある光学的パラメータ
に不利な影響を及ぼすことなくあるいは変更することな
く、広範な物理的性質の全ての内のできるだけ沢山のも
のが所期の通り最適なものである光学ガラスの溶融用原
料混合物を見出すことである。現代の光学ガラス用配合
の場合沢山の成分系が問題となっているので、個々のパ
ラメータの確認可能な(測定可能な)あらゆる改善が驚
くべき発展成果として価値があるはずである。
それ故に本発明の課題は、最高な光学的なデータ(屈折
率、アッベ数、異常部分分散)を維持しながらガラスの
物理化学的性質並びにそれの工業的製造条件が、再現可
能な大規模な製造が難なく可能でありそしてそうして得
られるガラスが特に条痕がなく且つ気泡がない状態で大
きな単位で製造できるように改善されているような光学
ガラスを提供することである。
この課題は、本発明により、請求の範囲第1項に記載、
即ち、アルカリ土類金属およびアルミニウムのメタ燐酸
塩および弗化物並びにアルカリ土類金属酸化物を基礎と
し、75.8〜77.4のアッベ数ν並びに14.85〜15.15の異
常な正の部分分散値+Δνを持つ光学弗燐酸塩ガラス
において、Mg 2.4〜2.7、Ca 4.5〜4.9、Sr 15.9〜17.
6、Ba 20.2〜22.3、Al 5.6〜6.2、P 8.8〜9.7、F 22.0
〜24.3、O 15.7〜17.4の原子組成(原子%)を有する構
成によって、また請求の範囲第6項の記載、即ち、Mg
(PO320.5〜1、Ca(PO321〜2、Ba(PO3221〜2
4、Al(PO3310〜12で、その際、メタ燐酸塩すべての
全含有量が33〜38であり、MgF2 6〜7、CaF2 8〜10、Sr
F2 15〜18、AlF3 14〜16で、その際、弗化物すべての全
含有量が54〜59であり、BaO11〜13、SrO 5〜7で、その
際、酸化物すべての全含有量が16〜20であるような組成
物(重量%)を有する混合物を溶融して、Mg 2.4〜2.
7、Ca 4.5〜4.9、Sr 15.9〜17.6、Ba 20.2〜22.3、Al
5.6〜6.2、P 8.8〜9.7、F 22.0〜24.3、O 15.7〜17.4の
原子組成(原子%)を有する構成のガラスを製造するこ
とで、解決される。本発明に係る光学弗燐酸塩ガラスで
の屈折率neは約1.53である。この発明の好適な実施形態
は、請求の範囲における従属項、即ち、第2〜5項及び
第7〜10項から明らかとなろう。
以下の表に公知のガラスの光学的性質および物理化学的
性質、その他に本発明のガラスの同様な性質を対照して
示す。
最初に挙げた四つのパラメータは光学的な性質を示して
おりそして以下の意味を有している: ne=屈折率 ν=アッベ数(分散の逆数値) θ′=(固有の)異常な部分分散 但し、 上記付記の指数は以下の意味を有する: =青色の水銀線(435.84nm) F′=赤色のカドミウム線(643.85nm) +Δυe=例えばドイツ特許第1,496,563号明細書およ
び対応する米国特許第3,451,829号明細書の図面にグラ
フ化されそして対応する明細書に詳細に説明されている
如き、“基準線”の正の偏差(positive Abweich un
g)。この差の値が異常な正の部分分散値である。
上記表の下側に記載した六つのパラメータは物理化学的
性質、即ち α20/300℃=線熱膨張係数(10-6・1/℃) Tg=ガラス転移温度(℃) ρ=密度(g/cm3) HK=クノープ硬度(Knoop−Haerte) FR=耐班点形成性(Flecken−Resistenz) SR=耐酸性 一覧表から、光学的パラメータが同じままで改善された
性質が明らかになる。表に記した本発明のガラスは、
(原子%で)2.57のMg、4.69のCa、16.75のSr、21.22の
Ba、5.90のAl、9.22のP、23.13のFおよび16.52のOで
構成されている。近年の望遠写真レンズにおいて並びに
強い光の広角写真レンズにおいて用いることができる。
以下に10kgの溶融物の実施例を記す。以下の混合物成分
を秤量する: Mg(H2PO4・5H2O 135.3g Ca(H2PO4・2H2O 172.7g Ba(H2PO4 2498.7g Al(PO3 1100.0g MgF2 632.0g CaF2 864.0g SrF2 1644.0g AlF3・3 H2O 2455.2g BaCO3 1557.3g SrCO3 886.1g KHF2 30.0g 良く混合し、次いで温度が全部の秤量物を溶融する実ま
での間、約880℃に一定に保持されている白金坩堝中に
少量ずつ導入する。この導入は約120分間続ける。次い
で温度を5分間に約1160℃に連続的に高める。この温度
に達したら、撹拌機を挿入し、約180回転/分の撹拌速
度で撹拌する。約90分の撹拌時間の後に温度を約950℃
に戻しそしてこの温度で約80回転/分の撹拌速度にす
る。約750〜760℃のもとで、約510℃に予め加熱されて
いるアルミニウム型中に注ぎ込む。
こうして製造したガラスは条痕がなく且つ気泡を有さ
ず、化学的に安定しておりそして大きな直径のレンズ未
加工品にプレス成形できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドロイト ライナ ドイツ連邦共和国 D−6330 ヴェツラ −・ニーダーギルメス シュールシュトラ −セ 16 (72)発明者 フラーネク ヘニング ドイツ連邦共和国 D−6333 ブラウンフ ェルス・ティーフェンバッハ ミューレン コップシュトラーセ 5

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ土類金属およびアルミニウムのメ
    タ燐酸塩および弗化物並びにアルカリ土類金属酸化物を
    基礎とし、75.8〜77.4のアッベ数ν並びに14.85〜15.
    15の異常な正の部分分散値+Δνを持つ光学弗燐酸塩
    ガラスにおいて、以下の原子組成(原子%): Mg 2.4〜 2.7 Ca 4.5〜 4.9 Sr 15.9〜17.6 Ba 20.2〜22.3 Al 5.6〜 6.2 P 8.8〜 9.7 F 22.0〜24.3 O 15.7〜17.4 を有することを特徴とする光学弗燐酸塩ガラス。
  2. 【請求項2】屈折率ne=1.530、アッベ数ν=76.6、
    異常な正の部分分散値Δν=+15並びに以下の原子組
    成(原子%): Mg 2.6 Ca 4.7 Sr 16.8 Ba 21.2 Al 5.9 P 9.2 F 23.1 O 16.5 を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のガ
    ラス。
  3. 【請求項3】屈折率ne=1.5302、アッベ数ν=76.5
    7、異常な正の部分分散値Δν=+15.0並びに以下の
    原子組成(原子%): Mg 2.57 Ca 4.69 Sr 16.75 Ba 21.22 Al 5.90 P 9.22 F 23.13 O 16.52 を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のガ
    ラス。
  4. 【請求項4】以下の物理化学的パラメータ: 線熱膨張係数α20/300℃=14.0〜14.3〔10-6・1/℃〕 転移温度Tg=459〜510〔℃〕 比 重 ρ=3.7〜3.9〔g/cm3〕 クノープ硬度HK=380〜390 を有することを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいず
    れか1項に記載のガラス。
  5. 【請求項5】以下の物理化学的パラメータ: α20/300℃=14.18〔10-6・1/℃〕 Tg=501〔℃〕 ρ=3.78〔g/cm3〕 HK=385 を有することを特徴とする請求の範囲第4項に記載のガ
    ラス。
  6. 【請求項6】Mg(PO3 0.5〜1 Ca(PO3 1 〜2 Ba(PO3 21 〜24 Al(PO3 10 〜12 その際、メタ燐酸塩すべての全含有量は33〜38であり、 MgF2 6〜7 CaF2 8〜10 SrF2 15〜18 AlF3 14〜16 その際、弗化物すべての全含有量は54〜59であり、 BaO 11〜13 SrO 5〜7 その際、酸化物すべての全体含有量は16〜20である組成
    物(重量%)を有する混合物を溶融して、 Mg 2.4〜 2.7 Ca 4.5〜 4.9 Sr 15.9〜17.6 Ba 20.2〜22.3 Al 5.6〜 6.2 P 8.8〜 9.7 F 22.0〜24.3 O 15.7〜17.4 の原子組成(原子%)を有し75.8〜77.4のアッベ数ν
    並びに14.85〜15.15の異常な正の部分分散値+Δν
    持ち、 線熱膨張係数α20/300℃=14.0〜14.3〔10-6・1/℃〕 転移温度Tg=459〜510〔℃〕 比 重 ρ=3.7〜3.9〔g/cm3〕 クノープ硬度HK=380〜390 を持つ、アルカリ土類金属およびアルミニウムのメタ燐
    酸塩および弗化物並びにアルカリ土類金属酸化物を基礎
    とする光学弗燐酸塩ガラスを製造する方法。
  7. 【請求項7】混合物が以下の組成(重量%): Mg(PO3 0.8〜 0.9 Ca(PO3 1.2〜 1.4 Ba(PO3 21.2〜23.4 Al(PO3 10.5〜11.6 MgF2 6.0〜 6.6 CaF2 8.2〜 9.1 SrF2 15.6〜17.3 AlF3 14.1〜15.6 BaO 11.5〜12.7 SrO 5.9〜 6.6 を有することを特徴とする請求の範囲第6項に記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】混合物が以下の組成(重量%): Mg(PO3 0.80 Ca(PO3 1.27 Ba(PO3 22.31 Al(PO3 11.00 MgF2 6.32 CaF2 8.64 SrF2 16.44 AlF3 14.88 BaO 12.10 SrO 6.24 を有することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の製
    造方法。
  9. 【請求項9】a)請求の範囲第6〜8項のいずれか1項
    に記載の組成を有する原料混合物を、860〜900℃で100
    〜130分間加熱し、 b)5分以内に1150〜1170℃に昇温し、 c)60〜90分間、後撹拌し、 d)撹拌速度を低下させながら930〜970℃に溶融物温度
    を下げ、 e)750〜760℃の温度で、約510℃に予熱された型中に
    注ぎ込んで、 ことを経ることを特徴とする請求の範囲第6〜8項のい
    ずれか1項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】以下の段階: a)白金坩堝中に原料混合物を880℃で120分間加熱し、 b)5分以内に1160℃に昇温し、 c)180回転/分の撹拌速度で90分の間、後撹拌し、 d)950℃に溶融物温度を下げ、そして撹拌速度を80回
    転/分に減らし、 e)750〜760℃の温度で、約510℃に予熱されたアルミ
    ニウム製型中に注ぎ込む ことを経ることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の
    方法。
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