JP3194804B2 - 弗燐酸塩光学ガラス用調合組成物 - Google Patents
弗燐酸塩光学ガラス用調合組成物Info
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- JP3194804B2 JP3194804B2 JP34705892A JP34705892A JP3194804B2 JP 3194804 B2 JP3194804 B2 JP 3194804B2 JP 34705892 A JP34705892 A JP 34705892A JP 34705892 A JP34705892 A JP 34705892A JP 3194804 B2 JP3194804 B2 JP 3194804B2
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- optical glass
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- fluorophosphate
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- fluorophosphate optical
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、弗燐酸塩光学ガラス用
調合組成物に関する。
調合組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来弗燐酸塩光学ガラスとしては、特公
平４−４４６１７号公報に、比較的ＡｌＦ3 、ＲＯ（２
価金属酸化物）成分が少ないものが開示され、又特開昭
６３−１４４１４１号公報に、Ａｌ2 Ｏ3 を必須成分と
するものが開示されている。
平４−４４６１７号公報に、比較的ＡｌＦ3 、ＲＯ（２
価金属酸化物）成分が少ないものが開示され、又特開昭
６３−１４４１４１号公報に、Ａｌ2 Ｏ3 を必須成分と
するものが開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公平４
−４４６１７号公報記載のガラスの製造方法では、ＲＯ
（２価金属酸化物）成分が少なく、Ｐ2 Ｏ5 原料として
Ｈ3 ＰＯ4 やＡｌ（ＰＯ3 ）3 を用いているが、Ｈ3 Ｐ
Ｏ4 中のＨ2 Ｏによる融液中のフッ素成分の揮発増大
や、Ａｌ（ＰＯ3 ）3 の熔解性の低さより、均質なガラ
スを得ることが困難である。一方特開昭６３−１４４１
４１号公報記載のガラスの製造方法においてもＡｌ（Ｐ
Ｏ3 ）3 が使用され同様の問題がある。さらにいずれの
ガラスにおいても耐失透性が十分とは言いがたく、大量
に均質なガラスを生産することが可能なガラス組成の検
討が必要とされている。
−４４６１７号公報記載のガラスの製造方法では、ＲＯ
（２価金属酸化物）成分が少なく、Ｐ2 Ｏ5 原料として
Ｈ3 ＰＯ4 やＡｌ（ＰＯ3 ）3 を用いているが、Ｈ3 Ｐ
Ｏ4 中のＨ2 Ｏによる融液中のフッ素成分の揮発増大
や、Ａｌ（ＰＯ3 ）3 の熔解性の低さより、均質なガラ
スを得ることが困難である。一方特開昭６３−１４４１
４１号公報記載のガラスの製造方法においてもＡｌ（Ｐ
Ｏ3 ）3 が使用され同様の問題がある。さらにいずれの
ガラスにおいても耐失透性が十分とは言いがたく、大量
に均質なガラスを生産することが可能なガラス組成の検
討が必要とされている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は上述した課題
を解決するために統計的かつ詳細な実験を行った結果、
Ｐ2Ｏ5成分の原料としてＢａ（ＰＯ3）2を用いることに
より、ガラス中にＢａＯが加わり耐失透性が向上し、か
つ熔解性が良化し、さらにＲＦ2（２価金属弗化物）成
分の適当な比率の選定や、ＹＦ3やＹＮａＦの適量添加
により耐失透性が良化し、その結果均質なガラスを大量
に製造することが可能であることを見いだした。本発明
はこのような知見に基づいてなされたもので、モル％で Ｂａ（ＰＯ3）2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含むことを特徴とする弗燐酸塩光学ガラス用調合組成
物を要旨とする。また、本発明は、モル％で Ｂａ（ＰＯ 3 ） 2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ 3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ 2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ 2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ 2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ 2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ 3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含む調合組成物を溶解して、弗燐酸塩光学ガラスを得
ることを特徴とする弗燐酸塩光学ガラスの製造方法を要
旨とする。
を解決するために統計的かつ詳細な実験を行った結果、
Ｐ2Ｏ5成分の原料としてＢａ（ＰＯ3）2を用いることに
より、ガラス中にＢａＯが加わり耐失透性が向上し、か
つ熔解性が良化し、さらにＲＦ2（２価金属弗化物）成
分の適当な比率の選定や、ＹＦ3やＹＮａＦの適量添加
により耐失透性が良化し、その結果均質なガラスを大量
に製造することが可能であることを見いだした。本発明
はこのような知見に基づいてなされたもので、モル％で Ｂａ（ＰＯ3）2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含むことを特徴とする弗燐酸塩光学ガラス用調合組成
物を要旨とする。また、本発明は、モル％で Ｂａ（ＰＯ 3 ） 2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ 3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ 2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ 2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ 2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ 2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ 3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含む調合組成物を溶解して、弗燐酸塩光学ガラスを得
ることを特徴とする弗燐酸塩光学ガラスの製造方法を要
旨とする。
【０００５】先ず本発明における組成限定理由を述べ
る。なお、各成分の含量を示す「％」は「モル％」を示
す。Ｂａ（ＰＯ3 ）2 は、バッチ熔解性及び脱泡性がよ
く、弗燐酸塩ガラスの製造において有効な成分である。
さらに得られるガラス中に含まれるＢａＯはガラスの失
透性を抑える効果が高い。しかしながら２．５％未満で
は上記効果を得るのに不十分であり、また６．０％を超
えると分散が大きくなり目的とする光学的特性が得られ
ない。従ってＢａ（ＰＯ3 ）2 の含量は２．５〜６．０
％に限定される。
る。なお、各成分の含量を示す「％」は「モル％」を示
す。Ｂａ（ＰＯ3 ）2 は、バッチ熔解性及び脱泡性がよ
く、弗燐酸塩ガラスの製造において有効な成分である。
さらに得られるガラス中に含まれるＢａＯはガラスの失
透性を抑える効果が高い。しかしながら２．５％未満で
は上記効果を得るのに不十分であり、また６．０％を超
えると分散が大きくなり目的とする光学的特性が得られ
ない。従ってＢａ（ＰＯ3 ）2 の含量は２．５〜６．０
％に限定される。
【０００６】ＡｌＦ3 はガラスを安定かつ低分散にする
効果があるが、３４．２％未満では目標とする光学的特
性が得られず、４０．０％を超えると逆に失透性が強く
なる。したがってＡｌＦ3 の含量３４．２〜４０．０％
に限定される。
効果があるが、３４．２％未満では目標とする光学的特
性が得られず、４０．０％を超えると逆に失透性が強く
なる。したがってＡｌＦ3 の含量３４．２〜４０．０％
に限定される。
【０００７】ＭｇＦ2 、ＣａＦ2 、ＳｒＦ2 、ＢａＦ2
の各成分はガラスの耐失透性を保ち、低分散にするため
にいずれも必須の成分であり、それぞれ４．０〜９．０
％、２７．０〜３４．０％、１５．０〜２０．０％、
０．５〜３．４％の範囲外では耐失透性が悪化し安定生
産可能なガラス組成物が得られない。従ってＭｇＦ2 の
含量は４．０〜９．０％、ＣａＦ2 の含量は２７．０〜
３４．０％、ＳｒＦ2 の含量は１５．０〜２０．０％、
ＢａＦ2 の含量は０．５〜３．４％にそれぞれ限定され
る。
の各成分はガラスの耐失透性を保ち、低分散にするため
にいずれも必須の成分であり、それぞれ４．０〜９．０
％、２７．０〜３４．０％、１５．０〜２０．０％、
０．５〜３．４％の範囲外では耐失透性が悪化し安定生
産可能なガラス組成物が得られない。従ってＭｇＦ2 の
含量は４．０〜９．０％、ＣａＦ2 の含量は２７．０〜
３４．０％、ＳｒＦ2 の含量は１５．０〜２０．０％、
ＢａＦ2 の含量は０．５〜３．４％にそれぞれ限定され
る。
【０００８】ＹＦ3 は少量の添加により耐失透性改善の
効果が高いが、０．２％未満ではその効果が小さく、逆
に５．０％を超えると失透性が強まる。従ってＹＦ3 の
含量は０．２〜５．０％に限定される。
効果が高いが、０．２％未満ではその効果が小さく、逆
に５．０％を超えると失透性が強まる。従ってＹＦ3 の
含量は０．２〜５．０％に限定される。
【０００９】ＮａＦは少量の添加により耐失透性を良化
する効果があるが、０．２％未満ではその効果が小さ
く、逆に５．０％を超えると屈折率が低下し、目的とす
る光学的特性が得られない。従ってＮａＦの含量は０．
２〜５．０％に限定される。さらに脱泡などの目的で少
量のＣｌ、Ｂｒ、Ｉ等の化合物を使用することは排除す
るものではない。
する効果があるが、０．２％未満ではその効果が小さ
く、逆に５．０％を超えると屈折率が低下し、目的とす
る光学的特性が得られない。従ってＮａＦの含量は０．
２〜５．０％に限定される。さらに脱泡などの目的で少
量のＣｌ、Ｂｒ、Ｉ等の化合物を使用することは排除す
るものではない。
【００１０】上記の組成からなる調合組成物は、これを
常法により溶解することにより、弗燐酸塩光学ガラスを
得ることができる。本発明の調合組成物は熔解性に優れ
ており、また耐失透性を良化する効果があるため、均質
な弗燐酸塩光学ガラスを大量に製造することができる。
得られた弗燐酸塩光学ガラスは屈折率ｎd が１．４２〜
１．４４、分散率νd が９２〜９７の光学特性を有す
る。
常法により溶解することにより、弗燐酸塩光学ガラスを
得ることができる。本発明の調合組成物は熔解性に優れ
ており、また耐失透性を良化する効果があるため、均質
な弗燐酸塩光学ガラスを大量に製造することができる。
得られた弗燐酸塩光学ガラスは屈折率ｎd が１．４２〜
１．４４、分散率νd が９２〜９７の光学特性を有す
る。
【００１１】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。表１に示す
調合組成物Ｎｏ．１〜７の各５０ｇを蓋付きの白金製坩
堝に入れ９００〜１０００℃にて熔解し、撹拌、清澄後
に鉄製型に流し込み、徐冷することにより弗燐酸塩光学
ガラスを得た。いずれの調合組成物においても、ガラス
作製時の熔解性は良好であった。得られた光学ガラスに
ついてｎd 、νd を測定し、失透テストを行なった結果
を表１に示す。なお、表１中のｎd 、νd は−３０℃／
hrでアニールした場合の値であり、又、失透テストは、
上記の方法で熔解し、撹拌清澄後、ガラスの成型温度付
近の温度（６８０℃）で２時間保持し、鉄板上に流し出
し急冷したガラス中の結晶の有無を観察した結果であ
る。
調合組成物Ｎｏ．１〜７の各５０ｇを蓋付きの白金製坩
堝に入れ９００〜１０００℃にて熔解し、撹拌、清澄後
に鉄製型に流し込み、徐冷することにより弗燐酸塩光学
ガラスを得た。いずれの調合組成物においても、ガラス
作製時の熔解性は良好であった。得られた光学ガラスに
ついてｎd 、νd を測定し、失透テストを行なった結果
を表１に示す。なお、表１中のｎd 、νd は−３０℃／
hrでアニールした場合の値であり、又、失透テストは、
上記の方法で熔解し、撹拌清澄後、ガラスの成型温度付
近の温度（６８０℃）で２時間保持し、鉄板上に流し出
し急冷したガラス中の結晶の有無を観察した結果であ
る。
【００１２】
【表１】 表１より実施例で得られたガラスはいずれも屈折率ｎd
が１．４２〜１．４４、アッベ数νd が９２〜９７であ
り大量生産可能な耐失透性を有することが判る。
が１．４２〜１．４４、アッベ数νd が９２〜９７であ
り大量生産可能な耐失透性を有することが判る。
【００１３】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、均質な
弗燐酸塩光学ガラスを大量生産するに好適な調合組成物
が提供された。
弗燐酸塩光学ガラスを大量生産するに好適な調合組成物
が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C03C 1/00 - 14/00
Claims (3)
- 【請求項１】 溶解して光学ガラスを得るための調合組
成物であって、モル％で Ｂａ（ＰＯ3）2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含むことを特徴とする弗燐酸塩光学ガラス用調合組成
物。 - 【請求項２】 請求項１記載の弗燐酸塩光学ガラス用調
合組成物を溶解して得られ、屈折率ｎdが１.４２〜１.
４４、分散率νdが９２〜９７の光学的特性を有するこ
とを特徴とする弗燐酸塩光学ガラス。 - 【請求項３】 モル％で Ｂａ（ＰＯ 3 ） 2 ２．５〜 ６．０ ＡｌＦ 3 ３４．２〜４０．０ ＭｇＦ 2 ４．０〜 ９．０ ＣａＦ 2 ２７．０〜３４．０ ＳｒＦ 2 １５．０〜２０．０ ＢａＦ 2 ０．５〜 ３．４ ＹＦ 3 ０．２〜 ５．０ ＮａＦ ０．２〜 ５．０ を含む調合組成物を溶解して、弗燐酸塩光学ガラスを得
ることを特徴とする弗燐酸塩光学ガラスの製造方法 。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34705892A JP3194804B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 弗燐酸塩光学ガラス用調合組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34705892A JP3194804B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 弗燐酸塩光学ガラス用調合組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06191876A JPH06191876A (ja) | 1994-07-12 |
| JP3194804B2 true JP3194804B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=18387637
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34705892A Expired - Lifetime JP3194804B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 弗燐酸塩光学ガラス用調合組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3194804B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0948633A (ja) * | 1995-08-02 | 1997-02-18 | Nikon Corp | 偏光光学系用光学ガラス及びこれを用いた 偏光ビームスプリッタ |
| JP4579565B2 (ja) * | 2004-03-26 | 2010-11-10 | Ｈｏｙａ株式会社 | ガラス流出ノズル、ガラス物品の製造方法および光学素子の製造方法 |
| JP4471961B2 (ja) | 2006-09-28 | 2010-06-02 | Ｈｏｙａ株式会社 | レンズおよびその製造方法 |
| JP2009256149A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Hoya Corp | 光学ガラス、その製造方法並びに光学素子および光学素子の製造方法 |
| JP7024802B2 (ja) * | 2018-01-18 | 2022-02-24 | 株式会社ニコン | 光学ガラス、光学ガラスを備える光学素子、レンズ鏡筒、顕微鏡用対物レンズ、光学装置 |
| CN116143408A (zh) * | 2023-02-13 | 2023-05-23 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 低非线性氟磷酸盐紫外窗口玻璃 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34705892A patent/JP3194804B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06191876A (ja) | 1994-07-12 |
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| JPH0425222B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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