JP2009256149A - 光学ガラス、その製造方法並びに光学素子および光学素子の製造方法 - Google Patents

光学ガラス、その製造方法並びに光学素子および光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カメラやプロジェクターに用いられるレンズ用ガラス、特に色収差を抑えるための異常部分分散ガラスとして好適な、高屈折かつ低分散であって、実質上泡が存在しない高品質なフツリン酸塩光学ガラスを提供する。
【解決手段】 フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であり、かつ実質上二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないことを特徴とする光学ガラスである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学ガラス、その製造方法並びに光学素子および光学素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、カメラやプロジェクターに用いられるレンズ用ガラス、特に色収差を抑えるための異常部分分散ガラスとして好適な、高屈折かつ低分散であって、二酸化炭素などの溶存ガスが実質上存在しない高品質なフツリン酸塩光学ガラス、その効果的な製造方法、並びに上記光学ガラスからなる光学素子および該光学素子を効率よく製造する方法に関するものである。
カメラなどの光学系ではレンズの色収差をなくすため、アッベ数の異なるガラスを組み合わせる「色消し」の設計が一般的に取り入れられている。それにはアッベ数の差が大きいガラス同士を組み合わせると効果が大きい。特に、2次の色消しのためには通常の光学ガラスとは部分分散比が異なる異常部分分散ガラスが求められる。アッベ数の大きく異常部分分散性を有する光学ガラスとしてはアッベ数80以上のフツ燐酸塩ガラスが実用化されている(例えばHOYA光学ガラス「FCD1」など)。しかしこれらのフツ燐酸塩ガラスは屈折率が1.5以下であり、屈折力の大きいレンズには不向きであった。
一方、高屈折率、低分散であって、異常部分分散性を有し、かつ加工性に優れた光学ガラスとして、特許文献1に記載のフツリン酸塩系光学ガラスが知られている。
特開2007−55883号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の光学ガラスは、光学特性上、有用なガラスであるが、ガラス原料として炭酸塩を用いた場合に、泡が発生して、品質が低下しやすいことを、本発明者は見出した。
本発明は、このような状況下になされたものであり、カメラやプロジェクターに用いられるレンズ用ガラス、特に色収差を抑えるための異常部分分散ガラスとして好適な、高屈折かつ低分散であって、実質上泡が存在しない高品質なフツリン酸塩光学ガラス、その効果的な製造方法、並びに上記光学ガラスからなる光学素子を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ガラス原料として、分散温度がある値以下の化合物原料および酸化物原料の中から選ばれる複数種の原料を用い、該ガラス原料を加熱、熔融、清澄および均質化処理することにより、目的の光学ガラスが得られ、その目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であり、かつ実質上二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないことを特徴とする光学ガラス、
(2) Ce2+を外割りで0.0005〜0.1カチオン%含むことを特徴とする上記(1)項に記載の光学ガラス、
(3) フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびCe2+を外割りで0.0005〜0.1%含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であることを特徴とする光学ガラス、
(4) Mg2+ 0.1〜20%、Ca2+ 0〜20%、Sr2+ 0〜20%、Ba2+ 0.1〜25%およびY3+ 0.1〜10%を含む上記(1)または(2)項に記載の光学ガラス、
(5) アニオン%表示で、F 20〜50%を含む上記(1)〜(4)項に記載の光学ガラス、
(6) アニオン%表示で、Cl 0.001〜1%を含む上記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の光学ガラス、
(7) 熱質量分析における500℃でのCO強度I500に対する1000℃でのCO強度I1000の比I1000/I500が3以下であることを特徴とする上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の光学ガラス、
(8) 部分分散比が0.530以上である上記(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の光学ガラス、
(9) 摩耗度が500以下、比重が4.0以下および液相温度における粘度が0.4Pa・s以上である上記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の光学ガラス、
(10) 複数種の化合物原料を調合してガラス原料として、該ガラス原料を加熱、熔融、清澄および均質化する光学ガラスの製造方法であって、分解温度が800℃以下の化合物原料および酸化物原料の中から選ばれる複数種の原料を用いて、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78のフツリン酸塩ガラスが得られるように調合を行い、得られるガラス原料を加熱、熔融することを特徴とする光学ガラスの製造方法、
(11) 熔融、清澄および均質化の各工程におけるガラスの加熱温度を1200℃以下にする上記(10)項に記載の光学ガラスの製造方法、
(12) フッ化物を含むハロゲン化物、リン酸塩および酸化物から選ばれる複数種の化合物を用いてガラス原料を調合する上記(10)または(11)項に記載の光学ガラスの製造方法、
(13) フツリン酸塩ガラス中のCe2+の含有量が外割りで0.0005〜0.1カチオン%になるように、ガラス原料にCe化合物を添加することを特徴とする上記(10)〜(12)項のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法、
(14) 熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形する工程を含む上記(10)〜(13)項のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法、
(15) 熔融ガラスをプレス成形する工程を含む上記(10)〜(14)項のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法、
(16) 上記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子、および
(17) 上記(10)〜(15)項のいずれか1項に記載の方法で作製した光学ガラスを成形および/または加工することを特徴とする光学素子の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、カメラやプロジェクターに用いられるレンズ用ガラス、特に色収差を抑えるための異常部分分散ガラスとして好適な、高屈折かつ低分散であって、実質上泡が存在しない高品質なフツリン酸塩光学ガラス、その効果的な製造方法、並びに上記光学ガラスからなる光学素子およびその製造方法を提供することができる。
まず、本発明の光学ガラスについて説明する。
[フツリン酸塩光学ガラス]
フツリン酸塩ガラスの分散に大きな影響を与えるのは、主要アニオン成分のフッ素と酸素の割合であり、酸素の割合を高めることによりアッベ数(νd)を小さくすることができる。したがって、低分散特性を有するフツリン酸塩ガラスの中でも屈折率(nd)が1.54〜1.60と高く、アッベ数(νd)が65〜78と比較的小さいガラスでは、酸素成分の割合を高めるため、リン酸塩原料やフッ化物原料だけでなく、炭酸塩原料を用いてより多くの酸素をガラス中に導入する。このうち、リン酸塩原料は酸素成分とともにリン成分もガラス中に導入するため、リン酸塩原料だけでは酸素成分の導入量を独立してコントロールすることができない。
このような理由から、高屈折率のフツリン酸塩ガラスの生産では、炭酸塩原料を使用するのが一般的である。炭酸塩原料以外にBaOなどの酸化物原料を使用すればガラス中により多くの酸素成分を導入することができるが、BaOは吸湿性があり、精密な秤量、調合が難しく、光学特性を精密に制御する必要がある光学ガラスの生産には不向きである。こうした事情もあって、これまで炭酸塩原料が使用されてきた。炭酸塩原料はシリカ系ガラス、ホウ酸系ガラスなど一般的な光学ガラスでは清澄効果を高める働きをするが、本発明者の研究によれば、上記フツリン酸塩ガラスでは、炭酸塩原料の使用が泡発生の原因であることが判った。
一般に、溶解温度を上げてガラスの粘度を下げ、泡を浮上させ易くすることで清澄を促すが、フツリン酸ガラスは高温にするとガラス中のフッ素成分が揮発しやすく、清澄のために温度を上げるとフッ素成分量が減少して屈折率などの光学性能が大きく変動したり、著しい脈理が生じてしまい、製品を高歩留まりで製作するのが困難となる。そのため、熔解温度を低く抑えなければならない。炭酸塩原料の分解温度は高いため、熔解温度が低いと、熔解工程で使用した炭酸塩原料が完全に分解せず、清澄工程に入ってからも分解は継続する。清澄後、熔融ガラスの温度を低下して均質化工程に入るが、清澄時に分解、発生した二酸化炭素成分が溶存ガスとしてガラス中に残存することになる。
溶存ガスは気泡として存在するのではなく、ガラス中に溶け込んでいるガスであり、均質化のためのガラス融液撹拌、あるいは、ガラス流出、成形時の急冷により泡としてガラス中に析出し、品質を低下させてしまう。
本発明者は、分解温度の高い炭酸塩を使用しないことで、熔解温度を低くしても泡が消失すること、二酸化炭素を溶存せず、ガラス融液撹拌、急冷時に発泡しないガラスが得られることを見出し、ガラスの溶融性、清澄性、低揮発性を同時に満足させることに成功した。
本発明の第1の光学ガラスは、フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であり、かつ実質上二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないことを特徴とする。
本発明の第2の光学ガラスは、フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびCe2+を外割りで0.0005〜0.1%含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であることを特徴とする。
本発明の第1の光学ガラス(以下、光学ガラスIという)は、所定のガラス組成および光学特性に加え、実質上二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないことにより、上記目的を達成するものであり、本発明の第2の光学ガラス(以下、光学ガラスIIという)は、所定のガラス組成および光学特性に加え、外割りで0.001〜0.2カチオン%のCe2+をガラスに導入することにより、上記目的を達成するものである。
以下、ガラスI、ガラスIIの共通点について説明する。
<ガラス組成>
以下、断りのない限り、カチオン成分の「%」はカチオン%を示し、アニオン成分の「%」はアニオン%を示す。
5+はフツリン酸塩ガラスの基本成分であり、耐失透性、高屈折率を得るのに重要なカチオン成分である。20%未満では耐失透性が低下し、屈折率も低下しやすい。逆に50%を越えると失透性が悪化しアッベ数が小さくなりすぎる。したがってP5+は20〜50%に限定される。好ましくは25〜45%であり、さらに好ましくは30〜40%である。
Al3+はフツリン酸塩ガラスの耐失透性を向上させ、熱膨張を抑制する重要な成分である。0.1%未満では耐失透性が悪く、液相温度が高くなり高品質なガラスの溶解成形が困難になる。逆に20%を越えても耐失透性が悪化する。したがってAl3+の含有量は0.1〜20%に限定される。好ましくは1〜13%、さらに好ましくは5〜10%である。
Mg2+はフツリン酸塩ガラスの耐失透性を向上させ、さらに比重を小さくし、摩耗度を下げ加工性を向上させる重要なカチオン成分である。Mg2+が0.1%未満ではその効果が無く、20%を越えると屈折率が低くなると同時に耐失透性が低下する。したがってMg2+の含有量は0.1〜20%の範囲が好ましい。より好ましくは5〜15%、さらに好ましくは5〜10%である。
Ca2+はフツリン酸塩ガラスの耐失透性を向上させ、さらに摩耗度を下げ加工性を向上させるカチオン成分である。Ca2+が20%を越えると屈折率が低くなると同時に耐失透性が低下する。したがってCa2+の含有量は0〜20%の範囲が好ましい。より好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは1〜18%、いっそう好ましくは5〜15%である。
Sr2+はフツリン酸塩ガラスの耐失透性を向上させ、屈折率を向上させるカチオン成分である。Sr2+が20%を越えると屈折率が低くなると同時に耐失透性が低下する。したがってSr2+の含有量は0〜20%の範囲が好ましい。より好ましくは1〜18%、さらに好ましくは5〜15%である。
Ba2+は比重や熱膨張を大きく、さらに摩耗度を上げ加工性を悪化させる成分であるが、フツリン酸塩ガラスの耐失透性を向上させ、屈折率を向上させる目的で少量添加するのが好ましい。Ba2+が0.1%未満ではガラスが失透しやすく、Ba2+が25%を越えると摩耗度が大きくなり加工性が低下する。したがってBa2+の含有量は0.1〜25%の範囲が好ましい。より好ましくは5〜20%、さらに好ましくは10〜20%である。
なお、耐失透性を向上させる上からMg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+を合計で30〜60%とする。前記合計量の好ましい範囲は40〜60%、より好ましい範囲は45〜55%である。
またR2+(RはMg、Ca、Sr、Ba)の合量中のBa2+の割合も重要である。Ba2+/R2+が0.5以上になると摩耗度が大きくなり加工性が低下する。したがってBa2+/R2+は0.5未満にすることが好ましい。より好ましくは0.4以下である。
3+は本発明のフツリン酸塩ガラスの屈折率を向上させるとともに、異常部分分散性を損なわず、耐失透性と加工性を向上させる重要なカチオン成分である。しかし、Y3+が20%を越えると失透しやすくなる。したがってガラスIにおいて、Y3+の含有量は0〜10%の範囲にする。好ましくは0.1〜10%、より好ましくは1〜8%、さらに好ましくは1〜5%である。
ガラスIIにおいても、Y3+の含有量は0〜10%の範囲にすることが好ましい。より好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは1〜8%、一層好ましくは1〜5%である。
La3+は必須成分ではないが、本発明のフツリン酸塩ガラスの屈折率を向上させ異常部分分散性を損なわない有用なカチオン成分である。Y3+の補助として少量添加しても良い。但し5%を越えると失透しやすくなる。したがってLa3+の含有量は0〜5%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。
Ce2+は、ガラスIIおいては必須の清澄剤として用いられる。ガラスIは実質上、二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないため、Ce2+は必須の添加剤ではないが、清澄効果を向上させてガラス中の気泡(溶存状態でないガス)を抑制する上から、ガラスIにおいても適量のCe2+を添加することが好ましい。上記効果を得る上から、Ce2+の含有量を外割りで0.0005%以上とする。しかし、0.1%を超えるとCe2+による光吸収が増大し、光線透過率が低下する。したがって、ガラスIにおいて、Ce2+の含有量を外割りで0.001〜0.1%の範囲にすることが好ましく、0.003〜0.1%の範囲にすることがより好ましく、0.003〜0.8%の範囲にすることがさらに好ましい。
ガラスIIおいて、Ce2+の含有量を外割りで0.0005〜0.1%の範囲にし、好ましくは0.001〜0.1%の範囲にし、より好ましくは0.003〜0.1%の範囲にし、0.003〜0.8%の範囲にする。
Sb3+、Zn2+、Li、Na、K、Si4+、B3+は屈折率・アッベ数の調整、耐失透性の向上、熱的特性の調整、機械的特性の向上などの目的で合計で5%未満添加できる。好ましくは2%以下、より好ましくは1%未満、さらに好ましくは0.5%以下である。
はアッベ数を大きくし、異常部分分散性を向上させる不可欠なアニオン成分であるが、ガラスの構造を弱くするため、熱膨張を大きく、摩耗度を大きくする成分でもある。Fが20%未満ではアッベ数が小さく、充分な異常部分分散性も得られにくい。逆に50%を越えるとアッベ数が大きくなりすぎ、熱膨張係数や摩耗度も大きくなる。また精密プレス成形に使用すると揮発が多く、したがってFの含有量は20〜50%が好ましい。より好ましくは25〜45%、さらに好ましくは30〜40%である。
Clは必須成分ではないが、ガラスの清澄と脈理防止のため含有させることができる。0.001未満では効果が無く、1%を越えると逆に発生ガスが多くなる。そのため、Clの含有量は0.001〜1%が好ましく、0.01〜0.5%がより好ましく、0.1〜0.3%がさらに好ましい。
<光学ガラスの特性>
本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78と低分散ガラスでありながら屈折率が高いため、レンズユニットなどの光学系の小型化に有効である。また、前記の光学特性に加え、部分分散比PgFが0.530以上であるため、色収差の補正にも有効である。さらに、比重が4.0以下であり、軽量であるため、レンズの軽量化が図れ、オートフォーカスなどの駆動モーターへの負荷を小さくすることもできる。本発明の光学ガラスにおいて好ましい比重は3.9以下、さらに好ましくは3.8以下である。
本発明の光学ガラスは上記のように優れた対失透性を有し、液相温度での粘度が0.4Pa・s以上である。これにより大きいレンズに適したガラス素材を脈理などの内部欠陥無く作製しやすいという効果を得ることもできる。前記粘度は好ましくは0.5Pa・s以上、さらに好ましくは1Pa・s以上である。
本発明の光学ガラスの液相温度は通常850℃以下、好ましくは750℃以下、さらに好ましくは700℃以下であり、耐失透性に優れている。
さらに本発明の光学ガラスは摩耗度が500以下であり、加工性に優れる。加工時の摩耗が小さく、柔らかすぎないため、高い加工面精度が得られる。また研磨面にも研磨キズが残りにくい。好ましくは摩耗度が450以下、さらに好ましくは400以下である。
本発明の光学ガラスは熱膨張係数が通常160×10−7/℃未満であり、耐熱衝撃性に優れることを特徴とする。研磨加工中の切削液の温度や洗浄媒体の温度差によるクラックが発生しにくい。さらに蒸着などの表面コート時の室温への冷却も短縮できる。好ましくは熱膨張係数が150×10−7/℃以下、さらに好ましくは140×10−7/℃以下である。
このように上記ガラスによれば、フツリン酸ガラスとしては熱膨張係数および摩耗度を低く抑えることができ、優れた加工性を実現することができる。
ガラス中の溶存ガスの評価方法としては、熱質量分析(熱重量分析、TG-MSなど)が好ましい。熱質量分析によれば、試料を加熱しながら試料の重量減量と、発生するガスの成分とガスの放出量を連続的に計測することができる。一般にガス成分の放出量は強度で表される。500℃におけるCOガスの検出強度をI500、1000℃におけるCOガスの検出強度をI1000とすると、500℃におけるCOガスの放出量に対する1000℃におけるCOガスの放出量の比は、I1000/I500と規定される。500℃におけるガラスからのCOガスの放出は無視できるほど小さいため、当該分析におけるCOの基底状態と見なすことができる。一方、COを溶存するガラスからのCOガスの放出は800℃付近から激しくなり1200℃以上まで継続するので、1000℃をCOガスの放出量の代表値見なすことができる。本発明において、I500、I1000はそれらの比率が意味を持ち、I500、I1000の単位は任意にとることができる。
このようにI1000/I500は、ガラス中に溶存ガスとして存在するCOの量を表す指標になり得る。
ガラスI、ガラスIIにおいて、I1000/I500を3以下にすることにより、均質化のためのガラス融液撹拌時、あるいは、ガラス流出、成形時の急冷時に溶存ガスが気泡として析出するのを低減、防止することができる。
したがって、本発明の光学ガラスにおいて、I1000/I500が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
次に本発明の光学ガラスの製造方法について説明する。
[光学ガラスの製造方法]
本発明の光学ガラスの製造方法は、複数種の化合物原料を調合してガラス原料として、該ガラス原料を加熱、熔融、清澄および均質化する光学ガラスの製造方法であって、分解温度が800℃以下の化合物原料および酸化物原料の中から選ばれる複数種の原料を用いて、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78のフツリン酸塩ガラスが得られるように調合を行い、得られるガラス原料を加熱、熔融することによって、光学ガラスを製造することを特徴とする。
上記製造方法におけるガラスの組成ならびに特性の詳細は、前述のとおりである。
熔解温度はガラス融液からの揮発によるフッ素成分量の減少を抑制する上から、1200℃以下にすることが望まれる。こうした条件で分解温度が約1300℃である炭酸バリウム原料を使用すると、先に説明したように熔融ガラス化時に炭酸バリウムの分解が完全には進まず、二酸化炭素が溶存するガラスができてしまう。そこで、上記熔解温度で原料を構成する酸化物原料以外のすべての化合物が分解し、ガスの溶存を防止するため、酸化物原料以外のすべての化合物原料を分解温度が800℃以下、好ましくは700℃以下、より好ましくは600℃以下となるように化合物原料を選択し、上記ガラスが得られるように秤量、十分混合し、ガラス原料を調合する。
具体的には分解温度が高く、COが溶存ガスとして残りやすい炭酸塩原料は実質上使用せず、実質上、フッ化物を含むハロゲン化物、リン酸塩、酸化物の中から選ばれる複数種の化合物を用いてガラス原料を調合する。これらの化合物であれば上記熔解温度で分解が進み、分解時に発生したガスがガラス中に溶存することもない。
溶存ガス量をいっそう低減する上から、実質上、フッ化物を含むハロゲン化物、リン酸塩、酸化物のみからなる化合物を用いてガラス原料を調合することが好ましい。なお、前述のようにBaOは吸湿性の問題からBaの導入は、リン酸塩原料またはフッ化物原料、もしくはリン酸塩原料およびフッ化物原料として導入することが好ましい。
なお、原料の溶け残りがないようにする上から熔解温度を900℃以上とすることが望ましい。溶解時には、耐熱蓋を用いることが望ましい。
本発明の光学ガラスの製造方法では、熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形する工程を含むことができるし、熔融ガラスをプレス成形する工程を含むことができる。熔融ガラスを鋳型に鋳込んだり、プレス成形するとガラスの熱が急速に奪われ、急冷することになる。急冷によってガラスは収縮を起こすが、この際、ガスが溶存するガラスでは溶存ガスが泡となってガラス中に析出する。しかし、本発明では実質上溶存ガスのないガラスを得ることができるため、こうした泡発生の問題を解消することができる。
上記鋳込み成形では長尺のブロック状ガラスを成形したり、棒状のガラスを成形したり、ゴブ状のガラスなどを成形することができる。また、プレス成形では、光学素子の形状に近似した形状にガラスを成形してもよい。
成形したガラスは、予めガラス転移温度付近に加熱したアニール炉内に移し、室温まで徐冷される。得られたガラスには適宜、切断、研削、研磨を施こして再加熱、軟化してプレス成形するためのプレス成形用素材としてもよい。
次に、本発明の光学素子及び光学素子の製造方法について説明する。
[光学素子、その製造方法]
本発明の光学素子は、前述した本発明の光学ガラスからなることを特徴とする。
本発明の光学素子は、前述した本発明のフツリン酸塩光学ガラスを研削、研磨によりレンズ、プリズムなどの光学素子を作製してもよいし、上記成形によりプリフォームを作製し、再加熱して精密プレス成形して非球面レンズなどの光学素子を作製してもよい。
こうして得た上記光学ガラスからなる光学素子、あるいは、上記方法で製造した光学ガラスからなる光学素子には、反射防止膜などのコーティングを施してもよい。
なお、上記ガラスは前述のように優れた加工性を備えるので、研削、研磨時にガラスを破損させることなく、高精度の加工を行うことができる。
このように本発明によれば、加工性に優れ、実質上泡を含まない高品質なガラスが得られるので、加工に関わるコストを抑えることができ、安価に高性能なレンズ等の光学素子を供給することができる。さらにガラスの比重が小さいため、高性能で軽量なレンズ等の光学素子を提供することもできる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜5)
表1および表2の組成になるように、分解温度が600℃以下の燐酸塩、フッ化物および酸化物を原料とし、これら原料を秤量、混合し、調合原料とした後、白金坩堝中にて加熱、溶解することで、900〜1200℃で熔解した。なお、Baの導入は、メタリン酸バリウムあるいはフッ化バリウムを用いて行い、白金坩堝に耐熱蓋をして熔解を行った。
ガラスの攪拌・清澄を行った後、鉄板状に流し出して急冷し、ブロックを成型した。ガラスブロックをガラス転移点付近に加熱しておいた炉に移し、室温までアニールした。
得られたガラスブロックより各種測定用のサンプルを切り出し、下記のように物性を測定した。
・屈折率(nd)とアッベ数(νd)は日本光学硝子工業会規格JOGIS−01に基づいて測定した。
・部分分散比(Pg,F)はg線,F線,c線の各屈折率からPg,F=(ng−nc)/(nF−nc)で求めた。
・ガラス転移温度(Tg)と熱膨張係数(α)は日本光学硝子工業会規格JOGIS−08に基づいて測定した。尚、熱膨張係数はガラス転移点が300℃未満の実施例もあるので、全て100℃から250℃の温度範囲で測定した。
・比重は日本光学硝子工業会規格JOGIS−05に基づいて測定した。
・摩耗度は日本光学硝子工業会規格JOGIS−10に基づいて測定した。
・ヌープ硬さは日本光学硝子工業会規格JOGIS−09に基づいて測定した。
・溶存ガスは次のようにして測定した。粉砕したガラス40mgを試料とし、この試料を白金パンに充填した後、差動型示差熱天秤(TG/DTA)を用いて昇温速度10℃/分で室温から1200℃までヘリウム雰囲気で加熱しながら、試料室内の雰囲気の一部を質量分析計に導入して試料から発生したガスを質量分析した(TG-MS)。差動型示差熱天秤(TG/DTA)はリガク製差動型示差熱天秤TG8120、質量分析計は日本電子製JMS-AMIIを使用した。ガスの種類は、検出ガスの分子量から特定した。ガス放出量は相対的な強度で表されるため、500℃におけるCOガスの検出強度をI500、1000℃におけるCOガスの検出強度をI1000とし、比I1000/I500でCOガスの放出具合を規定し、溶存ガス量の指標とした。なお、図1に、実施例1のガラスおよび後記比較例1のガラスを試料としたときの熱質量分析における温度(横軸)とCOガスの検出強度(縦軸)の関係を示す。なお、試料から発生するガスは、その分子量からCOガスであることが確認されている。
・着色度λ80、λは次のようにして測定した。厚さ10mmの互いに平行かつ光学研磨された平面を有するガラス試料を用い、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定する。分光透過率は、光学研磨された一方の平面に垂直に強度Aの光線を入射し、他方の平面から出射する光線の強度Bを測定し、B/Aによって算出される。したがって、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。分光透過率が80%になる波長がλ80であり、分光透過率が5%になる波長がλである。着色度λ80、λの測定は、Ce2+を添加した実施例4、5、比較例2のガラスについて行った。
これらの測定結果を表1および表2に示す。
ここで実施例1〜3は、ガラスIの例であり、実施例4、5はガラスIおよびガラスIIの例である。
(比較例1、2)
表1および表2の組成になるように、燐酸塩、フッ化物、酸化物および炭酸塩を原料とし、これら原料を秤量、混合し、調合原料とした後、白金坩堝中にて1000〜1200℃で加熱、熔融し、得られた熔融ガラスを攪拌・清澄した後、鉄板状に流し出して急冷し、ブロックを成型した。ガラスブロックをガラス転移点付近に加熱しておいた炉に移し、室温までアニールした。
得られたガラスブロックより各種測定用のサンプルを切り出し、実施例1〜5と同様にして物性を測定した。その結果を表1および表2に示す。
表1および表2から明らかなように、実施例1〜5においては、I1000/I500が3以下であり、二酸化炭素の溶存ガスは検出されず、泡の発生も実質上認められない。これに対して、比較例1は、I1000/I500が3を超えており、二酸化炭素の溶存ガスの存在が認められ、泡の発生も多く認められた。
比較例2は、Ce2+の量が過剰であるため、ガラスの着色が増大しλ80が400nmを超え、λも339nmと実施例4、5に比べて大きくなっている。
(実施例6)
実施例1〜5および比較例1と同様にしてガラス原料を調合し、加熱、熔融、清澄、攪拌し、パイプから連続的に流出し、熔融ガラス流からプレス成形品1個分に相当する量の熔融ガラス塊を分離し、得られた熔融ガラス塊をプレス成形型でレンズブランクにプレス成形した。
プレス成形型はガラスの焼き付きを防止するため、熔融ガラスの流出温度よりも相当低くしてある。そのため、プレス成形時、ガラスはプレス成形型によって急速に熱を奪われ急冷される。急冷によりガラスは固化するとともに体積収縮をおこすため、ガラス中の溶存ガスが泡として析出する。
上記プレス成形でえられたレンズブランクをアニールし、研削、研磨してレンズにした後、レンズ内部を観察したところ、実施例1〜5の各光学ガラスからなるレンズでは内部に泡が認められなかったが、比較例1のガラスからなるレンズの内部には多数の泡が認められた。
実施例1〜5の各光学ガラスからなるレンズには脈理、失透も認められず、高品質のレンズであった。このようにして凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなど各種球面レンズをはじめとする光学素子を得ることができる。
なお、光学素子表面には必要に応じて反射防止膜などの光学多層膜を形成してもよい。
(実施例7)
実施例1〜5および比較例1と同様にしてガラス原料を調合し、加熱、熔融、清澄、攪拌し、パイプから連続的に流出し、鋳型に流し込んでガラスを急冷するとともに、板状に成形し、鋳型側方の開口部から板状ガラスを引き出して、長尺のガラス板を作製した。
ガラス板をアニールした後、切断し、切断面を研磨して内部を観察したところ、実施例1〜5の各光学ガラスからなるガラス板の内部に泡は見られなかったが、比較例1のガラスからなるガラス板の内部には多数の泡が認められた。
次にアニール後のガラス板を賽の目状に切断し、多数のガラス片を得た後、ガラス片をバレル研磨してプレス成形用素材とした。これらガラス素材の表面に粉末状離型剤を塗布し、大気中で加熱、プレス成形してレンズブランクにした。上記プレス成形で得られたレンズブランクをアニールし、研削、研磨してレンズにした後、レンズ内部を観察したところ、実施例1〜5の各光学ガラスからなるレンズでは内部に泡が認められなかったが、比較例1のガラスからなるレンズの内部には多数の泡が認められた。
実施例1〜5の各光学ガラスからなるレンズには脈理、失透などもなく、高品質のレンズであった。このようにして凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズなど各種球面レンズをはじめとする光学素子を得ることができる。
なお、光学素子表面には必要に応じて反射防止膜などの光学多層膜を形成してもよい。
(実施例8)
実施例7と同様にして実施例1〜5の各光学ガラスからなるガラス板を成形し、アニールした後、賽の目状に切断して多数のガラス片を作製した。
次いで、上記ガラス片を研削、研磨して表面全体が滑らかな、所定質量の精密プレス成形用プリフォームを得た。
上記プリフォームの表面には必要に応じて離型膜を形成してもよい。次いで各プリフォームを精密プレス成形型に導入し、プリフォームと前記型を一緒に加熱し、精密プレス成形して非球面レンズを成形した。このようにして、実施例1〜5の各光学ガラスからなる非球面レンズを作製した。
上記方法ではプリフォームと精密プレス成形型を一緒に加熱したが、予熱した精密プレス成形型に、別途加熱したプリフォームを導入して精密プレス成形し、非球面レンズを製造してもよい。
このようにして非球面レンズなどの各種レンズをはじめとする光学素子を製造することができた。光学素子表面には必要に応じて反射防止膜などの光学多層膜を形成してもよい。
本発明のフツリン酸塩光学ガラスは、高屈折かつ低分散であって、二酸化炭素などの溶存ガスが実質上存在しないことから、泡の発生が実質上認められない高品質のものであり、カメラやプロジェクターに用いられるレンズ用ガラス、特に色収差を抑えるための異常部分分散ガラスとして好適に用いられる。
実施例1のガラスおよび比較例1のガラスを試料としたときの熱質量分析における温度とCOガスの検出強度の関係を示すグラフである。

Claims (17)

  1. フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であり、かつ実質上二酸化炭素が溶存ガスとして存在しないことを特徴とする光学ガラス。
  2. Ce2+を外割りで0.0005〜0.1カチオン%含むことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. フツリン酸塩ガラスであって、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびCe2+を外割りで0.0005〜0.1%含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78であることを特徴とする光学ガラス。
  4. Mg2+ 0.1〜20%、Ca2+ 0〜20%、Sr2+ 0〜20%、Ba2+ 0.1〜25%およびY3+ 0.1〜10%を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. アニオン%表示で、F 20〜50%を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. アニオン%表示で、Cl 0.001〜1%を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. 熱質量分析における500℃でのCO強度I500に対する1000℃でのCO強度I1000の比I1000/I500が3以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  8. 部分分散比が0.530以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  9. 摩耗度が500以下、比重が4.0以下および液相温度における粘度が0.4Pa・s以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  10. 複数種の化合物原料を調合してガラス原料として、該ガラス原料を加熱、熔融、清澄および均質化する光学ガラスの製造方法であって、分解温度が800℃以下の化合物原料および酸化物原料の中から選ばれる複数種の原料を用いて、カチオン%表示で、P5+ 20〜50%、Al3+ 0.1〜20%を含み、Mg2+とCa2+とSr2+とBa2+を合計で30〜60%およびY3+ 0〜10%を含むと共に、アニオン成分としてFおよびO2−を含み、屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が65〜78のフツリン酸塩ガラスが得られるように調合を行い、得られるガラス原料を加熱、熔融することを特徴とする光学ガラスの製造方法。
  11. 熔融、清澄および均質化の各工程におけるガラスの加熱温度を1200℃以下にする請求項10に記載の光学ガラスの製造方法。
  12. フッ化物を含むハロゲン化物、リン酸塩および酸化物から選ばれる複数種の化合物を用いてガラス原料を調合する請求項10または11に記載の光学ガラスの製造方法。
  13. フツリン酸塩ガラス中のCe2+の含有量が外割りで0.0005〜0.1カチオン%になるように、ガラス原料にCe化合物を添加することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  14. 熔融ガラスを鋳型に鋳込んで成形する工程を含む請求項10〜13のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  15. 熔融ガラスをプレス成形する工程を含む請求項10〜14のいずれか1項に記載の光学ガラスの製造方法。
  16. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
  17. 請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法で作製した光学ガラスを成形および/または加工することを特徴とする光学素子の製造方法。
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