JPH07121619B2 - 可逆性画像形成材料 - Google Patents

可逆性画像形成材料

Info

Publication number
JPH07121619B2
JPH07121619B2 JP4054625A JP5462592A JPH07121619B2 JP H07121619 B2 JPH07121619 B2 JP H07121619B2 JP 4054625 A JP4054625 A JP 4054625A JP 5462592 A JP5462592 A JP 5462592A JP H07121619 B2 JPH07121619 B2 JP H07121619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
heat
parts
acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4054625A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05254244A (ja
Inventor
博 内山
清彦 丹野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SURION TETSUKU KK
Original Assignee
SURION TETSUKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SURION TETSUKU KK filed Critical SURION TETSUKU KK
Priority to JP4054625A priority Critical patent/JPH07121619B2/ja
Publication of JPH05254244A publication Critical patent/JPH05254244A/ja
Publication of JPH07121619B2 publication Critical patent/JPH07121619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Color Printing (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像の形成と消去とを繰
り返し行なうことができる可逆性画像形成材料に係り、
特に、コントラストが高く目視による判別が容易で、画
像形成が感圧及び感熱の何れによってもでき、かつ、画
像消去が画像形成とは別の熱エネルギー、水及び水蒸気
の何れによっても可能である可逆性画像形成材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミの急増や地球環境保全の
問題から紙の再利用が強く望まれている。感熱記録紙は
ワードプロセッサーやファクシミリなどの OA 機器に広
く利用されて大量消費が続いており、上記問題の一因と
なっている。しかし、感熱記録紙は、技術的、経済的理
由から再生紙として使用できず、廃棄されているのが現
状である。このような問題に対しては、画像の形成と消
去とを繰り返し行い得る感熱印字の可能な可逆性画像形
成材料を用いれば、解決手段となり得る。
【0003】画像の形成と消去とを繰り返し行ない得、
画像の形成が感熱によるもので、かつ、形成された画像
を固定することのできる可逆性画像形成材料について
は、これまでに、特開昭 63‐39377号、特開昭 63‐411
86号、特開平 2‐566号、特開平 2‐1363号、特開平 2
‐80289号、特開平 2‐81672号、特開平 2‐86491号、
特開昭 58‐191190号、特開昭 60‐193691号、特開平 2
‐188293号、特開平 2‐188294号、及び本発明者等の出
願になる特願平 3‐255401号などに開示がなされてい
る。
【0004】この中、前7者は、有機高分子系バインダ
ー中に有機低分子物質を分散させ、該有機低分子物質の
結晶化と多結晶化とを熱エネルギーによって可逆的に発
生させる方法を用いている。しかし、この場合の画像形
成は多結晶化による白濁を利用しているものであるた
め、コントラストが低く目視での判別が難しい。続く2
者は発色剤、顕色剤、有機高分子系バインダーかなるも
ので、水または水蒸気で消去できることを特徴とするも
のである。残る3者は、発色剤、該発色剤と熱的に反応
して発色と消色とを生じる物質及び有機高分子系バイン
ダーとからなるものであり、発色と消色とを熱エネルギ
ーの制御によって行なうものである。
【0005】しかしながら、上記開示の資料における画
像形成はすべて熱エネルギーのみでしか行なうことがで
きない。そのため、上記の可逆性感熱材料を用いた可逆
性感熱紙に感熱印字された文書を筆記によって添削しよ
うとする場合、該可逆性感熱紙を透明なフィルムやトレ
ーシングペーパーなどで覆い、この上から添削するよう
な方法しかとることができなかった。また、先端を加熱
した筆記具を使用して、可逆性感熱紙上に直接添削する
方法も考えられるが、上記資料の中、中間2者を除いた
資料に記載されている方法は、発色も消色も熱の制御で
行なうため、発色条件を満足するように筆記するのは大
変困難であり、実用的でない。また、中間2者記載の場
合には消色を水または水蒸気で行なうため、先端を加熱
した筆記具の使用も充分可能ではあるが、該先端部が高
温であることから火傷に注意しなければならず、また、
該先端部を常に加熱し続けるために電源がなければ使用
できないなどの問題もあり、やはり実用性に欠ける。
【0006】また、画像消去の方法も、熱エネルギーに
よるか、水または水蒸気によるか、の何れかの方法しか
選択することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
技術の方法は幾つかの問題点を有していた。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、コントラストが高く目視による判別
が容易で、画像形成が感圧及び感熱の何れによってもで
き、かつ、画像消去が画像形成とは別の熱エネルギー、
水及び水蒸気の何れによっても可能な可逆性画像形成材
料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、有機高分子
系バインダー中にロイコ染料と、ロイコ染料と反応して
発色及び消色する物質とが含まれている可逆性画像形成
材料において、ロイコ染料と反応して発色及び消色する
上記物質がフェノールカルボン酸またはそのエステル
と、エーテル結合及びアミノ基の双方を有する化合物と
からなる電荷移動錯体(「化学大辞典」(1989年)
東京化学同人、1523頁参照)もしくは塩である画像
形成材料とすることによって達成することができる。
【0010】
【作用】本発明の可逆性画像形成材料の発色と消色の繰
り返しの原理について以下に説明する。
【0011】ロイコ染料は顕色剤と呼ばれる酸性物質と
共に加熱されると、両者もしくは顕色剤が溶融し、顕色
剤の酸性の影響を受けて、ロイコ染料中のラクトン環が
開環して、初め無色だったものが発色する。逆に、この
発色したロイコ染料に塩基性物質を接触させれば、開環
していたラクトン環が閉環して元の無色の状態に戻る。
フェノールカルボン酸またはそのエステルと、エーテル
結合及びアミノ基の双方を有する化合物とからなる電荷
移動錯体もしくは塩は、ロイコ染料のラクトン環を開環
させたり閉環させたりすることができる。これは、ロイ
コ染料と反応して発色及び消色する上記電荷移動錯体
しくは塩が、酸性物質であるフェノールカルボン酸また
はそのエステルと、塩基性物質であるエーテル結合及び
アミノ基の双方を有する化合物とからなる物質であるこ
とから、酸性と塩基性の両方を具備しており、かつ、こ
の酸性と塩基性とを熱エネルギーによって制御できるこ
とによる。
【0012】また、従来の技術では、感圧と感熱の何れ
でも発色し、かつ、感熱による画像形成とは別の熱エネ
ルギー、水及び水蒸気の何れでも消色する可逆性画像形
成材料を作製することはできなかったが、本発明の可逆
性画像形成材料の場合は、上記のように発色と消色とを
熱エネルギーの制御で行なうことができる他に、感圧に
より発色する性質と、水及び水蒸気の何れでも消色する
性質も有している。そのため、感圧と感熱の何れでも発
色でき、これを感熱による画像形成とは別の熱エネルギ
ー、水及び水蒸気の何れででも消色させることが可能で
ある。すなわち、感熱によって形成された画像は感熱に
よる画像形成とは別の熱エネルギー、水及び水蒸気の何
れを用いても消去でき、感圧で形成された画像も感熱に
よる画像形成とは別の熱エネルギー、水及び水蒸気の何
れでも消去させることができる。さらに、この発色と消
色との過程を何回も繰り返して行なうことができる。ま
た、このようにして発色または消色したものは、上記の
ような方法で発色させたものを消色したり、消色させた
ものを発色させたりしない限り、発色状態または消色状
態を保持している。また、形成された画像は感圧でも感
熱でも発色濃度が高く、目視による判別が容易であっ
た。
【0013】本発明のロイコ染料と反応して発色及び消
色する物質は、フェノールカルボン酸またはそのエステ
ルと、エーテル結合及びアミノ基の双方を有する化合物
とからなる電荷移動錯体もしくは塩であり、この中、フ
ェノールカルボン酸またはそのエステルの具体例として
は、没食子酸、サリチル酸、m‐ヒドロキシ安息香酸、p
‐ヒドロキシ安息香酸、2,3‐ジヒドロキシ安息香酸、
2,4‐ジヒドロキシ安息香酸、2,6‐ジヒドロキシ安息香
酸、3,5‐ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチシン酸、プロ
トカテク酸、2,3,4‐トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6‐
トリヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ‐m‐トルイル
酸、ヒドロキシ‐o‐トルイル酸、ヒドロキシ‐p‐トル
イル酸、3,5‐ジ‐t‐ブチルサリチル酸、3,5‐ジ‐ter
t‐アミルサリチル酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒド
ロキシフタル酸、4‐クロロサリチル酸、4‐ブロモ‐α
‐レゾルシン酸、5‐メトキシサリチル酸、カフェー
酸、ウンベル酸、ヒドロキシフェニル酢酸、3‐(ヒドロ
キシフェニル)プロピオン酸、ヒドロフェルラ酸、及び
これらのエステル等を挙げることができる。
【0014】また、エーテル結合及びアミノ基の両方を
有する化合物の具体例としては、3‐メトキシプロピル
アミン、3‐エトキシプロピルアミン、3‐プロポキシプ
ロピルアミン、3‐ブチルオキシプロピルアミン、3‐ペ
ンチルオキシプロピルアミン、3‐ヘキシルオキシプロ
ピルアミン、3‐ヘプチルオキシプロピルアミン、3‐オ
クチルオキシプロピルアミン、3‐ノニルオキシプロピ
ルアミン、3‐デシルオキシプロピルアミン、3‐ウンデ
シルオキシプロピルアミン、3‐ドデシルオキシプロピ
ルアミン、3‐トリデシルオキシプロピルアミン、3‐テ
トラデシルオキシプロピルアミン、3‐ペンタデシルオ
キシプロピルアミン、3‐ヘキサデシルオキシプロピル
アミン、3‐ヘプタデシルオキシプロピルアミン、3‐オ
クタデシルオキシプロピルアミン、3‐ノナデシルオキ
シプロピルアミン、3‐エイコシルオキシプロピルアミ
ン、3‐(2‐エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン等を
挙げることができる。
【0015】また、本発明で使用できるロイコ染料の具
体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、2‐
(2‐クロロアニリノ)‐6‐ジエチルアミノフルオラン、
2‐アニリノ‐3‐メチル‐6‐ジブチルアミノフルオラ
ン、2‐(2‐クロロアニリノ)‐6‐ジブチルアミノフル
オラン、1,3‐ジメチル‐6‐ジエチルアミノフルオラ
ン、2‐N,N‐ジベンジルアミノ‐6‐ジエチルアミノフ
ルオラン、3‐インドリノ‐3‐p‐ジメチルアミノフェ
ニル‐6‐ジメチルアミノフタリド、3‐ジエチルアミノ
‐7‐クロロフルオラン、2‐(2‐フルオロフェニルアミ
ノ)‐6‐ジエチルアミノフルオラン、2‐(2‐フルオロ
フェニルアミノ)‐6‐ジ‐n‐ブチルアミノフルオラ
ン、3‐ジエチルアミノ‐7‐シクロヘキシルアミノフル
オラン、3‐ジエチルアミノ‐5‐メチル‐7‐t‐ブチル
フルオラン、3‐ジエチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニ
リノフルオラン、3‐ジエチルアミノ‐6‐メチル‐7‐p
‐ブチルアニリノフルオラン、3‐シクロヘキシルアミ
ノ‐6‐クロロフルオラン、2‐アニリノ‐3‐メチル‐6
‐(N‐エチル‐p‐トルイジノ)‐フルオラン、3‐ピロ
リジノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン、3‐ピロ
リジノ‐7‐シクロヘキシルアミノフルオラン、3‐N‐
メチルシクロヘキシルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノ
フルオラン、3‐N‐エチルペンチルアミノ‐6‐メチル
‐7‐アニリノフルオラン、3‐シクロヘキシルメチルア
ミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン、3‐エチル
イソブチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラ
ン、3‐プロピルメチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリ
ノフルオラン等を挙げることができる。
【0016】また、本発明における有機高分子系バイン
ダーとしては、水または有機溶媒に溶解する有機高分子
材料を使用することができる。具体例としては、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、酢酸セルロース、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリウ
レタン、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等が
使用できる。
【0017】また、本発明可逆性画像形成材料の層(記
録層)を支持体上に設ける方法としては、ロイコ染料
と、ロイコ染料と反応して発色及び消色する物質と、有
機高分子系バインダーとを水または有機溶媒中に均一に
分散あるいは溶解させてなる液体、必要に応じてさらに
増感剤や白色顔料などの改良剤を添加してなる液体を紙
やプラスチックフィルムなどの支持体上にバー塗工、ブ
レード塗工、エアーナイフ塗工、グラビア塗工、ドクタ
ー塗工などの方法により塗工し、乾燥することによって
設けることができる。
【0018】以上のようにして作製した記録層への画像
形成は感圧及び感熱の何れの方法でも行なうことができ
る。感圧による画像形成は筆記で行なうことができ、感
熱による画像形成は感熱プリンター等で行なうことがで
きる。そのため、感熱プリンターによって印字した文書
の添削を、その文書の上から直に感圧のみの筆記によっ
て行なうことが可能である。また、感圧または感熱によ
って形成された画像は、感熱による画像形成とは別の熱
エネルギー、水及び水蒸気の何れを用いても消去させる
ことができる。熱エネルギーによる消去は、感熱プリン
ター、熱傾斜試験機、熱ロール、乾燥器、恒温器、ホッ
トプレートなどの装置を用いて行なうことができる。水
や水蒸気による消去は、画像が形成された材料を水中に
入れること、湿らせた布や紙などに接触させること、高
湿度の雰囲気中に保持すること、水蒸気を吹き付けるこ
となどによって行なうことができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の可逆性画像形成材料につい
て、実施例によって具体的に説明する。なお、実施例組
成表示中の「部」は重量部を示す。
【0020】
【実施例1】 A 液 クリスタルバイオレットラクトン 4部 ポリビニルアルコール 1部 水 31部 B 液 没食子酸と 3‐メトキシプロピルアミン とからなる電荷移動錯体 16.2部 ポリビニルアルコール 3部 水 121部 上記 A 液、B 液を各々20時間ボールミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をバー塗工によって
厚さ80μm の上質紙上に塗工し、次いで 60℃で20分間
乾燥させて画像形成層厚さ5μm の可逆性画像形成紙を
作製した。
【0021】このようにして作製した可逆性画像形成紙
に感熱プリンターを用いて印字したところ、鮮明かつ高
濃度の青色の画像を得ることができた。また、インク切
れのボールペンのペン先で筆記した場合も、同様に、鮮
明かつ高濃度の青色画像が得られた。次に、このものを
110℃のホットプレート上に置いて加熱したところ、感
熱と感圧による何れの画像も速やかに消色した。また、
加湿器で水蒸気を吹き付けたときも、同様に、速やかな
消色を示した。さらに、この操作を繰り返したところ、
印字と消色とを繰り返し再現することができた。
【0022】
【実施例2】 A 液 2‐(2‐クロロアニリノ)‐6‐ジエチルアミノ フルオラン 4部 アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペット MF) 2部 トルエン 30部 B 液 没食子酸エチルと 3‐デシルオキシプロピル アミンとからなる電荷移動錯体 22.5部 炭酸カルシウム 20部 アクリル樹脂(三菱レイヨンアクリペット MF) 6部 トルエン 118部 上記 A 液、B 液を各々1時間サンドミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をエアーナイフ塗工
によって厚さ50μm のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に塗工し、次いで60℃で10分間乾燥させて、画像
形成層の厚さ5μm の可逆性画像形成シートを作製し
た。
【0023】この可逆性画像形成シートに感熱プリンタ
ーを用いて印字を行なったところ、鮮明かつ高濃度の黒
色の画像が得られた。また、タイプライターを用いてイ
ンクリボンを使用することなく打撃のみで加圧した場合
も、同様に、鮮明かつ高濃度の黒色の画像を得ることが
できた。次に、このものを熱ロールを用いて90℃で加熱
したところ、感熱と感圧による何れの画像も速やかに消
色した。また、湿らせた布を接触させた場合も、同様
に、速やかな消色を示した。さらに、この操作を繰り返
して行い、印字と消色との繰り返しを再現することがで
きた。
【0024】
【実施例3】 A 液 2‐アニリノ‐3‐メチル‐6‐ジブチルアミノ フルオラン 4部 ポリビニルブチラール(重合度 700) 2部 トルエン 15部 イソプロピルアルコール 15部 B 液 2‐ヒドロキシ‐m‐トルイル酸と 3‐(2‐エチル ヘキシルオキシ)プロピルアミンとからな る電荷移動錯体 22.4部 ステアリン酸亜鉛 6部 炭酸カルシウム 20部 ポリビニルブチラール(重合度 700) 6部 トルエン 59部 イソプロピルアルコール 59部 上記 A 液、B 液を各々20時間ボールミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をブレード塗工で厚
さ80μm の上質紙上に塗工し、次いで80℃で15分間乾燥
させて、画像形成層の厚さ5μm の可逆性画像形成紙を
作製した。この可逆性画像形成紙に、実施例1の場合と
同様にして、感熱と感圧の印字実験を行った。その結
果、鮮明かつ高濃度の黒色の画像を得ることができた。
次に、このものを120℃の恒温器中に入れたところ、感
圧と感熱による何れの画像も速やかに消色した。また、
湿度90%の恒湿器中に入れた場合も、同様に、速やかな
消色を示した。さらに、この操作を繰り返して行い、印
字と消色とが繰り返し再現されることを確認した。
【0025】
【実施例4】 A 液 3‐シクロヘキシルメチルアミノ‐6‐メチル ‐7‐アニリノフルオラン 4部 ステアリン酸アミド 4部 アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペット MF) 2部 トルエン 30部 B 液 3‐(p‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と 3‐ オクタデシルオキシプロピルアミンとから なる塩 22.4部 ステアリン酸亜鉛 6部 炭酸カルシウム 20部 アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペット MF) 6部 トルエン 118部 上記 A 液、B 液を各々20時間ボールミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をバーコーターを使
用して厚さ80μm の上質紙上に塗工し、次いで60℃で20
分間乾燥させて画像形成層の厚さ5μm の可逆性画像形
成紙を作製した。 この可逆性画像形成紙に、実施例1
の場合と同様にして、感熱と感圧の印字実験を行った。
その結果、鮮明かつ高濃度の黒色の画像を得ることがで
きた。次に、このものを100℃の乾燥器中に入れたとこ
ろ、感熱と感圧による何れの画像も速やかに消色した。
また、水中に入れた場合も、同様に、速やかな消色を示
した。さらに、この操作を繰り返し、印字と消色が繰り
返し再現することを確認した。
【0026】
【比較例1】 A 液 クリスタルバイオレットラクトン 4部 ポリビニルアルコール 1部 水 31部 B 液 没食子酸とオクタデシルアミンとからなる塩 18.4部 ステアリン酸亜鉛 6部 炭酸カルシウム 20部 ポリビニルアルコール 3部 水 121部 上記 A 液、B 液を各々20時間ボールミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をバー塗工によって
厚さ80μm の上質紙上に塗工し、次いで60℃で20分間乾
燥して、感熱層厚さ5μm の可逆性画像形成紙を作製し
た。
【0027】この可逆性画像形成紙に感熱プリンターを
用いて印字したところ、青色の画像を得た。しかし、感
圧による方法では画像形成はできなかった。次に、この
ものを110℃のホットプレート上に置いて加熱したとこ
ろ画像は消色したが、水及び水蒸気では消色しなかっ
た。
【0028】
【比較例2】 A 液 2‐(2‐クロロアニリノ)‐6‐ジエチルアミノ フルオラン 4部 アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペット MF) 2部 トルエン 30部 B 液 サリチル酸と N‐(1‐メチルヘプチル)エタノ ールアミンとからなる電荷移動錯体 22.5部 炭酸カルシウム 20部 アクリル樹脂(三菱レイヨン製アクリペット MF) 6部 トルエン 118部 上記 A 液、B 液を各々1時間サンドミルにかけて粉砕
した後、両液を混合して得た分散液をエアーナイフ塗工
によって厚さ50μm のポリエチレンフタレートフィルム
上に塗工し、次いで60℃で10分間乾燥して感熱層厚さ5
μm の可逆性画像形成シートを作製した。
【0029】この可逆性画像形成シートに感熱プリンタ
ーを用いて印字したところ、鮮明かつ高濃度の黒色の画
像を得た。しかし、感圧による方法では画像形成はでき
なかった。次に、このものを熱ロールを用い90℃で1秒
間加熱したところ、画像は速やかに消色したが、水及び
水蒸気では消色しなかった。
【0030】
【発明の効果】以上述べてきたように、可逆性画像形成
材料を本発明構成の材料とすることによって、従来技術
の有していた課題を解決して、コントラストが高く目視
による判別が容易で、画像形成が感圧及び感熱の何れに
よってもでき、かつ、画像消去が画像形成とは別の熱エ
ネルギー、水及び水蒸気の何れによっても可能である可
逆性画像形成材料を提供することができた。すなわち、
フェノールカルボン酸またはそのエステルと、エーテル
結合及びアミノ基の双方有する化合物とからなる電荷移
動錯体もしくは塩は、ロイコ染料と反応して発色及び消
色する物質として有効に作用し、感圧及び感熱の何れに
よっても画像を形成することができる。そのため、感熱
プリンターによって印字した文書の添削を、その文書の
上から直に感圧のみの筆記によって行うことが可能であ
る。また、感圧または感熱によって形成された画像は、
感熱による画像形成とは別の熱エネルギー、水及び水蒸
気の何れを用いても消去させることができ、画像の消去
方法を自由に選択することができる。さらに、本発明の
可逆性画像形成材料は幾度も繰り返して使用することが
できるため、都市ゴミの急増や地球環境保全の問題に対
する改善策として大いに有効である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機高分子系バインダー中にロイコ染料
    と、ロイコ染料と反応して発色及び消色する物質とが含
    まれている可逆性画像形成材料において、ロイコ染料と
    反応して発色及び消色する上記物質がフェノールカルボ
    ン酸またはそのエステルと、エーテル結合及びアミノ基
    の双方を有する化合物とからなる電荷移動錯体もしくは
    塩からなり、発色が感圧及び感熱の何れによっても生
    じ、消色が感熱による画像形成とは別の熱エネルギー、
    水及び水蒸気の何れでも生じることを特徴とする可逆性
    画像形成材料。
JP4054625A 1992-03-13 1992-03-13 可逆性画像形成材料 Expired - Lifetime JPH07121619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4054625A JPH07121619B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 可逆性画像形成材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4054625A JPH07121619B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 可逆性画像形成材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05254244A JPH05254244A (ja) 1993-10-05
JPH07121619B2 true JPH07121619B2 (ja) 1995-12-25

Family

ID=12975931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4054625A Expired - Lifetime JPH07121619B2 (ja) 1992-03-13 1992-03-13 可逆性画像形成材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07121619B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05254244A (ja) 1993-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02188294A (ja) 可逆性感熱記録媒体
KR0139923B1 (ko) 가역성 감열 기록매체용 조성물
JPS58191190A (ja) 感熱透明記録材料
JPS5926291A (ja) 感熱記録材料
JPH07121619B2 (ja) 可逆性画像形成材料
JPH05297627A (ja) 消去可能な記録材料
JPH07115541B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH0211437B2 (ja)
JPH0781236A (ja) 熱消色性組成物およびそれを利用した記録媒体、インクおよび画像消去方法
JPH05262032A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07110939B2 (ja) 可逆性感熱発消色組成物
JPH07113055A (ja) 可逆性感熱記録材料加筆用インク
JPS60127190A (ja) 感熱記録材料
JPH0414494A (ja) 印刷物
JPH0765037B2 (ja) 可逆性感熱発消色組成物
JPH1016398A (ja) 可逆性熱発色性組成物
JPH08476B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP3403757B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPS6384978A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2588691B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH07112579A (ja) 可逆性感熱記録材料
JPH0428582A (ja) 印刷物
JPH0788111B2 (ja) 感熱記録媒体
JPH07157675A (ja) 可逆感熱記録材料
JPH08169181A (ja) 可逆性感熱記録材料