JPH07121616B2 - 感熱紙 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 サーマルプリンタ用の感熱記録用紙に係り、特に２枚重
ねて同時に印字できる感熱紙に関し、 ファンホールドタイプで積み重ね高さが低く、かつカッ
トされたあとで２枚の剥離が容易な感熱紙を提供するこ
とを目的とし、 それぞれが感熱発色するボトムシートとトップシートと
が重ねられて一定間隔で長さ方向と直交して設けられた
ミシン目の位置で折り畳まれている感熱紙であって、該
ミシン目の後側で該ミシン目に対して斜めに交叉するよ
うにトップシートの一部にスリットが設けられた構成で
ある。

〔産業上の利用分野〕

本発明はサーマルプリンタ用の感熱記録用紙に係り、特
に２枚重ねて同時に印字できる2PLY感熱紙に関する。

感熱紙に熱で印字するサーマルプリンタは機構が簡単で
小型化が可能であり、メンテナンスフリーで長寿命とい
う特徴がある。このため最近ではプリペイドカードやメ
ンバーズカードなどで交通期間の料金を支払うカード運
賃支払システムにおける領収書印刷などの車載用プリン
タとして用いられるようになってきた。

しかしこのプリンタをタクシー等の小型乗用車に取付け
る場合、ダッシュボードなどの限られたスペース内に記
録紙を含めて収納する必要があり専有容積が小さく、か
つ取扱が容易な感熱記録紙が必要とされる。

〔従来の技術〕

第２図はカード運賃システムにおける車載用のカード処
理装置を示す模式図である。

カード処理装置２はカード読取り部や売上データ記憶部
等と共に領収書発行用のサーマルプリンタ21を備え、例
えばタクシーの場合、乗用車３の運転助手席前のダッシ
ュボードの位置に取付けられる。

このプリンタとしては小型軽量で保守の不要なサーマル
プリンタ21が用いられ、領収書用紙は所定の枚数分が連
続した感熱紙４がサーマルプリンタ21の下にセットされ
ている。

そしてサーマルプリンタ21の内部を通過して所定事項が
印字された領収書１枚分の長さＬの部分５′をサーマル
プリンタ21の領収書出口に設けられた手切りカッター21
aで運転手が切断して顧客に手渡すようになっている。

ところでこの用紙として領収書用紙の所定枚数分を連続
して巻き込んだロール状の感熱紙４を用いると、高さ
（ロールの直径）が大きくダッシュボードに収容しきれ
ないで助手席の乗客31の邪魔になるという欠点がある。

そこで第３図に示すように、領収書一枚分ずつを折り畳
んだファンフォールドタイプの感熱紙５にしてセットす
れば、同一枚数分の連続用紙でも、ロールタイプ４に比
べて奥行き方向の寸法は増大するが高さが非常に低くな
り、用紙をダッシュボード内に収納することが可能とな
るのでこの方法を採用することになった。

この場合、用紙はサーマルプリンタ21の下側の用紙収納
ケース22の内部に収納され、プリンタの印字の進行に伴
って、折り畳まれた紙面と略平行方向に引き出されてサ
ーマルプリンタ21に給紙される。

ところで領収書は顧客手渡し用と運転手控え用の２枚を
同時に印刷する必要があり、このための感熱紙は、第４
図（ａ）に示すように、ボトムシート52とトップシート
51の２枚の感熱紙を重ねて軽く接着した2PLYの感熱紙５
が用いられ、２枚重ねで印刷・カットされた領収書の１
枚を運転手が剥離して顧客に手渡すようになっている。

そしてこの剥離を容易にするためカットされる線Ｃの近
傍のトップシート51には紙の全幅にわたってスリット
（切れ目）53が入れられて、所定長さごとに予め切断さ
れた状態でボトムシート52に接着されており、第４図の
（ｂ）に示す如く、Ｃの位置でカットした後、スリット
部を曲げることによりトップシート51の端部がボトムシ
ート52から剥離するのでその部分を糸口として剥離を容
易に行える。

〔発明が解決しようとする課題〕

第５図は従来の問題点を示す図である。

従来の2PLY感熱紙はトップシートに幅全体にわたってス
リット（切れ目）が入っているため、小さな曲率半径で
しごくとプリンタに送り込まれる前に２枚が分離してし
まい2PLYの状態でプリンタに給紙されないという問題点
がある。

すなわち前述の如く狭いスペースに用紙をセットする必
要性から、用紙収納ケース22の高さをできるだけ低くす
る必要があり、このため折り畳まれた感熱紙５を紙面と
略平行方向に引き出すようになっている。

従って感熱紙５は引き出される際に用紙収納ケース22の
上蓋22aとの間の狭い空間でＢの如く小さな曲げ半径で
しごかれるため、印刷前にトップシート51がボトムシー
ト52から剥離して、正常にプリンタに供給されないとい
う問題が生じる。

本発明は上記問題点に鑑み創出されたもので、ファンホ
ールドタイプで積み重ね高さが低く、かつカットされた
あとで２枚の剥離が容易な2PLY感熱紙を提供することを
目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記問題点は、 それぞれが感熱発色するボトムシートとトップシートと
が重ねられて一定間隔で長さ方向と直交して設けられた
ミシン目の位置で折り畳まれている感熱紙であって、 該ミシン目の後側で該ミシン目に対して斜めに交叉する
ようにトップシートの一部にスリットが設けられている
ことを特徴とする本発明の感熱紙により解決される。

〔作 用〕

トップシートはミシン目の位置でつながっているので折
り畳まれた紙面の方向に小さい曲率で引き出されてもボ
トムシートから剥離することがなくサーマルプリンタに
良好に給紙される。そして印字後にミシン目位置（折り
曲げ位置）でカットするとするトップシートの斜め切断
部がボトムシートから若干分離するのでそこを糸口にし
て、ボトムシートとトップシートを容易に剥離すること
が可能となる。

〔実施例〕

以下図面により本発明の実施例を詳細に説明する。

第１図は本発明の2PLY感熱紙を示す図で、図の（ａ）は
引き伸ばした状態の斜視図、（ｂ）は折り畳んだ状態の
側面図である。

図の（ａ）において矢印Ａの方向へ引き出される2PLY感
熱紙１はトップシート11とボトムシート12からなりさら
にトップシート11はトップシート感熱層11aと紙11bとに
より形成される。またボトムシート12はボトムシート感
熱層12aと紙12bとからなる。そしてトップシート11とボ
トムシート12とは、ワックス系の接着層13により軽く接
着されて密着している。

そして所定の長さ（例えば領収素一枚分）ごとに紙の連
続方向と直交して点線状に２枚を通して切れ目を付け密
着折り曲げを可能にするためのミシン目14が設けられ、
該ミシン目14の後側でトップシート11は、該ミシン目14
に斜めに交わるようにスリット（切れ目）15により紙幅
の一部が切断されている。

17は位置検出マークで、トップシート11上のミシン目14
の後側でかつプリンタによる領収書印字領域16の外側に
予め印刷されており、プリンタ内部のセンサにより検知
されて紙送りが制御され、印字後にミシン目14が手切り
カッター21aの位置で止まるようになっている。

そして上記の連続用紙は、図の（ｂ）に示す如く、ミシ
ン目14の位置で屏風状に折り畳まれて積み重ねられて、
記録紙収納ケースに収納されている。この場合折り畳み
位置のミシン目14により、折り畳み部の曲げ半径を極め
て小さくすることができ、所定枚数分を積み重ねても紙
の厚さ分だけで済み、収納高さを低くできる。

そしてプリンの印字の進行に伴って、収納ケースの上蓋
と紙面との間の小さい曲げ半径で引き出されてもトップ
シート51はミシン目の部分で紙幅の大部分よわたってつ
ながっており、かつスリット14もミシン目14の位置から
後方に向かって接続部から末広がりになるように斜めに
形成されているので、トップシートがまくれ上がること
はなく２枚重ねの状態でプリンタへ供給される。

そして、印字後にミシン目位置でカットされた２枚重ね
の領収書のスリット位置を曲げることにより従来例と同
様にトップシートの端をボトムシートから剥離すること
ができ、その部分を糸口にしてトップシートとボトムシ
ートを容易に剥離して２枚に分離することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、ファンホールドタイプで積み重ね高さ
が低く、かつカットされたあとで２枚の剥離が容易な感
熱紙を提供することが可能となり、車載用装置の小型化
に貢献することが顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の2PLY感熱紙を示す図、 第２図は車載用カード処理装置の模式図、 第３図は折り畳み用紙による印刷を示す図、 第４図は従来の2PLY感熱紙を示す図、 第５図は従来技術の問題点を示す図、 である。 図において、 1,5……2PLY感熱紙、11,51……トップシート、 12,52……ボトムシート、14……ミシン目、 15,53……トップシートのスリット、 である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれが感熱発色するボトムシート（1
   2）とトップシート（11）とが重ねられて一定間隔で長
   さ方向と直交して設けられたミシン目（14）の位置で折
   り畳まれている感熱紙であって、 該ミシン目（14）の後側で該ミシン目（14）に対して斜
   めに交叉するようにトップシートの一部にスリット（1
   5）が設けられていることを特徴とする感熱紙。