JPH07121570B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH07121570B2
JPH07121570B2 JP62139886A JP13988687A JPH07121570B2 JP H07121570 B2 JPH07121570 B2 JP H07121570B2 JP 62139886 A JP62139886 A JP 62139886A JP 13988687 A JP13988687 A JP 13988687A JP H07121570 B2 JPH07121570 B2 JP H07121570B2
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conductive layer
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光次 江原
尚衛 森屋
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旭化成ポリフレックス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えばICやLSI等の電子部品のように、静電
気等による障害を受けやすい物品の包装に適した積層フ
ィルムに関する。
[従来の技術] 従来、電子部品等の包装に用いられる積層フィルムとし
ては、ポリオレフィン系基材の片面又は両面に、カーボ
ンブラックを5〜50重量部含有するポリオレフィン系フ
ィルムをラミネートしたものが知られている(特開昭58
−24449号)。この積層フィルムは、カーボンブラック
を含有するポリオレフィンフィルムを導電層として、静
電気障害を防止するための導電性を付与したものであ
る。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、電子部品は、静電気障害の他に、水蒸気や酸
素による損傷も受けやすいことが知られている。
例えば、フラットパッケージICのように、パッケージ厚
みの薄い電子部品を基板に組み込む際に、ベーパーフェ
イスソルダリングのような高温下でのハンダ付けを行う
と、パッケージ割れを生ずることが知られている。最近
の研究では、この現象は、フラットパッケージICがパッ
ケージを通して吸湿し、この水分がハンダ付けで一気に
高温に熱せられ、蒸発気化して急膨張するために生ずる
ことが明らかにされている。また、磁気ディスク等のよ
うに、静電気に対して敏感なだけでなく、湿気や酸素に
よって酸化損傷されやすい電子部品の存在も知られてい
る。
しかしながら、前記従来の積層フィルムは、静電気障害
防止には有効ではあるが、水蒸気バリヤー性、酸素バリ
ヤー性に劣り、被包装物品を上述の損傷から有効に保護
しにくい問題がある。
[問題点を解決するための手段及び作用] 上記問題点を解決するために本発明において講じられた
手段を、本発明に係る積層フィルムの層構成の一例を示
す第1図に基づいて説明すると、本発明は、支持層1の
片面側表層部にカーボンブラックもしくは金属粉の塗膜
又は金属蒸着膜からなる導電層2を有し、この導電層2
とは反対側である支持層1の他面側に、厚み7〜20μの
アルミニウム箔からなるバリヤー層3を積層し、このバ
リヤー層3の表面側に帯電防止剤を練り込んだポリオレ
フィン系樹脂からなる帯電防止性シーラント層4を積層
するという手段を講じているものである。
以下、更に本発明を詳細に説明する。
(1)支持層1 支持層1は、硬質合成樹脂よりなるもので、特に融点14
0℃以上の硬質合成樹脂により形成されているものであ
る。例えば、ナイロン−6(Ny−6)、ナイロン−66
(Ny−66)、ナイロン−610(Ny−610)等のポリアミド
樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)等の芳香族ポリエステル樹
脂のように耐熱性に優れるだけでなく、強度が大きくバ
リヤー性の大きいものが好ましい。また、これらの硬質
合成樹脂で構成された支持層1は、二軸配向したフィル
ム層であるのが強度等、種々の物性が良好であり好まし
い。
上記の樹脂よりも多少物性は劣るが二軸配向ポリプロピ
レンフィルム(OPP)や、二軸延伸ポリスチレンフィル
ム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、二軸延伸
エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムも、本発
明の支持層1として使用可能である。
支持層1の厚さは5μm〜100μmの範囲で選ぶのが好
ましい。薄すぎる場合は、フィルム全体の強度が弱くな
り、厚すぎる場合は包装材のフィルムとして取扱い難く
なる。
支持層1は、第1図に示されるような一層のみではな
く、第2図に示されるように、補助層6を介在させて複
数層設けるようにしてもよい。この場合、全支持層1の
合計厚さが上記範囲にあることが好ましい。
(2)導電層2 導電層2は、表面電気抵抗の小さな層であって、カーボ
ンブラックの塗膜、導電性に優れた金属の蒸着膜又は金
属微粉末の塗膜によって構成されているものである。こ
れらによって構成される導電層2は、通常、支持層1の
片面上に形成されるが、例えば支持層1間の密着性を高
めるための下塗り層等を支持層1との間に介在させても
よい。また、導電層2と支持層1の密着力を高めるため
に、支持層1の表面にコロナ放電処理等の前処理を施し
ておくこともできる。
カーボンブラックの塗膜によって導電層2を形成する場
合、カーボンブラックを含む導電性塗料を塗布すること
によって行うことができる。この導電性塗料は、導電成
分としてのカーボンブラックの他に、必要に応じて、バ
インダー、分散剤または分散媒を配合することによって
得ることができる。
カーボンブラックは、導電性フィラー用のものから選ぶ
のが好ましい。具体例としては、ケッチェンブラック、
ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネル
ブラック、サーマルブラック等が挙げられる。
バインダーは、支持層1との接着性がなるべく良いもの
で、カーボンブラックの分散をなるべく助けるようなも
のを選ぶのがよい。バインターとしては、例えば、EVA
ラテックス、アクリル系ラテックス、SBラテックスなど
のラテックス類、PVA、繊維素誘導体類、でんぷん誘導
体類、アクリル系樹脂、EVA系樹脂、スチレン系樹脂な
どの溶剤に溶かして用いる樹脂類などが用いられる。
分散剤としては、界面活性剤が所望により加えられる。
ラテックス類は通常若干量の界面活性剤を含有して居
り、特に分散剤を追加しないでもよい場合がある。又、
溶剤に溶かして用いるバインダーも、分散剤として作用
することがあるから、分散剤を用いるか否か、およびそ
の使用量は個々のケース毎に必要性を判断して決めれば
よい。
導電性塗料として塗布するカーボンブラックの塗布量
は、カーボンブラックの種類や分散状態などで変るが、
0.01g/m2以上が望ましい。これ未満の塗布量では必要な
導電性能を発現し難い。また、導電層2の厚み、即ちほ
ぼ連続した層状にカーボンブラックが成膜している層の
平均厚みは0.01μm以上であることが好ましい。
導電層2としたときのカーボンブラックの濃度は、使用
するカーボンブラックの種類等によっても異るが、通常
は8重量%程度以上で、濃い方が望ましく、100重量%
カーボンブラックでもよい。即ち、バインダーを全く用
いないでも、カーボン粒子の凝集により塗膜をつくるこ
ともでき、これを導電層2としてもよい。
本発明における導電層2として、上記のようなカーボン
ブラックの塗膜のかわりに金属蒸着膜や金属微粉末を含
有する導電性塗料の塗膜を使用することができる。この
金属蒸着膜に使用しうる金属としては、アルミニウム、
ニッケル、チタン、マグネシウム等が挙げられる。金属
蒸着膜の厚さは10Å〜5000Å、好ましくは50〜1000Åの
範囲から選ぶのが、導電性と経済性の両面から望まし
い。金属微粉末を含有する導電性塗料に使用しうる金属
としては、スズ−アンチモン、インジウム−スズ酸化
物、スズ酸化物等が挙げられ、そのバインダーとして
は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等が用いら
れ、これらを水や有機溶剤に分散したものを塗布に使用
すればよい。
導電層2は、支持層1の片側に、通常は、ほぼ均一に形
成されるが、意図的に厚薄又は濃淡を付け、意匠的効果
を得ることも可能である。例えばメッシュ状やしま状の
模様を付けることができる。
導電層2は、通常、表面層として形成されるが、第1図
に示されるように、更にその表面側に合成樹脂の塗料を
塗布し、厚さ0.2〜10μmの表層5を設けると、これに
よって導電層2を保護することができるので好ましい。
この表層5を設ける場合でも導電層2は表層部に位置し
ていることが必要で、表面の電気抵抗の上昇を抑えるた
め、導電層2の一部を表層5から突出させた構造とする
ことが好ましい。このような突出構造は種々の方法でつ
くることができるが、カーボンブラックの塗膜で導電層
2を形成する場合を例に、以下に説明する。
第一に、バインダー含有率が少なく、機械的に弱い導電
層2をつくり、この上に表層5を塗布形成することによ
り、表層5を塗布形成する際の塗液や塗布装置の機械的
な作用によって、導電層2を変形させて突出部をつくる
ことができる。
第二に、レベリングし難い導電性塗料をグラビアコータ
ーなどで細かい点状に塗布して、転写された微少な点を
突出部として残すこともできる。
第三に、導電性塗料中にカーボンブラックの凝集粒子を
含ませる方法も用い得る。即ち、カーボンブラックが凝
集した粒子は、導電層2から表層5側に突出して、突出
部を形成することになる。また、カーボンの他、微少な
導電体、たとえばグラファイトや金属などの微小粒子を
混合し、突出部をつくることもできる。
第四に、カーボンを吸着し易い微粉末を混合して、カー
ボンが吸着された微粒子を形成させて、突出部をつくら
せることもできる。
突出部の量については、分析が困難で、十分数量的に解
明するには至っていないが、顕微鏡で観察して、容易に
発見できる程度に含まれていれば十分である。
このような特殊な構造をとることにより、表層5の表面
の表面抵抗を著しく低下させることができる。この作用
の詳細は不明であるが、導電層2の表層5への突出部分
は電荷の集中を起こし易いと想像されるので、表層5の
表面と導電層2間の電荷の拡散が、主として導電層2の
突出部を経て起こることも考えられる。
表層5は、導電層2の上に直接重ねて合成樹脂の塗料を
塗布することによって設けることができる。この表層5
は、表面層をなすものであるから、包装材料として要求
される表面の諸性質、すなわち、硬度、光沢、すべり
性、耐ブロッキング性などを充たすものを選択すること
が好ましい。
表層5は帯電防止プラスチックフィルムの表面層になる
ものであるから、通常は、電気抵抗が低い合成樹脂を用
いるべきであると考えるところであるが、これは必ずし
も必要でない。即ち、樹脂自体の体積抵抗率は、非常に
高い通常のポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を用いて
も、既に説明したような導電層2の上に直接塗布成膜し
た表層5は、表面抵抗率を非常に低くすることが可能で
あることを見出した。これは、全く予期できなかった効
果であったが、導電層2に表層5に対して突出した部分
を設けてあることによって或る程度は理解できると思わ
れる。
表層5として用い得る樹脂を例示すると、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、硝化綿などの繊維素系プラスチッ
ク、ポリエチレン、EVA、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
ミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂やフェノール樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を、エマルジョン
や溶液の形で塗布して用いることができる。また、重合
性の単量体を塗布して、重合成膜させる方法をとること
もできる。
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルな
どのアクリル系樹脂は、強度、接着性、透明性、などの
点で特に好ましい。
表層5には、滑り性の向上、耐摩耗性の改善などの目的
で種々のワックスなどの添加剤を添加することができ
る。ポリエチレン系のワックスは、耐摩耗性を向上さ
せ、他のものを汚染させることが少ないので、特に好適
である。表層5の厚みは0.2μm〜10μmの間が適当で
ある。10μmより厚い表層5は帯電防止効果を不十分に
し、0.2μmより薄い表層5は塗膜の機械的強度を不十
分にする。
カーボンブラックを含有する導電性塗料を用いて導電層
2を形成する場合、導電性塗料の不揮発分中のカーボン
ブラック濃度が70重量%以上に高くなると、支持層1と
の接着力も不足することが多くなる。しかし、カーボン
ブラックの濃度が高くなるほど、導電層2の厚さは薄く
しても良好な導電性を示すようになる。このさい、この
導電性塗料の塗膜は、液が浸透し易いものになるらし
く、導電層2の上に直接重ねて表層5を設けるために合
成樹脂塗料を塗布すると、カーボンブラックの導電層の
導電性はほとんど低下しないで、合成樹脂塗料を支持層
1に達するまで浸透させることができる。このため、表
層5の合成樹脂を支持層1との接着性のよいものの中か
ら選ぶことにより導電層2と、支持層1との接着性を改
善することができる。
(3)バリヤー層3 バリヤー層3はアルミニウム箔をラミネートすることに
よって形成されているものである。
バリヤー層3を構成するアルミニウム箔は、7〜20μの
厚さである。薄過ぎると、アルミニウム箔の製造技術
上、ピンホールが多くなって、所期のバリヤー性が得に
くくなり、逆に厚過ぎると、包装材料としての取扱い性
が低下しやすくなると共にコスト高となる。
バリヤー層3は、支持層1への導電層2の付設に先立っ
て、支持層1へのアルミニウム箔のラミネートを行うこ
とによって容易に行うことができる。また、第2図に示
されるような補助層6を設ける場合、この補助層6を中
心にして、アルミニウム箔と、導電層2側の支持層1を
ラミネートすることによっても容易に行うことができ
る。特に後者の場合、導電層2側の支持層1を、延伸、
未延伸のいずれにもし得る利点がある。ラミネートに
は、例えばドライラミネート法やPEエクストルージョン
ラミネート等の一般的方法を用いることができる。
上記補助層6は、支持層1と同様の合成樹脂でもよい
が、それ以外の合成樹脂で、アルミニウム箔や支持層1
のラミネートに適した合成樹脂を用いたものでもよい。
例えば、後述する熱溶融性の樹脂を好適に用いることが
できる。
(4)帯電防止性シーラント層4 帯電防止性シーラント層4は、帯電防止剤を練込んだポ
リオレフィン系樹脂で構成されているものである。
ここでポリオレフィン系樹脂としては、例えば低密度ポ
リエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リ
ニヤー低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低結晶性のポ
リプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA);エチレン系アイオノマー(IR)等
が一種又は二種以上使用可能である。
ポリオレフィン系樹脂に塗布又は練込まれる帯電防止剤
としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系の各種
界面活性剤が用いられ、それらを単独或は併用して使用
する。アニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキ
シエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、アルキル
リン酸エステル等が、カチオン系界面活性剤としては、
ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの第
4級アンモニウム塩等が、非イオン系界面活性剤として
は、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルやシロキサ
ン系等が挙げられる。
帯電防止性シーラント層4の厚さは、10μm〜100μm
とするのが好ましい。厚さが10μm未満であると、袋を
形成した際のシール強度が不充分となる。100μm以上
であると、袋をつくる際にシールしにくく、経済的に不
利である。
(5)層構成の具体例 次に本発明の積層フィルムの好ましい層構成の例を挙げ
る。
(1)CB/PET/Al箔/PE(帯防) (2)表層/CB/PET/Al箔/PE(帯防) (3)表層/CB/PET/Al箔/PE/PE(帯防) (4)表層/CB/PET/PE/Al箔/PET/PE(帯防) (5)表層/CB/PET/PE/Al箔/PET/PE/PE(帯防) (6)VMAl/PET/Al箔/PE(帯防) (7)表層/VMAl/PET/Al箔/PE(帯防) (8)表層/VMAl/PET/Al箔/PE/PE(帯防) (9)表層/VMAl/PET/PE/Al箔/PET/PE(帯防) (10)表層/VMAl/PET/PE/Al箔/PET/PE/PE(帯防) (11)CB/PET/Al箔/PE/CB (12)表層/CB/PET/PE/Al箔/PE/PE(帯防) 但し、上記層構成の記号は以下の意味を有する。
CB:カーボンブラック塗布量 PET:ポリエチレンテレフタレート層 Al箔:アルミニウム箔 PE:ポリエチレン層 PE(帯防):ポリエチレンに帯電防止剤を配合してなる
樹脂組成物の層 VMAl:アルミニウム蒸着層 上記層構成のうち(1)の層構成のフィルムは、PETの
片面にAl箔をラミネートし、他方にカーボンブラック塗
布処理した後に帯電防止剤を配合したポリエチレンを押
出し、Al箔面にアミネートすることにより得られる。
上記(2)の層構成のフィルムは、(1)のフィルムの
CB層表面に表層を形成したもので、CB層表面が保護され
ることによる導電層の耐久性増大を図ったものである。
このフィルムは(1)のフィルムの製造法に表層形成の
ための操作を加えることにより製造し得る。
上記(3)の層構成のフィルムは、帯電防止性シーラン
ト層の帯電防止剤を配合したポリエチレン層をできるだ
け薄くして、その分を帯電防止剤無配合のポリエチレン
層を設けることにより低コスト化を図ったもので、ポリ
エチレンと帯電防止剤配合ポリエチレンとを同時に押出
してラミネートするか、あるいは帯電防止剤配合ポリエ
チレンのフィルムを別途作っておき、これを押出ポリエ
チレンを介して表層/CB/PET/Al箔の積層物のAl箔面にラ
ミネートすること以外は(2)のフィルムの場合と同様
にして製造し得る。
上記(4)の層構成のフィルムは、支持層を2つにし、
一方の支持層にはカーボンブラック塗布処理を行い、他
方の支持層にはAl箔層を設けるようにしたものである。
そして、各々別個に作製した表層/CB/PETとAl箔/PETと
を押出ポリエチレンを介してラミネートした後、帯電防
止剤を配合したポリエチレンを押出すことにより製造し
得る。この(4)のフィルムは支持層としてのPETの内
側に配置されるために、Al箔はPET層によってより強固
に補強・保護され、Al箔の水蒸気バリヤー性はより確実
性の高いものとなる。
上記(5)のフィルムは、(4)のフィルムのPE(帯
防)をPE/PE(帯防)によって置き変えたもので、
(4)のフィルムのPE(帯防)の層を薄くすることによ
る低コスト化を図ったものである。
次に上記(6)〜(10)の層構成のフィルムは、(1)
〜(5)のCB層をVMAl層に置き変えたものであり、製法
及び各積層フィルムの特徴は対応するCB層のフィルムに
ついて述べたのとほぼ同様である。
上記(11)の層構成のフィルムはPETの片面にAl箔を設
け、他面にカーボンブラック塗布処理した後に、帯電防
止剤無配合のポリエチレンを押出し、その面にカーボン
ブラックを塗布することにより得られる。
上記(12)の層構成のフィルムは(5)のフィルムの支
持層を一層にしたものである。
[作 用] 本発明に係る積層フィルムは、通常、導電層2側の面を
外側にして物品を包装に使用されるもので、例えば作業
員が当該包装体に触れたときに、人体の有する静電気に
よって物品が損傷されることを導電層2が防止する。ま
た、帯電防止性シーラント層4は、本積層フィルムと包
装されている物品間のすれ合いによる静電気の発生を防
止するものである。
一方、アルミニウム箔であるバリヤー層3は、水蒸気や
酸素等の侵入を遮断し、これらによる物品の損傷を防止
するものである。特に本発明におけるバリヤー層3は、
アルミニウム箔で構成されているので、高いバリヤー性
が得られるものである。
更に本発明では、支持層1を間にして、導電層2とバリ
ヤー層3が反対側に位置している。これによって、導電
層2にカーボンブラックや金属微粉末を使用しても、こ
れらの粒子によってバリヤー層3が傷付けられ、バリヤ
ー性が低下することがないばかりか、導電層2側を外側
にして包装に供することにより、外力に対して支持層1
でバリヤー層4を守ることが可能である。
[実施例] まず、本発明に係る積層フィルムの使用態様について説
明する。
本積層フィルムは、通常袋状に成形し、物品を密封包装
するのに供されるが、この袋は、第3図及び第4図に示
されるようなものが好ましい。以下、これについて説明
する。
第3図及び第4図に示される袋は、前面と後面を形成す
る二枚の本積層フィルムAの上辺を除く縁部と、底面を
形成する透視性フィルムBの周縁とを相互に溶着シール
することによって構成されている。図中、斜線で示され
る部分が溶着シール部7である。
透視性フィルムBは、密封後も内容物が見られるように
するためのもので、透明であることが好ましいが、内容
物が確認できる程度のものであれば、完全な透明でな
く、半透明であってもよい。しかし、内容物の保護の面
から、できるだめ帯電防止性並びにバリヤー性のあるも
のをが好ましい。
透視性フィルムBの具体例としては、本積層フィルムA
を構成する層のうち、アルミニウム箔のバリヤー層3を
除いたものや、これを塩化ビニリデン樹脂層に置き代え
たものを挙げることができる。この場合、各層に透明な
合成樹脂を用いると共に、導電層2の厚さ等を調整し
て、必要な透視性が得られるようにする。特に、導電層
2としてカーボンブラックの塗膜を用いる場合、その平
均厚みは0.01μm〜5μm、好ましくは0.01μm〜1μ
mで、カーボンブラックの塗布量は0.01g/m2〜0.8g/
m2、好ましくは0.01g/m2〜0.1g/m2とするこのが望まし
い。この範囲であれば、必要な透視性と導電性を同時に
満足し得る。また、導電層2をストライプやメッシュ状
に形成することによって透視性を持たせることもでき
る。この場合、線の間隔は20mm以下、線幅は2mm以下と
することが好ましい。
上述のような袋とすると、透視性フィルムBの存在によ
って、袋全体のバリヤー性は、袋全体を本積層フィルム
Aで構成した場合に比して多少低下する反面、包装体の
取扱い性の向上が得られる。しかし、袋全体のバリヤー
性の大きな低下は避ける必要があるので、シール部7で
囲まれた透視性フィルムBの面積は、密封後の袋の全内
面積の10%以下、好ましくは5%以下であることが望ま
しい。
本積層フィルムを用いた袋の他の例としては、第5図に
示されるように、前面又は後面を形成する本積層フィル
ムAの一部を切抜いて、小窓状に透視性フィルムBの周
縁を溶着シールしたものを挙げることができる。
実施例1 導電性フィラーとして市販されているカーボンブラック
である、ライオンアクゾ株式会社のケッチェンブラック
EC10重量%と、分散剤として非イオン系界面活性剤8重
量%と残部水とよりなる分散液を作った。別に、バイン
ダーとして、部分けん化酢酸ビニルをメタノールと水と
の混合重量比90:10の混合溶剤に、9.2重量%溶解した液
を作った。
カーボンブラックの分散液40重量部を撹拌しながら、バ
インダー溶解液60重量部を添加して、カーボンブラック
4重量%、界面活性剤3.2重量%、バインダー5.5重量%
を含有し、溶剤がメタノールと水との混合割合が重量比
で56:44の混合溶剤である導電性塗料を調製した。この
導電性塗料の不揮発成分は12.7重量%で、不揮発分の31
重量%がカーボンブラックである。
溶剤として、メタノールと水の混合溶剤を用いると、水
と比較して乾燥速度を高め、また表面張力を低下させ
て、合成樹脂表面に塗布し易くし、また、非イオン系界
面活性剤の分散作用を幾分低下させて、カーボンブラッ
クが若干凝集した粒子を作り易くすることができる。
厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムの片面をコ
ロナ放電処理して、この面に上記導電性塗料を乾量で0.
2g/m2グラビアコーターで塗布し乾燥し、この上に重ね
て、メタクリル酸メチルを主成分とするアクリル樹脂1
4.7重量%とポリエチレンワックス0.3重量%を含むトル
エンを溶剤とする上塗り塗料を乾量で1g/m2塗布し乾燥
し、表層/CB/PETの層構成の積層物(I)を得た。
各塗料を乾燥した固形物の比重を1とすると、導電層の
厚みは約0.2μm、表層の厚みは約1μmとなる。カー
ボンブラックは0.06g/m2の割合で塗布されている。
このフィルムの導電層と表層の側の断面の顕微鏡で観察
したところ、カーボンブラックが表層に対し一部突出し
ていることが認められた。
積層物(I)のカーボンブラック非塗布面と、10μmの
アルミニウム箔の片面にアンカーコート剤としてポリエ
チレンイミン(BASF(株)ポリミン−P)をグラビアコ
ート法で塗布、乾燥し、押出機Tダイから、ポリエチレ
ンを厚み20μmで押出して、積層物(I)とアルミニウ
ム箔をアンカーコート剤を介して積層し、表層/CB/PET/
PE/Al箔の層構成(II)を得た。続いて、アルミニウム
箔面にポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン
(株)AD−527+AD−9L−1)を塗布・乾燥後、厚み30
μmのポリエチレンを押出し、更に非イオン系帯電防止
剤である三洋化成工業(株)製ケミスタット1100を0.7
重量%含むポリエチレン20μmを押出し、積層し、下記
層構成(III)の導電性バリヤーフィルムを得た。尚、
アルミニウム箔へのアンカーコート剤の塗布は行わなく
てもよい。
表層/CB/PET/PE/Al箔/PE/PE(帯防) この積層物(III)の表層の表面抵抗が9×105Ω、ヒー
トシール層の表面抵抗が8×1011Ωであった。
このフィルムをPE面を内側にして、ヒートシールして袋
をつくると、製袋加工性良好で、取扱い容易な袋が得ら
れた。また、JIS L 1048の学振式摩擦試験機により、摩
擦子に、白布の代りに試験フィルムを張り、フィルムと
フィルムの摩擦試験を行って、表面抵抗が初期の値を失
って、立ち上がるまでの摩擦回数を測定した。このフィ
ルムは、25000回であった。この種の袋は数枚以上同時
に使用されることが多いので、同じフィルム同志の耐摩
擦性は実用上重要であるが、このフィルムはこの耐摩擦
性が非常にすぐれていることが示された。
また、この導電性バリヤーフィルムの水蒸気透過率はJI
S Z 0208に従って測定したところ、0.1g/m2・24hr未満
であった。
[発明の効果] 本発明の積層フィルムは、導電性のみならずバリヤー性
にも優れているので、特に電子部品等の包装に用いる
と、これらの輸送並びに保管中の損傷を大幅に低減させ
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は各々本発明に係る積層フィルムの層
構成の一例を模式的に示す説明図、第3図及び第4図は
本積層フィルムを用いた袋の一例を示す斜視図、第5図
は同他の例を示す斜視図である。 1:支持層、2:導電層、3:バリヤー層、 4:帯電防止性シーラント層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持層の片面側表層部にカーボンブラック
    もしくは金属粉の塗膜又は金属蒸着膜からなる導電層を
    有し、この導電層とは反対側である支持層の他面側に、
    厚み7〜20μのアルミニウム箔からなるバリヤー層が積
    層され、このバリヤー層の表面側に帯電防止剤を練り込
    んだポリオレフィン系樹脂からなる帯電防止性シーラン
    ト層が積層されていることを特徴とする積層フィルム。
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