JPH07121439B2 - 薄板連続鋳造設備 - Google Patents

薄板連続鋳造設備

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JPH07121439B2
JPH07121439B2 JP28678387A JP28678387A JPH07121439B2 JP H07121439 B2 JPH07121439 B2 JP H07121439B2 JP 28678387 A JP28678387 A JP 28678387A JP 28678387 A JP28678387 A JP 28678387A JP H07121439 B2 JPH07121439 B2 JP H07121439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄板連続鋳造設備に係わり、特に薄板鋳片の破
断を防止し、長時間安定して連続鋳造を行うのに適した
薄板連続鋳造設備に関する。
〔従来の技術〕
現在、厚さ数mm程度の金属の薄板を製造するには、一般
的には、溶融金属から鋳塊または鋳片を製造し、これを
熱間圧延または冷間圧延して所定の厚さの薄板とするこ
とによって行われている。これに対し、近年、厚さ数mm
程度の薄板鋳片を溶湯から直接製造する種々の試みがな
されている。これは、そのような薄板鋳片を溶湯から直
接製造できれば、所期の厚さまで圧下するのに要する熱
間圧延工程や大型の加熱炉を必要としなくなり、製造工
程を著しく簡略化でき、設備比や加工費を低減できると
の見地に基づくものである。
この試みの代表的なものとして、特開昭55−109549号に
記載の薄板連続鋳造設備がある。これは、第9図に示す
ように、薄板連続鋳造機を所定速度で所定方向に回転す
る1対の水冷ロール1,2で構成し、これら水冷ロール1,2
間に溶鋼を注湯し、その水冷ロール1,2に接して冷却さ
れて形成された凝固シェルを、両水冷ロール1,2によっ
て圧延しながら連続的に鋳片4を鋳造し、これをロール
直下に設けたピンチロール5によって所定の速度で引き
抜き、さらに曲げロール6、ガイドロール7、強制ロー
ル8を経て搬送ロール9により装置外へ運び出すように
なっている。
また他の試みとして、特開昭60−221103号に記載のもの
がある。これは、双ロール連続鋳造機の下流に圧延機を
設置した薄板連続鋳造設備において、双ロールと圧延機
との間の鋳片を、それぞれ複数のロール群からなる1対
のサポートロール装置で挟持し、鋳造速度と圧延速度と
の差に応じてサポートロールを進退させることにより、
連続鋳造機と圧延機との連続化を図ろうとしたものであ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
薄板連続鋳造機においては、その特徴として、鋳型出口
では鋳片が厚さ方向中央部まで完全凝固した直後の高温
状態にあり、このような高温状態での薄板の強度は極め
て小さいということがあり、このためこの部分での鋳片
の張力を可能な限り低く抑え、鋳片の破断を防止するこ
とが必要である。
しかしながら、上記特開昭55−109549号に記載の薄板連
続鋳造設備では、鋳造を行う水冷ロール1,2の周速即ち
鋳造速度と、ピンチロール5の周速即ち引抜速度とを常
時完全に一致させることができず、このためロール直下
の鋳片に張力が作用してしまい、この部分で破断し易い
という問題があった。
また同公報には明記されていないが、薄板鋳片を多量に
生産するには、搬送ロール9の終端に巻取機を配置し、
鋳片を連続的に巻き取らねばならない。この場合、水冷
ロール1,2の鋳造速度の変動に追従して、精度良くタイ
ムリーに巻取機の巻取速度を制御する必要があるが、巻
取機の質量が著しく大きく、慣性が大きいため、鋳造速
度の変動にマッチして巻取速度を制御することが困難で
あり、このため鋳片にやはり張力が作用し、その張力が
ロール直下の鋳片にも及び、この部分でやはり鋳片が破
断するという問題があった。
一方特開昭60−221103号に記載の薄板連続鋳造設備にお
いては、双ロールの鋳造速度と圧延機の圧延速度とに差
をサポートロール装置の進退で吸収し、ロール直下の鋳
片に張力が作用することを防止しようとしている。しか
しながら、この設備では、圧延速度を圧延ロールの回転
速度により検出しているが、圧延ロール周速より圧延ロ
ールへ進入する鋳片の移動速度は遅く、両者には差があ
り、その程度は圧延機の圧延荷重、入側の板厚、板温度
等により変動する。このため、鋳造速度と圧延速度との
差が連続鋳造機出側の鋳片移動速度と圧延機入側の鋳片
移動速度との差に厳密に対応せず、圧延ロールの回転速
度を検出してサポートロール装置の進退を制御しても、
所期の目的を達成できず、張力をうまく制御することが
できなかった。
またこの設備においては、サポートロール装置が大掛か
りであるのに対して、鋳造速度は一般的に高速であり
(鋳片厚さが2mmの場合、50m/min程度)、サポートロー
ル装置を鋳片に対して進退させる際に、サポートロール
装置自体の慣性やサポートロール装置の駆動部の制御遅
れにより応答遅れが生じ、連続鋳造機とサポートロール
装置間に鋳片のたるみや引っ張りが生じ、この意味でも
張力をうまく制御できなかった。
従ってこの特開昭60−221103号の設備も、ロール直下の
鋳片に破断が生じやすいという問題があった。
従って本発明の目的は、鋳型出口部での鋳片に破断が生
じ難く、長時間安定して連続鋳造を行うことのできる薄
板連続鋳造設備を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、薄板連続鋳造機の下流に少なくとも1台の
鋳片搬送装置を設置し、溶湯から直接、薄板鋳片を連続
的に鋳造する薄板連続鋳造設備において、薄板連続鋳造
機と鋳片搬送装置との間に鋳片のフリーループを形成
し、このフリーループにそのループ位置を検出する位置
検出手段を設け、鋳片搬送装置にその位置検出手段の出
力信号に応答してループ位置を一定とする制御信号を出
力する制御手段を設けたことを特徴とする薄板連続鋳造
設備によって達成される。
又上記目的は、薄板連続鋳造機の下流に少なくとも1台
の鋳片搬送装置を設置し、そのさらに下流に少なくとも
1台の巻取機を設置し、溶湯から直接、薄板鋳片を連続
的に鋳造する薄板連続鋳造設備において、鋳片搬送装置
と巻取機との間に鋳片の張力を検出する張力検出手段を
設け、巻取機にその張力検出手段の出力信号に応答して
張力を一定とする制御信号を出力する制御手段を設けた
ことを特徴とする薄板連続鋳造設備によっても達成され
る。
〔作用〕
上記第1の発明においては、鋳片搬送装置の搬送速度が
薄板連続鋳造気の鋳造速度より速くなると、フリールー
プのループ長さが短くなり、ループ位置が上昇する。こ
のループ位置の上昇が位置検出手段によって検出され、
制御手段はその出力信号に応答して、ループ位置が一定
となるよう鋳片搬送装置を制御する。これにより過大な
張力が鋳片に働くのを防止する。
一方上記第2の発明においては、巻取機の巻取速度が鋳
片搬送装置の搬送速度より速くなると、両者間にかかる
張力は増加する。この張力の増加は張力検出手段により
検出され、制御手段はその出力信号に応答して、張力が
一定となるよう巻取機を制御する。これにより過大な張
力の発生が防止され、その張力が薄板連続鋳造機の鋳型
出口部の鋳片に及ぶのが防止される。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を第1図乃至第3図により説明す
る。
第1図は本発明の一実施例による薄板連続鋳造設備の全
体を概略的に示し、図中符号10は薄板連続鋳造機であ
る。この薄板連続鋳造機10は双ロール式の連続鋳造機で
あり、内部冷却方式の1対の鋳造ロール11,12と、鋳造
ロール11,12の両側部に位置する耐火材からなる1対の
固定せき13,14とからなり、鋳造ロール11,12と固定せき
13,14で形成される鋳型に溶湯15が注湯される。溶湯15
は鋳造ロール11,12の表面に接触して冷却され、凝固シ
ェルが生成され、この凝固シェルは鋳造ロール11,12に
より圧延、一体化され、鋳片16となる。
連続鋳造機10の下流には上下1対のロールからなる搬送
装置17が設置され、その下流には巻取機18が設置してあ
る。連続鋳造機10で鋳造された鋳片16は、湾曲状のルー
プ即ちフリーループ19を形成しつつ、搬送装置17により
引き抜かれ、巻取機18に巻き取られる。
巻取機18の手前には切断機20が設けられ、鋳片16の先後
端クロップの切断と、巻取機18に巻き取られたコイルの
大きさが所定の大きさになったときのコイルの分割を行
う。
鋳造ロール11,12の出口と搬送装置17との間には、フリ
ーループ19のループ位置の検出する位置検出器21が設け
られている。位置検出器21は、後述するように軽量の位
置検出ロール22を鋳片16上に接触させ、ループ位置の変
化に対応して変化するロール位置を検出し、ループ位置
を検出するようにしたものである。なおこれは、光学式
等の非接触式の変位計を採用することもできる。
位置検出器21の出力信号は演算制御装置23に送られる。
演算制御装置23は、位置検出器21の出力信号から現在の
ループ位置とループ位置の目標値との差Δx1求め、その
ループ位置偏差Δx1から予め設定された関数関係に基づ
いて搬送装置17の搬送速度の増減量Δv1を演算し、その
増減量Δv1を示す制御信号を搬送装置17の回転駆動機即
ち電機モータ24に出力する。これにより、ループ位置が
一定となるよう搬送速度が制御される。なお位置検出器
21の初期設定値をループ位置の目標値に合わせておけ
ば、その出力信号から直接、現在のループ位置とループ
位置の目標値との差Δx1を求めることができる。
演算制御装置23に予め設定される関数関係の一例が第1
図に示されている。即ち、ループ位置偏差Δx1がゼロの
付近にはデッドバンドが設けられ、ロール22の偏心等に
起因する微少変動には反応しないようになっている。ル
ープ位置偏差Δx1がデッドバンドを越えて増加または減
少すると、搬送速度の増減量Δv1はそれと直線的に比例
して増加または減少する。ループ位置偏差Δx1が所定値
を越えて増加または減少すると、搬送速度の増減量Δv1
の増加または減少は頭打ちとなり、一定以上増加または
減少しないようになっている。即ち搬送速度の増減量Δ
v1には上下限が設けられている。これは、鋳造ロール1
1,12より押出された鋳片がそのロール周面に巻き付き、
その後剥離をするなどの異常事態に発生する急激なルー
プ位置の変動に対しては反応しないようにする安全上の
ためである。
搬送装置17と切断機20との間には鋳片16の張力を検出す
る張力検出器25が設けられている。張力検出器25は、ば
ね、空気シリンダ等により弾性支持したロール26を下方
から鋳片16に接触させてを持ち上げ、鋳片16の張力の変
化に対応して変化するロール位置を検出し、張力を検出
するようにしたものである。なお、これは、U字形のル
ープをここに形成し、ループの高さを測定するようにし
てもよい。
張力検出器25の出力信号は演算制御装置27に送られる。
演算制御装置27は、張力検出器25の出力信号から現在の
鋳片の張力と鋳片の張力の目標値との差Δx2求め、その
張力偏差Δx2から予め設定された関数関係に基づいて巻
取機18の巻取速度の増減量Δv2を演算し、その増減量Δ
v2を示す制御信号を巻取機18の回転駆動機即ち電機モー
タ28に出力する。これにより、鋳片16の張力が一定とな
るよう巻取速度が制御される。なお張力検出器25の初期
設定値を鋳片の張力の目標値に合わせておけば、その出
力信号から直接、現在の鋳片の張力と鋳片の張力の目標
値との差Δx2を求めることができる。
演算制御装置27に予め設定される関数関係は、演算制御
装置23の関数関係と同様に定められている。即ち、張力
偏差Δx2がゼロの付近にはデッドバンドが設けられ、ロ
ール26の偏心等に起因する微少変動には反応しないよう
になっている。張力偏差Δx2がデッドバンドを越えて増
加または減少すると、巻取速度の増減量Δv2はそれと直
線的に比例して増加または減少する。張力偏差Δx2が所
定値を越えて増加または減少すると、巻取速度の増減量
Δv2の増加または減少は頭打ちとなり、一定以上増加ま
たは減少しないようになっている。即ち巻取速度の増減
量Δv2には上下限が設けられている。これは、異常事態
に発生する急激な鋳片張力の変動に対しては反応しない
ようにする安全上のためである。
次に以上のように構成された薄板連続鋳造設備の動作
を、薄板連続鋳造機10から引き出された鋳片16の先端が
搬送装置17に到達するまで、次いで巻取機18に達するま
で、巻取機18に達した以降に分けて説明する。
(1)鋳片先端が搬送装置に達するまで 鋳造ロール11,12よりデータ鋳片16の先端は図示しない
固定ガイドに沿って下降し、搬送装置17に達する。この
とき、位置検出器21のロール22は鋳片16の通過領域から
退避させておく。鋳片16の先端が搬送装置17に達すると
位置検出器21のロール22を通過領域まで前進させ、ロー
ル22を鋳片16に接触させ、ループ位置を検出し始める。
演算制御装置23は、位置検出器21の出力信号に応答し
て、最初は、鋳造ロール11,12の回転数によって定まる
鋳造速度より数%速くなるように搬送速度を制御する。
これは、制御開始時には、鋳造ロール11,12と搬送装置1
7との間のループがたるみ勝手になっており、これを急
速に解消するためである。
(2)鋳片先端が巻取機に達するまで 鋳造ロール11,12と搬送装置17との間に所望のフリール
ープ19が形成されると、演算制御装置23は、前述したよ
うに位置検出器21の出力信号に応答して、鋳造速度と搬
送速度とを一致させるよう搬送速度を制御する。即ち位
置検出器21の出力信号から現在のループ位置とループ位
置の目標値との差Δx1を求め、このループ位置偏差Δx1
から搬送速度の増減量Δv1を演算し、その増減量Δv1を
示す制御信号を搬送装置17の回転駆動機24に出力する。
これによりループ位置が目標値となるよう制御される。
即ち、ループ位置が第1図で破線で示すように上がりぎ
みになると、搬送速度を遅くする。これにより、鋳造ロ
ール11,12直下の鋳片16に過度の張力が作用することが
防止され、この部分で鋳片が破断することが防止され
る。
一方、巻取機18においては、最初は、巻取速度が搬送速
度より数%遅くなるように、巻取機の回転駆動機28を搬
送速度に連動して制御する。これは、制御開始時には鋳
片16が真直状になっており、移動速度を遅くしてこの部
分に張力検出器25のロール26が進入するループを形成す
るためである。このとき張力検出器25のロール26は鋳片
16の通過領域から下方に退避しており、鋳片16の先端ク
ロップを切断機20で切断した後、鋳片の先端が巻取機18
に達し、巻取が開始されると、ロール26は鋳片16の通過
領域まで上昇し、張力を検出し始める。
(3)鋳片先端が巻取機に達した後 搬送装置17に対しては、演算制御装置23による上述した
搬送速度の制御が引き続き行われる。
巻取機18に対しては、演算制御装置27は、前述したよう
に張力検出器25の出力信号に応答して、鋳片張力を目標
値に一致させるよう巻取速度を制御する。即ち張力検出
器25の出力信号から現在の鋳片張力と張力目標値との差
Δx2を求め、この張力偏差Δx2から巻取速度の増減量Δ
v2を演算し、その増減量Δv2を示す制御信号を巻取機18
の回転駆動機28に出力する。これにより張力が目標値と
なるよう制御される。即ち、張力が目標値よりも大きく
なり、第1図で破線で示すように鋳片の位置が下がり気
味になると、巻取速度を遅くする。これにより、搬送装
置17と巻取機18の間に過度の張力が発生し、その張力が
搬送装置17を越えて鋳造ロール11,12の直下まで及び、
この部分で鋳片が破断することが防止される。
なお演算制御装置23,27のそれぞれの関数関係は、上述
し、第1図に例示するような折れ線の関係に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
変型が可能である。例えば、折れ線の接続部を曲線で滑
らかにつながる形状としてもよいし、あるいは上下限を
完全な水平にせず、若干の勾配を付けてもよい。
次に上述した位置検出器21の具体的構造を第2図及び第
3図を参照して説明する。
ロール22はアーム30の一端に設けらた片持部31に回転自
在に取り付けられ、アーム30の他端は軸受32にて回転自
在に支持され、かつ軸33を介して回転角度検出器34に結
合されている。アーム30の中間部は、適所に取り付けら
れたスプリング35により、ロール22が鋳片16上に押し付
けられる方向に引っ張られている。鋳片16の外側には空
気シリンダ36が設けられ、そのロッド先端37がアーム30
に係合して、空気シリンダ36の収縮と伸長により、ロー
ル22を実線で示す作動位置と二点鎖線で示す退避位置と
の間で移動させるようになっている。ロッド先端37は、
ロール22の作動位置において、図示のようにアーム30か
ら離れるように位置決めされている。この離間距離は、
フリーループ19のループ位置検出中、ループ位置の変動
に従ってアーム22が揺動する際に、アーム22のこの揺動
を妨げないように定められている。
この具体例では、ループ位置はアーム30の揺動角度とし
て検出され、これが目標値となるように、演算制御装置
23により搬送装置17の搬送速度が制御される。
張力検出器25は、この第2図及び第3図に示す位置検出
器21の構造を利用して、次のように構成することができ
る。即ち、アーム30を空気シリンダ36のロッド先端37で
支持し、ロール26の退避位置においては空気シリンダ36
を収縮させ、作動位置においては空気シリンダ36を伸長
させる。スプリング35はこの場合設けない。これにより
ロール26を作動位置に置く空気シリンダ36の伸長位置に
おいては、ロール26は空気シリンダ36内の空気により弾
性支持され、鋳片16の張力に応じてロッド先端37の位置
を変位させ、その変位が回転角度検出器34によりアーム
30の揺動として検出される。
以上本発明を双ロール式の薄板連続鋳造機に適用した例
を説明したが、本発明はこれのみに限定されず、他の型
の連続鋳造機に適用しても同様の効果を得ることができ
るものである。
例えば、第4図及び第5図に示すように、鋳造ロール4
0,41及び50,51から水平に鋳片42,52を送り出す水平送り
出し方式の薄板連続鋳造機43,53に本発明を適用するこ
とができ、この場合第1図に示す実施例と同様、鋳造ロ
ール40,41及び50,51と搬送装置44,54との間にフリール
ープ45,55を形成し、この部分の鋳片にループ位置を検
出する位置検出器46,56を設置する。また、図示しない
搬送装置44,54と巻取機との間に、第1図の実施例と全
く同様に張力検出器を設置する。これら検出器の出力信
号はそれぞれの演算制御装置に送られ、搬送速度及び巻
取速度が制御される。
また第6図に示すように、鋳造ロール60,61から斜め下
方に鋳片62を送り出す方式の薄板連続鋳造機63にも、同
様に鋳造ロール60,61と搬送装置64の間にフリーループ6
5とループ位置検出器66を設けることにより、本発明を
適用することができる。
また第7図及び第8図に示すように、ロールの代わりに
1対のキャタピラブロックからなる回転循環体70,71や
エンドレスベルト80,81を用いる型の薄板連続鋳造機72,
82にも、それらと搬送装置73,83との間に鋳片74,84のフ
リーループ75,85を形成し、ループ位置検出器76,86を配
置するなどして、同様に本発明を適用することができ
る。
また以上の実施例ではフリーループのループ位置及び張
力を制御するのにそれぞれ搬送装置の搬送速度及び巻取
機の巻取速度を制御するようにしたが、搬送装置及び巻
取機をそれぞれ鋳片の走行方向に対して移動自在に支持
し、搬送装置及び巻取機をそれぞれその走行方向に揺動
させることにっより、ループ位置及び張力を制御するよ
うにしてもよい。
また以上の実施例では、搬送装置及び巻取機をそれぞれ
1台づつ配置した場合について説明したが、これに限定
されるわけではなく、それぞれ2台以上設置してもよ
い。巻取機を2台配置した場合には、これらを交互に使
用することにより生産性を向上させることができる。
また連続鋳造機と巻取機の間の適所に鋳片の端部トリム
装置や熱処理装置を設ける等、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々の変更を加えることができるものであ
る。
〔発明の効果〕
以上明らかな通り、本発明の薄板連続鋳造設備によれ
ば、鋳片強度の小さな鋳型出口部の鋳片に作用する張力
を小さくすることができ、この部分で鋳片に破断が生じ
難くなり、長時間安定して連続鋳造を行うことができ、
省エネルギ、省工程にもつながるなど、顕著な効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による薄板連続鋳造設備の全
体構成を示す概略図であり、第2図はその連続鋳造設備
における位置検出器の具体的構造を示す概略側面図であ
り、第3図は同位置検出器の概略上面図であり、第4図
及び第5図は鋳片を水平に送り出す方式の薄板連続鋳造
機に本発明を適用した実施例を示す薄板連続鋳造設備の
部分概略図であり、第6図は鋳片を斜め下方に送り出す
方式の薄板連続鋳造機に本発明を適用した実施例を示す
薄板連続鋳造設備の部分概略図であり、第7図及び第8
図は、それぞれキャタピラブロック式の回転循環体及び
エンドレスベルトを用いた薄板連続鋳造機に本発明を適
用した実施例を示す薄板連続鋳造設備の部分概略図であ
り、第9図は従来の薄板連続鋳造設備を示す概略図であ
る。 符号の説明 10……薄板連続鋳造機、16……鋳片 17……搬送装置、18……巻取機 19……フリーループ、21……位置検出器 23……演算制御装置、25……張力検出器 27……演算制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 和夫 山口県新南陽市大字富田4976番地 周南製 鋼所内 (72)発明者 近間 次雄 山口県新南陽市大字富田4976番地 周南製 鋼所内 (72)発明者 池田 真一 山口県新南陽市大字富田4976番地 周南製 鋼所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄板連続鋳造機の下流に少なくとも1台の
    鋳片搬送装置を設置し、溶湯から直接、薄板鋳片を連続
    的に鋳造する薄板連続鋳造設備において、 薄板連続鋳造機と鋳片搬送装置との間に鋳片のフリール
    ープを形成し、このフリーループにそのループ位置を検
    出する位置検出手段を設け、鋳片搬送装置にその位置検
    出手段の出力信号に応答してループ位置を一定とする制
    御信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする薄
    板連続鋳造設備。
  2. 【請求項2】制御手段が、位置検出手段の出力信号から
    鋳片搬送装置の搬送速度を求め、この搬送速度に一致す
    るよう鋳片搬送装置の駆動装置を制御するようになって
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の薄板
    連続鋳造設備。
  3. 【請求項3】制御手段が、位置検出手段の出力信号から
    現在のループ位置とループ位置の目標値との差を求め、
    その差から鋳片搬送装置の搬送速度の増減量を演算し、
    その搬送速度の増減量を制御信号として出力する演算制
    御装置を有し、その搬送速度の増減量に上下限を設けた
    ことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の薄板連続
    鋳造設備。
  4. 【請求項4】鋳片搬送装置の下流に少なくとも1台の巻
    取機と設置し、鋳片搬送装置とこの巻取機との間に鋳片
    の張力を検出する張力検出手段を設け、巻取機にその張
    力検出手段の出力信号に応答して張力を一定とする制御
    信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項から第3項までのいずれか1項に記載
    の薄板連続鋳造設備。
  5. 【請求項5】制御手段が、張力検出手段の出力信号から
    巻取機の巻取速度を求め、この巻取速度に一致するよう
    巻取機の駆動装置を制御するようになっていることを特
    徴とする特許請求の範囲第4項記載の薄板連続鋳造設
    備。
  6. 【請求項6】薄板連続鋳造機の下流に少なくとも1台の
    鋳片搬送装置を設置し、そのさらに下流に少なくとも1
    台の巻取機を設置し、溶湯から直接、薄板鋳片を連続的
    に鋳造する薄板連続鋳造設備において、 鋳片搬送装置と巻取機との間に鋳片の張力を検出する張
    力検出手段を設け、巻取機にその張力検出手段の出力信
    号に応答して張力を一定とする制御信号を出力する制御
    手段を設けたことを特徴とする薄板連続鋳造設備。
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