JPH0712088B2 - 光センサ−の連続製造装置 - Google Patents

光センサ−の連続製造装置

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JPH0712088B2
JPH0712088B2 JP60288213A JP28821385A JPH0712088B2 JP H0712088 B2 JPH0712088 B2 JP H0712088B2 JP 60288213 A JP60288213 A JP 60288213A JP 28821385 A JP28821385 A JP 28821385A JP H0712088 B2 JPH0712088 B2 JP H0712088B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、非単結晶半導体を用いた光センサー及びその
製造方法と製造装置に関する。
〔従来技術の説明〕
従来光センサーは各種分野において種々の用途に用いら
れており、例えば、フアクシミリーの送信機や複写機に
おいては、原稿読み取り用の光センサーが用いられてい
る。
こうした光センサーには種々のものがあるが、中でもア
モルフアス半導体や多結晶半導体等の非単結晶薄膜半導
体を光電変換層に用いたものは、非単結晶薄膜半導体が
優れた光電変換機能を有する材料であり、また、大面積
化が容易であることから、好ましいものとされている。
該非単結晶半導体を光電変換層として用いた光センサー
は、電気絶縁性の基板の上に非単結晶半導体からなる光
電変換層を設けたものであるが、該非単結晶半導体から
なる層を形成する方法についてもいくつか提案されてお
り、真空蒸着法、イオンプレーテイング法、反応性スパ
ツタリング法、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD等があ
り、中でもプラズマCVD法は至適なものとして実用に付
され一般に広く知られているところである。
ところで従来の非単結晶半導体で構成される光電変換層
は、例えばプラズマCVD法により得られるものは、特性
発現性に富み一応満足のゆくものとされてはいるもの
の、それであつても、確固たる当該製品の成立に要求さ
れる、電気的、光学的、光導電的特性、繰返し使用につ
いての耐疲労特性、使用環境特性の点、経時的安定性お
よび耐久性の点、そして更に均質性の点の全ての点を総
じて満足せしめる、という課題を解決するには未だ問題
のある状態のものである。その原因は、目的とする光電
変換層が、使用する材料もさることながら、単純な層堆
積操作で得られるという類のものではなく、就中の工程
操作に熟練的工夫が必要とされるところが大きい。
因みに、例えば、いわゆる熱CVD法により、アモルフア
スシリコン(以下、「a-Si」と表記する。)膜を形成す
る場合、ケイ素系気体材料を希釈した後いわゆる不純物
を混入し、ついで500〜650℃といつた高温で熱分解する
ことから、所望のa-Si膜を形成するについては緻密な工
程操作と制御が要求され、ために装置も複雑となつて可
成りコスト高のものとなるが、そうしたところで均質に
して前述したような所望の特性を具有するa-Siで構成さ
れた光電変換層を定常的に得ることは極めてむずかし
く、したがつて工業的規模には採用し難いものである。
また、前述したところの、至適な方法として一般に広く
用いられているプラズマCVD法であつても、工程操作上
のいくつかの問題、そしてまた設備投資上の問題が存在
する。工程操作については、その条件は前述の熱CVD法
よりも更に複雑であり、一般化するには至難のものであ
る。即ち、例えば、基体温度、導入ガスの流量並びに流
量比、層形成時の圧力、高周波電力、電極構造、反応容
器の構造、排気速度、プラズマ発生方式の相互関係のパ
ラメーターをとつてみても既に多くのパラメーターが存
在し、この他にもパラメーターが存在するわけであつ
て、所望の製品を得るについては厳密なパラメーターの
選択が必要とされ、そして厳密に選択されたパラメータ
ーであるが故に、その中の1つの構成因子、とりわけそ
れがプラズマであつて、不安定な状態になりでもすると
形成される膜は著しい悪影響を受けて製品として成立し
得ないものとなる。そして装置については、上述したよ
うに厳密なパラメーターの選択が必要とされることか
ら、構造はおのずと複雑なものとなり、装置規模、種類
が変れば個々に厳選されたパラメーターに対応し得るよ
うに設計しなければならない。こうしたことから、プラ
ズマCVD法については、それが今のところ至適な方法と
されてはいるものの、上述したことから、所望のa-Si膜
を量産するとなれば装置に多大の設備投資が必要とな
り、そうしたところで尚量産のための工程管理項目は多
く且つ複雑であり、工程管理許容幅は狭く、そしてまた
装置調整が微妙であることから、結局は製品をかなりコ
スト高のものにしてしまう等の問題がある。
また一方には、光センサーは多様化してきており、前述
の諸特性等の要件を総じて満足すると共に、適用対象、
用途に相応し、そして場合によつてはそれが大面積化さ
れたものである、安定なa-Siから構成される光電変換層
を有する光センサーを低コストで定常的に供給されるこ
とが社会的要求としてあり、この要求を満たす方法、装
置の開発が切望されている状況がある。
更にまた、光センサーの光電変換層は、多数のa-Si膜で
構成されている場合が多いが、こうした多層構成の光電
変換層を形成する場合には、堆積される層ごとに、前述
したところの種々のパラメーターを決定する必要がある
ため、多層構成の光電変換層を有する光センサーを効率
的に量産することは困難であるという問題がある。
これらのことは他の光電変換層を構成する非単結晶薄膜
半導体、例えば酸素原子、炭素原子及び窒素原子の中か
ら選ばれる少なくとも一種を含有するa-Si等で構成され
る非単結晶薄膜半導体についてもまた然りである。
〔発明の目的〕
本発明は、上述した従来の熱CVD法及びプラズマCVD法に
よる光電変換層の問題点を排除した新規な光センサーを
連続的に製造する装置を提供することを主たる目的とす
る。
即ち、本発明の主たる目的は、プラズマ反応を介するこ
となく、成膜空間において連続的に光電変換層を形成し
うる装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、成膜空間においてプラズマ反応を
介することなく、形成される膜の特性を保持し、堆積速
度の向上を図りながら、膜形成条件の管理の簡素化、膜
の量産化を容易に達成できるようにした、多層構成の光
電変換層を有する光センサーを連続的に製造しうる装置
を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明者らは、従来の光センサーについての諸問題を克
服して上述の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、
光センサーの光電変換層の形成に寄与する物質であつ
て、そのままのエネルギー状態ではほとんど乃至全く堆
積膜形成するところとはならない物質と、該物質と反応
してそれを電子論的に酸化(原子の酸化数を増加する)
する物質を選んで、両者を200〜300℃程度の品温に維持
されている基体の存在する単純反応域に気体状で各別の
径路で導入し、基体面の上部空間で接触せしめたとこ
ろ、両者間に化学的相互作用が生起して基体表面に堆積
膜が何らの固形粒子の形成をみることなく、極めて効率
的に形成され、その堆積膜は均質なものであつて優れた
電気的、光学的特性を有して優れた光電変換効率のもの
であることを確認し、ついで上記手法を用いて光センサ
ーの製造を試みたところ、電気的、光学的特性、耐疲労
特性、使用環境特性等の諸特性に優れ、且つ優れた光電
変換効率を有する光センサーが得られ、この方法は再現
性を有するものであることを確認した。
本発明者らは、これらの確認した事実関係に基づいて更
なる研究を行い、多層構成の光電変換層を有する光セン
サーを連続的に製造しうる装置を完成するに至つた。
本発明は、基体上に多層構成の光電変換層を有する光セ
ンサーを連続して製造する装置を提供するものである。
本発明により提供される装置は、基体上に光電変換のた
めの複数の層を有し、該層に一対の電極を有する光セン
サーを連続して製造する装置であって、該装置は、前記
基体上の層の数に対応した複数の連接した反応容器と、
前記反応容器の夫々に設けられたガス導入用配管と、前
記反応容器の夫々に設けられたガス排気手段と、前記反
応容器の夫々に前記基体を順次搬送する手段とから構成
されていて、前記反応容器に導入される層形成用の気体
状原料物質と該気体状原料物質に酸化作用する性質を有
する気体状酸化剤とが、前記反応容器内に配置された前
記基体の表面と対向する位置に設けられた前記ガス導入
用配管のガス排気口から夫々別の経路により導入される
と同時にプラズマ反応を介することなくして化学的に接
触するようにされていることを特徴とする。
本発明の装置により製造される光センサーの光電変換層
は、光電変換層形成用の原料ガスに放電エネルギー等を
作用させてガスプラズマを形成する従来のものとは異な
り、プラズマ反応を介することなく形成されたものであ
るため、成膜中にエツチングあるいはその他の、例えば
異常放電作用等の悪影響をうけることがなくなり、優れ
た光電変換機能を有するものである。
また、本発明の装置においては、プラズマ反応を介する
ことなく、成膜室に、光電変換層形成用の気体状原料物
質と該気体状原料物質に酸化作用する性質を有する気体
状酸化剤とを各々別の経路より導入するだけで、光電変
換層を形成せしめるものであるため、省エネルギー化と
同時に大面積化、膜厚および膜品質の均一性等を達成す
るとともに、管理の簡素化と量産化が可能となり、さら
に本発明の方法を実施するための装置は多大な設備投資
が不必要となり、装置の管理、調整も簡単となるもので
ある。
本発明の光センサーの製造装置において用いられる光電
変換層の形成に利用される原料物質(以下、「原料物質
(A)」と称す。」は、そのままのエネルギー状態では
ほとんど乃至全く堆積膜を形成するところとはならない
物質であるが、気体状酸化剤との化学的接触により酸化
作用をうけて励起状態の前駆体を含む複数種の前駆体を
生成するものであり、目的とする光受容層の種類、特
性、用途等によつて適宜選択される。そして、本発明の
光センサーの製造装置において用いられる原料物質
(A)は、気体状酸化剤と化学的に接触する際に気体状
となつているものであればよく、通常の場合、気体であ
つても、液体であつてもあるいは固体であつてもよい。
原料物質(A)が液体又は固体である場合には、Ar、H
e、N2、H2等のキヤリアーガスを用い、必要に応じては
熱を加えながらバブリングを行なつて、成膜空間内に気
体状原料物質(A)として導入せしめる。
また、本発明の光センサーの製造装置に用いる気体状酸
化剤は、前述の気体状原料物質に化学的に接触するだけ
で、効率的に酸化作用による励起化をおこす性質を有す
るものであり、空気、酸素、オゾン等の酸素類、N2O4
N2O3、N2O等の酸素又は窒素の化合物、H2O2等の過酸化
物、F2、Cl2、Br2、I2等のハロゲンガス、発生期状態の
弗素、塩素、臭素等が有用なものとしてあげられる。そ
して、本発明の装置に用いる気体状態酸化剤は、前述の
気体状原料物質(A)と化学的に接触する際に気体状と
なつているものであればよく、通常の場合、気体であつ
ても、液体であつても、あるいは固体であつてもよい。
酸化剤が液体又は固体である場合には、原料物質(A)
が液体又は固体である場合と同様にして、Ar、He、N2
H2等のキヤリアーガスを使用し、必要に応じて加熱しな
がらバブリングを行ない、成膜空間内に気体状の酸化剤
として導入せしめる。前述の気体状原料物質(A)と、
前述の気体状酸化剤とは、夫々所望の流量及び供給圧が
与えられて成膜空間内に導入され、夫々が混合衝突する
ことで化学的接触をし、気体状酸化剤が、気体状原料物
質(A)に酸化作用を施し、それにより励起状態の前駆
体を含む複数種の前駆体が効率的に生成され、それらの
うち少なくとも一種が供給源となつて光電変換層が堆積
形成されるところとなる。即ち、生成された励起状態の
前駆体は、分解又は反応して別の前駆体又は別の励起状
態にある前駆体となるか、あるいは、必要に応じてエネ
ルギーを放出するがそのままの形態で、成膜空間に配置
された光センサー用の基体表面に触れることにより、該
基体上に三次元ネツトワーク構造の膜が堆積される。な
お、この系にあつて、気体状酸化剤との化学的接触によ
り生成される励起状の前駆体のエネルギーレベルは、該
励起状態の前駆体がより低いエネルギーレベルにエネル
ギー遷移するか、又は別の化学種に変化する過程におい
て発光を伴うようなものであることが好ましい。かかる
エネルギーの遷移に発光を伴う励起状態の前駆体を含め
た複数種の前駆体が形成されることにより、光センサー
の光電変換層形成プロセスは、より効率的に、かつより
省エネルギーで進行し、受光膜全面にわたつて膜厚、膜
質ともに均一で、優れた光電変換機能を有する光センサ
ーを形成することができる。
次に、本発明の装置により提供される光センサーについ
て、図面により詳細に説明する。
第2(A),(C)乃至(E)図は、本発明の光センサ
ーの典型例を模式的に示す部分断面図であり、第2
(B)図は、第2(A)図に示す例の全体斜視図であ
る。
第2(A),(C),(D)に示す例は、基体側より光
が入射する形式の光センサーであつて、201は基体、202
は光電変換層、202′,202″は光電変換層を構成する
層、203はギヤツプ型電極、204は下引き層、205はオー
ミツクコンタクト層をそれぞれ示している。
第2(E)図に示す例は、光の入射が基体側及び光電変
換層側の両方から行なわれる形式の光センサーであつ
て、201は透過性基体、202は光電変換層、206は透明電
極をそれぞれ示す。
第2(A),(C)〜(E)図に示すいずれの形式につ
いても、基体201は、電気絶縁性のものであつて、例え
ば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、
セルローズアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等
の合成樹脂製のシート又はフイルム、ガラス、セラミツ
ク等が用いられる。そして該基体201の厚さは、所望す
る光センサーが得られるように適宜決定されるが、基体
の製造上、取り扱い上、そして機械的強度等の点から、
通常は1μ以上とされる。
また、光電変換層202は、光電変換機能を有する非単結
晶薄膜半導体で構成され、好ましくはシリコン原子(S
i)を母体とし、必要に応じて水素原子(H)又は/及
びハロゲン原子(X)を含有するアモルフアス材料(以
下、「a-Si(H,X)」と表記する。)で構成されてい
る。該ハロゲン原子(X)としては、具体的には、フツ
素、塩素、臭素、ヨウ素があげられるが、特に、フツ素
および塩素が好ましい。光電変換層202中に含有せしめ
る水素原子(H)の量、または水素原子(H)とハロゲ
ン原子(X)の量の和は、好ましくは1〜40atomic%、
より好ましくは5〜30atomic%とするのが望ましい。そ
して、ハロゲン原子(X)のみを含有する場合にあつて
は、その量の下限は好ましくは0.001atomic%、より好
ましくは0.01atomic%、最適には0.1atomic%とするの
が望ましい。
光電変換層202を必要に応じてp型又はn型とすること
ができ、このような場合、半導体分野においていうp型
不純物又はn型不純物を光電変換層102中にその量を制
御しながら含有せしめることによつて達成できる。光電
変換層中に含有せしめるp型不純物としては、周期律表
第III族Aの元素(以下、単に「第III族原子」と称
す。)、例えば、B、Al、Ga、In、Tl等が用いられ、中
でもB、Gaが至適である。また光電変換層中に含有せし
めるn型不純物としては、周期律表第V族Aの元素(以
下、単に「第V族原子」と称す。)、例えば、N、P、
As、Sb、Bi等が用いられ、中でもP、As、Sbが至適であ
る。これらの光電変換層中に含有せしめる量は、所望さ
れる電気的特性、光学的特性等の要因を考慮して適宜決
定されるものであるが、p型不純物については、好まし
くは3×10-2atomic%以下とし、n型不純物について
は、好ましくは5×10-3atomic%以下とする。
更に、本発明の光センサーの光電変換層202は、光セン
サー機能を充分に発揮する光電変換特性を奏するよう
に、マルチバンドギヤツプ化された多層構成であつても
よく、第2(C)図に示す例は、その典型例の1つであ
つて、光電変換層が層202′と層202″からなるものであ
る。
こうしたマルチバンドギヤツプ化された多層構成の層を
形成する方法の1つは、バンドギヤツプ調整元素であ
る、酸素原子、炭素原子、窒素原子、ゲルマニウム原子
及びスズ原子の中から選ばれる少なくとも一種を含有せ
しめることによつて達成できる。即ち、第2(C)図に
示す例において、層202′を酸素原子、炭素原子、窒素
原子、ゲルマニウム原子及びスズ原子の中から選ばれる
少なくとも一種を含有するa-Si(H,X)(以下、「a-Si
(O,C,N,Ge,Sn)(H,X)」と表記する。)で構成し、層
202″をこれらの原子のいずれも含有しないか、又は層2
02′とは別種の原子を含有するか、あるいは同種の場合
は含有量を変えたa-Si(H,X)で構成する。
また、マルチバンドギヤツプ化された多層構成の層を形
成する他の方法は、堆積膜の形成速度を変化させる方法
である。即ち、例えば第2(C)図に示す例において、
層202′を堆積膜の形成を高速度で行なつた層とし、層2
02″は堆積膜の形成を低速度で行なつた層とする。
本発明の装置により提供される光センサーにおける該光
電変換層202の層厚は、適用される光センサーの目的に
よつて適宜決められるものであるが、好ましくは0.05〜
100μ、より好ましくは0.1〜50μ、最適には0.5〜30μ
とするのが望ましい。
本発明の装置により提供される光センサーにおける前述
の基体201と光電変換層202との間には、必要に応じて第
2(D)図に示すごとき下引き層204を設けることがで
きる。該下引き層の材料としては、窒素原子を含有する
a-Si(H,X)、即ち、a-SiN(H,X)、あるいはSi3N4が用
いられる。
本発明の装置により提供される光センサーに用いられる
ギヤツプ電極203としては、すべての導電性材料が用い
られるが、好ましくは光電変換層202とオーミツクコン
タクトを行なうものであることが望ましい。オーミツク
コンタクトになる導電性材料としては、光電変換層202
にノンドープのa-Si(H,X)からなる膜を用いた場合、A
l,In等の低い仕事関数の金属を用いるか、あるいは、P
又はAs等の第V族原子を多量にドーピングして(通常は
100ppm以上)低抵抗化したa-Si(H,X)からなる膜を用
いる。あるいは、第2(D)図に示すように、光電変換
層202とAl等の導電性材料からなる電極203との間に、第
V族原子を多量にドーピングしたa-Si(H,X)からなる
膜で構成されるオーミツクコンタクト層205を設けるこ
ともできる。
更に、本発明の光センサーが、基体201側からと、光電
変換層202側の両方から光が入射する形式のものである
場合には、第2(E)図に示すごとく、透明な基体201
と光電変換層202との間、および光電変換層202の上に、
In2O3等の透明電極206を設ける。
また更に、第2(A),(C)〜(E)図に示すいずれ
の場合にも、最上層として絶縁層(図示せず)を設ける
ことができ、該絶縁層に用いる材料としては、窒素原子
を含むa-Si(H,X)やSi3N4等の絶縁性無機材料あるいは
各種の絶縁性有機樹脂材料を用いることができる。
以上、第2(A)乃至(E)図を用いて、本発明の装置
により提供される光センサーの層構成の典型例について
説明したが、本発明の装置により提供される光センサー
の層構成はこれらに限定されるものではなく、例えば、
光電変換層側より光が入射する形式の光センサーである
場合には、基体上にギヤツプ型電極を形成し、更にその
上に光電変換層を設けることもできる。
こうした本発明の装置により光センサーを作製するにつ
いては、前述のa-Si(H,X)を母体とする光電変換層202
のみならず、a-SiN(H,X)からなる下引き層204又は、
第V族原子を含有するa-Si(H,X)からなるオーミツク
コンタクト層、あるいはa-SiN(H,X)からなる絶縁層
を、前述した本発明の堆積膜の製造方法により形成する
ことができる。そして、これらの層を形成せしめるにつ
いては、前述の堆積膜形成用の気体状原料物質と気体状
酸化剤の種類と組み合わせを適宜選択して用いることに
より、目的に応じた所望の特性を有する層を得ることが
できる。
即ち、例えば光電変換層がa-Si(H,X)で構成される場
合であれば、気体状原料物質(A)として、ケイ素原子
(Si)と水素原子(H)を構成原子とするSiH4、Si
2H6、Si3H8、Si4H10等のシラン、あるいはSiH3Cl、SiH3
F、SiH3Br等の水素原子の多いハロゲン化シラン等を用
い、気体状酸化剤としてF2、Cl2、Br2、I2等のハロゲン
ガス、あるいは発生期の弗素、塩素、臭素等のハロゲン
系酸化剤を用いることができる。そして、気体状酸化剤
としては、特に好ましくはF2ガス、Cl2ガスを用いれば
よい。
又、p型不純物を含有するa-Si(H,X)で構成される層
を形成する場合であれば、前述の気体状原料物質に加え
て、p型不純物導入用の原料物質を用いればよい。この
ようなp型不純物導入用の原料物質としては、B2H6、B4
H10、B5H9、B6H10、B6H12、Al(CH3、Al(C
2H5、Ga(CH3、In(CH3等の第III族原子を
構成原子として含む化合物があげられるが、中でもB2H6
が好ましい。
同様に、n型不純物を含有するa-Si(H,X)で構成され
る層を形成するには、前述の気体状原料物質にn型不純
物導入用原料物質を含有せしめればよい。このようなn
型不純物導入用原料物質としては、PH3、P2H4、AsH3、S
bH3、BiH3等の第V族原子を構成原子として含む化合物
を用いるが、中でもPH3が好ましい。
また、a-Si(O,C,N,Ge,Sn)(H,X)で構成される層を形
成するについては、気体状原料物質(A)として、前述
のシラン化合物やハロゲン化シラン等のケイ素を構成成
分とする化合物にかえて、N2、NH3、H2NNH2、HN3、NH4N
3等の窒素原子を構成要素として含む化合物、あるいはC
H4、C2H6、C3H8、C2H4、C3H6、C2H2等の炭化水素化合
物、GeH4、Ge2H6、Ge3H8、Ge4H10、Ge5H12等のゲルマ
ン、SnH4等を用いる。また、気体状酸化剤としては、前
述のハロゲン系酸化剤及びO2、O3、N2O4、N2O3、N2O等
の酸素系、窒素系酸化剤の中から選ばれる少なくともい
ずれか一種を用いる。
本発明の光センサーの製造装置においては、成膜工程が
円滑に進行し、高品質で、所望の電気的、光学的特性を
有し、かつ、光電変換効率の高いものを得るべく、気体
状原料物質(A)と気体状酸化剤の種類を組み合わせ、
これ等の混合比、混合時の圧力、流量、成膜空間内の圧
力、キヤリアーガスの流量、成膜温度、ガスの流型等を
所望に応じて適宜選択する必要がある。そして、これら
の成膜における種々の因子は、有機的に関連するもので
あつて、単独で決定されるものではなく、相互関係を考
慮して決定される必要があるが、例えば、気体状原料物
質(A)と気体状酸化剤の割合は、導入流量比で、好ま
しくは1/100〜100/1とし、より好ましくは1/50〜50/1と
するのが望ましい。又、p型不純物又はn型不純物を構
成要素として含む気体状物質と気体状原料物質(A)の
量の割合は、導入流量比で、好ましくは1/106〜1/10、
より好ましくは1/105〜1/20、最適には1/105〜1/50とす
るのが望ましい。更に気体状原料物質(A)と気体状酸
化剤の混合時の圧力は、化学的接触の確立を高めるため
にはより高くする方が好ましいが、反応性を考慮して決
定するのが好ましく、好ましくは1×10-7〜10気圧、よ
り好ましくは1×10-6〜3気圧とするのが望ましい。
成膜空間内の圧力、即ち、その表面に成膜される基体が
配設されている空間内の圧力は、反応空間に於いて生成
される励起状態の前駆体及び場合によつて該前駆体より
派生的に生ずる前駆体が成膜プロセスに効果的に寄与す
る様に適宜所望に応じて設定される。
成膜空間の内圧力は、成膜空間が反応空間と開放的に連
続している場合には、気体状原料物質(A)とp型不純
物又はn型不純物導入用の気体状原料物質と気体状酸化
剤との反応空間での導入圧及び流量との関連に於いて、
例えば差動排気或いは、大型の排気装置の使用等の工夫
を加えて調整することができる。
或いは、反応空間と成膜空間の連結部のコンダクタンス
が小さい場合には、成膜空間に適当な排気装置を設け、
該装置の排気量を制御することで成膜空間の圧力を調整
することができる。
又、反応空間と成膜空間が一体的になつていて、反応位
置と成膜位置が空間的に異なるだけの場合には、前述の
様に差動排気するか或いは、排気能力の充分ある大型の
排気装置を設けてやればよい。
上記のようにして成膜空間内の圧力は、反応空間に導入
される気体状原料物質(A)とp型不純物又はn型不純
物導入用気体状原料物質と、気体状酸化剤の導入圧力と
の関係に於いて決められるが、好ましくは、0.001Torr
〜100Torr、より好ましくは、0.01Torr〜30Torr、最適
には、0.05Torr〜10Torrとするのが望ましい。
ガスの流型に就いては、反応空間への気体状原料物質
(A)、p型不純物又はn型不純物導入用気体状原料物
質及び気体状酸化剤の導入の際にこれ等が均一に効率良
く混合され、前記前駆体が効率的に生成され且つ成膜が
支障なく適切になされる様に、ガス導入口と基体とガス
排気口との幾何学的配置を考慮して設計される必要があ
る。
成膜時の基体温度としては、使用されるガス種及び形成
される堆積膜の種類と要求される特性に応じて、個々に
適宜所望に従つて設定されるが、非晶質の膜を得る場合
には好ましくは室温から450℃、より好ましくは50〜400
℃とするのが望ましい。殊に、より良好な光電変換特性
を有するa-Si(H,X)の膜を得る場合には、好ましく
は、70〜350℃とするのが望ましい。また、多結晶の膜
を得る場合には、好ましくは200〜650℃、より好ましく
は300〜600℃とするのが望ましい。
成膜空間の雰囲気温度としては、生成される前記前駆体
及び前記前駆体より派生的に生ずる前駆体が成膜に不適
当なものに変化せず、且つ効率良く前駆体が生成される
べく、基体温度との関連で適宜所望に応じて決められ
る。
次に、本発明の光センサーの連続製造装置について、図
面によりより詳しく説明するが、本発明はこれによつて
限定されるものではない。
第1図は、本発明の光センサーの連続製造装置の典型的
な例を模式的に示す断面略図である。
第1図に示す装置は、それぞれが成膜空間(a),
(b),(c)を有する反応容器(成膜室)A,B,C、該
反応容器A乃至Cへ供給させる原料ガス供給系(i)乃
至(iii)とに大別されて構成される。
図中、101〜108は原料ガスが充填されているボンベ、10
1a〜108aは夫々のガス供給パイプ、101b〜108bは夫々、
各ボンベからのガスの流量調整用のマスフローコントロ
ーラー、101c〜108cは夫々のガス圧力計、101d〜108d及
び101e〜108eはバルブ、101f〜108fは夫々のボンベ内の
圧力を示す圧力計を夫々示しており、ガスボンベ101,10
2を備えた原料ガス供給系(i)は前記気体状原料物質
(A)(例えばSiH4ガス、CH4ガス等)を供給するため
のものであり、ガスボンベ103〜105を備えた原料ガス供
給系(ii)は、p型不純物導入用原料物質(例えばB2H6
ガス等)又はn型不純物導入用原料物質(例えばPH3
ス等)を供給するためのものであり、ガスボンベ106〜1
08を備えた原料ガス供給系(iii)は、気体状酸化剤
(例えばF2ガスやO2ガス等)及び不活性ガス(例えばHe
ガス等)を供給するためのものである。
成膜空間(a),(b),(c)を備えた反応容器A,B,
Cは、それぞれ上壁、側壁、底壁により密封されてお
り、各反応容器は隔壁(側壁)により隔絶されて連結さ
れている。
反応容器A乃至Cのそれぞれにはそれぞれの上壁を貫通
する所定数のガス導入管が配管されており、該原料ガス
導入管の反応容器内での配管構造は、該複数の原料ガス
導入管の配管の下流に反応空間が形成されるように構成
されている。即ち、夫々の原料ガス導入管の系内配管
は、同心円の三重管構造となつており、内側から順に、
前記原料ガス供給系(i)からのガスを導入する第1の
ガス導入管109、原料ガス供給系(ii)からのガスを導
入する第2のガス導入管110、そして原料ガス供給系(i
ii)からのガスを導入する第3のガス導入管111が一束
を形成するようにされている。これらのガス導入管109
〜111の一端は原料ガス供給系(i)〜(iii)に、パイ
プライン及びバルブを介して連通するとともに、所定の
バルブを操作することにより、各原料ガス供給系(i)
〜(iii)から反応室A〜Cに供給される原料ガスの供
給量が調節できるように構成されている。また夫々のガ
ス導入管109〜111の他端は、各反応容器内に配置されて
いる光センサー用の基体118,118′,118″に対向したガ
ス排出口となつており、各ガス導入管109〜111のガス排
出口の位置は、内側のガス導入管になるほど基体118,11
8′,118″の表面位置から遠くなるようにされている。
反応容器A乃至Cの内部には、夫々基体ホルダー112,11
2′,112″が設けられており、基体ホルダー112,112′,1
12″の内部には、加熱用ヒーター113,113′,113″が設
けられている。該加熱用ヒーターは、基体118,118′,11
8″を成膜前に所定温度に加熱したり、成膜中所定温度
に保持したり、あるいは成膜後にアニール処理するため
のものである。該加熱用ヒーター113,113′,113″は、
夫々導線114,114′,114″を介して電源115,115′,115″
に接続されている。
119,119′,119″はそれぞれ反応容器A,B,Cの底側部に設
けられた排気口であり、該排気口はそれぞれバルブ手段
を備えた排気管を介して排気装置に連通している(この
ところ図示せず)。
112は、基体118,118′,118″を反応容器内に搬入し、そ
して成膜終了後系外に搬出するための搬送ベルトであ
る。
123は、搬送ベルト112の供給ローラであり、124は該搬
送ベルトの巻取りローラである。
搬送ベルト112は、供給ローラ123に始端し、巻取りロー
ラ124で終端する一体のものであり、各反応容器A,B,Cで
は基体ホールダー112,112′,112″の表面に面接して移
動する。そして、反応容器の側壁の搬送ベルト112の通
過部分には、上下に開閉すると共に内部を密封する形式
の扉125,126,127そして128が設けられている。
前記のそれぞれの扉は、搬送ベルト112のみの移動の際
には所定位置にあつて反応容器内部を密封してその部分
を摺移動できるようになつており、ベルト上に載置した
基体が反応容器に搬入されたり、そこから搬出されたり
する際には開いて基体がそこを支障なく通過できる空間
をもたらし、基体の通過後は所定の位置に戻るようにさ
れている。
即ち、成膜操作を開始するに先立つて、基体118を反応
容器Aの直前に位置するベルト122上に載置し、扉125を
開くと同時に巻取りローラを駆動させて基体118を反応
容器A内に搬入し、同時に扉125を閉じる。基体118が基
体ホルダー112上の所定位置に来たところで巻取りロー
ラ124の駆動を停止し、該基体表面上に第一の堆積膜形
成操作を開始する。前記第一の堆積膜形成が終了したと
ころで、前述と同様にして扉126、そして巻取りローラ
を操作して基体118を反応容器B内の基体ホルダー112′
上の所定の位置に移動させ、そこで基体118上に第二の
堆積膜を形成される(基体118′)。前記第二の堆積膜
形成が終了したところで、前述と同様にして扉127、そ
して巻取りローラを操作して基体118′を反応容器C内
の基体ホルダー112″上の所定の位置に移動させ、そこ
で第三の堆積膜を形成させる(基体118″)。第三の堆
積膜形成を終了した後は、前述と同様にして扉128、そ
して巻取りローラ124を操作し、基体118″を系外に搬出
する。
上記成膜操作はいずれも前述の排気装置を操作して真空
条件下で行われる。そして基体の反応容器への搬入、反
応容器から他の反応容器への移動、最終の成膜終了時最
終反応容器から系外への搬出の際は、関係する反応容器
内雰囲気を阻害しないようにすることが必要であり、そ
のために関係する雰囲気を等圧にすることが通常には行
われる。また、関係する雰囲気が反応容器間である場合
には、系内を同種の不活性ガスで等圧状態にさせてもよ
い。
上述の装置操作説明では、1個の基体の場合について述
べたが、本発明の装置においては複数個の基体について
同時に所定の成膜を行うことができ、その場合成膜製品
を連続して得ることができる。
その場合、図示の基体118について、反応容器Aにおい
て第一の成膜の終了したところで、該基体を反応容器B
に移すと同時に新たな別の基体(図示せず)を反応室B
に搬入し、そうしたところで後者については第二の成膜
を行い、前者については第一の成膜を行う。それらの成
膜が終了したところで、後者の基体は反応容器Cに移
し、前者の基体は反応容器Bに移し、更に新たな別の基
体を反応容器Aに搬入し、反応容器C内の基体には第三
の膜を、反応容器B内の基体には第二の膜を、そして反
応容器A内の基体には第一の膜をそれぞれ成膜する。そ
して三者の成膜が終了したところで、反応容器Cからは
成膜製品を搬出し、一方反応容器Aには新たな別の基体
を搬入して、上述と同様にして三者の基体のそれぞれに
ついて所定の膜を成膜する。
かくなる構成の本発明の装置は、基体上に形成される堆
積膜の数に応じた数の反応容器を設けるとともに、各反
応容器に基体を順次搬送する手段を設け、更に該搬送手
段を通過させるための上下開閉自在な扉を反応容器の側
壁に備えることにより、多層構造を有する光起電力素子
を連続して製造することができるものである。そして、
成膜室が1つであつた従来の装置の場合のごとく、形成
される堆積膜の種類に応じてたえず原料ガス供給系を制
御する必要はなくなり、各々の反応容器に供給する原料
ガスの流量、ガス圧等の諸条件を一度決定するだけで連
続して製造することができるので、諸特性および膜厚、
膜質等の安定した光センサーを効率的に量産することが
できるものである。
次に、本発明の装置の具体的操作について実施例を用い
てより詳しく説明するが、本発明の装置の操作はこれに
より限定されるものではない。
実施例1 第1図に示した装置を用いて、第2(D)図に示す光セ
ンサーを作製した。
なお、本例においては、反応容器A乃至C内に配置され
る基体の表面と原料ガス導入用の配管の先端位置とは4c
mとなるようにした。
まずガラス板を基体として用い、該基体を反応容器直前
で搬送ベルト122上に載置した。
扉125を開いて搬送ベルトを駆動し、該基体を基体ホル
ダー112上の所定位置まで搬送したところで搬送ベルト
の駆動を中止し、扉125,126を完全に閉じるとともに、
反応容器A内を排気バルブ(図示せず)を開いて十分に
真空排気した。これと同時に加熱ヒーターにより基体温
度が200℃となるまで加熱し、該温度に保持した。
こうしたところで、まずボンベ101に充填されているSiH
4ガス30SCCMとボンベ102に充填されているNH3ガス30SCC
Mを原料ガス導入管109を介して反応容器Aに導入した。
また、ボンベ107に充填されているHeガス45SCCMをガス
導入管111を介して反応容器Aに導入した。夫々のガス
流量が安定したところで反応容器A内の圧力を排気バル
ブ(図示せず)を調整して、1.0Torrに設定した。この
状態で、ボンベ106に充填されているF2ガス5SCCMをガス
導入管111を介して反応容器A内に導入した。この時、S
iH4ガスとF2ガスの混合域で青白い強い発光が観察され
た。このままの状態で3分間保持し、その後、すべての
原料ガスの導入を中止した。その結果、ガラス板上に約
1000Åの膜厚を有するa-SiN:H:Fからなる下引き層204が
形成された。
次に排気バルブを開いて反応容器Aを排気し10-5Torrの
真空度とするとともに、反応容器Bも真空排気して10-5
Torrの真空度とした。反応容器A及びBのガス圧が同じ
になつたところで扉126を開くとともに、搬送ベルトを
駆動し、a-SiN:H:Fからなる下引き層204が形成されてい
る基体118′を基体ホルダー112′上の所定位置に搬送し
た。この際反応容器A及びBのガス圧が同じであるた
め、反応容器A内のガスと反応容器B内のガスとが混合
してしまうことはない。(なお、本実施例においては反
応容器A及びBの真空度が同じになる様に真空排気した
が、真空排気は必ずしも必要ではなく、反応容器Aと反
応容器Bのガス圧が同じであればよい。例えば原料ガス
や不活性ガスを導入したままで、ガス圧さえ同じにして
おけば、反応容器Aのガスと反応容器Bのガスが互いに
混じり合うことはない。) 基体ホルダー112′上の所定位置に達したところで扉126
を閉じ、加熱ヒーター113′により基体118′を200℃に
加熱保持した。
こうしたところで、ガスボンベ101に充填されているSiH
4ガス30SCCMをガス導入管109を介して反応容器Bに導入
し、同時にガスボンベ107に充填されているHeガス45SCC
Mをガス導入管111を介して反応容器Bに導入した。夫々
のガスの流量が安定したところで排気バルブ(図示せ
ず)を調整して、反応容器B内の圧力を1.0Torrに設定
した。こうしたところへ、ボンベ106に充填されているF
2ガス5SCCMをガス導入管111を介して成膜室B内に導入
する。そのままの状態で1時間保持し、その後すべての
原料ガスの導入を中止したところ、すでに形成されてい
るa-SiN:H:Fからなる下引き層204の上に、a-Si:H:Fから
なる光電変換層202が約1.0μの膜厚に形成された。
次に、反応容器及びCを真空排気し、夫々10-5Torrの真
空度とした。反応容器B及び反応容器Cのガス圧が同じ
になつたところで扉127を開き、搬送ベルトを駆動し
て、a-Si:H:Fからなる光電変換層202の形成された基体1
18″を基体ホルダー112″上の所定位置まで搬送し、搬
送ベルトの駆動を中止した。扉127を閉じた後、ボンベ1
01に充填されているSiH4ガス30SCCMをガス導入管109を
介して反応容器Cに導入し、またボンベ104に充填され
ているHeガスで5000ppmに希釈されたPH3ガス(以後、
「PH3/Heガス」と表記する。)6SCCMをガス導入管110″
を介して反応容器C内に導入しさらにボンベ107に充填
されているHeガス45SCCMをガス導入管111を介して反応
容器C内に導入した。反応容器C内のガス圧を1.0Torr
に設定したのち、ボンベ106に充填されているF2ガス5SC
CMをガス導入管111′を介して反応容器Cに導入し、そ
のままの状態で1分間保持し、その後、すべての原料ガ
スの導入を中止した。その結果、前記のa-Si:H:F層上
に、約300Åの膜厚を有するn型a-Si:H:F:Pからなるオ
ーミツクコンタクト層205が形成された。
最後に扉128を開くとともに、搬送ベルトを駆動して、
前記の三つの層が形成された基体を反応容器外へ搬出し
た。搬送ベルト上の基体をとり出し、これを更に別の反
応容器に入れ、ギヤツプ長2.5cm、ギヤツプ間隔0.2mmの
くし型Al電極203を約500Åの膜厚となるように真空蒸着
法により形成し、第2(D)図に示す層構成の光センサ
ーを得た。
こうして得られた光センサーについて検討したところ、
基体上に形成された各層はいずれも膜厚、膜質ともに均
一で、すぐれた品質を有するものであつた。
また、得られた光センサーに電圧を印加し、流れる電流
を測定したところ、光照射時と暗時との電流の比は1×
1040であつた。また24時間光照射を続けた後でもこの値
はかわらなかつた。なお光射射はガラス板側より行なつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光センサーの連続製造装置の典型例
を模式的に示す図であり、第2(A)乃至(E)図は、
本発明の連続製造装置を用いて製造される光センサーの
構成の典型例を示す模式図である。 第1図について、 101〜108……ガスボンベ、101a〜108a……ガス供給パイ
プ、101b〜108b……マスフローコントローラー、101c〜
108c……ガス圧力計、101d〜108d,101e〜108e……バル
ブ、101f〜108f……ガス圧力計、109〜109″,110〜11
0″,111〜111″……原料ガス導入管、112〜112″……基
体ホルダー、113〜113″……加熱ヒーター、114〜114″
……導線、115〜115″……電源、118〜118″……基体、
119〜119″……排気口、122……搬送ベルト、123……搬
送ベルト供給ローラー、124……搬送ベルト巻取りロー
ラー、125〜128……上下開閉自在扉、A,B,C……反応容
器、(a),(b),(c)……反応空間 第2図について 201……基体、202……光電変換層、202′,202″……光
電変換層を構成する層、203……ギヤツプ型電極、204…
…下引き層、205……オーミツクコンタクト層、206……
透明電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に光電変換のための複数の層を有
    し、該層に一対の電極を有する光センサーを連続して製
    造する装置であって、前記基体上の層の数に対応した複
    数の連接した反応容器と、前記反応容器の夫々に設けら
    れたガス導入用配管と、前記反応容器の夫々に設けられ
    たガス排気手段と、前記反応容器の夫々に前記基体を順
    次搬送する手段とから構成されていて、前記反応容器に
    導入される層形成用の気体状原料物質と該気体状原料物
    質に酸化作用する性質を有する気体状酸化剤とが、前記
    反応容器内に配置された前記基体の表面と対向する位置
    に設けられた前記ガス導入用配管のガス排気口から夫々
    別の経路により導入されると同時にプラズマ反応を介す
    ることなくして化学的に接触するようにされていること
    を特徴とする光センサーの連続製造装置。
  2. 【請求項2】前記反応容器の夫々における前記基体を順
    次搬送する手段が、搬送ベルトである特許請求の範囲第
    (1)項に記載された光センサーの連続製造装置。
  3. 【請求項3】前記反応容器の側壁の搬送ベルトの通過部
    分に、上下に開閉すると共に反応容器内部を密封する形
    式の扉が設けられている特許請求の範囲第(2)項に記
    載された光センサーの連続製造装置。
  4. 【請求項4】前記ガス導入用配管が、同心円の多重管構
    造を有している特許請求の範囲第(1)項に記載された
    光センサーの連続製造装置。
  5. 【請求項5】前記ガス導入用配管が、同心円の多重管構
    造を有しており、かつ、内側のガス導入管になるほどガ
    ス排出口の位置が基体の表面位置から遠くなるようにさ
    れている特許請求の範囲第(4)項に記載された光セン
    サーの連続製造装置。
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