JPH0712081B2 - 電界効果トランジスタ−及び周波数逓倍器 - Google Patents

電界効果トランジスタ−及び周波数逓倍器

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JPH0712081B2
JPH0712081B2 JP3612586A JP3612586A JPH0712081B2 JP H0712081 B2 JPH0712081 B2 JP H0712081B2 JP 3612586 A JP3612586 A JP 3612586A JP 3612586 A JP3612586 A JP 3612586A JP H0712081 B2 JPH0712081 B2 JP H0712081B2
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    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/772Field effect transistors

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子の平均自由行程が長く、非線形性の強い
応答を示す電界効果トランジスター及びこの電界効果ト
ランジスタを利用した周波数逓倍器に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、周波数逓倍器などに用いられる非線形応答を示す
半導体素子としては、ダイオードなどが用いられてい
た。ダイオードの電流−電圧特性(応答関数)を第9図
に示す。このダイオードの両端に第10図(a)に示す様
な、周波数fの正弦波形の電位差を加えると、第9図の
応答関数により電流は第10図(b)の様にひずんだ正弦
波形になる。第10図(b)をフーリェ解析すると、周波
数fの成分の他に2f,3f,…など様々な周波数成分が生じ
る。この2f成分等の高調波成分をとり出して利用するの
が、周波数逓倍器である。しかし、この方法では、第9
図の応答関数が直線波形に近いので、第10図(b)のフ
ーリェ成分の高調波部分の割り合いが基本波に対して小
さくなる。このため、非線形変換効率が悪くなるという
欠点を有していた。
また、電子の平均自由行程が長い電界効果トランジスタ
ーの第1及び第2の例が、アイビーエムテクニカルディ
スクロージャブルテン第27巻第4B号第2592ページ〜2593
ページ(IBM Technical Disclosure Bulletin Vol.27N
o.4B Sept.1984 P2592〜2593)に開示されている。これ
らの例について文献中に非線形性に関する開示はない
が、その構成から非線形をこれらの例が有する可能性が
ある。第1の例は図11(a)に示すようにn型不純物を
添加されたGa1-yAlyAsからなるキャリア供給層14と超格
子層20とが第3の境界面103を有し、超格子層20は真性
に近い無添加のGa1-xAlxAs層17(x<y)と真性に近い
無添加のGaAs層19とが第3の境界面に沿って交互に周期
的に配置されている超格子構造を有し、超格子層20内の
第3の境界面103に接する領域にチャンネル15が形成さ
れることを特徴とする電界効果トランジスターである。
なお、結晶製造時に意識的に不純物を添加しなくても、
無添加の層17及び19には少量の不純物が含まれてしま
う。真性に近いとは、このような無添加状態で含まれて
しまう不純物濃度を含むものとする。GaAs-GaAlAs系で
はこの不純物濃度は1015cm-3のオーダーである。GaAs層
19及びGa1-xAlxAs層17はGa1-yAlyAsから成るキャリア供
給層14に比して禁制帯幅が狭く、伝導帯のエネルギー準
位が低く、かつキャリア供給層14はn型の不純物濃度が
1016cm-3と高いため、その電子の一部は超格子層20に流
れ込み、同時にキャリア供給層14内の第3の境界面103
近傍に電子の存在しない空乏層部分18が生じる。空乏層
部分18の陽性のドナーが超格子層20に存在する電子をひ
きつけるため、超格子層20に存在する電子は超格子層20
内の第3の境界面103に接する領域のチャンネル15にの
み存在する。なおキャリア供給層14の厚さは約1μm、
超格子構造のGaAs層19とGa1-xAlxAs層17の厚さはそれぞ
れ約100Åである。
ドレインとソースとはチャンネル領域15の両側に設けら
れ(図示せず)、ゲート電極はキャリア供給層14の第3
の境界面103と反対の面側に設けられている(図示せ
ず)。この構造ではドレイン電極とソース電極間に電位
差VDSを与えるとチャンネル15にソース・ドレイン間電
流IDSが流れるが、この電流IDSをゲート電極とソース電
極間に印加するゲート電圧VGでコントロールすることに
より電界効果トランジスターとしての動作を得られる。
チャンネル15の領域を移動する電子の感じるポテンシャ
ルは禁制帯幅が周期的に変化する超格子構造を有する超
格子層20に変調されて第3図の様に、電子が集まるポテ
ンシャルが深い部分(GaAs層の部分)とポテンシャルが
浅い部分(Ga1-xAlxAs層の部分)が周期的に繰り返され
た形になる。
第2の例は、第11図(b)に示すように、第1の例のキ
ャリア供給層14と横変調ドープ層20の間に真性に近い無
添加のGaAsからなるチャンネル層13が挿入された構成に
なっており、チャンネル層13にチャンネルが形成される
ことを特徴とする電界効果トランジスターである。その
他の構成は第1の例と同様であり、第1の例と同じ符号
を用いて説明する。GaAs19,13はGa1-yAlyAs14に比して
禁制帯幅が狭く、伝導帯のエネルギー準位が低く、かつ
キャリア供給層14はn型の不純物濃度が1016cm-3と高い
ため、その電子の一部はチャネル層13に流れ込み、同時
にキャリア供給層14内にチャンネル層13との第4の境界
面104近傍に電子の存在しない空乏層部分18が生じる。
空乏層部分18の陽性のドナーがチャンネル層13に電子を
ひきつけ、また超格子層20の平均ポテンシャルがチャン
ネル層13より高いために、電子は超格子層20に入らずチ
ャンネル層13のみに存在する。なお、チャンネル層13の
厚みは約100Åである。第2の例においても第1の例と
同様に電界効果トランジスターとして動作する。
チャンネル層13を移動する電子の感じるポテンシャルは
チャンネル層13が超格子層20に接しているため、超格子
層20の周期的なポテンシャルに変調されて第3図の様
に、電子が集まるポテンシャルが深い部分(GaAs層の近
傍)とポテンシャルが浅い部分(Ga1-xAlxAs層の近傍)
が周期的に繰り返された形になる。
このような周期的ポテンシャルにおいて、フェルミレベ
ルがポテンシャルの浅い部分より高くなると周期的ポテ
ンシャルの中を2次元電子ガスが自由に運動できるよう
になる。しかしこのポテンシャルの中に散乱源が存在す
ると、電子が散乱を受けるので電子の平均自由行程が短
くなる。
もし、電子の平均自由工程がポテンシャルの周期2lより
十分長くなると、後述するように第6図のAのような非
線形の応答関数を得ることができる。
しかし第1,第2の例を含め従来の電界効果トランジスタ
ーではキャリア供給層14のドナーのランダム配置による
遠隔クーロン散乱を抑制することができず、この遠隔ク
ーロン散乱が2次元電子ガスデバイスの散乱時間τの上
限、電子の平均自由工程の上限を決めており、易動度の
上限を決めている。従来の電界効果トランジスターの第
2の例では、電子の平均自由行程が約2μm、易動度が
約1016cm2/V・sec、散乱時間が約4×10-11secと評価さ
れている。第1の例では、超格子層20とキャリア供給層
14との間の第3の境界面103での結晶性が良好でないこ
とから、電子は結晶性の乱れによる散乱を強く受け、第
2の例に比して電子の平均自由行程及び散乱時間は短く
なり、易動度は低くなる。なお、第2の例においてもチ
ャンネル層13は超格子層20と接しているため、チャンネ
ル層13を走行する電子はチャンネル層と超格子層20の境
界面の結晶性の乱れによる散乱を受ける。
このように従来の電界効果トランジスターは、ドナーの
ランダム配置のため、またチャンネルが超格子層の境界
面に接しているため、電子の平均自由行程、散乱時間、
易動度が制限をうけるという欠点があった。
また、後述の実施例において説明するように、従来の電
界効果トランジスターは電子の平均自由行程が制限を受
けることから、強い非線形応答特性を得られないという
欠点、さらに周波数逓倍器に応用しても変換効率が悪い
という欠点があった。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、2次元電子ガスの電子の平均自由行程
及び散乱時間が長く、易動度の大きい電界効果トランジ
スターを提供すること、また非線形応答性の強い電界効
果トランジスターを提供すること、またその非線形応答
性を応用して、変換効率の高い周波数逓倍器を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための具体的手段〕
本発明は、真性に近い第1の半導体からなる活性層と第
1の半導体より禁制帯幅が広い真性に近い第2の半導体
からなるバッファー層とが第1の境界面を有し、第2の
半導体にn型の不純物を添加した第3の半導体からなる
ドープ層と真性に近い第2の半導体からなる非ドープ層
が第1の境界面に沿って交互に周期的に配置された横変
調ドープ層とバッファー層とが第2の境界面を有し、活
性層の第1の境界面に接する領域にチャンネルが形成さ
れることを特徴とする電界効果トランジスターである。
〔作用〕
本発明では、活性層に比して禁制帯幅が広く不純物濃度
が高い超格子構造の横変調ドープ層のドープ層がキャリ
ア供給源となり、ドープ層の配置の周期性を反映してド
ナーの配置がランダムでなくチャンネルに沿って周期的
になることにより、ドナーのランダム配置に起因する遠
隔クーロン散乱を抑制できる。
またバッファー層の介在によりチャンネルが超格子界面
に接しないで、超格子層界面の結晶性の乱れの影響を受
けず、2次元電子ガスの平均自由行程及び散乱時間が長
く、易動度が大きい電界効果トランジスターを提供でき
る。また電子の平均自由行程が長いことを利用して非線
形応答性が強い電界効果トランジスターを提供できる。
さらに、強い非線形応答性を応用して変換効率の高い周
波数逓倍器を提供できる。
〔実施例〕
第1図は、本発明の実施例を説明する図であって、1は
ソース電極、2はゲート電極、3はドレイン電極、4は
真性に近い第1の半導体であるノンドープのGaAsからな
る活性層である。6は真性に近い第2の半導体である無
添加のAl1-xGaxAs(0≦x<1)からなるバッファー
層、7は第3の半導体であるn型不純物が添加されたAl
1-xGaxAsからなるドープ層、9は第2の半導体である無
添加のAl1-xGaxAsからなる非ドープ層であり、ドープ層
7と非ドープ層9が活性層4とバッファー層6との第1
の境界面101に沿って交互に周期的に配置され、超格子
構造の横変調ドープ層10を形成している。各部分の典型
的な大きさは、活性層4の厚み1μm、バッファー層6
の厚み100Å、ドープ層7及び非ドープ層9の厚み100Å
(すなわち周期200Å)である。例えば、活性層4及び
バッファー層6及び非ドープ層9の不純物濃度は約1015
/cm3、ドープ層7の不純物濃度は約1018/cm3である。
5は活性層4内の第1の境界面の近傍に形成されたチャ
ンネルである。Al1-xGaxAs6,7,9はGaAs4に比して禁制帯
幅が広く、伝導帯のエネルギー準位が高い。またドープ
層(n-Al1-xGaxAs層)7のn型不純物の濃度が高いた
め、その電子の一部は、活性層(GaAs層)4に流れ込
み、同時にドープ層7内のバッファー層6との第2の境
界面102の近傍に電子の存在しない空乏層部分8が生じ
る。空乏層部分8の陽性のドナーが活性層4に流れた電
子をひきつけるため、活性層4に存在する電子は活性層
4内の第1の境界面101の近傍のチャンネル5の領域に
のみ存在する。チャンネル5の領域及び空乏層部分8の
厚さは各々典型的には100Åである。活性層4の第1の
境界面101と反対側の面に接して、ソース電極1、ゲー
ト電極2、ドレイン電極3がこの順番に配置され、活性
層4及びバッファー層6内の一部の領域はn型不純物が
高濃度に添加されて、それぞれソース電極1及びドレイ
ン電極3に接し、かつチャンネル5のそれぞれの端に接
するソース11及びドレイン12になっており、それぞれソ
ース電極1及びドレイン電極3をチャンネル5の両端に
電気的に接続している。ソース11およびドレイン12はチ
ャンネル5に接していればよく、バッファ層6に達して
いなくてもよい。この構造でドレイン電極1とソース電
極3間に電位差VDSを与えるとチャンネル5にソース・
ドレイン間電流IDSが流れるが、この電流IDSをゲート電
極2とソース電極3間に印加するゲート電圧VGでコント
ロールすることにより、電界効果トランジスターとして
の動作を得られる。
チャンネル5の領域を移動する電子の感じるポテンシャ
ルは第2図のように周期的に分布する空乏層8に存在す
るドナーにより形成されるため、第3図のように電子の
集まるポテンシャルの深い部分21とポテンシャルの低い
部分22が周期的に繰り返される空間的に変調をうけた形
となる。ここにおいてポテンシャルの周期は超格子構造
の横変調ドープ層10の周期と同じであり、この例では20
0Åである。
またチャンネル5の領域のポテンシャルX1-X1′断面及
びX2-X2′断面について見ると第4図のようになる。第
4図において、実線はドープ層7(n-Al1-XGaxAs層)を
含む断面(X1-X1′断面)であり、チャンネル5ではポ
テンシャルが深くなり、かつ第1の境界面101に近ずく
に従って深くなっている。一点鎖線は非ドープ層9(i-
Al1-xGaxAs層)を含む断面(X2-X2′断面)であり、チ
ャンネル5ではポテンシャルが実線の部分に比して浅く
なり、かつ境界面近傍で底が平担になる。そしてポテン
シャルの底からフェルミレベルまで電子が満たされる。
チャンネル内のポテンシャルの深い部分と浅い部分のVO
(第3図参照)はポアソン方程式から導かれ、ドープ層
7の部分のn型不純物の濃度を1018cm-3とした時VOは5m
Vとなる。
ここで、電子の平均自由行程が第3図のポテンシャルの
周期2lに比べて十分長いものとし、この場合のソース・
ドレイン間電流IDSのフェルミレベル依存性を考える。
ここでチャンネル5の領域のポテンシャルの底からフェ
ルミレベルまでのエネルギーをEFとする。第5図(a)
ように超格子層20の第2の境界面102と反対側の面に基
板電極23を設け、ゲート電極2とソース電極1との間に
ソース電極1側が正になるように電圧VGを印加する。こ
のときソース電極1と基板電極23とを同電位にしてお
く。
ゲード電圧VG=0のときには第5図(b)のようにフェ
ルミレベルは平担であり、ゲート電圧VGを増加すると、
電位は主として不純物濃度が低いLで示す厚さ100Åの
バッファー層6、厚さ100Åのチャンネル5及び活性層
4内のポアッソン方程式で決まる約1μmの領域でほぼ
リニアに変化し、これに伴い、チャンネル5の領域にお
けるポテンシャルの底からフェルミレベルまでのエネル
ギーEFは、VGの増分に対して、チャンネル5領域の幅/
電位が変化する領域の幅(L)=約100Å/1μm=1/100
倍増加する。第3図のポテンシャルで形成される量子化
準位EMは近似的に (mは電子の有効質量、Mは整数)と表わされる。ソ
ース・ドレイン間電流IDSに寄与する電子はフェルミレ
ベル近傍にある電子である。EFがVO以下ではIDSは流れ
ない。EFが増加するに従い、IDSは増加するが、EFがEM
と一致するときには電子相互の干渉によりフェルミレベ
ル近傍の電子数が減小してIDSが減小する。この結果EF
とIDSとの間に第6図のAに示すような振動型の応答関
数が得られる。ここでIDSに対する電子の干渉による減
少分Iintの比Iint/IDSはeVO/EFに比例する。また第6図
中の破線は通常のオーム的特性 (ただしnは全電荷密度、τは散乱時間)を表わす。
第6図Aのような非線形の応答関数を得るための条件
は、電子の平均自由行程がポテンシャルの周期すなわち
超格子の周期2lより十分長いことである。
本発明の構成においては、バッファー層6の介在により
チャンネル5が結晶性の乱れを有する超格子層10の境界
面に接しないので、2次元電子ガスは結晶性の乱れによ
る散乱を受けない。
また本発明の構成においては、キャリア供給源であるド
ナーの配置はランダムでなく、超格子構造により周期的
に配置されているので、第3図のポテンシャル分布を形
成するが、電子のコヒーレンスすなわち電子の平均自由
行程を低下させないので、ドナーの配置による遠隔クー
ロン散乱は抑制される。従って電子の平均自由行程はフ
ォノン系による散乱でのみ制限される。このとき、4.2K
での動作の場合フォノン系の非弾性散乱で決まる易動度
が約9×106cm2/V・secであるため、電子の平均自由行
程は約10μmとなり、従来の電界トランジスターの例に
比して約5倍になっている(散乱時間も約5倍にな
る)。これは第3図のポテンシャルの同期にくらべて十
分長いため、第6図のAの非線形応答関数を得る条件を
みたしている。
第6図Aの応答関数が得られるときに、第1図のゲート
電極2を入力信号端子として、この入力信号端子に第7
図(a)のような正弦波形のゲート電圧VGを、EFがEM
中心にして振動するように印加すると第1図のソース電
極及びドレイン電極を出力信号端子として、この出力端
子端子間に、第7図(b)のように変化するソース・ド
レイン間電流IDSを得ることができる。第7図(b)の
A及びBはそれぞれ本発明及び従来例のIDSの時間変化
を示している。
第7図(b)のAでは明らかに第7図(a)の周波数の
2倍の周波数の信号成分が強く現われている。
第7図において、AではE1=57mVなので、EF=E1のとき
のIDSの干渉による減小分IintはIDSの約10%であり、十
分に大きい。しかし従来の電界効果トランジスターのよ
うに散乱時間τが短くなると、応答関数が第6図(b)
のBのように傾斜がゆるやかになり、かつ応答関数の山
や谷がブロードになるために同じVGの振幅に対して第7
図(b)のIDSの変化もBのように小さくなってしま
う。したがって、この電界効果トランジスターは強い非
線形応答特性を得られず、逓倍器に応用しても変換効率
が悪くなる。しかし本発明の電界効果トランジスターで
は、従来に比して長い電子の平均自由行程、すなわち長
い散乱時間を得ており、第6図の応答関数Aのように強
い非線形応答特性を得ることができ、第7図(b)のA
のように周波数逓倍器として使用した場合の変換効率を
高くできる。
なお、第1図の構造は、まずn型Al1-xGaxAs層7及び無
添加のAl1-xGaxAs層9を交互に分子線エピタキシャル法
などのエピタキシャル成長技術を用いて成長させ、その
後その側面をへき開又はエッチングで平担にしその側面
上にバッファー層6、活性層4を順次積層し、その上に
ソール電極1、ドレイン電極2、ゲート電極3を形成す
ることにより実現できる。
なお、本実施例では、2倍の周波数逓倍器への応用につ
いて説明したが、VGを2以上のEMを越えて振動させるこ
とにより3倍以上の周波数の信号成分が得られるので3
倍以上の周波数逓倍器に応用できる。
また超格子の積層方向を第1の境界面101に平行である
例を説明したが、積層方向が変っても空乏層部分が第1
の境界面に沿って周期的に配置されていれば良い。
また本実施例では、ソース電極及びドレイン電極を活性
層の表面に形成しているが、第8図のようにゲート電極
2直下の部分を除く活性層4及びあるいはバッファー層
6の一部を除去し、バッファー層6に直接接するソース
電極24、ドレイン電極25を形成し、ソース電極24及びド
レイン電極25をチャンネル5の両端に電気的に接続する
ように、n型の高不純物濃度のソース26及びドレイン27
を活性層4及びバッファー層6内の一部に形成しても良
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の電界効果トランジスターに
おいては、活性層に比して禁制帯幅が広く不純物濃度が
高い超格子構造の横変調ドープ層のドープ層がキャリア
供給源となり、ドープ層の配置の周期性を反映してドナ
ーの配置がランダムでなくチャンネルに沿って周期的に
なることにより、ドナーのランダム配置に起因する遠隔
クーロン散乱を抑制し、またチャンネルと超格子層の間
にバッファー層を介在させて超格子層の界面に生じる結
晶性の乱れによる影響をなくすことにより、2次元電子
ガスの平均自由行程及び散乱時間を長くでき、易動度を
大きくすることができる。また電子の平均自由行程が長
いことからゲート電圧の変化に対するソース・ドレイン
間電流の強い非線形応答特性を得ることができる。
さらに、この電界効果トランジスターの強い非線応答特
性を応用した本発明の周波数逓倍器においては、高い変
換効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成図、第2図は本発明におけるチャ
ンネルの領域のポテンシャルの差異を説明するための
図、第3図は第1図及び第8図の構成におけるチャンネ
ルの領域のポテンシャルの図、第4図は本発明のX1-
X1′断面及びX2-X2′断面におけるポテンシャルの図、
第5図はゲート電圧VGとフェルミレベルとの関係を説明
するための図、第6図は本発明におけるソース・ドレイ
ン間電流IDSとフェルミレベルの関係図、第7図は本発
明による非線形変換を説明するための図、第8図は本発
明の別の構成図、第9図は従来の非線形性を示すダイオ
ードの電流−電圧特性、第10図はダイオードによる非線
形変換を説明するための図、第11図は従来の非線形性を
示す電界効果トランジスターの構成図である。 1,24……ソース電極、2……ゲート電極、3,25……ドレ
イン電極、4,14……活性層、5,15……チャンネル、6…
…バッファー層、7……ドープ層,8,18……空乏層部
分、9……非ドープ層、10……横変調ドープ層、11,26
……ソース、12,27……ドレイン、13……チャンネル
層、17……Ga1-xAlxAs層、19……GaAs層、20……超格子
層、21……チャンネル内のポテンシャルの深い部分、22
……チャンネル内のポテンシャルの浅い部分、23……基
板電極、101……第1の境界面、102……第2の境界面、
103……第3の境界面、104……第4の境界面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真性に近い第1の半導体からなる活性層と
    該第1の半導体より禁制帯幅が広い真性に近い第2の半
    導体からなるバッファー層とが第1の境界面を有し、該
    第2の半導体にn型あるいはP型の不純物を添加した第
    3の半導体からなるドープ層と真性に近い該第2の半導
    体からなる非ドープ層とが該第1の境界面に沿って交互
    に周期的に配置された横変調ドープ層を形成し、該横変
    調ドープ層と該バッファー層とが第2の境界面を有し、
    該活性層内の該第1の境界面に接する領域にチャンネル
    が形成されることを特徴とする電界効果トランジスタ
    ー。
  2. 【請求項2】真性に近い第1の半導体からなる活性層と
    該第1の半導体より禁制帯幅が広い真性に近い第2の半
    導体からなるバッファー層とが第1の境界面を有し、該
    第2の半導体にn型あるいはP型の不純物を添加した第
    3の半導体からなるドープ層と真性に近い該第2の半導
    体から成る非ドープ層とが該第1の境界面に沿って交互
    に周期的に配置された横変調ドープ層を形成し、該横変
    調ドープ層と該バッファー層とが第2の境界面を有し、
    該活性層内の該第1の境界面に接する部分にチャンネル
    が形成される領域を有し、該活性層の該第1の境界面と
    反対の面側にゲート電極を有し、該ゲート電極の両側に
    ソース電極及びドレイン電極を有し、該ゲート電極を入
    力信号端子とし、該ソース電極及び該ドレイン電極を出
    力信号端子とすることを特徴とする周波数逓倍器。
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