JPH07120605B2 - Lc複合部品 - Google Patents
Lc複合部品Info
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- JPH07120605B2 JPH07120605B2 JP23647289A JP23647289A JPH07120605B2 JP H07120605 B2 JPH07120605 B2 JP H07120605B2 JP 23647289 A JP23647289 A JP 23647289A JP 23647289 A JP23647289 A JP 23647289A JP H07120605 B2 JPH07120605 B2 JP H07120605B2
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- JP
- Japan
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- dielectric
- magnetic
- ceramic portion
- intermediate layer
- ceramic
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- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Filters And Equalizers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、LC複合部品に関するもので、特に、誘電体
セラミック部分と磁性体セラミック部分とが一体焼成さ
れて得られた部品本体を備えるLC複合部品に関するもの
である。
セラミック部分と磁性体セラミック部分とが一体焼成さ
れて得られた部品本体を備えるLC複合部品に関するもの
である。
[従来の技術] セラミックからなる部品本体を備えるLC複合部品を小型
化しながら能率的に製造するためには、コンデンサを形
成する誘電体セラミック部分と磁性体セラミックとを一
体に焼結可能とするための技術が必要である。しかしな
がら、各種誘電体材料(たとえば、Pb系、BT系、TiO
2系、など)のうち、磁性体材料と直接に一体焼結でき
る材料は限られている。他方、LC複合部品の需要者側で
は、あらゆる誘電体材料が、LC複合部品における部品本
体の誘電体セラミック部分を構成するために用いられる
ことが望まれている。誘電体セラミック部分と磁性体セ
ラミック部分とを一体焼結させる技術を採用しながら
も、このような要望に応えるためには、誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との間に、適当な中間層
を介在させる手法が有効であると考えられている。
化しながら能率的に製造するためには、コンデンサを形
成する誘電体セラミック部分と磁性体セラミックとを一
体に焼結可能とするための技術が必要である。しかしな
がら、各種誘電体材料(たとえば、Pb系、BT系、TiO
2系、など)のうち、磁性体材料と直接に一体焼結でき
る材料は限られている。他方、LC複合部品の需要者側で
は、あらゆる誘電体材料が、LC複合部品における部品本
体の誘電体セラミック部分を構成するために用いられる
ことが望まれている。誘電体セラミック部分と磁性体セ
ラミック部分とを一体焼結させる技術を採用しながら
も、このような要望に応えるためには、誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との間に、適当な中間層
を介在させる手法が有効であると考えられている。
これに関して、興味ある技術として、次のようなものが
ある。
ある。
たとえば、特開昭59−90915号公報では、複合部品では
ないが、コンデンサ単独またはインダクタ単独の積層部
品に関し、誘電体、ガラス等の絶縁体、磁性体およびこ
れらと金属粉末の混合物より選ばれた材料からなる中間
層を、誘電体または磁性体と内部電極金属との間に介在
させることが開示されている。この場合、中間層は、誘
電体または磁性体と内部電極金属との熱膨張係数の差に
よる応力の緩和を目的としている。
ないが、コンデンサ単独またはインダクタ単独の積層部
品に関し、誘電体、ガラス等の絶縁体、磁性体およびこ
れらと金属粉末の混合物より選ばれた材料からなる中間
層を、誘電体または磁性体と内部電極金属との間に介在
させることが開示されている。この場合、中間層は、誘
電体または磁性体と内部電極金属との熱膨張係数の差に
よる応力の緩和を目的としている。
また、特開昭58−172804号公報、特公昭59−33247号公
報、等においては、LC複合部品における誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との界面に中間層を介在
させることが記載されている。この中間層には、前述し
た中間層とほぼ同様の材料が用いられている。ここで
も、中間層は、誘電体セラミック部分と磁性体セラミッ
ク部分との熱膨張係数の差による応力の緩和を目的とし
ている。
報、等においては、LC複合部品における誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との界面に中間層を介在
させることが記載されている。この中間層には、前述し
た中間層とほぼ同様の材料が用いられている。ここで
も、中間層は、誘電体セラミック部分と磁性体セラミッ
ク部分との熱膨張係数の差による応力の緩和を目的とし
ている。
[発明が解決しようとする課題] LC複合部品に関して、上述したような中間層の応力緩和
に対する効果は、一体焼成される誘電体セラミック部分
と磁性体セラミック部分との焼成収縮率の違いによるこ
れら両部分間の界面における剥離等を防止できる点で意
義があることは否定できるものではない。
に対する効果は、一体焼成される誘電体セラミック部分
と磁性体セラミック部分との焼成収縮率の違いによるこ
れら両部分間の界面における剥離等を防止できる点で意
義があることは否定できるものではない。
他方、LC複合部品において、誘電体セラミック部分と磁
性体セラミック部分とを接合し、一体焼成する場合、両
材料部分の界面を通して相互拡散が生じやすく、誘電体
および磁性体の双方において特性が変化してしまうこと
が多い。
性体セラミック部分とを接合し、一体焼成する場合、両
材料部分の界面を通して相互拡散が生じやすく、誘電体
および磁性体の双方において特性が変化してしまうこと
が多い。
たとえば、誘電体にPb系複合ペロブスカイト材料を用
い、磁性体にNi−Zn−Cuフェライトを用いた場合、一体
焼成において生じる相互拡散により、誘電体セラミック
部分の特性が悪化する。たとえば、誘電体単独の場合に
は、LOGIRが約10であるにもかかわらず、誘電体と磁性
体とを接合して一体焼成することにより、誘電体は、LO
G IRが約7にまで低下する。また、相互拡散により、
誘電体の温度係数Tcがシフトし、温度特性が変化してし
まう。
い、磁性体にNi−Zn−Cuフェライトを用いた場合、一体
焼成において生じる相互拡散により、誘電体セラミック
部分の特性が悪化する。たとえば、誘電体単独の場合に
は、LOGIRが約10であるにもかかわらず、誘電体と磁性
体とを接合して一体焼成することにより、誘電体は、LO
G IRが約7にまで低下する。また、相互拡散により、
誘電体の温度係数Tcがシフトし、温度特性が変化してし
まう。
そこで、このような相互拡散を低減するためには、誘電
体セラミック部分と磁性体セラミック部分との間に中間
層を介在させることが効果的であると考えられる。前述
した従来技術において用いられた中間層は、たしかに、
応力緩和に対する効果を有する。しかしながら、これら
中間層の応力緩和に対する効果と相互拡散防止効果と
は、異質であり、したがって、そのような中間層におい
て、たとえ応力緩和に対する効果が認められても、相互
拡散の防止に対しては、必ずしも効果が認められるとは
限らない。すなわち、前述した中間層を形成する材料と
して、たとえば、金属が用いられると、拡散種が通過し
てしまい、また、混合粉末を用いると、相互拡散の防止
に対する効果は少ないものと考えられる。また、ガラス
を含む中間層の場合には、ガラス成分自体が拡散し、誘
電体等の特性を劣化させる場合もある。
体セラミック部分と磁性体セラミック部分との間に中間
層を介在させることが効果的であると考えられる。前述
した従来技術において用いられた中間層は、たしかに、
応力緩和に対する効果を有する。しかしながら、これら
中間層の応力緩和に対する効果と相互拡散防止効果と
は、異質であり、したがって、そのような中間層におい
て、たとえ応力緩和に対する効果が認められても、相互
拡散の防止に対しては、必ずしも効果が認められるとは
限らない。すなわち、前述した中間層を形成する材料と
して、たとえば、金属が用いられると、拡散種が通過し
てしまい、また、混合粉末を用いると、相互拡散の防止
に対する効果は少ないものと考えられる。また、ガラス
を含む中間層の場合には、ガラス成分自体が拡散し、誘
電体等の特性を劣化させる場合もある。
よって、中間層に用いる材料の選定が重要なポイントと
なる。
なる。
そこで、この発明は、誘電体セラミック部分と磁性体セ
ラミック部分とが一体焼成されて得られた部品本体を備
えるLC複合部品において、誘電体セラミック部分と磁性
体セラミック部分との界面における剥離を防止し得ると
ともに、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック部分
との間での相互拡散を抑制し得るようにすることを目的
としている。
ラミック部分とが一体焼成されて得られた部品本体を備
えるLC複合部品において、誘電体セラミック部分と磁性
体セラミック部分との界面における剥離を防止し得ると
ともに、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック部分
との間での相互拡散を抑制し得るようにすることを目的
としている。
[課題を解決するための手段] この発明は、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック
部分とが一体焼成されて得られた部品本体を備えるLC複
合部品に向けられるものであって、上述した技術的課題
を解決するため、次のような構成を採用したことを特徴
とするものである。
部分とが一体焼成されて得られた部品本体を備えるLC複
合部品に向けられるものであって、上述した技術的課題
を解決するため、次のような構成を採用したことを特徴
とするものである。
すなわち、この発明にかかるLC複合部品では、誘電体セ
ラミック部分と磁性体セラミック部分との間に中間層が
介在される。この中間層は、ZrO2、TiO2またはそれらの
混合系にCuOを0.5〜30モル%含有させて合計100モル%
となるように調合されたセラミック材料から構成され
る。
ラミック部分と磁性体セラミック部分との間に中間層が
介在される。この中間層は、ZrO2、TiO2またはそれらの
混合系にCuOを0.5〜30モル%含有させて合計100モル%
となるように調合されたセラミック材料から構成され
る。
一般に、セラミック材料の焼成収縮率は、その組成およ
び焼結温度に大きく依存し、また、原料粒度、仮焼度、
バインダ量、等にも影響される。上述した中間層として
用いられる材料は、誘電体セラミック部分と磁性体セラ
ミック部分との界面に介在させる中間層という性格上、
一体焼成温度で、中間層の焼成収縮率が誘電体および磁
性体の各々の焼成収縮率の中間的な値をとるように制御
する必要がある。その制御は、ZrO2:TiO2:CuO比を変え
ることにより行なう。
び焼結温度に大きく依存し、また、原料粒度、仮焼度、
バインダ量、等にも影響される。上述した中間層として
用いられる材料は、誘電体セラミック部分と磁性体セラ
ミック部分との界面に介在させる中間層という性格上、
一体焼成温度で、中間層の焼成収縮率が誘電体および磁
性体の各々の焼成収縮率の中間的な値をとるように制御
する必要がある。その制御は、ZrO2:TiO2:CuO比を変え
ることにより行なう。
このような理由により、中間層を形成すべき材料の組成
比は、一義的に限定しにくい上、使用する誘電体および
磁性体の各材料により、中間層を形成すべきセラミック
材料の組成比を変化させる必要も出てくる。よって、こ
の発明では、中間層を形成すべきセラミック材料には、
ZrO2とTiO2とが任意のモル比(ZrO2:TiO2=0〜100:100
〜0)で含有しており、これに、CuOが0.5〜30モル%含
有されている。
比は、一義的に限定しにくい上、使用する誘電体および
磁性体の各材料により、中間層を形成すべきセラミック
材料の組成比を変化させる必要も出てくる。よって、こ
の発明では、中間層を形成すべきセラミック材料には、
ZrO2とTiO2とが任意のモル比(ZrO2:TiO2=0〜100:100
〜0)で含有しており、これに、CuOが0.5〜30モル%含
有されている。
ここで、CuOの含有量を0.5モル%以上としたのは、これ
未満では、焼結性が悪くなるためである。また、CuOの
含有量を30モル%以下としたのは、これを越えても、焼
成収縮率の制御幅が小さくなるためである。すなわち、
CuOの含有量が30〜50モル%の範囲では、収縮率はほぼ
一定している。
未満では、焼結性が悪くなるためである。また、CuOの
含有量を30モル%以下としたのは、これを越えても、焼
成収縮率の制御幅が小さくなるためである。すなわち、
CuOの含有量が30〜50モル%の範囲では、収縮率はほぼ
一定している。
上述したようなモル比を有するセラミック材料は、誘電
体セラミック部分と磁性体セラミック部分との界面に介
在させた状態で、誘電体セラミック部分および磁性体セ
ラミック部分とともに一体焼結される。このとき、誘電
体および磁性体は、たとえば1000℃以下でも焼成可能な
低温焼結セラミック材料であることが好ましい。
体セラミック部分と磁性体セラミック部分との界面に介
在させた状態で、誘電体セラミック部分および磁性体セ
ラミック部分とともに一体焼結される。このとき、誘電
体および磁性体は、たとえば1000℃以下でも焼成可能な
低温焼結セラミック材料であることが好ましい。
[作用] この発明によれば、中間層は、誘電体セラミック部分と
磁性体セラミック部分との各々の焼成収縮率の平均的な
焼成収縮率を与える。したがって、このような中間層
は、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック部分との
各収縮率の差から生じる応力を緩和する作用を果たす。
磁性体セラミック部分との各々の焼成収縮率の平均的な
焼成収縮率を与える。したがって、このような中間層
は、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック部分との
各収縮率の差から生じる応力を緩和する作用を果たす。
また、中間層は、相互拡散を抑制する作用を果たす。
[発明の効果] したがって、この発明によれば、上述したように、界面
での剥離および相互拡散が防止されながら、誘電体セラ
ミック部分と磁性体セラミック部分とを一体焼結するこ
とができる。それゆえに、このような一体焼結体からな
る部品本体を備えるLC複合部品において、磁性体と組合
わせることが可能な誘電体材料の選択の幅が拡がり、ま
た、多種類の複合化されたLC複合部品を得ることがより
容易になる。
での剥離および相互拡散が防止されながら、誘電体セラ
ミック部分と磁性体セラミック部分とを一体焼結するこ
とができる。それゆえに、このような一体焼結体からな
る部品本体を備えるLC複合部品において、磁性体と組合
わせることが可能な誘電体材料の選択の幅が拡がり、ま
た、多種類の複合化されたLC複合部品を得ることがより
容易になる。
また、そのようなLC複合部品は、一体焼成されて得られ
た部品本体を備えるので、部品の小型化に寄与し、ひい
ては、部品のマウント密度を高めることができる。
た部品本体を備えるので、部品の小型化に寄与し、ひい
ては、部品のマウント密度を高めることができる。
[実施例] 第1図は、この発明の一実施例としてのπタイプEMIフ
ィルタとして用いられるLC複合部品の部品本体1を示す
断面図である。
ィルタとして用いられるLC複合部品の部品本体1を示す
断面図である。
部品本体1は、コンデンサを構成すべき第1および第2
の誘電体セラミック部分2および3を備える。これら誘
電体セラミック部分2および3は、たとえばPb系複合ペ
ロブスカイト材料から構成される。また、第1および第
2の誘電体セラミック部分2および3の間には、磁性体
セラミック部分4が位置される。磁性体セラミック部分
4は、たとえばNi−Zn−Cuフェライトから構成される。
さらに、磁性体セラミック部分4と第1および第2の誘
電体セラミック部分2および3の各々との間には、それ
ぞれ、第1および第2の中間層5および6が介在され
る。これら中間層5および6は、前述したように、Zr
O2、TiO2またはそれらの混合系にCuOを0.5〜30モル%含
有させて合計100モル%となるように調合されたセラミ
ック材料から構成される。
の誘電体セラミック部分2および3を備える。これら誘
電体セラミック部分2および3は、たとえばPb系複合ペ
ロブスカイト材料から構成される。また、第1および第
2の誘電体セラミック部分2および3の間には、磁性体
セラミック部分4が位置される。磁性体セラミック部分
4は、たとえばNi−Zn−Cuフェライトから構成される。
さらに、磁性体セラミック部分4と第1および第2の誘
電体セラミック部分2および3の各々との間には、それ
ぞれ、第1および第2の中間層5および6が介在され
る。これら中間層5および6は、前述したように、Zr
O2、TiO2またはそれらの混合系にCuOを0.5〜30モル%含
有させて合計100モル%となるように調合されたセラミ
ック材料から構成される。
第1および第2の誘電体セラミック部分2および3の各
内部には、静電容量を形成すべき内部電極7および8な
らびに9および10がそれぞれ形成される。また、磁性体
セラミック部分4には、そこを貫通する内部電極11が形
成される。
内部には、静電容量を形成すべき内部電極7および8な
らびに9および10がそれぞれ形成される。また、磁性体
セラミック部分4には、そこを貫通する内部電極11が形
成される。
以下に、この発明の効果を確認するために行なった実験
例について記載する。
例について記載する。
実験例1 誘電体材料として、0.80Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−0.12PbTi
O3−0.08Pb(Zn1/2W1/2)3系材料を用い、磁性体材料
として、Ni−Zn−Cuフェライトを用いた。それぞれの材
料に関して、有機バインダを用いながらセラミックグリ
ーンシートを得た。
O3−0.08Pb(Zn1/2W1/2)3系材料を用い、磁性体材料
として、Ni−Zn−Cuフェライトを用いた。それぞれの材
料に関して、有機バインダを用いながらセラミックグリ
ーンシートを得た。
これら誘電体セラミックグリーンシートと磁性体セラミ
ックグリーンシートとを積層し、誘電体と磁性体との界
面に、中間層となるべき76.0ZrO2−19.0TiO2−5.0CuOの
組成のシートを介在させた。
ックグリーンシートとを積層し、誘電体と磁性体との界
面に、中間層となるべき76.0ZrO2−19.0TiO2−5.0CuOの
組成のシートを介在させた。
このようにして得られた積層体を、1000℃で2時間焼成
したところ、得られた焼結体において、誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との間で良好な接合性を
示していた。
したところ、得られた焼結体において、誘電体セラミッ
ク部分と磁性体セラミック部分との間で良好な接合性を
示していた。
因に、上述した焼成条件のもとでは、中間層として用い
た材料は、16.1%の収縮率を有している。これに対し
て、上述の誘電体材料の収縮率は15.5%であり、磁性体
材料の収縮率は、17.1%である。したがって、中間層の
収縮率は、誘電体材料および磁性体材料の各収縮率の中
間的な値を示すことが理解される。
た材料は、16.1%の収縮率を有している。これに対し
て、上述の誘電体材料の収縮率は15.5%であり、磁性体
材料の収縮率は、17.1%である。したがって、中間層の
収縮率は、誘電体材料および磁性体材料の各収縮率の中
間的な値を示すことが理解される。
実験例2 実験例1で用意した誘電体セラミックグリーンシート、
磁性体セラミックグリーンシートおよび中間層セラミッ
クグリーンシートをそれぞれ適宜用いながら、第2図に
示す誘電体12のみからなる積層チップ13、第3図に示す
誘電体12および磁性体14を複合した複合積層チップ15、
ならびに第4図に示す誘電体12と磁性体14との間に中間
層16を介在させた複合積層チップ17をそれぞれ作製し
た。チップ13,15,17の各々の平面寸法は、4.5mm×1.6mm
に設定した。また、チップ13,15,17の各々において、誘
電体12の内部には、静電容量取得のための内部電極18お
よび19を、印刷により形成した。内部電極18および19の
間隔は、40μmに設定した。
磁性体セラミックグリーンシートおよび中間層セラミッ
クグリーンシートをそれぞれ適宜用いながら、第2図に
示す誘電体12のみからなる積層チップ13、第3図に示す
誘電体12および磁性体14を複合した複合積層チップ15、
ならびに第4図に示す誘電体12と磁性体14との間に中間
層16を介在させた複合積層チップ17をそれぞれ作製し
た。チップ13,15,17の各々の平面寸法は、4.5mm×1.6mm
に設定した。また、チップ13,15,17の各々において、誘
電体12の内部には、静電容量取得のための内部電極18お
よび19を、印刷により形成した。内部電極18および19の
間隔は、40μmに設定した。
このようにして得られたチップ13,15,17について、中間
層16の評価のために、特に信頼性が問題となる各誘電体
12における静電容量、誘電損失、絶縁抵抗(IR)を測定
した。その結果が以下の表に示されている。
層16の評価のために、特に信頼性が問題となる各誘電体
12における静電容量、誘電損失、絶縁抵抗(IR)を測定
した。その結果が以下の表に示されている。
特にIRに注目したとき、チップ17はチップ15より改善さ
れており、チップ13により近い値を示していることがわ
かる。このことは、チップ17における中間層16が、相互
拡散を抑制した効果であると評価できる。
れており、チップ13により近い値を示していることがわ
かる。このことは、チップ17における中間層16が、相互
拡散を抑制した効果であると評価できる。
なお、誘電体12として、Pb系複合ペロブスカイト材料以
外の材料、たとえばBaTiO3−ガラス添加系の材料を用い
た場合でも、中間層16の効果として、同様の傾向が得ら
れることが、実験により確認されている。
外の材料、たとえばBaTiO3−ガラス添加系の材料を用い
た場合でも、中間層16の効果として、同様の傾向が得ら
れることが、実験により確認されている。
実験例3 中間層となるべきZrO2−TiO2−CuO系セラミック材料に
おいて、モル比を種々に変更して、焼成時に生じる焼成
収縮率を測定した。950℃、1000℃、および1050℃の各
温度で焼成したときの焼成収縮率が、第5図、第6図お
よび第7図にそれぞれ示されている。
おいて、モル比を種々に変更して、焼成時に生じる焼成
収縮率を測定した。950℃、1000℃、および1050℃の各
温度で焼成したときの焼成収縮率が、第5図、第6図お
よび第7図にそれぞれ示されている。
これらの図面からわかるように、ZrO2−TiO2−CuO系材
料において、モル比を変更することにより、焼成収縮率
を変えることができ、また、そのような焼成収縮率は、
焼成温度にも依存していることがわかる。
料において、モル比を変更することにより、焼成収縮率
を変えることができ、また、そのような焼成収縮率は、
焼成温度にも依存していることがわかる。
第1図は、この発明の一実施例としてのπタイプEMIフ
ィルタとして用いられるLC複合部品の部品本体1を示す
断面図である。 第2図ないし第4図は、実験例2によって得られたチッ
プ13,15,17をそれぞれ示す断面図であり、第2図は、誘
電体12のみからなる積層チップ13を示し、第3図は、誘
電体12および磁性体14からなる複合積層チップ15を示
し、第4図は、中間層16を介在させた誘電体12および磁
性体14を備える複合積層チップ17を示す。 第5図、第6図および第7図は、中間層となるべきZrO2
−TiO2−CuO系セラミック材料の、950℃、1000℃および
1050℃の各温度による焼成時の焼成収縮率をそれぞれ示
す図である。 図において、1は部品本体、2,3は誘電体セラミック部
分、4は磁性体セラミック部分、5,6,16は中間層、7〜
11,18,19は内部電極、12は誘電体、13は積層チップ、14
は磁性体、15,17は複合積層チップである。
ィルタとして用いられるLC複合部品の部品本体1を示す
断面図である。 第2図ないし第4図は、実験例2によって得られたチッ
プ13,15,17をそれぞれ示す断面図であり、第2図は、誘
電体12のみからなる積層チップ13を示し、第3図は、誘
電体12および磁性体14からなる複合積層チップ15を示
し、第4図は、中間層16を介在させた誘電体12および磁
性体14を備える複合積層チップ17を示す。 第5図、第6図および第7図は、中間層となるべきZrO2
−TiO2−CuO系セラミック材料の、950℃、1000℃および
1050℃の各温度による焼成時の焼成収縮率をそれぞれ示
す図である。 図において、1は部品本体、2,3は誘電体セラミック部
分、4は磁性体セラミック部分、5,6,16は中間層、7〜
11,18,19は内部電極、12は誘電体、13は積層チップ、14
は磁性体、15,17は複合積層チップである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 7/075 8321−5J
Claims (1)
- 【請求項1】誘電体セラミック部分と磁性体セラミック
部分とが一体焼成されて得られた部品本体を備えるLC複
合部品において、 前記誘電体セラミック部分と前記磁性体セラミック部分
との間に、中間層として、ZrO2、TiO2またはそれらの混
合系にCuOを0.5〜30モル%含有させて合計100モル%と
なるように調合されたセラミック材料を介在させたこと
を特徴とする、LC複合部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23647289A JPH07120605B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-11 | Lc複合部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23647289A JPH07120605B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-09-11 | Lc複合部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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