JP2773309B2 - セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

セラミックコンデンサ及びその製造方法

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JP2773309B2 JP27415189A JP27415189A JP2773309B2 JP 2773309 B2 JP2773309 B2 JP 2773309B2 JP 27415189 A JP27415189 A JP 27415189A JP 27415189 A JP27415189 A JP 27415189A JP 2773309 B2 JP2773309 B2 JP 2773309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズ
や高周波のノイズを吸収する働きをし、一方パルスや静
電気などの高い電圧が侵入した時はバリスタ機能を発揮
し、電子機器で発生するノイズ,パルス,静電気などの
異常電圧から半導体及び電子機器を保護し、さらにそれ
らの特性が温度に対して安定しているセラミックコンデ
ンサ及びその製造方法に関するものである。
従来の技術 電子機器は多機能化,軽薄短小化を実現するためにI
C,LSIなどの半導体素子が広く用いられ、それに伴って
機器のノイズ耐力は低下しつつある。そこで、このよう
な電子機器のノイズ耐力を確保するために、各種IC,LSI
の電源ラインに、バイパスコンデンサとしてフィルムコ
ンデンサ,積層セラミックコンデンサ,半導体セラミッ
クコンデンサなどが使用されている。しかし、これらの
コンデンサは、電圧の低いノイズや高周波のノイズの吸
収に対しては優れた性能を示すが、それ自体に高い電圧
を持つパルスや静電気を吸収する機能を持たないため、
パルスや静電気が侵入すると、機器の誤動作や半導体の
破壊、さらにはコンデンサの破壊を起こすことが大きな
問題となっている。そこでこのような用途に、ノイズ吸
収性が良好で温度や周波数に対しても安定していること
に加えて、高いパルス耐力と優れたパルス吸収性を持つ
新しいタイプのコンデンサとして、SrTiO3系半導体セラ
ミックコンデンサにバリスタ機能を持たせた粒界絶縁型
半導体セラミックコンデンサ(以下、バリスタ機能付き
セラミックコンデンサという)が開発され、すでに特開
昭57−27001号公報,特開昭57−35303号公報などにより
提供されている。このバリスタ機能付きセラミックコン
デンサは、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズや
高周波のノイズを吸収するが、パルスや静電気などの高
い電圧が侵入した時はバリスタとして機能し、電子機器
で発生するノイズ,パルス,静電気などの異常電圧から
半導体及び電子機器を保護するという特徴を有してお
り、その使用はますます拡大されている。
一方、電子部品分野においては、軽薄短小化,高性能
化がますます進み、このバリスタ機能付きセラミックコ
ンデンサに至っても、小型化,高性能化の要請が強まっ
ている。しかし、従来のバリスタ機能付きセラミックコ
ンデンサは単板型であるため、小型化すると電極面積が
小さくなり、その結果として容量が低下したり、信頼性
が低下するという問題を招くことになる。従って、その
解決策として、電極面積がかせげる積層化への展開が予
想される。しかし、バリスタ機能付きセラミックコンデ
ンサは、通常、SrTiO3系半導体素子の表面に酸化物を塗
布し、熱拡散により粒界層を絶縁化する工程を有するた
め、一般に用いられているBaTiO3系積層セラミックコン
デンサと比べ、内部電極と同時に焼成して積層型のバリ
スタ機能付きコンデンサ(以下、バリスタ機能付き積層
セラミックコンデンサという)を形成することは非常に
困難であると考えられていた。
そこで、同時焼成の問題点を解決する手法として、特
開昭54−53248号公報,特開昭54−53250号公報などを応
用し、内部電極に当たる部分に有機バインダー量を多く
したセラミックペーストを印刷し、この部分が焼結過程
で多孔層を形成し、焼結した後にその多孔層に適当な圧
力下で導電性金属を注入させる方法、または、メッキ法
や溶融法によって内部電極を形成し、バリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサを形成させる方法が開発,提
供されている。しかし、これらはプロセス的にかなり困
難であり、未だに実用化へのレベルに達していない。
また、特開昭59−215701号公報に、非酸化雰囲気中で
仮焼した粉末を原料にした生シートの上に粒界層を絶縁
化することが可能な熱拡散物質を混入した導電性ペース
トを印刷し、酸化性雰囲気中で焼結させる方法、さらに
特開昭63−219115号公報に、予め半導体化させた粉末を
主成分とし、それに絶縁層を形成させるための酸化剤及
びガラス成分を含む拡散剤を混合した生シートと、内部
電極を交互に積層した成型体を、空気中または酸化雰囲
気中で焼成する方法が報告されている。しかし、これら
の方法では焼成温度が1000〜1200℃と比較的低く、セラ
ミックの焼結が起こりにくいため、結晶粒子は面接触し
にくく、でき上がった素子は、完全な焼結体に至ってい
ないため、容量が低く、かつバリスタとしての代表特性
である電圧非直線指数αが小さく、バリスタ電圧が不安
定であり、さらに信頼性が劣るという欠点を有するもの
である。さらにまた、後者の特開昭63−219115号公報で
は添加剤としてガラス成分が添加されているため、結晶
粒界にガラス相が析出し、上記の電気特性が悪化しやす
く、信頼性が劣るものであり、実用化へのレベルに達し
ていないものである。
なお、積層型バリスタに関する特許として、既に特公
昭58−23921号公報により、ZnO,Fe2O3,TiO2系を用いた
積層型電圧非直線素子が提案されている。しかし、この
素子は容量をほとんど持たないため、比較的高い電圧を
持つパルスや静電気の吸収に対しては優れた性能を示す
が、バリスタ電圧以下の低い電圧を持つノイズや高周波
のノイズに対しては、ほとんど効果を示さないという問
題点を有している。
発明が解決しようとする課題 今まで、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ
に関して様々な組成,製造方法が開発,提供されてきた
が、上述したようにいずれの場合もプロセス的な面やで
き上がった素子に問題点を有し、実用レベルに達してい
ない。従って、バリスタ機能付き積層セラミックコンデ
ンサに関して、新たな組成及び製造方法の開発が期待さ
れているのである。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、通
常はコンデンサとして電圧の低いノイズや高周波のノイ
ズを吸収する働きをし、一方パルスや静電気などの高い
電圧が侵入した時はバリスタ機能を発揮し、かつそれら
の特性が温度に対して常に安定しており、しかもプロセ
ス的にはセラミックコンデンサ材料と内部電極材料との
同時焼成を可能にしたSr(1-X)CaXTiO3(但し、0.001≦
X≦0.2)を主成分とするセラミックコンデンサ及びそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記のような問題点を解決するために本発明は、Sr
(1-X)CaXとTiのモル比が0.95≦Sr(1-X)CaX/Ti<1.00と
なるように過剰のTiを含有し、0.001≦X≦0.2であるSr
(1-X)CaXTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O5,
Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一種類以上を0.05〜
2.0mol%と、MnO2とSiO2を合計量で0.2〜5.0mol%と、C
uOを0.01〜4.0mol%を含ませてなるセラミックコンデン
サを提供するものである。また、本発明は、Sr(1-X)CaX
とTiのモル比が0.95≦Sr(1-X)CaX/Ti<1.00となるよう
に過剰のTiを含有し、0.001≦X≦0.2であるSr(1-X)CaX
TiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2
O3,CeO2の内の少なくとも一種類以上を0.05〜2.0mol%
と、MnO2とSiO2を合計量で0.2〜5.0mol%と、CuOを0.01
〜4.0mol%を含ませてなるセラミック内に、複数層の内
部電極をこれらが交互に対向する端縁に至るように設
け、かつこの内部電極の両端縁に外部電極を設けたこと
を特徴とするセラミックコンデンサを提供するものであ
る。さらに、本発明は、Sr(1-X)CaXとTiのモル比が0.95
≦Sr(1-X)CaX/Ti<1.00となるように過剰のTiを含有
し、0.001≦X≦0.2であるSr(1-X)CaXTiO3に、Nb2O5,Ta
2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少
なくとも一種類以上を0.05〜2.0mol%と、MnO2とSiO2
合計量で0.2〜5.0mol%と、CuOを0.01〜4.0mol%含ませ
てなる組成物の混合粉末を出発原料とし、その混合粉末
を粉砕,混合,乾燥した後、空気中または窒素雰囲気中
で仮焼する工程と、仮焼後、再度粉砕した粉末を有機バ
インダーと共に溶媒中に分散させ生シートにし、その後
この生シートの上に、内部電極ペーストを交互に対向す
る端縁に至るように印刷(但し、最上層及び最下層の生
シートには印刷せず)する工程と、この内部電極ペース
トの印刷された生シートを積層,加圧,圧着して成型体
を得、その後この成型体を空気中で仮焼する工程と、仮
焼後、還元または窒素雰囲気中で焼成する工程と、焼成
後、空気中で再酸化する工程と、再酸化後、内部電極を
露出させた両端に外部電極ペーストを塗布し焼付ける工
程とを有することを特徴とするセラミックコンデンサの
製造方法を提供するものである。そして、上記内部電極
がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくとも一種類以上の金属ま
たはそれらの合金あるいは混合物によって形成されるこ
とを提供するものである。また、上記外部電極がPd,Ag,
Ni,Cu,Znの内の少なくとも一種類以上の金属またはそれ
らの合金あるいは混合物によって形成されることを提供
するものである。
作用 一般にSr(1-X)CaXTiO3を半導体化させるには、強制還
元させるか、もしくは半導体化促進剤を添加し還元雰囲
気中で焼成させるかである。しかし、これだけでは半導
体化促進剤の種類によって半導体化が進まない場合があ
る。そこで、Sr(1-X)CaXTiO3の化学量論より、Sr(1-X)C
aX過剰(以下、Aサイト過剰とする)、もしくはTi過剰
にすると、結晶内の格子欠陥が増加し、半導体化が促進
される。また、CaはSrサイトに入り粒成長を抑制する効
果がある。さらに、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O
3,Y2O3,La2O3,CeO2(以下、第1成分とする)を添加す
ると原子化制御により半導体化が促進される。
次に、MnO2とSiO2(以下第2成分とする)は積層構造
を形成させるのに必要不可欠な物質であり、どちらか一
方が欠けても、その作用が発揮されないものである。そ
して、CuO(以下第3成分とする)は結晶中に固溶し、
誘電率を高める効果がある。
上記したように、今までSrTiO3系のバリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサを作製することは困難である
と考えられていた。その理由は、まず第1に、バリスタ
機能付きセラミックコンデンサ材料と内部電極材料が焼
成過程や再酸化過程において異なった作用,性質を持つ
ためである。即ち、前者材料は焼成過程において還元雰
囲気焼成を必要とするが、この時、後者材料は金属で形
成されているため、還元雰囲気中のH2ガスを吸蔵し膨張
する。さらに、空気中での再酸化過程において後者材料
は金属酸化物に酸化されたり、前者材料の再酸化を遮蔽
する作用,性質を持つためである。
また、第2の理由として、前者材料をバリスタ機能付
きセラミックコンデンサ素子として形成させるには、還
元雰囲気中で焼成し半導体化させた後、その表面に、高
抵抗の金属酸化物(MnO2,CuO2,Bi2O3,Co2O3など)を塗
布し、空気中で再酸化し粒界部分を選択的に拡散させ絶
縁化させる、即ち、表面拡散工程を必要とする。しか
し、内部電極材料と交互に積層された構造を持つ素子で
は、金属酸化物の拡散が技術的に困難であるためであ
る。
そこで、本発明者らは研究の結果、次のことを発明し
た。
まず、第1に、Ti過剰のSr(1-X)CaXTiO3に第1成分を
添加する以外に、MnO2とSiO2を添加した材料組成では、
還元雰囲気中での焼成後、素子の表面に上記のような高
抵抗の金属酸化物を塗布しなくても、空気中で再酸化す
るだけで、容易にバリスタ機能付きセラミックコンデン
サが形成されることを見出した。これは、過剰のTiと添
加したMnO2とSiO2が焼結過程で、低温でMnO2−SiO2−Ti
O2系の液相を形成し焼結を促進させると同時に、粒界部
分に溶解し偏析することになる。そして、これを空気中
で再酸化すると、粒界部分に偏析したMnO2−SiO2−TiO2
系が絶縁化し容易に粒界絶縁型構造を持つバリスタ機能
付きセラミックコンデンサになることによる。さらにま
た、Tiを過剰にした方が内部電極の酸化や拡散を抑えら
れることも見出した。従って、本発明では、これらの理
由からTi過剰のSr(1-X)CaXTiO3を用いることにした。
また、第2に、Ti過剰のSr(1-X)CaXTiO3にMnO2とSiO2
を添加した材料組成では、還元雰囲気中以外に窒素雰囲
気中での焼結でも半導体化することを見出した。これ
は、上記第1の理由に示したように低温で液相を形成す
るためと、添加したMnが液相を形成する以外に原子化制
御剤として作用し、この時Mn原子の価数が+2,+4と変
化し、電子的に不安定であるという効果のため、焼結性
が向上し窒素雰囲気中でも容易に半導体化すると考えら
れる。
さらに、第3に、脱脂後の成型体を予め空気中で仮焼
すると、でき上がったバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサの内部電極切れ、デラミネーション,ワレ,
焼結密度の低下などの諸問題の発生が極力抑えられ、電
気特性や信頼性が著しく向上することを見出した。
以上、このような観点を充分に考慮すると、バリスタ
機能付きセラミックコンデンサ材料と内部電極材料を同
時焼成することにより、容易にバリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサを作製することが可能となる。
実施例 以下に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明
する。
(実施例1) まず、平均粒径が0.5μm以下で純度98%以上のSr
(1-X)CaXTiO3原料粉末にTiO2を加え、Sr(1-X)CaX/Ti比
(以下、A/B比とする)を調整した粉末に、下記第1表
〜第15表に示すように第1成分のNb2O5、第2成分のMnO
2,SiO2(但し、加えるMnO2,SiO2は等mol%とする)の添
加量を種々変え、第3成分としてのCuOの添加量を1.0mo
l%に固定し、混合した。その後、この混合粉末をボー
ルミルなどにより湿式粉砕,混合し、乾燥した後、空気
中で600〜1200℃で仮焼し、仮焼後、平均粒径が0.5μm
以下になるように再度粉砕し、これを積層型のバリスタ
機能付きセラミックコンデンサ用出発原料とした。この
微粉末の出発原料をブチラール樹脂などの有機バインダ
ーと共に溶媒中に分散させスラリー状とし、これをドク
ター・ブレード法によって50μm程度の厚さの生シート
にし、所定の大きさに切断した。次に、第1図に示すよ
うに、上記のようにして得られた生シート1の上にPdか
らなる内部電極ペースト2を所定の大きさに応じてスク
リーン印刷した。なお、第1図から明らかなように、最
上層及び最下層の生シート1には内部電極ペースト2は
印刷しないものとする。また、この時、中間に積層させ
る生シート1の上に印刷された内部電極ペースト2は、
周知のように交互に対向する端縁に至るように印刷し
た。その後、この内部電極ペースト2の印刷された向き
のまま生シート1を複数層積層し、加圧,圧着した。次
に、空気中で400℃で脱脂し、さらに、空気中で600〜12
50℃で仮焼を行った。その後、還元雰囲気中で1250〜13
50℃で焼成した。この焼成後、空気中で900〜1250℃で
再酸化した。
その後、第2図に示すように、内部電極2aを露出させ
た両端にAgよりなる外部電極ペーストを塗布し、空気中
で800℃、15分で焼付けることにより、粒界絶縁型半導
体セラミック内に複数層の内部電極2aをこれらが交互に
端縁に至るように設け、かつこの内部電極2aの両端縁に
外部電極3を設けたバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサ4を得た。
なお、本実施例でのバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサの形状は5.70×5.00×2.00mm3の5.5タイプ
で、内部電極の形成された有効量を10層積層したもので
ある。また、第3図に本発明の製造工程を示す。
このようにして得られたバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサについて、その容量,tanδ、バリスタ電
圧,電圧非直線指数α,直列等価抵抗値ESR,容量温度変
化率,及びバリスタ電圧温度係数などの各種電気特性
を、第1表〜第15表に併せて記載する。但し、この時の
焼成などの各条件は、空気中での仮焼は1200℃,2時間、
N2:H2=99:1の還元雰囲気中での焼成は1300℃,2時間、
再酸化は1100℃,1時間で行ったものである。
なお、各種電気特性については以下の測定値を記載し
た。
◇ 容量Cは測定電圧1.0V、周波数1.0KHzでの値。
◇ バリスタ電圧V0.1mAは測定電流0.1mAでの値。
◇ 電圧非直線指数αは、測定電流0.1mAと1.0mAでの値
から、 α=1/log(V0.1mA/V0.1mA) の式より算出した。
◇ 直列等価抵抗値ESRは、測定電圧1.0Vでの共振点で
の抵抗値。
◇ 容量温度変化率(ΔC/C)は、−25℃と85℃の二点
間での値。
◇ バリスタ電圧温度係数(ΔV/V)は、25℃と50℃の
二点間での値。
次に、上記第1表〜第15表について解説すると、これ
らの表はSr(1-X)CaXTiO3のA/B比、及び第2成分のMnO2
とSiO2の添加量について規定したものである。
ここで、試料番号に*印をつけたのは比較例であり、
本発明の請求範囲外である。即ち、これらの焼結体素子
では、容量が小さく、かつバリスタ特性を表す電圧非直
線指数αが小さく、また直列等価抵抗値ESRが大きいた
め、コンデンサとしての電圧の低いノイズや高周波のノ
イズを吸収する機能と、バリスタとしてのパルス,静電
気などの高い電圧を吸収する機能の両方を同時に持ち合
わせていなく、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧温
度係数が大きく、信頼性や電気特性が温度に影響を受け
易いものである。従って、これらの試料は電子機器で発
生するノイズ,パルス,静電気などの異常電圧から半導
体及び電子機器を保護するバリスタ機能付きセラミック
コンデンサとして適さないものである。これに対し、そ
の他の試料番号のものでは、容量が大きく、かつ電圧非
直線指数αが大きく、さらに直列等価抵抗値ESRが小さ
いため、コンデンサとしての電圧の低いノイズや高周波
のノイズを吸収する機能と、バリスタとしてのパルス,
静電気などの高い電圧を吸収する機能の両方を同時に持
ち合わしており、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧
温度係数が小さく、信頼性や電気特性が温度に影響を受
けにくい特徴を有している。従って、これらの試料は電
子機器で発生するノイズ,パルス,静電気などの異常電
圧から半導体及び電子機器を保護するため、バリスタ機
能付きセラミックコンデンサとして適しているものであ
る。
ここで、本発明において、Sr(1-X)CaXTiO3のA/B比を
規定したのは、A/B比が1.00より大きい場合はAサイト
過剰となり、MnO2−SiO2−TiO2系の液相が形成されにく
いことから、粒界絶縁型構造になりにくく、かつ内部電
極が酸化や拡散を起こし、結果として電気特性や信頼性
が低下するためである。一方、A/B比が0.95未満では焼
結体が多孔質となり、焼結密度が低下するためである。
さらに、積層型バリスタ機能付きセラミックコンデンサ
用出発原料の平均粒径を0.5μm以下に規定したのは、
0.5μmより大きい場合には、スラリー状にした時に粉
が凝集したり、でき上がった焼結体素子の焼結密度が小
さく、かつ半導体変しにくいために電気特性も不安定と
なりやすいためである。
次に、第2成分のMnO2とSiO2の合計の添加量を規定し
たのは、これら第2成分の添加量が0.1mol%未満では添
加効果が得られないため、MnO2−SiO2−TiO2系の液相が
形成されにくいために、粒界絶縁型構造になりにくく、
電気特性や焼結密度が低下するためである。一方、第2
成分の添加量が5.0mol%を超えると、粒界部に偏析する
高抵抗の酸化物量が増大し電気特性が低下するためであ
る。
さらに、脱脂後の成型体を予め空気中で600〜1250℃
で仮焼するのは、本発明のバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサの製造方法中で最も重要な工程であり、
この工程の結果ができ上がったバリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサの電気特性や信頼性をほぼ決定する
ものである。この工程の目的は、バリスタ機能付きセラ
ミックコンデンサ材料と内部電極材料の接着力の強化、
さらにでき上がったバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサの平均粒径の制御である。
ここで、空気中での仮焼温度600〜1250℃の範囲に規
定したのは、仮焼温度が600℃未満ではその効果が得ら
れないためである。一方、仮焼温度1250℃を超えると、 バリスタ機能付きセラミックコンデンサ材料の焼結
が進行してしまう。この状態で還元または窒素雰囲気中
で焼成すると、急激な収縮による応力集中が焼結体内に
発生し、結果として得られたバリスタ機能付き積層セラ
ミックコンデンサでは、デラミネーション,ワレなどの
諸問題が発生することになる。
Niを内部電極材料で使用した場合では、前者のセラ
ミックコンデンサ材料の焼結化とNi内部電極材料の酸化
が生じ、次に焼結体とNiが反応し、Niの拡散が進行し、
結果として得られたバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサでは、内部電極切れ,デラミネーション,ワレ
などの諸問題が発生する。
1250℃を超える高温で仮焼を行うと、MnO2−SiO2
TiO2系の液相焼結が急激に進行し、粒成長が促進され焼
結体密度や充てん密度の低下が著しく起こる。
その後、還元または窒素雰囲気中で焼成した場合、
半導体化が起こりにくくなる。
という理由により、電気特性や信頼性が著しく低下する
ためである。
このようにして得られたバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサは、上述の特公昭58−23921号公報で報
告されている積層型バリスタに比べ、大容量であり、か
つ温度特性,周波数特性に優れた特性を有し、前者では
サージ吸収性に優れたバリスタ材料を単に積層している
のに対し、本発明ではノイズ吸収性に優れたコンデンサ
機能と、パルス,静電気吸収性に優れたバリスタ機能の
両方機能を有するバリスタ機能付きセラミックコンデン
サ材料を積層したものであり、その機能、使用目的にお
いて全く別のものである。
(実施例2) 次に、ABO3で表されるペロブスカイト構造のAサイト
にあたるSrとCaの組成比についてこれを種々変え、Sr
(1-X)CaXTiO3のA/B比を0.97、第1成分としてのNb2O5
添加量を1.0mol%、第2成分としてのMnO2,SiO2の添加
量を各々1.0mol%、第3成分としてのCuOを1.0mol%に
固定し、上記実施例1と同様の方法でバリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサを作製した。その結果を下記
の第16表に記載する。
上記第16表について解説すると、Caを添加しない場
合、結晶の粒成長を抑制するものがなく、その結晶粒径
はバラツキが多くなり、tanδや温度特性が悪くなる。
また、Caの添加量が多くなり、Xの値が0.2を超えると
酸化が進みやすくなり、容量は小さくなり、バリスタ特
性が低下してくる。よって、AサイトにおけるSrの一部
を置換するCaの置換率Xは、0.001≦X≦0.2が望まし
い。
(実施例3) 実施例1により、第2成分としてのMnO2とSiO2の合計
の添加量としては、0.2〜5.0mol%が必要であることが
解った。次に、この第2成分としてのMnO2とSiO2の添加
比についてこれを種々変え、Sr(1-X)CaXTiO3のA/B比を
0.97、X=0.10とし、第1成分としてのNb2O5の添加量
を1.0mol%、第3成分としてのCuOの添加量を1.0mol
%、に固定し、上記実施例1と同様の方法でバリスタ機
能付き積層セラミックコンデンサを作製した。その結果
を下記の第17表に記載する。
上記第17表について解説すると、その測定結果より明
らかなようにバリスタ機能付き積層セラミックコンデン
サを作製するには、MnO2とSiO2の両方が必要であり、ど
ちらか一方が欠けてもバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサを作製することができない。即ち、両成分が
存在して始めてMnO2−SiO2−TiO2系の液相ができ、粒界
部分に溶解,偏析し、再酸化すると、粒界部分に偏析し
たMnO2−SiO2が絶縁化し、容易に粒界絶縁型構造を持つ
素子となるためである。
なお、容量,電圧非直線指数α,ESRなどの電気特性を
比較すると、若干MnO2過剰の方が好ましい。
(実施例4) 次に、第1成分としてのNb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O
3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の原子化制御剤の添加量を規
定するため、これを種々変え、Sr(1-X)CaXTiO3のA/B比
を0.97、X=0.10、第2成分の添加量をMnO2 1.0mol
%、SiO2 1.0mol%の合計2mol%に固定し、第3成分と
してのAl2O3の添加量を0.5mol%に固定して、て、上記
実施例1,2と同様の方法でバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサを作製した。その結果を下記の第18表〜
第26表に記載する。
上記第18表〜第26表について解説すると、第1成分の
添加量を規定したのは、その測定結果より明らかなよう
に、添加量が0.05mol%未満ではその添加効果が得られ
ず、半導体化が起こりにくいためである。一方、第1成
分の添加量が合計で2.0mol%を超えると半導体化が抑制
され、所望の電気特性が得られず、さらに焼結密度が低
下するためである。
なお、第1成分としてはNb2O5,を添加した方が、他の
Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2を添加
する場合よりも若干電気特性的に優れていた。
さらに、第1成分の混合物組成についても、その一部
の組合せについて実施し、電気特性を測定したが、その
結果は第26表に示したように、一種類添加した場合とほ
とんど特性に差が見られないものであった。しかし、こ
の場合もNb2O5,Ta2O5を添加した方が、他の成分を添加
する場合よりも若干電気特性的に優れていた。
また、出発原料の平均粒径が0.5μmよりも大きい場
合には、第1成分の効果が得られにくい傾向があり、0.
5μm以下に抑える必要がることが確認された。
(実施例5) 次に、第3成分としてのAl2O3の添加量を規定するた
め、これを種々変え、Sr(1-X)CaXTiO3のA/B比を0.97、
X=0.10、第1成分の添加量をNb2O5 1.0mol%、第2成
分の添加量をMnO2 1.0mol%、SiO2 1.0mol%の合計0.2m
ol%に固定し、上記実施例1,2と同様の方法でバリスタ
機能付き積層セラミックコンデンサを作製した。その結
果を下記の第27表に記載する。
上記第27表について解説すると、CuOを添加すること
によって、結晶に固溶したCuOが誘電率を高めて容量C
を大きくする効果がある。しかし、CuOは添加量が4.0mo
l%を超えると粒界に析出し電圧非直線指数α,ESRや温
度特性が悪くなる。よってCuOの添加量は0.01〜4.0mol
%が適当であった。
(実施例6) 上記の各実施例では内部電圧としてPdを用いた場合に
ついて説明したが、他のAu,Pt,Rh,Niについて、Sr(1-X)
CaXTiO3のA/B比を0.97、X=0.10、第1成分の添加量を
Nb2O5 0.5mol%,Ta2O5 0.5mol%、第2成分の添加量をM
nO2 1.0mol%、SiO2 1.0mol%に固定し、第3成分とし
てのCuOの添加量を1.0mol%に固定して、上記実施例と
同様の方法でバリスタ機能付き積層セラミックコンデン
サを作製した。その結果を下記の表第28表に記載する。
上記第28表に記載したように、内部電極としてAu,Pt,
Rh,Pd,Niの内の少なくとも一種類以上の金属またはそれ
らの合金あるいは混合物を用いることができ、効果が得
られることを確認した。しかし、Niを使用する場合はNi
の酸化が比較的低温で起こるため、Pdを混合するか、若
干Ti過剰のSr(1-X)CaXTiO3を用いた方が酸化が抑えられ
る。
以上、本発明の実施例では、一部の組合せについて示
したが、他の組合せでも同様の効果が得られることを確
認した。
そして、本発明の実施例ではTi過剰のSr(1-X)CaXTiO3
を作製するに当たり、Sr(1-X)CaXTiO3にTiO2を添加した
が、Tiを炭酸化物,水酸化物,有機化合物などの形で用
いても同様の効果が得られることは言うまでもない。ま
た、本発明の実施例では、原料粉末にSr(1-X)CaXTiO3
用いたが、SrO,SrCO3,CaCO3,CaO,チタン酸塩とTiO2など
からSr(1-X)CaXTiO3を作製したものを原料粉末にしても
同様の効果が得られることはもちろんである。
さらに、第2成分としてのMnO2,SiO2についても、こ
れらの炭酸化物,水酸化物などの形で用いても同様の効
果が得られることは言うまでもない。しかし、MnCo3
用いた方が粒径も細かく揃っており、かつ分解し易いた
め、特性的に安定した素子を作製することができ、量産
性に適していることが確認された。
そして、第3成分のCuOについてもCu2O,硫酸塩や硝酸
塩を用いても同様の効果が得られる。
次に、上記実施例では、焼成を還元雰囲気中で行う場
合について説明したが、これは窒素雰囲気中で行うよう
にしてもよいものである。しかし、窒素雰囲気中で焼成
を起った場合には、半導体化が若干しにくい面があるた
め、還元雰囲気中で焼成を行うよりも若干高温度(1350
〜1450℃)側で焼成する方が特性上は好ましいものであ
る。
また、上記実施例では、混合粉末の仮焼を空気中で行
う場合について説明したが、これは、窒素雰囲気中で行
っても同様の効果が得られることを確認した。
さらに、上記実施例では、再酸化温度を1100℃と固定
したが、これは所望とする電気特性を得るために、900
〜1250℃の温度範囲で行えばよいものである。しかし、
1200℃以上で再酸化を行う場合は、最高温度の保持時間
を極力抑えなければ粒界のみならず結晶粒子も絶縁化さ
れる恐れがあり、注意を必要とする。また、Niを内部電
極として用いた場合に関しても、1200℃以上で再酸化を
行う場合には保持時間を極力抑えなければNiが酸化され
る恐れがあり、同じく注意を必要とする。
そしてまた、上記実施例では外部電極としてAgを用い
たが、他のPd,Ni,Cu,Znでも同様の効果が得られること
を確認した。即ち、外部電極としてPd,Ag,Ni,Cu,Znの内
の少なくとも一種類以上の金属またはそれらの合金ある
いは混合物を用いてもよいものである。しかし、PdやAg
を外部電極として使用する場合は素子とオーミック接触
しにくく、バリスタ電圧に若干極性が現れるが、この場
合も基本性能としては特に問題がないものである。
以上、実施例で示した方法で得られたバリスタ機能付
き積層セラミックコンデンサの平均粒径は2.0〜3.0μm
程度であった。ここで、成型体の空気中での仮焼温度を
1300℃よりも高温で行うと上述したようにMnO2−SiO2
TiO2系の液相焼結が急激に進行し粒成長が促進され、平
均粒径が約2倍以上になる。そして、このように平均粒
径が大きくなった場合には、焼結密度の低下、電圧非直
線指数αの低下、直列等価抵抗値ESRの上昇、電気特性
のバラツキなどの諸問題が発生し、電気特性や信頼性が
著しく低下し、実用化には向かないものである。
また、上記実施例では積層型のバリスタ機能付きセラ
ミックコンデンサについて説明したが、本発明は上記組
成物を用い、従来と同様の単板型のバリスタ機能付きセ
ラミックコンデンサを作製した場合でも、優れたコンデ
ンサ特性,バリスタ特性が得られることを確認した。
以上、このようにして得られた素子は、大容量で、か
つ電圧非直線指数αが大きく、バリスタ電圧,直列等価
抵抗値ESRが小さく、さらに温度特性,周波数特性,ノ
イズ特性が優れているため、通常はコンデンサとして電
圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収する働きをし、
一方パルスや静電気などの高い電圧が侵入した時はバリ
スタ機能を発揮し、ノイズ,パルス,静電気などの異常
電圧に対して優れた応答性を示し、かつそれらの特性が
温度に対して常に安定しているため、従来のフィルムコ
ンデンサ,積層セラミックコンデンサ,半導体セラミッ
クコンデンサに変わるものとして期待されるものであ
る。さらに、本発明のバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサは、従来の単板型のバリスタ機能付きセラミ
ックコンデンサに比べて小型でありながら大容量であ
り、かつ高性能であるため、実装部品としての応用も大
いに期待されるものである。
発明の効果 以上に示したように本発明によれば、コンデンサ機能
とバリスタ機能を同時に有するバリスタ機能付きセラミ
ックコンデンサを得ることができる。その作用として
は、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズや高周波
のノイズを吸収する働きをし、一方パルスや静電気など
の高い電圧が侵入した時はバリスタ機能を発揮するた
め、電子機器で発生するノイズ,パルス,静電気などの
異常電圧から半導体及び電子機器を保護する働きを持つ
ことになる。そして、それらの特性が温度に対して常に
安定しているものである。従って、その応用として、 電子機器に使用されているIC,LSIなどの保護用のバ
イパスコンデンサとして、従来のフィルムコンデンサ,
積層セラミックコンデンサ,半導体セラミックコンデン
サなどにとって代わる。
静電気による機器の破壊や機器の誤動作防止、誘導
性負荷ON−OFFサージ吸収に使用されているZnO系バリス
タにとって代わる。
という応用が期待でき、一つの素子で上記,の効果
を同時に発揮し、その用途は大きいものである。
以上、記載してきたように、本発明でバリスタ機能付
き積層セラミックコンデンサを容易に作製できるように
なった理由は、バリスタ機能付きセラミックコンデンサ
材料と内部電極材料との同時焼成が可能となったためで
ある。そして、同時焼成が可能となった理由は、Ti過剰
のSrTiO3に、半導体化成分を添加する以外にMnO2とSiO2
を添加した組成では、今まで行われて来た金属酸化物の
表面拡散工程を経なくても、再酸化するだけで、容易に
粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサになることによ
るものであり、本発明はこの点にプロセス面で最大の特
長を有しているものである。
さらに、本発明のバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサは、従来の単板型のバリスタ機能付きセラミッ
クコンデンサに比べ小型でありながら大容量であり、か
つ高性能であるため面実装部品としての応用も大いに期
待され、ビデオカメラ,通信機器などの高密度実装用素
子としても使用できるものである。
従って、本発明によればノイズ,パルス,静電気など
の異常電圧から半導体及び電子機器を保護し、かつそれ
らの特性が温度に対して安定している素子を得ることが
でき、その実用上の効果は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を説明するためのバリスタ機
能付きセラミックコンデンサの分解斜視図であり、積層
する生シート及びその上に印刷される内部電極ペースト
の形状を説明するための図、第2図はこの発明の実施例
により得られたバリスタ機能付き積層セラミックコンデ
ンサを示す一部切欠断面図、第3図はこの発明の実施例
を説明するためのバリスタ機能付き積層セラミックコン
デンサの製造工程を示す図である。 1……生シート、2……内部電極ペースト、2a……内部
電極、3……外部電極、4……バリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 巌 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小林 喜美男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 4/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極間にセラミックを設け、このセラミッ
    クは、Sr(1-X)CaXとTiのモル比が0.95≦Sr(1-X)CaX/Ti
    <1.00となるように過剰のTiを含有し、0.001≦X≦0.2
    であるSr(1-X)CaXTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O
    3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一種類以上
    を0.05〜2.0mol%と、MnO2とSiO2を合計量で0.2〜5.0mo
    l%とCuOを0.01〜4.0mol%を含ませてなるセラミックコ
    ンデンサ。
  2. 【請求項2】Sr(1-X)CaXとTiのモル比が0.95≦Sr(1-X)C
    aX/Ti<1.00となるように過剰のTiを含有し、0.001≦X
    ≦0.2であるSr(1-X)CaXTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W
    2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一
    種類以上を0.05〜2.0mol%と、MnO2とSiO2を合計量で0.
    2〜5.0mol%と、CuOを0.01〜4.0mol%を含ませてなるセ
    ラミック内に、複数層の内部電極をこれらが交互に対向
    する端縁に至るように設け、かつこの内部電極の両端縁
    に外部電極を設けたことを特徴とするセラミックコンデ
    ンサ。
  3. 【請求項3】内部電極がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項2記載のセ
    ラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】外部電極がPd,Ag,Ni,Cu,Znの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項2または3
    記載のセラミックコンデンサ。
  5. 【請求項5】Sr(1-X)CaXとTiのモル比が0.95≦Sr(1-X)C
    aX/Ti<1.00となるように過剰のTiを含有し、0.001≦X
    ≦0.2であるSr(1-X)CaXTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W
    2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一
    種類以上を0.01〜4.0mol%と、MnO2とSiO2を合計量で0.
    2〜5.0mol%と、CuOを0.05〜2.0mol%を含ませてなる組
    成物の混合粉末を出発原料とし、その混合粉末を粉砕、
    混合、乾燥した後、空気中または窒素雰囲気中で仮焼す
    る工程と、仮焼後、再度粉砕した粉末を有機バインダー
    と共に溶媒中に分散させ生シートにし、その後この生シ
    ートの上に、内部電極ペーストを交互に対向する端縁に
    至るように印刷(但し、最上層及び最下層の生シートに
    は印刷せず)する工程と、この内部電極ペーストの印刷
    された生シートを積層、加圧、圧着して成型体を得、そ
    の後この成型体を空気中で仮焼する工程と、仮焼後、還
    元または窒素雰囲気中で焼成する工程と、焼成後、空気
    中で再酸化する工程と、再酸化後、内部電極を露出させ
    た両端に外部電極ペーストを塗布し焼付ける工程とを有
    することを特徴とするセラミックコンデンサの製造方
    法。
  6. 【請求項6】内部電極がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項5記載のセ
    ラミックコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】外部電極がPd,Ag,Ni,Cu,ZNの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項5または6
    記載のセラミックコンデンサの製造方法。
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