JPH07120103A - 金属接合体の製造方法、熱交換器用タンクの製造方法および熱交換器用タンク - Google Patents

金属接合体の製造方法、熱交換器用タンクの製造方法および熱交換器用タンク

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JPH07120103A
JPH07120103A JP5271477A JP27147793A JPH07120103A JP H07120103 A JPH07120103 A JP H07120103A JP 5271477 A JP5271477 A JP 5271477A JP 27147793 A JP27147793 A JP 27147793A JP H07120103 A JPH07120103 A JP H07120103A
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JP
Japan
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metal
brazing
metal plate
heat exchanger
capsule
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Application number
JP5271477A
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English (en)
Inventor
Mikio Fukuoka
幹夫 福岡
Yoshifumi Aki
佳史 安芸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH07120103A publication Critical patent/JPH07120103A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F9/00Casings; Header boxes; Auxiliary supports for elements; Auxiliary members within casings
    • F28F9/02Header boxes; End plates
    • F28F9/0219Arrangements for sealing end plates into casing or header box; Header box sub-elements
    • F28F9/0224Header boxes formed by sealing end plates into covers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F2275/00Fastening; Joining
    • F28F2275/04Fastening; Joining by brazing

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートメタルの折曲げ部より外側に配される
キャプセルの裾壁部や立壁部の外側面の表面状態を改善
する。 【構成】 アルミニウム合金製のキャプセル8の平坦な
天壁部12の端部より折り曲げられた裾壁部11の内側
面と、アルミニウム合金製のシートメタル9の基板部1
6の外周縁より上方に折り曲げられた筒状の折曲げ部1
3の外側面とをろう材9aを介して重ね合わせて金属重
合体を製作する。このとき、キャプセル8の外側面にマ
グネシウムを含む反応層8aを被覆しておく。そして、
金属重合体に弗化物系のフラックス14を与えてろう付
けにより熱交換器用タンクを製造する。なお、フラック
ス14の溶解前の加熱工程において反応層8aの成分中
のマグネシウムとフラックス14が反応して、キャプセ
ル8の外側面にアルミニウムに付着し難い粉末状のMg
2 が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、マグネシウムを含む
反応層を被覆した金属材を利用した金属接合体の製造方
法、熱交換器用タンクの製造方法および熱交換器用タン
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば複数の流路管およびタ
ンクを組み付けて、これらの接合部分をろう付けにより
接合するようにしてなる熱交換器が知られている。そし
て、熱交換器のタンクは、表面にろう材を被覆した金属
プレート製のキャプセルと、複数の流路管の端部が差し
込まれ、表面にろう材を被覆した金属プレート製のシー
トメタルとから構成されている。なお、熱交換器のろう
付けの際には、ろう材を均一に濡れさせるために弗化物
系のフラックス(商品名:ノコロック、化学式:KAl
4 +K2 AlF5 ・H2 O)を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、複数の流路管およびタンクを仮組み付けし
た仮組み付け体にフラックスを与えながらろう付けする
ために加熱すると、キャプセルの外側面に被覆されたろ
う材が溶解してキャプセルの外側面(非接合面)に垂れ
てくる。そして、ろう付け後に熱交換器を冷却すると、
垂れたろう材により、キャプセルの外側面に凸凹が生じ
てしまうという不具合があった。
【0004】また、タンクの外側面に付着したフラック
スが約560℃から反応(溶解)を始め、シートメタル
の表面のろう材に均一に広がりながらろう材が溶解し始
める。このとき、ろう材表面に付着したフラックスは、
反応後(ろう付け後)はKAlF4 +K3 AlF6 に変
化し、固形状の残渣となってキャプセルの外側面に残さ
れてしまい、さらにキャプセルの外側面の表面状態が悪
化するという不具合があった。
【0005】請求項1の発明は、少なくとも一方の金属
材の接合面と異なる非接合面の表面状態を平坦なものに
した金属接合体の製造方法の提供を目的とする。また、
請求項2の発明および請求項3の発明は、凸凹が生じた
り、第1金属プレートより外側に配される第2金属プレ
ートの接合面と異なる非接合面の表面状態を平坦なもの
にした熱交換器用タンクの製造方法および熱交換器用タ
ンクの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、2つの金属材の接合面同士をろう材を介して重ね合
わせた金属重合体に、弗化物系のフラックスを与え、前
記2つの金属材の接合面同士をろう付けにより接合して
金属接合体を製造する製造方法において、前記2つの金
属材のうちの少なくとも一方の金属材の接合面と異なる
非接合面には、ろう付け前に、マグネシウムを含む反応
層が被覆されている技術手段を採用した。
【0007】請求項2に記載の発明は、一端が開口し他
端が閉塞した第1金属プレート、およびこの第1金属プ
レートより外側に配され、一端が閉塞し他端が開口した
第2金属プレートの開口側同士をろう材を介して重ね合
わせて断面形状が略円形状や略口の字状等の略口の字型
の金属重合体を製作した後に、前記金属重合体に弗化物
系のフラックスを与え、前記第1金属プレートおよび前
記第2金属プレートの接合面同士をろう付けにより接合
して断面形状が略円形状や略口の字状等の略口の字型の
熱交換器用タンクを製造する製造方法において、前記第
2金属プレートの接合面と異なる非接合面には、ろう付
け前に、マグネシウムを含む反応層が被覆されている技
術手段を採用した。
【0008】請求項3に記載の発明は、一端が開口し他
端が閉塞した第1金属プレートの開口側、およびこの第
1金属プレートより外側に配され、一端が閉塞し他端が
開口した第2金属プレートの開口側同士をろう材を介し
て重ね合わせた断面形状が略円形状や略口の字状等の略
口の字型の金属重合体に、弗化物系のフラックスを与
え、前記第1金属プレートおよび前記第2金属プレート
の接合面同士をろう付けにより接合してなる断面形状が
略円形状や略口の字状等の略口の字型の熱交換器用タン
クにおいて、前記金属重合体は、前記第2金属プレート
の接合面と異なる非接合面に、マグネシウムを含む反応
層を被覆した技術手段を採用した。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、2つの金属材
の接合面をろう材を介して重ね合わせて金属重合体を製
作する。なお、2つの金属材のうち少なくとも一方の金
属材の接合面と異なる非接合面には、マグネシウムを含
む反応層が被覆されている。そして、その金属重合体に
弗化物系のフラックスを塗布または吹き付ける等して与
え、金属重合体を加熱する。すると、ろう材に付着した
弗化物系のフラックスが反応し始め、ろう材が溶解する
ことにより、2つの金属材の接合面同士がろう付けによ
り接合されて金属接合体が製造される。このとき、少な
くとも一方の金属材の非接合面に被覆されたマグネシウ
ムを含む反応層に付着した弗化物系のフラックスは、マ
グネシウムと非常に反応し易いため、粉末状の弗化マグ
ネシウムになり、前記非接合面に付着し難くなる。ま
た、前記非接合面には、ろう材が回り込まず、ろう付け
後にろう材が垂れない。
【0010】請求項2および請求項3に記載の発明によ
れば、第1金属プレートおよび第2金属プレートの開口
側同士をろう材を介して重ね合わせて、断面形状が略口
の字型の金属重合体を製作する。なお、2つの金属プレ
ートのうち第1金属プレートより外側に配される第2金
属プレートの接合面と異なる外側面には、マグネシウム
を含む反応層が被覆されている。そして、その金属重合
体に弗化物系のフラックスを塗布または吹き付ける等し
て与え、金属重合体を加熱する。すると、ろう材に付着
したフラックスが反応し始め、ろう材が溶解することに
より、2つの金属プレートの接合面同士がろう付けによ
り接合されて断面形状が略口の字型の熱交換器用タンク
が製造される。このとき、第2金属プレートの非接合面
に被覆されたマグネシウムを含む反応層に付着したフラ
ックスは、マグネシウムと非常に反応し易いため、粉末
状の弗化マグネシウムになり、第2金属プレートの非接
合面に付着し難くなる。また、第2金属プレートの非接
合面には、ろう材が回り込まず、ろう付け後にろう材が
垂れない。
【0011】
【実施例】次に、この発明の熱交換器の製造方法および
熱交換器用タンクを図1ないし図5に示す各実施例に基
づいて説明する。
【0012】〔第1実施例の構成〕図1ないし図9はこ
の発明の第1実施例を示したもので、図1は本発明を用
いた熱交換器の主要部を示した図で、図2は熱交換器本
体を示した図である。この熱交換器1は、エンジン(図
示せず)で温められた高温のエンジン冷却水と送風ダク
ト26内を流れる空気とを熱交換させて空気を加熱する
ヒータコアである。そして、熱交換器1は、車両に取り
付けられた送風ダクト26内に配置された熱交換器本体
2、およびこの熱交換器本体2内を流れるエンジン冷却
水の水温を感知する水温センサ3等より構成されてい
る。
【0013】熱交換器本体2は、内部をエンジン冷却水
が流れる複数のチューブ4と、これらのチューブ4の上
端部に接続されるアッパータンク2aと、複数のチュー
ブ4の下端部に接続されるロアタンク2bとから構成さ
れている。複数のチューブ4は、表面にろう材を被覆し
たアルミニウム合金材等の金属プレート(クラッド材)
よりなり、偏平な管状に形成されている。
【0014】これらの隣設するチューブ4間には、熱交
換性能を高めるためのアルミニウム合金材等の金属プレ
ート製のコルゲートフィン5がろう付けにより接合され
ている。また、最も外側に配置される最外側コルゲート
フィン5の外側には、コア6を所定の形状に保持する2
つのインサート7がろう付けにより接合されている。
【0015】アッパータンク2aは、本発明の熱交換用
タンク、金属接合体であって、略逆U字状のキャプセル
8と、このキャプセル8の開口側に接合されたシートメ
タル9とから構成されている。また、アッパータンク2
aは、内部がセパレータ(図示せず)によって、エンジ
ンのウォータジャケットよりエンジン冷却水が導入する
流入室10と、エンジンのウォータジャケットへエンジ
ン冷却水を戻す流出室(図示せず)とに区画されてい
る。
【0016】そして、アッパータンク2aの流入室10
側の側壁には、エンジンのウォータジャケットと熱交換
器1とを連結する冷却水配管(図示せず)に接続される
流入パイプ10aがろう付けにより接合されている。ま
た、アッパータンク2aの流出室側の側壁には、熱交換
器1とエンジンのウォータジャケットとを連結する配管
に接続される流出パイプ10bがろう付けにより接合さ
れている。なお、流入パイプ10aと流出パイプ10b
は、複数のチューブ4間を流れる空気の流れ方向に対向
するアッパータンク2aの対向面にそれぞれ接続されて
いる。
【0017】キャプセル8は、高強度で耐腐食性、加工
性に優れたアルミニウム・マンガン合金(3000番台
のアルミニウム合金)等の第2金属プレート8bよりな
る。なお、キャプセル8の内側面となる第2金属プレー
ト8bの表面(接合面)に、アルミニウム・亜鉛合金
(7000番台のアルミニウム合金)を被覆させて内側
面の耐腐食性を向上させるようにしても良い。キャプセ
ル8には、図3および図4に示したように、筒状の裾壁
部11と、この裾壁部11の上端部より折り曲げられた
平坦な天壁部12とが形成されている。
【0018】キャプセル8の裾壁部11の内側面(接合
面)には、シートメタル9の外周端縁より上方に折り曲
げられた筒状の折曲げ部13の外側面(接合面)がろう
付けにより接合されている。また、キャプセル8は、ろ
う付け前の段階では、図4に示したように、弗化物系の
耐腐食性フラックス14と反応し易いマグネシウム(M
g)を含むマグネシウム・アルミニウム合金製の反応層
8aを第2金属プレート8bの外側面に被覆している。
【0019】シートメタル9は、表面(接合面)にアル
ミニウム・シリコン合金(4000番台のアルミニウム
合金)等のろう材9aを被覆したアルミニウム・マンガ
ン合金(3000番台のアルミニウム合金)等の第1金
属プレート(クラッド材)9bよりなる。シートメタル
9の折曲げ部13の内側には、複数のチューブ4の上端
部を差し込むための複数のバーリング穴15を有する基
板部16が形成されている。
【0020】ロアタンク2bは、本発明の熱交換器用タ
ンク、金属接合体であって、図5および図6にも示した
ように、熱交換器本体2のろう付け時に最も下方に配置
される有底の箱型容器状のキャプセル17と、このキャ
プセル17の開口側に接合されたシートメタル18とか
ら構成されている。
【0021】キャプセル17は、アルミニウム・マンガ
ン合金(3000番台のアルミニウム合金)等の第2金
属プレート17bよりなる。なお、キャプセル17の内
側面となる第2金属プレート17bの表面(接合面)
に、アルミニウム・亜鉛合金(7000番台のアルミニ
ウム合金)を被覆させて内側面の耐腐食性を向上させる
ようにしても良い。キャプセル17には、図5および図
6にも示したように、プレス成形によって筒状の立壁部
19と、この立壁部19の下端部より折り曲げられた平
坦な底壁部20とが形成されている。
【0022】キャプセル17の立壁部19の内側面(接
合面)には、シートメタル18の外周端縁より下方に折
り曲げられた筒状の折曲げ部21の外側面(接合面)が
ろう付けにより接合されている。また、キャプセル17
は、キャプセル8と同様に、ろう付け前の段階では、図
6に示したように、弗化物系の耐腐食性フラックス14
と反応し易いマグネシウム(Mg)を含むマグネシウム
・アルミニウム合金製の反応層17aを第2金属プレー
ト17bの外側面に被覆している。
【0023】シートメタル18は、表面(接合面)にア
ルミニウム・シリコン合金(4000番台のアルミニウ
ム合金)等のろう材18aを被覆したアルミニウム・マ
ンガン合金(3000番台のアルミニウム合金)等の第
1金属プレート(クラッド材)18bよりなる。シート
メタル18の折曲げ部21の内側は、複数のチューブ4
の下端部を差し込むための複数のバーリング穴22を有
する基板部23が形成されている。
【0024】ここで、キャプセル17の底壁部20の外
側面には、熱交換器本体2をろう付けした後に、水温セ
ンサ3が接合される。この水温センサ3は、図1に示し
たように、方形状に形成されたハウジング24と、この
ハウジング24内に配されたサーミスタ等の感温素子
(図示せず)と、この感温素子とコンピュータとを接続
するコード25とからなる。
【0025】その水温センサ3は、キャプセル17の底
壁部20の外側面と送風ダクト26の底面に固定された
クランプ27との間に保持されて、キャプセル17の底
壁部20の外側面に接合されている。クランプ27に
は、水温センサ3をキャプセル17の底壁部20の外側
面に押圧する板ばね部28が形成されている。なお、こ
の水温センサ3で感知されたエンジン冷却水の水温は、
オートエアコンのコンピュータ(図示せず)に入力さ
れ、コンピュータは、その水温に応じて車室内の風量制
御やエアミックスダンパの開度制御等を行う。
【0026】〔第1実施例の製造方法〕次に、この実施
例の熱交換器1の製造方法を図1ないし図9に基づいて
簡単に説明する。ここで、図7はこの実施例の熱交換器
1の製造工程を示したフローチャートである。
【0027】先ず、部品加工において、チューブ4とコ
ルゲートフィン5は一般的に成形ロールを用いたローラ
ー加工によって所定の形状に製作され、それら以外の各
部品、つまりインサート7、キャプセル8、17、シー
トメタル9、18、流入パイプ10a、流出パイプ10
bおよびセパレータはプレス加工にて所定の形状に製作
される。
【0028】そして、チューブ4とコルゲートフィン5
は交互に積層されて組み付けられ、最外側のコルゲート
フィン5の外側にはインサート7が配された後に、複数
のチューブ4の両端部がシートメタル9、18に複数バ
ーリング加工されたバーリング穴15、22に差し込ま
れて、コア6の仮組付けが完了する。なお、コア6はろ
う付け前の仮組付け時にチューブ4とコルゲートフィン
5の弾性等によってチューブ4の積層方向(並列方向)
に膨張するため、バンド、ワイヤ等の治具でコア6の形
状を保持すると良い。
【0029】次に、シートメタル9にセパレータを組み
付け、さらにシートメタル9の折曲げ部13の外側面に
裾壁部11の内側面が重ね合わさるようにキャプセル8
を組み付け、シートメタル18の折曲げ部21の外側面
に立壁部19の内側面が重ね合わさるようにキャプセル
17を組み付けることによって、図2に示したように、
熱交換器本体2が組み付けられる。なお、キャプセル
8、17、シートメタル9、18はそれぞれかしめ、あ
るいは圧入により仮固定され、それぞれ断面形状が略口
の字型の金属重合体であるアッパータンク2aおよびロ
アタンク2bとなる。
【0030】つぎに、必要であれば熱交換器本体2を洗
浄する洗浄工程を経て、図8に示したように、ろう材9
a、18aが均一に濡れるように粉末状のフラックス1
4をフラックス噴射器29より噴射して熱交換器本体2
の表面に弗化物系の耐腐食性フラックス14を吹き付け
たり、熱交換器本体2の表面にフラックス14を塗布す
る。
【0031】その後に、キャプセル8の裾壁部11や天
壁部12の表面やキャプセル17の立壁部19や底壁部
20の表面に付着したフラックス14をはけや吸引器等
によって取り除いても良い。これにより、キャプセル8
の裾壁部11や天壁部12の表面やキャプセル17の立
壁部19や底壁部20の表面に残るフラックスの量が少
なくなる。なお、フラックス14が液状のフラックスの
場合には、フラックス14を乾燥させてから同様な手法
で取り除く。
【0032】つぎに、図9に示したように、2本の支え
棒30により熱交換器本体2を支えながら加熱炉中にて
ろう材9a、18aを溶融させることにより、複数のチ
ューブ4、コルゲートフィン5、シートメタル7、キャ
プセル8、17、シートメタル9、18の各々の接合箇
所に表面張力によってろう材9a、18aが集まり、熱
交換器本体2のろう付けがなされる。なお、キャプセル
8、17、シートメタル9、18はそれぞれろう付けさ
れ、それぞれ断面形状が略口の字型の金属接合体である
アッパータンク2aおよびロアタンク2bとなる。
【0033】そして、熱交換器本体2を炉中より取り出
し、常温によって熱交換器本体2を冷却した後に、検査
工程を経て製品完成となる。なお、完成した熱交換器本
体2は、図1に示したように、熱交換器本体2の下端
面、すなわち、キャプセル17の平坦な底壁部20の外
側面とクランプ27との間に水温センサ3が挿入された
状態で送風ダクト26内に組み付けられる。
【0034】ここで、図4および図6に基づいてろう付
け工程におけるキャプセル8、17、シートメタル9、
18の状態を詳細に説明する。なお、前述したように、
キャプセル8、17を構成する第2金属プレート8b、
17bの外側面(シートメタル9、18との非接合面)
には、熱交換器本体2のろう付け前の状態では、マグネ
シウム(Mg)を含むマグネシウム・アルミニウム合金
製の反応層8a、17aが被覆されている。
【0035】また、熱交換器本体2のろう付けの際に
は、ろう材9a、18aをキャプセル8の裾壁部11の
内側面とシートメタル9の折曲げ部13の外側面との接
合部分、およびキャプセル17の立壁部19の内側面と
シートメタル18の折曲げ部21の外側面との接合部分
に均一に広げるため、フラックス14を熱交換器本体2
の表面、すなわち、アッパータンク2a、ロアタンク2
bの表面に吹き付けたり、塗布したりしている。
【0036】そして、一般にフラックス14は弗化物系
の耐腐食性フラックス(商品名:ノコロック)が使用さ
れており、このフラックスの化学式はKAlF4 +K2
AlF5 ・H2 Oとなっている。この状態において熱交
換器本体2を加熱炉中に入れて加熱すると、アッパータ
ンク2a、ロアタンク2bの表面に付着したフラックス
14は約560℃から反応(溶解)を始める。そして、
フラックス14はシートメタル9、18を構成する第1
金属プレート9b、18bのろう材9a、18aの表面
に均一に広がり、ろう材9a、18aが溶解し始める。
このとき、ろう材9a、18aの表面に付着したフラッ
クス14は、反応(ろう付け)後はKAlF4 +K3
lF6 に変化し、固形状の残渣となってシートメタルの
外側面に残される。
【0037】一方、キャプセル8、17を構成する第2
金属プレート8b、17bに被覆された反応層8a、1
7aの表面に付着したフラックス14は、弗化物系のた
め、マグネシウム(Mg)と非常に反応し易いため、フ
ラックス14の溶解前の加熱過程において反応層8a、
17aの成分中のマグネシウム(Mg)と反応すること
により、第2金属プレート8b、17bの外側面に粉末
状のMgF2 が形成される。この物質は第2金属プレー
ト8b、17bのアルミニウムには付着し難く、またろ
う付け温度(例えば600℃)より高温の反応温度(例
えば1000℃)以上にならないと再反応しないため、
ろう付け中およびろう付け後においては変化することは
ない。なお、粉末状のMgF2 は、ろう付け後に吹き飛
ばしたり、拭き取ったりして、キャプセル8、17を構
成する第2金属プレート8b、17bの外側面より全て
取り除かれる。
【0038】なお、上記理由により、マグネシウム(M
g)を第2金属プレート8b、17bの表面に添加した
場合は、アルミニウム・シリコン合金よりなるろう材9
a、18aに付着すると、ろう付けに影響を及ぼすこと
が考えられる。このため、第2金属プレート8b、17
bの外側面に被覆する反応層8a、17a中のマグネシ
ウム(Mg)の添加量を最小限にとどめることが望まし
く、経験的に反応層(アルミニウム:99体積%)8
a、17a中のマグネシウム(Mg)の添加量を1体積
%前後(例えば0.5体積%〜1.5体積%)にするこ
とが望ましい。また、反応層8a、17aの厚みは、第
2金属プレート8b、17bへの拡散によるろう付けへ
の影響を考えると、第2金属プレート8b、17bの板
厚が1mmの場合に0.1mm前後(例えば0.05mm〜
0.15mm)が望ましい。
【0039】〔第1実施例の作用〕つぎに、この実施例
の熱交換器1の作用を図1および図2に基づいて簡単に
説明する。エンジンのウォータジャケットで温められた
エンジン冷却水は、流入パイプ10aよりアッパータン
ク2aのキャプセル8内に設けられた流入室内に流入す
る。そして、流入室内に流入したエンジン冷却水は、そ
の流入室に接続される複数のチューブ4内に流入してロ
アタンク2b側へ向かう。なお、複数のチューブ4内を
流れる際に、エンジン冷却水は送風ダクト26内を流れ
る空気と熱交換して空気を加熱する。これによって、車
室内は暖房される。
【0040】そして、複数のチューブ4の下端部よりロ
アタンク2bのキャプセル17内に流入したエンジン冷
却水は、流出室に接続される複数のチューブ4内に流入
し、空気と熱交換する。そして、複数のチューブ4より
流出室内に流入したエンジン冷却水は、キャプセル8に
取り付けられた流出パイプ10bを通ってエンジンのウ
ォータジャケットへ向かう。
【0041】なお、キャプセル17の底壁部20の表面
に取り付けられた水温センサ3は、キャプセル17内に
流入したエンジン冷却水の水温を感度良く感知してオー
トエアコンのコンピュータへ水温に応じた電気信号を送
る。そして、オートエアコンのコンピュータは、水温セ
ンサ3から送られてきたエンジン冷却水の水温を入力し
て、その水温に応じた車室内の温度制御や風量制御を行
う。
【0042】〔第1実施例の効果〕以上のように、この
実施例では、キャプセル8、17の外側面、すなわち、
ろう材9a、18aが回り込まない外側面には、ろう付
け後にろう材9a、18aの垂れによる凸凹が生じた
り、フラックス14の固形状の残渣が残ったりしないの
で、キャプセル8、17の外側面の表面状態を滑らかに
することができる。
【0043】したがって、キャプセル8の天壁部12の
表面粗さおよびキャプセル17の底壁部20の表面粗さ
を管理することなく水温センサ3の応答性を大幅に改善
することができる。これによって、定常時に水温センサ
3の感度が悪化したり、水温センサ3の応答性が極端に
遅れたりすることは少なくなるので、熱交換器本体2に
水温センサ3を直接取り付けて、水温センサ3により感
知した水温に応じて、オートエアコンの風量制御やエア
ミックスダンパの開度制御を行うことができる。
【0044】〔第2実施例〕図10はこの発明の第2実
施例を示したもので、熱交換器を示した図である。この
実施例では、アッパータンク2aおよびロアタンク2b
の断面形状が共に略口の字型をしており、全パスタイプ
のコア6を使用している。また、アッパータンク2aお
よびロアタンク2bの両端部は開口しており、その開口
を塞ぐように平板状のキャップ31、32がろう付けに
より接合されている。そして、流入パイプ10aおよび
流出パイプ10bは、アッパータンク2aおよびロアタ
ンク2bの一端側のキャップ31、32にそれぞれろう
付けにより接合されている。
【0045】〔変形例〕本実施例では、本発明を熱交換
器用タンクに用いたが、本発明を断面形状が略I字状、
略L字状の2つの金属プレートよりなるチューブ、フィ
ン、インサート、ブラケット等の金属接合体に用いても
良い。また、本発明をラジエータ等の他の熱交換器に用
いても良い。さらに、断面形状が略U字状または略コの
字状のキャプセル8、17と断面形状が略U字状または
略コの字状のシートメタル9、18によってアッパータ
ンク2aおよびロアタンク2bを形成したが、断面形状
が略C字状、略V字状、略E字状、略F字状、略H字
状、略R字状等の金属プレートによりタンクを形成して
も良い。
【0046】本実施例では、水温センサ3の当接箇所は
キャプセル17の底壁部20であったが、水温センサ3
の当接箇所は立壁部19やチューブ4、キャプセル8等
であっても良い。また、水温センサ3の代わりに平板状
のブラケットや円弧状のブラケット等の被当接物を用い
ても良い。本実施例では、シートメタル9、18を構成
する第1金属プレート9b、18bの外側面(接合面)
にろう材9a、18aを被覆したクラッド材を用いた
が、キャプセル8、17を構成する第2金属プレート
(一方の金属材)8b、17bの内側面(接合面)にろ
う材を被覆したクラッド材を用いても良い。
【0047】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、2つの金属材
のうちの少なくとも一方の金属材の非接合面には、ろう
付け後にろう材の垂れによる凸凹が生じたり、フラック
スの固形状の残渣が残ったりしないので、一方の金属材
の非接合面の表面状態を改善することができる。
【0048】請求項2および請求項3に記載の発明は、
第2金属プレートの接合面には、ろう付け後にろう材の
垂れによる凸凹が生じたり、フラックスの固形状の残渣
が残ったりしないので、第2金属プレートの接合面の表
面状態を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の主要部を示した断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例を示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例のキャプセルとシートメタ
ルを示した断面図である。
【図4】本発明の第1実施例のキャプセルとシートメタ
ル表面に付着したフラックスを示した断面図である。
【図5】本発明の第1実施例のキャプセルとシートメタ
ルを示した断面図である。
【図6】本発明の第1実施例のキャプセルとシートメタ
ル表面に付着したフラックスを示した断面図である。
【図7】本発明の第1実施例の製造工程を示したフロー
チャートである。
【図8】フラックス吹き付け工程を示した斜視図であ
る。
【図9】ろう付け工程を示した斜視図である。
【図10】本発明の第2実施例を示した斜視図である。
【符号の説明】 1 熱交換器 2a アッパータンク(熱交換器用タンク、金属接合
体) 2b ロアタンク(熱交換器用タンク、金属接合体) 8 キャプセル 9 シートメタル 14 フラックス 17 キャプセル 18 シートメタル 8a 反応層 8b 第2金属プレート(一方の金属材) 9a ろう材 9b 第1金属プレート 17a 反応層 17b 第2金属プレート(一方の金属材) 18a ろう材 18b 第1金属プレート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの金属材の接合面同士をろう材を介し
    て重ね合わせた金属重合体に、弗化物系のフラックスを
    与え、前記2つの金属材の接合面同士をろう付けにより
    接合して金属接合体を製造する製造方法において、 前記2つの金属材のうちの少なくとも一方の金属材の接
    合面と異なる非接合面には、ろう付け前に、マグネシウ
    ムを含む反応層が被覆されていることを特徴とする金属
    接合体の製造方法。
  2. 【請求項2】一端が開口し他端が閉塞した第1金属プレ
    ート、およびこの第1金属プレートより外側に配され、
    一端が閉塞し他端が開口した第2金属プレートの開口側
    同士をろう材を介して重ね合わせて断面形状が略口の字
    型の金属重合体を製作した後に、 前記金属重合体に弗化物系のフラックスを与え、前記第
    1金属プレートおよび前記第2金属プレートの接合面同
    士をろう付けにより接合して断面形状が略口の字型の熱
    交換器用タンクを製造する製造方法において、 前記第2金属プレートの接合面と異なる非接合面には、
    ろう付け前に、マグネシウムを含む反応層が被覆されて
    いることを特徴とする熱交換器用タンクの製造方法。
  3. 【請求項3】一端が開口し他端が閉塞した第1金属プレ
    ートの開口側、およびこの第1金属プレートより外側に
    配され、一端が閉塞し他端が開口した第2金属プレート
    の開口側同士をろう材を介して重ね合わせた断面形状が
    略口の字型の金属重合体に、弗化物系のフラックスを与
    え、前記第1金属プレートおよび前記第2金属プレート
    の接合面同士をろう付けにより接合してなる断面形状が
    略口の字型の熱交換器用タンクにおいて、 前記金属重合体は、前記第2金属プレートの接合面と異
    なる非接合面に、マグネシウムを含む反応層を被覆した
    ことを特徴とする熱交換器用タンク。
JP5271477A 1993-10-29 1993-10-29 金属接合体の製造方法、熱交換器用タンクの製造方法および熱交換器用タンク Pending JPH07120103A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1439368A4 (en) * 2001-10-25 2006-05-03 Showa Denko Kk THERMAL EXCHANGER, METHOD OF FLUORATING THERMAL EXCHANGER OR ITS CONSTITUENT ELEMENTS, AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
JP2010501825A (ja) * 2006-08-28 2010-01-21 ヴァレオ システム テルミク フラットチューブの鑞接方法

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