JPH07120060B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH07120060B2
JPH07120060B2 JP63303324A JP30332488A JPH07120060B2 JP H07120060 B2 JPH07120060 B2 JP H07120060B2 JP 63303324 A JP63303324 A JP 63303324A JP 30332488 A JP30332488 A JP 30332488A JP H07120060 B2 JPH07120060 B2 JP H07120060B2
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    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる
電子写真感光体の製造方法に関し、特に半導体レーザを
光源とするレーザプリンタの感光体の製造方法に関す
る。
(b)従来の技術 近年、電子写真方式を用いた画像形成装置には半導体レ
ーザを光源として用いるものがある。現在実用化されて
いる半導体レーザにおいては780〜830nmの波長域で安定
した高出力が得られるものがあり、この波長域のレーザ
装置を用いることは像形成効率のうえで望ましい。しか
しながら一方で、現在実用化されている一般的な電子写
真感光体の感度波長はせいぜい700から800nm未満と低
い。そのため上述したような波長帯域に光感度を有する
感光体の実用化が期待されている。実際にこのような波
長帯域に光感度を有する感光体としては、a−Si(アモ
ルファスシリコン:Si−H)にGeを添加したa−SiGe
(アモルファスシリコンゲルマニウム:Si−Ge−H)が
考えられる。a−SiにGeを添加すると光学的バンドギャ
ップが小さくなってこの波長対域のレーザ装置に対応可
能になる。
(c)発明が解決しようとする課題 しかしながらGeを添加したa−Siは光学的バンドギャッ
プが小さくなるという利点は得られるもののa−Siに比
べて暗比抵抗,明導電率が低下し、結果として、像形成
を行った場合にコントラストに乏しい不明瞭な像になっ
てしまう問題があった。
また、a−SiGeはa−Siに比べて熱により励起されるキ
ャリアが多いため感光体として用いた場合さらに帯電保
持能力が悪くなってしまう問題がある。すなわち、画像
形成装置に備えられる感光体は通常、表面に水分層が形
成されるのを防止する等のために内部にヒータが備えら
れて加熱されている。ところがa−SiGeはこの熱により
励起キャリアが生じ、感光体表面の電荷をキャンセルし
てしまうので、感光体の帯電保持能力はさらに悪くなっ
てしまう。
この発明の目的は、(SiH2)n粉を発生させることがな
く、層中に含まれる水素とハロゲンの含有量を適正な値
に容易に設定できるとともに、電子写真感光体の帯電保
持力および光感度を向上し、かつ、層の境界部分におけ
る電気的および構造的不整合を緩和して電荷のトラップ
等を減少させ、像形成後における残留電荷を削減できる
電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、a−Si層の光学的バンド
ギャップを大きくしてこの層における光吸収量を減ら
し、像形成光を有効に利用できるとともに、a−SiGe層
においてGeの添加による効果を損なわない範囲で暗比抵
抗および明導電率を向上することができる電子写真感光
体の製造方法を提供することにある。
(d)課題を解決するための手段 請求項1に記載した発明は、導電性基体上に、原料ガス
の圧力を2.5〜3.5mtorrとするエレクトロン・サイクロ
トロン・レゾナンス(Electron Cyclon Resonance:以
下、ECRという。)法を用いてアモルファス状態のSi−G
e−H−X(X:ハロゲン)層を導電性基体側からGe含有
量を徐々に減少させて形成し、さらに、原料ガスの圧力
を2.0〜3.5mtorrとするECR法を用いてアモルファス状態
のSi−H−X(X:ハロゲン)層を積層したことを特徴と
する。
請求項2に記載した発明は、前記Si−H−X層における
HとXの合計含有量をほぼ40at%以上とし、前記Si−Ge
−H−X層におけるHとXの合計含有量をほぼ40at%以
上65at%以下にしたことを特徴とする。
(e)作用 請求項1に記載した発明においては、ECR法を用いて導
電性基体上にa−SiGe層およびa−Si層を形成する。し
たがって、原料ガスの圧力を所定範囲に制御することに
より、層内における水素およびハロゲンの含有量を容易
に設定されとともに、(SiH2)n粉を生じることもな
い。
また、請求項1に記載した発明に係る製造方法により製
造した電子写真感光体では、電荷保持層および電荷輸送
層であるa−Si層が表面側に位置し、電荷発生層である
a−SiGe層が表面から遠い基体側に位置し、a−SiGe層
におけるGeの含有量は、導電性基体側からa−Si層側に
いくにしたがって徐々に減少する。したがって、加熱に
より基体近傍のa−SiGe層において励起されたキャリア
が感光体表面の電荷をキャンセルするためには、電子ま
たは正孔が感光体の表面まで移動する必要があるが、暗
比抵抗の高いa−Si層をキャリアが移動するのは困難で
あるため、感光体表面上の電荷はキャンセルされ難く、
感光体の電荷保持能力は低下しない。また、a−Si層と
a−SiGe層との境界部分における電気的、構造的不整合
が緩和され、この境界部分における電荷のトラップ等が
減少し、感光体における残留電荷が削減される。
請求項2に記載した発明に係る製造方法により製造した
電子写真感光体では、a−Si層に含まれるH(水素)と
X(ハロゲン)との合計量がほぼ40at%以上にされ、a
−SiGe層に含まれる水素とハロゲンとの合計量が40at%
以上65at%以下にされる。本発明者等の実験によれば、
a−Si系の感光体において水素またはハロゲンの含有量
を40at%以上に制御すると、光学的バンドギャップ、暗
比抵抗および明導電率が上昇するが、a−SiGe層では、
水素の含有量が65at%を越えると、光学的バンドギャッ
プが過度に上昇し、Ge添加の効果が損なわれて光感度が
低下することが分かった。したがって、上記電子写真感
光体では、a−Si層の光学的バンドギャップが大きくな
ってこの層における半導体レーザの発振波長に対する光
吸収率が低くなり、下側のa−SiGe層に到達する光量が
多くなり、感光体全体として像形成光が有効に利用され
て光感度が向上する。また、a−SiGe層における暗比抵
抗および明導電率の上昇によっても電荷保持力および光
感度が向上する。
(f)実施例 〈成膜装置の説明〉 第9図は、ECR(electron cyclotron resonance)法に
よる成膜装置の構成を表した図である。a−SiGe層,a−
Si層等はこの装置により導電性基体上に成膜される。
この成膜装置はプラズマを発生させるプラズマ室1と、
成膜が行われる堆積室2を有している。
プラズマ室1,堆積室2は図外の油拡散ポンプ,油回転ポ
ンプにより真空排気される。
プラズマ室1は空胴共振器構成となっており、導波管4
を通して2.45GHzのμ波が導入される。なおμ波導入窓
5はμ波が通過できる石英ガラスで構成されている。プ
ラズマ室1には水素ガス導入管7からH2ガスが導入され
る。また、プラズマ室1の周囲には磁気コイル6が配置
され、ここで発生したプラズマを堆積室2に引き出すた
めの発散磁界が印加されている。なおプラズマはプラズ
マ引き出し窓3を通じて堆積室2に引き出される。
堆積室2のほぼ中央部には感光体の基体8が設置され
る。基体8は導電性材、例えばAlでなり、この実施例で
はドラム状のものを用いている。ドラム状の基体8は表
面に均一に成膜が行われるように、図示しない支持機構
により回転可能に支持されている。堆積室2にはSiH4
の原料ガスを導入する原料ガス導入管9が設けられてい
る。
この装置での成膜動作を説明すると、まず、プラズマ室
1および堆積室2内が排気され、続いてプラズマ室1に
はH2ガスが、堆積室2には原料ガスが導入される。原料
ガスとしては例えばSiH4,Si2H6,SiF4,SiCl4,SiH2Cl2
どの水素またはハロゲンを含むシリコン化合物や、Ge
H4,GeF4,GeCl4,GeF2,GeCl2などの水素またはハロゲンを
含むゲルマニウム化合物である。このときのガス圧は10
-3〜10-4torr程度に設定される。そして、プラズマ室1
にμ波を導入するとともに磁気コイル6に電圧を印加し
プラズマを励起する。このプラズマはプラズマ引き出し
窓3から堆積室2へと導かれ、原料ガスを励起して基体
8上に原料ガスによる膜を形成する。このとき基体8は
回転されるので均一な成膜が行われる。またプラズマ引
き出し窓3の位置や大きさの設定により膜の均一性は向
上される。
〈a−SiGe,a−Siの各々の特性について〉 まず最初にa−SiGe層の説明をする。
原料ガスとしてSiH4とGeH4とを、 SiH4/(SiH4+GeH4)=0.81 の割合で混合し、またその混合ガス流量を120sccmとし
て堆積室に導入させ、室内のガス圧を2〜5mtorrの間で
振ってa−SiGe層を有する感光体を作成した。なおμ波
出力は2.5kwとした。
第2図(A)はこのようしてした形成されたa−SiGe層
中に含有される水素量を表した図であり、同図(B)お
よび(C)は各々この感光体の暗比抵抗,明導電率を表
した図である。なお明導電率は830nmのレーザ光を光源
として実験した結果を表した。また、成膜されたa−Si
Ge層におけるSiとGeとの比率は、GeがSiに対してほぼ45
〜61at%であった。
これらの図から分かるように、ほぼ3.5mtorrを境に膜中
に含まれる水素量が変わり、それとともに暗比抵抗,明
導電率にも変化が見られる。すなわち、ガス圧がほぼ2.
5〜3.5mtorrでは膜中に含まれる水素量がほぼ40at%を
越え、暗比抵抗,明導電率とも急激に高くなるという結
果が得られた。
このような暗比抵抗,明導電率の向上は、ほぼ40at%以
上のH添加によりGeとHとの結合によりGeのダングリン
グンドが減少するためであると考えられる。しかし、本
発明者等の実験によれば、膜中のH量がほぼ65at%を越
えるとH添加による光学的バンドギャップの上昇によ
り、Ge添加効果を打ち消して感度で悪くなってしまう問
題が生じた。したがって、a−SiGe層に含まれるH量は
ほぼ40〜65at%に設定することが望ましい。
次に、a−SiGe層のおけるGe添加量について述べる。a
−SiへのGeの添加はほほ780〜830nmの光学的バンドギャ
ップの減少という効果をもたらし、その一方で暗比抵
抗,明導電率の低下という問題がある。したがってGeの
添加量は適切な値に設定する必要がある。
原料となるSiH4とGeH4との混合比を変化させることによ
り形成される膜中に含まれるGe量を振ってa−SiGe層を
形成した。なおこのとき、原料ガス圧は2.5〜3.5mtorr
として、膜中に含まれるH量を規制した(43〜48at%で
あった)。そして、形成された膜中のGe量と780〜830nm
のレーザ光に対する感度との関係を調べたところ、Siに
対するGe量が5.3at%以下の場合にはGe添加の効果が殆
どなく感度が悪かった。また、ほぼ150at%を越えると
暗比抵抗が小さくなり過ぎて感光体としては使用不可能
であった。すなわち、a−SiGe層におけるGe量はSiに対
して5.3〜150at%、好ましくは18〜82at%、最も好まし
くは43〜67at%であった。
なお、以上の例ではSi,Geの水素化合物を用いているた
め形成される膜中にはHのみが含有されるが、ハロゲン
もHと同様の効果をもたらすため、Si,Geのハロゲン化
物を用いた場合にはハロゲンおよびHの合計含有量がほ
ぼ40〜65at%になるようにすればよい。
次に、a−Si層について述べる。
a−Si層を形成する場合には原料ガスとしてSiH4を用
い、これを堆積室2に、H2ガスを堆積室1に導入してAl
の基体上に成膜を行って感光体を形成した。またガス圧
は2〜5mtorrの間で振って実験を行った。第3図(A)
はこのようにして形成されたa−Si膜中に含まれるH量
を表した図であり、同図(B),(C)は各々この感光
体の暗比抵抗,明導電率を表している。なお明導電率
は、a−Si層が光感度を有する565nmのLED光源を用い
た。
同図(B),(C)から分かるように、ほぼ2〜3.5mto
rrでa−Si層に含まれるH量が40at%以上になり、それ
とともに暗比抵抗が高くなる。すなわち、a−Si層中に
含まれるH量が40at%以下の場合には暗比抵抗はせいぜ
い1011Ωcm止まりであるが、ほぼ40at%を超える付近か
ら、暗比抵抗が1012Ωcm以上になる。すなわちこの40at
%以上のHを含んだa−Si感光体は帯電保持能力に非常
に優れたものとなる。なお同図(C)から分かるよう
に、このa−Si感光体は565nm付近の光に対して明導電
率が高い。したがって本発明の電子写真感光体において
は、a−SiGe層により注入された光励起によるキャリア
を電界の存在下感光体表面側に輸送する能力にも長けて
いる。
このような明導電率の向上は、Hが40at%以上含有され
た場合、膜中のSi原子のダングリングボンドを減少させ
ることができるためであると考えられる。なおこの例で
は原料ガスとしてSiの水素化合物を用いているため成膜
されるa−Si層中にはHのみが含有されるが、原料ガス
としてSiのハロゲン化物を用いた場合にはa−Si層中に
ハロゲンが含有され、このハロゲンはa−SiGe層の説明
時にも述べたようにHと同様の働きをしてa−Si層の特
性を向上させる。
以上に述べたように、ECR法の成膜装置でa−SiGe層お
よびa−Si層を形成する場合原料ガスの圧力を所定範囲
(a−SiGe層では2.5〜3.5mtorr、a−Si層では2〜3.5
mtorr)に設定することにより層中に含まれるHおよび
ハロゲン量をほぼ40〜65at%に設定でき、暗比抵抗,明
導電率の良い膜形成を行うことごできる。しかも、上述
したようなガス圧に設定したとき、成膜速度,ガス利用
効率ともに良好で、H量が40at%以下になるガス圧範囲
に比べて効率良く成膜を行うことができた。さらに、成
膜速度においては一般的にa−Si系の感光体を作成する
場合に成膜装置として用いられているプラズマCVD装置
に比べて6〜10倍の速度と、かなり速い速度で成膜を行
うことができた。また、このECR法の成膜装置で成膜を
行うと、(SiH2)nの粉が発生することがなく、このよ
うな粉が感光体の基体上に付着して成膜欠陥を生じさせ
るという問題がなく、品質の良い感光体を歩留まり良く
形成することができた。
以上のようにしてa−SiGe層およびa−Si層を形成する
ことができる。以上のようにして形成されるHおよびハ
ロゲンをほぼ40〜65at%含有するa−SiGe層、a−Si層
の特性をまとめると以下のようになる。
a−SiGe層 780〜830nmに対する光感度を有している(Ge添加効
果)。H,ハロゲン量をほぼ40at%以上含有させることに
より、暗比抵抗(1011Ωcm程度)、明導電率ともに向上
させることができる。また、従来技術で述べたようにa
−SiGe層はa−Si層に比べて熱励起されるキャリアが多
く、そのため感光体の帯電保持能力を向上させるために
は感光体表層部にa−SiGe層を設けないことが望まし
い。
a−Si層 780〜830nmに対する感度は低いが、ボロンを添加しない
場合でも暗比抵抗が1012Ωcmと非常に良く帯電保持能力
に優れている。なお、本発明者等の実験によれば、ボロ
ン添加を行うと暗比抵抗は1014Ωcm程度にまで上昇す
る。また、明導電率もH,ハロゲンをほぼ40at%以上含有
させることにより向上し、キャリアの輸送能力に優れて
いる。また、H,ハロゲンの添加により光学的バンドギャ
ップも上昇するので、もともと780〜830nに対しての低
い感度がさらに低くなりその波長帯域光の吸収光量が少
なくなる。
このようなことから本発明者等はa−SiGe層を電荷発生
層として用いしかも感光体表層部から離した基体近くに
設け、またa−Si層は電荷保持層および電荷輸送層とし
て感光体の表層部に設けるようにした。なお第1図はこ
の発明の実施例に係る感光体の断面を表した図であり、
Al等からなる導電性の基体21上に中間層22、光導電層2
3、表面層24がこの順に積層されている。本発明の特徴
は光導電層23にあり、光導電層23は基体21に近い側にa
−SiGe層23aを、その上側にa−Si層23bを形成してい
る。
〈実験例1〉 まず、第4図に示した条件で成膜を行い、感光体を作成
した。なおこの例では感光体を暗比抵抗をより一層高く
するためのボロンをドープするため、原料ガスにB2H6
混合した。形成された感光体のa−SiGe層において(Ge
/Si)値を測定したところ61at%でありH量は46at%で
あった。またa−Si層におけるH含有量は48at%であっ
た。このようにして形成された感光体を用い、830nmの
レーザ光を光源として像形成を行ったところ帯電保持能
力が高く、形成画像も高品質のものを得ることができ
た。
また、a−SiGe層およびa−Si層に含まれるH量を変え
るため、他の条件を同じにし原料ガスのガス圧のみを変
化させて成膜を行い感光体を作成し、その感光体を用い
て像形成実験を行った。第7図はその結果を表した図で
ある。図から分かるようにガス圧がほぼ3.5mtorr以下の
ときには帯電特性,形成画像の品質ともに非常に良好で
あった。なおこのときのa−SiGe層,a−Si層に含まれH
量は40〜65at%の範囲内であり、a−SiGe層中のGe量
(Ge/Si値)は45〜64at%であった。
〈実験例2〉 また第5図に示したように、a−SiGe層を形成するとき
にSiH4とGeH4の流量を変化させることにより、形成され
るa−SiGe層中でのGe含有量が上層ほど少なくなるよう
に成膜を行った。第8図は形成されるa−SiGe層中のGe
含有量の変化例を表した図であり、図中T0が基板側、T1
がa−Si層側である。図に示されるように、原料ガス流
量を変化させることにより形成されるa−SiGe層中に含
まれるGe量は基体側をmaxとして徐々に減少している。
なお原料ガス流量はa−Si層中におけるGe含有量がSiに
対して5.3〜150at%になるような範囲内で変化させる。
このようにa−SiGe層のGe量を徐々に変化させた感光体
を用いて像形成処理を行ったところ、〈実験例1〉で示
した感光体を用いて像形成を行った場合よりもさらに高
品質の画像を得ることができた。これは、a−SiGe層と
a−Si層との境界付近においてGe含有量が徐々に変化し
ているため、この2層の境界部での電気的および構造的
な不整合が緩和されるためであると考えられる。すなわ
ち、a−SiGe層とa−Si層との境界部においてGe濃度が
極端に変化した場合(〈実験例1〉のような場合)、両
層の光学的バンドギャップの差や構造の違いなどから境
界部で電荷のトラップなどが生じ、像形成プロセスごと
に除電器等を用いて除電を行っても感光体内に電荷が残
留し、これが形成される画像に悪影響を与える。しかし
ながら、この例のようにGe含有量を徐々に変化させてゆ
くとこれらの不整合が緩和され、像形成後に電荷の残留
量を減少させて次回の像形成を良好に行えるようにな
る。
以上の例は原料ガスにB2H6を混合することにより形成さ
れる感光体の暗比抵抗がより一層大きくなるようにした
ものであるが、この様な効果を得るためにはB2H6の他
に、BCl3、BH3などのボロン化合物またはアルミニウ
ム,ガリウム,インジウムの化合物などを用いてもよ
い。
〈実験例3〉 a−SiGe層,a−Si層にリン,窒素,アンチモン,酸素な
どをドープさせると電子の走行能に長けた感光体を形成
することができる。第6図はこの様な感光体を形成する
場合の製造条件を表した図であり、リンをドープするた
めにPH3を原料ガスに混合している。リンドープ用とし
ては他にPCl3、PCl5などがある。このように微量のPを
混入して形成された感光体を用いて像形成を行ったがボ
ロンドープのときと同様に良好な画像を形成することが
できた。
(g)発明の効果 請求項1に記載した発明によれば、a−SiGe層およびa
−Si層をECR法を用いて形成することにより、原料ガス
の圧力のみを所定範囲に制御するだけで、層内の水素お
よびハロゲン含有量を適当な値に容易に設定することが
できるとともに、(SiH2)n粉の発生を確実に防止する
ことができる。また、a−SiGe層のGeの分布状態を、基
体側において多く、a−Si層側において少なくすること
により、a−SiGe層とa−Si層との境界部分における不
整合を緩和して残留電荷量を消減し、画像品質の向上を
図ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、a−Si層における水
素またはハロゲンの含有量を40at%以上に制御し、a−
SiGe層における水素またはハロゲンの含有量を40at%以
上65at%以下に制御することにより、a−Si層の光吸収
量を少なくして像形成光を有効に利用するとともに、a
−SiGe層の光感度、暗比抵抗および明導電率を向上して
画像品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例である感光体の断面を表した
図、第2図(A)〜(C)はa−SiGe層成膜時のガス圧
と膜中のH量,膜の暗比抵抗,膜の明導電率との関係を
表した図、第3図(A)〜(C)はa−Si成膜時のガス
圧と膜中のH量,膜の暗比抵抗,膜の明導電率との関係
を表した図、第4図〜第6図はa−SiGe層、a−Si層の
積層条件を表した図、第7図は成膜時のガス圧(含有水
素量)と感光体の品質との関係を表した図、第8図
(A)〜(H)は成膜されるa−SiGe層中のGe含有量の
変化状態を表した図、第9図はECR法を用いた成膜装置
の構成を表した図である。 21……導電性基体、22……中間層、23……光導電層、24
……表面層、23a……a−SiGe層、23b……a−Si層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 好治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−186748(JP,A) 特開 昭54−98588(JP,A) 特開 昭61−83544(JP,A) 特開 昭63−2067(JP,A) 特開 昭59−159167(JP,A) 特開 昭63−81361(JP,A) 特開 昭58−187940(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、原料ガスの圧力を2.5〜
    3.5mtorrとするエレクトロン・サイクロトロン・レゾナ
    ンス法を用いて、アモルファス状態のSi−Ge−H−X
    (X:ハロゲン)層を導電性基体側からGe含有量を徐々に
    減少させて形成し、さらに、原料ガスの圧力を2.0〜3.5
    mtorrとするエレクトロン・サイクロトロン・レゾナン
    ス法を用いてアモルファス状態のSi−H−X(X:ハロゲ
    ン)層を積層したことを特徴とする電子写真感光体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記Si−H−X層におけるHとXの合計含
    有量をほぼ40at%以上とし、前記Si−Ge−H−X層にお
    けるHとXの合計含有量をほぼ40at%以上65at%以下に
    したことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体の
    製造方法。
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