JPH0711937B2 - 微小真空三極管とその製造方法 - Google Patents

微小真空三極管とその製造方法

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JPH0711937B2
JPH0711937B2 JP33352689A JP33352689A JPH0711937B2 JP H0711937 B2 JPH0711937 B2 JP H0711937B2 JP 33352689 A JP33352689 A JP 33352689A JP 33352689 A JP33352689 A JP 33352689A JP H0711937 B2 JPH0711937 B2 JP H0711937B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体に比べて放射線損傷や絶縁耐圧に優れ
ている微小真空三極管の構造とその製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
微小真空三極管の構造と形成方法としては、例えば、第
36回応用物理学関係連合講演会予稿集第2分冊p585 2p-
k-1記載の方法が知られている。第3図(a)〜(e)
は、そのような構造および製造方法の一例を示すもので
ある。第3図(a)に示すように、窒化珪素(SiN)膜4
1を珪素(Si)基板42上にマスクとして形成し、つい
で、第3図(b)に示すようにSiN膜41をマスクとしてS
i基板42の異方性エッチングを行なう。ついで、第3図
(c)に示すように、絶縁膜(酸化珪素SiO)43と電極
層(タンタリウムTa)44を連続的に蒸着した後、第3図
(d)に示すようにSiN膜41を除去した後、第3図
(e)に示すように絶縁膜43を軽くエッチングする。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べた形成方法は、電界放射エミッタを単結晶によ
り形成して自己整合によりグリッド、コレクタを形成し
ているものの、マスクを用いて異方性エッチングを行な
っているため、エミッタの先端径が余り小さくできない
こと、又、エミッタは、大気に露呈しているため、実際
の動作時には、真空中に封入する必要があり、このまま
では動作させることが出来ない。又、実際の動作時にお
いても、エミッタ先端から周囲の絶縁膜を見込むことが
出来るので、エミッタからの放出電子あるいは散乱電子
が、周囲の絶縁膜に飛び込みチャージアップを生じさ
せ、動作を不安定なものにする問題があった。
本発明の目的は、この様な従来の欠点を除去せしめて、
チャージアップの影響を受けにくい微小真空三極管の構
造と自己整合的に真空封入可能な微小真空三極管を形成
する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の微小真空三極管は、エミッタとグリッド、グリ
ッドとコレクタを絶縁する絶縁膜がエミッタ先端から直
接見込めない構造を有している。
又、本発明の微小真空三極管の製造方法は、基板上に第
1の金属膜を形成し、ついで、第1の絶縁膜を形成した
後、第1のレジストを第1の絶縁膜上に塗布形成し、つ
いで該第1のレジストをパターニングして所望の寸法に
該第1のレジストのマスクを形成した後、該レジストを
マスクに露呈した前記第1の絶縁膜を途中までエッチン
グした後、残余のレジストを除去する工程と、ついで露
呈した絶縁膜を覆うように第2のレジストを塗布形成し
た後、前記第1のレジストマスク下の絶縁膜上に絶縁膜
の幅より小さく該第2のレジストが残るように該第2の
レジストをパターニングする工程と、ついで残余の第2
のレジストをマスクとして、露呈された前記第1の絶縁
膜を前記第1の金属膜が露呈しないようにエッチング
し、ついで第2の金属膜を蒸着した後、有機洗浄あるい
は酸素(O2)プラズマによって、前記第2のレジストと
第2のレジスト上の不要の蒸着金属を除去した後、前記
金属膜上に第1の金メッキ層を形成してグリッドを形成
する工程と、ついで前記第1の金メッキ層と一部露呈し
ている第1の絶縁膜を覆うように第2の絶縁膜を形成し
た後、該第2の絶縁膜上に第2のレジストを塗布形成
し、ついで前記第1の金メッキ層に覆われていない第1
の絶縁膜の真上に前記第2のレジストを残すようにパタ
ーニングした後、残余の第2のレジストをマスクとして
第2の絶縁膜を第1の金メッキ層が露呈しないように一
部エッチングし、ついで第3の金属膜を蒸着した後、残
余の第2のレジストと第2のレジスト上の不要の金属膜
を有機洗浄あるいは酸素(O2)プラズマによって除去し
た後、第2の金メッキ層を形成する工程と、ついで第2
の金メッキ層の開口を通して露呈している第2の絶縁膜
をエッチングしたのち、第1の絶縁膜を露呈させ、つい
で第1の絶縁膜をエッチングして第1の金属膜を露呈さ
せた後、第4の金属膜を蒸着してエミッタを形成すると
共に第2の金メッキ層に存在する開口を閉じさせてコレ
クタを形成する工程とを有している。
〔作用〕
上記方法に於て、蒸着法によりエミッタを形成している
ため、エミッタの先端径を充分に小さくできる。また、
真空中で蒸着しながら開口を閉じさせるので、素子を封
入する必要がなくチップとして切り出してそのまま実装
することが出来る。
又、エミッタの先端から直接絶縁膜を見込まないので、
チャージアップの問題がなく、動作が不安定とならな
い。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
第1図に本発明の微小真空三極管の断面を示している。
即ち、本発明では、エミッタ先端からグリッド、コレク
タを絶縁する絶縁膜を見込むことはできず、動作時にチ
ャージアップを起こさず、安定な動作をすることが出来
る。又、エミッタ電極部が真空封止される。
第2図(a)に示すように、基板21上に第1の金属膜
(例えば、金(Au))22を形成し、ついで、金属膜22の
上に第1の絶縁膜(例えば二酸化珪素(SiO2))23を形
成した後、第1のレジスト(例えばシプレイー社製AZ−
1350)24を第1の絶縁膜23上に塗布形成する。ついで、
第2図(b)に示すように、第1のレジスト24をパター
ニングして、所望の寸法に第1のレジストのマスク25を
形成した後、レジスト25をマスクに露呈した前記第1の
絶縁膜23を途中までエッチングした後、、残余のレジス
ト25を除去する。ついで、第2図(c)に示すように、
露呈した絶縁膜23を覆うように第2のレジスト(例え
ば、東洋曹達社製CMS)26を塗布形成した後、第2図
(d)に示すように前記第1のレジストマスク25下の絶
縁膜上に絶縁膜の幅より小さく該第2のレジスト26が残
るように、該第2のレジスト26をパターニングし、つい
で、残余の第2のレジストをマスク27として、露呈され
た前記第1の絶縁膜23を前記第1の金属膜22が露呈しな
いようにエッチングし、ついで、第2図(e)に示すよ
うに第2の金属膜(例えば金(Au))28を蒸着する。次
に、第2図(f)に示すように有機洗浄あるいは酸素
(O2)プラズマによって、前記第2のレジストマスク27
と第2のレジストマスク27上の不要の蒸着金属28を除去
した後、前記金属膜28上に第1の金メッキ層29を形成し
てグリッド40を形成する。この時、一部露呈していた第
1の絶縁膜23が金メッキ層29で覆われないようにする。
ついで、第2図(g)に示すように、前記第1の金メッ
キ層29と一層露呈している第1の絶縁膜23を覆うように
第2の絶縁膜(例えば、二酸化珪素(SiO2))30を形成
した後、この第2の絶縁膜30上に第2のレジスト(例え
ば東洋曹達社製CMS)31を塗布形成する。ついで、第2
図(h)に示すように前記第1の金メッキ層29に覆われ
ていない第1の絶縁膜23の真上に前記第2のレジスト31
を残すようにパターニングした後、残余の第2のレジス
ト31をマスク32として第2の絶縁膜30を第1の金メッキ
層29が露呈しないように一部エッチングし、ついで、第
3の金属膜33を蒸着した後、第2図(i)に示すように
残余の第2のレジストマスク32と第2のレジストマスク
32上の不要の金属膜33を、有機洗浄あるいは酸素(O2
プラズマによって除去した後、第2の金メッキ層34を形
成する。この時、一部露呈している第2の絶縁膜30が金
メッキ層34によって完全におおわれないようにする。つ
いで、第2図(j)に示すように、第2の金メッキ層34
が開口35を通して露呈している第2の絶縁膜30をエッチ
ングする。この時、第1の絶縁膜23が後程形成するエミ
ッタ37から見込めないように充分にサイドエッチを入れ
る。第1の金メッキ層29に挟まれている第1の絶縁膜23
を露呈させ、ついで、第1の絶縁膜23をエッチングし
て、第1の金属膜22を露呈させる。ついで、第2図
(k)に示すように、第4の金像膜(例えばタングステ
ン(W))36を蒸着して、エミッタ37を形成すると共に
第2の金メッキ層34を存在する開口35を閉じさせてコレ
クタ38を形成する。
以上の工程により、第1図に示したような微小真空三極
管が形成される。以上の実施例において、使用された金
属、レジスト、絶縁膜は、これらに限定されるものでは
なく、プロセス上不都合を生じないものであれば使用で
きる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エミッタ先端が周囲の絶縁膜を見込む
ことが無いので、チャージアップが生ぜず、動作が不安
定になることが無い。また、素子自身をガラス等により
真空封止する必要が無いため、極めて微小な真空三極管
を形成することが出来る。又、エミッタ自体の先端半径
が10nm以下と極めて小さくできるので先端への電界集中
が大きく電子銃として使用されるエミッタなどと比べ
て、低電圧で電流を放出させることが出来る。更に、エ
ミッタ形成時にはレジストフリーの状態であるため、レ
ジストからのアウトガスの影響がなく、蒸着装置の真空
度で、素子の真空封止が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の微小真空三極管の断面
図、第2図(a)〜(k)は、本発明の製造工程を示す
断面図、第3図(a)〜(e)は、従来の製造工程例を
示す断面図である。 21……基板、22……第1の金属膜、23……第1の絶縁
膜、24……第1のレジスト、25……第1のレジストマス
ク、26……第2のレジスト、27……第2のレジストマス
ク、28……第2の金属膜、29……第1の金メッキ層、30
……第2の絶縁膜、31……第2のレジスト、32……第2
のレジストマスク、33……第3の金属膜、34……第2の
金メッキ層、35……開口、36……第4の金属膜、37……
エミッタ、38……コレクタ、40……グリッド、41……窒
化珪素(SiN)、42……珪素(Si)基板、43……酸化珪
素(SiO)膜、44……タンタリウム(Ta)膜。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エミッタとグリッド、グリッドとコレクタ
    を絶縁する絶縁膜がエミッタ先端から直接見込めないよ
    うに形成されていることを特徴とする微小真空三極管。
  2. 【請求項2】基板上に第1の金属膜を形成し、ついで第
    1の絶縁膜を形成した後、第1のレジストを第1の絶縁
    膜上に塗布形成し、ついで該第1のレジスタとパターニ
    ングして所望の寸法に該第1のレジストのマスクを形成
    した後、該レジストをマスクに露呈した前記第1の絶縁
    膜を途中までエッチングした後、残余のレジストを除去
    する工程と、ついで露呈した絶縁膜を覆うように第2の
    レジストを塗布形成した後、前記第1のレジストマスク
    下の絶縁膜上に絶縁膜の幅より小さく該第2のレジスト
    が残るように、該第2のレジストをパターニングする工
    程と、ついで残余の第2のレジストをマスクとして、露
    呈された前記第1の絶縁膜を前記第1の金属膜が露呈し
    ないようにエッチングし、ついで第2の金属膜を蒸着し
    た後、有機洗浄あるいは酸素(O2)プラズマによって前
    記第2のレジストと第2のレジスト上の不要の蒸着金属
    を除去した後、前記金属膜上に第1の金メッキ層を形成
    してグリッドを形成する工程と、ついで前記第1の金メ
    ッキ層と一部露呈している第1の絶縁膜を覆うように第
    2の絶縁膜を形成した後、該第2の絶縁膜上に第2のレ
    ジストを塗布形成し、ついで前記第1の金メッキ層に覆
    われていない第1の絶縁膜の真上に前記第2のレジスト
    を残すようにパターニングした後、残余の第2のレジス
    トをマスクとして第2の絶縁膜を第1の金メッキ層が露
    呈しないように一部エッチングし、ついで第3の金属膜
    を蒸着した後、残余の第2のレジストと第2のレジスト
    上の不要の金属膜を有機洗浄あるいは酸素(O2)プラズ
    マによって除去した後、第2の金メッキ層を形成する工
    程と、ついで第2の金メッキ層の開口を通して露呈して
    いる第2の絶縁膜をエッチングしたのち、第1の絶縁膜
    を露呈させ、ついで第1の絶縁膜をエッチングして第1
    の金属膜を露呈させた後、第4の金属膜を蒸着してエミ
    ッタを形成すると共に第2の金メッキ層に存在する開口
    を閉じさせてコレクタを形成する工程とを含むことを特
    徴とする微小真空三極管の製造方法。
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