JPH0711891A - シールド機用スクリューコンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば地層が細粒土及び大寸法のれきにより
構成されている場合においても、排土制御や切羽土圧の
管理精度を向上させるでき、安定した排土作業をするこ
とができるシールド機用スクリューコンベアを提供する
ことを目的とする。 【構成】 シールド機１０の先端部に一端が開口して取
り付けられた管体２０と、この管体２０内に同軸状に回
転自在に配置支持されたスクリューオーガ２１と、前記
管体２０の他端側に取り付けられ前記スクリューオーガ
２１を回転駆動する駆動装置２２とを備えるシールド機
用スクリューコンベアにおいて、前記スクリューオーガ
２１の中心軸線に沿って軸部材２４が着脱自在に取り付
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シールド工法に用いら
れるシールド機の先端側に設けられて該シールド機によ
り掘削された土砂等（ズリ）を後方に向けて排出するた
めに用いられるシールド機用スクリューコンベアに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】トンネルの構築方法としては既に各種の
ものが提供されているが、特にシールド工法は、硬岩以
外のあらゆる地山に適用でき、しかも地上設備に影響を
与えず、地下深部の施工が可能である等の利点を有する
ため、近年特にその施工実績が増加している。

【０００３】上記シールド工法は、シールド機本体の前
部に設けられたカッタにより地山を掘削しつつ、掘削さ
れたズリをスクリューコンベアによりトンネルの後方に
排出するとともに、掘削されたトンネルの内壁に沿って
覆工用のセグメントを組み立ててトンネルを覆工させて
いくもので、当該セグメントに推進ジャッキの反力を取
りシールド機を掘進させるようにしている。

【０００４】前記スクリューコンベアとしては、図４又
は図５に示すものが知られている。

【０００５】すなわち、図４に示すものは、シールド機
１の先端部に一端が開口して取り付けられた管体２と、
この管体２内に同軸状に回転自在に配置支持されたスク
リューオーガ３と、このスクリューオーガ３の中心軸線
に沿って固定された軸部材５と、前記管体２の他端側の
前記軸部材５の端部に取り付けられ前記スクリューオー
ガ３を回転駆動する駆動装置（油圧モータ）４とを備え
るもので、止水性を要求される場合に使用されるもので
ある。

【０００６】図５に示すものは、図４に示すものと同様
に、シールド機１の先端部に一端が開口して取り付けら
れた管体２と、この管体２内に同軸状に回転自在に配置
支持されたスクリューオーガ３と、前記管体２の他端側
の前記スクリューオーガ３の端部に取り付けられ前記ス
クリューオーガ３を回転駆動する駆動装置（油圧モー
タ）４とを備えるもので、図４に示すものと異なり、ス
クリューオーガ３の中心には軸部材５は取り付けられて
いないものである。そして、このものは、地山がれきや
岩で構成されている場合や、粘着性の高い地層である場
合に使用されるものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スクリューコンベアでは、スクリューオーガ３の中心軸
線に沿って軸部材５を設けたもの又は軸部材５を設けな
い２つのタイプのものから１つのものを、使用される地
層に応じて使い分けるようにしており、細粒土と大寸法
のれきとが交互に出現する地層においても、どちらか一
方のタイプのスクリューコンベアを選択せざるをえない
といった問題がある。したがって、地層が変わると排土
制御がうまくいかない場合が生じたり、切羽土圧の管理
精度が低下したりする場合が生じたりするといった問題
が生ずることがある。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、例えば地層が細粒土及び大寸法のれきにより構成さ
れている場合においても、排土制御や切羽土圧の管理精
度を向上させることができ、安定した排土作業をするこ
とができるシールド機用スクリューコンベアを提供する
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のシールド機用ス
クリューコンベアは、シールド機の先端部に一端が開口
して取り付けられた管体と、この管体内に同軸状に回転
自在に配置支持されたスクリューオーガと、前記管体の
他端側に取り付けられ前記スクリューオーガを回転駆動
する駆動装置とを備えるシールド機用スクリューコンベ
アにおいて、前記スクリューオーガの中心軸線に沿って
軸部材が着脱自在に取り付けられていることを特徴とす
る。

【００１０】

【作用】本発明のシールド機用スクリューコンベアによ
れば、地層が大寸法のれきである場合には、スクリュー
オーガから軸部材を取り去りズリの排出を行う。また、
地層が細粒土である場合には、スクリューオーガの中心
軸線に沿って軸部材を取り付けてズリの排出を行う。

【００１１】このように、地層に応じて軸部材を取り付
けたり取り去ったりすることで、地層を構成する土の特
性に対応させることができ、排土制御及び切羽土圧の管
理精度を向上させることができる。

【００１２】

【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
のシールド機用スクリューコンベアについて説明する。

【００１３】まず、図１に本実施例のスクリューコンベ
アが使用されるシールド機の概略構成を示す。このシー
ルド機１０は、外形円筒状のスキンプレート１１と、こ
のスキンプレート１１の前端であって切羽との対向部に
設けられた面板型のカッタ１２と、このカッタ１２及び
その後方に設けられた隔壁１３に囲まれたチャンバ１４
と、スキンプレート１１と一体なる支持体１５に連結さ
れ、自身をトンネルの前方に推進させる推進ジャッキ１
６と、トンネルの後方にセグメント１８を設置するエレ
クタ１７とを備えている。そして、前記カッタ１２は切
羽を掘削し、その際生ずるズリは、チャンバ１４内に収
容され、さらにチャンバ１４内の下部に貫入されたスク
リューコンベア１９によって後方に運搬される。

【００１４】前記スクリューコンベア１９は、図１及び
図２に示すように、シールド機１０の先端部に一端が開
口して取り付けられた管体２０と、この管体２０内に同
軸状に回転自在に配置支持されたスクリューオーガ２１
と、前記管体２０の他端側に取り付けられ前記スクリュ
ーオーガ２１を回転駆動する駆動装置（油圧モータ）２
２とを備える。

【００１５】前記駆動装置２２の回転軸にはピニオンギ
ア２６が固定されており、このピニオンギア２６には、
リングギア２５がかみ合っている。そして、このリング
ギア２５は前記スクリューオーガ２１に一体的に固定さ
れている。ここで、２７はリングギア２５を回転自在に
支持する軸受である。したがって、前記駆動装置２２の
回転力がピニオンギア２６及びリングギア２５を介して
スクリューオーガ２１に伝達されるようになっている。

【００１６】前記スクリューオーガ２１の中心軸線に沿
って孔２３が貫通して形成されており、この孔２３内に
は円柱状の軸部材２４が着脱自在に挿入されて固定され
ている。また、前記軸部材２４の長さは、前記管体２０
の長さよりも短く設定されており、切羽側のスクリュー
オーガ２１内には軸部材２４が挿入されていない状態と
なっている。そして、通常は前記軸部材２４が挿入され
た状態でスクリューオーガ２１が回転させられ、地層の
種類に応じて、軸部材２４を抜き取るようにするように
なっている。

【００１７】図３に示すように、前記管体２０の後端に
は２本の油圧シリンダ２８が取り付けられており、この
油圧シリンダ２８のピストンロッドにはシャッタ板２９
が固定されている。油圧シリンダ２８を伸長させると、
管体２０に後端を覆っていたシャッタ板２９が上方に移
動して管体２０の後端が開放されて、ここからズリを排
出することができるようになっている。

【００１８】このように、本実施例のシールド機１０で
は、シールド機本体の前部に設けられたカッタ１２によ
り地山を掘削しつつ、掘削されたズリをスクリューコン
ベア１９によりトンネルの後方に排出するとともに、掘
削されたトンネルの内壁に沿って覆工用のセグメント１
８を組み立ててトンネルを覆工させていくもので、当該
セグメント１８に推進ジャッキ１６の反力を取りシール
ド機１０を掘進させるようにしている。

【００１９】ここで、スクリューコンベア１９は、駆動
装置２２を駆動することによりスクリューオーガ２１を
管体２０内で回転させ、ズリを切羽側から後方に搬送す
る。この際、油圧シリンダ２８を伸長してシャッタ板２
９を上方に移動させて管体２０の後端からズリが排出で
きるようにしている。

【００２０】ここで、地層が大寸法のれきである場合に
は、スクリューオーガ２１から軸部材２４を取り去りズ
リの排出を行う。また、地層が細粒土である場合には、
スクリューオーガ２１の中心軸線に沿って軸部材２４を
取り付けてズリの排出を行う。

【００２１】このように、地層に応じて軸部材２４を取
り付けたり取り去ったりすることで、地層を構成する土
の特性に対応させることができ、排土制御及び切羽土圧
の管理精度を向上させることができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のシールド
機用スクリューコンベアによれば、スクリューオーガの
中心軸線に沿って軸部材が着脱自在に取り付けられてい
るので、地層に応じて軸部材を取り付けたり取り去った
りすることで、地層を構成する土の特性に対応させるこ
とができ、排土制御及び切羽土圧の管理精度を向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のスクリューコンベアが使用
されたシールド機の全体構成を示す図である。

【図２】図１に示したスクリューコンベアを示す図であ
る。

【図３】図２中のＡ矢視図である。

【図４】従来のスクリューコンベアが使用されたシール
ド機の全体構成を示す図である。

【図５】従来のスクリューコンベアが使用されたシール
ド機の全体構成を示す図である。

【符号の説明】

２０ 管体 ２１ スクリューオーガ ２２ 駆動装置（油圧モータ） ２３ 孔 ２４ 軸部材

【手続補正書】

【提出日】平成５年８月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】すなわち、図４に示すものは、シールド機
１の先端部に一端が開口して取り付けられた管体２と、
この管体２内に同軸状に回転自在に配置支持されたスク
リューオーガ３と、このスクリューオーガ３の中心軸線
に沿って固定された軸部材５と、前記管体２の他端側の
前記軸部材５の端部に取り付けられ前記スクリューオー
ガ３を回転駆動する駆動装置（例えば、油圧モータや電
動モータ）４とを備えるもので、止水性を要求される場
合に使用されるものである。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１４】前記スクリューコンベア１９は、図１及び
図２に示すように、シールド機１０の先端部に一端が開
口して取り付けられた管体２０と、この管体２０内に同
軸状に回転自在に配置支持されたスクリューオーガ２１
と、前記管体２０の他端側に取り付けられ前記スクリュ
ーオーガ２１を回転駆動する駆動装置（例えば、油圧モ
ータや電動モータ）２２とを備える。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】符号の説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【符号の説明】 ２０ 管体 ２１ スクリューオーガ ２２ 駆動装置（例えば、油圧モータや電動モータ） ２３ 孔 ２４ 軸部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加茂 茂 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 奥田 真 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シールド機の先端部に一端が開口して取
   り付けられた管体と、この管体内に同軸状に回転自在に
   配置支持されたスクリューオーガと、前記管体の他端側
   に取り付けられ前記スクリューオーガを回転駆動する駆
   動装置とを備えるシールド機用スクリューコンベアにお
   いて、前記スクリューオーガの中心軸線に沿って軸部材
   が着脱自在に取り付けられていることを特徴とするシー
   ルド機用スクリューコンベア。