JPH07118857A - 基板の表面処理方法 - Google Patents

基板の表面処理方法

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JPH07118857A
JPH07118857A JP26486993A JP26486993A JPH07118857A JP H07118857 A JPH07118857 A JP H07118857A JP 26486993 A JP26486993 A JP 26486993A JP 26486993 A JP26486993 A JP 26486993A JP H07118857 A JPH07118857 A JP H07118857A
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基和 湯浅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応用ガスがプラズマ域に均一に拡散供給さ
れその使用効率がよい、大気圧下でのグロー放電プラズ
マ法による基板の表面処理方法を提供する。 【構成】 金属電極4の一面に第1の固体誘電体6が設
けられ、第1の固体誘電体6と対向して多孔金属電極3
が設けられ、多孔金属電極3は反応用ガスを供給可能と
され、第1の固体誘電体6と多孔金属電極3の間は側面
が第2の固体誘電体8で覆われた空間とされているプラ
ズマ発生装置の、該空間内に基板7を設置して、基板7
に不活性ガスと反応用ガスを供給し、大気圧近傍の圧力
下で、グロー放電プラズマを発生させて、励起された活
性種を基板表面に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、プラスチッ
ク、紙、金属、ガラス、セラミックス等の基板の表面処
理方法に関し、さらに詳しくは、大気圧近傍でのプラズ
マによる基板の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、プラスチック、紙、
金属、ガラス、セラミックス等の基板の表面の濡れ性制
御や表面修飾の方法として、0.1〜10Torr程度
の低圧のグロー放電プラズマによる表面処理方法が広く
知られており、産業的にも応用されている。この表面処
理方法においては、上記の圧力よりも高い圧力になる
と、放電が局所的になりアーク放電に移行してしまい、
耐熱性の乏しいプラスチックや紙のような基板への利用
が困難となるので、通常、あらゆる基板に適用できるよ
うに上記の圧力範囲が選ばれている。このため、真空
(もしくは低圧)にする必要上、処理用の容器は高価な
真空チャンバーを必要とし、また真空排気装置が必要と
される。さらに、真空中で処理するため大面積の基板に
処理しようとすると、大容量の真空容器を必要とし、真
空排気装置も大型のものが必要である。そのため、設備
費用が高くなるという問題点があった。また、吸水率の
高い基板の表面処理を行う場合、真空にするのに長時間
を要し、処理品がコスト高になるという問題点もあっ
た。
【0003】そこで、上記の種々の問題点を克服するた
めに、装置、設備の低コスト化と、大面積基板への処理
が可能な大気圧下でのグロー放電プラズマが提案されて
きた。例えば、特開平2−15171号公報には、電極
表面に固体誘電体を配設する方法によって、特公平2−
48626号公報には、細線型電極を用いる方法によっ
て大気圧下でグロー放電プラズマを行う表面処理方法が
提案されている。これらの提案では、ヘリウムを主とす
る不活性ガスと反応用ガスとの混合ガスを、複数の開孔
を有する多孔管から基板近傍のプラズマ域に供給する方
法が用いられているが、この場合、大面積の基板になる
と均一にガスを拡散供給することが難しいという問題点
があった。
【0004】また、特開平2−73979号公報には、
一方を対向面に多孔板状の固体誘電体を配設した表面処
理用反応ガスを供給可能な金属電極とし、他方を金属電
極とした、対向する2つの電極の間に基板を設置し、電
極間の空間に不活性ガスと反応用ガスを供給し、大気圧
近傍の圧力下で、電極に電圧を与えてグロー放電プラズ
マを起こさせ、そのプラズマによって励起された活性種
を基板表面に接触させることによる、薄膜形成法が提案
されている。しかしながら、この方法では、反応用ガス
のうち実際に表面処理に使用されるガスの割合が少な
く、未使用のガスが多量に発生し反応用ガスの使用効率
(収率)が悪いという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的は、反応用ガ
スがプラズマ域に均一に拡散供給されその使用効率がよ
い、大気圧下でのグロー放電プラズマ法による基板の表
面処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の基板の表面処理
方法は、金属電極の一面に第1の固体誘電体が設けら
れ、第1の固体誘電体と対向して多孔金属電極が設けら
れ、多孔金属電極は反応用ガスを供給可能とされ、第1
の固体誘電体と多孔金属電極の間は側面が第2の固体誘
電体で覆われた空間とされているプラズマ発生装置の、
第2の固体誘電体で覆われた空間内に基板を設置して、
基板に不活性ガスを供給すると共に、多孔金属電極を介
して基板に反応用ガスを供給し、大気圧近傍の圧力下
で、電極に電圧を与えてグロー放電プラズマを発生させ
て、そのプラズマによって励起された活性種を基板表面
に接触させることを特徴とする。
【0007】本発明において、基板の表面処理とは、主
として、表面官能基層の形成やフリーラジカル層の形成
や親水性や撥水性の薄膜を形成することなどによって、
基板の表面エネルギーを制御し、基板の濡れ性や接着性
を改質することや、基板表面に無機質や有機質の薄膜を
形成させて、基板に化学的、機械的、光学的、電気的特
性等を付与することを指す。
【0008】本発明においては、表面処理の目的に応じ
て選択された反応用ガスを、多孔金属電極からプラズマ
域に供給し表面処理を行う。反応用ガスとしては、例え
ば、基板表面にフッ素を化学結合させ表面エネルギーを
低くし撥水性を付与する場合には、フッ素含有のガスを
使用する。フッ素含有ガスとしては、4フッ化炭素(C
4 )や、6フッ化炭素(C2 6 )等の飽和フッ化炭
素ガスや6フッ化硫黄(SF6 )等のフッ化硫黄ガスが
挙げられる。
【0009】また、逆に表面エネルギーを高くし親水性
を付与する場合には、表面にカルボニル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基等の官能基を有する層を形成させるため
に、炭化水素化合物のガスを使用する。上記炭化水素化
合物としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン類;エチレン、
プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン類;ペンタ
ジエン、ブタジエン等のアルカジエン類;アセチレン、
メチルアセチレン等のアルキン類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、インデン、ナフタレン、フェナントレン
等の芳香族炭化水素類;シクロプロパン、シクロヘキサ
ン等のシクロアルカン類;シクロペンテン、シクロヘキ
セン等のシクロアルケン類;メタノール、エタノール等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類;メタナール、エタナール等のアルデヒド類など
が挙げられ、これらは、単独で使用されてもよいし2種
以上併用されてもよい。また、この場合、酸素ガスや酸
素と水素の混合ガスや水蒸気、アンモニアガス等を使用
することも可能である。
【0010】また、基板に化学的、機械的、光学的、電
気的特性等を付与するために、SiO2 、TiO2 、S
nO2 等の金属酸化物薄膜を形成する場合には、水素化
金属ガス、ハロゲン化金属ガス又は金属アルコラート等
の金属有機化合物のガスもしくは蒸気が用いられる。
【0011】本発明に使用される基板は、材質、形状等
は特に限定されず、プラスチック、金属、ガラス、セラ
ミック、紙、繊維等が挙げられ、緻密でも多孔質でも構
わない。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル;ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレ
フィン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリ塩化ビニル;
ポリカーボネート;ポリアクリロニトリル等のフィルム
あるいはシートが使用できる。フィルムの場合、延伸さ
れたものでも未延伸のものでも構わない。また、表面洗
浄や表面活性化の公知の処理を行ったものでも構わな
い。
【0012】以下にプラスチックの表面に撥水性を付与
する場合を例に、図に基づいて本発明を詳細に説明す
る。なお、図1〜3において、互いに対応するものに
は、同じ符号を付している。図1は、本発明に使用され
るプラズマ発生装置の一例を示す模式断面図である。本
装置は、電源部1、処理容器2、対向する多孔金属電極
3と金属電極4、対向する2つの電極間のプラズマ処理
部5から構成されている。電源部1はkHzオーダーの
周波数の電圧を印加可能とされており、撥水性を付与す
るには10〜30kHzの周波数が好ましい。プラズマ
形成は高電圧の印加によって行うが、印加電圧が低すぎ
るとプラズマ密度及びセルフバイアスが小さくなるの
で、処理に時間がかかり非能率的であり、高すぎるとア
ーク放電に移行する挙動を示すので、電界強度5〜40
kV/cm程度になるように電圧を印加するのが好まし
い。
【0013】処理容器2は、上面2aと底面2bがステ
ンレス製、側面2cがパイレックスガラス製であり、上
面2aと多孔金属電極3との間に絶縁体2dが配設され
ている。処理容器2の材質は、これに限らず、全てがガ
ラス製、プラスチック製でも構わないし、電極と絶縁が
とれているならばステンレスやアルミニウム等の金属製
でも構わない。
【0014】本発明において、グロー放電プラズマによ
るプラズマ処理部5は、第1の固体誘電体と多孔金属電
極の間の空間である。対向する電極は、少なくとも一方
を対向面に第1の固体誘電体を配設した金属電極とし、
少なくとも一方を反応用ガスを供給可能な多孔金属電極
とする。すなわち、対向する2つの電極の構成として
は、次の5つの場合がある。 固体誘電体配設の金属電極−多孔金属電極 固体誘電体配設の金属電極−固体誘電体配設の多孔金
属電極 金属電極−固体誘電体配設の多孔金属電極 固体誘電体配設の多孔金属電極−多孔金属電極 固体誘電体配設の多孔金属電極−固体誘電体配設の多
孔金属電極
【0015】図1では、上記の構成が示されており、
対向する2つの電極は、多孔金属電極3、第1の固体誘
電体6を配設した金属電極4とから構成されている。反
応用ガスを供給可能な多孔金属電極とは、多孔金属電極
自体がガスの供給管を兼ねているものであり、図1の多
孔金属電極3に示すように、電極の内部にガスの通路3
aが設けられており、対向する他方の電極に対する対向
面が、ガスの出口部となる多数の開孔3bを有する多孔
性の面とされているものである。なお、多孔金属電極3
と金属電極4はどちらか一方が陽極側、他方が陰極側と
なるように接続される。また、上記〜の構成の対向
する2つの電極は、どちらが上部又は下部になっても構
わない。
【0016】プラスチック基板7は、第1の固体誘電体
6の上に置かれる。なお、基板の片面のみの表面処理が
必要ならば、前記の電極の構成のうち〜が選ばれ、
両面同時処理が必要ならば又はの構成が選ばれる。
【0017】第1の固体誘電体6の材質としては、セラ
ミック;ガラス;ポリテトラフルオロエチレンやポリエ
チレンテレフタレート等のプラスチックが用いられ、反
応用ガスとの反応性によって適宜選択される。例えば、
ガラスは4フッ化炭素プラズマによって容易に溶けてし
まうので、撥水性付与の場合には用い難い。形状として
は、シート状でもフィルム状でも構わないが、薄すぎる
と高電圧印加時に絶縁破壊が起こりアーク放電が生じ、
また、厚すぎると放電しにくくなるため、0.04〜4
mmの厚みが好ましい。固体誘電体の配設は、対向面の
一部に配設されない部分があるとその部分にアーク放電
が生じるので、対向面の全面に配設される必要がある。
【0018】対向する第1の固体誘電体と多孔金属電極
の間の距離は、反応用ガスのガス流量、印加電圧の大き
さ及び処理基板の厚み等によって適宜決定されるが、長
すぎると対向する第1の固体誘電体と多孔金属電極の間
の空間のガスの拡散の均一性が損なわれ、また、未使用
の反応用ガスが多くなり非効率的であるため、1〜20
mmが好ましい。
【0019】対向する第1の固体誘電体と多孔金属電極
の配置構造としては、図1に示されるような互いに平行
平板型以外にも、同軸円筒型、円筒対平板型、双曲面対
平板型等でも構わないし、一方の電極の先端部が図2に
示すように複数のパイプ状であっても構わないし、図3
に示すように、複数の細線状であっても構わない。
【0020】金属電極の材質は、ステンレスや真鍮等の
多成分系の金属でも、銅、アルミニウム等の純金属でも
構わない。
【0021】本発明においては、対向する第1の固体誘
電体と多孔金属電極の間の側面を第2の固体誘電体8で
覆う。第2の固体誘電体の材質としては、前記した第1
の固体誘電体に使用される材質と同様のものが挙げられ
るが、第1の固体誘電体と同じでも良いし異なっていて
もよい。対向する第1の固体誘電体と多孔金属電極の間
の側面を覆う方法としては、図1に示すように、第2の
固体誘電体がシートのようにかなりの厚みを有する場合
は、第2の固体誘電体と接触する基板表面は処理不可能
となるため、処理される基板の処理予定領域よりも大き
くシートをくり抜き、基板の処理予定領域がくり抜かれ
た内部に入り得るようにした状態で、該シートを対向す
る第1の固体誘電体と多孔金属電極の間に挟み込む方
法、図2又は図3に示すように第2の固体誘電体がフィ
ルムの場合は電極の外周面にスカート状に巻き付ける方
法が挙げられる。
【0022】第2の固体誘電体によって、第1の固体誘
電体と多孔金属電極の間の側面が密閉されればされるほ
ど反応用ガスは効率よく使用されるが、不活性ガスと反
応用ガスを異なった入り口から処理容器2に供給する場
合は、不活性ガスをプラズマ処理部5に拡散させるため
に充分な隙間を開けておく必要がある。隙間を形成させ
る方法としては、例えば、第2の固体誘電体8の側面に
小さな孔を開ける方法、第2の固体誘電体8が上記のシ
ートのような場合はシート上面又は下面に凹凸を設ける
方法などが挙げられる。
【0023】本発明においては、前述のように、前記第
1の固体誘電体と多孔金属電極の間に基板7を設置し、
前記空間に不活性ガスと反応用ガスを供給し、大気圧近
傍の圧力下で、電極に電圧を与えてグロー放電プラズマ
を起こさせ、そのプラズマによって励起された活性種を
基板表面に接触させる。
【0024】上記、大気圧近傍の圧力とは、100〜7
70Torrのことを指し、装置、設備の低コスト化を
考慮すると大気圧が好ましい。
【0025】不活性ガスとしては、He、Ne、Ar、
Xe等の希ガスや窒素ガスの、単体又は混合ガスが用い
られるが、準安定状態の寿命が長く反応用ガスを励起分
解するのに有利なHeを用いるのが好ましい。He以外
の不活性ガスを使用する場合は、2体積%以内のアセト
ンやメタノール等の有機物蒸気やメタン、エタン等の炭
化水素ガスを混合する必要がある。
【0026】撥水性を付与する場合は、反応用ガスとし
ては、フッ素含有のガスが使用される。不活性ガスとフ
ッ素含有ガスとの混合比は、フッ素含有ガス濃度が約1
0体積%以上では高電圧を印加してもグロー放電プラズ
マが発生し難いため、約10体積%以下が好ましく、反
応ガスの使用量が少なくてすみ、且つ撥水性を付与可能
な0.3〜5.0体積%の間がより好ましい。
【0027】反応用ガスは、マスフローコントローラー
で流量制御されプラズマ処理部5に多孔金属電極3のガ
ス導入口9から導入される。不活性ガスは、ガス導入管
10のガス導入口10aから、マスフローコントローラ
ーによって流量制御され処理容器2に導入される。ガス
導入管10は、処理容器2内の部分が、図1に示すよう
に、プラズマ処理部5の周囲を取り巻くようにされ、そ
の取り巻かれた部分の内周面に多数の孔が開けられ、そ
の孔をガス出口10bとされてもよいが、特にこのよう
に構成せずとも不活性ガスはプラズマ処理部5にほぼ均
一に拡散される。また、不活性ガスと反応用ガスを混合
してガス導入口9から導入しても構わないが、均一に撥
水性を付与するためには、反応用ガスのみをガス導入口
9から導入するのが好ましい。尚、未使用の反応用ガ
ス、不活性ガスは処理容器の気体排出口11から排出さ
れる。
【0028】撥水性付与の大気圧プラズマ処理には基板
の加熱や冷却は、特には必要なく室温下で十分可能であ
る。
【0029】また、処理時間は印加電圧の大きさで決定
され、前記印加電圧の範囲では5秒程度で撥水化されて
おりそれ以上の時間をかけて処理しても撥水化効果は向
上せず、短時間の処理で十分である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に示したプラズマ発生装置(金属電極4は直径80
mmの円板型とし、その上に第1の固体誘電体6として
直径90mm、厚み1mmのポリテトラフルオロエチレ
ンを配設。多孔金属電極3は対向面の直径80mmの円
板型)に於いて、基板7として80mm×80mm×厚
み100μmのポリエステルフィルム(東レ社製、商品
名「ルミラーS10」)を、第1の固体誘電体6上に置
き、その基板7上に、対向する第1の固体誘電体と多孔
金属電極の間の側面を覆う第2の固体誘電体8として外
径80mm、内径70mm、厚み5mmの波板状のポリ
テトラフルオロエチレンシートを置き(シートが波板状
なので、基板7と第2の固体誘電体8の間、及び、多孔
金属電極3と第2の固体誘電体8の間には、僅かの隙間
が形成される)、基板7と多孔金属電極3の距離を約5
mmに設定後、1Torrまで油回転ポンプ(図示せ
ず。以下同じ)で排気口12より排気した。
【0031】次いで、ガス流量2sccmの4フッ化炭
素ガスをガス導入口9より、また、198sccmのH
eガスをガス導入口10aより処理容器2内に導入し、
760Torrの大気圧とした後、周波数15kHzの
矩形波を、6.2kV、28mAの電力で印加し10秒
間放置して、基板の表面処理をした。高電圧印加にとも
なって、プラズマ発光が観察され、その時の、電圧−電
流特性をオシロスコープで観察した結果、図4に示した
パルス特性を示し、半サイクルに単一パルスの電流特性
の典型的なパルス放電であることが分かった。
【0032】次に、処理後の基板の処理面の純水に対す
る接触角測定を行った。その結果、直径60mmの円領
域で100〜108度を示し撥水化されていることが明
らかであった。尚、使用した基板の接触角は65度であ
った。また、処理面を、X線電子分光法で分析した結
果、原子比で67%のフッ素が表面に化学結合している
ことが分かった。 実施例2 実施例1における、第2の固体誘電体8として厚み5m
mの波板状のポリテトラフルオロエチレンシートを使用
したこと、及び基板7と多孔金属電極3の距離を約5m
mに設定したことの代わりに、それぞれ厚み10mmの
波板状のポリテトラフルオロエチレンシートを使用した
こと、及び基板7と多孔金属電極3の距離を約10mm
に設定したこと、並びに実施例1におけるガス流量、電
力及び処理時間を下記のように変えたことの他は、実施
例1と同様にして基板の表面処理をした。ガス流量6s
ccmの4フッ化炭素ガスをガス導入口9より、また、
194sccmのHeガスをガス導入口10aより処理
容器2内に導入し、760Torrの大気圧とした後、
周波数15kHzの矩形波を、10.0kV、35mA
の電力で印加し10分放置して、基板の表面処理をし
た。
【0033】その結果、高電圧印加にともなってプラズ
マ発光が観察され、処理後の基板の処理面の純水に対す
る接触角は、直径60mmの円領域で100〜108度
を示し撥水化されていることが明らかであった。また、
処理面を、X線電子分光法で分析した結果、原子比で6
5%のフッ素が表面に化学結合していることが分かっ
た。
【0034】実施例3 多孔金属電極3の先端部が複数のパイプ状をしている図
2に示した構造の電極(多孔金属電極の対向面は、直径
80mmの円形であり、80本の長さ10mm、外径2
mm、内径1mmのパイプ3cが突設している)とし、
金属電極4は直径85mmの円板型とし、その上に第1
の固体誘電体6として直径90mm、厚み1mmのポリ
テトラフルオロエチレンを配設した装置を使用し、基板
7として85mm×85mm×厚み12μmのポリアミ
ドフィルム(東レ社製、商品名「カプトン」)を、第1
の固体誘電体6上に置き、次いで多孔金属電極3の外周
面を第2の固体誘電体8である厚み100μmのポリテ
トラフルオロエチレンフィルムでスカート状に覆った後
(多孔金属電極3の対向面からスカートの先端までの長
さは20mmとした)、基板7と多孔金属電極3のパイ
プ3cの先端までの距離を約5mmに設定後、1Tor
rまで油回転ポンプで排気した。次いで、ガス流量4s
ccmの4フッ化炭素ガスをガス導入口9より、また、
194sccmのArガスと2sccmのアセトン蒸気
との混合ガスをガス導入口10aより処理容器2内に導
入し、760Torrの大気圧とした後、周波数15k
Hzの矩形波を、12.5kV、38mAの電力で印加
し10秒間放置して、基板の表面処理をした。高電圧印
加にともなって、プラズマ発光が観察された。
【0035】処理後の基板の処理面の純水に対する接触
角は、直径85mmの円領域で100〜108度を示し
撥水化されていることが明らかであった。尚、使用した
基板の接触角は63度であった。また、処理面を、X線
電子分光法で分析した結果、原子比で55%のフッ素が
表面に化学結合していることが分かった。
【0036】比較例1 実施例1における、基板7上に第1の固体誘電体と多孔
金属電極の間の空間を覆う第2の固体誘電体8としての
ポリテトラフルオロエチレンシートを置かなかったこと
及び4フッ化炭素ガスをガス導入口9より、また、He
ガスをガス導入口10aより処理容器2内に導入したこ
との代わりに、4フッ化炭素ガスとHeガスを混合して
ガス導入口10aより処理容器2内に導入したことの他
は、実施例1と同様にして基板の表面処理をした。
【0037】その結果、高電圧印加にともなってプラズ
マ発光が観察され、処理後の基板の処理面の純水に対す
る接触角は、あらゆる処理面で30度以下の接触角を示
し撥水化されていないことが分かった。また、処理面
を、X線電子分光法で分析した結果、原子比で5%程度
のフッ素しか表面に化学結合していないことが分かっ
た。
【0038】比較例2 比較例1で4フッ化炭素ガスとHeガスを混合してガス
導入口10aより処理容器2内に導入したことの代わり
に、4フッ化炭素ガスとHeガスとの混合ガスをガス導
入口9より処理容器2内に導入したことの他は、比較例
1と同様にして基板の表面処理をした。その結果、高電
圧印加にともなってプラズマ発光が観察され、処理後の
基板の処理面の純水に対する接触角は、あらゆる処理面
で35〜45度の接触角を示し撥水化されていないこと
が分かった。また、処理面を、X線電子分光法で分析し
た結果、原子比で20%程度のフッ素しか表面に化学結
合していないことが分かった。
【0039】実施例4 実施例1で4フッ化炭素ガスをガス導入口9より、ま
た、Heガスをガス導入口10aより処理容器2内に導
入したことの代わりに、4フッ化炭素ガスとHeガスを
混合してガス導入口9より容器内に導入したことの他
は、実施例1と同様にして基板の表面処理をした。その
結果、処理後の基板の処理面の純水に対する接触角は、
45〜108度の間でばらついた。また、処理面を、X
線電子分光法で分析した結果、原子比で20〜60%の
化学結合したフッ素が確認された。
【0040】実施例5 実施例1で、基板としてポリエステルフィルムを用いた
ことの代わりに、濾紙を用いたことの他は、実施例1と
同様にして表面処理を行った。その結果、処理後の基板
の処理面の純水に対する接触角は、直径60mmの円領
域で100〜108度を示し撥水化されていることが明
らかであった。
【0041】実施例6 多孔金属電極3の先端部が複数の細線状をしている図3
に示した構造の電極(多孔金属電極の対向面は、直径8
0mmの円形であり、長さ10mmの細線3dが、10
本/cm2 の密度で突設している)とし、金属電極4は
直径85mmの円板型とし、その上に第1の固体誘電体
6として直径90mm、厚み1mmのポリテトラフルオ
ロエチレンを配設した装置を使用し、基板7として85
mm×85mm×厚み100μmのポリエステルフィル
ム(東レ社製、商品名「ルミラーS10」)を、第1の
固体誘電体6上に置き、次いで多孔金属電極の外周面を
第2の固体誘電体8である厚み100μmのポリテトラ
フルオロエチレンフィルムでスカート状に覆った後(多
孔金属電極3の対向面からスカートの先端までの長さは
20mmとした)、基板7と多孔金属電極3の細線3d
の先端までの距離を約5mmに設定後、1Torrまで
油回転ポンプで排気した。
【0042】次いで、ガス流量1sccmの4フッ化炭
素ガスと2sccmの酸素との混合ガスをガス導入口9
より、また、197sccmのHeガスをガス導入口1
0aより処理容器2内に導入し、760Torrの大気
圧とした後、周波数15kHzの矩形波を、6.2k
V、28mAの電力で印加し30秒間放置して、基板の
表面処理をした。高電圧印加にともなって、プラズマ発
光が観察された。処理後の基板の処理面の純水に対する
接触角は、直径85mmの円領域で15度を示し親水化
されていることが明らかであった。
【0043】
【発明の効果】本発明の構成は上述の通りであり、従来
の低圧グロー放電プラズマによるプラスチック等の表面
処理方法にくらべて、特別な真空形成のための装置・設
備が必要でなく、しかも、そのための特別な操作も不必
要であり、コスト低下効果に優れ、かつ、取扱は容易で
ある。また、反応用ガスがプラズマ域に均一に拡散供給
されるので、大気圧プラズマの課題であった処理領域の
大面積化が可能であり、また、反応用ガスの効率的利用
が可能である。さらに、基板の両面を同時に表面処理可
能である、また、処理面の領域指定も可能であり、今後
産業上の波及効果は大きい。さらに、薄膜形成にも容易
に展開可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の表面処理方法に使用されるプ
ラズマ発生装置の一例を示す模式断面図である。
【図2】図2は、多孔金属電極の構造の変形例とその使
用方法を示す模式断面図である。
【図3】図3は、多孔金属電極の構造の変形例とその使
用方法を示す模式断面図である。
【図4】図4は、実施例1の電圧−電流のパルス特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1 電源 2 処理容器 2a 上面 2b 底面 2c 側面 2d 絶縁体 3 多孔金属電極 3a ガスの通路 3b 開孔 3c パイプ 3d 細線 4 金属電極 5 プラズマ処理部 6 第1の固体誘電体 7 基板 8 第2の固体誘電体 9 ガス導入口 10 ガス導入管 10a ガス導入口 10b ガス出口 11 気体排出口 12 排気口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属電極の一面に第1の固体誘電体が設
    けられ、第1の固体誘電体と対向して多孔金属電極が設
    けられ、多孔金属電極は反応用ガスを供給可能とされ、
    第1の固体誘電体と多孔金属電極の間は側面が第2の固
    体誘電体で覆われた空間とされているプラズマ発生装置
    の、第2の固体誘電体で覆われた空間内に基板を設置し
    て、基板に不活性ガスを供給すると共に、多孔金属電極
    を介して基板に反応用ガスを供給し、大気圧近傍の圧力
    下で、電極に電圧を与えてグロー放電プラズマを発生さ
    せて、そのプラズマによって励起された活性種を基板表
    面に接触させることを特徴とする基板の表面処理方法。
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