JP2001158976A - 大気圧低温プラズマにより処理したdi缶及びその製造方法 - Google Patents

大気圧低温プラズマにより処理したdi缶及びその製造方法

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JP2001158976A
JP2001158976A JP34283099A JP34283099A JP2001158976A JP 2001158976 A JP2001158976 A JP 2001158976A JP 34283099 A JP34283099 A JP 34283099A JP 34283099 A JP34283099 A JP 34283099A JP 2001158976 A JP2001158976 A JP 2001158976A
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inert
thin film
plasma
atmospheric pressure
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JP34283099A
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Hideomi Koinuma
秀臣 鯉沼
Takeshi Nagao
勇志 長尾
Kensuke Onishi
健介 大西
Yasushi Tashiro
泰 田代
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Altemira Co Ltd
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Showa Aluminum Can Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DI缶内部表面をプラズマで表面処理して不
活性表面層を形成させることにより、DI缶内面に設け
られた金属と内容物の間の吸着、反応などの防止のため
の塗料に由来する溶出成分の溶解を抑制したDI缶の提
供。 【解決手段】 内表面が塗料でライニングされたDI缶
のライニング表面に、窒素ガス及びアンモニアガスの少
なくとも一種である不活性ガス、またはCVD法により
薄膜を形成できる有機質および/または無機質の化合物
ガスの少なくとも一種である反応性ガスを含む大気圧低
温プラズマを用いて有機質および/または無機質の薄膜
コーティングをした内表面不活性飲料用DI缶及び該内
面層不活性飲料用DI缶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミネラルウォータ
ー、果汁、ソフトドリンク、スポーツドリンク、牛乳系
飲料、ビール、各種コーヒー、茶類などの飲料用のDI
缶(金属製の缶、Drawing&Ironing缶:
本発明では「DI缶」という。)、特に酸性のあるソフ
トドリンク、ビールなどに使用されているDI缶の内容
物の品質を長期間保持できる大気圧低温プラズマにより
処理されたDI缶及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビール、ソフトドリンク、果汁などの飲
料の容器としては、容器自体の軽量性、衝撃に対する耐
破壊性、遮光性、貯蔵・保管中に内容物の成分の吸着、
外部からの酸素などの透過防止など、取扱の容易性と共
に内容物の品質劣化をさせないため又は劣化を抑制する
ために容器材料が吟味されている。内容物劣化の主たる
原因は、放置中に晒される紫外線による劣化、酸素ガス
進入による酸化での劣化、炭酸ガスが注入された飲料に
於いては炭酸ガスの散逸による品位低下、容器自体から
の溶出成分による汚染、飲料が持つ香り等の成分の容器
内層への吸着による減少などが挙げられる。
【0003】一方金属容器、特にアルミニウム缶にあっ
ては紫外線の耐透過性、耐ガス透過性については他の容
器材と比較して卓越した性能を有している反面、アルミ
ニウムの耐食性改善、金属臭対策が必要であり、このた
め缶の内部表面を樹脂ライニングすることが行われてい
る。最近、アルミニウム缶からの溶出成分、特にライニ
ング樹脂として使用されているエポキシアクリル系樹脂
に由来する極微量の溶出成分(ビスフェノールA)を確
実に防止・抑止する保護膜を付けることの検討が開始さ
れている。金属容器、特にアルミニウム缶は、PETボ
トルやガラス系の容器類に比してリサイクルするシステ
ムの構築がほぼ完成しているので、最も地球に優しい飲
料用容器であるといえるので、前述のビスフェノールA
溶出対策を的確にとることにより、より完成した飲料用
容器になるものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DI缶内部
表面に有機質および/または無機質の薄膜コーティング
または不活性ガスまたは反応性ガスプラズマで表面処理
して不活性表面層を形成させることにより、DI缶内面
に設けられた金属と内容物の間の吸着、反応などの防止
のための塗料に由来する溶出成分の溶解を抑制したDI
缶の開発、さらにはDI缶の金属内部表面に直接不活性
保護膜を設けた、樹脂の保護膜を不要とするDI缶の開
発を目的とする。更に製造設備が簡便、安価であり、生
産速度の非常な高速化が可能になった内表面不活性飲料
用DI缶の製造方法の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、[1] 大気
圧低温プラズマを用いて内表面をコーティングまたは表
面処理をしたことを特徴とする内表面不活性飲料用DI
缶、[2] DI缶内表面にライニングまたは表面処理
に由来する溶出成分を1ppb以下に抑制した上記
[1]に記載の内表面不活性飲料用DI缶、[3] 内
表面が塗料でライニングされたDI缶のライニング表面
に、不活性ガス及び反応性ガスを含む大気圧低温プラズ
マを用いて有機質および/または無機質の薄膜コーティ
ングをした上記[1]に記載の内表面不活性飲料用DI
缶、[4] 不活性ガスが希ガス、窒素ガス及びアンモ
ニアガスの少なくとも一種であり、反応性ガスがCVD
法により薄膜を形成できる有機質および/または無機質
の化合物ガスの少なくとも一種である上記[3]に記載
の内表面不活性飲料用DI缶、
【0006】[5] DI缶の塗装されていない缶内表
面を、反応性ガスを含む大気圧低温プラズマを用いて有
機質および/または無機質の薄膜でコーティングした上
記[1]ないし[3]のいずれかに記載の内表面不活性
飲料用DI缶、[6] 大気圧低温プラズマを用いて形
成された薄膜が、炭化水素ポリマー、フッ素含有ポリマ
ーもしくは窒素含有ポリマーからなる有機質のプラズマ
重合薄膜、またはダイヤモンド様カーボン薄膜(DL
C:ダイアモンドライクカーボン)、シリコン化合物薄
膜もしくは金属化合物薄膜からなる無機質のプラズマC
VD薄膜の少なくともその一つである上記[1]ないし
[5]のいずれかに記載の内表面不活性飲料用DI缶、
[7」 内表面が塗料でライニングされているDI缶の
ライニング表面を、不活性ガスの大気圧低温プラズマで
表面処理することにより不活性表面層を形成させた上記
[1]に記載の内表面不活性飲料用DI缶、
【0007】[8] DI缶内表面に不活性ガスおよび
/または反応性ガスの大気圧低温プラズマ法によりDI
缶内表面をコーティングするかまたは表面処理すること
により不活性な表面層を形成させることを特徴とする内
面層不活性飲料用DI缶の製造方法、[9] 不活性ガ
スが希ガス、窒素ガス及びアンモニアガスの少なくとも
一種であり、反応性ガスがCVD法により薄膜を形成で
きる有機質および/または無機質の化合物ガスの少なく
とも一種である上記[8]に記載の内表面不活性飲料用
DI缶の製造方法、[10] プラズマコーティングを
するに際し、不活性ガスをメインガスとして発生させた
大気圧グロー放電ビームプラズマに、有機質および/ま
たは無機質の薄膜を形成することができる反応性ガスを
供給して、DI缶の塗装された内表面を有機質および/
または無機質の薄膜でコーティングする上記[8]に記
載の内表面不活性飲料用DI缶の製造方法、及び
【0008】[11] 大気圧低温プラズマによる表面
処理をするに際し、不活性ガスをメインガスとして発生
させたグロー放電ビームプラズマを使用し、塗装された
DI缶の内表面塗料スキン層に不活性架橋構造を形成さ
せる上記[8]に記載の内表面不活性飲料用DI缶の製
造方法、を開発することにより上記の課題を解決した。
【0009】
【発明の実施の形態】従来DI缶は、内容物と金属の直
接接触によるトラブル(金属面の腐食、金属臭の発生)
を避けるため樹脂等によるコーティングが行われている
のが普通である。この樹脂としてはエポキシアクリル系
樹脂が広く用いられていたが該コーティング樹脂からの
ビスフェノールAの溶出が問題となり、この対策として
この物質の溶出を確実に防止するためには、一つはエポ
キシアクリル系樹脂の表面にビスフェノールAが透過で
きない緻密なコーティング皮膜を付ける方法、もう一つ
は溶出成分の原因であるエポキシアクリル系樹脂コート
を行わないでDI缶の内部の金属表面に大気圧低温プラ
ズマにより、内容物の種類にかかわらず接触してもまっ
たく溶出しない有機質または無機質の耐食性、金属臭対
策の緻密な保護皮膜を直接設ける方法が考えられる。な
お本発明において不活性表面とは、DI缶の内表面が内
容物に接しても侵されたり、溶解して内容物を変質させ
ない性質を有すると共に、該表面層に内容物成分を吸着
・吸収しない表面を意味する。
【0010】大気圧低温プラズマを利用して、すでにコ
ーティングされている樹脂表面層の架橋による不活性
化、該コーティング樹脂層上へのプラズマ重合による内
表面層への新たな不活性層の形成、またはプラズマCV
D法あるいはプラズマ重合法により、金属面、例えばア
ルミニウムからなる内表面へ不活性層を直接コーティン
グしたDI缶及び該DI缶の製造方法に関するものであ
る。この場合大気圧低温プラズマを利用して薄膜を得る
方法としては、プラズマ重合法及びプラズマCVD法な
どがある。プラズマの発生方法としては、放電方法とし
てグロー放電を、直流、高周波、マイクロ波などの周波
数にわたって利用することができる。
【0011】本発明方法においては、原則として薄膜コ
ーティングにおける有機質の薄膜は、炭化水素ポリマ
ー、フッ素含有ポリマー、窒素含有ポリマーからなるコ
ーティングにおいてはプラズマ重合法を適用することが
有利であり、無機質の薄膜は、ダイヤモンド様カーボン
(DLC:ダイアモンドライクカーボン)、シリコン化
合物薄膜、金属化合物薄膜からなるコーティングにおい
てはプラズマCVD法を適用することが有利である。
【0012】従来、低温プラズマ状態を大気圧下で安定
的に生じさせることは困難であった。つまり、大気圧状
態でグロー放電を安定に生じさせることは出来なかっ
た。それは以下の理由によることが知られている。大気
圧状態は低電界では絶縁体であるが、直流、交流、イン
パルス等の高電界を印加すると絶縁破壊を起こし電流が
流れるようになる(自続放電)。自続放電はコロナ放
電、グロー放電、アーク放電に分けられる。平等電界の
ときには自続放電に移るとただちに全路破壊し、グロー
放電もしくはアーク放電に移行するが、不平等電界のと
きにはまず、電界の強い局部のみ絶縁破壊され、コロナ
放電が起こる。その後さらに電界を強くすると全路破壊
に発展していく。大気圧空気中では通常全路破壊に移行
するとき、グロー放電を経ずに速やかにアーク放電に移
行することが多い。これは、アーク放電の特徴は入射イ
オンに起因する電極加熱による熱電子放出(陰極輝点の
存在)であるが、高圧力では電極に入射するイオン数が
低圧力時に比べて多いため、非常に短い時間で電極が加
熱され、熱電子放出されるようになるためと考えられて
いる。また、電流が2A以下の場合にはグロー放電する
場合も知られているが、制御性が良くなく実用的ではな
い。一般に溶接加工、切断等の応用に用いられているの
はアーク放電である。
【0013】アーク放電はその電極温度の高さ、陽光柱
温度(ガス温度)の高さを利用して、被加工物を溶解、
溶断することに用いられている。アーク放電において
は、被加工部は2000〜6000Kの高温となる。そ
のため、大気圧でのグロー放電を安定に生じさせる試み
が行われている(S.Kanazawa et.a
l.,J.Phys.D:Appl.Phys.21
(1988)838〜840)。大気圧で安定にグロー
放電させるためのための要件としては、 1.放電空間をHeで充満する事、 2.電極間に(放電経路に)絶縁体を挿入する事、 3.少なくとも一方の電極は針状もしくはブラシ状とす
る事、 4.印加電界の周波数は3kHz以上とする事、が必要
条件として知られている。
【0014】絶縁体は放電がアーク放電に移行しないよ
うにするため、印加電界周波数が3kHz以上なのは絶
縁体を通して電流を流すため、電極形状を針状もしくは
ブラシ状とするのは、電界を不均一電界とすることによ
り放電を開始しやすいようにするためである。以上、大
気圧状態において安定的なグロー放電が可能になりつつ
ある。この分野では活発な研究開発が進められている。
本発明においては不活性ガス及び反応性ガスをプラズマ
として用いるが、通常の場合ヘリウムまたはアルゴンな
どの希ガスを主として用い、コーティングする場合にお
いてこれに反応性ガスを含ませる形で用いることがプラ
ズマの形成に有利である。不活性ガスとしては希ガス及
び窒素を使用する。希ガスとしては周期律表第0族の元
素からなるガス類であり、ヘリウム、アルゴン、ネオン
及びクセノンなどが挙げられ、これらは単独であっても
また2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】本発明において薄膜コーティングにおける
有機質の薄膜としては、プラズマ重合法を適用して形成
する、炭化水素ポリマー、フッ素含有ポリマー、窒素含
有ポリマーなどを含むものであり、また無機質の薄膜と
しては、DLC、シリコン化合物薄膜、金属化合物薄膜
などであって、プラズマCVD法を適用して形成する。
プラズマ重合法による炭化水素ポリマー(有機質)の薄
膜形成のメカニズムは、通常のラジカル重合反応のよう
に単に二重結合の開裂によってポリマー鎖が生長してい
く重合メカニズムとは大きく異なっているため、薄膜コ
ーティングに使用される原料ガス(重合対象となるモノ
マー)としては、飽和炭化水素、不飽和化合物、脂環族
または芳香族などの環状化合物など、ほぼどのような化
合物もプラズマ重合の対象になる。
【0016】プラズマ重合法によるフッ素含有ポリマー
のよる薄膜コーティングに使用される原料ガスとして
は、C26 +H2 のような飽和炭化フッ素と水素の混
合物、C24 、C48 、C46 のような不飽和炭
化フッ素、C66 、C610のような環状化合物のよ
うなものが挙げられる。プラズマ重合法による窒素含有
ポリマーのよる薄膜コーティングに使用される原料ガス
は、アクリロニトリル、プロピオニトリルのようなニト
リル化合物、プロピルアミン、アリールアミンのような
アミン化合物、各種炭化水素と窒素の混合物、各種炭化
水素とアンモニアの混合物などが挙げられる。
【0017】プラズマCVD法による炭化水素化合物を
用いた薄膜コーティングに使用される原料ガスとして
は、通常炭素と水素を含有する原料ガスが使用される。
このような炭素と水素を含有する原料ガスとしては、例
えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサンなどのアルカン系ガス類;エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ペンテンなどのアルケン系ガス類;ブタジ
エン、ペンタジエンなどのアルカジエン系ガス類;アセ
チレン、メチルアセチレンなどのアルキン系ガス類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、インデン、ナフタレン、
フェナントレンなどの芳香族炭化水素ガス類;シクロプ
ロパン、シクロヘキサン等のシクロアルカン系ガス類;
シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロアルケン
系ガス類;メタノール、エタノールなどのアルコール系
ガス類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系
ガス類;フォルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの
アルデヒド系ガス類などが挙げられる。上記ガス類は単
独で使用してもよいし、二種以上が混合使用されてもよ
い。
【0018】またその他の炭素と水素を含有する原料と
しては、上記に挙げたガス類と水素ガスの混合物、一酸
化炭素ガスまたは二酸化炭素ガスなどの炭素と酸素のみ
から構成されるガス類と上記に挙げた炭化水素ガスまた
は水素ガスの混合物などが挙げられる。更に炭素と水素
を含有する原料としては、上記に挙げたガス類または混
合ガス類に希ガスを混合した混合ガスを挙げることがで
きる。上記混合ガス中における水素ガスの混合量は、使
用される混合ガスの組成や製膜圧力などによって適宜決
定され特に限定されるものではない。
【0019】プラズマCVD法によるシリコン化合物に
よる薄膜コーティングに使用される原料ガスは、下記の
ようなSi含有有機物が挙げられる。ジメトキシ(メチ
ル)シラン、エトキシジメチルシラン、ジメトキシジメ
チルシラン、トリメトキシメチルシラン、テトラメトキ
シシラン、テトラメチルシラン、ジメトキシメチルビニ
ルシラン、エトキシトリメチルシラン、ジエトキシメチ
ルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリルトリ
メチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、トリエチル
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシ
ラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシメ
チルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビス(トリメ
チルシリル)アセチレン、テトラエトキシシラン、トリ
メトキシフェニルシラン、γ−グリシドキシプロピル
(ジメトキシ)メチルシラン、γ−グリシドキシプラピ
ル(トリメトキシ)メチルシラン、γ−メタクリロキシ
プロピル(ジメトキシ)メチルシラン、γ−メタクリロ
キシプロピル(トリメトキシ)シラン、ジヒドロキシジ
フェニルシラン、ジフェニルシラン、トリエトキシフェ
ニルシラン、テトライソプロポキシシラン、ジメトキシ
ジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、テト
ラ−n−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ポ
リ(メチルハイドロジェンシロキサン)などのシリコン
化合物を用いることができる。
【0020】プラズマCVD法による金属化合物による
薄膜コーティングに使用される原料ガスにおけるコーテ
ィング用金属化合物としては、例えば以下のようなもの
が挙げられる。 (Al源) アルミニウムクロライド、アルミニウムボ
ロナイド、トリメチルアルミニウム、アルミニウムアセ
チルアセトナト等、 (Ti源) チタンクロライド、チタンアイオダイド、
チタンイソプロポキシド、Ti(OR)4 (ただしRは
低級アルキルを示す。)等、 以上のような金属源に各種ガス:炭化水素、窒素含有化
合物(ニトリル類、アミン類等)、フッ素含有化合物、
塩素含有化合物、希ガス、窒素、水素、酸素のような単
体ガスを混合して原料ガスとする。
【0021】また、不活性表面に改質する方法として、
不活性ガスプラズマスまたは反応性ガスプラズマで表面
処理する方法がある。不活性表面改質に使用される不活
性ガスはヘリウム、アルゴンのような希ガスである。反
応性ガスとしてはCF4 、NF3 、BF3 、SiF4
ようなものが挙げられる。
【0022】プラズマ重合膜の作成は、希ガス類をプラ
ズマ重合装置内において大気圧下放電によるプラズマ状
態を形成させ、そこに気化させたモノマーを導入するこ
とにより行う。形成されたプラズマ中には高エネルギー
状態の電子、イオン、ラジカル、光子などの重合反応に
用いられる活性種が多種多様に存在するため、導入され
た低分子モノマー気体も活性化され、直接高分子膜を得
ることができる。モノマーは熱的に分解しやすい有機化
合物であるため、一般に低温プラズマであるグロー放電
が使用される。グロー放電によって得られるプラズマ中
には、10eVにも達する高エネルギー電子が存在して
いるが、大部分の気体は電離せずに低いエネルギー状態
で存在する。このようなエネルギー状態が異なるプラズ
マを非平衡プラズマといい、有機化合物のプラズマ反応
に利用するには熱分解されにくく都合がよい。安定なグ
ロー放電を形成させるために13.56MHzの高周波
(RF)や2.45GHzのマイクロ波が主に利用され
ている。
【0023】重合用モノマーとしては、従来の化学重合
法とは異なり、不飽和結合や特定の官能基をもたない化
合物でも重合が行え、薄膜を形成することができる。一
般にモノマーの形態としては、常温、常圧でガス状およ
び液状有機化合物、昇華性固体状有機化合物などがあ
り、これらを単独あるいは複数用いて重合は行われる。
また、反応時にスパッタリングや加熱蒸発により重合膜
中に金属粒子を混入した有機金属複合膜も作成すること
ができる。薄膜の構造と特性は、プラズマ重合条件によ
り異なるので、目的にかなった適切な重合条件を見つけ
ることが極めて重要となる。プラズマ重合反応における
制御因子として、
【0024】プラズマ条件:放電周波数、出力(電
圧、電流)、電極形態(容量型、誘導型、無電極、外部
電極、内部電極)、電極間距離、面積、 流体力学的条件:反応ガス流量・流速、反応ガス濃
度、反応ガス種類、 反応器条件:DI缶性質・形状、DI缶位置、DI缶
温度、電極材質などがあり、それらを適切に制御し、目
的に応じた膜(例えば高密度に架橋した不溶、不融の
膜)にすることが大切である。
【0025】プラズマCVD膜の作成は、低温プラズマ
を利用した化学反応によって行われる。そのためのプラ
ズマCVD装置に使用されるプラズマ発生方法は、多岐
に分かれ、さらに目的とする膜質、膜面積、膜成長速度
などに応じて、直流プラズマ、低周波プラズマ、高周波
プラズマ、パルス波プラズマ、三極構造によるプラズ
マ、マイクロ波プラズマ、ダウンストリームプラズマ、
カラムナープラズマ、プラズマアシステッドエピタキシ
ーなどによるプラズマCVD装置が開発されている。プ
ラズマCVDにおける反応パラメーターとして、(1)
ガス種、(2)ガス流量、(3)反応圧力、(4)プラ
ズマの電力密度、(5)プラズマ励起周波数、(6)プ
ラズマ発生方式および電極構造、(7)DI缶温度、
(8)DI缶電位、(9)DI缶位置、(10)DI缶
特性(熱膨張係数、熱伝導率など)などが挙げられる。
反応パラメーターが多いため、多種多様な反応条件の設
定が可能となり、目的とする物質の諸特性を比較的任意
に制御することができる。
【0026】プラズマ表面処理とは、固体被処理物をプ
ラズマ雰囲気にさらしその表面の性質を物理的あるいは
化学的に変化させる手法である。プラズマ表面処理は、
狭義には非重合性ガスを用いたプラズマによる表面改質
をいい、プラズマ重合をはじめ他のプラズマを利用した
技術と区別される。すなはち、改質されるのは最表面層
のみで、プラズマ重合のように表面に薄膜を堆積した
り、エッチングのように表面から取り除いたりしない表
面改質法である。非重合性ガスによる表面処理も、ガス
の種類によりさらに2つに大別される。一つはヘリウ
ム、アルゴンなどの不活性ガスで化学的に反応しないも
ので、他の一つは、水素、酸素、窒素、水蒸気、アンモ
ニア、CF4 のように重合はしないが化学反応にあずか
るものである。
【0027】大気圧低温プラズマにより表面処理などを
行う装置としては、一旦真空に減圧する工程を経ること
なく安定な低温プラズマを形成し、該プラズマを微小な
領域に閉じ込め、微小領域の加工、表面処理、エッチン
グを可能とするプラズマ発生装置が開発された(特願平
2−286883)。さらに、通常はヘリウムガスが使
用されていたが、コストの安いアルゴンでの低温プラズ
マ形成装置が可能となった(特開平5−27519
1)。以上、大気圧状態において安定的なグロー放電が
可能になりつつある。この分野では活発な研究開発が進
められているが、これらの装置は本発明の大気圧低温プ
ラズマによるDI缶へのコーティングまたは表面処理へ
の適用ができる。
【0028】本発明の内表面不活性飲料用DI缶の製造
においての大気圧低温プラズマ処理は、大気圧での処理
であるため真空排気の必要がないために高価な排気装
置及び耐圧性真空容器などを必要としない、。従来真
空排気に要した時間を省くことができるためサイクル時
間を短縮できる、高い圧力での反応のために衝突時間
が短く、反応速度を早くすることができ製膜時間を短く
できる、などの利点がある。これらはいずれも反応装置
のコストを低下させ、開放系においての不活性薄膜コー
ティングを可能とし、サイクルタイム(生産性)を高く
維持する要因となり全体の製造コストを低下させるもの
である。以下、本発明に使用できる大気圧低温プラズマ
重合、プラズマCVD、プラズマ表面処理が可能な装置
の一態様を図1に示す。該装置に使用する部品の概要を
簡単に説明する。
【0029】以下、本発明に使用できる大気圧低温プラ
ズマ発生装置の一態様を図1に示す。該装置に使用する
部品の概要を簡単に説明する。 内面に塗料(絶縁体)をコート2したネッキング加工
したアルミニウム製DI缶1は、バキュームにより支持
台4に固定する。 上記絶縁コートしたアルミニウム製DI缶1は、支持
台4の通電用バネを通じて電源5と接続して外側のDI
缶本体を外側電極とし、中心導体3を他の電極とする。 DI缶1を中心導体3にかぶせて、位置決めをし、D
I缶内部と中心導体の間の空間部6を形成する。 形成された空間部6へ不活性ガスまたはそれと反応性
ガスを挿入口11を通して導入し、その排気ガスは下部
より排出される。
【0030】不活性ガス(ヘリウムおよび/またはア
ルゴン)はボンベ8から流量制御器7を経てガス挿入口
11に接続されている。 反応性ガスも同様に流量制御器7’を経てガス挿入口
11に接続されている。反応性ガスが液状物質または昇
華性固体である時には、不活性ガスは反応性ガス原料が
充填された温度調節可能な蒸発装置9を設けこれを経由
してガス挿入口11に接続する。 電源はDI缶のアルミニウムのDI缶本体と中心導体
に接続し、DI缶と中心導体の間にグロー放電を行い大
気圧低温プラズマを発生させ、DI缶内表面にコーティ
ングまたは表面処理を行う。なお図2の装置はDI缶と
してネッキング加工をする前のDI缶のための装置であ
り同様に使用できる。内表面の不活性処理をネッキング
加工前にする時は、空間部6を極めて小さくすることが
可能で大気圧低温プラズマ加工が容易ではあるが、表面
処理をした後でのネッキング加工が必要となり、加工面
の剥離やひび割れがおき易くなるので工夫が必要とな
る。
【0031】以下図1に基づき大気圧低温プラズマ法に
よるプラズマCVDコーティングの操作手順を説明す
る。 ネッキング加工したDI缶1をバキュームで支持台4
中心導体3にかぶせ、絶縁支持台4に固定し、DI缶内
面と中心導体3で形成される空間部6を密閉状態とす
る。(なお中心導体3の形状はDI缶と中心導体は接触
しない形状であって、かつ空間部6の容積が可能な限り
小さくなる形状:場合によっては中心導体がDI缶口部
に挿入が容易なように、回転可能で電極の一部がDI缶
の内部形状に相似形となっており、DI缶と中心導体間
で放電が容易にできる形状)
【0032】電源5にアースされたDI缶1の缶体本
体と、中心導体3に電源を接続する。 次いで空間部6内部に、制御器7を経てヘリウム、ア
ルゴンなどの不活性ガスを挿入し、必要に応じてボンベ
8から制御器7’を経て反応ガスを併せて流せる構造を
有する挿入口11から連続的に供給する。 次いで通電し、DI缶と中心導体との間に放電を行う
ことにより不活性ガスをプラズマCVD状態にしておき
これに必要に応じて反応性ガスを供給してプラズマCV
Dを行う。この場合、中心導体3は回転して行うことが
好ましい。 必要な厚みのコーティングが達成できたら(あらかじ
め同一条件でのプラズマCVDを行い、必要な厚みのコ
ーティング時間を決定しておくことが好ましい。)、通
電をやめ、不活性ガス及び反応性ガスの供給を止めて絶
縁支持体からDI缶をはずし、新たなDI缶を固定操作
することにより次のサイクルを開始する。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によりさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら
限定されるものではない。 (実施例1)エポキシ樹脂コートアルミニウムDI缶
(350ml用、胴径:65mmφ、ネッキング加工し
たものまたはネッキング加工前のもの)を内表面コート
用装置にセットする。DI缶と中心導体の間の空間部に
ヘリウムガスと反応ガスの混合ガス(アセチレン5%を
含むヘリウムガス)を100cc/minで供給し続け
る。3分後に高周波電源から13.56MHz・105
Wの電力をを供給し、放電空間をプラズマ状態にした。
1分間DLC膜を堆積させ、電源を止めた。
【0034】(実施例2)反応ガスとしてメタンを5%
含むヘリウムガスを使用し、薄膜組成:DLCを製造し
た。内表面コート用装置に 実施例1と同様なエポキシ
樹脂コートアルミニウムDI缶(500ml用)をセッ
トする。実施例1と同様にして1分間DLC膜を堆積さ
せ、電源を止めDLCコート内表面不活性飲料用DI缶
を得た。
【0035】(実施例3)内表面コート装置を用い、反
応ガスとしてテトラメトキシシランを2%含有ヘリウム
ガスを使用した他は実施例1と同様にプラズマコーティ
ングを行い薄膜組成:SiO2 の内表面不活性飲料用D
I缶を製造した。 (実施例4)内表面コート装置を用い、反応ガスとし
て、SiH4 /NH3 :(2:1)を5%含有するヘリ
ウムガスを使用したほかは実施例1と同様にプラズマコ
ーティングして薄膜組成:SiN2 の内表面不活性飲料
用DI缶を得た。
【0036】(実施例5)内表面コート装置を用い、反
応ガスとしてAlCl3 /NH3 :5%/5%含有ヘリ
ウムガスを使用したほかは実施例1と同様にプラズマコ
ーティングして薄膜組成:Al23 の内表面不活性飲
料用DI缶を得た。 (実施例6)内表面コート装置を用い、反応ガスとして
テトライソプロポキシチタン2%含有ヘリウムガスを使
用したほかは実施例1と同様にプラズマコーティングし
て薄膜組成:TiO2 の内表面不活性飲料用DI缶を得
た。
【0037】(実施例7)内表面コート装置を用い、反
応ガスとしてアクリロニトリル2%含有ヘリウムガスを
使用したほかは実施例1と同様にプラズマコーティング
して薄膜組成:窒素含有ポリマーの内表面不活性飲料用
DI缶を得た。 (実施例8)内表面コート装置を用い、反応ガスとして
CF2 =CF2 2%含有アルゴンガスを使用したほかは
実施例1と同様にプラズマコーティングして、薄膜組
成:フッ素含有ポリマーの内表面不活性飲料用DI缶を
得た。
【0038】(実施例9)内表面コート装置を用い、不
活性ガスとしてアルゴンを使用したほかは実施例1と同
様にプラズマによる表面処理を行い、ボトル内表面に表
面架橋をしたスキン層を有する内表面不活性飲料用DI
缶を得た。 (実施例10)内表面コート装置を用い、反応ガスとし
てNF3 2%含有アルゴンガスを使用したほかは実施例
1と同様にプラズマによる表面処理を行い、ボトル内表
面を表面フッ素化したスキン層を有する内表面不活性飲
料用DI缶を得た。
【0039】(比較例1)エポキシコートDI缶をなん
らの処理をすることなくサンプルとした。
【0040】[評価方法]上記実施例1〜10及び比較
例1により製造された内表面不活性飲料用DI缶を下記
の方法により評価を行い、結果を表1に示す。 (加工密着性)エナメルレータ測定器でアルミニウムD
I缶のエナメルレータ値を測定した。測定の結果、良好
なものを○、若干塗膜割れまたは剥離があるが実用上問
題のないレベルのものを△、剥離が多く不良であるもの
を×で表した。 (耐衝撃性)デュポン衝撃試験機を用い、重さ300
g、硬球1/2インチφを高さ30cmの条件で試験を
行い、衝撃部の缶内面塗膜割れを評価した。測定の結
果、良好なものを○、若干塗膜割れまたは剥離があるが
実用上問題のないレベルのものを△、剥離が多く不良で
あるものを×で表した。
【0041】(耐腐食性)アルミニウムDI缶に腐食液
(エタノール20%、クエン酸1%、メタ亜硫酸カリウ
ム1%を含む水溶液)を充填し、アルミ製イージーオー
プン蓋を2重巻き締めした。その後37℃で1か月保存
し缶蓋内面の腐食状態を観察した。結果として、まった
く腐食が認められなかったものを○、わずかに腐食が認
められたものを△、腐食が多数認められたものを×で表
した。 (過マンガン酸カリ消費量)アルミニウムDI缶に、蒸
留水を充填し、アルミ製イージーオープン蓋を2重巻き
締めして125℃で30分の加熱殺菌処理を行った。内
容水に抽出された有機成分の量を、過マンガン酸カリ液
の滴定量で評価した。結果は抽出された有機成分の量が
極めて少ないものを○、中程度のものを△、多いものを
×で表した。
【0042】(ビスフェノールA溶出量)上記の加熱殺
菌処理を行い、内容水に抽出されたビスフェノールA量
をガスクロマトグラフ質量分析計で測定した。抽出され
たビスフェノールAが0.2ppb未満のものを○、
0.2〜2.0ppbのものを△、2.0ppbを超え
るものを×で表した。 (耐フレーバー性)前記の加熱殺菌処理を行い、内容水
を12名のパネラーで官能試験を行い評価した。結果
は、過半数のパネラーがおいしいと感じたものを○、過
半数のパネラーが普通と感じたものを△、過半数のパネ
ラーがおいしくないと感じたものを×で表した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の内表面不活性飲料用DI缶は、
エポキシ樹脂コートをしたDI缶または該樹脂コートを
しないDI缶を使用し、その内表面に有機質および/ま
たは無機質のバリア性薄膜コーティングまたは不活性ガ
スプラズマまたは反応性ガスプラズマによる表面処理に
よりバリア性表面層を形成させた極めて高い酸素バリア
性及び炭酸ガスを有する内表面不活性飲料用DI缶を提
供するものである。特にエポキシ樹脂コートDI缶にお
いても不活性表面層を形成させることによりビスフェノ
ールAのような内面からの溶出成分を確実に抑えること
ができた内表面不活性飲料用DI缶を製造できるもので
ある。また、本発明はプラズマCVDするに際し、反応
容器及び排気装置を必要とせず、開放系の大気圧状態で
円筒状プラズマを発生させる装置を提供し、これにより
開放系において内表面不活性飲料用DI缶の内表面に高
速でバリア性薄膜コーティングを可能とし、従来の低圧
グロー放電プラズマ装置のような高真空装置、複雑な周
辺機器が不要である。工業的な製造設備を考える場合、
装置コストだけではなく、生産速度にも非常に優れてい
る。そのため、今後、工業化において用途展開が大いに
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネッキング加工したDI缶内面コーティング装
置の概要。
【図2】ネッキング加工前のDI缶内面コーティング装
置の概要。
【符号の説明】
1 DI缶(エポキシコーティングDI缶) 2 DI缶内面エポキシ樹脂層 3 中心導体 4 絶縁支持体 5 電源 6 放電空間 7、7’ 流量制御器 8 ガスボンベ 9 反応物蒸発装置 10 反応ガスボンベ 11 ガス導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 16/34 C23C 16/34 16/40 16/40 16/50 16/50 (72)発明者 田代 泰 東京都千代田区飯田橋3丁目6番5号 昭 和アルミニウム缶株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB49Z CA44 DA06 DB01 DC42 EB13 EB16 4K030 AA16 AA18 BA28 BA40 BA44 BA61 CA11 DA02 FA01 4K044 AA06 AB10 BA18 BA19 BA21 CA34

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧低温プラズマを用いて内表面をコ
    ーティングまたは表面処理をしたことを特徴とする内表
    面不活性飲料用DI缶。
  2. 【請求項2】 DI缶内表面にライニングまたは表面処
    理に由来する溶出成分を1ppb以下に抑制した請求項
    1に記載の内表面不活性飲料用DI缶。
  3. 【請求項3】 内表面が塗料でライニングされたDI缶
    のライニング表面に、不活性ガス及び反応性ガスを含む
    大気圧低温プラズマを用いて有機質および/または無機
    質の薄膜コーティングをした請求項1に記載の内表面不
    活性飲料用DI缶。
  4. 【請求項4】 不活性ガスが希ガス、窒素ガス及びアン
    モニアガスの少なくとも一種であり、反応性ガスがCV
    D法により薄膜を形成できる有機質および/または無機
    質の化合物ガスの少なくとも一種である請求項3に記載
    の内表面不活性飲料用DI缶。
  5. 【請求項5】 DI缶の塗装されていない缶内表面を、
    反応性ガスを含む大気圧低温プラズマを用いて有機質お
    よび/または無機質の薄膜でコーティングした請求項1
    ないし3のいずれか1項に記載の内表面不活性飲料用D
    I缶。
  6. 【請求項6】 大気圧低温プラズマを用いて形成された
    薄膜が、炭化水素ポリマー、フッ素含有ポリマーもしく
    は窒素含有ポリマーからなる有機質のプラズマ重合薄
    膜、またはダイヤモンド様カーボン薄膜(DLC:ダイ
    アモンドライクカーボン)、シリコン化合物薄膜もしく
    は金属化合物薄膜からなる無機質のプラズマCVD薄膜
    の少なくともその一つである請求項1ないし5のいずれ
    か1項に記載の内表面不活性飲料用DI缶。
  7. 【請求項7】 内表面が塗料でライニングされているD
    I缶のライニング表面を、不活性ガスの大気圧低温プラ
    ズマで表面処理することにより不活性表面層を形成させ
    た請求項1に記載の内表面不活性飲料用DI缶。
  8. 【請求項8】 DI缶内表面に不活性ガスおよび/また
    は反応性ガスの大気圧低温プラズマ法によりDI缶内表
    面をコーティングするかまたは表面処理することにより
    不活性な表面層を形成させることを特徴とする内面層不
    活性飲料用DI缶の製造方法。
  9. 【請求項9】 不活性ガスが希ガス、窒素ガス及びアン
    モニアガスの少なくとも一種であり、反応性ガスがCV
    D法により薄膜を形成できる有機質および/または無機
    質の化合物ガスの少なくとも一種である請求項8に記載
    の内表面不活性飲料用DI缶の製造方法。
  10. 【請求項10】 プラズマコーティングをするに際し、
    不活性ガスをメインガスとして発生させた大気圧グロー
    放電ビームプラズマに、有機質および/または無機質の
    薄膜を形成することができる反応性ガスを供給して、D
    I缶の塗装された内表面を有機質および/または無機質
    の薄膜でコーティングする請求項8に記載の内表面不活
    性飲料用DI缶の製造方法。
  11. 【請求項11】 大気圧低温プラズマによる表面処理を
    するに際し、不活性ガスをメインガスとして発生させた
    グロー放電ビームプラズマを使用し、塗装されたDI缶
    の内表面塗料スキン層に不活性架橋構造を形成させる請
    求項8に記載の内表面不活性飲料用DI缶の製造方法。
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