JPH07118230B2 - 透明導電膜形成用ペ−スト状組成物および透明導電膜の形成方法 - Google Patents

透明導電膜形成用ペ−スト状組成物および透明導電膜の形成方法

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JPH07118230B2 JP16192786A JP16192786A JPH07118230B2 JP H07118230 B2 JPH07118230 B2 JP H07118230B2 JP 16192786 A JP16192786 A JP 16192786A JP 16192786 A JP16192786 A JP 16192786A JP H07118230 B2 JPH07118230 B2 JP H07118230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、透明導電膜形成用組成物に係り、さらに詳し
くは、酸化インジウム−酸化錫複合膜(以下「ITO膜」
と記す。)からなるパターン化された透明導電膜を、耐
熱性基板上に形成するに適したペースト状の組成物およ
びパターン化された透明導電膜の形成方法に関する。
本発明は、各種ディスプレイや太陽電池等用の透明電極
の製造に、好適に使用することができる。
〔従来の技術〕
従来、各種ディスプレイや太陽電池等用の透明電極の製
造方法として、ガラス等の透明基板上に真空蒸着法、ス
パッタリング法、化学蒸着法、塗布焼成法等により形成
した透明導電膜を、エッチングしてパターン化する方法
が知られており、真空蒸着法やスパッタリング法で形成
した透明導電膜をエッチングする方法が、一般に実用化
されている。
近年、透明導電膜のエッチング工程を省略することを目
的として、ペースト状の透明導電膜形成用組成物をスク
リーン印刷法等により、ガラス基板等にパターン化して
塗布し、焼成する方法が種々検討されている。たとえ
ば、有機インジウム錯体、有機錫錯体、粘結剤としての
ニトロセルロースおよび溶剤とからなるITO膜形成用の
ペースト状組成物(特開昭57−27505号公報)、硝酸イ
ンジウム誘導体、硝酸錫アルキル誘導体、セルロース誘
導体および有機溶剤からなるITO膜形成用のペースト状
組成物およびこの組成物をスクリーン印刷した後加熱下
に紫外線を照射し、ついで、焼成、焼鈍するパターン化
した透明導電膜の形成方法(特開昭57−212268号公報)
などが開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
透明電極の製造方法として、前記した一般に実用化され
ている方法においては、透明導電膜の形成に高真空装置
を使用するため生産性が低く、さらに、透明導電膜をパ
ターン化するためのエッチング工程を必要とする。した
がって、得られる製品は極めて高価である。
一方、前記ペースト状組成物を用い、スクリーン印刷等
によりパターン化した透明導電膜を形成し、透明電極と
する方法においては、いづれもシート抵抗値が1〜2KΩ
/sq程度のパターン化されたITO膜を形成することができ
るが、これらは基板との密着性が不十分であり、また、
LCDの透明電極用としてはシート抵抗値が高い。
本発明は、シート抵抗値の低い、かつ、基板との密着性
に優れたパターン化されたITO膜を形成するに適した、
安定な透明導電膜形成用ペースト状組成物およびパター
ン化されたITO膜の形成方法を提供することを、その目
的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結
果、インジウム化合物と錫化合物とをITO膜形成の主剤
とするペースト組成として、芳香族ニトロ化合物とセル
ロース誘導体とを添加した組成物を、スクリーン印刷に
より耐熱性基板に塗布した後、前加熱処理および本焼成
を行って形成したITO膜が、基板との密着性に優れ、か
つ、シート抵抗値が低いことを見出し、本発明を完成し
た。
本発明は、有機インジウム化合物、錫化合物、セルロー
ス誘導体および芳香族ニトロ化合物を含有することを特
徴とする透明導電膜形成用ペースト状組成物および耐熱
性基板上に、前記ペースト状組成物をスクリーン印刷し
150〜350℃の温度で前加熱処理した後、酸化性雰囲気中
において、450℃以上の温度で焼成することを特徴とす
る透明導電膜(ITO膜)の形成方法である。
本発明において、有機インジウム化合物および錫化合物
は、焼成により透明な酸化インジウム−酸化錫複合膜
(ITO膜)を形成するための主剤である。
有機インジウム化合物として、熱分解により酸化インジ
ウムを生成する有機溶剤溶解性の化合物が使用できる。
特に、下記一般式(1) In(X)(Y)(3-a) ……(1) で表され、式中のXが、アセチルアセトン,ベンゾイル
アセトン,ベンゾイルトリフルオルアセトン,ジベンゾ
イルメタン,フロイルアセトン,トリフルオルアセトン
等のβ−ジケトン類の残基および/またはアセト酢酸メ
チル,アセト酢酸エチル,マロン酸ジエステル等のβ−
ケトエステル類の残基、Yが、ハロゲン原子、水酸基、
メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,i−プロポキ
シ基,n−ブトキシ基,t−ブトキシ基等炭素数が1〜18の
アルコキシ基、ホルミル基,アセチル基,プロピオニル
基,ブチリル基,バレイル基,ステアロイル基,ベンソ
イル基等炭素数が1〜18のアシル基および硝酸エステル
残基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の置換基で
あり、かつ、a≠0である有機インジウム化合物が、熱
分解性および有機溶剤への溶解性に優れるので好ましく
使用される。さらに好ましくは、さらに熱分解性および
塗膜形成性に優れた前記一般式(1)中のYが、水酸
基、アルコキシ基および/またはアシル基である有機イ
ンジウム化合物1モルと硝酸0.3〜3.0モルとの反応生成
物を使用する。
一方、錫化合物は、酸化インジウムの薄膜に導電性を付
与するための酸化錫をドープする成分である。錫化合物
として、熱分解により酸化錫を生成する有機溶剤溶解性
の2価または4価の錫化合物が使用される。たとえば、
塩化第1錫,塩化第2錫,臭化第1錫,臭化第2錫,沃
化第1錫,沃化第2錫等のハロゲン化錫類、硝酸錫等の
無機錫塩類、ジプロピル錫,テトラプロピプ錫等のアル
キル錫類、酢酸錫,安息香酸錫,ジブチル錫ラウレー
ト,オクテン酸錫等の錫有機酸塩類、ジ−またはテトラ
−エトキシ錫,ジ−またはテトラ−プロポキシ錫,ジ−
またはテトラ−ブトキシ錫等の錫アルコキシド類、錫ア
ルコキシド類とβ−ジケトン類またはβ−ケトエステル
類とのキレート錯体または部分キレート錯体類等が使用
できる。好ましくは、無機錫塩類、錫有機酸塩類および
(部分)キレート錯体類を使用する。
インジウム化合物と錫化合物との組成比(重量基準)
は、それぞれを酸化物に換算して0.01≦SnO2/(SnO2+I
n2O3)≦0.5、好ましくは、0.02≦SnO2/(SnO2+In
2O3)≦0.3の範囲である。
セルロース誘導体は、前記インジウム化合物と錫化合物
とをITO膜形成の主剤とする組成物に、チクソ性を付与
しペースト化するたの増粘剤として使用される。セルロ
ース誘導体として、たとえば、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ベンジルセルロース、ニトロセルロ
ースなどが使用される。特に、ヒドロキシプロピルセル
ロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロー
ス、ニトロセルロースおよびそれらの混合物は、少量の
使用で組成物をペースト化するためのチクソ性の付与効
果が大きいので好ましく使用される。
芳香族ニトロ化合物は、前記各成分の燃焼、熱分解を補
助、促進する成分である。芳香族ニトロ化合物として、
ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼ
ン、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、トリニトロト
ルエン、ニトロナフタレン、ピクリン酸、ニトロアニソ
ール,ピクリン酸エチル,トリニトロジフェニルエーテ
ル,ピクリン酸ベンジル,酢酸ピクリル等のピクリン酸
誘導体などが使用でき、比較的に安定で取り扱いの容易
なピクリン酸が好ましく使用される。
本発明の組成物は、有機溶剤100重量部に対し、金属酸
化物に換算したインジウム化合物と錫化合物との合計0.
5〜15重量部、セルロース誘導体5〜50重量部およびセ
ルロース誘導体100重量部に対し、芳香族ニトロ化合物
5〜100重量部を配合し、混合したチクソ性を有するペ
ースト状組成物である。
有機溶剤として、沸点が100℃以上、好ましくは150℃以
上の有機溶剤が使用される。たとえば、ブタノール,オ
クタノール,ラウリルアルコール,2−エチルヘキシルア
ルコール,ベンジルアルコール,シクロヘキサノール,
α−テルピネオール等のアルコール類、エチルセロソル
ブ,ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビ
トール,メチルカルビトール,ブチルカルビトール等の
カルビトール類、エチレングリコール,プロピレングリ
コール,ジエチレングリコール等のグリコール類、アセ
ト酢酸エチル,酢酸ベンジル,安息香酸メチル,フタル
酸ジメチル,フタル酸ジブチル,エチルセロソルブアセ
テート等のエステル類などの1種の単独溶剤または2種
以上の混合溶剤が使用される。
インジウム化合物および錫化合物の合計の配合量が過少
な場合、形成されるITO膜の膜厚が薄くなり、また、過
大な場合、形成されるITO膜に白濁や、クラック等の薄
膜欠陥が生じ易くなる。
セルロース誘導体の配合量が過少な場合、チクソ性の付
与効果が十分でなく、組成物の印刷解像性が低下し形成
されるITO膜にニジミや断線を生じ易くなる。また、過
大な場合には、組成物の粘度が大きくなり、スクリーン
印刷の作業性が低下する。
芳香族ニトロ化合物のセルロース誘導体に対する配合量
は、使用する他の成分の種類、配合量等による熱分解性
に影響されるが、過少な場合、組成物の燃焼、分解の促
進効果が不十分となり、形成されるITO膜の基板への密
着性が低下し、また、ITO膜のシート抵抗が高くなる。
また、過剰に配合しても組成物の燃焼、分解の促進効果
の増加は期待できない。好ましい芳香族ニトロ化合物の
配合量は、セルロース誘導体100重量部に対し、10〜30
重量部である。
本発明において、前記組成物をスクリーン印刷により、
耐熱性基板上にパターン化して印刷し、150〜350℃の温
度に5〜30分間保持して前加熱処理を行った後、酸化性
雰囲気下、好ましくは酸化性ガスの送気下に450℃以
上、好ましくは500〜600℃の温度に10〜60分間保持して
本焼成を行うことにより、パターン化された透明導電膜
(ITO膜)を耐熱性基板上に形成することができる。
本焼成に引き続いて、不活性ガスおよび/または還元性
ガス雰囲気下において、300〜600℃の温度に10〜60分間
保持する後加熱処理を施すことにより、さらに形成され
たITO膜のシート抵抗を低下させることができる。
耐熱性性基板として、本焼成温度において、割れや変形
を生じない。たとえば、各種ガラス、マイカ、セラミッ
クス等が使用できる。特に透明電極には、基板の透明性
も要求されるので各種ガラス基板が使用され、さらに好
ましくは、Naブロック用のSiO2,TiO2,ZrO2,Al2O3等およ
びそれらの複合膜をプレコートしたソーダライムガラス
基板が使用される。
〔作用〕
本発明は、前記したように、組成物をペースト化するた
めのセルロース誘導体と、燃焼、分解の促進剤としての
芳香族ニトロ化合物を併用したことを特徴とするパター
ン化されたITO膜を印刷法により形成するに適したペー
スト状の組成物およびこの組成物を使用するパターン化
されたITO膜の形成方法である。
セルロース誘導体は、スクリーン印刷用ペースト状組成
物の印刷性に要求されるチクソ性を、少量の使用で付与
することができ、印刷解像性の優れた組成物とすること
ができる。また、併用される芳香族ニトロ化合物は、組
成物の熱分解性を助長促進する。
また、本発明の前加熱処理−本焼成の2段加熱分解、所
望により追加される後加熱処理を加えた3段加熱分解に
よるITO膜の形成方法においては、前加熱処理におい
て、溶剤が蒸発し、また、低分子量の成分が熱分解した
ピンホール等の薄膜欠陥の少ない薄膜が形成され、本焼
成により残余成分が熱分解し、酸化インジウム−酸化錫
の複合膜が形成され、さらに結晶化する。また、後加熱
処理は、不活性ガスおよび/または還元性ガス雰囲気下
で行われるため、形成されたITO膜中の酸素空孔が増加
し、ITO膜のシート抵抗値が低下する。
本発明においては、前記組成物の作用とITO膜形成方法
の作用とが相乗的に作用し、シート抵抗が低く、かつ、
基板への密着性の優れたパターン化されたITO膜が、耐
熱性基板上に形成される。
〔実 施 例〕
本発明を、実施例および比較例により、さらに詳細に説
明する。
ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等限定さ
れるものではない。
なお、以下の実施例および比較例中において、「部」お
よび「%」は、断りのない限り重量基準である。
(1) 透明導電膜形成用ペースト組成物の調製 (a) 試料(A−1)〜(A−4)および比較試料
(CA−1) ブチルカルビトール/ベンジルアルコールの重量比が1/
1の混合溶剤30部をフラスコに仕込み、インジウムトリ
ス(アセチルアセトナト)5.0部を加え100〜120℃に加
温して撹拌溶解し、均一な溶液を得た。
前記と同一組成の混合溶剤52部にヒドロキシプロピルセ
ルロース(商品名・HPC−H・日本曹達(株)製)8.4部
を室温下に徐々に加え、約6時間撹拌保持して均一に溶
解した後、ヒドロキシプロピルセルロース100部に対し
て45.2部に相当するピクリン酸3.8部を加えて溶解し
た。
得られたヒドロキシプロピルセルロースとピクリン酸と
の混合溶液に、先に調製したインジウムトリス(アセチ
ルアセトナト)溶液を徐々に加えて均一に混合した後、
ジブチル錫ジラウレート1.0部を加えてペースト状組成
物・試料(A−1)を調製した。
また、ピクリン酸のヒドロキシプロピルセルロース100
部に対する添加量を5部、20部および100部に変えたペ
ースト状組成物・試料(A−2)〜(A−4)を調製し
た。
さらに、比較のためにピクリン酸の添加を省略したペー
スト状組成物・比較試料(CA−1)を調製した。
(b) 試料(A−5)〜(A−7) 試料(A−1)の調製において、ピクリン酸に代えて、
p−ジニトロベンゼン1.68部、1,3,5−トリニトロベン
ゼン1.68部およびピクリン酸エチル1.68部のそれぞれを
添加し、ペースト状組成物・試料(A−5)〜(A−
7)を調製した。
(c) 試料(A−8)および比較試料(CA−2) ブチルセロソルブ/ブチルカルビトール/酢酸ベンジル
の重量比が、2/1/1の混合溶剤122部に、インジウムトリ
ス(アセチルアセトナト)7.44部および濃硝酸2.40部を
添加し、60℃に30分間撹拌保持した後、冷却してチンビ
スメチルアセテート0.51部を添加し均一に溶解した。
ついで、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名・HPC
−M・日本曹達(株)製)12.0部とアセチルブチルセル
ロース9.3部とを、前記調製した溶液に徐々に添加して
均一に溶解した後、酢酸ピクリル3.3部を添加混合しペ
ースト状組成物・試料(A−8)を調製した。
また、比較試料として、酢酸ピクリルの添加を省略した
(CA−2)を調製した。
(d) 試料(A−9) ブチルカルビトール/ブチルセロソルブ/酢酸ベンジル
の重量比が、2/1/1の混合溶剤100部に、硝酸インジウム
1モルと乳酸1モルとを反応させて合成したインジウム
・ニトリル・ラクテート3.3部およびテトラブトキシ錫
1モルと乳酸2モルとを反応させて合成したチンブトキ
シラクテート1.8部を添加し、均一に溶解した。つい
で、ヒドロキシプロピルセルロース・HPC−H(前出)
6部とHPC−M(前出)14部との混合物を、前記調製し
た溶液に添加し、十分撹拌混合して均一に溶解した後、
ピクリン酸5部を添加混合しペースト状組成物・試料
(A−9)を調製した。
以上調製した試料(A−1)〜(A−9)および比較試
料(CA−1)ならびに(CA−2)の組成を第1表に示
す。
(2) 透明導電膜(ITO膜)の形成 ソーダライムガラス基板上に、前記(1)項で調製した
透明導電膜(ITO膜)形成用ペースト状組成物試料(A
−1)の線幅250μm、乳厚20μmのパターンを、300メ
ッシュのステンレス製スクリーンを用いて印刷し、150
℃×15分の条件で前加熱処理を施した後、マッフル炉を
使用し、空気雰囲気下において550℃×30分の条件で本
焼成した。本焼成後、室温まで自然冷却して、当該基板
上にパターン化された透明導電膜(ITO膜)を得た。
得られたITO膜は、膜厚1200Å、室温に1日放置後のシ
ート抵抗値Rsq1.0KΩ/sqの断線やにじみのない膜であ
り、セロテープ剥離試験結果は良好な密着性を示した。
また、得られたITO膜を形成した基板を、窒素ガス雰囲
気中において350℃×30分の条件で後加熱処理した結
果、シート抵抗値Rsqは0.5KΩ/sqまで低下した。
以下、ソーダライムガラス基板、SiO2被覆ソーダライム
ガラス基板およびSiO2/ZrO2=60/40(重量比)の複合膜
被覆ソーダライムガラス基板のそれぞれに、透明導電膜
(ITO膜)形成用ペースト状組成物試料(A−2)〜
(A−9)および比較試料(CA−1)ならびに(CA−
2)のそれぞれのパターンを、300メッシュのステンレ
ス製スクリーンを用いて印刷し、マッフル炉または加熱
冷却パターンを調製可能なイメージ炉を使用して前加熱
処理−本焼成−後加熱処理−冷却の各処理を施し、当該
基板上にパターン化された透明導電膜(ITO膜)を形成
した。
前加熱処理条件、本焼成処理条件、後加熱処理条件およ
び形成されたITO膜の特性等を第2表に示す。
第2表中において、密着性、表面硬度および耐アルカリ
性は、下記の基準で表示した。
密着性:セロテープ剥離試験において剥離を生じなかっ
たものを良好とした。
表面硬度:表面を消しゴムを用いて20回摩擦し、変化の
なかったものを○、一部変化したものを△、薄膜の消失
したものを×で表示した。
耐アルカリ性:60℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に浸
漬し、薄膜が溶解するまでの時間(分)を測定し、表示
した。
〔発明の効果〕 本発明においては、前記実施例に示したように芳香族ニ
トロ化合物を含有していない比較試料(CA−1)または
(CA−2)の組成物を使用した系に比較して、シート抵
抗値の低いパターン化された透明導電膜(ITO膜)が得
られる。特に、後加熱処理を施した系においては、シー
ト抵抗値Rsqが0.38KΩ/sq、0.10KΩ/sqに達する低シー
ト抵抗の、すなわち、高導電性のITO膜が得られる。ま
た、これらはいづれも基板への密着性が優れている。
本発明は、基板への密着性に優れた、シート抵抗値の低
いパターン化された透明導電膜(ITO膜)が得られる透
明導電膜形成用ペースト状組成物およびこの組成物を使
用する透明導電膜の形成方法を提供するものであり、そ
の産業的意義は極めて大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機インジウム化合物、錫化合物、セルロ
    ース誘導体および芳香族ニトロ化合物を含有することを
    特徴とする透明導電膜形成用ペースト状組成物
  2. 【請求項2】耐熱性基板上に、有機インジウム化合物、
    錫化合物、セルロース誘導体および芳香族ニトロ化合物
    を含有するペースト状組成物をスクリーン印刷し、150
    〜350℃の温度で前加熱処理した後、酸化性雰囲気中に
    おいて、450℃以上の温度で焼成することを特徴とする
    パターン化された透明導電膜の形成方法
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