JP2561680B2 - 透明酸化物薄膜被着ガラスの製造方法 - Google Patents

透明酸化物薄膜被着ガラスの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、インジウム−スズ酸化物などからなる透明
酸化物薄膜を被着したガラスの製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 インジウム−スズ酸化物などからなる薄膜は、可視光
線の透過率が高いという特性を利用して、液晶ディスプ
レイ、プラズマティスプレイおよび蛍光表示管等の表示
装置、タッチパネルおよび太陽電池等の透明電極、航空
機、自動車の窓および冷凍ショーケース等の防曇、氷着
防止用の透明発熱体ならびに自動車および建築用窓の熱
線反射膜等として広く使用されている。
このような酸化物薄膜の形成方法として、従来、主と
して、真空蒸着法、スパッタリング法およびCVD法等の
気相法が利用されている。
しかし、真空蒸着法を採用して、例えば酸化インジウ
ムを基板上に被着させようとする場合には、酸化インジ
ウムを高温に加熱して溶融状態にし、かつ真空中で蒸着
操作を行う必要があり、従って、この方法を採用するた
めには、真空中で処理を行うための装置および酸化イン
ジウムを加熱するための電子ビーム加熱装置を必要とす
る。さらに、スパッタリング法及びCVD法にしても特別
の装置を要し、これら装置が高価なため経済的に不利で
ある。さらに、これらの方法では、透明酸化物薄膜が被
着される基板の大きさは制限され、大形のガラス基板表
面上には透明酸化物薄膜を被着させることは困難であ
る。また、これらの方法は、バッチ作業で実施されるた
め、大量生産が困難という問題点がある。
近年、気相法における上記の問題点を解決する方法と
して、スプレー法、浸漬方法およびスクリーン印刷法等
のように透明酸化物薄膜形成成分を有機溶媒などに溶解
させてなる溶液を用いる方法(以下単に「塗布法」と記
載することもある)が注目されている。この塗布法は、
ガラス表面上にインジウム−スズ酸化物などの透明酸化
物薄膜形成成分を含む塗布液を塗布した後、加熱するこ
とにより透明酸化物薄膜形成成分を熱分解あるいは酸化
して透明酸化物薄膜を形成する方法であり、膜性能の制
御性、大量生産性および装置コスト面に着目すると、蒸
着法よりも優れた方法であるということができる。
このような塗布法で使用する塗布液としては、インジ
ウムおよびスズなどの透明酸化物薄膜形成成分の無機塩
を含む塗布液、透明酸化物薄膜形成成分のアルコキシド
化合物を含む塗布液、透明酸化物薄膜形成成分のカルボ
ン酸塩などを含む塗布液あるいは透明酸化薄膜形成成分
のβ−ジケトン化合物を含む塗布液などが知られてい
る。
透明酸化物薄膜は、ガラス表面上に上記のような塗布
液を塗布した後、次のような条件で焼成することにより
形成できる。
空気中で450℃〜550℃で焼成する方法 窒素中で450℃〜550℃で焼成する方法 容量比を9/1程度に調整した窒素−水素の混合気体中
で450℃〜550℃で焼成する方法 空気中で450℃〜550℃で焼成後、さらに窒素中で350
℃以上で焼成する方法 しかしながら、上記のような形成方法を採用して得ら
れた透明酸化物薄膜は、気相法により形成した透明酸化
物薄膜と比較すると、透明性、膜強度および表面抵抗特
性が劣るという問題点がある。
たとえば、従来の塗布液を用い、上記の焼成条件で焼
成して得られる透明酸化物薄膜を有するガラスの全光線
透過率は、通常は88%以下である。このように従来方法
では、塗布液中における透明酸化物薄膜形成成分の粒子
の成長状態が一定していないなどの理由から、全光線透
過率が88%を超える透明酸化物薄膜被着ガラスは現実に
製造することができなかった。
さらに、このようにして得られた透明酸化物薄膜を有
するガラスの表面抵抗値(透明酸化物薄膜の抵抗値)
は、通常は、1000Ω/□と著しく大きく、殊に100Ω/
□より低い表面抵抗値を有する透明酸化物薄膜を有する
ガラスは塗布法によっては製造することができなかっ
た。
また、従来公知の塗布法により形成された透明酸化物
薄膜は、不安定であり、例えば、温度の変化あるいは酸
素の存在等によって特性が著しく変化するという問題点
がある。このため、透明酸化物薄膜の表面抵抗値は経済
的に著しく増大するばかりでなく、特に高温で使用した
場合には、製造時における表面抵抗値が短時間で10倍以
上になる。また得られる透明酸化物薄膜は、基板との密
着性に劣るため、はがれたり、けずれ易かった。
このように塗布法により形成した透明酸化物薄膜は、
上述のような問題点を有するために、気相法と比較して
上述のように製造方法としての利点があるにも拘らず、
現実には非常に限定された分野で利用されているに過ぎ
ない。従って、気相法により形成された透明酸化物薄膜
と同等もしくはこれ以上の特性を有する透明酸化物薄膜
を形成することができるように塗布法の改良がが切望さ
れている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、透明性および膜強度に優
れ、しかも表面抵抗が低く、その上これらの優れた特性
が経時的および熱的に変化することが少ない透明酸化物
薄膜被着ガラスを、大規模な装置を用いることなく容易
に製造するための方法の提供を目的としている。
発明の概要 本発明に係る透明酸化物薄膜被着ガラスの製造方法
は、加水分解可能なインジウム化合物、カルボン酸化合
物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機溶媒中
で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、β−ジ
ケトン化合物を添加することで加水分解反応を抑制して
得られた透明酸化物薄膜塗布液を、ガラス基板表面に塗
布し、次いで酸化性雰囲気にて450℃未満の温度で焼成
した後、不活性雰囲気にて350〜750℃の温度で焼成する
ことを特徴としている。
本発明に係る透明酸化物薄膜被着ガラスの製造方法
は、加水分解可能なインジウム化合物、カルボン酸化合
物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機溶媒中
で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、β−ジ
ケトン化合物を添加することで加水分解反応を抑制して
得られた透明酸化物薄膜用塗布液を、ガラス基板表面に
塗布し、次いで酸化性雰囲気にて450℃未満の温度で焼
成した後、該塗布層上に透明保護成分塗布液を塗布し、
次いで酸化性雰囲気にて450℃未満の温度で焼成した
後、不活性雰囲気にて350〜750℃の温度で焼成すること
を特徴としている。
さらに本発明に係る透明酸化物薄膜被着ガラスの製造
方法は、加水分解可能なインジウム化合物、カルボン酸
化合物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機溶媒
中で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、β−
ジケトン化合物を添加することで加水分解反応を抑制し
て得られた透明酸化物薄膜用塗布液を、ガラス基板表面
に塗布し、次いで酸化性雰囲気にて450℃未満の温度で
焼成した後、不活性雰囲気にて350〜750℃の温度で焼成
し、次いで、該塗布層上に透明保護性成分液を塗布し、
酸化性雰囲気にて450℃未満の温度で焼成した後、不活
性雰囲気にて350〜750℃の温度で焼成することを特徴と
している。
上記透明保護成分塗布液は、ケイ素原子を含む化合
物、ジルコニウム原子を含む化合物およびチタン原子を
含む化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化
合物を含有していることが好ましい。
発明の具体的説明 以下本発明に係る透明酸化物薄膜被着ガラスおよびそ
の製造方法について具体的に説明する。
本発明者らは、従来の塗布法によって得られる透明酸
化物薄膜の透明性、表面抵抗値ならびにこれらの特性の
経時安定性さらには熱安定性は、透明酸化物薄膜を形成
する過程、特に塗布液の特性および焼成工程に依存する
ことを見出した。
すなわち、塗布法により透明酸化物薄膜の成膜過程で
は、塗布液中に含まれる有機物が熱分解する過程が含ま
れている。従って、塗布法により形成された透明酸化物
薄膜中には、気相法により形成された薄膜と比較して、
相当多数のミクロボイド等が存在していると共に、薄膜
中の粒界数が多くなる。
このミクロボイドの存在により散乱が増加し透明性が
低下し、膜強度も弱くなる。また、粒界数が多くなるこ
とによって粒界に吸着される酸素量が気相法のものより
多くなり、表面抵抗値が高くなる。さらに、酸素の吸着
量は、外気の温度及び酸素濃度によって左右されるた
め、透明酸化物薄膜の表面抵抗値が、経時的に、あるい
は加熱により変動し易くなり、その安定性が低下するも
のと推察される。
そこで、本発明においては、ミクロボイド等の形成を
有効に防止し、かつ透明酸化物薄膜中における粒界数を
少なくするために、特定の透明酸化物薄膜用塗布液を用
い、さらにこの塗布液を塗布した後の焼成を2段階に分
けて特定の条件で行なう。
まず、本透明酸化物薄膜について説明する。
本透明酸化物薄膜用塗布液は、たとえば、加水分解可
能なインジウム化合物、カルボン酸化合物およびドープ
剤を、水分を含む有機溶媒中に溶解した有機溶媒液を調
製し、この有機溶媒溶液中に含まれるインジウム化合物
を含む透明酸化物薄膜形成成分を部分的に加水分解し、
その段階でβ−ジケトン化合物を添加して加水分解反応
の進行を抑制することにより製造することができる。
以下各成分について説明する。
本発明で用いることができる加水分解可能なインジウ
ム化合物としては、従来透明酸化物薄膜形成用として用
いられていた加水分解可能なインジウム化合物を用いる
ことができる。このような化合物の具体的な例として
は、硝酸インジウムおよび硫酸インジウム等の無機塩、
次式InR3(前記式において、Rはカルボキシル基、炭素
数1〜4のアルキル基およびアルコキシ基よりなる群か
ら選択される基であり、Rは同一であっても異なっても
よい)で表される有機インジウム化合物を挙げることが
できる。これらのインジウム化合物は単独で、あるいは
組み合わせて使用することができる。
また、本発明で用いることができるカルボン酸化合物
の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル
酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリル酸、パルミチン酸
およびステアリン酸等の脂肪族飽和カルボン酸;アクリ
ル酸、クロトン酸、オレイン酸およびリノール酸等の脂
肪族不飽和カルボン酸;安息香酸およびフェニル酢酸等
の芳香族カルボン酸ならびにシュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイ
ン酸、フマル酸およびフタル酸等の多価カルボン酸を挙
げることができる。これらのカルボン酸化合物は単独
で、あるいは組み合わせて使用することができる。これ
らのカルボン酸化合物のうちでも、2−エチルヘキサン
酸、マロン酸およびリノール酸が好ましく、さらにこの
中でも、2−エチルヘキサン酸、マロン酸が最も好まし
い。
有機溶媒溶液中におけるインジウム化合物とカルボン
酸化合物との配合割合は、加水分解反応条件などを考慮
して、適宜設定することができるが、インジウム化合物
とカルボン酸化合物との配合モル比(インジウム化合物
/カルボン酸化合物)を0.25〜1.0の範囲内にすること
が好ましい。カルボン酸化合物1モルに対するインジウ
ム化合物の配合割合が0.25モルに満たないと、ガラス基
板に対する透明酸化物薄膜用塗布液の濡れ性が低下し、
基板表面に塗布液を塗布した際にはじきが起こり、均一
な薄膜を形成し難くなると共に、得られた薄膜が白濁し
易くなるため好ましくない。また、1モルを超えると、
インジウムのカルボン酸錯体の形成が不充分になるため
インジウム化合物の有機溶媒に対する溶解性が低下し、
均一な有機溶媒溶液を調製し難くなるため好ましくな
い。
本発明で用いることができるドープ剤としては、透明
酸化物薄膜形成用の塗布液に通常使用されているものの
中から適宜選択して使用することができる。ドープ剤の
具体的な例としては、弗化スズ、塩化スズ、臭化スズ、
オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレートおよびジブ
チルスズジアセテート等のスズ化合物;燐酸を除くアル
コール可溶性燐化合物ならびに弗化アンモニウム等の弗
素化合物を挙げることができる。こらのドープ剤は単独
で、あるいは組み合わせて使用することができる。有機
溶媒溶液中におけるインジウム化合物とドープ剤との配
合割合(インジウム化合物/ドープ剤)は、重量比で4
〜99の範囲内にすることが好ましい。ただし、ここでド
ープ剤の配合割合は、ドープ剤としての有効成分重量比
であり、たとえば、スズ化合物を用いる場合には、SnO2
に換算した重量から求めた比率であり、可溶性燐化合物
を用いた場合には、P2O5に換算した重量から求めた比率
であり、また、弗素化合物を用いた場合にはFに換算し
た重量から求めた比率である。さらに、インジウム化合
物の配合割合は、In2O3に換算した重量から求めた比率
である。
ドープ剤の配合割合が上記範囲における下限を下回る
と、ドープ剤が酸化インジウムの結晶化を阻害するため
に、得られる薄膜の表面抵抗が高くなり過ぎることがあ
るため好ましくなく、また、上限を越えると薄膜が半導
体構造をとりにくくなるので導電性が発現しないことが
あるため好ましくない。
上記のインジウム化合物、カルボン酸化合物およびド
ープ剤を水分を含む有機溶媒中に溶解し、この有機溶媒
中でインジウム化合物を部分的に加水分解する。この
際、加水分解可能なドープ剤を用いた場合には、このド
ープ剤の加水分解も同時に進行している。
本発明で用いることができる有機溶剤としては、前記
各成分を溶解できるものであれば特に限定はなく、通常
のものを使用することができる。具体的な有機溶剤の例
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールおよびオクチルアルコールなどの一価アルコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコールおよ
びヘキシレングリコール等の多価アルコールならびにセ
ロソルブおよびカルビトール等の前記多価アルコールの
エーテル誘導体を挙げることができる。これらの溶媒
は、単独で、あるいは組み合わせて使用することができ
る。
本発明で用いる有機溶媒は水分を含んでいることが必
要であり、この水分は積極的に有機溶剤中に添加された
ものであってもよいし、あるいは有機溶媒中に含まれる
水およびインジウム化合物などの結晶水あるいは結合水
として透明酸化物薄膜用塗布液中に取りこまれた水分で
あってもよい。
ただし、透明酸化物薄膜用塗布液中における水分含有
率は、0.5〜2.0重量%の範囲内に調整されることが好ま
しい。水分含有率が0.5重量%に満たないと加水分解が
有効に進行しないことがあり、他方、2.0重量%を超え
ると塗布液が均一にならないことがあり、加水分解反応
を有効に抑制できないことがあり好ましくない。
有機溶媒中に配合するインジウム化合物およびドープ
剤の合計の含有率は、酸化物換算で20重量%以下にする
ことが好ましく、15重量%以下にすることが特に好まし
い。合計含有率が20重量%を超えると、加水分解の反応
速度が高くなり過ぎて、β−ジケトンで加水分解反応を
抑制しにくくなるため好ましくない。また、上記のイン
ジウム化合物およびドープ剤の合計の含有率が低く過ぎ
ると所望の膜厚を有する透明酸化物薄膜を得るために塗
布操作を繰り返すことが必要になり、実用性を考慮する
と、上記のインジウム化合物およびドープ剤の合計の含
有率を、0.1重量%以上にすることが好ましい。
このようにしてインジウム化合物とドープ剤とをカル
ボン酸化合物と共に有機溶媒に溶解して、インジウム化
合物とドープ剤とカルボン酸化合物とを含む有機溶媒溶
液を調製した後、この有機溶媒溶液を一定温度以上に維
持することにより加水分解反応を円滑に進行させること
ができる。この際、有機溶媒溶液の温度を80℃以下にす
ることが好ましく、特に25〜80℃の範囲内の温度にする
ことにより、加水分解反応が進行し、かつ反応の抑制も
容易になる。また、加水分解反応に要する時間は、反応
温度を考慮して適宜に設定することができるが、通常
は、1分間〜10分間の範囲内に設定される。
第1図に加水分解温度と、加水分解反応に要する時間
との関係を示す。第1図において、AおよびBで示した
領域が加水分解温度および時間の好ましい範囲であり、
斜線を付して示した領域Aが特に好ましい範囲である。
このようにして加水分解反応を行ない、インジウム化
合物を含む透明酸化物薄膜形成成分を部分的に加水分解
した後、β−ジケトン化合物を添加して加水分解反応の
進行を抑制する。
本発明で用いるβ−ジケトンとしては、具体的には、
アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、3
−フェニルアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベ
ンゾイルトリフルオルアセトン、ジベンゾイルメタンお
よびフロイルアセトンなどが用いられる。これらのβ−
ジケトン化合物は単独で、あるいは組み合わせて使用す
ることができる。特に本発明においては、アセチルアセ
トンまたはベンゾイルアセトンを用いることが好まし
い。
本発明におけるβ−ジケトン化合物の添加量は、有機
溶媒溶液中のインジウム化合物(In原子換算モル数)1
モルに対して0.1〜1モルの範囲内で使用することが好
ましい。β−ジケトン化合物の添加量が1モルより多い
と、インジウムのカルボン酸錯体がβ−ジケトン錯体に
変化して、得られる透明酸化物薄膜の表面抵抗が高なる
ことがあるため好ましくなく、0.1モルより少ないと加
水分解を有効に抑制できないことがあるため好ましくな
い。
上記の透明酸化物薄膜用塗布液をガラス基板上に塗布
する。
本発明において用いられるガラス基板としては、ケイ
酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(ア
ルカリ)ガラス、バリウムガラス、石英ガラスおよびホ
ウケイ酸ガラス等のガラスの板状体を挙げることができ
る。ガラス基板の厚さおよび大きさは、用途に併せて適
宜設定することができる。特に本発明においては、気相
法による被着が困難な大形のガラス基板をも用いること
ができる。
なお本発明では、その表面が粗面化された曇りガラス
をガラス基板として用いることもできる。すなわち曇り
ガラスの粗面化された表面に透明酸化物薄膜用塗布液を
塗布すると、粗面化された表面に該塗布液が侵入し、曇
りガラスは透明ガラス基板と同じになるため、曇りガラ
スをガラス基板として用いることもできる。なお曇りガ
ラスをガラス基板として用いる場合には、透明酸化物薄
膜と基板との密着性が向上するため好ましいことがあ
る。
上記のガラス基板上への透明酸化物薄膜用塗布液の塗
布方法については特に限定はなく、スピンナーを用いた
塗布法、スクリーン印刷技術を利用した塗布法、スプレ
ー法およびブレードコート法等の公知の方法を採用する
ことができる。
また、透明酸化物薄膜用塗布液の塗布厚さは、焼成後
の透明酸化物薄膜厚が、通常は、0.05〜0.5μmになる
ように、透明酸化物薄膜用塗布液の濃度および塗布回数
などを考慮して適宜設定することができる。
このようにしてガラス基板上に透明酸化物薄膜用塗布
液を塗布した後、ただちに焼成を行なうこともできる
が、透明酸化物薄膜用塗布液の塗布層中に含まれる有機
溶媒等の少なくとも一部を除去し、乾燥工程にかけるこ
ともできる。塗布層の乾燥は、塗布層を300℃未満(好
ましくは室温〜200℃)の温度に維持して行なうことが
できる ただし、本発明においては、上記の乾燥工程を行なう
ことなく、焼成の際の昇温過程で有機溶媒を除去するこ
ともできる。
上記のようにして塗布した透明酸化物薄膜用塗布液の
塗布層を、乾燥工程を行なった後、あるいは乾燥工程を
行なうことなく、酸化性雰囲気にて特定の温度で焼成す
る。
この酸化雰囲気における焼成によって、塗膜中の有機
物が熱分解される。
焼成温度は、450℃未満であることが必要である。焼
成温度が450℃以上であると透明酸化物薄膜中における
結晶成長を有効に制御することができず、表面抵抗値が
低く、かつ透明度および膜強度に優れた透明酸化物薄膜
被着ガラスを得ることができない。
さらに、本発明においては、上記の焼成温度を300〜4
20℃にすることが好ましく、350〜400℃にすることが特
に好ましい。焼成温度が300℃より低いと有機物の熱分
解が不充分になることがあり、420℃を越えると透明酸
化物薄膜の結晶成長が進行してミクロボイドが発生し易
くなり緻密な薄膜を得にくくなることがあり、好ましく
ない。
また、焼成時間は、焼成温度により異なるが、通常は
10〜60分間、好ましくは15〜30分間である。
上記のようにして酸化性雰囲気で焼成を行なった後、
不活性雰囲気にて350〜750℃の温度で焼成を行なう。こ
の焼成によって透明酸化物薄膜中の結晶をミクロボイド
等の発生を抑制しながら成長させることができるため
に、緻密な透明酸化物薄膜を形成することができる。特
に本発明においては、500〜750℃の温度で焼成すること
が好ましい。また、ガラス基板として、ソーダ石灰ガラ
スを用いる場合には、350〜550℃で焼成を行なうことが
好ましい。
この焼成は、不活性雰囲気中で行われ、通常、窒素気
流中あるいはアルゴン気流中等で行なわれる。ただし、
本発明においては、不活性雰囲気中に微量の酸素が含有
されていることが好ましく、具体的には、例えば窒素ガ
ス等の不活性ガス中に100ppm未満好ましくは10〜95ppm
程度の酸素を含有していると、得られる透明酸化物薄膜
の表面抵抗値が安定するため好ましい。なお、不活性雰
囲気中の酸素含有率が100ppmを超えると、条件によって
は透明性、表面抵抗値およびこれらの安定性が低下する
ことがある。
このような不活性雰囲気中での焼成時間は、通常は10
分〜2時間、好ましくは30分〜2時間である。
なお、上記のようにして焼成を行なった後、さらに透
明酸化物薄膜用塗布液を塗布し、焼成を繰り返すことも
できる。
このように焼成を行い製造された透明酸化物薄膜被着
ガラスは、表面抵抗が100Ω/□未満の透明酸化物薄膜
を有しかつ全光線透過率が90%以上である。さらに、こ
の透明酸化物薄膜被着ガラスは、透明酸化物薄膜の表面
に透明保護成分を有することにより、透明酸化物薄膜の
経時的安定性および熱安定性が一層向上する。
すなわち、上記のようにして製造した本発明に係る透
明酸化物薄膜被着ガラスの透明酸化物薄膜中には、僅か
ながらミクロボイドあるいはクラック等が存在している
場合がある。このようなミクロボイドおよびクラック等
に透明保護成分を充填すると、透明酸化物薄膜の経時的
安定性および熱安定性が非常に向上する。
本発明において、透明保護成分は、酸化ケイ素、酸化
ジルコニウムおよび酸化チタニウム等の酸化物であり、
これらを単独で含んでいてもよいし、複数含んでいても
よい。
このような透明保護成分を透明酸化物薄膜表面に形成
させる方法としては、例えば、アルキルシリケート等の
ケイ素原子を含む化合物、オキシ塩化ジルコニウム等の
ジルコニウム原子を含む化合物およびチタンアセチルア
セトン錯体等のチタン原子を含む化合物のうちの少なく
とも一種類の化合物を含む透明保護成分塗布液を透明酸
化物薄膜上に塗布し焼成する方法を挙げることができ
る。
透明保護成分塗布液としては、ケイ素、ジルコニウム
あるいはチタニウムのアルコキシドを酸によって加水分
解したもの、またはケイ素、ジルコニウムあるいはチタ
ニウムのキレート錯体を用いることができる。さらに、
本出願人の先願に係る特願昭61−187835号、同61−2767
58号、同61−288922号および同61−291935号等の各明細
書に記載された組成物も透明保護成分塗布液として使用
することができる。さらに特願昭62−211096号明細書に
記載された透明導電膜形成用塗布液から導電性酸化スズ
コロイド粒子を除いた組成からなる塗布液を透明保護成
分塗布液として用いることもできる。
透明保護成分塗布液は、基板上に透明酸化物薄膜用塗
布液を塗布し、次いで(a)酸化性雰囲気中450℃未満
の温度で焼成した後、あるいはさらに(b)不活性雰囲
気中で焼成を行なった後のいずれの時期であっても塗布
することができる。該塗布層上に透明保護勢分塗布液を
塗布した後は、酸化性雰囲気にて450℃未満(好ましく
は350〜400℃)の温度で焼成した後、不活性雰囲気にて
350〜750℃の温度で焼成することが好ましい。この際の
不活性雰囲気中の酸素濃度は100ppm未満であることが好
ましい。なお、透明保護成分塗布液の塗布を前記(b)
段階後にした場合には、不活性雰囲気中の酸素濃度が10
0ppm以上であるような条件下で焼成しても良い。
また、透明保護成分塗布液は、少なくとも透明酸化物
薄膜に存在することがあるミクロボイドおよびクラック
に透明保護成分が充填されるように塗布し、その塗布方
法は、上述の透明酸化物薄膜用塗布液の塗布の場合に採
用した方法および装置を利用することができる。
このようにして得られた透明酸化物薄膜は、ミクロボ
イドあるいはクラック等が透明保護成分によって埋めら
れているために非常に高い透明性かつ高い膜強度を有
し、さらに表面抵抗値が低くなり、しかもこれらの特性
が経時的あるいは熱的に変動することが少なくなる。
発明の効果 本発明で製造された透明酸化物薄膜被着ガラスは、透
明酸化物薄膜の表面抵抗値が100Ω/□未満であり、透
明酸化物薄膜被着ガラスの全光線透過率が90%以上であ
る。また該透明酸化物薄膜は、容易にはがれたり、けず
られたりすることがない。そして、透明酸化物薄膜の表
面抵抗値は長期間(例えば1ヶ月間)経過しても通常は
100Ω/□を超えることはない。さらに300℃あるいは50
0℃で使用しても表面抵抗値の熱的変動幅が従来の塗布
法により製造したのよりも著しく少なく、熱安定性が非
常に良好である。
このように本発明の製造方法を採用することにより、
従来の気相法では製造することができなかった大形の透
明酸化物薄膜被着ガラスを製造することができると共
に、製造に際し大掛りな装置等を必要としない。しか
も、本発明に係る透明酸化物薄膜被着ガラスの特性が、
従来の気相法により製造した透明酸化物薄膜被着ガラス
と同等もしくはこれ以上であり、透明酸化物薄膜被着ガ
ラスの用途を拡張することができる 本発明で製造された透明酸化物薄膜被着ガラスは、た
とえば、液晶ディスプレイ、プズマディスプレイおよび
蛍光表示管等の表示装置、タッチパネルおよび太陽電池
等の透明電極、航空機、自動車の窓および冷凍ショーケ
ース等の防曇、氷着防止用の透明発熱体ならびに自動車
および建築用窓の熱線反射膜等の用途、あるいは自動原
稿供給装置(ADF)付の複写機用天板硝子、クリーンル
ームの窓硝子、表示装置の表示硝子などの透明で帯電防
止を施されなければならない用途等に広く使用すること
ができる。
以下本発明を実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでな
い。
実施例1 715.0gのエタノールに、撹拌しながら、115.1gの硝酸
インジウム・3水塩、140.3gの2−エチルヘキサン酸及
び13.4gの2−エチルヘキサン酸スズを加えて完全に溶
解させた。なお、この溶液中には、硝酸インジウム・3
水塩およびエタノールなどの原料から水分が供給され、
この溶液は、溶液重量に対して実質的に1.6重量%の水
分を含んでいる。次いで、この溶液を50℃に加熱し、30
分間維持した。硝酸インジウム・3水塩および2−エチ
ルヘキサン酸スズの一部が加水分解した時点で16.2gの
アセチルアセトンを添加し、充分に撹拌して加水分解反
応の進行を実質的に停止させて透明酸化物薄膜用塗布液
を製造した。
この透明酸化物薄膜用塗布液をスピンナーを用いてソ
ーダ石灰ガラス上に1000rpmの回転速度で塗布した。
その後空気中350℃に加熱して30分間焼成し、さらに
窒素中(酸素濃度80ppm)550℃に加熱して1時間焼成し
て透明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
実施例2 実施例1で得られた透明酸化物薄膜用塗布液をスピン
ナーを用いてソーダ石灰ガラス上に1000rpmの回転速度
で塗布し、その後空気中350℃に加熱して30分間焼成し
た後、一旦ガラスを冷却し、次いで前記透明酸化物薄膜
用塗布液をもう一度スピンナーを用いて1000rpmの回転
速度で重ね塗りした。
その後空気中で350℃に加熱して30分間焼成した。さ
らに窒素中(酸素濃度80ppm)で550℃に加熱して1時間
焼成して透明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
実施例3 以下に記載する組成の成分を178.9gのヘキシレングリ
コールと11.0gの水との混合溶液に溶解し、この溶液を5
0℃の温度に20分間維持して加水分解反応を進行させ、
次いで48.7gのアセチルアセトンを加えて加水分解反応
の進行を実質的に停止させた以外は、実施例1と同様に
して透明酸化物薄膜用塗布液を製造した。
2−エチルエキサン酸インジウム …528.9g リノール酸 …162.7g ジブチルスズジラウレート …69.8g なお、実施例1と同様にして求めたこの溶液の水分
は、1.2重量%であった。
この透明酸化物薄膜用塗布液を400メッシュのスクリ
ーンを用いてソーダ石灰ガラス上にスクリーン印刷し
た。
その後空気中で400℃に加熱して15分間焼成し、さら
に窒素(酸素濃度50ppm)で500℃に加熱して1時間焼成
して透明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
実施例4 実施例3で用いた透明酸化物薄膜用塗布液を400メッ
シュのスクリーンでソーダ石灰ガラス上にスクリーン印
刷した。
その後空気中で400℃に加熱して15分間焼成した。ガ
ラスを冷却後、前記透明酸化物薄膜用塗布液をもう一度
スクリーン印刷し、その後空気中で400℃に加熱して15
分間焼成した。さらに窒素中(酸素濃度50ppm)で500℃
に加熱して1時間焼成して透明酸化物薄膜被着ガラを得
た。
実例例5 178.6gのエチルシリケート−28(多摩化学工業(株)
製)にエタノール700.6g、水120.0gおよび濃硝酸0.8gを
加えて透明保護成分塗布液を製造した。
この透明保護成分塗布液を実施例1で得られた透明酸
化物薄膜被着ガラス上にスピンナーを用い、2000rpmを
回転速度で塗布した。
その後空気中で350℃に加熱して15分間焼成し、さら
に窒素中(酸素濃度100ppm)で350℃に加熱して30分間
焼成して透明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
実施例6 100gのエチルシリケート−28(同上)と833gのエタノ
ールとを混合した後、濃度25重量%のオキシ塩化ジルコ
ニウム水溶液112g、エタノール696gおよび水126gからな
る溶液を加え、充分混合して透明保護成分塗布液を製造
した。
この透明保護塗布液を実施例2で得られた透明酸化物
薄膜被着ガラスの上にスピンナーで塗布した以外は、実
施例5と同様にして透明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
実施例7 実施例3で得られた透明酸化物薄膜被着ガラスの上
に、チタンアセチルアセトン錯体(オルガチックスTC10
0、松本交商(株)製)をスピンナーで塗布した以外
は、実施例5と同様にして透明酸化物薄膜被着ガラスを
得た。
比較例1 実施例1において、空気中における焼成温度を500℃
とし、この温度で1時間焼成を行なった後、窒素中(酸
素濃度50ppm)における焼成温度を500℃とし、この温度
で1時間焼成した以外は同様にして透明酸化物薄膜被着
ガラスを得た。
比較例2 実施例1において、空気中で焼成を行なうことなく、
窒素中(酸素濃度50ppm)で500℃の温度で1時間焼成を
行なった以外は同様にして透明酸化物薄膜被着ガラスを
得た。
比較例3 711.3gのアセト酢酸エチルに、撹拌しながら、267.8g
のトリス−アセチルアセトナトインジウムと20.9gのビ
ス−アセチルアセトナトスズクロライドとを加え、完全
に溶解させて透明酸化物薄膜用塗布液を調製した。
この塗布液を用いた以外は、実施例1と同様にして透
明酸化物薄膜被着ガラスを得た。
[透明酸化物薄膜被着ガラスの評価] 得られた透明酸化物薄膜被着ガラスの表面抵抗値、透
明性、経時安定性および熱安定性を以下のようにして測
定した。
表面抵抗値:電極セル(YHP(社)製)を用いて表面
抵抗値(Rs)を測定した。
透 明 性:全光線透過率(Tt)およびヘーズ(H)
をヘーズコンピューター(スガ試験機(株)性)を用い
て測定した。
経時安定性:室温にて1ヶ月間放置後の表面抵抗値を
測定した。
熱安定性:空気中で300℃で30分間あるいは500℃で30
分間放置後の表面抵抗値を測定した。
膜 強 度:消しゴム(ライオン(株)製、No50−5
0)を透明酸化物薄膜上に置き、2kgの荷重をかけて、50
往復後の膜の有無および表面抵抗を測定した。
結果を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、有機溶媒溶液の加水分解温度と加水分解反応
に要する時間との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−67048(JP,A) 特開 昭56−5356(JP,A) 特開 昭55−51737(JP,A) 特開 昭60−39710(JP,A) 特開 昭63−164117(JP,A) 特開 昭63−19713(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解可能なインジウム化合物、カルボ
    ン酸化合物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機
    溶媒中で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、
    β−ジケトン化合物を添加することでインジウム化合物
    の加水分解反応を抑制して、得られた透明酸化物薄膜用
    塗布液をガラス基板表面に塗布し、次いで酸化性雰囲気
    にて450℃未満の温度で焼成した後、不活性雰囲気にて3
    50〜750℃の温度で焼成することを特徴とする透明酸化
    物薄膜被着ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】加水分解可能なインジウム化合物、カルボ
    ン酸化合物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機
    溶媒中で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、
    β−ジケトン化合物を添加することでインジウム化合物
    の加水分解反応を抑制して、得られた透明酸化物薄膜用
    塗布液を、ガラス基板表面に塗布し、次いで酸化性雰囲
    気にて450℃未満の温度で焼成した後、該塗布層上に透
    明保護成分塗布液を塗布し、次いで酸化性雰囲気にて45
    0℃未満の温度で焼成した後、不活性雰囲気にて350〜75
    0℃の温度で焼成することを特徴とする透明酸化物薄膜
    被着ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】加水分解可能なインジウム化合物、カルボ
    ン酸化合物およびドープ剤が溶解された水分を含む有機
    溶媒中で、インジウム化合物を部分加水分解したのち、
    β−ジケトン化合物を添加することでインジウム化合物
    の加水分解反応を抑制して、得られた透明酸化物薄膜用
    塗布液を、ガラス基板表面に塗布し、次いで酸化性雰囲
    気にて450℃未満の温度で焼成した後、不活性雰囲気に
    て350〜750℃の温度で焼成し、次いで、該塗布層上に透
    明保護成分塗布液を塗布し、酸化性雰囲気にて450℃未
    満の温度で焼成した後、不活性雰囲気にて350〜750℃の
    温度で焼成することを特徴とする透明酸化物薄膜被着ガ
    ラスの製造方法。
  4. 【請求項4】透明保護成分塗布液が、ケイ素原子を含む
    化合物、ジルコニウム原子を含む化合物およびチタン原
    子を含む化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種
    の化合物を含有することを特徴とする特許請求の範囲第
    2項若しくは第3項に記載の透明酸化物薄膜被着ガラス
    の製造方法。
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