JPH07118013A - 亜酸化銅の製造方法 - Google Patents

亜酸化銅の製造方法

Info

Publication number
JPH07118013A
JPH07118013A JP28394393A JP28394393A JPH07118013A JP H07118013 A JPH07118013 A JP H07118013A JP 28394393 A JP28394393 A JP 28394393A JP 28394393 A JP28394393 A JP 28394393A JP H07118013 A JPH07118013 A JP H07118013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
salt
reaction
cuprous
cuprous oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28394393A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Fukazawa
純也 深沢
Takashi Shigehara
敬 重原
Mitsuharu Mori
充玄 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP28394393A priority Critical patent/JPH07118013A/ja
Publication of JPH07118013A publication Critical patent/JPH07118013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一で大粒子径を有する亜酸化銅の製造方法
を提供する。 【構成】 食塩含有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液
とを反応させて亜酸化銅を製造する方法において、食塩
含有塩化第一銅水溶液の添加速度が5.5g/min/
l (反応槽容積単位時間当りの銅換算の添加速度)以下
で、該食塩含有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液を反
応系のpHが9.0〜11.0の範囲で終始一定のpH
を保ちながら食塩含有水溶液に除々に同時添加して反応
させる亜酸化銅の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船底塗料などに有用な
均一で大粒子径を有する亜酸化銅の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、亜酸化銅は、船底塗料の原料、磁
器、ガラス等の着色剤、毒剤、触媒などとして有用な化
合物である。特に、船底塗料などに使用する場合には、
長期間使用できる溶解速度の遅い大粒子径が求められて
いる。
【0003】この亜酸化銅の製造方法としては種々の方
法が知られているが、このうち隔膜電解法が典型的な方
法である。その他、溶融銅に塩素ガスを反応させて塩化
第一銅とし食塩水に溶解するか、或は食塩水中で金属銅
に塩素ガスを反応させて塩化第一銅食塩水溶液としアル
カリで中和した後、加熱して製造する方法(チェコスロ
バキア特許第105,883号明細書、英国特許第65
0,938号明細書、英国特許第936,922号明細
書)、塩化第一銅水溶液に少量の酸を加え炭酸石灰又は
酢酸ソーダの如き弱塩基性物質を加えて製造する方法
(特許第98,909号明細書)等がある。
【0004】また、塩化第二銅水溶液を用いる銅板のエ
ッチング処理廃液を金属銅で還元して食塩含有塩化第一
銅水溶液となし、次いで反応系内のpHが8.5〜1
2.5の範囲で、該食塩含有塩化第一銅水溶液とアルカ
ル水溶液とを同時に供給しつつ混合反応させる方法(特
開昭56−155020号公報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、隔膜電
解法は多数の電解槽と原料銅極板とを使用するために極
板の鋳造、電解槽の操作に多くの工程を要し、しかも金
属銅や空気酸化による黒色銅の混入があり、高純度の製
品が得られない問題がある。また巨大な粒子が得られる
が、粒子が不均一であり、粒径制御が困難である。
【0006】さらに、溶融銅に塩素ガスを反応させる方
法は、装置、燃料、排ガス等に多くの問題があり、均一
な粒子の製品を得ることができない。また、塩化第一銅
水溶液に炭酸石灰又は酢酸ソーダの如き弱塩基性物質を
加えて製造する方法は、一定組成の母液が得られ難く、
製品が不均一でしかも経時安定性が良くない欠点があ
る。
【0007】塩化第二銅水溶液を用いる銅板のエッチン
グ処理廃液を用いる方法は、高品質な船底塗料などに用
いた場合顔料特性に優れた亜酸化銅が得られるが、上記
の方法では粒子径が大きいものが得られない。
【0008】本発明は、上記事実に鑑み鋭意検討を行っ
た結果達成されたものであり、船底塗料などに有用な均
一で大粒子径を有する亜酸化銅の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、食
塩含有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液とを反応させ
て亜酸化銅を製造する方法において、食塩含有塩化第一
銅水溶液の添加速度が5.5g/min/l (反応槽容
積単位時間当りの銅換算の添加速度)以下で、該食塩含
有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液を反応系のpHが
9.0〜11.0の範囲で終始一定のpHを保ちながら
食塩含有水溶液に除々に同時添加して反応させることを
特徴とする亜酸化銅の製造方法を提供するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
原料として使用する食塩含有塩化第一銅水溶液は、いか
なる方法で得られたものでも良いが、好ましくは塩化第
二銅水溶液を用いる銅板のエッチング処理廃液から得ら
れる食塩含有塩化第一銅水溶液が好ましい。これらの組
成は、主として塩化第一銅(CuCl)と食塩(NaC
l)よりなり、通常はNaCl/CuClのモル比で2
以上の複塩水溶液であって、銅10〜200g/l 、食
塩100〜280g/l 及び遊離塩酸0.01〜30g
/l の範囲である。
【0011】銅濃度は、工業的な範囲で設定され、例え
ば10g/l 未満では収量が少なくなり、200g/l
を越えると塩化第一銅の沈澱が生じるので好ましくな
い。食塩濃度は100g/l 未満では塩化第一銅の沈澱
が生じ、また280g/lを越えると食塩の沈澱が生じ
るので好ましくない。遊離塩酸濃度については0.01
g/l 以上であればオキシ塩化銅の生成を防止し塩化第
一銅水溶液の安定化に役立つので差し支えないが、極端
な高濃度は多量のアルカリを要し不経済である。
【0012】塩化第一銅水溶液として、塩化第二銅水溶
液を用いる銅板のエッチング処理廃液(以下、「エッチ
ッグ廃液」と記す)を使用した場合、通常次のものが含
まれている。
【0013】 Cu 0.1〜200g/l CuClとして 0.1〜 50g/l CuCl2 として 30〜 300g/l 遊離塩酸 3〜100g/l NaCl 0〜300g/l その他、若干の有機物、Ni,Zn,PO4 3- イオン等
が含まれる。
【0014】上記組成物を次の2つの方法
【0015】
【化1】 1)エッチング廃液+酸化 → CuCl2 (銅を全部
第二イオンにする)(CuCl+CuCl2 ) (HCl +O2) CuCl2 +Cu+NaCl → 食塩含有塩化第一銅
水溶液 2)エッチング廃液+Cu+NaCl → 食塩含有塩
化第一銅水溶液(CuCl+CuCl2 ) のうち何れかの方法で食塩含有塩化第一銅水溶液を得る
ことができるが、特に限定されるものではない。
【0016】また、塩酸はエンチング廃液中にCuがC
uCl2 になる量、例えばCuCl2 1モルに対しHC
lは通常0.2〜0.5モル過剰に添加されているが、
エッチング廃液を酸化及び還元する際は塩化銅化合物が
オキシ塩化物にならない様にする為なるべく事前に必要
量を添加しておくことが望ましい。
【0017】したがって、本発明の方法において、原料
の食塩含有塩化第一銅水溶液の組成は銅換算として10
〜200g/l 、食塩100〜280g/l 及び遊離塩
酸0.01〜30g/l に調整してエッチング調整液と
するものである。
【0018】一方、他の原料であるアルカリ水溶液とし
ては、水酸化アルカリ金属塩、水酸化アルカリ土類金属
塩、炭酸アルカリ金属塩の一種又は二種以上の水溶液を
挙げることができ、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液
である。また、その水溶液の濃度は特に限定されない。
【0019】本発明においては、上記の原料を用いて亜
酸化銅を製造するのであるが、本発明の特徴は、食塩含
有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液とを反応させるに
当り、食塩含有塩化第一銅水溶液の添加速度を5.5g
/min/l (反応槽容積単位時間当りの銅換算の添加
速度)以下の範囲とし、該塩化第一銅食塩水溶液とアル
カリ水溶液とを除々に同時添加し、反応系のpHが9.
0〜11.0、好ましくはpH9.5〜10.5の範囲
で終始一定のpHを保ちながら反応させることにある。
【0020】この反応系中の終始一定のpH制御と食塩
含有塩化第一銅水溶液の添加速度との関係は、生成する
亜酸化銅の粒子径とそのバラツキに影響を与える。終始
一定のpHを保ちながらとは、設定pHの±0.4以内
に保持することであり、例えば、pH10で反応させる
場合、pH10±0.4で厳密に制御する必要がある。
この範囲をこえた場合は、粒子径の大きさは目的の物が
得られるが、凝集体が多くなり、且つ粒径がブロードと
なり、製品として好ましいものが得られない。
【0021】また、食塩含有塩化第一銅水溶液の添加速
度は、反応槽容積単位時間当りの銅換算の添加速度を表
すものであるが、5.5g/min/l 以下、好ましく
は0.5〜4.9g/min/l の範囲で制御する必要
がある。しかしながら、0.5g/min/l 未満の場
合、均一な粒子が得られるが、得られる速度が遅くな
る。また、5.5g/min/l を越えると微細なもの
や凝集体が生成してしまい、目的とする物が得られな
い。その添加速度を一定に制御することは、均一な粒子
を得るために特に必要である。
【0022】本発明によって得られる亜酸化銅の粒子径
は、上記条件における食塩含有塩化第一銅水溶液とアル
カリ水溶液との反応によって生成する一次粒子に依存し
ており、平均粒子径で4μm以上で凝集体のない正八面
体を有している。
【0023】その反応方法は、予め反応槽内に250〜
350g/1の食塩含有水溶液を存在下させ、次いで食
塩含有塩化第一銅水溶液を5.5g/min/l 以下の
範囲で一定速度で滴下させ、アルカリ水溶液でpHを終
始一定に制御させながら同時に反応させるものであり、
その反応形式はパッチ式、連続式共に可能である。
【0024】本発明のもう一つの特徴は、食塩含有塩化
第一銅水溶液を添加するに際し、食塩含有塩化第一銅水
溶液と共に食塩含有水溶液の一部を反応系に同時に添加
する方法であり、例えば食塩含有塩化第一銅水溶液を食
塩含有水溶液で稀釈するように同一ノズルから供給する
ことであり、特に連続法において効果的である。稀釈す
る食塩含有水溶液は、連続的に反応させて生成した亜酸
化銅を分離した後の反応母液を用いて繰り返し使用する
ことができる。これにより、反応槽内で生成する亜酸化
銅の分散がよくなり、凝集体のない、正八面体の亜酸化
銅が得られる。
【0025】また、反応系内へ予め種として亜酸化銅を
存在させることも好ましい態様である。例えば、食塩含
有塩化第一銅水溶液に対して銅換算で0.1〜10重量
%の亜酸化銅を存在させることにより、凝集体とならな
い粒径の大きい均一な目的物が得られる。
【0026】また反応系内は、密閉容器内で行う場合は
別として、通常は食塩含有塩化第一銅水溶液の酸化を防
止する意味で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、常
圧で行うのが好ましい。反応の温度は、通常室温から1
00℃、好ましくは40〜80℃で行うのがよく、反応
時間は0.1〜20時間、好ましくは0.2〜5時間で
ある。
【0027】滴下終了後、必要に応じて熟成反応を行う
こともできる。熟成は、熟成温度室温から160℃、好
ましくは80℃〜140℃で行うのがよく、反応時間は
0.1〜20時間、好ましくは0.5〜5時間である。
反応終了後、沈澱部分を分離し洗浄工程へ移す。洗浄工
程では水洗した後、常法により、例えば糖類、多価アル
コール類、ゴム、ペプトン、カルボン酸類、フェノール
類、パラフィン等の有機質、シリカ等の無機質で酸化防
止処理を施し、次いで濾過、乾燥、粉砕等を行って製品
とする。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって更に詳しく説明する。
【0029】実施例1 塩化第二銅水溶液を利用したプリント基板のエッチング
工程からでるエッチング廃液として次の組成を有するも
のがある。 Cu 160g/l 但し、第一銅イオンは16g/l 、第二銅イオンは14
4g/l であり、更に遊離塩酸が入り、Clとして 1
90g/l である。この塩化銅水溶液を50℃に加温
し、空気を導入し、第一銅を酸化し、銅イオンをすべて
第二銅イオンとした。
【0030】次いで、NaClと35%塩酸と水を添加
して次の組成とした。 CuCl2 66.7g/l NaCl 270.6g/l 遊離塩酸 9.2g/l
【0031】次いで液を60℃に加温し、窒素気流中で
金属銅と接触せしめ溶液中の塩化第二銅を全て塩化第一
銅とした。得られた食塩含有塩化第一銅水溶液(エッチ
ング調整液)の組成は次の通りである。 Cuとして 63g/l NaCl 270g/l 遊離塩酸 9.2g/l 上記組成を有するエッチング調整液と30重量%の苛性
ソーダを下記食塩水溶液2リットル中に窒素雰囲気下で
pH=10.5±0.1に保ちながら、反応温度70
℃、反応時間60分で同時に滴下混合反応させた。反応
の条件は次の通りである。
【0032】エッチング調整液滴下速度 2.3g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0033】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅は美麗な赤紫色
で平均粒径は5.5μmであった。粒度分布から得られ
たロジンラムラ−のn値は3.1であった。平均粒径の
測定はコールターカウンター法で行った。その電子顕微
鏡写真(倍率2000倍)を図1に示す。
【0034】比例例1 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダを下記食塩水溶液2リットル中に窒素雰囲
気下でpH=8.5±0.1に保ちながら、反応温度7
0℃、反応時間60分で同時に滴下混合反応させた。反
応の条件は次の通りである。
【0035】エッチング調整液滴下速度 2.3g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0036】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅は平均粒径は
3.7μmで、粒度分布から得られたロジンラムラ−の
n値は1.7で粒度分布がややブロードになった。
【0037】比例例2 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダを下記食塩水溶液2リットル中に窒素雰囲
気下でpH=10.5±0.1に保ちながら、反応温度
70℃、反応時間60分で同時に滴下混合反応させた。
反応の条件は次の通りである。
【0038】エッチング調整液滴下速度 10.0g/
min/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0039】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅は黄色味を帯び
た一次粒子の微細なものとなった。その電子顕微鏡写真
(倍率2000倍)を図2に示す。
【0040】実施例2 実施例1の組成を有するエッチング調整液と稀釈用食塩
水溶液及び30重量%の苛性ソーダを食塩水溶液2リッ
トル中に窒素雰囲気下でpH=10.5±0.1に保ち
ながら、反応温度70℃、反応時間60分で同時に滴下
混合反応させた。ただし、エッチング調整液は下記食塩
水溶液で稀釈されるように同一ノズルから供給した。反
応を条件は次の通りである。
【0041】エッチング調整液滴下速度 2.3g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0042】反応終了後、濾過して生成した亜酸化銅の
沈澱を分離し、反応母液の食塩含有水溶液を稀釈用食塩
水溶液として繰り返し使用した。濾過して得られた沈澱
は常法により洗浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅
は美麗な赤紫色で一次粒子の大きなものとなり平均粒径
は6.4μmであった。ロジンラムラ−のn値は3.3
であった。
【0043】実施例3 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダを下記食塩水溶液1リットル中に窒素雰囲
気下でpH=10.0±0.1に保ちながら、反応温度
70℃、反応時間30分で同時に滴下混合反応させた。
反応を条件は次の通りである。
【0044】エッチング調整液滴下速度 1.1g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0045】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅はほぼ正八面体
からなり、平均粒径は11.7μmであった。ロジンラ
ムラ−のn値は5.9であった。その電子顕微鏡写真
(倍率2000倍)を図3に示す。
【0046】比例例3 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダを下記食塩水溶液1リットル中に窒素雰囲
気下でpH=11.5±0.1に保ちながら、反応温度
70℃、反応時間30分で同時に滴下混合反応させた。
反応の条件は次の通りである。
【0047】エッチング調整液滴下速度 2.3g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0048】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅は一次粒子の成
長が不十分で微細な粒子となり、平均粒径は2.4μm
であった。ロジンラムラ−のn値は1.6であった。そ
の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)を図4に示す。
【0049】比例例4 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダを下記食塩水溶液1リットル中に窒素雰囲
気下でpH=10.0±0.1に保ちながら、反応温度
70℃、反応時間30分で同時に滴下混合反応させた。
反応の条件は次の通りである。
【0050】エッチング調整液滴下速度 6.0g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0051】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅は成長が不十分
で、また凝集の多いものとなり、平均粒径は5.5μm
であった。ロジンラムラ−のn値は1.7であった。そ
の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)を図5に示す。
【0052】実施例4 実施例1の組成を有するエッチング調整液と30重量%
の苛性ソーダをあらかじめ平均粒径2.6μmの種晶を
分散させた下記食塩水溶液1リットル中に窒素雰囲気下
でpH=10.0±0.1に保ちながら、反応温度70
℃、反応時間30分で同時に滴下混合反応させた。反応
を条件は次の通りである。
【0053】エッチング調整液滴下速度 1.1g/m
in/l (反応槽容積あたりの銅換算の滴下速度) 種晶添加量 0.7g/l 食塩水溶液濃度 NaCl 300g/l 攪拌速度 1200rpm
【0054】反応により得られた沈澱を常法により洗
浄、乾燥、粉砕した。得られた亜酸化銅はほぼ正八面体
をした粒子で凝集体の非常に少ないものとなり、平均粒
径は11.1μmであった。ロジンラムラ−のn値は
6.5であった。
【0055】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の亜酸化銅の
製造方法によれば、均一で大粒子径を有し、凝集体の少
ない亜酸化銅を得ることができる。得られた亜酸化銅は
船底塗料などに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた亜酸化銅の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【図2】比較例2で得られた亜酸化銅の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【図3】実施例3で得られた亜酸化銅の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【図4】比較例3で得られた亜酸化銅の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【図5】比較例4で得られた亜酸化銅の粒子構造を示す
電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩含有塩化第一銅水溶液とアルカリ水
    溶液とを反応させて亜酸化銅を製造する方法において、
    食塩含有塩化第一銅水溶液の添加速度が5.5g/mi
    n/l (反応槽容積単位時間当りの銅換算の添加速度)
    以下で、該食塩含有塩化第一銅水溶液とアルカリ水溶液
    を反応系のpHが9.0〜11.0の範囲で終始一定の
    pHを保ちながら食塩含有水溶液に除々に同時添加して
    反応させることを特徴とする亜酸化銅の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応系内に予め種として亜酸化銅を存在
    させる請求項1記載の亜酸化銅の製造方法。
  3. 【請求項3】 食塩含有塩化第一銅水溶液と共に食塩含
    有水溶液の一部を反応系に同時に添加する請求項1また
    は2記載の亜酸化銅の製造方法。
JP28394393A 1993-10-19 1993-10-19 亜酸化銅の製造方法 Pending JPH07118013A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28394393A JPH07118013A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 亜酸化銅の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28394393A JPH07118013A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 亜酸化銅の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07118013A true JPH07118013A (ja) 1995-05-09

Family

ID=17672235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28394393A Pending JPH07118013A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 亜酸化銅の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07118013A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234072A (ja) * 1998-12-17 2000-08-29 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
KR20020011231A (ko) * 2000-08-01 2002-02-08 황의영 Pcb 산업에서 배출되는 산성 염화동 폐액으로부터산화동의 제조방법
KR100379903B1 (ko) * 2000-05-30 2003-04-14 주식회사 명진화학 산성 염화동 폐액으로부터 산화동의 제조방법
KR100390588B1 (ko) * 2000-08-01 2003-07-07 서안켐텍 주식회사 산화제1동의 제조방법
KR100415645B1 (ko) * 1998-12-21 2004-03-19 주식회사 포스코 고순도 산화구리 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234072A (ja) * 1998-12-17 2000-08-29 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
KR100415645B1 (ko) * 1998-12-21 2004-03-19 주식회사 포스코 고순도 산화구리 제조방법
KR100379903B1 (ko) * 2000-05-30 2003-04-14 주식회사 명진화학 산성 염화동 폐액으로부터 산화동의 제조방법
KR20020011231A (ko) * 2000-08-01 2002-02-08 황의영 Pcb 산업에서 배출되는 산성 염화동 폐액으로부터산화동의 제조방법
KR100390588B1 (ko) * 2000-08-01 2003-07-07 서안켐텍 주식회사 산화제1동의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4018138B2 (ja) 長球的に集塊した塩基性炭酸コバルト(ii)及び長球的に集塊した水酸化コバルト(ii)、それらの製法及び使用法
CN100494077C (zh) 增压并流沉淀制备超细氧化钴粉末的方法
JPH11310415A (ja) 高純度酸化錫とその製造方法
HU188227B (en) Process for the production of cupric /ii/-hydroxide
US5312614A (en) Method for producing white electrically conductive zinc oxide
JPH07118013A (ja) 亜酸化銅の製造方法
US3974267A (en) Manufacture of iron oxides
US4490337A (en) Preparation of cupric hydroxide
JPH05319825A (ja) 酸化第二銅の製造方法
US8512673B2 (en) Magnesium oxide powder of high purity
US3856507A (en) Recovery of gold from solution in aqua regia
JPS6299406A (ja) 銅粉末の製造法
JPS5950603B2 (ja) 亜酸化銅の製造方法
US2924505A (en) Copper hydrate-phosphorus complex and process for making same
JPH09221322A (ja) 酸化インジウム−酸化錫粉末及びその製造方法
JPH02102124A (ja) 黄色酸化第一銅の製造方法および使用方法
CN111233036B (zh) 一种由Sb2O3和盐酸水溶液直接制备Sb4O5Cl2的方法
JP4182669B2 (ja) 粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法
US4629513A (en) Preparation of transparent golden yellow, thermally stable two-phase pigments of the general formula xZnO.ZnFe2 O4
JP2008137845A (ja) 酸化マグネシウムの製造方法
JPH06191846A (ja) 酸化インジウム粉末及びその製造方法並びにito焼結体の製造方法
JP2003119023A (ja) Ito粉末の製造方法及びito粉末
JP2001048884A (ja) 高純度銅ピリチオンおよびその製造方法
JPS6047206B2 (ja) 亜酸化銅の製造方法
JPH0446019A (ja) 黄色含水酸化鉄顔料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040519

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02