JPH0711739Y2 - ミシンのラベル供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ブランド、品質、洗濯、アイロン掛け上の注
意等を表示したラベルを二つ折りにして被縫製物に自動
的に縫付ける際に使用されるラベル供給装置に関する。

従来技術 第３図は、この種ラベル供給装置の一例を示すもので、
ミシン１の背後に立設される支柱２に装着され、図示し
ないリールよりテープ状のラベル３を繰出すラベル供給
ローラと、ラベルの切断マークを検出し、それにより供
給ローラの駆動を停止する検知機構と、供給ローラより
送り出されたラベル３を折返して二つ折りにする折返し
機構と、ラベルを切断マーク位置で切断するメス機構
と、二つ折りにして切断されたラベルをクランプし、ミ
シン１の縫合部に供給するラベル挿入機構とからなって
おり、これらについて以下順に詳述する。

ラベル供給ローラは、パルスモータ５によって駆動され
る図示しない下側の駆動ローラと、上側の押えローラ６
の上下一組のローラからなっており、駆動ローラは検知
機構が切断マークを検出する際発する出力信号に基づい
てラベルを一定量送出すごとに一定時間停止するように
なっている。

検知機構は、検知台７に内蔵され、検知台上を通過する
ラベル３の切断マークを検出するセンサーからなり、ラ
ベルごとの切断マークの位置の相違に対応して巾方向に
位置調整することができ、かつメス機構による切断が切
断マーク位置で確実に行われるように送り方向にも位置
調整できるようにしてある。そして切断マーク間の絵、
文字、数字等を検出しないように不感帯を設けている。
図中８はラベルを押える押え板、９はラベルを案内する
ガイドで、検知台上と供給ローラの手前側とに設けら
れ、それぞれラベルの巾に応じて取付位置が調整できる
ようにしてある。10は案内板、11は案内板上方に添設さ
れる安定ノズルで、図示していないが、下側にはラベル
の送り方向に向って斜め下方にエアーを吹出すスリット
を設け、これにより吹出すエアーによりテープ状のラベ
ルを後述のラベルガイドに沿って真直ぐに進ませるよう
にしている。

折返し機構は、支持台12に形成される上下一対の各横孔
13を通して止着される止ネジ14により送り方向に位置調
整可能に支持されるブラケット15と、該ブラケットに回
転可能に軸支されるラベル折返し棒16と、該棒一側のセ
グメント状に切除された平坦面に適度な隙間を存して並
設されるラベルガイド17と、支持板12に縦向きに取付け
られるラベル折返し用のエアーシリンダー18と、ブラケ
ット15の軸承部15′より突出する折返し棒16の軸端に固
着されるギア19に噛合して掛渡され、一端がエアーシリ
ンダー18のピストンロッド21に、他端が引張りバネ（図
示しない）にそれぞれ連結されるギアベルト22とからな
っており、ピストンロッド21は常に突き出た状態にあっ
てラベルガイド17を上側に向け、ラベルが供給ローラよ
り送出されるときに引込んで折返し棒16及びラベルガイ
ド17を半回転させ、その上下を逆にする（第2A図参
照）。この状態においてラベルがラベルガイド上を進
み、折返し棒との間の隙間を通るようになっている。ラ
ベルが折返し棒とラベルガイド17との間の隙間を通って
進み、センサーが切断マークを検出したとき、検知機構
からの出力信号に基づいてエアシリンダー18が作動し、
ピストンロッド21を突出させて折返し棒を時計方向に回
動させる（第2C図参照）。これによりラベル３が二つに
折り曲げられるが、ピストンロッド21のストロークは折
返し棒16が半回転する量に設定してあり、折返し棒16が
半回転したときラベルは二つに折返され、ラベル先端が
後述のメス機構による切断装置と一致するようにされ
る。

メス機構は、ラベルの送り方向と直交する向きに配置さ
れる固定の下メス23と、ソレノイド24によって駆動さ
れ、上下動して下メス23と協働してラベル３を切断する
上メス25とからなっており、上メスはセンサーからの出
力信号に基づくラベル供給ローラの駆動停止、ラベル折
返し棒16の半回転によるラベルの折返し、折返されたラ
ベルのクランプ（後述する）につゞいて作動するように
シーケンス制御されている。

ラベル挿入機構は、支持台27に上下方向に回動可能に軸
支されるラベル挿入腕28と、該腕回動用のエアーシリン
ダー29と、ラベル挿入腕28の自由端に取着されるクラン
プ下降用のエアーシリンダー31と、該シリンダー31のピ
ストンロッド32に取着される開閉可能なクランプ33と、
常には閉じるクランプ33を開放するためのクランプ開放
用エアーシリンダー34とよりなり、クランプ33はピスト
ンロッド32端に取着される主クランプ片35と、中間部よ
り直角に折曲げられ、折曲部において主クランプ片に回
動可能に軸支されるクランプ片36と、一端が主クランプ
片35に取着されるとともにピストンロッド32に平行して
エアーシリンダー31にスライド可能に支持され、クラン
プ33の回転止めを行うガイドバー37と、主クランプ片35
とクランプ片36との間に介在し、一端がクランプ片36
に、他端が上記ガイドバー37にそれぞれ連結され、クラ
ンプ片36を常には主クランプ片35に引付けて閉じるよう
に作用し、二つ折りにして切断されたラベル３をクラン
プする引張りバネ38とからなっている。そしてクランプ
33は常にはメス23、25と折返し棒16との間に介在し、ク
ランプ開放用エアーシリンダー34の開放棒39がクランプ
片36の一側をバネ38の作用に抗して突上げ、クランプ片
36を主クランプ片35上に持上げることにより開口させて
いる。

図中、41は押え金、42は押え金の先端に取着され、ラベ
ルが押え金下に円滑に導かれるようにするラベル案内、
43は針板である。

二つ折にしたラベルのミシンへの供給は次のようにして
行われる。

パルスモータ５で駆動されるラベル供給ローラによって
図示しないリールよりテープ状のラベル３が繰出される
と同時にエアーシリンダー18が作動してピストンロッド
21を引込め、折返し棒16及びラベルガイド17を回動させ
て折返し棒16を上、ラベルガイド17を下向きにする（第
2A図参照）。ラベル供給ローラより繰出されるラベルは
安定ノズル11から吹出すエアーで斜め下方に吹付けられ
ながら、その先端が開口する上メス25と下メス23の間及
びクランプ33を通ってラベルガイド17に達し、つゞいて
ラベルガイド17を折返し棒16の間のスリットを通って進
行する。ラベル３が適当量送られ、センサーがその上を
通過するラベルの切断マークを検出したとき（このとき
これに先行する切断マークが切断位置に達している）、
その出力信号に基づいてローラが停止し、ラベルの供給
を停止する。同時にラベル折返し用エアーシリンダー18
の作動によりピストンロッド21が突出し、折返し棒16が
半回転して上側に向けられる（第2C図参照）。これに伴
いスリットより突き出るラベルが折返され、二つ折りに
される。そしてその先端が切断位置に位置する。次にク
ランプ開放用エアーシリンダー34の開放棒39を引込め、
クランプ片36をバネ38の作用により主クランプ片35に圧
着させ、その間に挟まるラベルをクランプする（第2D図
参照）。ついでソレノイド24によって上メス25が下向き
に回動し、下メス23と協働してラベルを切断マーク位置
で切断する（第2E図参照）。その後押え金41の下に身生
地を挿入して押え金を下ろし、ミシンを始動させる。こ
れとともに先ずラベル挿入腕回動用エアーシリンダー29
のピストンロッド30が突出し、これによりラベル挿入腕
28が下向きに回動し、二つ折りにしたラベルをクランプ
した状態でラベルガイド17と折返し棒16の間のスリット
より外し、手前側に向って旋回させる。そして縫合部の
斜め上方位置にそのまゝ一旦停止させる（第３図参
照）。縫合を開始し、所定の針数だけ身生地を縫い進ん
だのちクランプ下降用エアーシリンダー31を作動させて
クランプ33を降下させ（第４図）、二つ折りにしたラベ
ルを上向きに反る押え金先端と身生地との間に挿入す
る。そして身生地が縫い進まれるのに伴い押え金下に進
み縫付けられる。

ラベルの折返しは上述するように、ラベル折返し棒が半
回転することによって行われるが、ラベルには厚さ、
巾、柔軟性、腰の強さ、表面の滑り易さなど素材や性状
の異なる種々のものがあり、表面の滑り易いものはこと
に、折返す際にラベルの端部が第６図に示すようにずれ
易く、ずれた状態のまゝ身生地に縫い込まれることがあ
る。第６図に示すようなラベルのずれはラベル折返し棒
の向きを左右に調整することによってある程度矯正する
ことができるが、ラベルのずれはラベルの種類や性状に
よって微妙に変化し、ずれの調整を折返し棒の向きを変
えることによって行うのは容易でない。

上記の問題を解消し、ラベルが第６図に示されるように
ずれることなくきちんと折り重ねられ、身生地に縫付け
られるようにするためエアーによる吸着手段を設け、折
返し時にラベルの折曲部を保持してラベルが滑らないよ
うにしたものもある。実開昭64-14367号に示されるもの
がそれで、上記折返し棒にエアーを吸込む吸着管を設添
し、折返し時にラベルの折曲部を吸着保持するようにし
ている。

考案が解決しようとする課題 折返し棒にエアーによる吸着手段を添設したものの場
合、ラベルによっては吸着力が不十分となり、ずれるお
それがある。そのためラベルの厚みや種類に応じて吸込
み量を変え、吸着力を調節する必要があるが、それには
吸込量を調節する手段を設けねばならず、構造が複雑な
ものとなる。

本考案は、上記の問題を解消することを目的としてなさ
れたものである。

課題の解決手段 本考案はそのためクランプ手段を設けてラベルを保持
し、ラベルの厚み、性状、種類等の如何にかゝわらず、
ラベルを確実に保持できるようにしたものである。

すなわち本考案は、リールよりテープ状のラベルを繰出
すラベル供給ローラと、ラベルの切断マークを検出し、
それにより供給ローラを駆動を停止する検知機構と、エ
アシリンダーの作動により開閉可能で、常には開いて、
供給ローラより送出されるラベルを通し、検知機構が切
断マークを検出して供給ローラの駆動を停止したときエ
アシリンダーの作動により閉じてラベルをクランプする
クランプ手段を備え、クランプ手段がラベルをクランプ
後、半回転することによりラベルを折返す折返し機構
と、ラベルを切断マーク位置で切断するメス機構と、二
つ折りにして切断されたラベルをクランプし、ミシンの
縫合部に供給するラベル挿入機構とからなり、ラベルを
二つに折り重ねてその開放端を被縫製物に縫付けるのに
使用されるものである。

ここでクランプ手段としては、軸状の折返し棒とラベル
ガイド等よりなるものを例示することができ、これらの
クランプ手段を構成する部分はラベルと直接接触するよ
うにしてもよいが、樹脂、ゴム、フェルトその他弾性部
材を設けるのが望ましい。これによりラベルをより確実
に保持できるようになる。

作 用 供給ローラが駆動されると、これによりラベルが送出さ
れ、開いたラベルガイドと押え部材との間を通って進
む。検知機構が切断マークを検出すると、供給ローラが
駆動を停止し、ラベルの送出しを停止する。ついで又は
停止と同時にエアシリンダーの作用によりクランプ手段
が閉じる方向に回動してラベルをクランプする。この状
態で折返し機構が半回転すると、ラベルが反転して折返
され、ついでラベル挿入機構に受け渡したのち、メス機
構により切断マーク位置で切断され、ラベル挿入機構が
回動してミシンに供給される。

実施例 第１図は、第３図のラベル供給装置における折返し機構
に本考案を実施した例について示すもので、ブラケット
15の軸承部15′に軸支される折返し棒16には、該棒16と
対向する部分に弾力性のあるゴム51をガイド面と面一を
なすようにして取付けたラベルガイド52が折返し棒16に
取着のピン55によって開閉可能に軸支されるとともにＬ
形金具53によりエアシリンダー54が取着され、エアシリ
ンダー54の作動により出入りするピストンロッドがラベ
ルガイド52に一体形成される突片52′に係合し、ラベル
ガイド52を開閉させるようになっている。

本装置のラベル折返し機構は以上のように構成され、パ
ルスモータ５により押えローラ６が駆動されると、図示
しないリールよりテープ状ラベル３が繰出され、折返し
棒16と開いたラベルガイド52との間を通って第2A図の矢
印方向に進む。ラベル３の繰出しはセンサーがその上を
通過するテープ状ラベル３の切断マークを検出するまで
行われ、切断マークを検出すると、その出力信号により
パルスモータ５が停止し、かつ切換弁の切換えが行われ
て安全ノズル11からのエアーの吹出しが停止する。同時
にエアシリンダー54の作動によりラベルガイド52が閉
じ、折返し棒16との間を通るラベル３をゴム板51と折返
し棒16とで挟持する（第2B図）。クランプ後折返し棒16
及びラベルガイド52が一体となって半回転し、ラベルを
二つに折曲げる（第2C図）。次にラベル装入機構のクラ
ンプ片36が下がってラベルの開口部付近をクランプした
のち（第2D図）メス機構により切断マーク位置で切断さ
れる（第2E図）。切断後折返し機構のクランプ手段とし
てのラベルガイド52が開く（第2F図）。

考案の効果 本考案のラベル供給装置は以上のように、ラベルの折曲
部が折返し機構によって保持されるが、その保持は、エ
アシリンダーによってクランプ手段を閉じることによ
り、ラベルを挟み付けて行われるためラベルの厚みや性
状、種類に応じて押え圧を変えなくてもしっかりと確実
に保持することができ、第５図に示すようにきちんと二
つ折りにされたラベルを身生地に縫付けることができ
る。

ラベルガイドのラベル保持部に弾性材を設けた場合、ラ
ベルをより確実に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるラベル供給装置の要部
斜視図、第2A〜2F図は折返し機構の動作順を示す図で、
第2A図はテープ状ラベルが送出されたとき、第2B図はラ
ベルガイドを閉じて保持したとき、第2C図はラベルを保
持して半回転したとき、第2D図はクランプ片でクランプ
したとき、第2E図はメス機構によって切断したとき、第
2F図はラベルガイドを開いたときをそれぞれ示す。第３
図はミシンに設けたラベル供給装置全体の斜視図、第４
図はラベル挿入機構の要部斜視図、第５図は二つ折りに
されたラベルが揃っている場合、第６図はずれている場
合の斜視図である。 ３……ラベル、16……折返し棒 18……ラベル折返し用エアシリンダー 33……クランプ 34……クランプ解放用エアシリンダー 51……ゴム、52……ラベルガイド 54……エアシリンダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リールよりテープ状のラベルを繰出すラベ
   ル供給ローラと、ラベルの切断マークを検出し、それに
   より供給ローラの駆動を停止する検知機構と、エアシリ
   ンダーの作動により開閉可能で、常には開いて、供給ロ
   ーラより送出されるラベルを通し、検知機構が切断マー
   クを検出して供給ローラの駆動を停止したときエアシリ
   ンダーの作動により閉じてラベルをクランプするクラン
   プ手段を備え、クランプ手段がラベルをクランプ後、半
   回転することによりラベルを折返す折返し機構と、ラベ
   ルを切断マーク位置で切断するメス機構と、二つ折りに
   して切断されたラベルをクランプし、ミシンの縫合部に
   供給するラベル挿入機構とからなり、ラベルを二つに折
   り重ねてその開放端を被縫製物に縫付けるのに使用され
   るミシンのラベル供給装置。