JPH07116674B2 - 消臭性繊維 - Google Patents
消臭性繊維Info
- Publication number
- JPH07116674B2 JPH07116674B2 JP62110840A JP11084087A JPH07116674B2 JP H07116674 B2 JPH07116674 B2 JP H07116674B2 JP 62110840 A JP62110840 A JP 62110840A JP 11084087 A JP11084087 A JP 11084087A JP H07116674 B2 JPH07116674 B2 JP H07116674B2
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- Japan
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- fiber
- deodorant
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- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、持続性に優れた消臭性繊維に関し、更に詳し
くは、分子中に−NHCO−結合を有するポリアミド系繊
維、ポリウレタン系繊維及びポリ尿素系繊維よりなる群
から選ばれた合成樹脂の表面を強塩基で処理した後、2
価金属塩もしくは3価金属塩と反応せしめて、該繊維表
面の少なくとも一部に2価金属乃至3価金属錯体を形成
せしめるか、該金属錯体を更に還元剤で処理して成り、
例えばアンモニア臭、メルカプタン臭等の悪臭除去に卓
抜した消臭効果及び消臭効果持続性を示す消臭性繊維に
関する。
くは、分子中に−NHCO−結合を有するポリアミド系繊
維、ポリウレタン系繊維及びポリ尿素系繊維よりなる群
から選ばれた合成樹脂の表面を強塩基で処理した後、2
価金属塩もしくは3価金属塩と反応せしめて、該繊維表
面の少なくとも一部に2価金属乃至3価金属錯体を形成
せしめるか、該金属錯体を更に還元剤で処理して成り、
例えばアンモニア臭、メルカプタン臭等の悪臭除去に卓
抜した消臭効果及び消臭効果持続性を示す消臭性繊維に
関する。
(ロ)従来の技術 生活環境における悪臭物質、例えばアンモニア、アミン
類、硫化水素、メルカプタン類、インドール及びカルボ
ニル化合物等に対して2価鉄イオンが消臭作用を有する
ことは公知である。又、2価鉄化合物に少量の、L−ア
スコルビン酸等の還元性物質、ミョウバン、リン酸、有
機酸及びエチレンジアミン四酢酸等を組み合わせて添加
すると、その酸化が抑制されると共に活性が高まり消臭
作用が長期にわたって維持されるという提案がある(特
開昭59−132937号、特開昭59−197043号、特開昭60−66
753号、特開昭60−145143号、特開昭61−106161号、特
開昭61−106162号、特開昭61−181467号など)。
類、硫化水素、メルカプタン類、インドール及びカルボ
ニル化合物等に対して2価鉄イオンが消臭作用を有する
ことは公知である。又、2価鉄化合物に少量の、L−ア
スコルビン酸等の還元性物質、ミョウバン、リン酸、有
機酸及びエチレンジアミン四酢酸等を組み合わせて添加
すると、その酸化が抑制されると共に活性が高まり消臭
作用が長期にわたって維持されるという提案がある(特
開昭59−132937号、特開昭59−197043号、特開昭60−66
753号、特開昭60−145143号、特開昭61−106161号、特
開昭61−106162号、特開昭61−181467号など)。
又、上記の如きアスコルビン酸及び/又は有機酸その他
で活性化、且つ、安定化させた2価鉄化合物を利用して
各種の機能性素材を提供しようとする提案もある。例え
ば、防水、防臭シート材(特開昭61−28422号)、粉体
組成物(特開昭60−142856号)、及び酢酸セルロースの
多孔質粒子に鉄(II)化合物を主成分とする組成物を担
持させた固形脱臭材(特開昭61−265145号)等が開示さ
れている。
で活性化、且つ、安定化させた2価鉄化合物を利用して
各種の機能性素材を提供しようとする提案もある。例え
ば、防水、防臭シート材(特開昭61−28422号)、粉体
組成物(特開昭60−142856号)、及び酢酸セルロースの
多孔質粒子に鉄(II)化合物を主成分とする組成物を担
持させた固形脱臭材(特開昭61−265145号)等が開示さ
れている。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 上記した如き従来提案による脱臭・消臭剤は、活性化さ
れた水溶性の2価鉄化合物をそのまま、或は目的に応じ
た適宜の担体に吸着、含浸、混合もしくは塗布する等の
方法により利用していた。従って消臭能力の持続性が少
なかったり、消臭効率が低かったり、更には洗濯をして
繰り返し利用する繊維製品などへの応用には実用上問題
があった。
れた水溶性の2価鉄化合物をそのまま、或は目的に応じ
た適宜の担体に吸着、含浸、混合もしくは塗布する等の
方法により利用していた。従って消臭能力の持続性が少
なかったり、消臭効率が低かったり、更には洗濯をして
繰り返し利用する繊維製品などへの応用には実用上問題
があった。
かかる欠点を改善する方法として、例えば、再生セルロ
ースの如き繊維形成性物質の溶媒溶液に、上記活性化し
た2価鉄化合物を混合したものを紡糸原液とし、該紡糸
原液を紡糸して得られる脱臭性繊維が提案されている
(特開昭61−296111号)。
ースの如き繊維形成性物質の溶媒溶液に、上記活性化し
た2価鉄化合物を混合したものを紡糸原液とし、該紡糸
原液を紡糸して得られる脱臭性繊維が提案されている
(特開昭61−296111号)。
しかしながらこの提案によっても、該繊維の表面に露出
した消臭剤は溶離しやすく、また繊維の内部に包含され
たものは事実上脱臭効果を発揮できないと言う欠点があ
った。
した消臭剤は溶離しやすく、また繊維の内部に包含され
たものは事実上脱臭効果を発揮できないと言う欠点があ
った。
これに対し、脱臭剤を高分子化合物に結合させて安定化
する提案がある。例えば、金属フタロシアニンと高分子
化合物を水素結合によって結合した消臭性機能を持った
高分子物質が開示されている(特開昭61−258805号、同
258806号、同258815号)。この提案による金属フタロシ
アニンは、調製が困難で且高価であるという難点があ
る。
する提案がある。例えば、金属フタロシアニンと高分子
化合物を水素結合によって結合した消臭性機能を持った
高分子物質が開示されている(特開昭61−258805号、同
258806号、同258815号)。この提案による金属フタロシ
アニンは、調製が困難で且高価であるという難点があ
る。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明者は、高価な金属フタロシアニン等を使用するこ
となく、安定で且持続性に優れた消臭性機能を有する素
材を開発すべき研究を行ってきた。
となく、安定で且持続性に優れた消臭性機能を有する素
材を開発すべき研究を行ってきた。
その結果、分子中に−NHCO−結合を有するポリアミド系
繊維、ポリウレタン系繊維及びポリ尿素系繊維よりなる
群から選ばれた合成繊維の表面を強塩基で処理した後、
2価金属塩もしくは3価金属塩と反応せしめて、該繊維
表面の少なくとも一部に2価金属乃至3価金属錯体を形
成せしめるか、該金属錯体を更に還元剤で処理すること
によって得られる繊維加工品が、持続性及び安定性に優
れた消臭・脱臭能を有し、且つその金属錯体が、上記合
成繊維上で容易にまた工業的に有利に形成出来るという
知見を得、本発明に至った。
繊維、ポリウレタン系繊維及びポリ尿素系繊維よりなる
群から選ばれた合成繊維の表面を強塩基で処理した後、
2価金属塩もしくは3価金属塩と反応せしめて、該繊維
表面の少なくとも一部に2価金属乃至3価金属錯体を形
成せしめるか、該金属錯体を更に還元剤で処理すること
によって得られる繊維加工品が、持続性及び安定性に優
れた消臭・脱臭能を有し、且つその金属錯体が、上記合
成繊維上で容易にまた工業的に有利に形成出来るという
知見を得、本発明に至った。
従って本発明の目的は、金属イオンと分子中に−NHCO−
結合を有する合成繊維との安定な金属錯体からなる消臭
効果及びその持続性及び安定性に優れた消臭性繊維に関
する。
結合を有する合成繊維との安定な金属錯体からなる消臭
効果及びその持続性及び安定性に優れた消臭性繊維に関
する。
本発明の上記目的及び更に多くの他の目的及び効果は以
下の記載から一層明かとなるであろう。
下の記載から一層明かとなるであろう。
本発明に於て利用することの出来る分子中に−NHCO−結
合を有する合成繊維としては、例えばナイロン、ポリア
リーレンテレもしくはイソフタルアミド等の如き繊維形
成性脂肪族もしくは芳香族ポリアミドから成るポリアミ
ド系繊維、例えばポリウレタン、ポリ尿素その他の繊維
形成性ウレタン樹脂もしくはウレア樹脂から成るポリウ
レタン系繊維もしくはポリ尿素系繊維を例示することが
できる。
合を有する合成繊維としては、例えばナイロン、ポリア
リーレンテレもしくはイソフタルアミド等の如き繊維形
成性脂肪族もしくは芳香族ポリアミドから成るポリアミ
ド系繊維、例えばポリウレタン、ポリ尿素その他の繊維
形成性ウレタン樹脂もしくはウレア樹脂から成るポリウ
レタン系繊維もしくはポリ尿素系繊維を例示することが
できる。
又本発明に於て利用することの出来る強塩基としては、
例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ブチル
リチュウム、ナトリウムエチラート及びt−ブトキシカ
リウム等の強塩基を例示することが出来る。
例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ブチル
リチュウム、ナトリウムエチラート及びt−ブトキシカ
リウム等の強塩基を例示することが出来る。
更に、本発明に於て利用することの出来る2価金属塩も
しくは3価金属塩としては、クロム、コバルト、チタ
ン、バナジウム、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、カルシウ
ム、ビスマス、アルミニウム及びマグネシウムより選ば
れた金属の、塩化物、硫酸塩及び硝酸塩よりなる群から
選ばれた少なくとも一種を例示することが出来る。
しくは3価金属塩としては、クロム、コバルト、チタ
ン、バナジウム、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、カルシウ
ム、ビスマス、アルミニウム及びマグネシウムより選ば
れた金属の、塩化物、硫酸塩及び硝酸塩よりなる群から
選ばれた少なくとも一種を例示することが出来る。
また更に、本発明に於て利用することの出きる還元剤と
しては、例えば、アスコルビン酸、有機珪素化合物、ヒ
ドラジン、ポリアミン、チオ硫酸ナトリウム及び多糖類
等を例示することが出来るが、アスコルビン酸を好まし
く例示することが出来る。
しては、例えば、アスコルビン酸、有機珪素化合物、ヒ
ドラジン、ポリアミン、チオ硫酸ナトリウム及び多糖類
等を例示することが出来るが、アスコルビン酸を好まし
く例示することが出来る。
次に本発明の好ましい一実施態様を例示すれば、例え
ば、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと称する)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(TH
F)、エーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、メチ
ルアルコール、及びエチルアルコール等の如き溶媒に、
水素化ナトリウム、ナトリウムアミド等の如き強アルカ
リを、例えば、約0.1〜約5%添加し(予め流動パラフ
ィン中に約20〜約60重量%分散液として添加するのがよ
い)、約50〜約80℃に加温して約20〜約60分間保持す
る。次いでこの溶液の温度を約−10〜約20℃、好ましく
は室温まで冷却し、この溶液に前記例示した如き繊維を
浸漬する。
ば、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと称する)、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(TH
F)、エーテル、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、メチ
ルアルコール、及びエチルアルコール等の如き溶媒に、
水素化ナトリウム、ナトリウムアミド等の如き強アルカ
リを、例えば、約0.1〜約5%添加し(予め流動パラフ
ィン中に約20〜約60重量%分散液として添加するのがよ
い)、約50〜約80℃に加温して約20〜約60分間保持す
る。次いでこの溶液の温度を約−10〜約20℃、好ましく
は室温まで冷却し、この溶液に前記例示した如き繊維を
浸漬する。
かかる浸漬処理の時間は、溶液の濃度及び温度等によっ
ても適宜変更し得るが、好適な例を示せば、例えば、水
素化ナトリウム0.1〜約1%DMSO溶液、温度約30℃の場
合は、約1秒〜約60分間、また溶液の温度が例えば約60
℃の場合は約0.5〜約60分間の如き処理時間を例示する
ことが出来る。かかる処理条件を超えて反応を過度に行
った場合は、繊維の脆弱化乃至溶解を招くので、好まし
くなく、予め処理溶液に応じて、実験的に好適な処理条
件を選択設定して行うのがよい。
ても適宜変更し得るが、好適な例を示せば、例えば、水
素化ナトリウム0.1〜約1%DMSO溶液、温度約30℃の場
合は、約1秒〜約60分間、また溶液の温度が例えば約60
℃の場合は約0.5〜約60分間の如き処理時間を例示する
ことが出来る。かかる処理条件を超えて反応を過度に行
った場合は、繊維の脆弱化乃至溶解を招くので、好まし
くなく、予め処理溶液に応じて、実験的に好適な処理条
件を選択設定して行うのがよい。
次いで、得られた処理物を含有する溶液に前記2価金属
塩もしくは3価金属塩、例えばFeCl2、AlCl3などの、例
えば約0.5〜約5モル/リットル溶液を滴下し、金属イ
オン錯体を形成せしめる。かかる2価金属塩もしくは3
価金属塩の添加量は、適宜に変更でき、上で用いた強塩
基と約等モル乃至それ以下でよいが、好ましくは、繊維
の金属錯体中に占める金属イオンの量が、生成錯体を原
子吸光分光光度計で測定した金属イオン量で表して、繊
維に対して例えば約0.1〜約10重量%と成る如き添加量
を例示することが出来る。
塩もしくは3価金属塩、例えばFeCl2、AlCl3などの、例
えば約0.5〜約5モル/リットル溶液を滴下し、金属イ
オン錯体を形成せしめる。かかる2価金属塩もしくは3
価金属塩の添加量は、適宜に変更でき、上で用いた強塩
基と約等モル乃至それ以下でよいが、好ましくは、繊維
の金属錯体中に占める金属イオンの量が、生成錯体を原
子吸光分光光度計で測定した金属イオン量で表して、繊
維に対して例えば約0.1〜約10重量%と成る如き添加量
を例示することが出来る。
上記金属錯体形成反応は、好ましくは繊維の表面を強塩
基処理した後、該処理物を取り出し、予め他の容器に調
製した2価金属塩もしくは3価金属塩の溶液、続いて水
洗浴へと連続的に浸す方法がよい。この方法によれば、
例えば、紡糸直後の繊維を強塩基溶液浴、次いで金属イ
オン錯体化浴、更に次いで水洗浴に連続して浸漬する等
の連続処理により一挙に本発明の消臭性繊維を製造する
ことが可能である。
基処理した後、該処理物を取り出し、予め他の容器に調
製した2価金属塩もしくは3価金属塩の溶液、続いて水
洗浴へと連続的に浸す方法がよい。この方法によれば、
例えば、紡糸直後の繊維を強塩基溶液浴、次いで金属イ
オン錯体化浴、更に次いで水洗浴に連続して浸漬する等
の連続処理により一挙に本発明の消臭性繊維を製造する
ことが可能である。
錯体形成繊維はよく水洗し、次いで、例えば約0.1〜約5
0%の還元剤水溶液に浸漬し、金属イオンを安定化せし
め、乾燥することによって本発明の消臭性繊維を得るこ
とが出来る。
0%の還元剤水溶液に浸漬し、金属イオンを安定化せし
め、乾燥することによって本発明の消臭性繊維を得るこ
とが出来る。
本発明消臭性繊維の構造は必ずしも明らかではないが、
例えばポリアミド系繊維を水素化ナトリウムで表面処理
し、次いで2価鉄イオンを用いて錯体を形成せしめる場
合を例に採れば、該繊維の表面に於て2価鉄イオンがキ
レート結合によって錯体を形成しているものと推測さ
れ、推定される反応式を示せば下記の如くである。
例えばポリアミド系繊維を水素化ナトリウムで表面処理
し、次いで2価鉄イオンを用いて錯体を形成せしめる場
合を例に採れば、該繊維の表面に於て2価鉄イオンがキ
レート結合によって錯体を形成しているものと推測さ
れ、推定される反応式を示せば下記の如くである。
(ホ)発明の作用及び効果 本発明によって得られる消臭性繊維は、金属イオンが−
NHCO−結合を有する繊維鎖の一成分として結合している
ので、経年変化や洗浄によって離脱することがなく、半
永久的に消臭効果を持続することができる。
NHCO−結合を有する繊維鎖の一成分として結合している
ので、経年変化や洗浄によって離脱することがなく、半
永久的に消臭効果を持続することができる。
殊に生活環境に於ける悪臭の大部分を占めるアンモニア
臭、メルカブタン臭を効果的に且つ長期的に亙って消臭
除去することが出来る。
臭、メルカブタン臭を効果的に且つ長期的に亙って消臭
除去することが出来る。
従ってその用途は、例えば生理用ナプキン、衣類、寝
具、ベッドマット、葬儀用布、カーペット、建築材料、
空気清浄装置及び汚水処理装置のフィルタ、消臭性包装
材料等の消臭機能を要求されるあらゆる用途に応用する
ことが出来る。殊に、主鎖に芳香族構造を導入した例え
ば、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(ノメック
ス)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(ケブラ
ー)等の芳香族ポリアミドの繊維を本発明の金属錯体形
成処理して得られた繊維は、消臭性に加えて極めて優れ
た耐熱性を有し、例えばボイラー、石油及びガスストー
ブ等の排気ガス脱臭フィルタ等の高温発熱機器の脱臭装
置用として特に有用である。
具、ベッドマット、葬儀用布、カーペット、建築材料、
空気清浄装置及び汚水処理装置のフィルタ、消臭性包装
材料等の消臭機能を要求されるあらゆる用途に応用する
ことが出来る。殊に、主鎖に芳香族構造を導入した例え
ば、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド(ノメック
ス)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(ケブラ
ー)等の芳香族ポリアミドの繊維を本発明の金属錯体形
成処理して得られた繊維は、消臭性に加えて極めて優れ
た耐熱性を有し、例えばボイラー、石油及びガスストー
ブ等の排気ガス脱臭フィルタ等の高温発熱機器の脱臭装
置用として特に有用である。
以下実施例により本発明の数態様を更に詳しく説明す
る。
る。
(ヘ)実施例 実施例1. DMSO150mlにNaH1.0g(パラフィン中60%)を加え、70〜
75℃にて40分間加熱し、メチルスルフィニルカルボアニ
オンを生成させた。次いで室温まで冷却し、この溶液に
ケブラー繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド
繊維)約1gを漬け、30℃にて5分間保持し、表面の−NH
CO−結合を−N(Na)CO−とした。繊維表面は橙色乃至
赤色に変わった。
75℃にて40分間加熱し、メチルスルフィニルカルボアニ
オンを生成させた。次いで室温まで冷却し、この溶液に
ケブラー繊維(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド
繊維)約1gを漬け、30℃にて5分間保持し、表面の−NH
CO−結合を−N(Na)CO−とした。繊維表面は橙色乃至
赤色に変わった。
次いでこれに塩化第一鉄のDMSO溶液(0.025mol/50ml)
を滴加し、ケブラー繊維の鉄錯体を形成せしめた。該繊
維は茶色乃至褐色を呈した。
を滴加し、ケブラー繊維の鉄錯体を形成せしめた。該繊
維は茶色乃至褐色を呈した。
得られた錯体形成繊維を十分に水洗して水切りを行い、
次いで5%L−アスコルビン酸水溶液に浸漬処理した。
繊維の色はほぼ元のケブラー繊維の色に復帰した。これ
を脱水乾燥して本発明の消臭性繊維を得た(本発明品N
o.1)。
次いで5%L−アスコルビン酸水溶液に浸漬処理した。
繊維の色はほぼ元のケブラー繊維の色に復帰した。これ
を脱水乾燥して本発明の消臭性繊維を得た(本発明品N
o.1)。
得られた消臭性繊維を日立原子吸光分光光度計ゼーマン
Z−8000型を用いてフレーム法で分析した結果、鉄イオ
ン(II)含量は1.2%であった。
Z−8000型を用いてフレーム法で分析した結果、鉄イオ
ン(II)含量は1.2%であった。
実施例2. THF200mlに1.5規定ブチルリチゥムヘキサン溶液16mlを
加え、45〜50℃にて1時間加熱した。次いで室温まで冷
却し、この溶液にポリウレタン合成繊維(ライクラ、Ly
cra:ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールと4−
メチル−m−フェニレンジイソシアナートの付加化合物
にメチレンビス(4−フェニルイソシアナート)を作用
させた後DMFに溶かしヒドラジン水化物紡糸浴中に紡糸
して得られるポリウレタン合成繊維)2gを浸漬し、室温
で5分間保持した。次いでこれを取り出し、塩化アルミ
ニゥムのTHF溶液(0.02mol/50ml)に浸漬してアルミニ
ウム錯体を形成せしめた。
加え、45〜50℃にて1時間加熱した。次いで室温まで冷
却し、この溶液にポリウレタン合成繊維(ライクラ、Ly
cra:ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールと4−
メチル−m−フェニレンジイソシアナートの付加化合物
にメチレンビス(4−フェニルイソシアナート)を作用
させた後DMFに溶かしヒドラジン水化物紡糸浴中に紡糸
して得られるポリウレタン合成繊維)2gを浸漬し、室温
で5分間保持した。次いでこれを取り出し、塩化アルミ
ニゥムのTHF溶液(0.02mol/50ml)に浸漬してアルミニ
ウム錯体を形成せしめた。
得られた錯体形成繊維を充分に水洗し、水切りを行った
後10%チオ硫酸ナトリウム溶液に浸漬処理した。これを
脱水乾燥して本発明の消臭能を有する繊維を得た(本発
明品No.2)。
後10%チオ硫酸ナトリウム溶液に浸漬処理した。これを
脱水乾燥して本発明の消臭能を有する繊維を得た(本発
明品No.2)。
得られた消臭性繊維を実施例1と同様に原子吸光法で分
析した結果、アルミニウムイオン含量は0.5%であっ
た。
析した結果、アルミニウムイオン含量は0.5%であっ
た。
実施例3. 蓋付きのガラス容器(φ32×55mm)に実施例1及び実施
例2で得られた消臭性繊維(本発明No.1及びNo.2)を各
々0.1g入れ、そこへアンモニア水(28%)の1%希釈水
溶液0.2gを加え、密閉して室温に保存し、1時間後及び
24時間経過後、官能により消臭効果を判定した。コント
ロールとして本発明品No.1及びNo.2に対応する未処理の
繊維を夫々コントロール1及びコントロール2として比
較した。その結果を第1表に示す。
例2で得られた消臭性繊維(本発明No.1及びNo.2)を各
々0.1g入れ、そこへアンモニア水(28%)の1%希釈水
溶液0.2gを加え、密閉して室温に保存し、1時間後及び
24時間経過後、官能により消臭効果を判定した。コント
ロールとして本発明品No.1及びNo.2に対応する未処理の
繊維を夫々コントロール1及びコントロール2として比
較した。その結果を第1表に示す。
第1表の結果から明らかな如く、本発明の消臭性繊維は
顕著な消臭効果を示した。
顕著な消臭効果を示した。
実施例4. 実施例3に於けるアンモニアに代えて、エチルメルカプ
タンの0.005%ジプロピレングリコール溶液0.2gを用い
た外は、実施例3と同一条件によってメルカプタンに対
する消臭効果を試験した。その結果を第2表に示す。
タンの0.005%ジプロピレングリコール溶液0.2gを用い
た外は、実施例3と同一条件によってメルカプタンに対
する消臭効果を試験した。その結果を第2表に示す。
第2表の結果からも明らかな如く、本発明の消臭性繊維
は、メルカプタンに対しても著しい消臭効果を有してい
た。
は、メルカプタンに対しても著しい消臭効果を有してい
た。
比較例1 硫酸第一鉄七水塩27.5gを水に溶解し100mlとした後、L
−アスコルビン酸0.5gを加え溶解しL−アスコルビン酸
鉄水溶液原液を調製した。
−アスコルビン酸0.5gを加え溶解しL−アスコルビン酸
鉄水溶液原液を調製した。
次いで上記L−アスコルビン酸鉄水溶液原液を水で2倍
に希釈しFe(II)含量を実施例1とほぼ同量とした液状
脱臭剤を調製した。
に希釈しFe(II)含量を実施例1とほぼ同量とした液状
脱臭剤を調製した。
これに実施例1で用いたケブラー繊維1gを漬け、30℃に
て5分間保持した後、引き上げて乾燥した(比較品No.
1)。
て5分間保持した後、引き上げて乾燥した(比較品No.
1)。
得られた繊維を実施例1と同様に、原子吸光分析を行っ
た結果、鉄イオン含量は150ppmであった。
た結果、鉄イオン含量は150ppmであった。
実施例5 実施例1及び比較例1で得られた消臭性繊維各1gをモノ
ゲン(商品名、第一工業製薬(株)製)0.3g水溶液にて
浴比100倍、50℃で10分間振り洗いした。同量の温湯で
2回水洗し、更に水で1回洗浄した。
ゲン(商品名、第一工業製薬(株)製)0.3g水溶液にて
浴比100倍、50℃で10分間振り洗いした。同量の温湯で
2回水洗し、更に水で1回洗浄した。
得られた繊維を乾燥し、実施例3と同じ条件でアンモニ
アに対する消臭効果を比較した。その結果を第3表に示
した。
アに対する消臭効果を比較した。その結果を第3表に示
した。
第3表の結果から明らかな如く、本発明品は洗浄によっ
ても消臭効果は保持されていた。
ても消臭効果は保持されていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 23/00 // D06M 101:34 101:38
Claims (1)
- 【請求項1】分子中に−NHCO−結合を有するポリアミド
系繊維、ポリウレタン系繊維及びポリ尿素系繊維よりな
る群から選ばれた合成繊維の表面を、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムアミド、ブチルリチユウム、ナトリウム
エチラート及びt−ブトキシカリウムから選ばれた強塩
基の有機溶媒溶液で処理した後、2価金属塩または3価
金属塩と反応せしめ、該繊維表面の−NHCO−結合と2価
金属または3価金属との間で錯体を形成せしめ、更に還
元剤で処理して成ることを特徴とする消臭性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110840A JPH07116674B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 消臭性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110840A JPH07116674B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 消臭性繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63275782A JPS63275782A (ja) | 1988-11-14 |
JPH07116674B2 true JPH07116674B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=14545997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62110840A Expired - Lifetime JPH07116674B2 (ja) | 1987-05-08 | 1987-05-08 | 消臭性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116674B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6290688B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-03-07 | 株式会社Nbcメッシュテック | 殺菌・抗ウイルス性部材 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6066753A (ja) * | 1983-09-24 | 1985-04-16 | 工業技術院長 | 鉄(2)化合物を含有する組成物 |
JPS60145143A (ja) * | 1983-12-30 | 1985-07-31 | ミナト産業株式会社 | 鉄化合物を含有する組成物 |
JPS6233854A (ja) * | 1985-08-05 | 1987-02-13 | 株式会社アースクリーン | 消臭性機能を備えた不織布 |
-
1987
- 1987-05-08 JP JP62110840A patent/JPH07116674B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63275782A (ja) | 1988-11-14 |
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