JPH07116259B2 - メタ―またはパラ―イソプロペニル―α,α―ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマーおよびホモポリマー並びにその製造方法 - Google Patents

メタ―またはパラ―イソプロペニル―α,α―ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマーおよびホモポリマー並びにその製造方法

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JPH07116259B2
JPH07116259B2 JP59112152A JP11215284A JPH07116259B2 JP H07116259 B2 JPH07116259 B2 JP H07116259B2 JP 59112152 A JP59112152 A JP 59112152A JP 11215284 A JP11215284 A JP 11215284A JP H07116259 B2 JPH07116259 B2 JP H07116259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、メタ−またはパラ−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマーおよび
それより高級のホモポリマーおよびそれらの製造方法に
関する。
1984年3月27日発行の米国特許第4,439,616号には、第
三アラルキルイソシアネート、たとえば、テトラメチル
キシレンジイソシアネート(TMXDI)を、適度な温度に
おいて酸触媒の存在下にカルバミン酸の対応するオレフ
ィンの付加により形成された対応するウレタンの熱分解
により製造する方法が開示されている。このような方法
はとくにTMXDIのメタ−およびパラ−異性体を製造する
とき有用であり、そして副生物として、それぞれ、メタ
−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシア
ネート(m−TMI)およびパラ−イソプロペニル−α,
α−ジメチルベンジルイソシアネート(p−TMI)が生
成する。
このような系におけるm−TMIまたはp−TMI副生物はこ
のプロセス内に再循環してその中のTMXDIの全体の収率
を改良することができるが、その二官能性のため、すな
わち、反応性イソシアネート(−NCO)基およびイソプ
ロペニル基が存在するため別の生成物としてそれ自体実
質的な実用性を有する。こうして、TMIはホモ重合また
は共重合して、イソシアネート官能性をもつポリマーを
生成することができ、このポリマーは二官能性もしくは
多官能性のアミノ化合物またはヒドロキシ化合物を含有
する硬化剤で架橋される。このような架橋性組成物は、
フィルム形成性をもち、かつコーティング、たとえば、
金属、木材およびガラスの基体のコーティングとして有
利に使用することができ、そして、たとえば、反応射出
成形(RIM)により、成形物品の製造に潜在的な応用性
を有する。
米国特許第3,290,350号は、既知の付加重合開始剤、た
とえば、ペルオキシおよびアゾ開始剤のような遊離基型
の開始剤を使用して普通の方法によりTMIを重合するこ
とを開示している。より詳しくは、この特許は三フッ化
ホウ素エーテレートを含有するイソオクタンとの溶媒混
合物中で−73℃においてm−TMIを重合することを開示
している。次いで、得られる重合した混合物を室温にお
いて平衡化し、ポリマーを3日後に単離した。単離され
たホモポリマーは約60℃の軟化点および約1500の分子量
を有し、ジメチルホルムアミド中に可溶性であり、そし
てキシレン中に不溶性であった。
本発明は、1つの面において、 (a)塩化メチレン、トルエンおよびそれらの混合物か
ら成る群より選ばれた溶媒中のメタ−またはパラ−イソ
プロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート
を、−80℃〜10℃の温度において、ブレンステッド酸ま
たはルイス酸の触媒中に有効な量の存在下に溶液重合
し、そして (b)前記重合触媒を−80℃〜10℃の温度において中和
し、これによりイソシアン酸の実質的に形成を防止す
る、 ことを特徴とするメタ−またはパラ−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマ−
またはそれより高級のホモポリマーの製造方法に関す
る。
ここで使用するとき、重合触媒の中和は、触媒がメタ−
またはパラ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルイソシアネートの重合を促進するかあるいはイソシア
ン酸の排除を促進するときもはや活性でないように、触
媒を失活させることを意味する。
他の面において、本発明は、高いイソシアネート含量の
メタ−またはパラ−イソプロペニル−α,α−ジメチル
ベンジルイソシアネートの芳香族溶媒可溶性の線状オリ
ゴマーまたはホモポリマーに関する。
ここで使用するとき、「芳香族可溶性」はオリゴマーま
たはホモポリマーが、なかでも、キシレンおよびベンゼ
ン中に可溶性であることを意味する。
また、ここで使用するとき、本発明のオリゴマーまたは
それより高級のホモポリマーの説明において「高いイソ
シアネート含量」は、このようなオリゴマーまたはホモ
ポリマーが3ミリ当量(meq)/gのオリゴマーまたはホ
モポリマーより大きいイソシアネートを含有することを
意味する。
他の面において、本発明のホモポリマーは、m−TMIま
たはp−TMIのホモポリマー、および二官能性もしくは
多官能性のアミノ化合物またはヒドロキシ化合物を含有
する架橋的に有効量の硬化成分を含有する樹脂成分から
なる架橋性ポリマー組成物を製造するために有用であ
る。このような架橋性ポリマー組成物は、基体へのその
上のフィルムとして適用し、そして硬化させて優れた溶
媒抵抗性および光安定性の特性を有するコーティングを
形成することができる。
本発明の方法に従えば、構造的に線状であり、芳香族溶
媒に可溶性であり、かつ架橋を実質的に含有しないm−
TMIまたはp−TMIのオリゴマーまたはホモポリマーが製
造される。本発明のオリゴマーまたはホモポリマーのこ
れらの予期されない特性は、塩化メチレン、トルエンお
よびそれらの混合物から成る群より選ばれた溶媒中の低
温溶液重合により、オリゴマーまたはホモポリマーを形
成することによって達成される。
溶液重合工程における温度は約−80℃〜約10℃、好まし
くは約−80℃〜約0℃であるが、用いる特定の温度は所
望の生成物の分子量および使用する特定の触媒に依存す
るであろう。たとえば、オリゴマーは適当にはm−TMI
またはp−TMIを触媒量の無水p−トルエンスルホン酸
の使用により塩化メチレン中で−25℃〜0℃において数
時間の反応時間の間重合することによって製造すること
ができる。
低分子量のホモポリマーは、TMIを触媒量の塩化第二ス
ズを使用して−25℃より低い温度において塩化メチレン
中で塩化第三ベンジル化合物の存在下に重合することに
より製造することができ、この塩化第三ベンジル化合物
は詳しく後述するように連鎖移動剤として使用する。こ
のような低分子量の生成物の重合系において、反応は約
−30℃〜約−78℃の温度において5〜10分以内で完結す
る。より高級のホモポリマー生成物は、同一条件下であ
るが、重合するモノマー溶液中に塩化物の連鎖移動剤を
存在させないでTMIを重合することによって得ることが
できる。
詳しく後述するように、調節された分子量範囲のホモポ
リマーは第1図に示す反応系に関連して説明する連続法
により製造することができる。
前述の溶液重合後、重合触媒を約−80℃〜約10℃、好ま
しくは約−80℃〜約0℃の温度において中和し、これに
より実質的な量のイソシアン酸の形成を防止する。
触媒を中和してイソシアン酸の形成を抑制することによ
り重合工程を防止することは、本発明の重要な面であ
る。ポリマーまたはオリゴマー生成物の周囲温度への加
温の間のイソシアン酸の酸を触媒とする排除は、イソシ
アン酸の排除に伴いベンジルイソシアナト部分の劣化を
包含し、きわめて有害な副反応であり、望ましくない不
飽和を生成し、結局オリゴマーまたはポリマー生成物の
架橋を生じさせることが決定された。
本発明によるオリゴマーの製造において、重合触媒は適
当には5℃より低い温度、適当には重合を実施した温度
において、重合溶液を中性アルミナと接触させることに
より、たとえば、重合溶液を中性アルミナの充填塔に通
過させることにより中和することができる。このように
して、主として二量体の特性をもつオリゴマー生成物
を、三量体、四量体などの量を低下させて、得ることが
できる。
塩化第三ベンジル化合物の存在下に塩化メチレン溶媒中
において塩化第二スズを使用する本発明の前述の方法に
より、TMIの低分子量ホモポリマーを製造するとき、触
媒は適当には約−25℃以下の温度において、重合反応溶
液ヘピリジンを添加して、ピリジンを塩化第二スズを錯
化させることにより、中和することができる。このよう
な反応条件下で、約4,000〜約12,000の範囲のピーク分
子量をもつホモポリマーが得られ、実質的に量の低分子
量の物質が存在する。
TMIを塩化第二スズで約−25℃以下の温度において処理
することにより高分子量のホモポリマーを製造する前述
の方法において、触媒の中和は重合反応の温度、すなわ
ち、−25℃より低い温度において実施することができ
る。
詳しく後述する連続的重合系において、重合触媒の中和
は、第1反応ゾーンにおいて重合が完結した後第2反応
ゾーンにおいて触媒を連続的に「クェンチング(quench
ing)」することにより実施し、このようなクェンチン
グは約−25℃より低い温度において実施する。ここで使
用するとき、「クェンチング」は重合触媒を中和剤、た
とえば、触媒と錯化して不活性(非触媒)部分を形成す
る錯化剤と反応させることを意味する。
示したように、10℃以上の温度は本発明の溶液重合およ
び工程において回避すべきである。なぜなら、このよう
な高い温度はモノマーからのイソシアン酸の排除を促進
し、その結果イソシアン酸による触媒の失活のため重合
はほとんどあるいはまったく起こらないからである。
4,000〜12,000程度の分子量およびそれより高い分子量
は本発明の方法を用いて達成することができ、そして5
0,000〜150,000程度に高い分子量は反応条件および用い
る触媒に依存して可能である。
本発明のそれ以上に予期されない面として、TMIのホモ
ポリマー生成分の分子量は、生成物のポリマーの分子量
を制限する連鎖移動剤として機能する塩化第三ベンジル
化合物の存在下に重合工程を実施することにより調節す
ることができる。実際に、重合を連鎖移動的に有効量の
塩化第三ベンジル化合物、たとえば、二塩化テトラメチ
ルキシリレンまたはα−クロロクメンの存在下に実施す
ると、約4,000〜約12,000の範囲のピーク分子量を有す
る比較的狭い分子量分布のホアモポリマーを生成するこ
とが可能である。
本発明のTMIポリマー(すなわち、オリゴマーおよびホ
モポリマー)は、二官能性化合物たとえばジアミン、グ
リコールなどと反応させて、コーティングおよび成形品
の製造に適当な架橋ポリマー生成物を製造することがで
きる。
ここで引き続いて使用する「重合工程」は重合触媒の存
在下の低温におけるm−TMIまたはp−TMIの溶液重合を
意味し、そして「中和工程」は触媒を低温において中和
して高温におけるイソシアン酸の排除を防止することを
意味する。
本発明の方法を用いてオリゴマーを生成する1つの好ま
しい実施態様において、重合工程に使用する触媒は無水
p−トルエンスルホン酸であり、この重合工程の温度は
約−25℃〜約0℃であり、そして中和工程の温度は約−
25℃〜約5℃である。結局、このような実施態様におけ
る触媒は中性アルミナとの接触により中和される。
ホモポリマーを生成する他の好ましい実施態様におい
て、重合工程に使用する触媒は塩化第二スズであり、こ
の重合工程の温度は約−80℃〜約−20℃であり、そして
中和工程の温度は約−80℃〜約−20℃である。このよう
な実施態様において、触媒は好ましくは中和的に有効量
のピリジンを重合工程からの重合溶液に添加することに
より中和され、そして重合工程は約3〜約30分の反応時
間の間実施する。このような実施態様は約4,000〜約12,
000の範囲のピーク分子量のホモポリマーを生成すると
きにとくに有利であり、ここで重合工程は連鎖移動的に
有効量の塩化第酸ベンジル化合物、たとえば、α−クロ
ロクメンまたは二塩化テトラメチルキシリレンの存在下
に実施し、重合工程は約3〜約15分の反応時間の間実施
する。
図面を参照すると、第1図は本発明の方法を実施してTM
Iの芳香族溶媒可溶性の線状オリゴマーまたはホモポリ
マーを生成するために適当な、連続的重合反応/中和系
を示す。
図面を参照すると、反応室1は2つの順次の反応ゾーン
に分割されており、第1反応ゾーン6は第2反応ゾーン
7と分離壁19により分離されている。反応室1は適当な
断熱および熱交換手段を有し、この手段によりその内部
の反応体積は約−80℃〜約−30℃の温度に維持される。
このような手段は図解容易のため示されていず、この分
野においてよく知られているものである。同様に、この
系において使用される弁およびポンプは図解容易のため
示されていない。第1反応ゾーン6はその内部に撹拌手
段12を配置して有する。撹拌手段12は軸18の下端に位置
する羽根車またはブレード機素17からなる。羽根車の軸
はその上端において適当な駆動手段(図示せず)と連結
されていて、前記第1反応ゾーンにおける撹拌および均
質な混合を提供する。羽根車の軸18は第1反応ゾーンの
上部壁において軸シール16によりシールされているの
で、第1反応ゾーンにおける反応体積は、導管13内の加
圧要素ガスの導入により、加圧された窒素雰囲気のもと
に維持されることができるので、反応体積は大気へ暴露
されず、これにより反応系が酸素または大気の湿気で汚
染されることが回避される。
第1反応ゾー6はその上端においてモノマー供給導管2
へ接合されており、その導管を経て溶媒たとえば塩化メ
チレンとのTMI溶液および、存在する場合、連鎖移動剤
たとえばα−クロロクメンが第1反応ゾーン中に導入さ
れ、その内部で導管4内の反応溶媒の別の流れ中に導入
される重合触媒とともい反応溶液が形成される。
第1反応ゾーンはマノメーターのオーバーフロー移送導
管8により流体連絡で第2反応ゾーン7と結合されてい
る。移送導管8は第1反応ゾーンへ接合されたオーバー
フロー入口9および第1反応ゾーンへの戻り導管10を形
成するマノメーター脚を有して、第1反応ゾーン内の液
面を調節する。マノメーカーのオーバーフロー移送導管
8に入る第1反応ゾーンからの重合溶液は、排出端11に
おいて第2反応ゾーン中へ排出される。
第2反応ゾーン7は、駆動手段(図示せず)と間接時期
駆動関係で結合された磁気撹拌機14を有する。クェンチ
ング供給管路5は、重合触媒中和剤、たとえば、塩化メ
チレン溶液中のピリジンを第2反応ゾーンへ導入するた
めに設けられている。第2反応ゾーンの下部に、第2反
応ゾーンから生成物のオリゴマー含有および/またはホ
モポリマー含有生成物溶液を抜き出すために生成物管路
15が設けられている。
実施において、反応室Iを窒素でまずフラッシュして空
気および大気の湿気をそこから除去して第1図に示す反
応系を連続的実施のために準備する。次いで反応室を所
望温度、たとえば、−40℃に、冷却することができ、こ
の冷却は、たとえば、反応室と接触させて熱伝導コイル
またはジャケット(図示せず)を通して、反応室の外壁
と接触させてドライアイスおよびアセトンのスラリーを
循環させることにより行なう。次いで、TMI溶液を第1
反応ゾーン中へ供給して、第1は反応ゾーンをそれまで
部分的に満たすが、溶液の第2反応ゾーン7へのオーバ
ーフロー移送を実施しないようにする。示したように、
TMIモノマー溶液は塩化メチレン、トルエンおよびそれ
らの混合物から成る群より選ばれた溶媒からなり、そし
て必要に応じて、生成分オリゴマーまたはポリマーの分
子量の限定または制限を望む場合、記載した適当な連鎖
移動剤を含有することができる。第1反応ゾーンにおい
て導入されたモノマーが所望温度のレベルに平衡化され
た後、ある容積の触媒溶液を第1反応ゾーンへ供給管路
4から導入して所望の触媒/TMI比を得る。次いで管路2
内のTMIモノマー溶液の供給を再開し、その後触媒およ
びモノマーを第1反応ゾーンに連続的に導入して、前も
って決定した触媒/TMI比を維持する。
次いで、重合溶液の第1反応ゾーンから第2反応ゾーン
へのオーバーフローの移送が起ったとき、クェンチング
供給管路5を経て第2反応ゾーンへのクェンチン流れ
(重合触媒中和の流れ)を開始し、その後連続させる。
1つの反応体積が第1反応ゾーン(オーバーフローの点
への体積により測定する)が第1反応ゾーンから第2反
応ゾーンへ移送されてしまったとき、管路15から、重合
された重合溶液の抜き出しを開始し、抜き出し速度を管
路2内のTMI溶液および管路4内の触媒溶液の送入と合
致させる。
反応室内の重合および中和の間、第1反応ゾーンおよび
第2反応ゾーンおよびすべての供給物の溜内の反応体積
より上において窒素のわずかの正圧を維持する。生成物
管路15内の第2反応ゾーン7からの生成物オリゴマーま
たはホモポリマー溶液は、適当には生成物管路15から適
当な受容手段、たとえば、大気に対して閉じられており
かつ管路13と同一の加圧窒素源へ接合された生成物受器
中へ排出されて、生成物受器内の生成物オリゴマーまた
はポリマーを窒素の雰囲気中に維持する。
溜内の生成物オリゴマーまたはポリマー溶液が第1反応
ゾーンおよび第2反応ゾーン(重合および中和工程)の
低温から平行するにつれて、中和された触媒の錯体は加
温された溶液から白色スラッジとして析出する。このよ
うな析出を促進するために、生成物の溜を清浄化または
重力沈降ゾーンとして構成して、分離された固体の抜き
出しを促進することができる。次いで、流出する溶液
は、溶媒をストリッピングし、残留物をトルエンで再希
釈し、引き続いて濾過して最終の生成物溶液を得ること
により、処理してオリゴマーまたはホモポリマーの生成
物を回収することができる。次いで、濾過されたオリゴ
マーまたはポリマー溶液は、それ以上の用途に依存し
て、蒸発させるかあるいはオリゴマーまたはポリマーの
溶液生成物として使用することができる。
本発明の種々の面の例示的応用を次の非制限的実施例に
より示す。これらの実施例において、すべての部および
百分率は、特記しないかぎり、重量による。
実施例I 広範な種類の効力のある酸触媒を用いる小規模の試験
を、p−TMIがインダン構造[下の(I)」を有する二
量体の生成物に転化されうることを期待して実施した
い。いくつかのこのような化合物は他のα−メチルスチ
レン誘導体により容易に生成されることが知られてい
る。しかしながら、第三イソシアネートからのイソシア
ン酸(HNCO)の酸を触媒とする排除は、反応温度を低く
保持することによってのみ回避することができる表面的
な副反応のであることが明らかにされた。このような条
件下で、線状二量体/三量体の混合物(II)は、の高級
オリゴマーを少量にして、極性非プロトン溶媒中のスル
ホン酸を使用することにより得ることができる。スルホ
ン酸はモノマーに対する連鎖移動を効果的に促進して重
合度を制限する。ルイス酸触媒は非常に高分子量の生成
物を生成する。驚くべきことは、これらの条件下にイン
ダン誘導体は形成されない。
p−TMI中の弱塩基性のイソシアネート基はこのような
方法における酸触媒の有効性を大きく減少する。これ
は、p−TMXDIの存在下および不存在下のCH2Cl2中のド
デシルベンゼンスルホン酸によるp−ジイソプロピペニ
ルベンゼン(p−DPEB)の重合速度を比較することによ
り証明される。25℃において、p−DIPEBは、4モル%
の触媒の添加後、30秒より短時間で明確なゲル(ringin
g gel)を与えた。等量のp−TMXDIを存在させてo−T
MIをシミュレーションすると、10分後、p−DIPEBの25
%が残留した。6時間後、ジエンは本質的にゼロであっ
たが、溶液は流動性のままであった。
実施例II 800gの新しい試薬級のCH2Cl2(20〜50ppmのH2O)中の次
のGLC分析値(概算モル%)を有する209gのp−TMI(9
8.3%)の溶液: p−TMI 98.3 % p−DIPEB 0.22 p−TMXDI 0.34 CH3CO 0.66 CH3CO 0.34 を、窒素のもとに隔壁シールを備えるフラスコ内で調製
した。氷浴中で2℃に冷却後、トルエン中の1.25モルの
無水p−トルエンスルホン酸(TSA)の溶液(5モル
%)の40ccを、シリンジ(syringe)により15分かけて
徐々に導入した。p−TSA−水和物をディーン・スター
ク・トラップを用いてトルエン溶液を共沸蒸留すること
により乾燥した。この乾燥した触媒溶液を窒素のもとに
隔壁で閉じたフラスコ内に貯蔵した。
温度を2〜4℃にこの時間の間保持し、その後反応を進
行させた。重合の進行は間隔を置いて内部標準とした小
さいp−TMXDI不純物ピークを用いる試料のGLC分析によ
り測定した。5〜7時間後、p−TMIのほぼ90%の化率
が示された。次いで乾燥AMBERLYST A−21樹脂(85g)
を大気への暴露を最小にして冷たい懸濁液へ添加し、そ
して温度を上昇させながらこの懸濁液を一夜撹拌した。
AMERLYST−A−21イオン交換樹脂(Rohm and Haas C
o.)は、非水性系中の使用のために設計された第三アミ
ンの巨大網状構造(macroreticular)樹脂である。供給
を受けた時のこの樹脂の大きい水分はアセトンの浸出に
より減少させ、次いでこの樹脂をトルエンとの共沸蒸留
により乾燥させ、ここでまずディーン・スターク・トラ
ップを使用し、最後にソクスレー装置内の3Åのモレキ
ュラーシープ上の再循環させた。次いで溶媒を蒸発さ
せ、乾燥樹脂(0.17%のH2O)が残り、これを窒素のも
とに貯蔵した。水が樹脂処理の間に存在すると、イソシ
アネートの尿素への加水分解は高分子量のポリマーおよ
び低いRNCO含量に導く。この混合物を引き続いて濾過
し、樹脂をCH2Cl2でよく洗浄した。濾液を蒸発させる
と、213gのシロップが残った。GLC分析は27.4gのp−TM
I(13%の回収率)および5.1gのp−TMXDIを示した。
粗生成物から揮発性不純物を5.1cm(2インチ)−ポー
プ・ワイプドーフィルム蒸留器(Pope−wiped−film s
itll)により0.25mmHgの圧力および170℃の最高温度;1.
1g/分の流速においてストリッピングした。未蒸留の物
質は剛性であり、非常にわずかにもっており、室温にお
いてわずかに琥珀のシロップであった(162gが回収され
た)。
分析値: 0.08%のp−TMI 0.02%のp−TMXDI 0.02%のp−アセチル−α−メチルスチレン 4.35meq/gのRNCO(理論値:5.0) 2.60ミリモル/gの不飽和(二量体についての理論値:2.5
0) 256ppmのイオウ(p−TSAとして) ゲル濾過クロマトグラフィーは二量体(59.7パーセン
ト)、三量体(25.2パーセント)、四量体など(15.1パ
ーセント)の混合物を示した。GPCの結果は、より不飽
和の二量体に対してより大きい応答を与えうる屈折率に
よる検出に基ずく。
生成物中の残留イオウは、イオン交換樹脂によるp−TS
A触媒の97.5%の除去に相当した。CH2Cl2溶液(15%の
濃度)をWOELM I中性アルミナのカラムに通過させる
ことにより、それ以上の除去を試みた。回収された物質
はその時5ppmのイオウを有した。これらの手順を用い
て、汚染物質を導入しないで室温におけるオリゴマーか
らの酸を触媒とするイソシアン酸の排除を防止した。触
媒を不活性化する非常に便利な手段は、生成物をピリジ
ンが許容されうる用途において使用される場合、オリゴ
マー化の温度において過剰のピリジンを添加することで
ある。
塩化メチレン(ε、9.0)は、供給を受けるとき実質的
に乾燥している便利な溶液である。溶媒を3Åのモレキ
ュラーシープで乾燥することによりさらに水分を減少さ
せると、多少速いオリゴマー化の速度(およびイソシア
ン酸の排除)が得られた。乾燥ニトロメタン(ε、36)
を使用して非常に速い反応が得られたが、ニトロメタン
は強酸の存在下で危険な物質として認められており、そ
して本発明の大規模の商業的応用に許容されうる溶媒で
ありえないことに注意すべきである。これらの溶媒中に
存在する水は、イソシアネートのアミン塩への酸を触媒
とする加水分解においてほとんど瞬間的に消費され、こ
れはまた触媒のレベルを減少させる。スルホン酸はトル
エン溶液中のp−TMIの重合のための強い触媒ではな
い。
5℃以上のイソシアン酸の排除は、不溶性のシアメリド
(cyamelide)およびシアヌル酸を生成し、それらはわ
ずかの曇りから重い沈殿までの範囲で変化する。これら
の副生物は触媒を中和し、重合を停止させる傾向があっ
た。生成物の分子量はまた排除が追加のオレフィン基を
発生させるにつれて増加し、これにより連鎖延長に導い
た。不溶性物質の存在が好ましくないとき、このような
反応をより高い温度において1000〜3000の分子量範囲の
オリゴマーを得るために使用することができるであろ
う。0℃以下の温度において反応を実施すると、重合を
遅延させたが、二量体の収率を有意に増大させなかっ
た。CH2Cl2中の触媒へのp−TMIのゆっくりした添加あ
るいはより希簿な溶液の使用はまた分子量へ有意な効果
を与えなかった。
p−TMIの二量体および三量体の小さい試料を、GPCカラ
ムによる分離後単離した。NMR検査は、二量体が主とし
て異性体(II)であり、かつモノイソシアネートを示す
構造 が存在しないことを示した。単離された三量体物質は類
似するが、明瞭に混合物であった。これらに試料のUVス
ペクトルは実質的に同一であり(μmax、それぞれ、24
8、247rm)インダン構造のヒント(μmax、268、277、
α,p−ジメチルスチレン誘導体について)は存在しなか
った。単離された二量体のHPLC検査は、より高い分離を
与え、そしてこの物質が約87%の主要成分および9%の
第2化合物、多分内部のオレフィン異性体であることが
示した。三量体の分画は、多生の二量体の外に2種類の
主要な化合物を示した。(SiO2のHPLC、ヘプタン/CH2Cl
2の溶離、UV検出器)。
実施例III 米国特許第3,290,350号はBF3・Et2O触媒を使用して−78
0℃ないし室温において炭化水素溶媒(イソオクタン)
中でp−TMIを重合することを開示している(この特許
の実施例XVII)。この実施例を反復し、m−TMIを用い
てより詳細に検査した。フッ化ホウ素エーテレート(0.
14cc)を窒素のもとに25ccのヘプタン中の5.9gのm−TM
Iの溶液へ−78℃において添加した。1時間後、2相混
合物を室温に加温し、5日間貯蔵した。次いでピリジン
(1cc)を反応をクェンチングし、そして上のヘプタン
相を分離し、そしてGLCにより分析した。出発m−TMIの
ほぼ65%は未変化にとどまった。ヘプタン不溶性反応生
成物をCH2Cl2中に分散させ、1.5%の濃度において反復
した濾過により清浄化し、そしてGPCにより分析した。
これはピークが6,000である非常に広い分子量範囲、400
〜50,000を示した。
実施例IV 表II中の要約した反応の系列のため、SnCl4の塩化メチ
レン溶液を磁気撹拌機を備える隔膜キャップ付きびん内
で窒素のもとに所望温度に冷却した。次いでm−TMIを
一定速度でシリンジポンプにより添加し、その後撹拌を
追加の期間(“Quench Time")を続けた。使用したm
−TMIの典型的なGLC分析は次のとおりであった(概算モ
ル%): 次いでピリジン(1.0cc)を反応温度において添加して
触媒を中和し、この反応混合物を室温に加温した。透明
溶液は温度が約0℃に到達するまで存在し、その後微細
な固体が分離し始めた。室温において一夜貯蔵した後、
重合溶液を濾過し、蒸発させ、回収したポリマーを分析
した。
実験#151において分離した固体はIRスペクトルにより
スズ/ピリジン錯体、多分Sn(pyr)(OCN)nCl4-n
であることがわかり、ここでSnCl4触媒中の塩素の小部
分はOCN-により置換されていた。それはシアヌル酸また
はシアメリドにより汚染されていず、イソシアン酸汚染
はわずかな程度より多く−78℃において起こらなかっ
た。
表IIにおける実験から、いくつかの追加の結果が得られ
る: (1)触媒は反応の進行とともに徐々に分解された。こ
れは−78℃において小さい効果であったが、m−TMIの
高い転化率のためには触媒比が>約2%であることを必
要とした。より高い温度において、反応は触媒の損失に
より制限された。
(2)−78℃においてポリマーの分子量は触媒の濃度に
対して不感受性であった。
(3)より高い温度において、より低分子量のポリマー
が生成した。
(4)触媒レベルが約3%であったとき、反応は−78℃
において5〜15分で完結した。
実施例V m−TMIをSnCl4/CH2Cl2に−78℃において連続的に添加
したとき、触媒触媒およびモノマーの公称濃度を変化さ
せることによりポリマーの分子量は影響を受けるかもし
れないので、それを監視した実験を表IIIに要約する。
反応混合物のアリコートを取り出し、過剰のピリジン/C
H2Cl2への添加によりクェンチングし、引き続いてゲル
透過クロマトグラフィーにより検査した。残留m−TMI
についての最終試料(151分)の分析は、転化が93%完
結したことを示した。このことにより、重合は約1.5%
以上の触媒レベルにおいてほとんど即時であり、かつ−
78℃において触媒活性が損失されると、重合はほとんど
起こらないことを示す。実験A〜Fの6種類の生成物試
料のGPC分析結果は、事実上区別不可能であった:20,000
より小さい分子量のポリマーは明白でなく、そしてピー
ク分子量は50,000であった。こうして、分子量は触媒
比、合計のTMI濃度、または予備形成したポリマーの存
在により有意に影響を受けるように思われなかった。
実施例VI SnCl4触媒(CH2Cl2中)をm−TMI/CH2Cl2溶液に数種類
の温度において連続的に添加した1系列の実験の結果を
表IV中に示す。結果は、より高い温度において低分子量
に向う傾向および約−25℃における触媒活性の急速な損
失を示す。20分の反応時間における反応混合物#1.6
%)は、m−TMIがすでに95.5%だけ転化されたことを
示した。
実施例VII 実施例VIに記載する実験#178−DおよびFとそれ以外
は同一である実験において、ピリジンによる触媒のクェ
ンチングを省略して、触媒が−25℃〜−50℃において排
除されたイソシアン酸により完全に失活されるかどうか
を決定した。これは起らず、そして両者の場合におい
て、初め流動性であった反応混合物は自然に室温に加温
された後短時間でケル化し、−50℃の生成物は非常に急
速にゲル化した。この結果は反応温度において過剰のピ
リジン添加することにより防止された。これらの重合に
おいて生成された分子量において、架橋を生成するため
にはほんのわずかの量のイソシアン酸の排除が必要であ
るだけである。2.7モル%を用いる他の実験において、
m−DIPEBをm−TMIへ添加すると、−78℃における重合
は瞬時のゲル化を生じた。
実施例VIII 塩化第二スズは高い活性をもち、取り扱いが容易であ
り、かつピリジンで中和して分離容易なピリジン錯体を
形成するので、高度に望ましい触媒であると考えられ
る。しかしながら、7種類の他の触媒を評価した。四塩
化チタンはほぼ同等に効率がよく、そしてイソシアン酸
をより少なく排除しかつ−25℃において高い転化率を生
ずるように思われた。しかしながら、ピリジンのクェン
チングは効果的であるが、ポリマーから触媒残留物を除
去する方法は発見されなかった。ポリマーからの遅い曇
りの分離(TiO2?)は無限に続いた。Et2AlClもCH2Cl2
において有効な触媒(−50℃〜−78℃)であるが、引き
続く曇りの分離はTiCl4を用いるときに非常に類似し
た。三塩化ホウ素はCH2Cl2中で−30℃および4.3モル%
の触媒レベルにおいて15分間でm−TMIの約78gの転化率
を与えた。これらの最後の2種類の触媒は、後述するよ
うに、“INIFER"技術の重合の可能性に関連して特に興
味があった。
実施例IX 最近ジェイ・ディ・ケネディーらにより開発されたイニ
シエイション・トランスファー技術(J.D.Kennedy et
alb,INITIATION−TRANSFER(“INIFER"tequneque)
は、カチオン重合を実施して調節された分子量のポリマ
ーを得る方法を提供する。6〜15単位のオリゴマーから
ポリマーまでのm−TMIポリマーの製造に適用すると
き、塩化第三ベンジル化合物をカルボニウムイオン源と
して、同時に塩素イオンを成長しているポリマーのカル
ボニウムイオンへ移動する連鎖移動剤として使用して、
停止と同時に新しい開始剤を発生させる。この反応は次
のように示される: m−TMIを用いる上の技術は、生成物の塩素末端ポリマ
ーが新しいイニファー(inifer)であるという点におい
て複雑である。結局、停止は可逆的であり、かつ広い統
計学的な分子量分布が生ずる傾向がある。
理想的には、金属塩化物、MCln、は付随する微量の湿気
に対して不感受性であり(偏在する助触媒の実際的にす
べての普通のルイス酸を触媒とする方法)かつイニファ
ーに対してのみ感受性であるものである。こうして、触
媒はそれ自体m−TMIの重合を開始すべきではない。
TMIの重合におけるイニファーとして、BCl3、Et2AlCl、
α−クロロクメン、1−(1−クロロ−1−メチルエチ
ル)−4−(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベ
ンゼン[以後p−TMXICと表示する]、m−TMXIC、およ
びメタ−およびパラ−ビス(1−クロロ−1−メチルエ
チル)ベンゼン[以後、それぞれ、m−TMXDCおよびp
−TMXDCと表示する]の効能を決定するため、1系列の
実験を実施した。
SnCl4触媒反応についての表IVに要約した実験に匹敵す
る実験において、Et2AlCl(ヘキサン中1.0モルの溶液、
4〜5モル%)を−55℃および−78℃においてm−TMXD
C(8.4モル%)の存在下または不存在下にCH2Cl2溶液へ
急速に添加した。m−TMIの転化はすべての場合におい
て実質的に完全であった。m−TMXDCを用いて得られた
生成物の粘度は、変性剤の不存在下の粘度より低くない
が、非常に高かった。
−30℃においてイニファーとしてα−クロロクメンの存
在下または不存在下にm−TMIを使用して、BCl3の触媒
反応を用いた(CH2Cl2中の1.0のモルの溶液を使用し
た、4モル%)。転化率はイニファーのレベル(m−TM
Iに基づいて0、5.5、10.9または17.6モル%)に無関係
に76〜78%で完結し、そしてすべての生成物は実質的に
同一であるように思われた。
Et2AlClおよびBCl3の非理想的挙動と対照的に、SnCl4
使用すると、再現性がありかつ合理的に調節可能である
分子量が得られた。m−TMXDCをイニファー中に使用す
る実験を表V中に要約する。これらの試験において、反
応温度において窒素のもとにm−TMI/m−TMXDC/CH2Cl2
溶液へシリンジにより触媒を急速に(70〜90秒)添加し
た。反応を過剰のピリジンの注入によりクェンチング
し、引き続いてスズ−ピリジン錯体を濾過し、そして
(部分的に)ピリジン塩酸塩の結晶化した後、生成物を
分析した。
この方法においてm−TMXDCを使用したとき、平均分子
量は著しく減少した(表IV参照)。
この効果は連鎖移動剤の使用量から期待されるものより
も有意に低いが、多分イニファーの開始の寄与が増加す
るにつれて、より高い温度において増加する。m−TMI
の転化率はm−TMXDCを存在させると高くなった。この
ことにより正味の重合速度はイソシアン酸の排除および
触媒の失活に関して増加したことを示す。
m−TMXDCを使用したいくつかの小規模の実験からの合
わせたポリマー溶液から、ほぼ30gのポリマーのイソシ
アネートが単離された。CH2Cl2溶液を蒸発させ、そして
残留物をトルエン中に溶解し、90℃に2時間加熱して、
なお存在する過剰のピリジンにより残留する塩化第三ベ
ンジル類の脱塩化水素化を促進した。次いでトルエン溶
液を不溶性ピリジン塩酸塩から濾過し、再蒸発させる
と、ガラス状の泡が残った。分析は、3.74meq/gのRNCO
および0.05ミリモル/gより少量の不飽和を示した。驚く
べきことには、残留塩化物は0.14meq/gの量であった。
これらの調製において使用したTMXDCはほぼ0.5meqの塩
化物/gの合計のモノマーに等しく、もとの塩化物の約28
%が例外的に安定な条件においてポリマー中に残留し
た。さらに、生成物中の不飽和の欠乏(臭素化分析およ
びNMRの両者により示された)は、出発塩化物の他の72
%の非常にほんのわずかがピリジンの処理により第三塩
化物から排除されたことを示した。この塩化物は多分反
応混合物中に塩化カルバミルとして存在したものであ
り、後者はピリジンによりイソシアネートに再転化され
た。塩化第三ベンジルは、次にようにして、第三イソシ
アネートと平衡しているのであろう: 分子量のそれ以上の減少は、一官能性塩化物の使用によ
り達成された。α−クロロクメン(cc)およびm−TMXI
Cを用いる実験を下表VIに要約する。
実施例X 第1図に示す型の連続型反応室装置に用いてTMIの連続
的重合を実施した。この実験において、反応室1をステ
ンレス鋼製の浴中のオーバーフローの液面よりもかなり
上まで浸漬し、クェンチング室(第2反応ゾーン)内の
磁気撹拌機を作動させた。TMI供給溶液を目盛りを付し
たか溜から小型FMIポンプにより送り、触媒およびピリ
ジンのクェンチング溶液をシリンジポンプにより供給し
た。他のFMIポンプを使用して生成物溶液を導管15を経
て目盛りを付した溜へ、クェンチング室内の液面を約57
ccにおよび反応室(第1反応ゾーン)のオーバーフロー
の体積をほぼ一定に保持するように調節された速度で抜
き出した。両者に室ならびに供給物および受器の溜をシ
リンジ管路により、ほぼ大気圧よりわずかに上に保持さ
れた共通の乾燥窒素マニホールド[ファイヤーストーン
(Firestone)弁を含有する]へ接続した。シリンジの
供給管路はポリエチレン管であり、そして大部分の流れ
管路はガラスおよびヴィトン(VITON)管であった。
ピリジンをCH2Cl2中の1:1溶液として供給して、入口管
(クェンチング供給管路5)における凍結を防止した。
手順 空の反応器(第1反応ゾーン6)を初めに窒素でフラッ
シングし、ドライアイス/アセトンで所望の反応温度
(たとえば、約−40℃)に冷却した。TMI溶液を反応室
にそのほぼ半分を満たすように供給した。次いでモノマ
ーの供給を停止し、所望の内部温度が確立された後、触
媒溶液を等しい時間の間定常状態の流速で導入した。次
いでTMIの供給を再開し、同時に反応成分を供給した。
反応器からのオーバーフローが始まるにつれて、クェン
チング室へのピリジンの供給を開始した。反応器内容物
をクェンチング室へ集め、出口ポンプを始動し、そして
流れを反応系への合計の送入量と合致させ、かつ定常状
態の運転を維持した。
供給溜からのTMI供給が使用し尽くされたとき、この系
を3つの反応器体積のCH2Cl2でフラッシングし、触媒お
よびクェンチング剤の流れを続けた。次いですべての供
給ポンプを停止させ、クェンチング室を排出させた。生
成物溶液は室温で静置すると曇るようになり、白色スラ
ッジを析出した。合計の混合物から溶媒をストリッピン
グし、そして残留物を再希釈した。α−クロロクメンを
使用した場合、塩化物の除去のとき90〜110℃に加熱し
て濾過を促進した。次いで濾過したポリマー溶液は、蒸
発させるかあるいはそのまま使用することができた。
ポリマーの製造 例示的実施例を下表VIIに要約する。一般に、小さいバ
ッチの実験において確立された効果は連続の実施におい
て定性的に再び立証されたが、連続的重合実験において
定常状態の反応器の濃度は実質的にバッチ反応の終りの
時の濃度であり、それゆえ転化は比較的遅かった。一定
の反応条件のため、連続的重合技術は比較的狭い分子量
範囲を生成する可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を実施してTMIの芳香族溶媒可
溶性の線状オリゴマーまたはホモポリマーを生成するた
めに適当な連続的重合反応/中和系を示す。 図中、1……反応室、2……モノマー供給導管、5……
クエンチング供給管路、6……第1反応ゾーン、7……
第2反応ゾーン、8……移送導管、9……オーバーフロ
ー入口、10……戻り導管、12……撹拌手段、15……生成
物管路。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)塩化メチレン、トルエンおよびそれ
    らの混合物から成る群より選ばれた溶媒中のメタ−また
    はパラ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイ
    ソシアネートを、−80℃〜10℃の温度において、ブレン
    ステッド酸およびルイス酸から成る群より選ばれた重合
    触媒の触媒的有効量の存在下に溶液重合し、そして (b)前記重合触媒を−80℃〜10℃の温度において中和
    し、これによりイソシアン酸の実質的な形成を防止す
    る、 ことを特徴とするメタ−またはパラ−イソプロペニル−
    α,α−ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマ−
    またはホモポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】前記重合触媒が無水p−トルエンスルホン
    酸であり、工程(a)における前記温度が−25℃〜0℃
    であり、そして工程(b)における前記温度が−25℃〜
    5℃であるオリゴマーを製造する特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】工程(a)からの重合溶液を中性のアルミ
    ナと接触させることにより、前記触媒を中和する特許請
    求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】工程(a)からの重合溶液にピリジンを添
    加することにより、前記触媒を中和する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(a)における重合を塩化第三ベンジ
    ル化合物の存在下に実施する、ピーク分子量が2,000〜1
    2,000の範囲にあるホモポリマーを製造する特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】塩化第三ベンジル化合物がα−クロロクメ
    ンである特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】塩化第三ベンジル化合物が二塩化テトラメ
    チルキシリレンである特許請求の範囲第5項記載の方
    法。
  8. 【請求項8】(a)塩化メチレン及びメタ−またはパラ
    −イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシア
    ネートからなる第1溶液は第1反応ゾーンに通過させ、 (b)工程(a)と同時に、塩化メチレン及び有効量の
    塩化第二スズからなる第2溶液を前記第1反応ゾーンに
    通入して、その内部で前記第1溶液と共に、ある反応体
    積を有する反応混合物を形成し、 (c)前記反応混合物を混合条件下に前記第1反応ゾー
    ンにおいて−80℃〜−25℃の温度に十分な時間維持し
    て、その中で前記メタ−またはパラ−イソプロペニル−
    α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを前もって決
    定した程度まで重合させ、 (d)重合した反応混合物の溶液を前記第1反応ゾーン
    から第2反応ゾーンへ通し、 (e)工程(d)と同時に、前記第2反応ゾーンへ、塩
    化メチレン及び前記塩化第二スズをピリジンとの錯化に
    より中和するのに十分な濃度のピリジンからなる第3溶
    液を、前記塩化第二スズをピリジンとの錯化により中和
    するのに十分な流速で通し、 (f)中和されたホモポリマー含有溶液を前記第2反応
    ゾーンから排出し、そして (g)前記排出したホモポリマー含有溶液からメタ−ま
    たはパラ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル
    イソシアネートのホモポリマーを回収する、 ことからなる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】平均分子量が4,000〜12,000であり且つ実
    質的に架橋していない、メタ−またはパラ−イソプロペ
    ニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートの芳香
    族溶媒可溶性で線状のオリゴマーまたはホモポリマー。
JP59112152A 1983-06-01 1984-05-31 メタ―またはパラ―イソプロペニル―α,α―ジメチルベンジルイソシアネートのオリゴマーおよびホモポリマー並びにその製造方法 Expired - Lifetime JPH07116259B2 (ja)

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