JPH07116221B2 - ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法 - Google Patents

ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法

Info

Publication number
JPH07116221B2
JPH07116221B2 JP62214479A JP21447987A JPH07116221B2 JP H07116221 B2 JPH07116221 B2 JP H07116221B2 JP 62214479 A JP62214479 A JP 62214479A JP 21447987 A JP21447987 A JP 21447987A JP H07116221 B2 JPH07116221 B2 JP H07116221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
oxo
ursodeoxycholic
lower alkyl
alkyl ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62214479A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6461496A (en
Inventor
直宏 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP62214479A priority Critical patent/JPH07116221B2/ja
Publication of JPS6461496A publication Critical patent/JPS6461496A/ja
Publication of JPH07116221B2 publication Critical patent/JPH07116221B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、利胆剤として有用なウルソデオキシコール酸
の製造方法に関するものであり、詳しくは、コール酸を
出発原料として用い、ケノデオキシコール酸を経由しな
いウルソデオキシコール酸の製造方法に関するものであ
る。
〔従来技術及びその問題点〕
ウルソデオキシコール酸は、ステロイド環の3α及び7
βの位置に水酸基を有する胆汁酸の一つである。
ウルソデオキシコール酸は、従前から利胆剤として多用
されており、胆石溶解作用を有することから胆石の可溶
化剤として、血中のコレステロールの低下のため、血糖
の低下のため、利尿剤として、また、脂質代謝の促進剤
として利用されている。ところで、ウルソデオキシコー
ル酸は、天然には熊の胆汁中に存在することが知られて
いるが、自然界中の存在量は微少であるため、現在では
主として化学的合成により製造されている。
従来の最も一般的な方法は、(1)コール酸(3α,7
α,12α−トリヒドロキシコラン酸)をメチルエステル
とする工程、(2)無水酢酸を用いて3α及び7α位の
水酸基をアセチル化することにより保護する工程、
(3)12α位の水酸基をクロム酸により酸化してカルボ
ニルとする工程、(4)加水分解して12−オキソケノデ
オキシコール酸(3α,7α−ジヒドロキシ−12−オキソ
コラン酸)とする工程、(5)12位のカルボニルを還元
してケノデオキシコール酸(3α,7α−ジヒドロキシコ
ラン酸)を得る工程、(6)ケノデオキシコール酸の7
α位の水酸基を酸化してカルボニルとし、3α−ヒドロ
キシ−7−オキソコラン酸を得る工程、(7)アルコー
ル中で金属ナトリウムで還元することによってウルソデ
オキシコール酸(3α,7α−ジヒドロキシコラン酸)を
得る工程、から成るものであった。
上記のように、従来の方法では、先ずケノデオキシコー
ル酸を製造し、これの7α位の水酸基を酸化・還元する
ことによって7βの水酸基へと反転させてウルソデオキ
シコール酸を製造するものであった。しかしながら、上
記の従来の方法では、原料であるコール酸の7α及び12
α位の水酸基のアシル化に対する反応性に差異が少ない
ため、3α及び7α位の水酸基のみをアセチル化するこ
とは困難であった。従って、重要な中間体であるケノデ
オキシコール酸を高収率で得ることができないので、コ
ール酸からのウルソデオキシコール酸の収率は低いもの
でしかなかった。また、3α−ヒドロキシ−7−オキソ
コラン酸のアルコール中、金属ナトリウムによる還元で
は、目的とするウルソデオキシコール酸の純度は、特開
昭52-7950号公報に記載されたように、約80%程度であ
り、最高でも82%でしかなく、得られるウルソデオキシ
コール酸の純度の低い欠点もあった。
このため、保護基としてプロピオニル基を導入すること
によって比較的高収率でケノデオキシコール酸を製造す
る方法(特開昭49-88856号公報)が提案されたが、アシ
ル化剤として用いられる無水プロピオン酸は高価であ
り、実用的なものではなかった。
また、特開昭52-7950号公報、同52-78862号公報、同52-
78863号公報、同52-78864号公報、同57-56497号公報、
同52-56498号公報、同52-56499号公報、同58-201799号
公報及び同62-181295号公報には、ケノデオキシコール
酸の酸化により得られる3α−ヒドロキシ−7−オキソ
コラン酸を還元する際に、種々の操作を加えることによ
り比較的高純度のウルソデオキシコール酸を得る方法が
記載されているが、これらの公報に記載の方法は、ケノ
デオキシコール酸からウルソデオキシコール酸の収率は
改善されるものの、中間体としてケノデオキシコール酸
を経由するため、原料として用いるコール酸からのウル
ソデオキシコール酸の収率が低いという欠点を解消する
ものではなかった。
また、特開昭57-9799号公報には、中間体として、コー
ル酸から得られる3α,7α−ジヒドロキシ−11−コレイ
ン酸を用いてウルソデオキシコール酸を製造する方法が
記載されているが、この化合物を得るためにもコール酸
の3α及び7α位の水酸基のみを保護した後12α位の水
酸基を脱水する必要があり、ケノデオキシコール酸を製
造する場合と同様に収率が低い問題を解決することはで
きなかった。
〔発明の目的〕
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、その
目的は、原料としてコール酸からほとんど定量的に得ら
れる3α位の水酸基のみが保護されたコール酸の低級ア
ルキルエステルを用い、高収率でしかも高純度のウルソ
デオキシコール酸を製造し得る製造方法をを提供するこ
とである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、コール酸の三つの水酸基の反応性について
検討を重ねた結果、コール酸の3α位の水酸基はアシル
化に対し反応性が大きく、3α位の水酸基のみを保護す
ることは容易であること、7α位の水酸基は酸化に対し
て反応性が大きく、12α位の水酸基を残したままで酸化
してオキソ基とすることができること、また、12α位の
水酸基は有機スルホン酸エステルとした後、加熱下に有
機アミン化合物で処理することにより、Δ11結合として
容易に除去できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、
中間体としてケノデオキシコール酸を経由せずに、コー
ル酸からウルソデオキシコール酸を高収率で製造できる
ことを見出したものである。
即ち、本発明は、ウルソデオキシコール酸を製造するに
あたり、 (1) 3位の水酸基の保護されたコール酸の低級アル
キルエステル(3α−R−オキシ−7α,12α−ジヒド
ロキシコラン酸低級アルキルエステル:Rは保護基を示
す)を酸化して3α−R−オキシ−7−オキソ−12α−
ヒドロキシコラン酸低級アルキルエステルを生成せしめ
る工程、 (2) 工程(1)で得られた3α−R−オキシ−7−
オキソ−12α−ヒドロキシコラン酸低級アルキルエステ
ルを有機スルホン酸エスエル化することにより、3α−
R−オキシ−7−オキソ−12α−有機スルホニルオキシ
コラン酸低級アルキルエステルを生成せしめる工程、 (3) 工程(2)で得られた3α−R−オキシ−7−
オキソ−12α−有機スルホニルオキシコラン酸低級アル
キルエステルを加熱下に有機アミン化合物で処理し、3
α−R−オキシ−7−オキソ−11−コレイン酸低級アル
キルエステルを生成せしめ、得られた3α−R−オキシ
−7−オキソ−11−コレイン酸低級アルキルエステルを
加水分解して3α−ヒドロキシ−7−オキソ−11−コレ
イン酸を生成せしめる工程、 (4) 工程(3)で得られた3α−ヒドロキシ−7−
オキソ−11−コレイン酸を選択的に還元して3α,7β−
ジヒドロキシ−11−コレイン酸とし、次いで水素添加す
ることによりウルソデオキシコール酸(3α,7β−ジヒ
ドロキシコラン酸)を生成せしめる工程、 から成る、ウルソデオキシコール酸の製造方法を提供す
るものである。
以下、上記要旨をもってなる本発明について詳述する。
上記工程(1)において用いられる、3位の水酸基の保
護されたコール酸の低級アルキルエステルにおいて、3
位の保護基としては、引続き行われる酸化、スルホン酸
エステル化及び有機アミンによる処理に不活性であり、
加水分解により脱離可能なものであれば特に制限を受け
ないが、このような保護基として好ましいものとして
は、アルコキシカルボニル基及びアリーロキシカルボニ
ル基のような炭酸モノエステルの残基またはアシル基が
あげられる。
保護基としての炭酸モノエステルの残基におけるアルコ
キシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ブトキシ、オクトキシ等があげられ、ア
リーロキシ基としては、フェノキシ、メチルフェノキ
シ、ブチルフェノキシ等があげられ、また、アシル基と
しては、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、オクタ
ノイル、ベンゾイル、スクシノイル等があげられる。
これらの保護基を有する化合物は既知の化合物であり、
周知の一般的な方法で製造することができる。例えば、
コール酸をメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール等の低級アルコールでエス
テル化した後、クロロギ酸エステルと反応させることに
より保護基として炭酸モノエステルの残基を有する化合
物が得られ、また、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
コハク酸等の酸無水物または酢酸クロライド、プロピオ
ン酸クロライド等のカルボン酸ハライドと反応させるこ
とにより容易に、かつ定量的に製造することができる。
工程(1)においては、3α位の水酸基の保護されたコ
ール酸低級アルキルエステルを酸化し、7α位の水酸基
をオキソ基へと酸化するのであるが、酸化は従来公知の
方法を用いて行うことができる。例えば、酢酸等の低級
脂肪酸中で次亜塩素酸ナトリウムのアルカリ水溶液で酸
化させる方法、酢酸アルカリ金属塩の存在下に次亜塩素
酸ナトリウムのアルカリ水溶液で酸化させる方法、重炭
酸ナトリウム水溶液中で臭素を用いて酸化させる方法、
水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、臭素化ナトリウ
ムの混合水溶液中で塩素ガスにより酸化させる方法等が
適用できるが、特に、水、低級アルコール、アセトニト
リル等の有機ニトリル、ジクロロエタン等のハロゲン化
炭化水素等の反応に不活性な溶媒中でセリウム化合物の
存在下に臭素酸ナトリウム等のハロゲン酸素酸のアルカ
リ金属塩で酸化させる方法が好ましい。
酸化剤の使用量は、当量以上であれば特に制限を受けな
いが、一般には当量ないし2倍当量までが使用される。
また、反応は0℃〜溶媒の沸点までの範囲から任意に選
択することができる。
工程(2)においては、工程(1)で得られた3α−R
−オキシ−7−オキソ−12α−ヒドロキシコラン酸低級
アルキルエステルを有機スルホン酸の反応性誘導体によ
り12α位の水酸基をエステル化する。ここで用いられる
有機スルホン酸の反応性誘導体としては、メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸
のハライドがあげられる。有機スルホン酸の反応性誘導
体の使用量は当量以上であれば特に制限を受けないが、
一般には当量ないし2倍当量までが使用される。
工程(2)の反応は、ピリジン等の受酸剤の存在下に行
うことが好ましく、また、反応は室温ないし約100℃の
範囲で行われる。
工程(3)においては、工程(2)で得られた3α−R
−オキシ−7−オキソ−12α−有機スルホニルオキシコ
ラン酸低級アルキルエステルを加熱下に有機アミン化合
物で処理して3α−R−オキシ−7−オキソ−11−コレ
イン酸低級アルキルエステルとする。工程(3)で用い
られる有機アミン化合物としては、窒素原子に結合する
水素原子を有しない第3級アミン化合物または、複素環
式アミン化合物が用いられる。該有機アミン化合物とし
ては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
トリオクチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドデ
シルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールア
ミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、N,N−ジブチルアニリン、ジメチルベンジルアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,
N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,
N,N′,N′,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、
N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エ
チルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、1,5−ジ
アザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7、ピリジン、2−メチルピ
リジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2
−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピ
チジン、2−プロピルピリジン、4−プロピルピリジ
ン、4−ブチルピリジン、4−イソブチルピリジン、2,
6−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、2,4,6
−トリメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、
ピリミジン、2−メチルピリミジン、ピラジン、2−メ
チルピラジン、2,5−ジメチルピラジン等があげられ
る。
反応は加熱下に行われるが、反応温度は100℃以上、好
ましくは150℃〜300℃で行われる。また、反応は上記ア
ミン中で行うことが好ましく、用いるアミンの沸点が上
記温度よりも低い場合は加圧することによって、上記温
度範囲で反応を行うことができる。
さらに、工程(3)では、得られた3α−R−オキシ−
7−オキソ−11−コレイン酸低級アルキルエステルを加
水分解することによって3α−ヒドロキシ−7−オキソ
−11−コレイン酸を生成させる。加水分解は一般に周知
の方法、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の塩基の水溶液を用いて行うことができる。
工程(3)においては、3α−R−オキシ−7−オキソ
−11−コレイン酸低級アルキルエステルを精製する必要
はなく、そのまま加水分解することにより、ほとんど定
量的に3α−ヒドロキシ−7−オキソ−11−コレイン酸
を得ることができる。
工程(4)では、工程(3)で得られた3α−ヒドロキ
シ−7−オキソ−11−コレイン酸を選択的に還元して3
α,7β−ジヒドロキシ−11−コレイン酸とし、次いで水
素添加することにより、目的のウルソデオキシコール酸
を生成せしめる。
7位のオキソ基の7β−ヒドロキシ基への還元は周知の
方法により行うことができる。例えば、常圧乃至加圧下
に、必要により塩化ニッケル、塩化銀、酸化白金等の触
媒またはアルカリ金属アルコキサイド、有機酸塩の存在
下に、低級アルコール中で金属ナトリウムのようなアル
カリ金属を用いて還元する方法、アルカリ金属を溶解す
る溶媒中でプロトン供与体の存在下にアルカリ金属を用
いて還元する方法、塩基の存在下にニッケル化合物を触
媒として水素供与体により還元する方法等が使用でき
る。特に炭素原子数1〜5の低級アルコール中で、場合
によりアルカリ金属アルコキサイド、有機酸塩の存在下
に、金属ナトリウムを用いて還元する方法が操作も容易
であり、また、高収率で目的のウルソデオキシコール酸
が得られるので好ましい。
Δ11結合への水素添加はラネーニッケル、パラジウム−
カーボン等の周知の水素添加触媒の存在下に、常圧〜加
圧下に水素を用いて行うことができる。
本発明の方法で得られる3α−ヒドロキシ−7−オキソ
−11−コレイン酸を、低級アルコール中で金属ナトリウ
ムを用いて還元した後水素添加することにより製造され
るウルソデオキシコール酸は、約90%の純度を有してお
り、従来の方法である3α−ヒドロキシ−7−オキソコ
ール酸の低級アルコール中での金属ナトリウムによる還
元では約80%の純度のものしか得られないことと比較す
ると、その純度が著しく改善されていることが明らかで
ある。本発明の方法による場合に高純度のウルソデオキ
シコール酸が得られる理由は明らかではないが、Δ11
合を有することによりその立体配置が変化したためであ
ると推定される。
また、上記の方法で得られるウルソデオキシコール酸は
不純物としてケノデオキシコール酸を含有するものであ
るが、不純物として含有されるケノデオキシコール酸は
胆汁中に含まれる化合物であり、一般にはこれ以上高純
度とする必要性は小さくこのまま使用することができ
る。しかし、より高純度のウルソデオキシコール酸が必
要であれば、低級アルコール中での金属ナトリウムによ
る還元の際にアルカリ金属アルコキサイドまたは有機酸
塩を共存させることにより高純度のウルソデオキシコー
ル酸を得ることもできるし、または、粗ウルソデオキシ
コール酸に従来公知の精製法を適用することにより、容
易に高純度のものを得ることもできる。
還元の際に共存させるアルカリ金属アルコキサイドまた
は有機酸塩としては、ナトリウム、カリウム、セシウ
ム、ルビジウムのメトキサイド、エトキサイド、イソプ
ロポキサイド、t−ブトキサイド、酢酸塩、プロピオン
酸塩等があげられ、特にカリウム化合物が好ましい。
粗ウルソデオキシコール酸の精製法としては、例えば、
上記の混合物をメチルエステル化した後再結晶する方
法、シリルエステルとした後分離する方法等の不純物を
分離精製する方法あるいは不純物のケノデオキシコール
酸をウルソデオキシコール酸に変換させる方法を用いる
ことができるが、不純物のケノデオキシコール酸を分離
精製する方法は原料コール酸からのウルソデオキシコー
ル酸の収率が低下することとなるので、ケノデオキシコ
ール酸をウルソデオキシコール酸に変換させる方法を採
用することが好ましい。
水酸基を有するコラン酸類の3α位、7α位及び7β位
の水酸基を比較すると、3α位及び7β位の水酸基と比
較して7α位の水酸基の酸化される速度が著しく速く、
この反応性の差異は混合物においても同様であり、7α
位の水酸基のみを選択的に酸化してオキソ基とすること
ができることが知られている。
本発明者は、上記知見に基づきウルソデオキシコール酸
の純度を高める方法について検討を重ねた結果、3α−
ヒドロキシ−7−オキソ−11−コレイン酸を低級アルコ
ール中で金属ナトリウムを用いて還元することにより得
られる、不純物として3α,7α−ジヒドロキシ−11−コ
レイン酸を含有する粗3α,7β−ジヒドロキシ−11−コ
レイン酸またはこれを水素添加することにより得られる
不純物としてケノデオキシコール酸を含有する粗ウルソ
デオキシコール酸を酸化することによって、不純物の3
α,7α−ジヒドロキシ−11−コレイン酸またはケノデオ
キシコール酸のみを3α−ヒドロキシ−7−オキソ−11
−コレイン酸または3α−ヒドロキシ−7−オキソコラ
ン酸とすることができ、これを選択的に還元することに
よって、不純物を目的の3α,7β−ジヒドロキシ−11−
コレイン酸またはウルソデオキシコール酸へと転換でき
ることを見出した。
この方法によれば、最終的に得られるウルソデオキシコ
ール酸中の不純物であるケノデオキシコール酸の含有量
を著しく低減することができるばかりか、不純物を目的
のウルソデオキシコール酸へと転換させるので、原料コ
ール酸からウルソデオキシコール酸への収率が向上する
こととなる。
従って、本発明の方法で得られるウルソデオキシコール
酸の純度を向上させる必要のある場合は、還元を行う際
にアルカリ金属アルコキサイドまたは有機酸塩を共存さ
せるか、あるいは、中間体の粗3α,7β−ジヒドロキシ
−11−コレイン酸を酸化した後還元して精製3α,7β−
ジヒドロキシ−11−コレイン酸とし、これを水素添加す
るか、または、粗ウルソデオキシコール酸を酸化した後
還元して精製ウルソデオキシコール酸を得る方法の何れ
かまたは両方を適用することが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例−1 ウルソデオキシコール酸の製造 工程(1):3α−エトキシカルボニルオキシ−7−オキ
ソ−12α−ヒドロキシコラン酸メチルエステルの合成 アセトニトリル/二塩化エタン/水=2/1/1の混合溶媒3
lに、3α−エトキシカルボニルオキシ−7α,12α−ジ
ヒドロキシコラン酸メチルエステル198g(0.4モル)を
溶解させた後、臭素酸ナトリウム22g及び硝酸第二セリ
ウムアンモニウム4.4gを加えた。撹拌しながら昇温する
と、約65℃で反応液は黄色に着色し始め、更に昇温し、
71〜72℃の還流下に50分間撹拌すると反応液は消色し
た。冷却後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液100mlを加
えて撹拌した後静置して、分離した水層を除去した。
有機層にトルエン2lを加え、水洗後、乾燥した。脱溶媒
して、融点159〜162℃の生成物194g(収率98.5%)を得
た。
この生成物は、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサ
エティー72巻5530頁(1950年)に記載の方法で合成した
標品と赤外線吸収スペクトルが一致し、目的の3α−エ
トキシカルボニルオキシ−7−オキソ−12α−ヒドロキ
シコラン酸メチルエステルであることを確認した。
工程(2):3α−エトキシカルボニルオキシ−7−オキ
ソ−12α−メタンスルホニルオキシコラン酸メチルエス
テルの合成 工程(1)で得た3α−エトキシカルボニルオキシ−7
−オキソ−12α−ヒドロキシコラン酸メチルエステル14
8g(0.3モル)をピリジン1に溶解し、撹拌しながら
室温でメタンスルホニルクロライド45gを一度に加え、
その後80℃で3時間撹拌した。
冷却後、トルエン1.5lを加え、水0.5lで2回洗浄した。
さらに、10%塩酸水溶液0.5lで2回洗浄した後、水洗、
乾燥した。溶媒を留去して162gの粗生成物を得、これを
イソプロパノールから再結晶して、薄層クロマトグラフ
ィーで単一スポット(展開溶媒:トルエン/アセトン=
8/2、Rf値=0.34)を与える融点153.5〜155℃の精製物1
45g(収率85%)を得た。
得られた精製物は下記の赤外線吸収スペクトル及びプロ
トンNMRスペクトルを与え、目的物であることを確認し
た。
・赤外線吸収スペクトル νc=0:1740cm-1(エステルカルボニル) νc=0:1725cm-1(エステルカルボニル) νc=0:1710cm-1(ケトカルボニル) νc-0:1710cm-1 νs02:1340cm-1、1170cm-1 ・プロトンNMRスペクトル 3.05ppm(s,3H) 3.60ppm(s,3H) 3.9〜4.3ppm(q,2H) 工程(3):3α−ヒドロキシ−7−オキソ−11−コレイ
ン酸の合成 工程(2)で得られた3α−エトキシカルボニルオキシ
−7−オキソ−12α−メタンスルホニルオキシコラン酸
メチルエステル125g(0.219モル)及びN,N−ジメチルア
ニリン600gをとり、180℃で、窒素気流下に2時間加熱
撹拌した。
冷却後、トルエン1を加えて水洗した。その後、水/
塩酸=1/1の混合溶液で洗浄して、アミンを除去した。
水洗後乾燥し、溶媒を留去して高粘稠液体の生成物を得
た。
この生成物にエタノール600mlを加えて均一溶液とし、
ここに10%水酸化ナトリウム水溶液300mlを滴下した。
室温で3時間撹拌し、析出した沈澱物をろ過して除い
た。ろ液に5%塩酸水溶液を加えて酸性とした。生成し
た沈澱をろ過し、水洗後乾燥して、融点219〜222℃の目
的物を定量的に得た。
得られた生成物は下記の赤外線吸収スペクトルを与え、
また、中和価も目的物と一致し、目的物であることを確
認した。
・赤外線吸収スペクトル νc=0:1720cm-1(ケトカルボニル) νc=0:1700cm-1(カルボキシカルボニル) また、原料にあったエステルカルボニル、C−O結合及
びSO2に基づく吸収は消失した。
・中和価 計算値:144.4、測定値:145.1 工程(4):ウルソデオキシコール酸の合成 工程(3)で得られた3α−ヒドロキシ−7−オキソ−
11−コレイン酸78g(0.2モル)をn−ブタノール800ml
に溶解し、窒素気流下114℃に加熱した。ここに、細片
とした金属ナトリウム90gを2時間半を要して添加し
た。この間に反応液の温度は137℃まで上昇した。
冷却後、水を加えて生成したナトリウムブトキサイドを
分解し、水層を除去した。溶媒を留去した後、水3lを加
えて均一溶液とした後、10%塩酸水溶液を加えて酸性と
し、遊離酸を生成させた。酢酸エチル1を加え、遊離
酸を酢酸エチル層に抽出させた。有機層を分離した後充
分に水洗した後乾燥した。
この溶液の一部を、日本分光工業製の胆汁酸分析システ
ム(高速液体クロマトグラフィー)により分析した結
果、保持時間12.5分及び27.4分に面積比89:11の二つの
ピークを有する混合物であった。前者は3α,7β−ジヒ
ドロキシ−11−コレイン酸、後者は3α,7α−ジヒドロ
キシ−11−コレイン酸と推定された。
オートクレーブに、酢酸エチル溶液の全量及び5%パラ
ジウム−カーボン触媒5gを仕込み、水素圧5kg/cm2、室
温の条件下に5時間水素添加した。触媒をろ過して除い
た後、ろ液を脱溶媒して白色粉末76.2g(収率97%)を
得た。
この粉末を前記の胆汁酸分析システムにより分析した結
果、ウルソデオキシコール酸/ケノデオキシコール酸=
87/13の混合物であった。
従って、原料として用いた3α−エトキシカルボニルオ
キシ−7α,12α−ジヒドロキシコラン酸メチルエステ
ルからウルソデオキシコール酸の通算収率は70.7%であ
った。
実施例−2 第二ブタノール中の還元によるウルソデオキシコール酸
の製造 前記工程(4)において、還元を第二ブタノール中で行
う他は実施例−1と同様の操作により、:3α,7β−ジヒ
ドロキシ−11−コレイン酸/3α,7α−ジヒドロキシ−11
−コレイン酸=91/9の粗3α,7β−ジヒドロキシ−11−
コレイン酸を実施例−1と同様の収率で得た。
この混合物を実施例−1と同様に水素添加することによ
り、ウルソデオキシコール酸/ケノデオキシコール酸=
90/10の粗ウルソデオキシコール酸を97%の収率で得
た。
原料として用いた3α−エトキシカルボニルオキシ−7
α,12α−ジヒドロキシコラン酸メチルエステルからウ
ルソデオキシコール酸の通算収率は73.1%であった。
実施例−3 粗ウルソデオキシコール酸の精製 実施例−2で得られたウルソデオキシコール酸/ケノデ
オキシコール酸=90/10の粗ウルソデオキシコール酸20g
をメタノール250g及びリン酸2.5gの混合溶液に溶解し、
10℃以下に冷却し、ここに、有効塩素濃度10%以上の次
亜塩素酸水溶液40gを30分間を要して滴下した。滴下終
了後、同温度で2時間さらに室温で2時間撹拌し、次い
で、この反応混合物を400gの水中に加えることにより白
色の結晶を析出させた。ろ過後、水洗、乾燥して19.2g
の白色結晶を得た。
液体クロマトグラフィーによる分析の結果、この結晶は
ケノデオキシコール酸を含まず、ウルソデオキシコール
酸/3α−ヒドロキシ−7−オキソコラン酸=83/17の混
合物であった。
この生成物を第二ブタノール200gに溶解し、窒素気流
下、還流温度で細片とした金属ナトリウム9gを2.5時間
を要して添加した。冷却後、水100gを加え、アルカリを
含む水層を除去した後、溶媒を留去した。次いで、水70
0mlを加えて均一溶液とした後、10%塩酸水溶液を加え
て酸性とし、遊離酸を生成させた。ここに酢酸エチル40
0mlを加え、遊離酸を酢酸エチル層に抽出させた。有機
層を分離し、水洗、乾燥後脱溶媒して、19.1g(収率95.
5%)の白色結晶を得た。
液体クロマトグラフィーによる分析の結果、ウルソデオ
キシコール酸/ケノデオキシコール酸=97/3の混合物で
あった。
原料として用いた3α−エトキシカルボニルオキシ−7
α,12α−ジヒドロキシコラン酸メチルエステルからウ
ルソデオキシコール酸の通算収率は75.2%に改善され
た。
実施例−4 第三アミルアルコール中、酢酸カリウム存在下の還元に
よるウルソデオキシコール酸の製造 実施例−1と同様の操作により得られた3α−ヒドロキ
シ−7−オキソ−11−コレイン酸19.5gをt−アミルア
ルコール400gに溶解し、酢酸カリウム28gを添加した。
ここに、窒素気流中、還元下に細片とした金属ナトリウ
ム23gを3時間を要して添加した。
冷却後、実施例−1の工程(4)と同様の操作により処
理して、3α,7β−ジヒドロキシ−11−コレイン酸/3
α,7α−ジヒドロキシ−11−コレイン酸=98/2の3α,7
β−ジヒドロキシ−11−コレイン酸を実施例−1と同様
の収率で得た。
この混合物を実施例−1と同様に水素添加することによ
り、ウルソデオキシコール酸/ケノデオキシコール酸=
98/2のウルソデオキシコール酸18.9g(収率96%)を得
た。
原料として用いた3α−エトキシカルボニルオキシ−7
α,12α−ジヒドロキシコラン酸メチルエステルからウ
ルソデオキシコール酸の通算収率は78.7%であった。
実施例−5 3α−アセトキシ−7α,12α−ジヒドロキシコラン酸
メチルエステルからのウルソデオキシコール酸の製造 原料として、3α−アセトキシ−7α,12α−ジヒドロ
キシコラン酸メチルエステルを用いる他は実施例−2と
全く同様の操作により、ウルソデオキシコール酸/ケノ
デオキシコール酸=90/10の混合物を、原料の3α−ア
セトキシ−7α,12α−ジヒドロキシコラン酸メチルエ
ステルに対して80.4%の収率で得た。
従って、原料の3α−アセトキシ−7α,12α−ジヒド
ロキシコラン酸メチルエステルからウルソデオキシコー
ル酸の通算収率は72.3%であった。
参考例 従来技術によるウルソデオキシコール酸の製造 工程(1):3α,7α−ジアセトキシ−12α−ヒドロキシ
コラン酸メチルの合成 コール酸メチル106g(0.25モル)をベンゼン600ml及び
ピリジン150mlの混合溶液に溶解し、室温で無水酢酸75g
を30分間を要して滴下した。
滴下後、室温で更に2時間撹拌し、室温で一夜放置し
た。この反応溶液を7lの水中で注ぎ、ベンゼン1を加
えて充分に撹拌した後静置した。
水層を分離し、ベンゼン500mlを加え撹拌後静置してベ
ンゼン層を分離した。先に分離したベンゼン層を併せ、
水洗、乾燥後脱溶媒してガラス状の固体129gを得た。
この固体に石油エーテル350mlを加えて溶解させた後、
室温で一夜放置した。析出した結晶をろ過して集め、メ
タノール250gを加えて還流下に撹拌した。これを熱時に
ろ過してメタノール不溶物を除去した後5℃に冷却し、
同温度で一夜放置した。析出した結晶をろ過し、融点18
3〜186℃の目的物74gを得た。更に、ろ液を乾固した
後、水/メタノール混合溶液より再結晶して、14gの目
的物を得た。
合計収量88g(収率69.5%) 工程(2):3α,7α−ジアセトキシ−12−オキソコラン
酸メチルの合成 工程(1)で得た3α,7α−ジアセトキシ−12α−ヒド
ロキシコラン酸メチル88g(0.174モル)を酢酸250mlに
溶解し、10℃以下に冷却した。
ここに、無水クロム酸17.5gを酢酸300gに溶解した溶液
を、反応液の温度が15℃を越えないように、40分間を要
して滴下した。滴下後同温度で更に30分間撹拌し、その
後室温で4時間撹拌した。この反応液を3lの水中に注
ぎ、1時間撹拌し、析出した結晶をろ過し、水洗、乾燥
して融点176〜180℃の目的物83g(収率95%)を得た。
工程(3):ケノデオキシコール酸の合成 工程(2)で得た3α,7α−ジアセトキシ−12−オキソ
コラン酸メチル83g(0.165モル)をエチレングリコール
900mlに加え、充分に撹拌して懸濁液とした。
ここに、80%水和ヒドラジン350mlを加え、80〜90℃で
1時間半撹拌した。60℃に冷却した後、固体の水酸化カ
リウム170gを少量ずつ加え、均一溶液とした。留出物を
除きながら、190℃までゆっくりと昇温し、同温度で2
時間撹拌した。
冷却後、反応液を2.5lの水中に注ぎ、濃塩酸を加えてpH
1〜2として酸を析出させ、析出した酸をろ過し、水
洗、乾燥後融点115〜117℃の白色粉末62g(収率96%)
を得た。
液体クロマトグラフィーによって測定した純度は96.6%
(純収率92.7%)であった。
原料のコール酸メチルエステルからケノデオキシコール
酸の通算収率は61.2%であった。
工程(4):3α−ヒドロキシ−7−オキソコラン酸の合
成 工程(3)で得られたケノデオキシコール酸20.3g(0.0
5モル:純度補正)をメタノール250g及びリン酸2.5gの
混合液に溶解し、10℃以下に冷却し、有効塩素濃度10%
以上の次亜塩素酸水溶液40gを30分間を要して滴下し
た。滴下後、同温度で2時間、更に室温で2時間撹拌し
た。
これを、400gの水中にゆっくりと加えて白色の結晶を析
出させた。ろ過後、水洗、乾燥して融点207〜208℃の白
色粉末の目的物18.9g(収率97%)を得た。
液体クロマトグラフィーによって測定した純度は97%で
あった。
工程(5):ウルソデオキシコール酸の合成 工程(4)で得られた3α−ヒドロキシ−7−オキソコ
ラン酸18.9gを第二ブタノール200gに溶解し、窒素気流
下に還流温度まで昇温した。
ここに、細片とした金属ナトリウム21gを2時間半を要
して添加した。
冷却後、水100gを加えて生成したナトリウム第二ブトキ
サイドを分解し、水層を除去した。溶媒を留去した後、
水700mlを加えて均一溶液とした後、10%塩酸水溶液を
加えて酸性とし、遊離酸を析出させた。この遊離酸をろ
過後水洗、乾燥して白色の粉末18.4g(収率97%)を得
た。
液体クロマトグラフィーによる分析の結果、ウルソデオ
キシコール酸/ケノデオキシコール酸=83/17の混合物
であった。
原料のコール酸メチルエステルからウルソデオキシコー
ル酸の通算収率は47.8%であった。
〔発明の効果〕
従来の、中間体としてケノデオキシコール酸を経由する
ウルソデオキシコール酸の製造方法においては、ケノデ
オキシコール酸を製造するために原料コール酸の3α及
び7αの水酸基のみに保護基を導入することが必要であ
るが、この工程の収率が約70%と低いため、ウルソデオ
キシコール酸の通算収率が約50%程度であるのに対し、
本発明の方法では定量的に保護基を導入できる3αの水
酸基のみを保護し、ケノデオキシコール酸を経由しない
ので、ウルソデオキシコール酸の通算収率も70%以上で
あり、従来の方法と比較して著しく改善されている。
また、本発明の方法では、Δ11結合を残したまま7位の
オキソ基の還元を行うため、還元生成物中の7位の水酸
基が目的とするβ配置である化合物の選択率が向上する
という効果も得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウルソデオキシコール酸を製造するにあた
    り、 (1) 3位の水酸基の保護されたコール酸の低級アル
    キルエステル(3α−R−オキシ−7α,12α−ジヒド
    ロキシコラン酸低級アルキルエステル:Rは保護基を示
    す)を酸化して3α−R−オキシ−7−オキソ−12α−
    ヒドロキシコラン酸低級アルキルエステルを生成せしめ
    る工程、 (2) 工程(1)で得られた3α−R−オキシ−7−
    オキソ−12α−ヒドロキシコラン酸低級アルキルエステ
    ルを有機スルホン酸エステル化することにより、3α−
    R−オキシ−7−オキソ−12α−有機スルホニルオキシ
    コラン酸低級アルキルエステルを生成せしめる工程、 (3) 工程(2)で得られた3α−R−オキシ−7−
    オキソ−12α−有機スルホニルオキシコラン酸低級アル
    キルエステルを加熱下に有機アミン化合物で処理し、3
    α−R−オキシ−7−オキソ−11−コレイン酸低級アル
    キルエステルを生成せしめ、得られた3α−R−オキシ
    −7−オキソ−11−コレイン酸低級アルキルエステルを
    加水分解して3α−ヒドロキシ−7−オキソ−11−コレ
    イン酸を生成せしめる工程、 (4) 工程(3)で得られた3α−ヒドロキシ−7−
    オキソ−11−コレイン酸を選択的に還元して3α,7β−
    ジヒドロキシ−11−コレイン酸とし、次いで水素添加す
    ることによりウルソデオキシコール酸(3α,7β−ジヒ
    ドロキシコラン酸)を生成せしめる工程、 から成る、ウルソデオキシコール酸の製造方法。
JP62214479A 1987-08-28 1987-08-28 ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法 Expired - Lifetime JPH07116221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62214479A JPH07116221B2 (ja) 1987-08-28 1987-08-28 ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62214479A JPH07116221B2 (ja) 1987-08-28 1987-08-28 ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6461496A JPS6461496A (en) 1989-03-08
JPH07116221B2 true JPH07116221B2 (ja) 1995-12-13

Family

ID=16656396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62214479A Expired - Lifetime JPH07116221B2 (ja) 1987-08-28 1987-08-28 ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07116221B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007210888A (ja) 2006-01-12 2007-08-23 Mitsubishi Chemicals Corp ステロイド化合物の製造方法
CN107021994B (zh) * 2017-04-07 2020-12-22 华东师范大学 一种奥贝胆酸的中间体3α-羟基-7-酮-5β-胆甾烷-24-酸的合成方法
CN106939030A (zh) * 2017-04-07 2017-07-11 华东师范大学 一种奥贝胆酸的中间体7‑酮基石胆酸的合成方法
CN106995478A (zh) * 2017-04-07 2017-08-01 华东师范大学 一种熊去氧胆酸的中间体7‑酮基石胆酸的合成方法
CN107033208A (zh) * 2017-04-07 2017-08-11 华东师范大学 一种7‑酮基石胆酸的合成方法
CN112321665A (zh) * 2020-12-01 2021-02-05 江西邦泰绿色生物合成生态产业园发展有限公司 一种由鸭胆酸合成3α,7α-二羟基-5-β-胆烷酸的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6461496A (en) 1989-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2576922C (en) Methanesulfonate salts of abiraterone-3-esters and recovery of salts of abirater one-3-esters from solution in methyl tert-butyl ether
JPH0717997A (ja) タウロコラン酸の製造方法
JPH0132238B2 (ja)
JPH07116221B2 (ja) ウルソデオキシコ−ル酸の製造方法
IL290973B1 (en) An industrial process for the preparation of estradiol with a high degree of purity
JPS61129197A (ja) プレグナン誘導体の製造方法
JPH023797B2 (ja)
CN116057065A (zh) 用于制备(3α,5α)-3-羟基-3-甲基-孕烷-20-酮(加奈索酮)的方法
JP3535588B2 (ja) ジンセノサイドRh2の製造方法
JPH0129792B2 (ja)
US2693476A (en) Beta-carbonyl carboxylic acid esters of steroids
JPH06321982A (ja) 3β−アミノコラン酸誘導体の製造方法
CN109734765B (zh) 一种17a-脱羟醋酸泼尼松龙产品的制备方法
JP2660413B2 (ja) 23位置にケトン基を含有する新規なステロイド化合物及びそれらの製造法
JPH0411557B2 (ja)
JP2980992B2 (ja) 6−ハロゲノ−2−オキサプレグナ−4,6−ジエン−3−オン化合物の製造方法
CA2231185C (en) Preparation of ester derivatives of steroids
US2780621A (en) Side chain degradation of 11-keto steroids
CN117820407A (zh) 一种19-去甲去氢表雄酮的制备方法及其中间体
JPH08511797A (ja) 17−ハロゲノ−4−アザアンドロステン誘導体およびその製造方法
JPS61246176A (ja) アミノラクトンの調製方法
JPS6048998A (ja) プレグナン系ステロイド17α−エステル化合物の製造法
JPS6352637B2 (ja)
JPH0146517B2 (ja)
JPH10147593A (ja) 3−アミノステロイド誘導体の製造方法