JPH07116199A

JPH07116199A - エアマット

Info

Publication number: JPH07116199A
Application number: JP5291329A
Authority: JP
Inventors: Michiyasu Ishida; 通泰石田; Mikihiko Morimoto; 幹彦森本; Akinobu Muraoka; 昭延村岡; Kiyotaka Miyamoto; 清荘宮本
Original assignee: Molten Corp
Current assignee: Molten Corp
Priority date: 1993-10-26
Filing date: 1993-10-26
Publication date: 1995-05-09

Abstract

(57)【要約】【目的】患者の寝返り運動を補助する体位変換機能
と、約５０°まで患者の身体を起こし介護を容易にする
機能を有するエアマットを提供する。【構成】偏平な通常の第１エアマット部１の下面に左
右対称なエアセル１８ａ，１８ｂを有する体位変換用の
第２エアマット部を敷き、さらにこのエアマットの各セ
ルに着脱可能な左右補助セル１２ａ，１２ｂを連結す
る。患者に寝返り効果を与えるためには、体位変換エア
マットを駆動させ、清拭、着替等の介護を行う場合は体
位変換エアマットと補助マットを重ねて使用する。第
１、第２エアマット部及び補助セルは一つのエア給排気
制御部１８にて駆動制御される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、慢性就床患者の褥瘡防
止エアマットに、寝返りを補助するための体位変換エア
マットを付加したエアマットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来慢性就床患者例えば寝たきり老人、
重症患者のように独りでは殆ど体を動かすことができな
い患者にあっては、看護人が床ずれを予防し、或いは常
時仰向け状態を保つことにより誘発され易い沈下性肺炎
等を予防するために、一定時間例えば約２時間おきに寝
返りをうたせる作業を行なっている。これらの作業は、
看護人にとって多大な労力を要するものであり、また患
者にとっても不快感を与えられることが多いものであ
る。このような問題に対処するために、寝返り、横向き
等体位変換を、エアマットを利用して行わんとする装置
が提案されている（例えば特開平５−８４１２３号公
報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前掲公報に記載の構造
では、患者の体を一定角度傾斜させることはできるが、
患者の病状或いは体重の軽重に応じて、傾斜角度を変化
させることは出来ない。例えば体重の重い患者にあって
は、エアマットが押し潰され、傾斜角は小さくなり、逆
に体重が軽い患者では、傾斜角が大きくなる。これより
一定の望ましい傾斜角を得ることが難しいという問題が
ある。

【０００４】また上記構造のような従来エアマットで
は、体位変換角度は、高々１５〜２０°程度であるため
介護者が患者の清拭、着替等を行うために必要な角度、
約５０°には足りず、これらの作業は以前として労力を
要するものとなっている。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、介護者が大きな力を要さずとも患者の身
体を容易に略９０°まで起こすことができるエアマット
を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、エアが給排気
される複数又は単一の可撓性中空体よりなり全体として
偏平に形成された褥瘡防止のための第１エアマット部
と、該第１エアマット部の下面に敷設され、該第１エア
マットの長手方向中心線に対し左右対称にそれぞれ右セ
ル及び左セルが配置された少なくとも２つのセル部分を
もつ体位変換のための第２エアマット部と、上記第１及
び第２エアマット部を膨張、収縮駆動するエア給排気制
御部とを具備してなるものである。

【０００７】また、本発明にあっては、上記右セルに着
脱可能に連結される右補助セル、及び上記左セルに着脱
可能に連結される左補助セルを付加することができる。

【０００８】

【作用】通常の使用状態のあっては、褥瘡防止用の第１
エアマット部にのみエアが給気されている。体位変換を
行う場合、第２エアマット部の右セル（又は左セル）に
エアが供給される。これにより患者の右半身が持ち上げ
られ身体は傾斜する。このとき第１エアマット部は、体
重の重心に近い部分が薄くなりこれより離れた部分が厚
くなる。この第１エアマット部と第２エアマット部の膨
張により、合わせて約５０°患者の身体は傾斜せしめら
れる。

【０００９】

【実施例】図１において、１は、複数の可撓性中空体よ
りなり、全体として縦 200cm、横90cm、厚さ８cmの偏平
な四角形に形成された褥瘡防止用の第１エアマット部
で、一の給排気パイプ２に連通するＡ系統セル３ａ，３
ａ─と、他の給排気パイプ４に連通するＢ系統セル３
ｂ，３ｂ─にて構成される。Ａ，Ｂ系統セル３ａ，３ａ
─３ｂ，３ｂ─の各セルは、交互に配列される。各セル
３ａ，３ｂ─は、長さ約75cm、直径約８cmの円筒形とす
ることができる。尚、図中左側が頭部、右側が足部であ
る。第１エアマット部１の材料としては、ナイロン等の
織布の両面又は片面にポリ塩化ビニルをラミネートした
ものが使用できる。５は、２本の給排気パイプ２，４が
接続される分配弁であり、Ａ，Ｂ系統セル３ａ，３ａ─
３ｂ，３ｂ─へのエアの給排気を行う。実際には、この
給排気はＡ，Ｂ系統３ａ，３ｂ交互に数分周期で行われ
る。また、軽症患者にあっては、数分周期の給排気を省
略し、常時加圧状態としておくこともできる。

【００１０】６は、第１エアマット部１の下面に敷設さ
れ、第１エアマット部１の長手方向の中心線７に対し左
右対称にそれぞれ右セル８ａ及び左セル８ｂが配置され
た第２エアマット部で、体位変換用として用いられる。
右セル８ａ及び左セル８ｂは中央部分にて連結すること
ができる。右セル８ａ及び左セル８ｂの大きさは、給気
状態で長さ約80cm、長径約20cmの円筒形とすることがで
き、その材料は第１エアマット部１と同様のものが使用
できる。右セル８ａ及び左セル８ｂは図示の如く患者の
肩部分下面に敷設される。上記例では、左右セル８ａ，
８ｂは、各１個ずつとしたが、２個ずつ或いはさらに数
を増やすことも可能である。２個ずつとした場合、肩部
と腰部にそれぞれ配置される。また、左右セル８ａ，８
ｂ１個ずつの第２エアマット部６を２個着脱可能状態に
接続して４個のセル構造とすることができる。

【００１１】９は、左右セル８ａ，８ｂに各々エアを給
排気する分配弁でパイプ１０，１１を介して左右セル８
ａ，８ｂに連結されている。左右セル８ａ，８ｂを交互
に膨張、収縮させることにより患者の身体に約１５〜２
５°のローリング運動を生じさせることとなり、患者に
寝返り作用と同じ作用を発生させる。

【００１２】１２ａ，１２ｂは、それぞれ右セル８ａ及
び左セル８ｂにパイプ１３，１４を介して着脱自在に連
結される右補助セル及び左補助セルである。各補助セル
１２ａ，１２ｂの膨張時大きさは、直径20cm、長さ40cm
の円筒形とすることができる。図１に示す通常の状態、
即ち患者が就寝している状態では、補助セル１２ａ，１
２ｂは、患者の脚部下方に配置され、第２エアマット部
６と連動して患者の身体に寝返り運動を生じさせるので
ある。

【００１３】１５は、エアポンプで、調圧弁１６を介し
て分配弁５，９にエアを供給する。２５は、エアポンプ
１５から調圧弁１６を介して分配弁５，９にエアを供給
するパイプである。調圧弁は、エアポンプ１５から分配
弁５，９へ送られるエアの量を調節する作用をなす。エ
アポンプ１５及び分配弁５，９の駆動は制御部１７にて
制御される。

【００１４】上記例では、第１エアマット部１は、Ａ，
Ｂ系統を有する構造のものであるが、これに代えて一系
統構造のものも使用できる。この場合、第１エアマット
部１は１つのセルで形成され、従って前述の分配弁５は
不要となり、調圧弁１６から直接第１エアマット部１へ
エアが供給される。

【００１５】分配弁５，９、調圧弁１６、エアポンプ１
５及び制御部１７にて、エア給排気制御部１８が構成さ
れる。

【００１６】図２ないし図５において、９は分配弁であ
り、固定板１９と円板状の回転子２０よりなる。２１
は、回転子２０を回転駆動させるモータで回転子２０は
モータ２１の回転軸２２に固定されている。２３は、回
転軸２２にその一端側が固定されたコイルスプリング
で、回転子２０を固定板１９方向へ押圧し、両者を密接
させる。回転子２０は、その固定板１９の接触面側に、
扇状の凹所にて形成された給気ポート２４、帯状の凹所
にて形成された排気ポート２５、及び排気ポート２５と
外部とを連通する複数の小孔よりなる排気孔２７を有す
る。２８は、モータ２１の回転軸２２が貫通する中心
孔、２９，２９は回転子２０の側面に相対向して一対形
成されたスイッチ制御突起である。固定板１９は、回転
子２０が接触する面に開口された１個のエア導入孔３０
と、２個のエア導出孔３１，３２を有し、導入孔３０
は、パイプ２６を介してエアポンプ１５に接続され、第
１導出孔３１は、パイプ１０を介して左セル８ｂへ、ま
た第２導出孔３２は、パイプ１１を介して右セル８ａへ
接続される。３３は、固定板１９の中心に形成された孔
で、モータ２１の回転軸２２が貫通する。固定板１９
は、回転軸２２とは離隔せしめられており回転しない。

【００１７】３４は、回転子２０に隣接して配置された
リミットスイッチで、先端にローラ３５を取付けたアー
ム３６が回転子２０の側面に接しており、突起２９，２
９が存在する部分と存在しない部分を検知してオン、オ
フ信号を出力する。

【００１８】図６は、制御部１７における制御回路を示
し、３７はリミットスイッチ３４からの検知信号を入力
し、モータ２１の駆動制御信号を出力するマイコン、３
８は、この制御信号を受けてモータ２１をオン又はオフ
するモータ用スイッチ部、３９は、電源スイッチであ
る。この制御部１７には、右セル８ａ及び左セル８ｂの
エア給気時間及び給排気周期を可変とする切替スイッ
チ、さらにエア給気量を可変とする切替スイッチ等を設
けることができる。

【００１９】次に図７が図８を参照して、分配弁９の駆
動と、第２エアマット部６の左右セル８ａ，８ｂに給排
気状態の関係を説明する。図８において、波形Ａは、左
セル８ｂの圧力を、波形Ｂは右セル８ａの圧力を、波形
Ｌは、リミットスイッチ３４のオン，オフ動作信号を、
また波形Ｍは、モータ２１の駆動信号をそれぞれ示す。

【００２０】図７（ａ）給気ポート２４が導出孔３１上
に位置し、排気ポート２５が他の導出孔３２上に位置し
ている。左セル８ｂが膨張し、右セル８ａは排気状態を
維持している。このときリミットスイッチ３４の信号Ｌ
はオフ，モータ２１もオフ状態にある。この状態のスタ
ートは、リミットスイッチ２１がオン→オフへ、この信
号を受けてモータ２１がオン→オフへ切り換わった時点
である。モータ２１停止期間Ｔ１は、マイコン３７にて
予め設定されており、例えば１５分とすることができ
る。

【００２１】図７（ｂ）時間Ｔ１が経過すると、モータ
２１がオンとなり、回転し始める。かくするとリミット
スイッチ３４のローラ３５は突起にのり上げ、オフ→オ
ンへ切り換わる。この時点から、左セル８ｂの排気、収
縮が行われる。リミットスイッチ３４オン後、所定の時
間Ｔ２（例えば0.１分）モータ２１は駆動する。

【００２２】図７（ｃ）時間Ｔ２経過後、モータ２１は
停止する。モータ２１オフ後、マイコン３７により、計
数された所定時間Ｔ３（例えば５分）経過後モータ２１
は駆動開始する。

【００２３】図７（ｄ）モータ２１回転によりリミット
スイッチ３４のローラ３５は、突起２９からはずれ、リ
ミットスイッチ３４はオフとなり、モータ２１は停止す
る。このとき同時に右セル８ａへの給気が開始される。
リミットオフ信号を受けて、マイコン３７により所定時
間Ｔ１が計数され、この間モータ２１は停止状態を維持
する。

【００２４】図７（ｅ）時間Ｔ１が経過した後、モータ
２１は駆動開始する。回転子２０の回転により、リミッ
トスイッチ３４のローラ３５は突起２９上にのり上げリ
ミットスイッチ３４はオンとなる。このとき同時に右セ
ル８ａは排気状態となる。リミットオン信号発生後、所
定時間Ｔ２経過後、マイコン３７制御によりモータ２１
は停止する。

【００２５】図７（ｆ）モータ２１は、所定時間Ｔ３の
間、停止状態を維持する。この間左右セル８ａ，８ｂと
もに排気状態である。時間Ｔ３経過後モータ２１は駆動
開始する。モータ２１駆動によりリミットスイッチ３４
はオフに切り換わりモータ２１は停止する。かくして左
右セル８ａ，８ｂの交互の膨張、収縮の１サイクルが終
了する。

【００２６】図９は、かかる左右セル８ａ，８ｂを膨
張、収縮させて患者４０の体位変換を行った場合を示
し、図示の例は、右セル８ａを膨張させ、身体を約２０
°傾斜させた状態を示す。かかる動作を左右交互に行う
ことにより、褥瘡発生は抑制される。

【００２７】次に第２エアマット部６及び補助セル１２
ａ，１２ｂを用いて介護者が患者の身体を約９０°まで
起こし、患者の清拭、着替等の介護を行う場合、次のよ
うな操作がなされる。

【００２８】第１エアマット部１の下に体位変換用の第
２エアマット部６及び補助セル１２ａ，１２ｂを重ねて
敷き、電源スイッチ３９の第２エアマット部６の電源ス
イッチを押す。かくすると、左セル８ｂ又は右セル８ａ
の何れか一方のセル、例えば左セル８ｂに給気が開始さ
れ、左セル８ｂ及びこれに連通する左補助セル１２ｂが
膨張する。ここで電源オン時、右セル８ａが選ばれるか
左セル８ｂが選ばれるかは、その前回の駆動時最後に膨
張せしめられたセルによる。例えば、前回最後の膨張し
たセルが右セルであれば、今回の駆動開始時には左セル
が選択されるのである。

【００２９】図１０に示すように、左セル８ｂ及び左補
助セル１２ｂの膨張により、第１エアマット部１の左側
が持ち上げられ、患者４０の身体は水平方向に対し約５
０°傾斜する。左セル８ｂにて約２５°左補助セル１２
ｂにて約２５°傾斜するのである。かかる状態で、介護
者は、患者４０の身体をさらに９０°に起こし、患者の
身体の左半分の清拭、着替を行う。患者４０の身体を５
０°から９０°に起こすのは、比較的楽に行うことがで
きる。

【００３０】次に第２エアマット部６の電源スイッチを
オフとし、続けてオンとする。第２エアマット部６の給
排気は、左右セル８ａ，８ｂともに排気状態からスター
トするようマイコン３７にてプログラムされている。そ
れ故、先に膨張していた左セル８ｂのエアが排気され、
一旦左右セル８ａ，８ｂともに凋んだ状態から次のサイ
クル、即ち右セル８ａ及び右補助セル１２ａへの給気が
開始される。排気に要する時間は、約２分、給気開始後
右セル８ａ及び右補助セル１２ａが完全に膨張するまで
の時間は、約２分である。かかる状態で、患者の右半分
は約５０°に傾斜する。介護者は、患者をさらに９０°
まで起こし、その身体の右半分の清拭、着替を行うので
ある。このようにして、介護者は、力を要さずに患者の
身体を９０°まで起こし、介護を容易に行うことができ
る。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、偏平な構造をもつ褥瘡
防止用エアマットとその下に敷かれる体位変換を行うた
めのエアマットとを組み合わせることにより、必要なと
き就床患者に体位変換動作を強制的に付与することがで
き、かつその角度も従来のエアマットが有していた角度
（高々約１５°まで）よりも大きい角度、即ち１５°〜
２５°に設定でき、患者に十分な寝返り作用を生じさせ
ることができる。

【００３２】また本発明によれば、体位変換用の第２エ
アマット部と補助マットを重ね合わせて第１エアマット
部下面であって、患者の肩部或いは腰部に敷くことによ
り、この部分を約５０°まで起こすことができる。この
角度から、さらに９０°まで患者の身体を起こすこと
は、介護者にとって容易であり、患者の清拭、着替等の
介護を比較的楽に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例を示すブロック図である。

【図２】分配弁を示す斜視図である。

【図３】図２のＩ−Ｉ線断面図である。

【図４】分配弁の回転子を示す平面図である。

【図５】分配弁の固定板を示す平面図である。

【図６】分配弁を駆動制御する回路を示すブロック図で
ある。

【図７】分配弁の動作を説明するための概略図である。

【図８】第２エアマット部の動作を説明するための波形
図である。

【図９】第２エアマット部の動作状態を示す図である。

【図１０】患者の身体を約５０°まで起こした状態を示
す図である。

【符号の説明】

１第１エアマット部３ａＡ系統エアセル３ｂＢ系統エアセル５，９分配弁６第２エアマット部８ａ右セル８ｂ左セル１２ａ右補助セル１２ｂ左補助セル１５エアポンプ１６調圧弁１７制御部１８エア給排気制御部１９固定板２０回転子２１モータ２４給気ポート２５排気ポート

フロントページの続き (72)発明者宮本清荘広島市西区横川新町１番８号株式会社モルテン内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エアが給排気される複数又は単一の可撓
性中空体よりなり全体として偏平に形成された褥瘡防止
のための第１エアマット部と、該第１エアマット部の下
面に敷設され、該第１エアマットの長手方向中心線に対
し左右対称にそれぞれ右セル及び左セルが配置された少
なくとも２つのセル部分をもつ体位変換のための第２エ
アマット部と、上記第１及び第２エアマット部を膨張、
収縮駆動するエア給排気制御部とを具備してなるエアマ
ット
【請求項２】上記右セルに着脱可能に連結される右補
助セル、及び上記左セルに着脱可能に連結される左補助
セルが付加されてなる請求項１のエアマット