JPH07116177A - 歯科印象材カートリッジ - Google Patents

歯科印象材カートリッジ

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JPH07116177A
JPH07116177A JP28553893A JP28553893A JPH07116177A JP H07116177 A JPH07116177 A JP H07116177A JP 28553893 A JP28553893 A JP 28553893A JP 28553893 A JP28553893 A JP 28553893A JP H07116177 A JPH07116177 A JP H07116177A
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JP
Japan
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temperature
impression
cartridge
color
agar
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JP28553893A
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English (en)
Inventor
Norikazu Michino
能和 道野
Shiyuusuke Kimura
集亮 木村
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Morita Tokyo Manufacturing Corp
Original Assignee
Morita Tokyo Manufacturing Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印象採得作業が容易かつ適確に失敗なく実施
できる歯科印象材カートリッジの提供。 【構成】 歯科印象材カートリッジの表面に温度感応性
変色剤を被覆し構成する。又は、温度感応性変色剤が配
合せしめられた材料で、歯科印象材カートリッジを成形
製作する。温度感応性変色剤は,(1)電子供与性呈色
性有機化合物,(2)フェノール性水酸基を有する有機
化合物及び(3)呈色性調整化合物からなるものである
ことが好ましい。温度感応性変色剤は,寒天印象材の軟
化点又はその近傍で色変化を起こすものが好ましい。あ
るいは寒天印象材の軟化点又はその近傍で色変化を起こ
す他に,少なくともそれ以外の温度で色変化を起こすも
のであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,歯科印象材カートリッ
ジに関し、特に目視により印象材カートリッジ内の寒天
印象材の温度が容易に判別できる歯科印象材カートリッ
ジに関する。
【0002】
【従来技術及び解決すべき課題】歯科領域などの医療分
野で用いられる歯科印象材は,口の中の温度のごとく生
体温度かそれよりも低い温度でゲル化して,印象採得で
きるものでなければならない一方で,口の中の組織をあ
まり刺激しない程度の比較的高い温度で流動性のあるゾ
ルにしてよく流入して必要な微細部を残らず再現できる
ものでなくてはならない。寒天は,このような条件を満
たすものとして,可逆的水性コロイド印象材のベースと
して利用されている。このように従来寒天は,その熱可
塑性である特性を生かして,型を取るための印象材とし
て用いられてその有用性が十分に認められてきている。
特に寒天は生体に対する毒性の心配がないことから,歯
科領域をはじめとした医療分野で広く用いられている。
【0003】このように一般に歯科技術分野では寒天に
よる印象採得が行なわれており,繁用されているのが実
情である。その歯科分野で印象を取得する場合の使用法
は,寒天を常温より100℃近辺まで昇温してその温度
において一定時間加熱溶解し,その後降温して約55〜
65℃近辺でいつでも使用できる状態にして保存すると
いうことが行なわれている。普通、寒天印象材はあらか
じめ印象用シリンジに充填されて使用され、また最近で
は印象用シリンジに直接ではなくて、寒天印象材が充填
されたカートリッジをカートリッジ収納用シリンジに装
填して使用されることが多くなってきた。本発明は、そ
のカートリッジに改善を加えたものである。近年では上
記のように温度調製された寒天印象材を使用可能な状態
に保つために,上記温度設定及び管理のできる器具ある
いは器械を用いることもなされるようになって来てい
る。そして、それら温度設定及び管理のできる機器とし
ての恒温加熱保持装置(寒天コンディショナー)はコン
ピューター制御されている器械として開発されて来てい
る。寒天印象材を用いて歯科印象を採る場合,印象採得
者は,寒天コンディショナーより寒天がカートリッジに
充填された印象用シリンジ等を取り出し,その中の一定
温度に保存された寒天印象材を印象用シリンジの先端ノ
ズルから印象部位へ押出することにより印象採取を行な
っている。しかし、寒天印象材をしばらくの時間室温中
に放置してしまったり,術者の経験不足や予期せぬ出来
事等により,寒天印象材の温度を至適温度範囲外へ移行
してしまって印象採取作業を適確にできず失敗してしま
うことが多々生じる。また,寒天印象材は上記シリンジ
等を長時間冷却してしまい軟化温度を超えて凝固温度に
到達してしまうと,再度加熱溶解工程を行なわなければ
印象採取は行なえなくなるが,その再度利用するにあた
り加熱溶解工程を行なっていく場合にその寒天印象材の
温度がいかなる温度にあるかを判断することが困難であ
った。そのため無理にそのような寒天を用いて再度印象
採取を行なっても印象に失敗することが多かった。さら
に寒天のゲル化温度は37℃前後であるが,正確なゲル
化温度は寒天印象材中の寒天の純度,分子量,ほかの成
分の含有量に対する寒天含有量の比などのいくつかの因
子に支配され,決まった値のものを得ることは難しい。
そして寒天にはいろいろな種類があり,それぞれいくら
かずつ異なった性質を有しているので,通常数種の寒天
を配合するなどしてこのゲル化温度を一定に保たせよう
としているのであるが,実際には一緒に作ったもの以外
はそれぞれのゲル化温度が異なる場合があり,その寒天
印象材の温度特性を正確に知ることが重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は,歯科用寒
天印象材の使用至適温度を検知する手法を開発すべく種
々検討した結果,印象材カートリッジを介して寒天印象
材の温度を視覚的に判別できれば,上記したような問題
点は解決し得ることを想起し,本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、(1)歯科印象材カートリッジ
の外面に温度感応性変色剤を被覆せしめてなることを特
徴とする歯科印象材カートリッジ、及び(2)温度感応
性変色剤が配合せしめられた材料により成形されてなる
ことを特徴とする歯科印象材カートリッジである。上記
発明においては、温度感応性変色剤が,電子供与性呈色
性有機化合物,フェノール性水酸基を有する有機化合物
及び呈色性調整化合物からなるものであることが好まし
い。また、温度感応性変色剤は,寒天印象材の軟化点又
はその近傍で色変化を起こすものであることが好まし
く、さらに寒天印象材の軟化点又はその近傍で色変化を
起こす他に,少なくともそれ以外の温度で色変化(例え
ば、使用至適温度境界域で色変化)を起こすものである
ことが好ましい。温度感応性変色剤はその使用形態下に
おいて無害であるならば,広く公知のものあるいは市販
されたもののうちから選んで用いることができる。温度
感応性変色剤としては,可逆性の色変化を起こすものが
好ましく使用できるが,ある場合においては不可逆的変
化を起こすものも使用可能である。温度感応性変色剤と
しては,単独の温度感応性変色化合物であってもよい
し,複数の化合物数が配合されたものであってもよい。
温度感応性変色剤のうちには,例えばコレステリック系
液晶やCT形有機化合物などのようにその結晶形の転移
に伴って変色するものであってもよいし,あるいは溶融
などの物理的状態の変化に伴って変色するものであって
もよい。
【0005】温度感応性変色剤としては,電子供与性呈
色性有機化合物,フェノール性水酸基を有する有機化合
物及び呈色性調整化合物からなるものが好適なものとし
てあげられる。電子供与性呈色性有機化合物としては,
フェノール性水酸基を有する有機化合物と反応して,各
種の色を呈するものがあげられ,例えば,青,紫,緑,
黄,橙,赤等あるいはそれらの中間色などを呈するもの
があげられ,さらにはこうして形成され色呈している化
合物を混合して含むことにより種々の色を呈するものが
あげられる。温度感応性変色剤の呈する色は,電子供与
性呈色性有機化合物の種類でその色を選択し、フェノー
ル性水酸基を有する有機化合物によってその濃度を選択
することができる。電子供与性呈色性有機化合物とフェ
ノール性水酸基を有する有機化合物とで形成せしめられ
る色は,広範囲の温度範囲,例えば−80℃〜200℃
の間で変色するようにすることができ,またその間の温
度で様々な色に変色するようにすることもできる。
【0006】上記電子供与性呈色性有機化合物として
は,具体的には例えばクリスタルバイオレットラクト
ン,マラカイトグリーンラクトン,ミヒラーヒドロー
ル,クリスタルバイオレットカービノール,マラカイト
グリーンカービノール,N−(2・3・ジクロロフェニ
ルQロイコオーラミン,N−アセチルオーラミン,N−
フェニルオーラミン,N−ベンゾイルオーラミン,ロー
ダミンBラクタム,2−(フェニルイミノエタンジリデ
ン)3.3−ジメチルインドリン),N−3・3・トリ
メチルインドリノベンゾスピロピラン,3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン,3−ジエチ
ルアミノ−7−メトキシフルオラン,3−ジエチルアミ
ノ−6−ベンジルオキシフルオラン,1・2−ベンツ−
6−ジエチルアミノフルオラン等がある。これらのう
ち,更に好ましいものにはクリスタルバイオレットラク
トン,3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフ
ルオラン,3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン,3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラ
ン,1・2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン,
N−(2・3・ジクロロフェニルQロイコオーラミン,
ローダミンBラクタム等があげられる。
【0007】上記フェノール性水酸基を有する有機化合
物は,電子供与性呈色性有機化合物と反応して,呈色物
質を形成する化合物の1成分であればよく,具体的には
例えばノニルフェノール,ドデシルフェノール,スチレ
ネーテイドフェノール,2.2−メチレンビス(4−メ
チル−6−ターシャリーブチルフェノール),4.4’
−メチレン−ビス−(4−メチル−6−ターシャリーブ
チルフェノール),2.4.6−トリクロルフェノー
ル,O−フェニルフェノール,P−フェニルフェノー
ル,P−(P−クロルフェニル)フェノール,P−オキ
シ安息香酸オクチル,P−オキシ安息香酸ドデシル,ビ
スフェノールA,1.2−ジオキシナフタレン,2.3
−ジヒドロキシナフタレン,フェノールフタレイン,O
−クレゾールフタレイン,プロカテキュー酸プロピル,
プロカテキュー酸ゾチル,プロカテキュー酸オクチル,
プロカテキュー酸ドデシル,2.3.4−トリオキシエ
チルベンゼン,没食子酸メチル,没食子酸エチル,没食
子酸プロピル,没食子酸ブチル,没食子酸ヘキシル,没
食子酸オクチル,没食子酸ドデシル,没食子酸セチル,
没食子酸ラウリル,没食子酸ステアリル,2.3.5−
トリオキシナフタレン,タンニン酸,フェノール樹脂初
期縮合物等があげられる。また上記フェノール性水酸基
を有する有機化合物としては,不揮発生でかつ親水性の
ものであってよく,例えば没食子酸,没食子酸メチル,
没食子酸エチル,没食子酸アンモニウム,タンニン酸,
プロカテキュー酸,プロカテキュー酸メチル,プロカテ
キュー酸エチル,プロカテキュー酸アンモニウム,ジオ
キシナフタレン,スルホン酸ナトリウム等があげられ得
る。これらのうち,更に具体的にビスフェノールA,フ
ェノール樹脂初期縮合物,P−オキシ安息香酸オクチ
ル,ブチルヒドロキシアニゾール,没食子酸プロピル,
没食子酸オクチル,没食子酸ラウリル,没食子酸セチ
ル,ノニルフェノール,ターシャリーブチルカテコー
ル,2.2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシ
ャリーブチルフェノール),4.4’−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノー
ル),P−オキシ安息香酸メチル,P−オキシ安息香酸
エチル,P−オキシ安息香酸オクチル,2.3−ジヒド
ロキシナフタレン,β−ナフトール等をあげることがで
きる。
【0008】呈色性調整化合物としては,例えば呈色減
感化合物あるいは呈色増感化合物として知られたものが
あげられ,上記電子供与性呈色性有機化合物及びフェノ
ール性水酸基を有する有機化合物とからなる呈色物に配
合せしめられて,特定の変色温度あるいはある一定域の
変色温度範囲で,呈色化合物の色を減少又は増加させる
ものがあげられる。この呈色性調整化合物の種類又は配
合量を種々選択することにより変色温度あるいは変色温
度範囲を選ぶことができる。上記呈色性調整化合物とし
ては,具体的には例えばラウリルアルコール,ミリスチ
ルアルコール,ヒチルアルコール,ステアリルアルコー
ル,アイコシルアルコール,ドコシルアルコール,トリ
エチレングリコール,ポリエチレングリコール,(分子
量200,400,600,1500,4000,80
00,20000),トリメチロールプロパン,トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミン,トリイソプロパ
ノールアミン,第4級アンモニウム,ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ソ
ルビタン脂肪酸エステル,蔗糖エステル,フタル酸ジメ
チル,フタル酸ジエチル,ミリスチン酸ブチル,パルミ
チン酸ブチル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチ
ル,ステアリン酸プロピル,ステアリン酸ブチル,ステ
アリン酸オクチル,オレイン酸ブチル,ポリビニルピロ
リドン,ヒドロキシプロピルセルロース等があげられ
る。また親水性の呈色性調整化合物には,例えばトリエ
チレングリコール,ポリエチレングリコール,(分子量
200,400,600,1500,4000,600
0,20000),ジプロピレングリコール,ジエチレ
ングリコール,モノブチルエーテル,トリエチレングリ
コールモノエチルエーテル,グリセリン,トリメチロー
ルプロパン,ヒドロキシプロピルセルロース,ジエタノ
ールアミン,トリエタノールアミン,トリイソプロパノ
ールアミン,第4級アンモニウム,ポリオキシエチレン
アルキルアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ソ
ルビタン脂肪酸エステル,蔗糖エステル、ポリビニルピ
ロリドン,ジエチレングリコールアセテート,ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテルアセテート等があげら
れる。これらのうち更に,ステアリン酸メチル,ステア
リン酸n−ブチル,ステアリン酸ラウリル,ミリスチル
アルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコー
ル,イソステアリルアルコール,n−ドコシルアルコー
ル,n−メシルアルコール,n−デシルアルコール,エ
チレングリコールジブチルエーテル,安息香酸エチル,
安息香酸n−ブチル,シクロヘキサン等が具体的にあげ
られ,これらは単独又は併用して用いることができる。
【0009】また本発明の上記温度感応性変色剤におけ
る各成分の組み合せの例としては,.クリスタルバイ
オレットラクトン:ビスフェノールA:ステアリル酸n
−ブチル及びミリスチルアルコール,.3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン:ビスフェ
ノールA:ステアリル酸n−ブチル及びセチルアルコー
ル,.3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロル
フルオラン:ビスフェノールA:ステアリル酸n−ブチ
ル及びセチルアルコール,.クリスタルバイオレット
ラクトン:ビスフェノールA:ステアリル酸n−ブチ
ル,ミリスチルアルコール及びセチルアルコール,.
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン:ビスフェノールA:ミリスチルアルコール,.3
−ジエチルアミノ−5−メチル−7−クロルフルオラ
ン:ビスフェノールA:ステアリン酸ラウリル及びミリ
スチルアルコール,.3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−クロルフルオラン:ビスフェノールA:ステア
リン酸n−ブチル及びステアリルアルコール,.クリ
スタルバイオレットラクトン:2.2’−メチレンビス
(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール):
ミリスチルアルコール,.3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロルフルオラン:ビスフェノールA:ス
テアリルアルコール,10.ローダミンBラクタム:フェ
ノール樹脂初期縮合物:ステアリルアルコール,11.ク
リスタルバイオレットラクトン:2.2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノー
ル):セチルアルコール,12.クリスタルバイオレット
ラクトン:没食子酸オクチル:セチルアルコール,13.
3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン:
没食子酸オクチル:ミリスチルアルコール,14.クリス
タルバイオレットラクトン:没食子酸オクチル:ミリス
チルアルコール,15.クリスタルバイオレットラクト
ン:P−オキシ安息香酸メチル:ステアリルアルコー
ル,16.1・2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン:P−オキシ安息香酸エチル:セチルアルコール,1
7.ローダミンBラクタム:P−オキシ安息香酸エチ
ル:ドコシルアルコール、18.N−(2・3・ジクロロ
フェニルQロイコオーラミン:P−オキシ安息香酸メチ
ル:ステアリルアルコール及びステアリル酸ブチル,1
9.N−アセチルオーラミン:P−オキシ安息香酸エチ
ル:セチルアルコール,20.3−ジエチルアミノ−7−
メトキシフルオラン:没食子酸ラウリル:ミリスチルア
ルコール等があげられる。また、これらの温度感応性変
色剤は,単色を有するものについて挙げたが,電子供与
性呈色性有機化合物を種々混合して,所望の色彩のもの
を作成することができる。
【0010】上記温度感応性変色剤における各成分の混
合割合は,電子供与性呈色性有機化合物1〜10重量部
に対して,フェノール性水酸基を有する有機化合物及び
呈色性調整化合物はそれぞれ2〜200重量部及び3〜
300重量部であることができ,好ましくは2〜50重
量部及び2〜150重量部である。上記温度感応性変色
剤は,各種の溶媒に溶解又は分散して用いることができ
る。具体的には例えば,水,メチルアルコール,エチル
アルコール,プロピルアルコール,ブチルアルコール,
ヘキシルアルコール,オクチルアルコール,酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチル,ジブチル
フタレート,ジオクチルフタレート,アセトン,メチル
エチルケトン,メチルイソブチルケトン,トルエン,キ
シレン,ジベンジルベンゼン誘導体,ベンジル化エチル
ベンゼン,ベンジルアルコール,トリエチレングリコー
ル,ヘキシレングリコール,エチレグリコールモノエチ
ルエーテル,エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル,比較的高沸点の炭化水素油等があげられるが,これ
らは単独でもあるいは複数を混合して用いることもでき
る。さらに、温度感応性変色剤としては、上記有機系の
ものだけでなく、公知の無機系のものも使用できる。例
えば、よう化水銀錯塩や銀・銅よう化水銀錯塩の固溶体
等があげられる。
【0011】本発明の歯科印象材カートリッジとして
は,当該分野で通常使用されているものあるいは市販さ
れているものの中から選んで用いることができる。シリ
ンジ本体を構成する材料としてはガラス,プラスチック
などがあげられ,そのプラスチックとしては,ポリアク
リレート樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂
などがあげられるほか,通常その容器の材料として用い
られるものがあげられる。
【0012】温度感応性変色剤を印象材カートリッジ外
面へ被覆する手段としては、塗料に混合してカートリッ
ジ外面に塗布し重合硬化する方法や温度感応性変色剤層
を設けたテープをカートリッジ外面に貼着する方法等が
あげられる。塗料として塗布する場合,温度感応性変色
剤のビヒクルとしては、エチルセルロース,ニトロセル
ロースなどのラッカー,アルキド樹脂ワニス,シリコー
ン変性アルキドワニス,メラミン樹脂ワニス,尿素樹脂
ワニス,エポキシ樹脂ワニス,塩化ビニル又は酢酸ビニ
ル共重合樹脂ワニス,メタクリル酸メチル・アクリル酸
ブチル共重合樹脂ワニス,メタクリル酸メチル・酢酸ビ
ニル共重合樹脂ワニスなどを用いることができる。本発
明では,前記温度感応性変色剤を塗料中に均一に分散し
て用いてもよいし,不均一に分散して用いてもよい。こ
の分散にあたっては,塗料中に温度感応性変色剤を直接
添加するか,又は温度感応性変色剤をマイクロカプセル
にして分散するのかのいずれかの方法で行なうことがで
きる。本発明に係る温度感応性変色剤には,その性能を
向上させるために種々の添加剤を加えることができ,例
えば酸化防止剤,紫外線防止剤,熱安定剤,滑剤等を用
いることができる。
【0013】
【実施例】以下,本発明を実施例によって説明するが,
これは本発明をよく理解するための一例であって,本発
明はこれに限定されることなく,様々な態様が包含され
得るものである。 実施例1 塗料ビヒクルとしてのメタクリル酸メチル・アクリル酸
ブチル共重合樹脂ワニスに、47℃の変色温度を有する
温度感応性変色剤(フルオラン化合物とビスフェノール
Aとステアリン酸n−ブチルとセチルアルコールとの混
合物)を加えて均一に混合した。該塗料を図1に示す歯
科印象材カートリッジ1の表面に塗布し、乾燥して温度
感応性変色剤混入の硬化塗料層1Aを形成した。このカ
ートリッジ1は市販の寒天印象材入りカートリッジを用
いて製作したものであり、その中には寒天印象材2が充
填されている。上記温度感応性変色剤混入の硬化塗料層
1Aを有する改善されたカートリッジ1を図1及び図2
に示すごとくして、印象用シリンジ3に収納し、次いで
該カートリッジ1を収納した印象用シリンジ3を図3に
示す恒温加熱装置(寒天コンディショナー)4の加熱保
温孔4aに挿入し、続いて、常温から溶解温度(約98
℃)にまでその温度を上昇させて,一定時間保持した。
その時点での歯科用印象材カートリッジ表面塗料層1A
の色はオレンジ色であった。次にこのカートリッジ1を
保存温度(約64℃)まで冷却し,以後保存温度にて保
持した。この時の印象材カートリッジ表面塗料層1Aの
色も同様オレンジ色のままであった。患者の窩洞の印象
採得を行なうため,寒天コンディショナー4より印象材
カートリッジ1入りのシリンジ3を取り出した。カート
リッジ表面塗料層1Aの色はオレンジ色であった。シリ
ンジ3先端のノズルから寒天印象材2を押出して印象部
位の窩洞部へ供給し、印象採得を行った。その結果、印
象精度は高く、歯科印象採得は成功していることが確認
された。比較のため、従来どおりのシリンジに寒天印象
材を充填し、該シリンジを加熱した後、しばし卓上に置
き、次いで印象採得を行った。寒天印象材の温度状態が
判らないので、印象採得作業に不安をおぼえた。その結
果は満足できるものではなかった。
【0014】実施例2 ポリアクリレート樹脂プレポリマーに,約90〜98℃
では乳白色を示し,約55〜65℃では紫色を示し,約
47℃で紫色からオレンジ色に変色し,約30〜35℃
でオレンジ色から緑色に変色する温度感応性変色剤を添
加混合した。該プレポリマー混合物を用いてシリンジ成
形物を成形し、重合硬化させて、図4に示す温度感応性
変色剤混入歯科印象材カートリッジ1の本体部10を製
作した。該カートリッジ本体部10に寒天印象材2を充
填し、シリンジ実施例1と同様にして寒天コンディショ
ナー3の加熱保温孔3aに挿入して,常温から溶解温度
(約98℃)にまでその温度を上昇させた。 該カート
リッジ本体部10は乳白色を呈した。その温度で一定時
間保持したが,その間該本体部10の色は乳白色のまま
であった。次にこのカートリッジ1を保存温度(約64
℃)にまで冷却した。カートリッジ本体部10の色は紫
色に変化した。次に、上記カートリッジ1装填のシリン
ジ3を患者の印象採得を行なうために,寒天コンディシ
ョナー3より取り出した。取り出したカートリッジ本体
部10の色は紫色であった。シリンジ3先端のノズルか
ら寒天印象材2を押出して印象部位の窩洞部へ供給し、
印象採得を行った。その結果、印象精度は高く、歯科印
象採得は成功していることが確認された。比較のため、
従来どおりのシリンジに寒天印象材を充填し、該シリン
ジを加熱した後、しばし卓上に置き、次いで印象採得を
行った。寒天印象材の温度状態が判らないので、印象採
得作業に不安をおぼえた。その結果は満足できるもので
はなかった。
【0015】
【発明の効果】本発明に従えば,歯科印象採得に際し
て、カートリッジ表面塗料層の色を観察することによ
り、又はカートリッジ自体の色を観察することにより、
カートリッジ内容物の歯科印象材の温度が判別でき、そ
の結果印象採得作業が容易かつ適確に失敗なく実施でき
る。よって、経験不足の未熟練者や予期せぬ出来事等に
より寒天をしばらくの時間室温中に放置してしまって
も、印象採得作業を心配なく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の歯科印象材カートリッジと印象
用シリンジの斜視図。
【図2】本発明実施例の印象材カートリッジを装填した
印象用シリンジの斜視図。
【図3】寒天コンディショナーのの斜視図。
【図4】本発明の他の実施例の印象材カートリッジの斜
視図。
【符号の説明】
1:歯科印象材カートリッジ 1A:温度感応性変色剤混入の硬化塗料層 2:寒天印象材 3.印象用シリンジ 4:寒天コンディショナー 4a:加熱保温孔 10:カートリッジ本体部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科印象材カートリッジの外面に温度感
    応性変色剤を被覆せしめてなることを特徴とする歯科印
    象材カートリッジ。
  2. 【請求項2】 温度感応性変色剤が配合せしめられた材
    料により成形されてなることを特徴とする歯科印象材カ
    ートリッジ。
  3. 【請求項3】 温度感応性変色剤が,電子供与性呈色性
    有機化合物、フェノール性水酸基を有する有機化合物及
    び呈色性調整化合物からなるものである請求項1又は2
    記載の歯科印象材カートリッジ。
  4. 【請求項4】 温度感応性変色剤が,寒天印象材の軟化
    点又はその近傍で色変化を起こすものである請求項1な
    いし3のいずれかに記載の歯科印象材カートリッジ。
  5. 【請求項5】 温度感応性変色剤が,寒天印象材の軟化
    点又はその近傍で色変化を起こす他に,少なくともそれ
    以外の温度で色変化を起こすものである請求項1ないし
    4のいずれかに記載の歯科印象材カートリッジ。
JP28553893A 1993-10-21 1993-10-21 歯科印象材カートリッジ Pending JPH07116177A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040039612A (ko) * 2002-11-04 2004-05-12 서의석 주사기
KR100898725B1 (ko) * 2007-06-08 2009-05-20 문창수 국소마취장치
JP2014172891A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Tokuyama Dental Corp アルジネート印象採得用前処理材

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