JPH0711601A - レール用継目部材 - Google Patents

レール用継目部材

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JPH0711601A
JPH0711601A JP15706793A JP15706793A JPH0711601A JP H0711601 A JPH0711601 A JP H0711601A JP 15706793 A JP15706793 A JP 15706793A JP 15706793 A JP15706793 A JP 15706793A JP H0711601 A JPH0711601 A JP H0711601A
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rail
fiber
synthetic resin
joint member
insulating
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JP15706793A
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Mitsuo Okubo
光夫 大久保
Hajime Naito
一 内藤
Akihiro Ueda
明弘 上田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄道のレール同士をその長手方向に接続する
為に使用するレール用継目部材であって、軽量化により
施工性が改善され、経時による絶縁機能の低下がなく、
レールとの接触面での磨耗度の軽減されたものを提供す
る。 【構成】 継目部材2、2は、繊維強化合成樹脂にて製
せられ、幅方向に複数個の緊締具の挿通孔23が穿設さ
れ、レールとの接触面には、耐磨耗性の繊維を補強繊維
とする繊維強化合成樹脂からなる補強層24が設けられ
ている。従って、軽量であり、経時により絶縁性能が低
下することがなく、しかも、列車の通過によりレール1
との接触面で摩擦力が働いても、その磨耗度が軽減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道等の分野におい
て、長手方向に隣接するレールとレールとの接続に用い
られるレール用継目部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道用のレールとレールとの長
手方向の接続は、該接続箇所に継目部材を、両レールの
端部における側面部と側面部とに跨がって配設し、該継
目部材とレールの端部とを、ボルト等の緊締具を用いて
緊締することにより接続している。
【0003】かかるレールの接続箇所は、レールの最も
弱い部分であって、列車の通過により、繰り返しの衝撃
・振動等の機械的応力が加わる為に、この部分のレール
の接続並びに補強の為に用いられる継目部材としては、
従来鋼鉄製のものが常用されていた。しかしながら、鋼
鉄製継目部材は、通常1個当たりの重量が20〜30K
gであり、重量が嵩む為にレールへの取りつけ作業性に
難点があった。
【0004】一方、信号機や踏切警報機の設置箇所に使
用されるレールは、或る区間毎に区切って電気回路を形
成する必要があり、従って、レール用継目部材にも絶縁
特性が要求される場合がある。従来、この絶縁性能を有
するレール用継目部材としては、図6に示すように、レ
ールaの側面部に配設された継目板b、bがレールaに
接触しないように、両者の間に合成樹脂製絶縁プレート
c、cを介在させると共に、緊締ボルト挿通孔dとして
は、貫通孔を予め太めに形成して、その中に合成樹脂製
絶縁筒e、eを左右から嵌め込み、該絶縁筒e、eの中
空内部を緊締ボルト挿通孔dとなし、以て絶縁性を確保
したものが知られている(1990年11月30日、株
式会社山海堂発「線路−軌道の設計・管理」第82頁、
図2.52参照)。尚、同図において、fは絶縁筒eの
頭部に延設された鍔、gはワッシャ、hはナット、iは
ボルトである。
【0005】この絶縁性継目部材は、絶縁プレートcや
絶縁筒eには合成樹脂を採用しているので、重量は鋼鉄
製に比べて若干軽くなされているが、絶縁プレートcや
絶縁筒eは、列車の通過による繰り返しの衝撃・振動等
や、気温の変化によるレールの熱伸縮に起因して、経時
により磨滅・破損する場合があり、従って、絶縁性が低
下する恐れがあった。このように、従来の継目部材は、
絶縁性継目部材を含めて重たい上に、絶縁性継目部材に
おいては絶縁プレートや絶縁筒の上記経時による絶縁機
能の低下が問題であった。
【0006】そこで、本発明者等は、継目部材そのもの
を繊維強化合成樹脂で製造すれば、これらの問題点が解
消し、絶縁性を特に要求される前記用途の場合のみなら
ず、絶縁されていても支障の無い箇所に使用される継目
部材として、有用なものが得られることに着眼した。
【0007】しかしながら、レール用継目部材には列車
の通過毎に繰り返しの衝撃荷重がかかると共に、レール
との接触面には、繰り返し摩擦力が働くので、継目部材
そのものを繊維強化合成樹脂で製造した場合に、継目部
材の主として荷重方向での層間剥離や繊維破壊が発生
し、更に接触面の磨耗が激しくなることが予測された。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
技術の問題点の改善、即ち、軽量化して作業性、施工性
等重量物にかかわる諸問題を解消し、また、経時による
絶縁機能の低下、荷重方向での層間剥離や繊維破壊、接
触面の磨耗等を防止し、以て寿命が長く、長期にわたっ
て使用しても安全性のあるものを提供することを目的と
してなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
「間隔をおいて連なるレールとレールの、端部の両側面
部に跨がって配設され、幅方向に緊締具の挿通孔が設け
られてなるレール用継目部材であって、繊維強化合成樹
脂により形成されており、レールとの接触面には、耐磨
耗性の繊維を補強繊維とする繊維強化合成樹脂からなる
補強層が積層されてなることを特徴とするレール用継目
部材」をその要旨とするものであり、
【0010】請求項2記載の発明は、「間隔をおいて連
なるレールとレールの、端部の両側面部に跨がって配設
され、幅方向に緊締具の挿通孔が設けられてなるレール
用継目部材であって、繊維強化合成樹脂により形成され
ており、複数枚の金属箔がレールの側面部とほぼ平行に
して且つ幅方向に等間隔で埋設されてなることを特徴と
するレール用継目部材」をその要旨とするものである。
【0011】即ち、請求項1記載の発明では、レール用
継目部材そのものを、繊維強化合成樹脂で製造すること
により、全体の軽量化を図ると共に、従来、鋼鉄と合成
樹脂との二部材で形成されていた絶縁性継目部材の、経
時による絶縁性能の低下を解消し、また、レールとの接
触面での摩擦力による磨耗を防止するために、該接触面
に、特に耐磨耗性に優れた繊維を補強繊維とする繊維強
化合成樹脂からなる補強層を配置して、これに対応する
ようにしたことを骨子とするものであり、
【0012】請求項2記載の発明では、同じくレール用
継目部材そのものを、繊維強化合成樹脂で製造すると共
に、複数枚の金属箔を、レールの側面部にほぼ平行にし
て且つ幅方向に等間隔に埋設することにより、継目部材
の主として荷重方向での層間剥離や繊維破壊を防止する
ようにしたことを骨子とするものである。
【0013】本発明において、レール用継目部材を構成
する補強繊維としては、非導電性繊維が推奨される。具
体的には、ガラス繊維、アラミド(全芳香族ポリアミ
ド)繊維、ビニロン繊維等が挙げられ、特に安価で且つ
強度を有する点でガラス繊維が好ましい。また、使用さ
れる繊維の形態としては、ロービングが最も一般的であ
るが、平織、朱子織等に織り上げたクロスや、バインダ
ーにより不織布状にしたチョップドストランドマット、
コンティニュアスマット等、或いはより耐候性に優れた
ものとする場合には、ガラス繊維をバインダーによって
薄くシート状に結合したサーフェイスマット、ポリエス
テル系の不織布等が挙げられる。
【0014】なかでも、クロスは一般にその繊維の方向
が、継目部材の長手方向に沿うものと、幅方向に沿うも
のとを併せ有するので、このような材料構成のものを使
用すると、緊締具の挿通孔への応力集中を分散させた
り、ボルト・ナットによる面圧への耐久性を発現させた
りする点で効果的である。
【0015】本発明の継目部材は、列車の通過による上
下方向の繰り返し荷重が加わる為、かかる過酷な状況に
対応した高い曲げ強度を必要とする。この為に、補強繊
維としては、できれば継目部材の長手方向に直線状長繊
維を配するようにした方がよい。その直線状長繊維と
は、例えばガラスロービングやガラスクロスの程度の直
線性を備えておればよく、また、長繊維とは、一般には
繊維強化合成樹脂成形品の製造に多用されるところの、
長さが30mm以上の繊維を指すが、本発明の場合は、
250mm以上(図3における長さLの略2分の1以
上)が好ましく、更には継目部材の長手方向の端から端
まで連続した繊維を用いるのがよく、ロービングや織
物、編物等がこれに該当する。
【0016】本発明における補強繊維の体積含有率とし
ては、20〜70%の範囲内とするのが好ましく、20
%未満では要求される強度を発現することが困難であ
り、70%を超えると、繊維同士を結着固定する熱硬化
性樹脂が相対的に少なくなり、やはり要求される強度の
発現が不十分となる。また、補強繊維全体に対する長繊
維の体積含有率は50〜80%以上とするのが好まし
い。
【0017】本発明において、マトリックスとなる合成
樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンフェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、中でも成形性に優れ、
且つ引張強度、圧縮強度、衝撃強さ、伸長率等の物理的
性質に優れているビニルエステル樹脂が好適である。
【0018】ビニルエステル樹脂としては、通常、エポ
キシ樹脂と重合性不飽和カルボン酸との反応生成物をス
チレン、ジアリルフタレート等の重合性モノマーに溶解
したものが挙げられる。
【0019】請求項1記載の発明の継目部材は、レール
との接触面に働く摩擦力によって磨耗するのを防止する
対策を講じている。即ち、レールとの接触面には、耐磨
耗性の繊維を補強繊維とする繊維強化合成樹脂からなる
補強層が積層された構造を採る。この場合の耐磨耗性に
優れた繊維としては、カーボン繊維、或いはアラミド繊
維等が挙げられる。該補強層の厚みは、1mm以上とす
るのがよく、この補強層での耐磨耗性繊維の体積含有率
は50〜60%とするのが好ましい。
【0020】請求項2記載の発明の継目部材は、該継目
部材の主として荷重方向での層間剥離や繊維破壊を防止
する為に、複数枚の金属箔を、接続するレールの側面部
に対してほぼ平行にして且つ幅方向に等間隔に埋設した
構造を採る。「ほぼ平行」としたのは、レールの側面部
は必ずしもストレートではなく、やや内側に湾曲してい
るからである。
【0021】この場合の金属箔としては、アルミニウ
ム、ステンレス、チタン、鉄等が挙げられる。一枚の厚
みは、30〜100μmが好ましく、30μm以下では
繊維破壊等の防止効果に乏しく、100μm以上になる
と、継目部材全体の強度として捉えた場合、効果的でな
い。また、金属箔は、継目部材の上下方向の端部から端
部にわたって埋設されたものであっても、端部の近辺ま
でで止まり、表面に露出しないようにしたものであって
もよいが、絶縁性継目部材として用いる場合は、表面に
露出してレールに接触することのないようにしなければ
ならない。
【0022】金属箔を成形材料の段階で埋設するに際し
ては、予め、金属箔の表面を1規定濃度の塩酸、硝酸ま
たは硫酸等に、30〜60秒間浸漬し、以て表面に粗面
加工を施すのが好ましい。この場合、表面には10〜2
0μm程度の微小凹凸が形成され、隣接する繊維強化合
成樹脂層との間でアンカー効果が得られ、10μm以下
の凹凸では期待する程の効果は得られない。
【0023】請求項1記載の発明の継目部材の横断面の
構造としては、例えば、芯材層と表皮層とレールとの接
触面に設けられる補強層との三層構造からなり、芯材層
は連続補強繊維で補強された軽量なポリウレタン発泡体
からなり、表皮層は、同じく補強繊維で補強されたビニ
ルエステルからなるものであってもよい。
【0024】本発明の継目部材の形状は、例えば、図1
における2の如く、一般にレール1に接する側の上部2
1及び下部22がレールの側面部に滑らかに沿って当接
すると共に、中央部はレールに密接しないように形成さ
れるが、かかる形状に限定されるものではない。また、
継目部材2の寸法は、長さが約500〜1000mm、
高さが約100mm、厚さ(幅)が約40mmとされる
が、このような平型に限定されるものではない。また、
緊締具の挿通孔の孔径、間隔、孔数等についても、レー
ルの設計によって決定され、限定されるものではない。
【0025】請求項1記載の発明の継目部材の製造方法
としては、引抜成形法、プレス成形法、反応射出成形
法、フィラメントワインディング成形法等の従来公知の
繊維強化合成樹脂成形方法が採用できる。この中でも、
生産性、積層性に優れた引抜成形法が好適である。
【0026】引抜成形法の場合について述べると、熱硬
化性樹脂を含浸させた補強繊維を引き揃えて、継目部材
の横断面形状に適合した内面形状を有する金型の中に、
連続的に移送しつつ加熱硬化させ、引き抜いた後に所定
寸法に切断し、次いで、ドリル等の穿孔具を用いてボル
ト挿通孔を穿設する。この挿通孔の孔径を予め緊締具の
本来の挿通孔よりも大きくとり、次いで、別途に製造し
た短管をプレス機等を用いて嵌入し、該短管の中空部を
ボルト挿通孔とし、内壁が特に圧縮強度の大なる素材で
製せられたものとするのは任意である。
【0027】請求項2記載の発明の継目部材の製造方法
としては、上記請求項1記載の発明の場合に採用される
製造方法のうち、フィラメントワインディング法を除い
て、全ての製造方法が採用できる。また、耐磨耗性の繊
維としてアラミド繊維などの非導電性繊維を用いれば絶
縁性継目部材として好適に用い得る。
【0028】本発明における継目部材2のレール1への
取り付け固定は、従来の絶縁性継目部材のような絶縁プ
レートや絶縁筒は、通常必要としない。即ち、図5にお
いて、継目部材2、2を、間隙12をおいて連なるレー
ル1とレール1の端部13、13における側面部と側面
部とに跨がった状態で、図1及び図2に示すように、レ
ール1のボルト挿入孔14と継目部材2の緊締具の挿通
孔23の位置が重なるようにし、レールの柱部11の左
右よりレール1に当てがい、ボルト挿入孔14及び緊締
具の挿通孔23にボルト3を挿入し、ワッシャ4を介し
てナット5を螺着・緊締して固定するのである。
【0029】本発明のレール用継目部材は、普通の継目
部材の用途に好適に用いられるが、無論、従来の絶縁性
継目部材として用いることも可能である。
【0030】
【作用】請求項1記載の発明のレール用継目部材は、繊
維強化合成樹脂で形成されているから、軽量であり、レ
ールとの接触面には、耐磨耗性の繊維を補強繊維とした
繊維強化合成樹脂からなる補強層が積層されているの
で、レールとの接触面での摩擦力による磨耗が軽減でき
る。また、耐磨耗性の繊維としてアラミド繊維などの非
導電性繊維を用いれば絶縁性継目部材として好適に用い
得る。
【0031】請求項2記載の発明のレール用継目部材
は、同じく繊維強化合成樹脂で形成されているから、軽
量であり、複数枚の金属箔が、レールの側面部にほぼ平
行にして且つ幅方向に等間隔に埋設されているから、継
目部材の主として荷重方向での層間剥離や繊維破壊を軽
減できる。また、金属箔の上下の寸法をレールに接触し
ない程度にすることにより絶縁性継目部材としても好適
に用い得る。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。実施例1
【0033】先ず、以下に示す原材料を用い、図1及び
図3に示すような形状・構造であって、高さHが100
mm、厚さTが40mm、長さLが560mmの寸法の
レール用継目部材の原材を引抜成形法により製造し、同
図に示すように長手方向の4箇所に緊締具の挿通孔23
(直径=22mm)を穿設した。
【0034】即ち、硬化剤が混合された液状熱硬化性樹
脂に下記の補強繊維を浸漬し、この補強繊維を図3の継
目部材2を左に90°反転させ横に寝かせた状態の断面
形状に適合した内面形状を備えた図示しない金型(長さ
1m)に導きつつ加熱し、金型温度160℃、成形速度
20cm/分で金型の長手方向に引き抜いて硬化させ、
定尺に切断した。
【0035】このとき使用した原材料の詳細は以下の通
りである。 補強繊維:旭ファイバーグラス社製ガラスロービング#
4450(重量4.45g/m、フィラメント径13μ
m) 旭ファイバーグラス社製ガラスクロス#600(重量6
00g/m2 、フィラメント径13μm) 旭ファイバーグラス社製炭素繊維のコンティニュアスマ
ット#450(重量450g/m2 、フィラメント径1
3μm) 樹脂 :ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート
樹脂) 硬化剤 :過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト)
【0036】このときの補強繊維は、コンティニュアス
マット、ガラスクロス、ガラスロービングをこの順に繰
り返し積み重ねる如く配設しながら、上記の樹脂を供給
して加熱・硬化させたが、最上層及び最下層は樹脂含浸
ガラスクロスとなるように補強繊維を配設し、更に、左
右の補強層24を形成する箇所には樹脂含浸炭素繊維マ
ットを配設した。得られた継目部材の補強繊維の含有率
は50体積%であり、ロービング、及びクロス中の長繊
維の含有率は75体積%であった。
【0037】厚さ2mmの補強層24中の炭素繊維含有
率は約40体積%であった。
【0038】比較例1 補強層24を設けなかったこと以外は実施例1と同様に
して継目部材を製造した。
【0039】比較例2 形状、寸法が実施例1と同様であるが、鋼材(S35
C)を材料として継目部材を製造した。
【0040】上記各実施例及び比較例について、重量、
曲げ強度、耐磨耗性の各種物性について評価試験を行っ
た。その結果を表1に示す。尚、曲げ強度はJIS−K
−7055、磨耗試験はJIS−K−7055に準拠し
た。
【0041】
【表1】
【0042】上記評価試験の結果から明らかなように、
実施例1のものは、曲げ強度、耐磨耗性の点について、
鋼鉄性のものよりも優れており、また、重量が約1/4
となり、耐磨耗性の点で比較例に対して5倍の強度を有
するものとなっている。
【0043】尚、各実施例及び比較例の継目部材を用い
て、レールに対する施工性を比較したところ、比較例の
ものは3人要したのに対して、実施例1のものは、2人
で充分であり、しかも軽量にして絶縁カバー等の部品を
必要としないので、夜間作業も可能であった。
【0044】実施例2 原材料において、金属箔として、チタン箔(厚さ=50
μm、比重=4.5)の両面を、1規定の濃度の塩酸で
表面処理を行って、15μmの凹凸を形成し、これを1
0枚用意して、形成される継目部材の幅(厚さ)方向に
等間隔となるように挿入しつつ引抜成形したこと以外は
実施例1と同様にして、図2及び図4(便宜上、チタン
箔が表面に露出した図としたが、実際には上下を稍短く
してチタン箔がレールに接触しないようにした。)に示
すような継目部材を製造した。これらの図において、2
5、25・・は金属箔(チタン箔)、又は後述するアル
ミニウム箔である。
【0045】実施例3 金属箔として、アルミニウム箔(厚さ=50μm、比重
=2.7)を実施例3と同様にして表面処理し、同じ形
状、大きさ、構造の継目部材を製造した。
【0046】上記各実施例及び前述の比較例について、
曲げ荷重についての評価試験を行い、その結果を表1に
示した。尚、曲げ荷重はJIS−K−7203に準拠し
た。図5に曲げ荷重試験の場合の支点の位置と支点間距
離、並びに荷重方向(矢印)を示す。
【0047】表1の結果より明らかなように、本発明の
継目部材は、従来のものと比較してその重量について
は、約1/4に軽量化されたものとなっており、曲げ荷
重については、実用上充分な程度に改善されたものとな
っている。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明のレール用継目部材
は、繊維強化合成樹脂で形成されているから、軽量であ
り、また、レールとの接触面には、耐磨耗性の繊維を補
強繊維とした繊維強化合成樹脂からなる補強層が積層さ
れているので、レールとの接触面での摩擦力による磨耗
が軽減できる。従って、製品寿命の永いものとなってい
る。
【0049】請求項2記載の発明のレール用継目部材
は、同じく繊維強化合成樹脂で形成されているから、軽
量であり、また、複数枚の金属箔が、レールの側面部に
ほぼ平行にして且つ幅方向に等間隔に埋設されているか
ら、継目部材の主として荷重方向での層間剥離や繊維破
壊を軽減できる。
【0050】本発明のレール用継目部材は、総じて、長
期にわたってレールとの接触面に摩擦力が働いたり、上
下方向での繰り返し荷重が働いても、磨耗や層間剥離、
繊維破壊することがなく、施工後の保守管理に要する工
数が削減され、レールの接続・保守管理に要するコスト
低減を図り得る。また、品質に優れているから、列車の
安全運行上優れたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例を、その使用態
様とともに示す断面図である。
【図2】請求項2記載の発明の一実施例を、その使用態
様とともに示す断面図である。
【図3】図1に示す継目部材の斜視図である。
【図4】図2に示す継目部材の斜視図である。
【図5】本発明の継目部材を用いてなされた2本のレー
ルの接続部を示す側面図であり、併せて、曲げ荷重試験
を実施する場合の荷重をかける位置と方向を示す図であ
る。
【図6】従来品の一例を、その使用態様とともに示す断
面図である。
【符号の説明】
1 レール 2 継目部材 3 ボルト 4 ワッシャ 5 ナット 11 柱部 12 間隙 13 端部 14 ボルト挿入孔 23 緊締具の挿通孔 24 補強層 25 金属箔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔をおいて連なるレールとレールの、
    端部の両側面部に跨がって配設され、幅方向に緊締具の
    挿通孔が設けられてなるレール用継目部材であって、繊
    維強化合成樹脂により形成されており、レールとの接触
    面には、耐磨耗性の繊維を補強繊維とする繊維強化合成
    樹脂からなる補強層が積層されてなることを特徴とする
    レール用継目部材。
  2. 【請求項2】 間隔をおいて連なるレールとレールの、
    端部の両側面部に跨がって配設され、幅方向に緊締具の
    挿通孔が設けられてなるレール用継目部材であって、繊
    維強化合成樹脂により形成されており、複数枚の金属箔
    がレールの側面部にほぼ平行にして且つ幅方向に等間隔
    で埋設されてなることを特徴とするレール用継目部材。
JP15706793A 1993-06-28 1993-06-28 レール用継目部材 Pending JPH0711601A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096539A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Inoac Corp 導電性ロール
JP2015028249A (ja) * 2013-07-30 2015-02-12 東日本旅客鉄道株式会社 継ぎ目部材及び補強部材

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