JP2013096539A - 導電性ロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シャフト11を、該シャフト11の長手方向Lに沿って長繊維の炭素繊維が複数配列してビニルエステル系エポキシ樹脂からなる樹脂バインダーで結合されたもので構成し、シャフト11の外周に導電性を有するゴムスポンジまたはポリウレタン発泡体からなる樹脂発泡体15を設けて導電性ロール10を構成した。
【選択図】図1
Description
さらに、樹脂発泡体がイオン導電性を有するゴムやイオン導電剤を配合した樹脂発泡体の場合、金属シャフトが酸化すると樹脂発泡体の表面と金属シャフト間の電気抵抗が大きくなって導電性能が劣るようになる。
しかしながら、ポリアミド樹脂をマトリクスとして短繊維の強化繊維を射出成形したロール用シャフトは、電子写真複写機器に取り付けられて回転することによって両端の摺動部が摩耗すると、摩耗部分でシャフトの短繊維が露出して飛散するおそれがある。飛散した短繊維は、静電気により電子写真複写機器内の感光体等に付着して画像形成に悪影響を及ぼすことになる。
上記繊維整列板41は、炭素繊維が均一に配置したシャフトを得るために加熱金型の手前で、炭素繊維を整列させるために用いられる。炭素繊維を均一に割付けるために、平板に貫通孔を開けた治具を設置する。また、整列板の貫通孔に、炭素繊維を通過させることで、含浸された余分な樹脂を除去することができる。これにより、外径精度の高い、ねじれの少ないシャフトが得られる。
上記加熱装置45は、ヒータ等で加熱制御されている。樹脂バインダーを硬化させ、引抜成形品を得る。
ゴムスポンジは、イオン導電性ゴム材料から成形されたものである。イオン導電性ゴム材料としては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ヒドリンゴム(CO、ECO等)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)等を挙げることができる。好ましくは、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムである。これらは1種または2種以上併用することができる。イオン導電性ゴム材料は、ロールおよびロールが接触する相手面の電気抵抗分布をより均一にすることができる。さらに、イオン導電性ゴム材料としては、イオン導電性ポリマーを含有し、材料の組成が導電性を示すニトリルゴムとエピクロルヒドリンゴムの混合ゴムがより好ましい。
イオン導電剤の配合量は、イオン導電剤の種類によって適宜決定されるが、例えばゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
前記ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなどいずれでもよい。ポリオールは、水酸基価が10〜100mgKOH/g、好ましくは15〜60mgKOH/g、平均官能基数2〜4のものである。イソシアネート成分としては、変性トリレンジイソシアネート(TDI)、変性ジフェニルメタンジイソアネート(MDI)、変性ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。この場合、変性体の種類は、特に制限されるものではなく、ポリオール変性体、ヌレート変性体、カルボジイミド変性体などが例示される。
整泡剤としては、ポリジメチルシロキサン−ポリエチレンオキサイド共重合体、ポリジメチルシロキサン−ポリプロピレンオキサイド共重合体、ポリジメチルシロキサン−ポリエチレンアジペート共重合体などを挙げることができる。
樹脂バインダーとしてビニルエステル樹脂、品名:リポキシ、昭和電工製、炭素繊維として、品名:トレカ(登録商標)(炭素繊維束)、東レ製を24万本用い、図2に示した引抜成形法で成形し、さらに長さ480mmに切断して外径4.9mm、長さ240mmの実施例のシャフトを19本製作した。このシャフトは、中空円筒形である。
19本の実施例シャフトについて、外径、振れ、円筒度を測定した。外径の測定方法は、レーザーマイクロメーター(ミツトヨ社製LSM6000)を用いて、計測時間1.76秒の間にローラを3回転させ、平均化された10ポイントの外径の平均値を外径とする方法を用いた。振れの測定方法は同じくレーザーマイクロメーター(ミツトヨ社製LSM6000)を用いて計測時間1.76秒中の間にローラを3回転させた内、ローラ表面の外部に存在する一基準点からローラ表面の距離を10ポイント測定し、その最大値から最小値を引いた差を振れの値とする方法を用いた。また、円筒度の測定方法は、前述の外径測定を、シャフト長手方向に3箇所行い、これら3箇所の測定値の最大値から最小値を引いた差を、円筒度とした。測定結果は表1に示す通りであり、シャフトの外径については3箇所における平均値が4.92mm、標準偏差0.005、振れについては3箇所における平均値が0.08mm、標準偏差0.058、円筒度については平均値が0.005、標準偏差0.002であった。また、シャフトの平均重量は5.6gであった。なお、同一外形寸法からなる中空円筒形状の金属シャフト(鉛製)の重量は36.5gであり、実施例のシャフトが金属製のシャフトよりも軽量であった。
ニトリルゴム70重量部とエピクロルヒドリンゴム30重量部からなる混合ゴム100重郎部に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を5重量部、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド系発泡剤を1重量部を含むイオン導電性ゴム材料から、C硬度(500g定圧荷重)70度、外径12mm、内径4.5mm、長さ300mmからなる円筒形の樹脂発泡体を形成した。
前記樹脂発泡体内に空気を吹き込みながら前記実施例のシャフトを樹脂発泡体内に挿入し、その後に樹脂発泡体の外周に研磨加工を施して、外径9.5mmの導電性ロール(実施例1)を3本作成した。
ポリオール成分として水酸基価が56mgKOH/g、平均官能基数3のポリエーテルオール、品名:サンニックスGP−3000、三井武田ケミカル(株)製、100重量部、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製、14重量部、整泡剤として、シリコーン系整泡剤、品名:Niax L5614、Momentive Performance Materials社製、3重量部、導電剤として第四級アンモニウム塩、品名:ニッサンカチオン、日油(株)製、1重量部、触媒としてアミン系触媒、品名:U−CAT SA−102、サンアプロ製、0.1重量部からポリウレタン原料を、機械撹拌発泡(メカニカルフロス法)により発泡させて密度0.54g/cm3のポリウレタン発泡体からなる樹脂発泡体を形成した。この樹脂発泡体を17mm角、長さ270mmの直方体形状とし、その中心に孔開け加工により長さ方向に沿って径4mmのシャフト挿入用孔を形成した。
前記実施例のシャフトの表面にホットメルト接着剤を塗布した後、該シャフトを前記ポリウレタン発泡体からなる樹脂発泡体のシャフト挿入用孔に圧入し、加熱溶着によりシャフトと樹脂発泡体を接着した。その後、樹脂発泡体の外周をトラバース式の加工機により研磨加工して外径11.6mmの導電性ロール(実施例2)を3本作成した。
11 シャフト
15 樹脂発泡体
Claims (4)
- シャフトの外周に、導電性を有する樹脂発泡体が設けられた導電性ロールにおいて、
前記シャフトは、該シャフトの長手方向に沿って長繊維の炭素繊維が複数配列し、前記複数の炭素繊維が樹脂バインダーで結合されたものからなることを特徴とする導電性ロール。 - 前記樹脂バインダーが、ビニルエステル系エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ロール。
- 前記樹脂発泡体はポリウレタン発泡体であって、前記ポリウレタン発泡体は、イオン導電材を含み、機械攪拌により発泡硬化してなることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ロール。
- 前記樹脂発泡体はゴムスポンジであって、前記ゴムスポンジには、エピクロルヒドリンゴムが含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ロール。
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