JP2003336129A - 炭素繊維ストランド - Google Patents

炭素繊維ストランド

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JP2003336129A
JP2003336129A JP2002138006A JP2002138006A JP2003336129A JP 2003336129 A JP2003336129 A JP 2003336129A JP 2002138006 A JP2002138006 A JP 2002138006A JP 2002138006 A JP2002138006 A JP 2002138006A JP 2003336129 A JP2003336129 A JP 2003336129A
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carbon fiber
strand
fiber strand
resin
tension
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JP2002138006A
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English (en)
Inventor
Yuki Onishi
祐輝 大西
Yoshinobu Suzuki
慶宜 鈴木
Isao Nishimura
功 西村
Sadataka Umemoto
禎孝 梅元
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Tenax Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プルトルージョン成形等において使用するこ
とのできる、マトリックス樹脂との接着性に優れ、且つ
成形時のトラブル防止も考慮し、工業的に複合材料成形
性に優れた炭素繊維ストランドを提供する。 【解決手段】 サイズ剤が付着されてなる炭素繊維スト
ランドであって、5m/分の速度、200gfのテンシ
ョンにおいてローラー掛けした後の走行時扁平率(スト
ランド幅/ストランド厚み)が25〜70で、且つ、5
m/分の速度、2kgfのテンションにおいてローラー
掛けした後の緊張時ストランド幅と前記走行時ストラン
ド幅との比である緊張拡がり変動率が100〜160%
である炭素繊維ストランド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維の形態を
ストランド(数百本乃至数万本のフィラメントからなる
繊維束)とし、マトリックス樹脂を含浸した炭素繊維ス
トランドを連続的にダイス孔中に引き込み、次いで引き
抜く炭素繊維強化樹脂に用いられる炭素繊維ストランド
に関し、或は炭素繊維ストランドを連続的にダイス孔中
に引き込み、ダイス内でマトリックス樹脂を含浸し、次
いで引き抜く炭素繊維強化樹脂に用いられる炭素繊維ス
トランドに関する。即ち、プルトルージョン成形用炭素
繊維ストランドや更にはプルトルージョンの原理を用い
た長繊維ペレット製造用炭素繊維ストランドに関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は他の繊維と比較し、強度や弾
性率が高く、軽いという特徴を有するため、航空宇宙産
業を始めとし、各種の産業に利用されている。また、主
に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とす
る複合材料の強化材として使用されている。
【0003】複合材料を製造する方法としては、中間基
材であるプリプレグを用いて賦形成型する方法の外、プ
ルトルージョン成形法、レジントランスファーモールデ
ィング(RTM)法、フィラメント・ワインディング
(FW)法、シート・モールディング・コンパウンド
(SMC)法、バルク・モールディング・コンパウンド
(BMC)法、ハンドレイアップ法などがある。
【0004】プルトルージョン成形法は、炭素繊維を引
き揃えて、熱硬化性のマトリックス樹脂を含浸させて、
加温したダイス内で硬化、賦形させて連続的に引き抜く
方法、或は熱可塑性のマトリックス樹脂を含浸させて、
ダイス孔に誘導し、賦形ノズルにて賦形後、冷却し、引
き抜く方法、或は加温したダイス内で熱可塑性のマトリ
ックス樹脂を含浸させて、賦形ノズルにて賦形、冷却
後、ペレタイザーにより樹脂含浸炭素繊維ストランドを
カットして、長繊維ペレットを得る方法がある。
【0005】プルトルージョン成形法は連続的に生産で
きるなど、生産効率が高いので、加工費コストの面で有
利である。
【0006】しかし、プルトルージョン成形法は樹脂含
浸と賦形をほぼ同時に行うため、強化繊維に樹脂がうま
く含浸せず、複合材料として物性低下の原因となる。ま
た、連続生産であるため、トラブル発生は生産性に対
し、致命的である。
【0007】上記の対策として、装置面では、特開20
01−88223号公報に賦形ノズルの形状についての
提案がされている外、特開平6−254857号公報、
特開平6−254976号公報、特開平7−22791
5号公報では、ダイス内での樹脂含浸性向上のための工
夫に関する記載がなされている。また、特開昭60−1
70622号公報では樹脂含浸性向上の観点でマトリッ
クス樹脂の粘度に関する記載がなされている。
【0008】強化繊維面での対策としては、特開平1−
292038号公報にはマトリックス樹脂の含浸性を考
慮して、扁平な炭素繊維束が提案されている。確かに、
当該公報に記載されているように、プリプレグの様にホ
ットプレスによって加圧成型させる場合、含浸性は充分
である。しかし、上記公報の技術をプルトルージョン成
形に利用するには樹脂含浸性が不十分である外、プルト
ルージョン成形におけるトラブル防止についての考慮は
されていない。
【0009】また、特開2001−253952号公報
には強化繊維のドレープ性調整による成形物中における
強化繊維の蛇行対策についての提案が開示されている。
確かに、当該公報の実施例に記載している通り、炭素繊
維との親和性が高い事で知られているエポキシ樹脂がマ
トリックス樹脂として使用される場合は問題がない。し
かし、他のマトリックス樹脂を使用する場合は炭素繊維
とマトリックス樹脂との接着性が劣り、その結果得られ
る複合材料の物性が劣る可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、プルト
ルージョン成形に用いる炭素繊維として、マトリックス
樹脂含浸性と成形時のトラブル防止を充分に考慮された
炭素繊維が存在しないのが現状である。
【0011】本発明者は、上記問題を解決するために種
々検討しているうちに、炭素繊維の形態をストランドと
し、この炭素繊維ストランドにサイズ剤を付着させ、且
つ、この炭素繊維ストランドの走行時扁平率及び緊張拡
がり変動率を所定の範囲とすることにより、得られる炭
素繊維ストランドがプルトルージョン成形による複合材
料形成に適した強化材となり得ることを知得し本発明を
完成するに至った。
【0012】よって、本発明の目的とするところは、プ
ルトルージョン成形等において使用することのできる、
マトリックス樹脂との接着性に優れ、且つ成形時のトラ
ブル防止も考慮し、工業的に複合材料成形性に優れた炭
素繊維ストランドを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載のものである。
【0014】〔1〕 サイズ剤が付着されてなる炭素繊
維ストランドであって、5m/分の速度、200gfの
テンションにおいてローラー掛けした後の走行時扁平率
(ストランド幅/ストランド厚み)が25〜70で、且
つ、5m/分の速度、2kgfのテンションにおいてロ
ーラー掛けした後の緊張時ストランド幅と前記走行時ス
トランド幅との比である緊張拡がり変動率が100〜1
60%である炭素繊維ストランド。
【0015】〔2〕 炭素繊維ストランドが1000〜
50000本のフィラメントの炭素繊維からなる〔1〕
に記載の炭素繊維ストランド。
【0016】〔3〕 サイズ剤付着量が0.3〜5.0
質量%である〔1〕又は〔2〕に記載の炭素繊維ストラ
ンド。
【0017】〔4〕 炭素繊維ストランドの引裂抵抗力
が5〜300mNである〔1〕乃至〔3〕のいずれかに
記載の炭素繊維ストランド。
【0018】〔5〕 炭素繊維ストランドの仮空間繊維
占有率が25〜60%である〔1〕乃至〔4〕のいずれ
かに記載の炭素繊維ストランド。
【0019】〔6〕 サイズ剤が芳香族化合物を10質
量%以上含む〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の炭素
繊維ストランド。
【0020】〔7〕 炭素繊維ストランドを構成する炭
素繊維の比表面積がKr−BET多点法による測定で
0.2〜0.6m2/gである〔1〕乃至〔6〕のいず
れかに記載の炭素繊維ストランド。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の炭素繊維ストランドはサ
イズ剤が付着されてなる。且つ、本発明の炭素繊維スト
ランドは、後述するように5m/分の速度、200gf
のテンションにおいて少なくとも1回ローラー掛けした
後の走行時扁平率が25〜70であり、特に30〜60
が好ましい。
【0023】走行時扁平率が25未満の場合は、繊維ス
トランド内部までマトリックス樹脂を含浸させるのが困
難であり、特に引抜成形のような走行時に樹脂を含浸さ
せる場合には、この傾向が極めて顕著になるので好まし
くない。また、走行時扁平率が70を超える場合は、引
抜成形において樹脂浴から次工程のダイスへの樹脂持込
量が多くなり、引抜テンションが高くなり、最終的には
切断等のトラブルを引き起こしやすくなるので好ましく
ない。
【0024】ここで走行時扁平率は下記式(1)
【0025】
【数1】走行時扁平率 = (W1)/(D) (1) W1:走行時炭素繊維ストランド幅 D:走行時炭素繊維ストランド厚み で定義される。
【0026】また、本発明の炭素繊維ストランドは、後
述するように5m/分の速度、2kgfのテンションに
おいて少なくとも1回ローラー掛けした後の緊張時スト
ランド幅と前記走行時ストランド幅との比である緊張拡
がり変動率が100〜160%である。
【0027】プルトルージョン成形において全工程の工
程テンションは、クリールスタンドでのバックテンショ
ン及び工程中の駆動ローラー速度、賦形後の引抜き装置
による引抜き速度によって決定される。なお、各工程に
おいて、若干工程テンションが異なる。その理由の一つ
に樹脂含浸工程前後において、樹脂含浸後の工程テンシ
ョンの方が高めとなることが挙げられる。
【0028】緊張拡がり変動率が100%未満の場合
は、樹脂含浸工程前後での工程テンション変化により、
含浸工程後の繊維ストランドが細くなり、含浸させた樹
脂が繊維ストランド周辺に染み出すマイグレーションが
起こる。このような繊維ストランドを用いて製造した複
合材料は物性が低下する可能性があるので好ましくな
い。
【0029】一方、緊張拡がり変動率が160%を超え
る場合は、工程テンションに応じて、繊維ストランドへ
の樹脂含浸性が大きく異なるため、量産安定性が劣る。
更に、樹脂浴とダイスとが分離しているようなプルトル
ージョンにおいては、樹脂浴から次工程のダイスへの樹
脂持込量が多くなり、引抜テンションが高くなり、最終
的には繊維ストランドの切断等のトラブルを引き起こし
やすくなる。また更に、樹脂浴後のローラー等のガイド
に押圧されることにより、樹脂が繊維ストランド周辺に
染み出すマイグレーションが起こり、複合材料の物性が
低下する可能性があるので好ましくない。
【0030】ここで緊張拡がり変動率は下記式(2)
【0031】
【数2】 緊張拡がり変動率[%] = (W2)×100/(W1) (2) W2:緊張時炭素繊維ストランド幅 W1:走行時炭素繊維ストランド幅 で定義される。
【0032】本発明の炭素繊維ストランドは、炭素繊維
フィラメントを束ねたものであって、そのフィラメント
数は1束当たり1000〜50000本が好ましい。
【0033】前記炭素繊維ストランドを構成する炭素繊
維は、原料としては特に限定するものではないが、ポリ
アクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素
繊維、レーヨン系炭素繊維等が例示できる。これらの炭
素繊維のうち、取扱性能、製造工程通過性能に適したP
AN系炭素繊維が特に好ましい。ここで、PAN系炭素
繊維は、アクリロニトリル構造単位を主成分とし、イタ
コン酸、アクリル酸、アクリルエステル等のビニル単量
体単位を10モル%以内で含有する共重合体を炭素繊維
化したものである。
【0034】本発明の炭素繊維ストランドを構成する炭
素繊維は、マトリックス樹脂との接着性を高めるため
に、X線光電子分光法により測定される表面酸素濃度比
O/Cが0.1〜0.3であることが好ましい。
【0035】表面酸素濃度O/Cが0.1未満の場合は
マトリックス樹脂との接着性が劣り、複合材料の物性低
下の原因となるので好ましくない。一方、表面酸素濃度
O/Cが0.3を超える場合は炭素繊維自体の強度が低
下するので好ましくない。
【0036】炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cを上記範
囲にするためには、炭素繊維の製造工程において、炭素
化処理終了後、表面処理を施すことが好ましい。
【0037】かかる表面処理は、液相処理、気相処理な
どによる表面処理を挙げることができる。本発明におい
ては、生産性、処理の均一性、安定性等の観点から、液
相電解表面処理が好ましい。
【0038】炭素繊維の表面処理を行う程度を管理する
ための指標としては、X線光電子分光法(XPS)によ
り測定される炭素繊維の表面酸素濃度比O/Cが好まし
い。
【0039】O/Cは一例として次の方法によって求め
ることができる。日本電子株式会社製X線光電子分光器
ESCA JPS−9000MXにより、予めサイジン
グ剤を除去した炭素繊維を10-6Paに減圧した測定室
中に入れ、Mgを対極として電子線加速電圧10kV、
10mAの条件で発生させたX線を照射し、炭素原子、
酸素原子より発生する光電子のスペクトルを測定し、そ
の面積比を算出する。
【0040】発生する光電子の割合は各元素により異な
り、この日本電子株式会社製X線光電子分光器ESCA
JPS−9000MXの装置特性による換算係数は
2.69である。
【0041】表面処理を経た炭素繊維は、充分に洗浄し
て電解質を除去した後、サイズ剤を施す。
【0042】本発明の炭素繊維ストランドに付着されて
いるサイズ剤は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂やその変性物
が挙げられる。
【0043】なお、マトリックス樹脂に応じ、適したサ
イズ剤を適宜選択することができる。また、これらは2
種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0044】本発明においては特にサイズ剤の成分に芳
香族化合物を10質量%以上用いることが炭素繊維との
親和性が高く好ましい。芳香族化合物のうちでも特に1
分子中に芳香環を2〜6有する化合物が、炭素繊維及び
各種マトリックス樹脂両者と親和性が高く好ましい。
【0045】サイズ剤の付与は、スプレー法、液浸法、
転写法等、既知の方法を採択し得る。汎用性、効率性、
付与の均一性に優れることから、液浸法が特に好まし
い。
【0046】炭素繊維ストランドをサイズ剤液に浸漬す
る際、サイズ剤液中に設けられた液没ローラー又は液浸
ローラーを介して、炭素繊維ストランドの開繊と絞りを
繰り返し、ストランドの芯までサイズ剤を含浸させるこ
とが好ましい。
【0047】サイズ剤付与処理は、アセトン等の溶剤に
ビニルエステルを溶解させた溶液中に炭素繊維を浸漬す
る溶剤法も可能であるが、乳化剤等を用い水系エマルジ
ョン中に炭素繊維を浸漬するエマルジョン法が人体への
安全性及び自然環境の汚染を防止する観点から好まし
い。
【0048】また、炭素繊維の取扱性や、耐擦過性、耐
毛羽性、含浸性を向上させるため、分散剤、界面活性剤
等の補助成分を添加しても良い。これらはサイズ剤を含
むサイズ浴に添加してもよく、又は別の浴で付与しても
良い。補助成分の添加量はサイズ剤の付着量の70質量
%以下が好ましい。
【0049】サイズ剤の付着量は、0.3〜5.0質量
%が取扱性の点で好ましく、0.5〜3.0質量%が特
に好ましい。サイズ剤の付着量が0.3質量%未満の場
合は、炭素繊維が本発明を満足する不飽和マトリックス
樹脂との接着性を得られない外、集束性も劣るので好ま
しくない。一方、サイズ剤の付着量が5.0質量%を超
える場合は、マトリックス樹脂が炭素繊維ストランドに
含浸するのを妨げるので好ましくない。
【0050】なお、サイズ剤の付着量は、後述するよう
に硫酸分解法に準拠して測定することができる。
【0051】本発明の炭素繊維ストランドに含浸するマ
トリックス樹脂は特に限定されず、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂にも使用
できる。また、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化樹脂にも使用でき
る。
【0052】サイズ剤付与処理後、炭素繊維ストランド
は通常の乾燥工程により、サイズ剤付与時の分散媒であ
った水の乾燥あるいは溶媒である溶剤の乾燥を行う。乾
燥工程は乾燥炉を通過させる方法、過熱したローラーに
接触させる方法等、既知の方法を採択し得る。乾燥温度
は特に限定されるものではないが、汎用的な水系エマル
ジョンの場合は通常80〜200℃に設定される。ま
た、本発明においては、乾燥工程の後、200℃以上の
熱処理工程を経ることも可能である。
【0053】本発明の炭素繊維ストランドは、後述する
測定方法により得られる引裂抵抗力が5〜300mNで
あることが好ましい。引裂抵抗力が5mN未満である場
合は、炭素繊維ストランドとしての集束性が劣り、工程
中の巻きつきや切断などトラブルを誘発しやすくなるの
で好ましくない。一方、引裂抵抗力が300mNを超え
る場合は、炭素繊維の拡がり性が低下することにより、
マトリックス樹脂の含浸性が低下するので好ましくな
い。
【0054】本発明の炭素繊維ストランドは以下に示す
仮空間繊維占有率が25〜60%であることが好まし
い。仮空間繊維占有率が25%未満の場合は、炭素繊維
ストランドが作る空洞をマトリックス樹脂で埋めること
が出来ずに、複合材料のボイドとして残存してしまう可
能性があるので好ましくない。一方、仮空間繊維占有率
が60%を超える場合は、マトリックス樹脂の含浸性が
劣るので好ましくない。
【0055】ここで仮空間繊維占有率は下記式(3)
【0056】
【数3】 F:炭素繊維フィラメント本数[本] S:炭素繊維フィラメント断面積[mm2] W1:走行時炭素繊維ストランド幅[mm] D:走行時炭素繊維ストランド厚み[mm] で定義される。
【0057】本発明の炭素繊維ストランドを構成する炭
素繊維の比表面積は、Kr−BET多点法による測定で
0.2〜0.6m2/gであることが好ましい。
【0058】比表面積が0.2m2/g未満の場合は、
炭素繊維にマトリックス樹脂が充分に含浸できないので
好ましくない。一方、0.6m2/gを超える場合は、
炭素繊維表面欠陥が多くなり、炭素繊維自身の強度が低
下する可能性があるので好ましくない。
【0059】本発明においては、上記炭素繊維ストラン
ド、表面酸素濃度、サイズ剤等を適宜調節することによ
り、本発明の炭素繊維ストランドを製造できる。
【0060】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明する。
【0061】
【実施例】以下の実施例及び比較例に記載した条件によ
り炭素繊維ストランドを作製した。各炭素繊維ストラン
ドの諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0062】<走行時炭素繊維ストランド幅>図1に示
す通り、セットしたボビン2に巻取られた炭素繊維スト
ランド4を、ガイドローラー6、8、10及び12に接
触させた後、イメージセンサー14上を通過させた。そ
の後、ニップローラー16a及び16bにより5m/分
の速度で引き取らせた。その際、炭素繊維ストランド4
に撚りがかからないように注意し、また、ガイドローラ
ー6と、ニップローラー16a及び16bとの間におけ
る炭素繊維ストランドのテンションが200gf(2
N)になるよう調整した。テンション等が安定した時点
でイメージセンサーの読み取りを開始した。読み取りは
2秒間隔で1分間行い、読み取り値の平均を走行時炭素
繊維ストランド幅(W1)とした。
【0063】イメージセンサーは、株式会社キーエンス
社製(センサーヘッドVG―035、コントローラーV
G―300)のものを使用した。
【0064】<緊張時炭素繊維ストランド幅>図1に示
す通り、セットしたボビン2に巻取られた炭素繊維スト
ランド4を、ガイドローラー6、8、10及び12に接
触させた後、イメージセンサー14上を通過させた。そ
の後、ニップローラー16a及び16bにより5m/分
の速度で引き取らせた。その際、炭素繊維ストランド4
に撚りがかからないように注意し、また、ガイドローラ
ー6と、ニップローラー16a及び16bとの間におけ
る炭素繊維ストランドのテンションが2kgf(20
N)になるよう調整した。テンション等が安定した時点
でイメージセンサーの読み取りを開始した。読み取りは
2秒間隔で1分間行い、読み取り値の平均を緊張時炭素
繊維ストランド幅(W2)とした。
【0065】<炭素繊維ストランド厚み>走行時炭素繊
維ストランド幅の測定終了後、図1に示す装置の駆動を
停止させ、ガイドローラー6と、ニップローラー16a
及び16bとの間における炭素繊維ストランドの任意の
5箇所の厚みを厚みゲージ(株式会社ミツトヨ製厚みゲ
ージ No.2050F)を用いて測定し、その平均値
を炭素繊維ストランド厚み(D)とした。
【0066】<サイズ剤付着量、及び炭素繊維体積含有
率>以下のように硫酸分解法により測定した(炭素繊維
体積含有率はJIS K 7075に準拠)。
【0067】試験片(サイズ剤付着量測定用としては
1.6g、炭素繊維体積含有率測定用としては0.5
g)を切り出し、乾燥質量(Wp(g))を測定後、濃硫
酸30mLを加え、120分加熱沸騰させた。次いで5
分間後、過酸化水素水を滴下し、サイズ剤或は樹脂の分
解によって生じた色が消え透明になるまで酸化反応を続
けた。更に過酸化水素水2mLを加え、10分加熱した
後、放冷した。酸化反応後の液をガラスフィルターに通
して炭素繊維を濾別し純水にて洗浄後、ガラスフィルタ
ーと共に炭素繊維を乾燥させ、サイズ剤或は樹脂を除去
した炭素繊維の質量(Wf(g))を測定した。サイズ剤
付着量(Ws(%))及び炭素繊維体積含有率(Vf(%))
を下式 Ws = [ (Wp−Wf) / Wp ] × 100 Vf = [ (Wf/ρf) ÷ (Wp/ρp) ] × 100 ρp:炭素繊維強化樹脂の密度(g/cm3) ρf:炭素繊維の密度(g/cm3) より算出した。
【0068】<比表面積>脱サイズ剤処理した炭素繊
維、約0.5gを200℃×1時間真空脱気し、デシケ
ーター中で冷却後に精秤したサンプルを用いて、Kr−
BET多点法にて測定した。 装置:日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置 BE
LSORP36、 吸着ガス:Kr、 死容積:He、
吸着温度:77K、 測定前処理:200℃×2時間
真空脱気、 測定モード:等温での吸着 その測定条件を上記に示す。
【0069】<炭素繊維フィラメント断面積>脱サイズ
剤処理した炭素繊維フィラメントを約3mm長に切断
し、界面活性剤0.5質量%を含む水10mLの入った
100mLビーカーに投入し、そのビーカーに超音波洗
浄機(本多電子株式会社製3周波超音波洗浄機 型式W
−133)にて45kHzの超音波を10秒間付与し
た。その後、内容物をシャーレに移液し、デジタルHF
マイクロスコープ(キーエンス社製 VH−8000)
にて450倍の倍率で観察した。2点間計測モードで炭
素繊維フィラメントの直径を任意に100本測定し、そ
の平均値を平均直径(d)とし、断面を真円として、フ
ィラメント断面積(S)を求めた。尚、フィラメント総
数が多く測定困難の時は、繊維フィラメント含有の水を
適当に分割、希釈した。
【0070】<引裂抵抗力>図2及び3に示す引裂抵抗
力試験機(小型万能試験機22(オリエンテック社製テ
ンシロンRTC−1150A))を用いて測定した。
【0071】小型万能試験機22のクロスヘッド24に
炭素繊維(CF)上部固定冶具26(高さ225mm)
を設置した。その際、CF上部固定冶具26の設置位置
は上部チャック部28の鉛直部及び下部チャック部30
を結ぶ線から10mm離した。長さ約120mmの炭素
繊維ストランド32の両端側をチャックスタンド34
(高さ105mm)上にある下部チャック部30(高さ
10mm)及びCF上部固定冶具26にて固定した。ロ
ードセル36に接続している上部チャック部28(フッ
ク型、鉛直部高さ60mm,フック長さ20mm)のフ
ックを炭素繊維ストランド32の中間部に引掛け、試験
速度10mm/分にて測定した。尚、スタート時はクロ
スヘッド24の位置を調節して上部チャック部28のフ
ックの位置が、炭素繊維ストランド32の上端から下方
60mmの位置になるようセットした。
【0072】<引抜性A>ビニルエステル樹脂(昭和高
分子社製リポキシR−806)100質量部、過酸化物
硬化剤(日本油脂製パーキュア−O)2質量部に調整さ
れたマトリックス樹脂を樹脂浴(長さ:400mm、
幅:120mm、高さ:100mm)に適量投入した。
【0073】30cm長に切断した炭素繊維ストランド
を適度な本数、平行に束ね(以下サンプル束Aとす
る)、両端を市販の炭素繊維ストランド(東邦テナック
ス社製ベスファイト、12000フィラメント、引張強
度3900MPa、引張弾性率235GPa)にて縛り
固定した。
【0074】片端の固定に使用している市販の炭素繊維
ストランド1束(以下誘導糸とする)は予め絞りガイド
及び筒状の金型(内容 断面:10mm×3mm、長さ
300mm)を通過させておいた。
【0075】サンプル束Aを樹脂浴に樹脂浴長さ方向と
平行に浸漬させ、30秒浸漬後、誘導糸を引っ張ってサ
ンプル束を金型内に収めた。その後、誘導糸を切断、除
去した。
【0076】尚、サンプル束Aを形成する炭素繊維スト
ランドの本数は炭素繊維フィラメント断面積及び炭素繊
維ストランドのフィラメント数により決めた(炭素繊維
体積含有率Vfが60%になるように調整した)。上記
の引抜試験の結果を○:特に問題なし ×:誘導中に
誘導糸が切断したのように○×で表現した。
【0077】<層間剪断強さ(ILSS)>上記のサンプ
ル束Aを充填した金型を150℃のオーブン中に7分間
入れ、マトリックス樹脂を硬化させた。離型した成型物
AからJIS K 7078に準拠した試験片を作製し、
同規定に準拠してILSSの測定をした。
【0078】<濡れ性A>上記成型物Aの内、ILSS
測定に用いない部分を曲げ試験的破壊し、破断面のSE
M観察を行った。その結果を○:繊維表面の大半に樹脂
が付着、 △:繊維表面の一部に樹脂が付着、 ×:繊
維表面への樹脂付着がほとんど観察できないのように○
△×で表現した。
【0079】<引抜性B>マトリックス樹脂としてナイ
ロン6(宇部興産社製UBEナイロン6 1013B)
を樹脂浴(長さ:300mm、幅:50mm、高さ:8
0mm、直径30mmの液浸ローラ×3個、出入口に直
径30mmのガイドローラ設置)に適量投入した。
【0080】30cm長に切断した炭素繊維ストランド
を適度な本数、平行に束ね(以下サンプル束Bとす
る)、両端を市販の炭素繊維ストランド(東邦テナック
ス社製ベスファイト、12000フィラメント、引張強
度3900MPa、引張弾性率235GPa)にて縛り
固定した。
【0081】この内、片端の固定に使用している市販の
炭素繊維ストランド1束(以下誘導糸とする)を予め樹
脂浴(入口ガイドローラ→液浸ローラをジグザグに→出
口ガイドローラ)、絞りガイド及び筒状の金型(内容
断面:12.7mm×3.5mm、長さ300mm)に
通過させておいた。樹脂浴はフレキシブルリボンヒータ
ーを用いて240℃に保温しておいた。また、サンプル
束Bを樹脂浴入口ガイドローラ手前に樹脂浴長さ方向と
平行にしておいた。
【0082】次に、速度20m/hで、サンプル束が金
型内に収まるまで誘導糸を引っ張った後、誘導糸を切
断、除去した。
【0083】尚、サンプル束Bを形成する炭素繊維スト
ランドの本数は炭素繊維フィラメント断面積及び炭素繊
維ストランドのフィラメント数により決めた(炭素繊維
体積含有率Vfが60%になるように調整した)。上記
の引抜試験の結果を○:特に問題なし ×:誘導中に
誘導糸が切断するのように○×で表現した。
【0084】<面内剪断強さ>上記のサンプル束Bを充
填した金型を室温(24℃)にて24時間放置した後、
成型物Bを離型した。離型した成型物BからASTM
D 3846−79に準拠した試験片を作製し、同規定
に準拠して面内剪断強さ(n=2)の測定をした。
【0085】<濡れ性B>上記成型物Bの内、面内剪断
試験に用いない部分を曲げ試験と同様にして破壊し、破
断面のSEM観察を行った。その結果を ○:繊維表面に樹脂が付着 ×:繊維表面への樹脂付着がほとんど観察できない のように○×で表現した。
【0086】実施例1〜5、比較例1〜3 10c/gの電気量で電解表面処理された未サイジング
の炭素繊維ストランド(東邦テナックス社製ベスファイ
ト、12000フィラメント、引張強度4800MP
a、引張弾性率240GPa、フィラメント径7μm、
比表面積0.45m2/g)をサイジング浴に連続的に
浸漬させた。サイジング浴は、ビスフェノールA系メタ
クリル型ビニルエステル樹脂100質量部(共栄社化学
社製エポキシエステル3000M)をポリオキシエチレ
ンスチレン化フェノールエーテル40質量部で乳化した
水エマルジョンであった。
【0087】その後、水分を乾燥除去し、炭素繊維スト
ランドを得た。その際、浴濃度、乾燥温度、サイジング
方法を調整することにより、表1に挙げる炭素繊維スト
ランドを得た。これらの炭素繊維ストランドを用いて、
上記に挙げた各種評価試験を行った。その結果を表1に
まとめて示した。
【0088】サイジング方法は、図4、5、6、7及び
8でそれぞれ示されるA法、B法、C法、D法及びE法
を適宜用いた。
【0089】図4、5、6、7及び8のそれぞれのサイ
ジング方法において、炭素繊維ストランド42、52、
62、72及び92は、ガイドローラー44、54、6
4、74及び94を経て、サイジング浴46、56、6
6、76及び96に連続的に浸漬させた。その後、必要
に応じ、絞りローラー48、50、58、78及び9
8、並びに、ヒートローラー80、82、84、86、
100及び102を経て、乾燥炉へ搬送した。
【0090】表1の結果に示すように、実施例1乃至5
は何れも満足な結果が得られた。しかし、比較例1は炭
素繊維ストランドの緊張拡がり変動率が高く、引抜性が
×、濡れ性が△等、満足な結果は得られなかった。比較
例2は炭素繊維ストランドの走行時扁平率が低く、濡れ
性が×等、満足な結果は得られなかった。比較例3は炭
素繊維ストランドの走行時扁平率が高く、緊張拡がり変
動率が低く、引裂抵抗力が高く、引抜性が×、濡れ性が
×等、満足な結果は得られなかった。
【0091】
【表1】
【0092】実施例6〜10、比較例4〜5 20c/gの電気量で電解表面処理された未サイジング
の炭素繊維ストランド(東邦テナックス社製ベスファイ
ト、24000フィラメント、引張強度4800MP
a、引張弾性率245GPa、フィラメント径7μm、
比表面積0.48m2/g)をサイジング浴に連続的に
浸漬させた。サイジング浴は、分子量の異なるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂3種類(油化シェルエポキシ社
製エピコート828、1001,1002)及びウレタ
ン変性エポキシ樹脂(DIC社製N320)の配合比を
表2のように変化させたサイズ剤100質量部をPO/
EOポリエーテル30質量部で乳化した水エマルジョン
であった。
【0093】その後、水分を乾燥除去し、炭素繊維スト
ランドを得た。その際、エポキシ樹脂分子量、浴濃度、
乾燥温度、サイジング方法を調整することにより、表2
に挙げる炭素繊維ストランドを得た。これらの炭素繊維
ストランドを用いて、上記に挙げた各種評価試験を行っ
た。その結果を表2にまとめて示した。
【0094】サイジング方法は、実施例1〜5、比較例
1〜3と同様に、図4、5、6、7及び8でそれぞれ示
されるA法、B法、C法、D法及びE法を適宜用いた。
【0095】表2の結果に示すように、実施例6乃至1
0は何れも満足な結果が得られた。しかし、比較例4は
炭素繊維ストランドの緊張拡がり変動率が低く、引裂抵
抗力が高く、濡れ性が×等、満足な結果は得られなかっ
た。比較例5は炭素繊維ストランドの緊張拡がり変動率
が高く、濡れ性が×等、満足な結果は得られなかった。
【0096】
【表2】
【0097】
【発明の効果】本発明の炭素繊維ストランドは、プルト
ルージョン成形による炭素繊維強化樹脂用として用いる
場合、成形時の取扱性に優れ、且つマトリックス樹脂の
繊維への含浸性が優れるため、得られた炭素繊維強化複
合材料の物性が優れる。このものは、長繊維ペレットの
製造用にも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素繊維ストランドの走行時扁平率及び緊張拡
がり変動率を測定するための試験機の一例を示す概略説
明図である。
【図2】引裂抵抗力試験機の一例を示す概略説明図(正
面図)である。
【図3】引裂抵抗力試験機の一例を示す概略説明図(側
面図)である。
【図4】炭素繊維ストランドのサイジング方法(A法)
を示す概略説明図である。
【図5】炭素繊維ストランドのサイジング方法(B法)
を示す概略説明図である。
【図6】炭素繊維ストランドのサイジング方法(C法)
を示す概略説明図である。
【図7】炭素繊維ストランドのサイジング方法(D法)
を示す概略説明図である。
【図8】炭素繊維ストランドのサイジング方法(E法)
を示す概略説明図である。
【符号の説明】
2 ボビン 4 炭素繊維ストランド 6、8、10、12 ガイドローラー 14 イメージセンサー 16a、16b ニップローラー 22 小型万能試験機 24 クロスヘッド 26 CF上部固定冶具 28 上部チャック部 30 下部チャック部 32 炭素繊維ストランド 34 チャックスタンド 36 ロードセル 42、52、62、72、92 炭素繊維ストランド 44、54、64、74、94 ガイドローラー 46、56、66、76、96 サイジング浴 48、50、58、78、98 絞りローラー 80、82、84、86、100、102 ヒートロ
ーラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 功 静岡県駿東郡長泉町上土狩234 東邦テナ ックス株式会社内 (72)発明者 梅元 禎孝 静岡県駿東郡長泉町上土狩234 東邦テナ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4L033 AA09 AC11 AC12 AC15 BA14 CA49 4L037 AT02 AT03 CS03 FA01 FA06 FA12 FA20 PA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイズ剤が付着されてなる炭素繊維スト
    ランドであって、5m/分の速度、200gfのテンシ
    ョンにおいてローラー掛けした後の走行時扁平率(スト
    ランド幅/ストランド厚み)が25〜70で、且つ、5
    m/分の速度、2kgfのテンションにおいてローラー
    掛けした後の緊張時ストランド幅と前記走行時ストラン
    ド幅との比である緊張拡がり変動率が100〜160%
    である炭素繊維ストランド。
  2. 【請求項2】 炭素繊維ストランドが1000〜500
    00本のフィラメントの炭素繊維からなる請求項1に記
    載の炭素繊維ストランド。
  3. 【請求項3】 サイズ剤付着量が0.3〜5.0質量%
    である請求項1又は2に記載の炭素繊維ストランド。
  4. 【請求項4】 炭素繊維ストランドの引裂抵抗力が5〜
    300mNである請求項1乃至3のいずれかに記載の炭
    素繊維ストランド。
  5. 【請求項5】 炭素繊維ストランドの仮空間繊維占有率
    が25〜60%である請求項1乃至4のいずれかに記載
    の炭素繊維ストランド。
  6. 【請求項6】 サイズ剤が芳香族化合物を10質量%以
    上含む請求項1乃至5のいずれかに記載の炭素繊維スト
    ランド。
  7. 【請求項7】 炭素繊維ストランドを構成する炭素繊維
    の比表面積がKr−BET多点法による測定で0.2〜
    0.6m2/gである請求項1乃至6のいずれかに記載
    の炭素繊維ストランド。
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