JPH0711594A - ゴム製品補強用スチールワイヤ及びその製造方法 - Google Patents
ゴム製品補強用スチールワイヤ及びその製造方法Info
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- JPH0711594A JPH0711594A JP5153567A JP15356793A JPH0711594A JP H0711594 A JPH0711594 A JP H0711594A JP 5153567 A JP5153567 A JP 5153567A JP 15356793 A JP15356793 A JP 15356793A JP H0711594 A JPH0711594 A JP H0711594A
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- Wire Processing (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Chemically Coating (AREA)
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐腐食性及びゴム接着性に優れたゴム製品補
強用スチールワイヤ及びその製造方法を提供する。 【構成】 ワイヤにブラスめっき処理を施し、次いで伸
線加工を施した後、ブロンズめっき処理を施して、ブラ
スめっき欠損部がブロンズめっきで被覆されたゴム製品
補強用スチールワイヤを得る。
強用スチールワイヤ及びその製造方法を提供する。 【構成】 ワイヤにブラスめっき処理を施し、次いで伸
線加工を施した後、ブロンズめっき処理を施して、ブラ
スめっき欠損部がブロンズめっきで被覆されたゴム製品
補強用スチールワイヤを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム製品補強材とし
て、特に耐腐食性とゴム接着性に優れたスチールワイヤ
及びその製造方法に関するものである。
て、特に耐腐食性とゴム接着性に優れたスチールワイヤ
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム製品補強用スチールワイヤは、タイ
ヤ、ホース、コンベヤベルト等の補強材としてゴム中に
埋め込まれて使用されるものであり、その要求品質とし
て、強度、ゴム接着性、耐腐食性、柔軟性等がある。
ヤ、ホース、コンベヤベルト等の補強材としてゴム中に
埋め込まれて使用されるものであり、その要求品質とし
て、強度、ゴム接着性、耐腐食性、柔軟性等がある。
【0003】このうち、耐腐食性とゴム接着性を達成す
る手段として、スチールワイヤにブラスめっき処理を施
す方法が通常用いられている。一般的なブラスめっき処
理方法は、スチールワイヤに銅および亜鉛を夫々別浴で
めっき処理し、しかる後に通電加熱して銅と亜鉛を相互
に拡散させることによりブラス化させる方法である。上
記銅めっき浴にはピロリン酸銅浴あるいは硫酸銅浴が用
いられ、また亜鉛めっき浴には硫酸亜鉛浴が一般に用い
られている。
る手段として、スチールワイヤにブラスめっき処理を施
す方法が通常用いられている。一般的なブラスめっき処
理方法は、スチールワイヤに銅および亜鉛を夫々別浴で
めっき処理し、しかる後に通電加熱して銅と亜鉛を相互
に拡散させることによりブラス化させる方法である。上
記銅めっき浴にはピロリン酸銅浴あるいは硫酸銅浴が用
いられ、また亜鉛めっき浴には硫酸亜鉛浴が一般に用い
られている。
【0004】そして、上述の方法により得られたブラス
めっきスチールワイヤに、湿式伸線機により、総減面率
94〜98%の伸線加工を施して、所要のサイズのスチ
ールワイヤを得るものである。そして、そのスチールワ
イヤは複数本撚り合わされたり、編まれたりして、タイ
ヤコードとしてタイヤに埋め込まれたり、ホースワイヤ
としてホースに埋め込まれるものである。
めっきスチールワイヤに、湿式伸線機により、総減面率
94〜98%の伸線加工を施して、所要のサイズのスチ
ールワイヤを得るものである。そして、そのスチールワ
イヤは複数本撚り合わされたり、編まれたりして、タイ
ヤコードとしてタイヤに埋め込まれたり、ホースワイヤ
としてホースに埋め込まれるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法に
おいて、伸線前のブラスめっき層の厚さは通常2μm程
度であり、これに減面率94〜98%の伸線加工を施す
ため、ブラスめっき層も薄く引き伸ばされ、厚みが0.
3μm以下になる。このとき、めっき層が均等に引き延
ばされない場合、例えばダイス進入角度が偏っていた
り、ダイスにいびつが存在していたりすると、局部的に
ブラスめっき層が剥離する現象が発生する。その結果、
母材のFe地が局部的に露出した状態になる。
おいて、伸線前のブラスめっき層の厚さは通常2μm程
度であり、これに減面率94〜98%の伸線加工を施す
ため、ブラスめっき層も薄く引き伸ばされ、厚みが0.
3μm以下になる。このとき、めっき層が均等に引き延
ばされない場合、例えばダイス進入角度が偏っていた
り、ダイスにいびつが存在していたりすると、局部的に
ブラスめっき層が剥離する現象が発生する。その結果、
母材のFe地が局部的に露出した状態になる。
【0006】また、めっき層には、ピンホールと呼ばれ
る微小孔が発生する。これは、めっき強度の低下を招く
要因であり、伸線加工を施した場合に孔がさらに拡げら
れ、メッキ欠損部となる。
る微小孔が発生する。これは、めっき強度の低下を招く
要因であり、伸線加工を施した場合に孔がさらに拡げら
れ、メッキ欠損部となる。
【0007】上記スチールワイヤをタイヤコードと成し
た後、タイヤに埋め込んで使用すると、タイヤのゴム中
に含まれる水分や、タイヤの切り疵や欠陥部から浸入す
る雨水により、Fe地露出部が錆びると共に、Fe地露
出部とブラスめっき層との間に局部電池が形成され、F
e地が溶出してしまい、タイヤコードの強度低下を招い
てしまう。
た後、タイヤに埋め込んで使用すると、タイヤのゴム中
に含まれる水分や、タイヤの切り疵や欠陥部から浸入す
る雨水により、Fe地露出部が錆びると共に、Fe地露
出部とブラスめっき層との間に局部電池が形成され、F
e地が溶出してしまい、タイヤコードの強度低下を招い
てしまう。
【0008】また、Fe地露出部は、ゴム材との接着性
に劣るため、スチールワイヤからゴム材が剥離する、い
わゆるセパレーツ現象が発生する原因となる。さらに、
Fe地露出部はめっき部より表面粗さが大きく、摩擦係
数が大きい為、スチールワイヤ同士のこすれ合いによ
る、いわゆるフレッティング摩耗が促進され、その結果
スチールワイヤの強度が低下し、断線を引き起こしてし
まう。
に劣るため、スチールワイヤからゴム材が剥離する、い
わゆるセパレーツ現象が発生する原因となる。さらに、
Fe地露出部はめっき部より表面粗さが大きく、摩擦係
数が大きい為、スチールワイヤ同士のこすれ合いによ
る、いわゆるフレッティング摩耗が促進され、その結果
スチールワイヤの強度が低下し、断線を引き起こしてし
まう。
【0009】また、特公平3−23674号公報には、
母材にCu、Vを添加することで耐腐食疲労性に優れた
タイヤ用スチールコードが得られることが開示されてい
る。この発明によれば、ブラスめっき層が剥離した場合
でも、Fe地露出部に生じる錆の発生率は低くなるが、
前述した局部電池の形成は妨げることができず、Fe地
の溶出により、スチールコードの強度低下を招いてしま
う。また、前述したセパレーツ現象及びフレッティング
摩耗を妨げることもできない。
母材にCu、Vを添加することで耐腐食疲労性に優れた
タイヤ用スチールコードが得られることが開示されてい
る。この発明によれば、ブラスめっき層が剥離した場合
でも、Fe地露出部に生じる錆の発生率は低くなるが、
前述した局部電池の形成は妨げることができず、Fe地
の溶出により、スチールコードの強度低下を招いてしま
う。また、前述したセパレーツ現象及びフレッティング
摩耗を妨げることもできない。
【0010】さらに、伸線加工後のブラスめっき層を厚
くするため、伸線加工前のブラスめっき層を厚くする方
法が考えられる。しかし、その場合、めっき処理コスト
が高くつき、また伸線ダイスにめっきのカスが多量につ
く事により伸線性が悪化する等の弊害が生じるため、実
用化が難しい。そして、前述したピンホールの発生を防
ぐこともできない。
くするため、伸線加工前のブラスめっき層を厚くする方
法が考えられる。しかし、その場合、めっき処理コスト
が高くつき、また伸線ダイスにめっきのカスが多量につ
く事により伸線性が悪化する等の弊害が生じるため、実
用化が難しい。そして、前述したピンホールの発生を防
ぐこともできない。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、耐腐食性とゴム接着性に優れたス
チールワイヤ及びその製造方法を提供することを目的と
するものである。
なされたものであり、耐腐食性とゴム接着性に優れたス
チールワイヤ及びその製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、ワイヤへのめっきの付着状態について
鋭意研究を重ねた結果、伸線加工直後の局部的なFe地
露出部の発生を防ぐことは難しいが、伸線加工後にブロ
ンズを置換めっき処理することにより、Fe地露出部に
のみブロンズを置換し得ることを見い出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。
に、本発明者は、ワイヤへのめっきの付着状態について
鋭意研究を重ねた結果、伸線加工直後の局部的なFe地
露出部の発生を防ぐことは難しいが、伸線加工後にブロ
ンズを置換めっき処理することにより、Fe地露出部に
のみブロンズを置換し得ることを見い出し、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。
【0013】すなわち本発明は、表面がブラスめっき層
で被覆されたスチールワイヤにおいて、ブラスめっき欠
損部がブロンズめっきで被覆されたことを特徴とするゴ
ム製品補強用スチールワイヤを第1の発明とし、表面に
ブラスめっき処理を施し、次いで伸線加工を施した後、
ブロンズめっき処理を施すことを特徴とするゴム製品補
強用スチールワイヤの製造方法を第2の発明とする。
で被覆されたスチールワイヤにおいて、ブラスめっき欠
損部がブロンズめっきで被覆されたことを特徴とするゴ
ム製品補強用スチールワイヤを第1の発明とし、表面に
ブラスめっき処理を施し、次いで伸線加工を施した後、
ブロンズめっき処理を施すことを特徴とするゴム製品補
強用スチールワイヤの製造方法を第2の発明とする。
【0014】
【作用】ワイヤにブラスめっき処理を施し、次いで伸線
加工を施した後、置換ブロンズめっき処理を施すことに
より、伸線加工直後の鋼線長手方向に局部的に発生した
Fe地露出部がブロンズと置換され、Fe地露出部の表
面にブロンズめっき層が生成されるので、鋼線表面がブ
ラスめっき層又はブロンズめっき層で完全に被覆され
る。
加工を施した後、置換ブロンズめっき処理を施すことに
より、伸線加工直後の鋼線長手方向に局部的に発生した
Fe地露出部がブロンズと置換され、Fe地露出部の表
面にブロンズめっき層が生成されるので、鋼線表面がブ
ラスめっき層又はブロンズめっき層で完全に被覆され
る。
【0015】また、ピンホール部の微小孔がブロンズめ
っきで完全にふさがれる。
っきで完全にふさがれる。
【0016】本発明で伸線後のめっき処理に置換ブロン
ズめっき処理を用いる理由は、他のめっき処理、例えば
銅めっき処理でFe地露出部を銅に置換した場合、耐食
効果はあるものの、ブラスの金色と銅の赤色とがまだら
状になり、商品価値がなくなるからである。また、銅は
ブロンズよりゴム接着性に劣るという欠点があり、さら
にブラスめっき上にも銅が析出することがあり、その場
合にはゴム接着性が悪化する。
ズめっき処理を用いる理由は、他のめっき処理、例えば
銅めっき処理でFe地露出部を銅に置換した場合、耐食
効果はあるものの、ブラスの金色と銅の赤色とがまだら
状になり、商品価値がなくなるからである。また、銅は
ブロンズよりゴム接着性に劣るという欠点があり、さら
にブラスめっき上にも銅が析出することがあり、その場
合にはゴム接着性が悪化する。
【0017】これに対し、本発明の置換ブロンズめっき
処理によれば、めっき色がブラスと同等であり、またブ
ロンズがブラスめっき上に析出することがなく、Fe地
露出部のみを置換めっきするので、耐腐食性及びゴム接
着性に優れたスチールワイヤを得ることができる。
処理によれば、めっき色がブラスと同等であり、またブ
ロンズがブラスめっき上に析出することがなく、Fe地
露出部のみを置換めっきするので、耐腐食性及びゴム接
着性に優れたスチールワイヤを得ることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明のスチールワイヤの特性を、具
体的な実施例に基づいて、従来のスチールワイヤと対比
しながら説明する。
体的な実施例に基づいて、従来のスチールワイヤと対比
しながら説明する。
【0019】スチールワイヤの概略製造工程は、以下の
通りである。 (本実施例の製造工程) 電解酸洗→アルカリ洗浄→ピロリン酸銅めっき処理→硫
酸亜鉛めっき処理→通電加熱(拡散)→伸線加工→置換
ブロンズめっき処理 (従来の製造工程) 電解酸洗→アルカリ洗浄→ピロリン酸銅めっき処理→硫
酸亜鉛めっき処理→通電加熱(拡散)→伸線加工
通りである。 (本実施例の製造工程) 電解酸洗→アルカリ洗浄→ピロリン酸銅めっき処理→硫
酸亜鉛めっき処理→通電加熱(拡散)→伸線加工→置換
ブロンズめっき処理 (従来の製造工程) 電解酸洗→アルカリ洗浄→ピロリン酸銅めっき処理→硫
酸亜鉛めっき処理→通電加熱(拡散)→伸線加工
【0020】上記ピロリン酸銅めっき処理、硫酸亜鉛め
っき処理、及び置換ブロンズめっき処理の各めっき処理
条件を下記に示す。 《ピロリン酸銅めっき処理》 ピロリン酸銅 75〜105 g/l ピロリン酸カリウム 280〜370 g/l アンモニア水(28%) 2〜 5 ml/
l 硝酸カリウム 0〜 15 g/l P 比 7〜 9 P H 8.5〜 9 電流密度 3〜 12 A/dcm2 《硫酸亜鉛めっき処理》 硫酸亜鉛 200〜400 g/l 硫酸アンモニウム 0〜 20 g/l 温 度 20〜 30 ℃ 電流密度 10〜 30 A/dcm2 《置換ブロンズめっき処理》 硫酸銅 10〜 20 g/l 硫酸錫 0.6〜1.2 g/l 硫酸濃度 10〜 20 % 温 度 20〜 30 ℃
っき処理、及び置換ブロンズめっき処理の各めっき処理
条件を下記に示す。 《ピロリン酸銅めっき処理》 ピロリン酸銅 75〜105 g/l ピロリン酸カリウム 280〜370 g/l アンモニア水(28%) 2〜 5 ml/
l 硝酸カリウム 0〜 15 g/l P 比 7〜 9 P H 8.5〜 9 電流密度 3〜 12 A/dcm2 《硫酸亜鉛めっき処理》 硫酸亜鉛 200〜400 g/l 硫酸アンモニウム 0〜 20 g/l 温 度 20〜 30 ℃ 電流密度 10〜 30 A/dcm2 《置換ブロンズめっき処理》 硫酸銅 10〜 20 g/l 硫酸錫 0.6〜1.2 g/l 硫酸濃度 10〜 20 % 温 度 20〜 30 ℃
【0021】線径1.25φmmのスチールワイヤに、
上記工程で前処理を施した後、ピロリン酸銅めっき処
理、硫酸亜鉛めっき処理を施し、通電加熱装置により4
20℃で加熱して拡散させて、ブラスめっき厚2.2μ
mのスチールワイヤを得た。次に湿式スリップ式伸線機
により、上記スチールワイヤを0.175φmmに伸線
加工して従来のスチールワイヤを得た。さらに、上記伸
線加工後のスチールワイヤに、置換ブロンズめっき処理
を施し、本実施例のスチールワイヤを得た。
上記工程で前処理を施した後、ピロリン酸銅めっき処
理、硫酸亜鉛めっき処理を施し、通電加熱装置により4
20℃で加熱して拡散させて、ブラスめっき厚2.2μ
mのスチールワイヤを得た。次に湿式スリップ式伸線機
により、上記スチールワイヤを0.175φmmに伸線
加工して従来のスチールワイヤを得た。さらに、上記伸
線加工後のスチールワイヤに、置換ブロンズめっき処理
を施し、本実施例のスチールワイヤを得た。
【0022】そして、それぞれのスチールワイヤ表面を
金属顕微鏡により観察したところ、従来のスチールワイ
ヤは長手方向にめっき剥離が点在していた。これに対し
て、本実施例のスチールワイヤは、めっき剥離部分にブ
ロンズめっきが置換され、鋼線が完全にめっき層で被覆
されていた。
金属顕微鏡により観察したところ、従来のスチールワイ
ヤは長手方向にめっき剥離が点在していた。これに対し
て、本実施例のスチールワイヤは、めっき剥離部分にブ
ロンズめっきが置換され、鋼線が完全にめっき層で被覆
されていた。
【0023】次に、本実施例と従来のスチールワイヤの
耐腐食性について調べた。評価方法は化学実験で使われ
るポテンシオスタット装置を用い、夫々の鋼線を5%N
aCl溶液中(25℃)に浸漬して、腐食電位を測定し
て比較した。その結果を図1に示す。
耐腐食性について調べた。評価方法は化学実験で使われ
るポテンシオスタット装置を用い、夫々の鋼線を5%N
aCl溶液中(25℃)に浸漬して、腐食電位を測定し
て比較した。その結果を図1に示す。
【0024】腐食電位の値については、電位が高いほど
Fe地の被覆状態が良く、腐食が進行しにくいことを示
す。測定結果を比べると、従来のブラスめっき処理を施
したスチールワイヤの腐食電位が−0.47〜−0.4
0Vであるのに対し、本実施例のスチールワイヤの腐食
電位は−0.37〜−0.32Vであり、耐腐食性に優
れていることがわかった。従来のスチールワイヤはめっ
き剥離部すなわち露出Fe地部の影響により、腐食電位
が低下したものと推定される。
Fe地の被覆状態が良く、腐食が進行しにくいことを示
す。測定結果を比べると、従来のブラスめっき処理を施
したスチールワイヤの腐食電位が−0.47〜−0.4
0Vであるのに対し、本実施例のスチールワイヤの腐食
電位は−0.37〜−0.32Vであり、耐腐食性に優
れていることがわかった。従来のスチールワイヤはめっ
き剥離部すなわち露出Fe地部の影響により、腐食電位
が低下したものと推定される。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、表面をブラスめっき層
及び置換ブロンズめっき層で完全に被覆しているため、
耐腐食性及びゴム接着性に優れたスチールワイヤを得る
ことができる。従って、例えばタイヤに埋め込んで使用
した場合に、ゴム中の水分や雨水による腐食が防止でき
る。また、鋼線表面の局部的なFe地露出部が皆無とな
るため、スチールワイヤとゴムとのセパレーツ現象や、
スチールワイヤ同士のフレッティング摩耗が減少でき、
タイヤの寿命延長を達成できる。
及び置換ブロンズめっき層で完全に被覆しているため、
耐腐食性及びゴム接着性に優れたスチールワイヤを得る
ことができる。従って、例えばタイヤに埋め込んで使用
した場合に、ゴム中の水分や雨水による腐食が防止でき
る。また、鋼線表面の局部的なFe地露出部が皆無とな
るため、スチールワイヤとゴムとのセパレーツ現象や、
スチールワイヤ同士のフレッティング摩耗が減少でき、
タイヤの寿命延長を達成できる。
【図1】本実施例と従来のスチールワイヤの腐食電位を
示す比較図である。
示す比較図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/48 C25D 3/22 101 3/38 102 5/10
Claims (2)
- 【請求項1】 表面がブラスめっき層で被覆されたスチ
ールワイヤにおいて、ブラスめっき欠損部がブロンズめ
っきで被覆されたことを特徴とするゴム製品補強用スチ
ールワイヤ。 - 【請求項2】 表面にブラスめっき処理を施し、次いで
伸線加工を施した後、ブロンズめっき処理を施すことを
特徴とするゴム製品補強用スチールワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5153567A JPH0711594A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | ゴム製品補強用スチールワイヤ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5153567A JPH0711594A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | ゴム製品補強用スチールワイヤ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711594A true JPH0711594A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15565324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5153567A Pending JPH0711594A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | ゴム製品補強用スチールワイヤ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711594A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08199395A (ja) * | 1995-01-25 | 1996-08-06 | Kobe Steel Ltd | 腐食疲労特性に優れた極細鋼線 |
JPH09188982A (ja) * | 1996-01-10 | 1997-07-22 | Tokyo Seiko Co Ltd | スチールコード用素線の製造方法 |
JP2000273776A (ja) * | 1999-03-23 | 2000-10-03 | Kanai Hiroaki | タイヤ補強用スチールワイヤ |
WO2001062460A1 (fr) * | 2000-02-23 | 2001-08-30 | The Yokohama Rubber Co.,Ltd. | Procede et dispositif de production de fils composites caoutchouc/acier non vulcanises |
WO2001072492A1 (fr) * | 2000-03-27 | 2001-10-04 | The Yokohama Rubber Co.,Ltd. | Procede et dispositif permettant de fabriquer des composites elastomere/fil d'acier |
JP2012036543A (ja) * | 2010-08-11 | 2012-02-23 | Bridgestone Corp | ゴム補強用スチールワイヤの製造方法およびゴム補強用スチールワイヤ |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP5153567A patent/JPH0711594A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08199395A (ja) * | 1995-01-25 | 1996-08-06 | Kobe Steel Ltd | 腐食疲労特性に優れた極細鋼線 |
JPH09188982A (ja) * | 1996-01-10 | 1997-07-22 | Tokyo Seiko Co Ltd | スチールコード用素線の製造方法 |
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WO2001072492A1 (fr) * | 2000-03-27 | 2001-10-04 | The Yokohama Rubber Co.,Ltd. | Procede et dispositif permettant de fabriquer des composites elastomere/fil d'acier |
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