JP2645837B2 - ワイヤーロープの表面処理方法 - Google Patents

ワイヤーロープの表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ワイヤーロープの表面処理方法に関し、さ
らに詳しくは、亜鉛めっきされた鋼線上にニッケルめっ
き層を形成させ、必要ならば、更にクロメート処理を行
って、耐蝕性、耐久性及び機械的滑り性に優れたワイヤ
ーロープを得る方法に関する。
従来技術とその問題点 自動車のブレーキ力伝達ケーブル等の各種のコントロ
ールケーブルとしては、一般に亜鉛めっきを施した鋼線
を撚り合わせたワイヤーロープが使用されているが、こ
のワイヤーロープは、亜鉛めっき層の摩擦係数が高いた
め、外管との間での摩擦抵抗が大きく、動力の伝達ロス
が大きくなること、亜鉛めっき層が摩耗しやすいため
に、ワイヤーロープ自体が短時間内に劣化することなど
の問題点がある。
更に、亜鉛めっき鋼線からなるワイヤーロープ上に錫
めっきを施したものも使用されているが、この場合に
も、摩擦抵抗の低減も少なく、錫自体が高価であるた
め、コスト高となるので、上記の問題点は、ほとんど解
決されていない。
一般に、摩擦現象の一つとして、凝着(slip stic
k)が知られており、ニッケル等の融点の高い金属で
は、凝着が有効に防止されて、摩擦による伝達ロスが少
なくなることが知られている。しかしながら、亜鉛めっ
き鋼線からなるワイヤーロープ上にニッケルめっきを直
接施す技術は、現在のところ実用化されていない。これ
は、ワット浴、スルファミン酸ニッケル浴等の一般的な
ニッケルめっき浴が、酸性浴であるため、亜鉛めっき層
がニッケルめっき浴中に溶出して、ニッケルめっき浴の
組成を変化させ、その結果、脆いNi-Znめっき層が形成
されたり、変色したり、甚だしい場合にはめっき自体が
付着しなくなる等の障害を引き起こすからである。ま
た、ワイヤーロープ表面に凹凸が存在するために、ニッ
ケルめっき工程時の電流分布が不均一となり、電流分布
の低い凹部では、ニッケルめっきの厚さが薄くなり、時
には、亜鉛めっき層が露出して、黒色化することがある
からでもある。
亜鉛めっきした鋼線上にシアン化銅めっき浴を用いて
銅ストライクめっきを行った後、ニッケルめっきを行
い、これをワイヤーロープとすることも可能ではある
が、この場合には、公害の原因となり得るシアン化合物
を使用するので、排水処理が繁雑となり、コスト高とな
る。また、めっき後の多数の素線を撚り合わせるので、
この点からも、コスト高となることは、避け難い。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き技術の現状に鑑みて、亜鉛め
っきした鋼線からなるワイヤーロープに直接ニッケルめ
っきを行う方法について種々研究を重ねてきた。しの過
程において、酸化物等の不純物除去のために亜鉛めっき
ワイヤーロープへのニッケルめっき処理に先立って行わ
れる活性化処理の水洗工程で、清浄化された亜鉛めっき
層が水により酸化されて、薄い酸化物層が新たに形成さ
れ、この酸化物がニッケルめっき層の直接形成を妨げて
いることを見出した。そして、本発明者は、更に研究を
進めた結果、活性化処理後の亜鉛めっき層を湿潤状態で
酸性に保持したまま、最適電流密度でワイヤーロープを
酸性ニッケルめっき浴によるめっき工程に供する場合に
は、亜鉛めっき層上に密着性に優れた均一なニッケルめ
っき層が形成されることを見出した。また、亜鉛めっき
層からニッケルめっき浴中に溶出する亜鉛を電解処理に
より除去して、その濃度を所定値以下に保持する場合に
は、亜鉛めっき層上に形成されるめっき層が実質的にニ
ッケルのみにより形成されることをも見出した。すなわ
ち、本発明は、下記の方法を提供するものである: 亜鉛めっきされた鋼線を撚り合わせて作られたワイヤ
ーロープを酸性活性化浴で処理した後、亜鉛表面を酸性
湿潤状態に保持したまま酸性ニッケル浴に導入し、電流
効率が95%以上となるように電流密度を調節しつつ酸性
ニッケルめっきを行うとともに、ニッケルめっき液の一
部を系外に取り出してこれを電解処理した後、酸性ニッ
ケル浴に循環することにより酸性ニッケル浴中の亜鉛濃
度を700ppm以下に保持することを特徴とするワイヤーロ
ープの処理方法。
特許請求の範囲第1項記載のワイヤーロープの処理方
法において、酸性ニッケルめっき処理に引き続いてクロ
メート処理を行うことを特徴とする方法。
本発明方法において、活性化処理後の被めっき体であ
る亜鉛めっき層付鋼線を撚り合わせたワイヤーロープを
湿潤状態で酸性に保持したまま酸性ニッケルめっき浴に
浸漬し、被めっき体への供給電流密度を増大させていく
と、めっきの析出電位が、酸性浴中でも亜鉛の溶解を引
起こすことなく亜鉛めっき層上にニッケルを析出させ得
るに充分な電位に達し、電流効率100%でNiめっき可能
な電解電流密度領域が現われる(第1図参照)。ここ
に、“電流効率100%”とは、実質的に被めっき体に流
入した電気量の全てがニッケルの析出に使用されること
を意味する。
電流効率100%の領域(A)では、ニッケルのみが、
陰極表面即ち亜鉛めっき層表面に析出し、被めっき体の
全面をニッケルメッキが欠陥なく被覆している。また、
ニッケルめっき液への亜鉛の大幅な溶解が迎えられてい
るので、めっき液の組成は通常それほど大きく変化せ
ず、pHも変動しないので、安定したニッケルめっき操作
が可能である。もし、ニッケルめっき浴中の亜鉛濃度が
150ppmを上回る場合には、形成されるめっき層の組成が
Zn-Ni合金となるので、このような場合には、後述の通
り、ニッケルめっき浴の一部を連続的に又は継続的に系
外に取出し、電解処理することにより、亜鉛を除去し、
ふたたびニッケルめっき浴に循環させる。
電解電流密度がより低い領域(B)では、理論的に
は、電流は、ニッケル析出に100%使用されるが、実際
には、ニッケルが島状に析出するとともに、またニッケ
ルにより被覆されていない部分から亜鉛がZn2+イオンと
してめっき液中に溶出するので、めっき液の組成が経時
的に変化して、安定しためっき操作が困難となり、ま
た、見掛上電流効率も低下する。従って、この領域で
は、実用的なめっきは、実施困難である。
電解電流密度がより高い領域(C)では、ニッケルの
析出以外に水の電気分解にもエネルギーが消費され、め
っき液のpHが高くなり、得られるニッケルめっき層は、
ざらついた脆いものとなるので、やはり次第に実用困難
となる。
本発明方法においてニッケルめっき工程に供される被
めっき体は、常法に従って、冷間伸線、パテンティング
処理及び冷間伸線を行なった素線に亜鉛めっきを行なっ
たもの、又は冷間伸線及びパテンティング処理後、亜鉛
厚めっきを行ない、冷間伸線したものを撚り合わせてワ
イヤーロープとしたものである。亜鉛めっき工程は、常
法に従って行なえば良く、素線に於て最低厚さ5μm程
度の亜鉛めっき層が形成される限り、浴組成、めっき条
件等は限定されない。即ち、電解亜鉛めっき法、溶融亜
鉛めっき法、真空蒸着法等の亜鉛被覆層を形成し得る全
ての方法を包含する。冷間伸線も、常法に従って行なえ
ば良く、特に限定されない。
ワイヤーロープの製造方法も、常法に従って行なえば
良く、特に限定されない。尚、本発明においては、ワイ
ヤーロープとは、素線を撚り合わせたストランド及び心
綱の周りにストランドを撚り合わせた本来のワイヤーロ
ープの両者を意味するものとする。従って、予め亜鉛め
っき層を形成した鋼線を撚り合わせてストランドとし、
心綱として該ストランドそのものを使用して、複数本の
ストランドをワイヤーロープに撚り上げたものを下記の
ニッケルめっき工程に供しても良い。或いは、予め亜鉛
めっき層を形成した鋼線を撚り合わせてストランドと
し、下記のニッケルめっき工程に供した後、同様のめっ
き層を形成したストランド又はめっき層を有しないスト
ランド或いは天然又は合成繊維製の綱を心綱として、複
数本の該ストランドをロープに撚り上げてもよい。
次いで、上記のようにして形成された亜鉛めっき層を
備えたワイヤーロープを酸性の活性化浴に浸漬して処理
する。酸性の活性化浴としては、特に限定されず、従来
から各種のめっき工程において使用されてきた活性化浴
が使用可能であり、例えば、塩酸浴、希硫酸浴、塩酸+
硫酸混合浴、スルファミン酸浴等の他に、酸性ニッケル
めっき浴自体も使用される。塩酸浴、希硫酸浴、塩酸+
硫酸混合浴等の低pH活性化浴を使用する場合には、光沢
に特に優れたニッケルめっきが、またスルファミン酸
浴、酸性ニッケルめっき浴等の弱酸性浴を使用する場合
には、密着性に特に優れたニッケルめっき層が得られ
る。酸性の活性化浴を使用する処理は、被めっき体の酸
化物層の厚さ、表面の汚れ程度等に応じて、単なる浸
漬、陽極電解、陰極電解等の手段を選択して行なわれ
る。本発明においては、活性化浴による処理をおえた被
めっき体は、水洗されることなく引き続くニッケルめっ
き浴に送られるので、該めっき浴の組成を変化させない
ためには、該めっき浴で使用するものと同じ酸の溶液に
より活性化処理を行なうことが好ましい。
活性化浴による処理を終えた被めっき体は、水洗をお
こなうことなく直ちに或いは必要ならば希酸水溶液で水
洗した後、亜鉛めっき層表面が酸性液で湿潤している状
態で、酸性ニッケルめっき浴に導入される。若し、亜鉛
めっき層表面を水洗するか或いは亜鉛めっき層表面を乾
燥させた後にニッケルめっきを行なう場合、即ち表面に
酸性液が存在しない状態又は表面が乾燥している状態で
ニッケルめっきを行なう場合には、形成されるニッケル
めっき層の亜鉛めっき層に対する密着性が大幅に低下し
て、めっき表面に割れを生じる。酸性ニッケルめっき浴
としては、特に限定されず、スルファミン酸ニッケルめ
っき浴、ワット浴、塩化物浴等の各種のものが使用され
る。酸性ニッケルめっき浴としては、スルファミン酸ニ
ッケルめっき浴がより好ましい。ニッケルめっき操作
は、ニッケルの析出電流効率が95%以上、より好ましく
は100%となる電流密度で行なうことが望ましい。電流
効率が95%以上となる電解電流密度は、めっき浴の種
類、めっき液の組成、めっき浴のpH、めっき浴の温度、
めっき液と被めっき体との相対線速度、ニッケルの濃度
等により影響されるが、pH3.0〜5.0程度、浴温40〜70℃
程度、相対線速度10cm/秒以上の場合に、通常10〜32A/d
m2程度である。ワイヤーロープは、表面に凹凸を有して
いるので、凹部にも、出来るだけ均一に且つできるだけ
厚くニッケルめっき層を形成させるためには、上記の範
囲内でより高い側の電流値により、ニッケルめっきを行
なうことが好ましいが、あまり電流値が高い場合には、
めっき液が電気分解されて、水素ガスを発生するので、
好ましくない。電解電流密度は、より好ましくは15〜30
A/dm2程度である。めっき浴のニッケル濃度が高くなる
程、より広い電解電流密度でのめっきが可能となる。ま
た、めっき浴の温度が高くなる程、電流効率が95%以上
となる電解電流密度は、高い側に移行する傾向がある。
本発明で採用する電流密度範囲は、比較的狭く、ま
た、電流密度自体も、通常のニッケルめっき法と比較し
て、かなり高い。このため、被めっき体への電流密度分
布を出来るだけ均一に維持するとともに、めっき液中の
ニッケルイオンの拡散をできるだけ良好ならしめるため
に、めっき液を攪拌するか又は被めっき体を移動させる
必要がある。めっき液と被めっき体との相対線速度は、
10cm/秒以上とすることが好ましく、25cm/秒以上とする
ことがより好ましい。ニッケルめっき層の厚さは、特に
限定されるものではないが、通常0.2〜10μm程度、よ
り好ましくは0.5〜5μm程度である。
尚、本発明方法で採用するニッケルめっき工程は、比
較的高い電流密度領域で行われるため、線材に対する給
電電極の間隔が大きい場合には、線材の抵抗により中間
部分で電圧降下が大きくなる場合がある。このような場
合には、常法通りにめっき内に給電用中間電極を設け
て、めっきを行なっても良い。
本発明においては、被めっき体がワイヤーロープであ
るため、ロープ内部を完全にニッケルめっき層により、
被覆することは、困難であり、最適の条件下(電流密
度、ワイヤーロープとめっき液との相対速度、活性化条
件等)においても、ワイヤーロープ内部からの亜鉛の溶
出は、避け難く、ニッケルめっき液中の亜鉛濃度は、次
第に上昇する。従って、本発明においてはニッケルめっ
き液中の亜鉛濃度が700ppmを上回ることのないように、
ニッケルめっき液中の亜鉛濃度を常時モニターし、必要
に応じて、ニッケルめっき液の一部をニッケルめっき槽
外に取りだし、これを電解処理した後、ニッケルめっき
槽に循環する。この電解処理は、ニッケルめっき液中へ
の亜鉛の異常共析現象を利用するものであり、低電流密
度でも共析する。勿論、高電流密度でも、亜鉛の除去は
可能であるが、ニッケルに対する亜鉛の相対的共析量が
低くなって経済的に不利となるので、通常1A/dm2以下の
低電流密度電解法によることが好ましい。尚、めっき層
の外観は、ニッケルめっき液中の亜鉛濃度が150ppmを上
回る場合には、黒色化して、低下するので、外観が重視
される場合には、亜鉛濃度を150ppm以下に制御すること
が望ましい。
尚、本願発明方法においても、ニッケルめっき層によ
って被覆され難いロープ内部において亜鉛めっき層が露
出している場合が、あり得る。このような場合には、常
法にしたがって、クロメート処理を行なうことにより、
ワイヤーロープの耐食性を更に一層改善することができ
る。この場合には、ニッケルめっき層による耐摩擦性を
維持しつつ、白錆及び赤錆に対する防錆性を著るしく向
上させることができる。
発明の効果 本発明方法は、ワイヤーロープ表面に形成された亜鉛
めっき層上に直接ニッケルめっき層を形成することが出
来るので、公害問題を生じることもなく、製造コストも
低い。形成されるニッケルめっき層は、金属光沢に優
れ、亜鉛めっき層に対する密着が良く、高い防錆力を発
揮する。本発明方法により得られた複層めっきワイヤー
ロープは、滑り性が良好で、防錆力に優れ且つ表面の光
沢に優れている。この様なワイヤーロープは、各種のコ
ントロールケーブル、高耐食性を必要とする一般のワイ
ヤーロープ、各種の装飾用吊りロープ又は装飾具(例え
ばブレスレット等)として有用である。
実施例 以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをよ
り一層明らかにする。
実験例1 第1表に示すスルファミン酸ニッケルめっき液(所定
量の亜鉛を含有)を使用し、6cm×10cmの真鍮板を試験
片として、液温55℃、総電流5A、めっき時間2.5分の条
件でハルセル試験を行なった。
電流密度が30A/dm2のめっき皮膜について、硬度測定
をおこなった後、電流密度変化方向の折り曲げ試験を行
ない、めっき層の割れの有無を調べた。結果は、第2表
に示す通りである。
第1表 スルファミン酸ニッケル 700g/l ホウ酸 40g/l 塩化ニッケル 15g/l pH 3.4 第2表 試料No. Zn(ppm) 外観 硬さ(Hv) 割れ 1 73 A 193 なし 2 95 A 214 なし 3 138 A 249 なし 4 195 B 257 なし 5 390 C 274 なし 6 780 D 286 なし 7 1560 E 502 なし 尚、第2表において、A乃至Eは、以下の事柄を示
す。
A:半光沢 B:半光沢(1A/dm2以下で黒色化) C:半光沢(2A/dm2以下で黒色化) D:光沢(5A/dm2以下で黒色化) E:光沢条痕(5A/dm2以下で黒色化) 第2表に示す結果から明らかな如く、ニッケルめっき
液中の亜鉛濃度の増大とともに、めっきの硬さが上昇し
て、700ppmを上回ると、折り曲げにより割れを生じた。
実験例2 第1表に示す組成のニッケルめっき液に亜鉛めっきワ
イヤーロープ(直径1.5mm、長さ60cm)を45秒間浸漬し
て、ニッケルめっき液中の亜鉛濃度を138ppmとした。
このめっき液700mlを円筒型の槽に入れ、6cm×6cmの
ニッケル板のアノードと6cm×6のステンレススチール
板のカソードとを6cmの間隔をおいて配置し、0.8A/dm2
の低い電流密度で電解した。その結果、24時間後に亜鉛
濃度は、31ppmにまで低下していた。
実施例1 直径0.3mmの亜鉛めっき鋼線19本を撚り合わせて作成
した直径1.5mmのワイヤーロープをスルファミン酸水溶
液(濃度5%)中で2秒間活性化処理した後、第1表に
示す組成を有するニッケルめっき浴中に直ちに導き、電
流密度を種々変えて、120cm×20cmのニッケル板を陽極
として、ニッケルめっきを行なった。
めっき槽は、長さ2mのとゆ型であり、下記に示すめっ
き液貯槽からのめっき液をポンプによりワイヤーロープ
の進行方向と逆の方向にめっき液とワイヤーロープとの
相対速度を25cm/秒とした。
一方、めっき貯槽には、ニッケル製のアノード(30cm
×30cm)とステンレススチール製のカソード(30cm×30
cm)を設置して、0.8A/dm2の電流密度で連続的に電解を
行なった。尚、めっき槽とめっき貯槽との間での液循環
量は、200l/分であり、ニッケルめっき液中の亜鉛濃度
は、77ppmに保持されていた。。
次いで、得られた各Zn-Niめっきワイヤーロープにつ
いて、JIS Z 2371による塩水噴霧による耐食性試験(白
錆及び赤錆発生までの時間を測定)及び摩擦ロスの測定
を行なった。摩擦ロスの測定は、内径2mmの平鋼線製の
アウターケーブル中にニッケルめっきしたワイヤーロー
プをインナーケーブルとして通し、所定の荷重を掛け
て、ロープの他端に掛かる荷重を測定し、初期値と繰り
返し摩擦させたときの摩擦ロスを測定した。
各電流密度(A/dm2)におけるめっきの外観、耐食性
及び摩擦ロスの結果は、第3表に示す通りである。
実施例2 実施例1において電流密度30A/dm2でニッケルめっき
したワイヤーロープを第4表に示す組成のクロメート浴
に常温で所定時間浸漬し、次いで50℃で湯洗して、クロ
メート処理した後、実施例1と同様にして、塩水噴霧試
験を行なった。結果は、第5表に示す通りである。尚、
第5表には、市販亜鉛めっきロープについての結果を併
せて示す。
第4表 クロム酸 6g/l 硫酸 2g/l 硝酸 2g/l pH 2 クロメート処理により、防錆性が著るしく向上してい
ることが明らかである。
比較例1 実施例1で使用したものと同様のワイヤーロープをニ
ッケルめっき等の処理を一切行なうことなく、そのまま
実施例1と同様の塩水噴霧試験及び摩擦試験に供した。
塩水噴霧試験においては、72時間後に赤錆が発生し
た。
また、荷重を夫々変えた場合の摩擦ロスは、下記の通
りであった。
5kgf:34% 10kgf:36% 15kgf:28% 実験例3 実施例1と同様にして電流密度30A/dm2でニッケルめ
っきしたワイヤーロープを10kgfの荷重の下に無潤滑状
態(グリスなし)及び(潤滑状態(グリス使用)で夫々
繰返し摩擦試験に供した。結果は、第7表に示す通りで
ある。尚、市販の同寸法の亜鉛めっきロープの場合に
は、摩擦回数7000〜8000回で切断した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における電解電流密度と電流効率との
関係を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 泰弘 大阪府堺市三原台3丁33番2号 (72)発明者 薦田 俊策 大阪府狭山市大野台3―22―2 (56)参考文献 特開 昭61−37958(JP,A) 特開 昭61−91392(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛めっきされた鋼線を撚り合わせて作ら
    れたワイヤーロープを酸性活性化浴で処理した後、亜鉛
    表面を酸性湿潤状態に保持したまま酸性ニッケル浴に導
    入し、電流効率が95%以上となるように電流密度を調節
    しつつ酸性ニッケルめっきを行うとともに、ニッケルめ
    っき液の一部を系外に取り出してこれを電解処理した
    後、酸性ニッケル浴に循環することにより酸性ニッケル
    浴中の亜鉛濃度を700ppm以下に保持することを特徴とす
    るワイヤーロープの処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のワイヤーロー
    プの処理方法いおいて、酸性ニッケルめっき処理に引き
    続いてクロメート処理を行うことを特徴とする方法。
JP62258550A 1987-10-14 1987-10-14 ワイヤーロープの表面処理方法 Expired - Lifetime JP2645837B2 (ja)

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