JPH07115800A - 誘導電動機制御装置 - Google Patents

誘導電動機制御装置

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JPH07115800A
JPH07115800A JP5256989A JP25698993A JPH07115800A JP H07115800 A JPH07115800 A JP H07115800A JP 5256989 A JP5256989 A JP 5256989A JP 25698993 A JP25698993 A JP 25698993A JP H07115800 A JPH07115800 A JP H07115800A
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magnetic flux
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Shigeru Tanaka
中 茂 田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 自動的にベクトル制御の定数を最適値に選択
する。 【構成】 誘導電動機の各相電流から座標変換回路VE
C−1は励磁及びトルク電流id,iqを出力し、すべ
り周波数演算器SFは指令値ωs* を出力する。速度制
御回路C1 ,Gr(s)はトルク電流指令値iq* を、
トルク電流制御回路C2 ,Gq(s)は1次角周波数指
令値ω1 * を出力する。磁束演算器FCALは検出電
流、電圧に基いて、励磁及びトルク電流演算値id^,
iq^を演算する。ニューラルネットワーク手段は、i
* ,iq^,id* ,id^,ω1 * を入力して、電
圧及び位相角指令値v1 * ,δ* を出力する。座標変換
回路VEC−2は、v1 * ,δ* に基いて各相出力電圧
指令値を電力変換器SSに出力し、ニューラルネットワ
ーク回路NNWは、演算用の結合係数Wを、バックプロ
パゲーション回路BPからの補正量△Wにより調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル制御を行う誘
導電動機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の誘導電動機制御装置の構成
を示すブロック図である。図5において、IMは誘導電
動機本体、SSは電力変換器、CTは電流検出器、SF
はすべり周波数演算器、CALは電圧指令値演算器、C
1 ,C2 は比較器、AD1 ,AD2 は加減算器、Gr
(s)は速度制御補償回路、Gq(s)はトルク電流制
御補償回路、VEC−1,VEC−2は座標変換器、I
NTは積分回路、ROM1,ROM2はメモリテーブル
である。
【0003】電力変換器SSは、可変電圧可変周波数の
3相交流電力を電動機IMに供給するもので、例えば、
パルス幅変調制御(PWM)インバータ等がある。
【0004】電流検出器CTにより電動機の1次電流i
u,iv,iwが検出され、座標変換器VEC−1に入
力される。座標変換器VEC−1により上記電流検出値
iu,iv,iwは静止座標から回転座標に変換され、
トルク電流検出値iqと励磁電流検出値idになる。
【0005】すべり周波数演算器SFは上記トルク電流
検出値iqと励磁電流検出値idを用い、次の演算を行
なうことにより、誘導機IMのすべり角周波数ωs*
推定する。 ωs* =(R2 iq)/(L2 id) ただし、R2 およびL2 は誘導機IMの2次抵抗値およ
び2次インダクタンス値である。
【0006】速度制御回路は比較器C1 と制御補償回路
Gr(s)で構成され、トルク電流の指令値iq* を出
力する。すなわち、後で説明する回転速度検出値ωrと
その指令値ωr* を比較器C1 により比較し、その偏差
εr=ωr* −ωrを制御補償回路Gr(s)により増
幅し、トルク電流指令値iq* を求めている。
【0007】また、トルク電流制御回路は比較器C2
制御補償回路Gq(s)で構成され、誘導機IMの1次
角周波数指令値ω1 * を出力する。すなわち、前記トル
ク電流指令値iq* と前記トルク電流検出値iqを比較
器C2 により比較し、その偏差εq=iq* −iqを制
御補償回路Gq(s)で増幅して1次角周波数ω1 *
求めている。
【0008】加減算器AD1 により、当該1次角周波数
指令値ω1 * と前記すべり角周波数指令値ωs* との差
をとり、回転角周波数ωr^=ω1 * −ωs* を求め、
前記速度制御回路にフィードバックする。
【0009】また、積分器INTにより、前記1次角周
波数ω1 * を積分し、位相角θ* =ω1 * を求めてメモ
リテーブルROM1に入力する。当該メモリテーブルR
OM1では入力位相角θ* に対して、2相の単位正弦波
信号sin θ* ,cos θ* を作り、前記座標変換器VEC
−1にその信号を与える。
【0010】座標変換器VEC−1では、3相電流i
u,iv,iwの検出値を、dq座標(回転座標)の電
流id,iqに変換する。すなわち、 id=cos θ・iα−sin θ・iβ iq=sin θ・iα+cos θ・iβ ただし、 iα=k・(iu−iv/2−iw/2) iβ=k′・(iv−iw) k=2/3, k′=1/2 となる。一般に、idは直軸電流(励磁電流)、iqは
横軸電流(トルク電流)と呼んでいる。
【0011】一方、演算器CALに、誘導機の励磁電流
指令値id* ,前記トルク電流指令値iq* および前記
1次角周波数ω1 * を入力し、次の演算を行うことによ
り、誘導機IMの電圧指令値v1 * と位相角δ* を求め
る。 v1 * =a{e+R1 ′iq* +ω1 * σL2 id*
cos δ*−a{R1 ′id* −ω1 * σL2 iq* }sin
δ* δ* =tan -1{(ω1 * σL2 iq* −R1 ′i
* )/(e+R1 ′iq* +ω1 * σL2 id* )} ただし、 σ=(L1 2 /M−1) a=M/L2 e=ω1 * 2 id* =ω1 * φ21 ′=R1 /a2 ここで、 R1 ,L1 :誘導機の1次抵抗値,1次インダクタンス R2 ,L2 :誘導機の2次抵抗値,2次インダクタンス M:誘導機の相互インダクタンス φ2 :誘導機の2次磁束 である。
【0012】このようにして求められた位相角δ* は加
減算器AD2 に入力され、前記積分器の出力θ* に加え
られる。メモリテーブルROM2 は当該位相角の和θ*
+δ* を入力とし、3相単位正弦波を作り、第2の座標
変換器VEC−2にその信号を与える。
【0013】また、前記電圧値V1 * はその第2の座標
変換器VEC−2により回転座標から静止座標に変換さ
れ、3相交流電圧指令値vu* ,vv* ,vw* が得ら
れる。すなわち、 vu* =V1 * ・sin (θ* +δ* ) vv* =V1 * ・sin (θ* +δ* −2π/3) vw* =V1 * ・sin (θ* +δ* +2π/3) となる。
【0014】前記電力変換器SSは上記電圧指令値に比
例した電圧を発生し、ベクトル制御に必要な電圧を誘導
電動機IMに供給する。
【0015】図6にこの時の誘導電動機IMの電圧電流
ベクトル図を示す。ここで、v1 ′=v1 /a および
1 ′=a・i1 の関係がある。電動機の発生トル
クは励磁電流id(すなわち2次磁束φ2 )とトルク電
流iqの積に比例し、そのときの1次電流ベクトルi1
が決定される。また、電動機の内部誘起電圧eは前に示
したように励磁電流idと1次角周波数ω1 で決定さ
れ、この電圧eに1次抵抗ドロップと1次および2次の
洩れインダクタンスによるドロップ分を加えることによ
り、電動機に与えるべき1次電圧v1 のベクトルが決定
される。この関係を満足するように演算器CALが上述
の演算を行っている。
【0016】このような従来の誘導電動機制御装置によ
り、速度センサ無しでベクトル制御を行うことができ、
直流電動機と同等の特性を出すことが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の誘導電
動機制御装置では、演算器CALによりベクトル制御に
必要な1次電圧指令値(v1 * とδ* )を作っている。
この演算には電動機の定数(R1 ,M,L2 ,等)を用
いており、この定数が正確な値であれば、電動機の磁束
とトルク電流は常に直角の位置を維持し、直流電動機と
同等な特性を出すことが可能となる。
【0018】しかし、上記誘導機の定数は電動機の種類
や出力定格によって異なり、正確な値を知ることが困難
である。通常は設計値を用いて演算しているが、果たし
て正確なベクトル制御が実現されているかどうかは疑問
の残るところである。その対策として、ベテランの調整
員が試験運転を行い、定常特性などを測定しながら上記
電動機定数を最適と思われる値に調整しているのが実情
である。この調整にはかなりの時間と費用を要し、電動
機台数が多い汎用モータでは大まかな調整しかできず、
出力と特性が低下する等の問題が生じていた。
【0019】また、誘導機の1次抵抗R1 は運転中の温
度上昇により変化し、相互インダクタンスMや2次イン
ダクタンスL2 は鉄心の飽和により変化するので、最初
に正確な定数を入れたとしても運転中に定数が変化し、
前記磁束φ2 とトルク電流iqのベクトルが直角に保た
れなくなり、電動機発生トルクが低下する等の問題が生
じる。
【0020】一方、1次角周波数ω1 * は電力変換器S
Sの出力角周波数に一致するので正しい値である。しか
し、演算器SFにより求められたすべり角周波数ωs*
は電動機定数(R2 ,L2 )を用いて演算しているた
め、その値がずれていれば誤差が生じる。従って、速度
制御回路にフィードバックされる演算速度ωr^=ω1
* −ωs* も誤差を持ち、正確な速度制御が出来なくな
る。特に、電動機の2次抵抗R2 は回転子の温度により
変化し、運転中に電動機速度が設定値よりずれてくる等
の問題があった。
【0021】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ベクトル制御演算に使われる電動機定数の無調整化
をはかり、かつ運転中に当該電動機定数が変化した場合
でもそれに対応して上記演算定数を自動的に調整するこ
とが可能な誘導電動機制御装置を提供することを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、第1の発明は、誘導電動機についての励
磁電流指令値id* ,トルク電流指令値iq* ,1次角
周波数指令値ω1 * を用いて電圧指令値v1 * 及び位相
角指令値δ* を求め、この電圧指令値v1 * 及び位相角
指令値δ* に基き、誘導電動機に可変電圧可変周波数交
流電力を供給する電力変換器に対して出力電圧指令値v
* ,vv* ,vw* を出力することで誘導電動機に対
するベクトル制御を行う誘導電動機制御装置において、
前記電力変換器からの出力電圧及び出力電流の検出値を
入力し、前記誘導電動機の2次磁束についての演算又は
推定に基いて、励磁電流演算値id^及びトルク電流演
算値iq^を出力する磁束演算手段と、前記磁束演算手
段からの励磁電流演算値id^及びトルク電流演算値i
q^、並びに、前記励磁電流指令値id* ,トルク電流
指令値iq* ,1次角周波数指令値ω1 * を入力し、バ
ックプロパゲーション・アルゴリズムに基く学習を行な
いながら、前記電圧指令値v1 * 及び位相角指令値δ*
を出力するニューラルネットワーク手段と、を備えた構
成としたものである。
【0023】第2の発明は、第3の発明の構成におい
て、前記電力変換器からの出力電流の検出値を入力し、
この検出値の静止座標系から回転座標系への変換に基い
て、励磁電流検出id及びトルク電流検出値iqを出力
する座標変換器と、前記座標変換器からの励磁電流検出
値id及びトルク電流検出値iqの入力に基いて、すべ
り周波数指令値ωs* を演算するすべり周波数演算器
と、を備えた構成としたものである。
【0024】第3の発明は、第2の発明の構成におい
て、前記座標変換器はトルク電流検出値iqのみを出力
するものであり、前記すべり周波数演算器は、前記座標
変換器からのトルク電流検出値iq、及び予め与えられ
た2次磁束指令値φ2 * の入力に基いて、すべり周波数
指令値ωs* を演算するものである、構成としたもので
ある。
【0025】第4の発明は、第3の発明の構成におい
て、前記磁束演算手段は、前記励磁電流演算値id^及
びトルク電流演算値iq^に加えて、2次磁束演算値φ
2 ^を出力するものであり、前記予め与えられた2次磁
束指令値φ2 * 及び2次磁束演算値φ2 ^を入力し、バ
ックプロパゲーション・アルゴリズムに基く学習を行な
いながら前記励磁電流指令値id* を出力する他のニュ
ートラルネットワーク手段が前記ニューラルネットワー
ク手段の入力側に接続されており、前記すべり周波数演
算器は、前記他のニューラルネットワーク手段の学習結
果を用いながら、すべり周波数指令値ωs* を演算する
ものである、構成としたものである。
【0026】第5の発明は、第1乃至第4の発明の構成
において、前記ニューラルネットワーク手段は、前記誘
導電動機の回転速度が所定レベル以上である場合のみ、
前記バックプロパゲーション・アルゴリズムに基く学習
を行うものである、構成としたものである。
【0027】
【作用】ニューラルネットワーク手段の入力信号とし
て、まず、励磁電流指令値id*とトルク電流指令値i
* および1次角周波数指令値ω1 * を用いる。励磁電
流指令値id* は通常一定値で与えられるが、電動機の
回転速度に応じて弱め界磁制御などを行うときにはその
指令値を変化させる。トルク電流指令値iq* は直接与
えられることもあるが、一般には速度制御回路からの出
力がトルク電流指令値となる。また、上記1次角周波数
指令値ω1 * はトルク電流制御回路から与えられる。
【0028】一方、電力変換器からの誘導電動機に供給
される電圧電流を検出し、その検出値を磁束演算手段で
ある磁束演算器に入力し、当該電動機の励磁電流id^
およびトルク電流iq^を演算する。なお、磁束演算手
段として、磁束演算器の代わりに磁束オブザーバを使っ
てもよい。当該励磁電流演算値id^およびトルク電流
演算値id^はニューラルネットワーク手段のもう一方
の入力信号となる。
【0029】ニューラルネットワーク手段の出力信号
は、回転座標で表した電動機の1次電圧V1 * と位相角
δ* である。当該1次電圧指令値V1 * を静止座標(3
相交流電圧指令値)に変換し、電力変換器から当該指令
値に比例した電圧を発生させることにより、誘導電動機
のベクトル制御を行う。
【0030】すなわち、ニューラルネットワーク手段
は、励磁電流指令値id* およびトルク電流指令値iq
* と、電動機の1次電圧指令値v1 * をむすび付けるも
ので、従来の演算器CALの役目をする。
【0031】ニューラルネットワーク手段の結合係数に
ついてはバックプロパゲーション(逆伝播)によって学
習する。すなわち、まず、適当な係合係数を入れて、励
磁電流指令値id* ,トルク電流指令値iq* および1
次角周波数指令値ω1 * から1次電圧指令値v1 * と位
相角指令値δ* を出し、電動機を運転させる。そのとき
の電圧電流から電動機の励磁電流id^およびトルク電
流iq^を演算し、その値を保持しておく。次に、当該
励磁電流演算値id^,トルク電流演算値iq^および
1次角周波数指令値ω1 * を用いて、ニューラルネット
ワーク手段を介して電圧指令値v1 * および位相角指令
値δ* ^を求める。そして、当該電圧指令値v1 * およ
び位相角指令値δ* ^と先に求めたv1 * とδ* とのそ
れぞれの差分に応じてニューラルネットワーク手段の結
合係数を変化させ、最終的に当該差分が零になるように
学習を繰り返していく。
【0032】最終的にはid* =id^,iq* =iq
^,v1 * =v1 * ^,δ* =δ*^となって落ちつ
く。このとき、上記磁束演算器によって求めた励磁電流
演算値id^およびトルク電流演算値iq^が十分正確
な値であるとすれば、ニューラルネットワーク手段によ
って求めた電圧指令値v1 * および位相角δ* も十分正
確な値が期待でき、その結果、直流機と同等の出力特性
を持つベクトル制御が達成できる。
【0033】一般に、上記磁束演算器による励磁電流演
算値id^およびトルク電流演算値iq^の精度は電動
機の回転速度が低いときに悪くなるので、上記ニューラ
ルネットワーク手段の学習は回転速度が高いときに行
い、回転速度が低くなったときには学習を一時停止させ
るのが良い。
【0034】運転中に回転子の温度上昇した場合等で
も、それに対応して、ニューラルネットワーク手段の結
合係数が更新され、常に最適な状態で、誘導電動機のベ
クトル制御を行うことが可能でとなる。電動機の鉄心が
飽和した場合も同様である。
【0035】このようにして、本発明の誘導電動機制御
装置によって、ベテランの調整員を必要とせず、自動的
にベクトル制御の定数を最適値に選択し、かつ、温度上
昇等の外乱にも強いベクトル制御を達成することができ
る。
【0036】次に、上記ニューラルネットワーク手段に
他のニューラルネットワーク手段を付加し、入力信号と
して、2次磁束指令値φ2 * とトルク電流指令値iq*
および1次角周波数ω1 * を用いる場合につき説明す
る。2次磁束指令値φ2 * は、通常、一定値で与えられ
るが、電動機の回転速度に応じて弱め界磁制御などを行
うときにはその指令値を変化させる。トルク電流指令値
iq* は直接与えられることもあるが、一般には速度制
御回路からの出力がトルク電流指令値となる。また、上
記1次角周波数指令値ω1 * はトルク電流制御回路から
与えられる。
【0037】一方、電力変換器から誘導電動機に供給さ
れる電圧電流を検出し、その検出値を磁束演算器に入力
し、当該電動機の2次磁束φ2 ^,励磁電流id^およ
びトルク電流iq^を演算する。なお、磁束演算器の代
わりに磁束オブザーバを使ってもよい。当該2次磁束演
算値φ2 ^,励磁電流演算値id^およびトルク電流演
算値iq^はニューラルネットワーク手段及び他のニュ
ーラルネットワーク手段のもう一方の入力信号となる。
【0038】他のニューラルネットワーク手段はニュー
ラルネットワーク手段の入力側に接続されており、2次
磁束指令値φ2 * と2次磁束指令値φ2 ^を交互に入力
し、励磁電流指令値id* を出力する。すなわち、前段
側の他のニューラルネットワーク手段は2次磁束指令値
φ2 * と励磁電流指令値id* を結び付けるもので、そ
の結合係数はバックプロパゲーション(逆伝播)によっ
て学習する。
【0039】後段側のニューラルネットワーク手段は、
前段側の他のニューラルネットワーク手段の出力信号で
ある励磁電流指令値id* とトルク電流指令値iq*
よび1次角周波数ω1 * と、前記励磁電流演算値id^
およびトルク電流演算値iq^を交互に入力し、回転座
標で表した電動機の1次電圧指令値v1 * と位相角指令
値δ* を出力する。すなわち、後段側のニューラルネッ
トワーク手段は励磁電流指令値id* およびトルク電流
指令値iq* と、1次電圧指令値v1 * および位相角指
令値δ* とを結び付けるもので、その結合係数はバック
プロパゲーション(逆伝播)によって学習する。
【0040】当該1次電圧指令値v1 * を静止座標(3
相交流電圧指令値)に変換し、電力変換器から当該指令
値に比例した電圧を発生させることにより、誘導電動機
のベクトル制御を行う。
【0041】ニューラルネットワーク手段及び他のニュ
ーラルネットワーク手段の結合係数はバックプロパゲー
ション(逆伝播)によって学習する。
【0042】まず、励磁電流指令値id* として適当な
値を入れ、後段側のニューラルネットワーク手段の結合
係数を学習させる。すなわち、後段側のニューラルネッ
トワーク手段に適当な結合係数を入れて、励磁電流指令
値id* で,トルク電流指令値iq* および1次角周波
数指令値ω1 * から1次電圧指令値v1 * と位相角指令
値δ* を出し、電動機を運転させる。そのときの電圧電
流から電動機の励磁電流id^およびトルク電流iq^
を演算し、その値を保持しておく。
【0043】次に、当該励磁電流演算値id^,トルク
電流演算値iq^および1次角周波ω1 * を用いて、後
段側のニューラルネットワーク手段を介して電圧指令値
1 * ^および位相角指令値δ* ^を求める。そして、
当該電圧指令値v1 * および位相角指令値δ* ^と先に
求めたv1 * とδ* とのそれぞれの差分に応じて後段側
のニューラルネットワーク手段の係合係数を変化させ、
最終的に当該差分が零になるように学習を繰り返してい
く。
【0044】最終的には、id* =id^,iq* =i
q^,v1 * =v1 * ^,δ* =δ* ^となって落ちつ
く。
【0045】次に、前段側の他のニューラルネットワー
ク手段の結合係数を学習させる。すなわち、前段側の他
のニューラルネットワーク手段に適当な結合係数を入れ
て、2次磁束指令値φ2 * から励磁電流指令値id*
出力し、後段側のニューラルネットワーク手段を介して
1次電圧指令値v1 * と位相角指令値δ* を出し、電動
機を運転させる。そのときの電圧電流から電動機の2次
磁束φ2 ^を演算し、その値を保持しておく。次に、当
該2次磁束演算値φ2 ^を用いて励磁電流指令値id*
^を求める。そして、当該励磁電流指令値id* ^と先
に求めた励磁電流指令値id* との差分に応じて前段側
の他のニューラルネットワーク手段の結合係数を変化さ
せ、最終的に当該差分が零になるように学習を繰り返し
ていく。最終的には、φ2 * =φ2 ^,id* =id^
となって落ちつく。
【0046】このようにして、前段側の他のニューラル
ネットワーク手段および後段側のニューラルネットワー
ク手段の結合係数がすべて学習され、磁束演算器によっ
て求めた2次磁束演算値φ2 ^,励磁電流演算値id^
およびトルク電流演算値iq^が十分正確な値であると
すれば、ニューラルネットワーク手段によって求めた電
圧指令値v1 * および位相角指令値δ* も十分正確な値
が期待でき、その結果、直流機と同等の出力特性を持つ
ベクトル制御が達成できる。
【0047】運転中に、回転子の温度が上昇した場合等
でも、それに対応して、他のニューラルネットワーク手
段の結合係数が更新され、常に最適な状態で、誘導電動
機のベクトル制御を行うことが可能となる。電動機の鉄
心が飽和した場合も同様である。
【0048】この前段側のニューラルネットワーク手段
で学習した係合係数は電動機の2次抵抗に関係し、前記
すべり周波数演算の演算定数として反映させることがで
きる。通常、すべり周波数演算には2次抵抗値R2 等を
使用するが、回転子の温度が上昇した場合、R2 が変化
し、正しいすべり周波数が求められなくなる。従って、
そのすべり周波数を用いて電動機の回転速度を推定する
速度センサレス・ベクトル制御では正確な速度制御は望
めなくなる。そこで、前段側の他のニューラルネットワ
ーク手段で学習した結合係数をすべり周波数演算器に代
入し、演算を行う。その結果、運転中の温度上昇に対応
して電動機定数が学習され、正確な速度制御を行うこと
が可能となる。
【0049】このように、本発明の誘導電動機制御装置
によれば、ベテランの調整員を必要とせず、自動的にベ
クトル制御の定数を最適値に選択し、かつ、温度上昇等
の外乱にも強いベクトル制御を行うことができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図4に基き
説明する。図1は第1実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【0051】図1において、IMは誘導電動機本体、S
Sは電力変換器、CTは電流検出器、PTは電圧検出
器、FCALは磁束演算手段としての磁束演算器、
1 ,C2は比較器、Gr(s)は速度制御補償回路、
Gq(s)はトルク電流制御補償回路、VEC−1,V
EC−2は座標変換回路、SFはすべり周波数演算器、
AD1 ,AD2 は加算器、INTは積分回路、ROM
1,ROM2はメモリテーブル、NNWはニューラルネ
ットワーク回路、BPはバックプロパゲーション(逆伝
播)回路、NCALは外部演算器である。
【0052】そして、ニューラルネットワーク手段は、
ニューラルネットワーク回路NNW,バックプロパゲー
ション回路BP,外部演算器NCALにより構成されて
いる。
【0053】電力変換器SSは、可変電圧可変周波数の
3相交流電力を電動機IMに供給するもので、例えば、
パルス幅変調制御(PWM)インバータ,サイクロコン
バータなどがある。
【0054】ニューラルネットワークNNWの入力信号
として、励磁電流指令値id* とトルク電流指令値iq
* および1次角周波数指令値ω1 * を用いる。
【0055】励磁電流指令値id* は通常一定値で与え
られるが、電動機の回転速度に応じて弱め界磁制御など
を行うときにはその指令値を変化させる。
【0056】トルク電流指令値iq* は直接与えられる
こともあるが、一般には速度制御回路からの出力がトル
ク電流指令値となる。
【0057】速度制御回路は比較器C1 と制御補償回路
Gr(S)で構成され、トルク電流の指令値iq* を出
力する。すなわち、演算によって求められた速度検出値
ωr^とその指令値ωr* を比較器C1 により比較し、
その偏差εr=ωr* −ωrを制御補償回路Gr(S)
により増幅し、トルク電流指令値iq* をニューラルネ
ットワーク回路NNWに与える。
【0058】トルク電流制御回路は比較器C2 と制御補
償回路Gq(S)で構成され、1次角周波数指令値ω1
* を出力する。当該ω1 * は前記ニューラルネットワー
クNNWに与えられると共に、積分器INTに入力さ
れ、座標変換のための位相角信号θ* =ω1 * ・tを作
る。メモリテーブルROM1は当該位相角信号θ* から
2相単位正弦波sin θ* ・cos θ* を作り、座標変換器
VEC−1に与える。
【0059】一方、電力変換器SSから誘導電動機IM
に供給される電流iu,iv,iwを電流検出器CTに
より検出し、前記座標変換器VEC−1に入力する。
【0060】座標器VEC−1では、3相電流iu,i
v,iwの検出値を、dq座標(回転座標)の電流i
d,iqに変換する。すなわち、 id=cos θ* ・iα−sin θ* ・iβ iq=sin θ* ・iα−cos θ* ・iβ ただし、 iα=k・(iu−iv/2−iw/2) iβ=k′・(iv−iw) k=2/3,k′=1/2 となる。一般に、idは直軸電流(励磁電流)、iqは
横軸電流(トルク電流)と呼んでいる。
【0061】トルク電流検出値iqは前記トルク電流制
御回路の比較器C2 にフィードバックされる。
【0062】また、トルク電流検出値iqおよび励磁電
流検出値idはすべり周波数演算器SFに入力され、次
の演算を行うことにより、すべり角周波数ωs * が求め
られる。 ωs * =(R2 ・iq)/(L2 ・id) また、電動機の端子電圧Vu,Vv,Vwを電圧検出器
PTで検出し、前記3相電流検出値iu,iv,iwと
共に磁束演算器FCALに入力する。磁束演算器FCA
Lは当該電圧電流を使って、電動機の2次磁束φ2 ^,
励磁電流id^およびトルク電流iq^を演算する。
【0063】まず、検出された3相(U,V,W相)の
電圧電流を2相(α,β相)の電圧電流に座標変換す
る。すなわち、 iα=k・(iu−iv/2−iw/2) iβ=k′・(iv−iw) および eα=k・(Vu−Vv/2−Vw/2) eβ=k′・(Vv−Vw) となる。ただし、 k=2/3, k′=1/2 である。
【0064】このβ座標系の2次磁束φ2 α,φ2 βは
次の演算を行うことにより求められる。 φ2 α=(L2 /M)(eα−R1 ・iα)dt−σ・
1 ・(L2 /M)・iα φ2 β=(L2 /M)(eβ−R1 ・iβ)dt−σ・
1 ・(L2 /M)・iβ だたし、R1 ,R2 は1次、2次抵抗、L1 ,L2 は1
次、2次インダクタンス、Mは相互インダクタンス、σ
=1−M2 /(L1 ・L2 )は洩れ係数である。
【0065】上記αβ座標系の2次磁束φ2 α,φ2 β
をdq座標系へ変換するには、次の計算を行う。 φ2d=cos ψ・φ2 α+sin ψ・φ2 β φ2q=−sin ψ・φ2 α+cos ψ・φ2 β ここで、 cos ψ=φ2 α/(φ2 α2 +φ2 β2 ) sin ψ=φ2 β/(φ2 α2 +φ2 β2 ) が成り立ち、 φ2d=(φ2 α2 +φ2 β2 ) φ2q=0 となる。φ2dが2次磁束の演算値φ2 ^となる。
【0066】また、dq座標系の電流演算値id^,i
q^は上記cos ψ,sin ψを用いて、次のように求めら
れる。 id^=cos ψ・iα+sin ψ・iβ iq^=−sin ψ・iα+cos ψ・iβ すなわち、id^は励磁電流演算値、iq^はトルク電
流演算値となる。当該励磁電流演算値id^およびトル
ク電流演算付帯iq^はニューラルネットワークNNW
のもう一方の入力信号となる。
【0067】ニューラルネットワークNNWの出力信号
として、電力変換器SSの出力電圧指令値V1 * と位相
角指令値δ* を求めるための信号A* ,B* を選ぶ。外
部演算器NCALは、次の演算を行うことにより、当該
信号A* ,B* から電圧指令値V1 * を選ぶ。外部演算
器NCALは、次の演算を行うことにより、当該信号A
* ,B* から電圧指令値V1 * および位相角指令値δ*
を求める。 δ* =tan -1(B* /A* ) V1 * =A* ・cos δ* −B* ・sin δ* 当該位相角δ* は加算器AD2 に入力され、前記積分器
INTの出力信号θ*に加えられる。当該位相角信号
(θ* +δ* )はメモリテーブルROM2に入力され、
3相単位正弦波 sin (θ* +δ* ) sin (θ* +δ* −2π/3) sin (θ* +δ* +2π/3) を作る。
【0068】当該座標変換器VEC−2により、前記電
圧指令値V1 * を3相交流電圧指令値Vu* ,Vv*
Vw* に変換し、電力変換器SSに与える。 Vu* =V1 * ・sin (θ+δ* ) Vv* =V1 * ・sin (θ+δ* −2π/3) Vw* =V1 * ・sin (θ+δ* +2π/3) 電力変換器SSは当該電圧指令値Vu* ,Vv* ,Vw
* に比例した電圧を発生し、誘導電動機IMを駆動制御
する。
【0069】図2はニューラルネットワーク回路NNW
の構成を示すブロック図である。図2において、SW1
〜SW4 はスイッチ回路、ML1 ,ML2 は乗算器、X1
4入力要素、Y1 ,Y2 は出力要素(加算要素)、W
11〜W42は結合係数である。
【0070】入力X1 〜X4 は、スイッチ回路SW1
SW2 がa側に接続されたとき、X1 =iq* ,X2
id* ,X3 =ω1 * ・id* ,X4 =ω1 ・iq*
となり、b側に接続されたとき、X1 =iq^,X2
id^,X3 =ω1 * ・id^,X4 =ω1 * ・iq^
となる。
【0071】また、結合係数W11〜W42は(4×2)=
8個考えられるが、ここでは必要最小限の4個を記載し
ている。
【0072】次に、このニューラルネットワーク回路N
NWの学習機能の動作について説明する。まず、スイッ
チ回路SW1 〜SW4 をa側に接続し、ニューラルネッ
トワーク回路NNW に適当な結合係数W11〜W42を入れ
て、励磁電流指令値id* ,トルク電流指令値iq*
よび1次角周波数指令値ω1 * から出力信号A* ,B*
を出し、外部演算器NCALを介して電圧指令値V1 * と移
相角δ* を求め、電動機IMを運転させる。
【0073】すなわち、出力要素Y1 の信号A* および
出力要素Y2 の信号B* は次のようになる。 A* =iq* ・W11+ω1 * ・id* ・W31* =id* ・W22+ω1 * ・iq* ・W42 この値はバックプロバケーション回路BPにU1
* ,U2 =B* として保持される。また、電圧指令値
1 * および移相角指令値δ* は次式のように計算され
る。 δ* =tan -1(B* /A* ) V1 * =A* ・cos δ* −B* ・sin δ* この電圧指令値V1 * および移相角指令値δ* を使用し
て電動機IMを運転したときの電圧Va ,Vb ,Vc お
よび電流ia,ib,icを励束演算器FCALに入力し、
前述の方法により電動機の励磁電流id^およびトルク
電流iq^を演算し、その値をニューラルネットワーク
NMW の入力として保持しておく。
【0074】次に、スイッチ回路SW1 〜SW4 をb側
に接続し、上記励磁電流演算値id^およびトルク電流
演算値iq^を用いて、ニューラルネットワーク回路NM
W を介して出力信号A* ^,B* ^を求める。 A* ^=iq^・W11+ω1 * ・id^・W31* ^=id^・W22+ω1 * ・iq^・W42 この値はバックプロバゲーション回路BPに、V1 =A
* ^およびV2 =B*^として入力される。そして、当
該A* ^およびB* ^と先に求めたA* およびB* との
それぞれの差分に応じてニューラルネットワークの結合
係数W11〜W42を変化させ、最終的に当該差分が零にな
るように学習を繰り返していく。すなわち、差分δ1
δ2 を δ1 =U1 −V1 =A* −A* ^ δ2 =U2 −V2 =B* −B* ^ とした場合、結合係数W11〜W42の補正量△W11〜W42
の補正量△W42を、 △W11=K1 ・δ1 ・X1 △W22=K2 ・δ2 ・X2 △W31=K1 ・δ1 ・X3 △W42=K2 ・δ2 ・X4 とする。ただし、K1 ,K2 は学習ゲイン、 X1 =iq^(n):サンプル時のiq^ X2 =id^(n):サンプルの時id^ X3 =ω1 * ・id^(n):サンプル時のω1 * ・i
d^ X4 =ω1 * ・iq^(n):サンプル時のω1 * ・i
q^ である。従って、結合係数W11〜W42は、 W11(k+1)=W11(k)+△W1122(k+1)=W22(k)+△W2231(k+1)=W31(k)+△W3142(k+1)=W42(k)+△W42 のように補正される。
【0075】例えば、A* >A* ^で、δ1 が正になっ
た場合、結合係数W11,W31が減少し、実際の運転に使
われる信号A* を減らす。その結果、A* =A* ^とな
るように学習される。
【0076】また、B* >B* ^で、δ2 が正になった
場合、結合係数W22,W42が減少し、実際の運転に使わ
れる信号B* を減らす。その結果、B* =B* ^となる
ように学習される。
【0077】最終的には、id* =id^,iq* =i
q^,A* =A* ^,B* =B* ^となって落ちつく。
このとき、上記磁束演算器FCALによって求めた励磁電流
演算値id^およびトルク電流演算値iq^が十分正確
な値であるとすれば、ニューラルネットワーク回路NN
Wによって求めた信号A* ,B* 、すなわち、電圧指令
値V1 * ,移相角指令値δ* も十分正確な値が期待で
き、その結果、直流機と同等の出力特性を持つベクトル
制御が達成できる。
【0078】しかし、一般に上記磁束演算器FCALによる
励磁電流演算値id^およびトルク電流演算値iq^の
精度は電動機の回転速度が低いときに悪くなるので、上
記ニューラルネットワークの学習は回転速度が高いとき
に行い、回転速度が低くなったときには学習を一時停止
させるのが良い。
【0079】運転中に、回転子の温度が上昇し、1次抵
抗値R1 が変化した場合でも、それに対応して、ニュー
ラルネットワークの結合係数が更新される。電動機の鉄
心が飽和し、相互インダクタンスMが変わった場合も同
様にニューラルネットワークの結合係数が自動的に更新
され、常に最適な状態で、誘導電動機のベクトル制御を
行うことが可能となる。
【0080】次に、本発明の第2実施例を図3及び図4
に基いて説明する。図3において、IMは誘導電動機本
体、SSは電力変換器、CTは電流検出器、PTは電圧
検出器、FCALは磁束演算器、C1 ,C2 は比較器、Gr
(S)は速度制御補償回路、Gq(S)はトルク電流制
御保証回路、VEC−1,VEC−2は座標変換回路、
SFNはすべり周波数演算器、AD1 ,AD2 は加算
器、INTは積分回路、ROM1 ,ROM2 はメモリテ
ーブル、NN1,NN2はニューラルネットワーク回
路、BP1,BP2はバックプロパゲーション(逆伝
播)回路、NCALは外部演算回路である。
【0081】そして、ニューラルネットワーク回路NN
2,バックプロパゲーション回路BP2,外部演算回路
NCALは後段側のニューラルネットワーク手段を構成
し、このニューラルネットワーク手段の入力側すなわち
前段側に接続されているニューラルネットワーク回路N
N1、バックプロパゲーション回路BP1は、「他のニ
ューラルネットワーク手段」を構成している。
【0082】この第2実施例では、第1実施例と異なる
部分についてのみ説明する。磁束演算器FCALは励磁
電流演算値id^およびトルク電流演算値iq^の他
に、2次磁束演算値φ2 ^を出力する。この2次磁束φ
2 ^は励磁電流id^およびトルク電流iq^を演算す
るときに求められることは前述した。
【0083】なお、ニューラルネットワーク回路NN2
は、図1におけるニューラルネットワークNNWと同じ
である。また、バックプロパゲーション回路BP2は図
1におけるバックプロパゲーション回路BPと同じであ
る。
【0084】図4は、前段側の他のネットワーク手段、
及び後段側のネットワーク手段を合わせて示したブロッ
ク図である。図4において、NN1は前段側のニューラ
ルネットワーク回路、BP1は前段側のバックプロパゲ
ーション回路、BP2は後段側のバックプロパゲーショ
ン回路、SW1 〜SW6 はスイッチ回路、x1 ,x2
びX1 〜X4 は入力要素、y1 およびY1 ,Y2 は出力
要素(加算要素)、w11,w21およびW11〜W42は結合
係数、Sは微分要素、ML1 ,ML2 は乗算器である。
【0085】後段側のニューラルネットワーク回路NN
2は図1におけるニューラルネットワーク回路NNWと
同じなので説明を省略する。
【0086】次に、前段側のニューラルネットワーク回
路NN1の学習動作を説明する。ただし、ここでは便宜
上、後段側のニューラルネットワーク回路NN2の学習
が終了し、結合係数W11〜W42は最適値に収束している
ものとして説明する。
【0087】前段側のニューラルネットワーク回路NN
1は、2次磁束指令値φ2 * と2次磁束演算値φ2 ^を
入力とし、励磁電流指令値id* を出力とする。当該励
磁電流指令値id* は後段側のニューラルネットワーク
回路NN2の入力信号の1つになる。
【0088】入力要素x1 およびx2 はスイッチ回路S
5 がa側に接続されているときは、x1 =φ2 * ,x
2 =△φ2 * /△tとなり、b側に接続されているとき
は、X1 =φ2 ^,X2 =△φ2 ^/△tとなる。
【0089】まず、NN1の結合係数w11およびw21
適当な値を入れ、スイッチ回路SW5 およびSW6 をa
側に接続する。このとき、出力y1 は次式のように与え
られる。 y1 =x1 ・w11+x2 ・w21 =φ2 * ・w11+(△φ2 * /△t)・w21 となる。この出力y1 は、u1 =y1 としてバックプロ
パゲーション回路BP1に保持されるとともに、後段側
のニューラルネットワーク回路NN2の入力信号の1つ
である励磁電流指令値id* となる。ここで、後段側の
ニューラルネットワーク回路NN2の学習が既に完了し
ているものとすれば、iq* =iq^,id* =id
^,U1 =V1 ,U2 =V2 となっている。この状態で
電動機IMを駆動し、磁束演算器FCALから2次磁束演算
値φ2 ^を得る。この値φ2 ^を前段側のニューラルネ
ットワーク回路NN1に入力する。
【0090】次に、スイッチ回路SW5 およびSW6
b側に接続すると、出力y1 は次式のように与えられ
る。すなわち、 y1 ^=x1 ・w11+x2 ・w21 =φ2 ^・w11+(△φ2 ^/△t)・w21 となる。この出力v1 =y1 ^は前記バックプロパゲー
ション回路BP1に入力され、前記u1 との差分δ11
1 −v1 か求められる。このとき、結合係数w11とw
21の補正量△w11,△w21を、 △w11=k1 ・δ11・x1 △w21=k1 ・δ11・x2 とする。ただし、k1 は学習ゲイン、 x1 =φ2 ^(n):サンプル時のφ2 ^ x2 =△φ2 ^(n)/△t:サンプル時のφ2 ^の微
分値 X3 =ω1 * ・id^(n):サンプル時のω1 * ・i
d^ である。したがって、結合係数w11,w21は、 w11(k+1)=w11(k)+△w1121(k+1)=w21(k)+△w21 のように補正される。
【0091】例えば、u1 >v1 で、δ11が正になった
場合、結合係数w11,w21が減少し、実際の運転に使わ
れる信号u1 を減らす。その結果、u1 =v1 となるよ
うに学習される。
【0092】最終的には、φ2 * =φ2 ^,u1 =v1
となって落ちつく。このとき、上記磁束演算器FCALによ
って求めた2次磁束演算値φ2 ^が十分正確な値である
とすれば、ニューラルネットワーク回路NN1によって
求められた信号y=id* も十分正確な値が期待でき
る。その結果、この励磁電流指令値id* を用いて後段
側のニューラルネットワーク回路NN2を介して誘導電
動機IMをベクトル制御すれば、直流機直流機と同等の
出力特性を得ることができるようになる。
【0093】以上は前段側のニューラルネットワーク回
路NN1の学習に際し、後段側のニューラルネットワー
ク回路NN2の学習が先に完了していると仮定して説明
したが、前段側および後段側のニューラルネットワーク
回路NN1,NN2が同時に学習を行うことも可能であ
る。
【0094】学習が完了し、理論通りにベクトル制御が
動作している場合、2次磁束指令値φ2 * と励磁電流指
令値id* との関係は次式のように表される。 id* =φ2 * ・(1/M)+(dφ2 * /dt)・
(L2 /(R2 ・M)) すなわち、NN1の結合係数w11,w21は次の値に収束
している。 w11=(1/M) w21=(L2 /(R2 ・M)) ただし、Mは励磁インダクタンス、L2 ,R2 は2次イ
ンダクタンスおよび2次抵抗である。
【0095】一方、図3のすべり周波数演算器SFは、ト
ルク電流検出値iqと2次磁束指令値φ2 * を入力し、
次の演算式を用いてすべり角周波数ωs * を演算してい
る。
【0096】 ωs * =(M・R2 /L2 )・(iq/φ2 * ) ここで用いている電動機定数(M・R2 /L2 )はニュ
ーラルネットワーク回路NN1の学習によって求めた結
合係数w21の逆数になっている。そこで、ニューラルネ
ットワーク回路NN1の学習結果をすべり周波数演算器
SFNの演算定数に反映させ、次のようにしてすべり角
周波数指令値ωs * を演算する。 ωs * =(1/w21)・(iq/φ2 * ) この結果、温度上昇などにより電動機の2次抵抗値R2
等が変化した場合でも、それに対応して学習がなされ、
常に正確な値ですべり周波数を演算することが可能とな
る。言い換えると、電動機IMの速度推定値ωr ^=ω
1 * −ωs * は常に正確な値が得られ、通常の機械的な
速度検出器無しで、精度の良い速度制御が可能となる。
【0097】以上は、2次磁束φ2 ^あるいは励磁電流
id^およびトルク電流iq^を求めるために、磁束演
算器FCALを用いたが、それの代わりに、磁束オブザーバ
を用いても同様に達成できることは言うまでもない。ま
た、上記のニューラルネットワーク回路は2層線形モデ
ルを例にとって説明したが、3層以上のモデルを用いて
もよく、例えば、外部演算器NCALをネットワークの
中に組み込み、電圧指令値v1 および位相角指令値δ
* を直接出力するようにしてもよい。
【0098】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ベテラ
ンの調整員を必要とせず、自動的にベクトル制御の定数
を最適値に選択し、かつ、温度上昇等の外乱にも強いベ
クトル制御を行うことができる。また、速度検出器を用
いることなく精度の良い速度制御を行うことも可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示すブロック図。
【図2】図1におけるニューラルネットワーク回路の詳
細を示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施例の構成を示すブロック図。
【図4】図3におけるニューラルネットワーク回路の詳
細を示すブロック図。
【図5】従来装置の構成を示すブロック図。
【図6】図5の動作を説明するための電圧電流ベクトル
図。
【符号の説明】
IM 誘導電動機 SS 電力変換器 CT 電流検出器 PT 電圧検出器 FCAL 磁束演算器 C1 ,C2 比較器 Gr(S) 速度制御補償回路 Gq(S) トルク電流制御補償回路 VEC−1,VEC−2 座標変換回路 AD1,AD2 加算器 INT 積分回路 ROM1,ROM2 メモリテーブル SF,SFN すべり周波数演算器 NNW,NN1,NN2 ニューラルネットワーク回路 SW1 〜SW6 スイッチ回路 BP,BP1,BP2 バックプロパゲーション(逆伝
播)回路 NCAL 外部演算器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機についての励磁電流指令値id
    * ,トルク電流指令値iq* ,1次角周波数指令値ω1
    * を用いて電圧指令値v1 * 及び位相角指令値δ* を求
    め、この電圧指令値v1 * 及び位相角指令値δ* に基
    き、誘導電動機に可変電圧可変周波数交流電力を供給す
    る電力変換器に対して出力電圧指令値vu* ,vv*
    vw* を出力することで誘導電動機に対するベクトル制
    御を行う誘導電動機制御装置において、 前記電力変換器からの出力電圧及び出力電流の検出値を
    入力し、前記誘導電動機の2次磁束についての演算又は
    推定に基いて、励磁電流演算値id^及びトルク電流演
    算値iq^を出力する磁束演算手段と、 前記磁束演算手段からの励磁電流演算値id^及びトル
    ク電流演算値iq^、並びに、前記励磁電流指令値id
    * ,トルク電流指令値iq* ,1次角周波数指令値ω1
    * を入力し、バックプロパゲーション・アルゴリズムに
    基く学習を行ないながら、前記電圧指令値v1 * 及び位
    相角指令値δ* を出力するニューラルネットワーク手段
    と、 を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の誘導電動機制御装置におい
    て、 前記電力変換器からの出力電流の検出値を入力し、この
    検出値の静止座標系から回転座標系への変換に基いて、
    励磁電流検出id及びトルク電流検出値iqを出力する
    座標変換器と、 前記座標変換器からの励磁電流検出値id及びトルク電
    流検出値iqの入力に基いて、すべり周波数指令値ωs
    * を演算するすべり周波数演算器と、 を備えたことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の誘導電動機制御装置におい
    て、 前記座標変換器はトルク電流検出値iqのみを出力する
    ものであり、 前記すべり周波数演算器は、前記座標変換器からのトル
    ク電流検出値iq、及び予め与えられた2次磁束指令値
    φ2 * の入力に基いて、すべり周波数指令値ωs* を演
    算するものである、 ことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の誘導電動機制御装置におい
    て、 前記磁束演算手段は、前記励磁電流演算値id^及びト
    ルク電流演算値iq^に加えて、2次磁束演算値φ2
    を出力するものであり、 前記予め与えられた2次磁束指令値φ2 * 及び2次磁束
    演算値φ2 ^を入力し、バックプロパゲーション・アル
    ゴリズムに基く学習を行ないながら前記励磁電流指令値
    id* を出力する他のニュートラルネットワーク手段が
    前記ニューラルネットワーク手段の入力側に接続されて
    おり、 前記すべり周波数演算器は、前記他のニューラルネット
    ワーク手段の学習結果を用いながら、すべり周波数指令
    値ωs* を演算するものである、 ことを特徴とする誘導電動機制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載の誘導電動機制御装置
    において、 前記ニューラルネットワーク手段は、前記誘導電動機の
    回転速度が所定レベル以上である場合のみ、前記バック
    プロパゲーション・アルゴリズムに基く学習を行うもの
    である。ことを特徴とする誘導電動機制御装置。
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