JPH0711559Y2 - コンバインにおける刈取部装着構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この考案は、茎稈引起し装置、刈刃装置、茎稈搬送装置
などが配備された刈取部機枠を、車体の前面部におい
て、車体に対し上下方向に回動自在に装備して構成され
る刈取部回動形のコンバインにかかるもので、特に、刈
取部機枠を車体側に装着する構造に改良を加えたものに
関する。

（ロ）従来の技術 刈取部回動形のコンバインは、刈取部機枠の組成メンバ
ーである横長の刈取入力ケースを、車体側の支持部に上
下回動自在に枢着し、刈取部機枠と車体の間に介装する
油圧シリンダで刈取部を昇降するようになすとともに、
一側外端部に受動プーリが嵌着された長い入力軸を上記
刈取入力ケース内に支承設置し、該軸から刈取部の各機
構部に動力伝動するように構成される。（例えば、実公
昭60-1567号公報参照）また、刈取部の入力ギヤケース
を上下に分割して分離可能に構成したものも公知であ
る。（例えば実開昭63-18026号公報参照） （ハ）考案が解決しようとする課題 従来の刈取回動形コンバインにあっては、刈取部の脱着
に際して、刈取入力軸側の受動プーリと車体とに巻回掛
張されるベルトを一々取り外したり再巻回したりしなけ
ればならないから、刈取部脱着作業が面倒で手数が掛か
る難点があった。

また、刈取部に設置する刈取クラッチを、車体の運転部
において遠隔操作する構造の場合には、連繋具が刈取部
と車体側に跨がるので刈取部脱着の時には、この連繋具
を取り外したり再セットしたりすることが必要になり、
益々刈取部脱着作業が面倒になることになっていた。

本考案は、従来の技術が有していた上記の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、刈取
部回動形のコンバインでありながら、刈取部の脱着が著
しく容易になるにように改良された刈取部装着構造を提
供することにある。

（ニ）課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、本考案では、 刈取部機枠（Ａ）側の刈取入力ケース（８）を、車体
（４）側の支持枠体（13）（14）に着脱自在、且つ上下
方向回動自在に取付けて構成される刈取部回動形のコン
バインにおいて、一方の支持枠体（13）のケース支承部
（Ｂ）に隣接する外側部位に軸支持部（Ｃ）を同芯に形
設し、この軸支持部（Ｃ）に、一端にプーリ（20）等が
嵌着された駆動軸（19）を支承設置し、該駆動軸（19）
の他端部には軸支持部（Ｃ）に装設されたシフター（2
4）で接断操作できるクラッチ体（23）を摺動自在に嵌
着するとともに、該クラッチ体（23）が係脱する相手方
の受動クラッチ体（27）を、上記刈取入力ケース（８）
内に対設し、該刈取入力ケース（８）を駆動ケース
（９）を介して刈取部（７）に連接するとともに、前記
支持枠体（13）と分離可能に開閉部（17）（17）により
装着した刈取部装着構造としたものである。

上記のように構成されたコンバインの刈取入力ケース
（８）を、車体側に設けられている両支持枠体（13）
（14）に取付け、一方の支持枠体（13）に枢支されてい
る駆動軸（19）のクラッチ体（23）を、刈取入力軸（2
6）側の受動クラッチ体（27）に摺動結合することによ
って、刈取部への動力伝達がされ同時に軸支持部（Ｃ）
と一体に開閉部（17）により締結され前記支持枠体に対
して回動可能に連結される。

また、刈取部を取り外す場合は、上記のクラッチ体（2
3）をシフター（24）で摺動させ、結合を解除し、開閉
部の締結具（17）を弛緩させれば刈取入力ケース（８）
だけが分離（取外し）されるのである。

（ヘ）実施例 実施例について図面を参照して説明する。

コンバインの各部の配置構成は、第４図に示しており、
エンジン（１）から走行ミッション（２）を経て伝達さ
れる動力で駆動される左右一対のクローラー走行装置
（３）（３）を備えた車体（４）に脱穀装置（５）を搭
載するとともに運転部（６）を設け、脱穀装置（５）の
前方部位に刈取部（７）を上下回動自在に装着して構成
されている。

刈取部（７）は、その後端部において横長に位置する刈
取入力ケース（８）から前方に延設される駆動ケース
（９）の前端に受動ケース（10）や分草パイプ（11）等
を連設して刈取部機枠（Ａ）を形成し、該刈取部機枠
（Ａ）に、茎稈引起装置や刈取茎稈搬送装置（図示省
略）、刈刃装置（12）などを配設して構成されている。

そして、刈取部機枠（Ａ）の一部をなす刈取入力ケース
（８）を、車体（４）側に設置された支持枠体（13）
（14）に枢支させることによって、車体（４）に対し上
下方向に回動できるように取付けられる。

車体（４）側の両支持枠体（13）（14）には、受部（1
5）と、受部（15）に対して開閉自在に取付けられ締結
具（16）で閉鎖状態に固定できる開閉部（17）とからな
るケース支承部（Ｂ）が設けられており、ケース支承部
（Ｂ）（Ｂ）の受部（15）（15）に上記刈取入力ケース
（８）を嵌入して開閉部（17）（17）を閉塞固定するこ
とにより、刈取入力ケース（８）を回動自在に支持でき
るようになっている。

また、一方の支持枠体（13）においては、上述したケー
ス支承部（Ｂ）の外側隣接部位に軸支持部（Ｃ）が一体
に連設され、その軸支持部（Ｃ）に駆動軸（19）が軸受
支持されている。

駆動軸（19）の突出部にはプーリ（20）などの受動輪体
が嵌着固定され、このプーリ（20）が、カウンター軸仕
組み（21）の入力側がエンジン（１）に連動連結されて
いる。

さらに、駆動軸（19）の他端側には軸芯方向摺動自在に
クラッチ体（23）が楔着され、このクラッチ体（23）の
溝部に係合するシフター（24）を、運転部（６）に装設
された刈取クラッチレバー（25）で遠隔操作することに
より、クラッチ体（23）を摺動移動できるようにしてい
る。

一方、上述の刈取入力ケース（８）には、車体に取付け
られた時に前記駆動軸（19）と同芯状になる刈取入力軸
（26）が設けられ、該刈取入力軸（26）の支持枠体（1
3）における軸端部には、上記クラッチ対（23）に対応
する受動クラッチ対（27）が設けられ、両クラッチ対
（23）（27）が係合すると、エンジン（１）の動力が刈
取入力軸（26）に伝達され、同軸から刈取部各部に動力
伝達されるようになっている。

尚、（28）は刈取部機枠（Ａ）と車体（４）との間に介
装される昇降用油圧シリンダ、（29）はシフターと刈取
クラッチレバーとの間を接続する操作索（30）はクラッ
チ体を係合方向に弾圧附勢するスプリングである。

（ト）考案の効果 本考案は、以上に説明したように構成されているから、
次に記載する効果を奏する。

刈取部（７）を車体（４）から取り外す場合、刈取入力
軸（19）と車体（４）側の伝動系の間を連動連結する伝
動部（ベルト等）並びにクラッチ操作系（ワイヤー等）
は、所定の組付状態の儘で車体（４）側に残るので刈取
部を分離したり再組付したりする必要がなくなり、従来
構造の難点であった脱着作業の面倒さが払拭された。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による刈取部装着構造の要部を示す側
面部分図、第２図は一方の支持枠体の具体構造を示す断
面図、第３図は第２図のイ−イ断面図、第４図は本考案
が実施されたコンバインの全体構造を示す平面図であ
る。 （Ａ）……刈取部機枠、（Ｂ）……ケース支承部 （Ｃ）……軸支持部、（４）……車体 （８）……刈取入力ケース、（13）（14）……支持枠体 （19）……駆動軸、（20）……プーリ （23）……クラッチ体、（24）……シフター （26）……刈取入力軸、（27）……受動クラッチ体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】刈取部機枠（Ａ）側の刈取入力ケース
   （８）を、車体（４）側の支持枠体（13）（14）に着脱
   自在、且つ上下方向回動自在に取付けて構成される刈取
   部回動形のコンバインにおいて、一方の支持枠体（13）
   のケース支承部（Ｂ）に隣接する外側部位に軸支持部
   （Ｃ）を同芯に形設し、この軸支持部（Ｃ）に、一端に
   プーリ（20）等が嵌着された駆動軸（19）を支承設置
   し、該駆動軸（19）の他端部には軸支持部（Ｃ）に装設
   されたシフター（24）で接断操作できるクラッチ体（2
   3）を摺動自在に嵌着するとともに、該クラッチ体（2
   3）が係脱する相手方の受動クラッチ体（27）を、上記
   刈取入力ケース（８）内に対設し、該刈取入力ケース
   （８）を駆動ケース（９）を介して刈取部（７）に連接
   するとともに、前記支持枠体（13）と分離可能に開閉部
   （17）（17）により装着したことを特徴とするコンバイ
   ンにおける刈取部装着構造。