JP4818841B2 - コンバイン - Google Patents

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本発明は、作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用される作業機・刈取レバーを備えるコンバインに関する。
作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用される作業機・刈取レバーを備え、該作業機・刈取レバーの操作に応じて作業機クラッチ及び刈取クラッチを選択的に入り/切り動作させるコンバインが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のコンバインは、上記の作業機・刈取レバーの他に、作業機・刈取レバーの回動支点となるレバー支点軸、作業機・刈取レバーの作業機クラッチ操作領域の操作に応じて作業機クラッチを入り/切り動作させる作業機クラッチ動作リンク、作業機・刈取レバーの刈取クラッチ操作領域の操作に応じて刈取クラッチを入り/切り動作させる刈取クラッチ動作リンクなどのクラッチ操作系部材を備えており、これらのクラッチ操作系部材を機体側のレバー取付フレームに取り付ける構成となっている。
特開2003−232414号公報
しかしながら、従来のコンバインでは、レバー取付フレームに対するクラッチ操作系部材の取り付けや、レバー取付フレームに取り付けられたクラッチ操作系部材の取り外しが容易ではないため、組立性やメンテナンス性を低下させる惧れがあった。また、運転席側から見て、クラッチ操作系部材の奥側に前処理伝動変速装置を配置しているコンバインでは、クラッチ操作系部材が邪魔になり、前処理伝動変速装置のメンテナンスが行い難いという問題があった。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用される作業機・刈取レバーを備え、該作業機・刈取レバーの操作に応じて作業機クラッチ及び刈取クラッチを選択的に入り/切り動作させるコンバインにおいて、前記作業機・刈取レバーと、作業機・刈取レバーの回動支点となるレバー支点軸と、作業機・刈取レバーの作業機クラッチ操作領域での操作に応じて作業機クラッチを入り/切り動作させる作業機クラッチ動作リンクと、作業機・刈取レバーの刈取クラッチ操作領域での操作に応じて刈取クラッチを入り/切り動作させる刈取クラッチ動作リンクとが組み付けられたレバーユニットを予め構成し、該レバーユニットを機体側のレバー取付フレームに対して着脱自在に取り付けたことを特徴とする。このようにすると、作業機・刈取レバー、レバー支点軸、作業機クラッチ動作リンク、刈取クラッチ動作リンクなどのクラッチ操作系部材を、ユニット(アッシ)の状態でレバー取付フレームに対して着脱できるので、クラッチ操作系の組立性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、前記レバーユニットの奥側に前処理伝動変速装置を配置し、前記レバーユニットの取り外しにより、前記前処理伝動変速装置のメンテナンス空間を確保することを特徴とする。このようにすると、レバーユニットの取り外して前処理伝動変速装置のメンテナンス空間を確保することにより、クラッチ操作系部材に邪魔されることなく、前処理伝動変速装置のメンテナンスを行うことができる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理部2と、刈取茎稈から穀粒を脱穀し、この穀粒を選別する脱穀部3と、選別済みの穀粒を貯溜する穀粒タンク4と、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部5と、各種の操作具が設けられる操作部6と、クローラ式の走行部7とを備えて構成されている。
図3に示すように、操作部6の下方には、前処理部2、脱穀部3、後処理部5、走行部7などに動力を供給するエンジン8が搭載されている。エンジン8から脱穀部3に至る動力供給経路には、脱穀部3への動力供給を入り/切りする作業機クラッチ(図示せず)が介設されており、また、エンジン8から前処理部2に至る動力供給経路には、前処理動力を変速する前処理伝動変速装置9と、前処理部2への動力供給を入り/切りする刈取クラッチ(図示せず)とが介設されている。作業機クラッチ及び刈取クラッチは、通常、ベルトテンション式のクラッチ機構を用いて構成されるが、本発明に用いるクラッチ機構の方式は、これに限定されない。
前処理伝動変速装置9は、ギヤ伝動機構を内装した前処理伝動ギヤケース10と、エンジン動力を無段変速する搬送HST11と、搬送HST11を冷却する冷却ファン12と、搬送HST11の斜板調節を行うHST斜板調節モータ13と、前処理動力を出力する前処理駆動プーリ14とを備えて構成されており、搬送HST11で無段変速された動力が前処理伝動ギヤケース10を介して前処理駆動プーリ14に伝動される。そして、前処理駆動プーリ14から出力される前処理動力は、伝動ベルト15を介して前処理入力プーリ16に伝動されるようになっている。尚、搬送HST11は、可変容量油圧ポンプと固定容量油圧モータを組み合せて構成される静油圧式無段変速装置であり、前処理動力(脱穀フィードチェンを含む搬送系動力)を車速に連動させるために自動的に変速制御されるようになっている。
エンジン8を覆うエンジンカバー17の上部には、オペレータが座る座席18が設けられている。そして、座席18の前下方にステップ19を形成し、座席18の前方に操向レバー20を配置し、さらに、座席18の左側方に主変速レバー21、作業機・刈取レバー22、ナローガイド出入レバー23などを配置することにより操作部6が構成されている。以下、本発明の要部である作業機・刈取レバー22について、図3〜図6を参照して詳細に説明する。
作業機・刈取レバー22は、作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用されるクラッチ操作具であり、座席18の左側方に立設されるレバー取付フレーム24に取り付けられ、レバーガイドパネル25のガイド溝25aに沿って操作される。レバー取付フレーム24は、作業機・刈取レバー22が取り付けられるパネルフレーム26と、該パネルフレーム26を支える複数の支柱フレーム27とを備えて構成されている。支柱フレーム27は、通常、丸パイプ、角パイプなどのパイプ部材を用いて構成されるが、金属プレートを曲げ加工した曲げプレートで構成してもよい。このようにすると、支柱フレームに広い平面部を確保できるので、この平面部を利用して、リレー、ヒューズボックスなどの電装部品を配置することが可能になる。特に、曲げプレートからなる支柱フレームに電装部品を集中的に配置するようにした場合には、支柱フレームに配電盤のような役割を持たせることができるだけでなく、電装部品の整備性も向上させることができる。
本実施形態の作業機・刈取レバー22は、前後方向の回動操作及び左右方向の傾倒操作が許容されており、クランク状に曲折するガイド溝25aに沿って操作することにより、作業機クラッチ及び刈取クラッチを選択的に入り/切りすることができる。具体的に説明すると、レバーガイドパネル25に形成されるガイド溝25aは、作業機クラッチ操作領域である第一の前後方向操作領域25bと、刈取クラッチ操作領域である第二の前後方向操作領域25cと、第一の前後方向操作領域25bの前端と第二の前後方向操作領域25cの後端を連続される左右方向操作領域25dとを規定している。そして、第一の前後方向操作領域25bの後端操作位置では、作業機クラッチ及び刈取クラッチが切りとなり、第一の前後方向操作領域25bの前端操作位置及び第二の前後方向操作領域25cの後端操作位置では、作業機クラッチのみが入りとなり、第二の前後方向操作領域25cの前端操作位置では、作業機クラッチ及び刈取クラッチが入りとなるように、後述のクラッチ操作系を介して、作業機・刈取レバー22が作業機クラッチ及び刈取クラッチに連繋されている。
上記のようなクラッチ操作を可能にするクラッチ操作系には、作業機・刈取レバー22の回動支点となるレバー支点軸28、作業機・刈取レバー22の作業機クラッチ操作領域の操作に応じて作業機クラッチを入り/切り動作させる作業機クラッチ動作リンク29、作業機・刈取レバー22の刈取クラッチ操作領域の操作に応じて刈取クラッチを入り/切り動作させる刈取クラッチ動作リンク30などのクラッチ操作系部材が含まれている。例えば、作業機クラッチ動作リンク29は、作業機クラッチ操作領域で作業機・刈取レバー22に係合して、作業機・刈取レバー22の操作に追従する係合リンク29aと、ワイヤ31を介して作業機クラッチに連繋されるワイヤ連繋リンク29bと、両リンク29a、29bを連結する連結リンク29cとを備えて構成されており、刈取クラッチ動作リンク30は、刈取クラッチ操作領域で作業機・刈取レバー22に係合して、作業機・刈取レバー22の操作に追従する係合リンク30aと、ワイヤ32を介して刈取クラッチに連繋されるワイヤ連繋リンク30bと、両リンク30a、30bを連結する連結リンク30cとを備えて構成されている。
本発明のコンバイン1では、上記のクラッチ操作系部材をレバー取付フレーム24に取付けるにあたり、作業機・刈取レバー22、レバー支点軸28、作業機クラッチ動作リンク29及び刈取クラッチ動作リンク30が組み付けられたレバーユニット33を予め構成し、該レバーユニット33をレバー取付フレーム24に対して着脱自在に取り付けるようになっている。このようにすると、作業機・刈取レバー22、レバー支点軸28、作業機クラッチ動作リンク29、刈取クラッチ動作リンク30などのクラッチ操作系部材を、レバー取付フレーム24に対して別々に取付ける場合に比べ、クラッチ操作系の組立性やメンテナンス性を飛躍的に向上させることができる。
次に、レバー取付フレーム24に対するレバーユニット33の取付手順について説明する。レバーユニット33は、作業機・刈取レバー22、レバー支点軸28、作業機クラッチ動作リンク29、刈取クラッチ動作リンク30などのクラッチ操作系部材を取付ブラケット34に組み付けることにより構成される。取付ブラケット34は、前後一対のフランジ部34aを有しており、各フランジ部34aには、それぞれ左右一対の取付ボルト35が上方に向けて突設されている。
一方、レバー取付フレーム24のパネルフレーム26には、作業機・刈取レバー22が挿通されるレバー挿通孔26aと、取付ボルト35が挿通されるボルト挿通孔(図示せず)が形成されている。そして、レバーユニット33をレバー取付フレーム24に取付ける際には、作業機・刈取レバー22を下方からレバー挿通孔26aに挿通すると共に、取付ボルト35を下方からボルト挿通孔に挿通し、各取付ボルト35をナット36で固定する。これにより、レバーユニット33がレバー取付フレーム24に対して着脱自在に取付けられる。尚、上記の取付作業は、レバーガイドパネル25を取り外した状態で行われ、レバーユニット33の取付後に、パネルフレーム26の上面側にレバーガイドパネル25が取付けられる。
次に、コンバイン1のメンテナンス方法について説明する。図3に示すように、エンジン8を覆うエンジンカバー17は、その外側下端部を支点として外方に回動自在となっており、通常時は、エンジンカバーフック17aによって閉位置に係止されている。そして、エンジンカバーフック17aによる係止を解除し、エンジンカバー17を外方に回動させると、エンジン8の上方が開放されるだけでなく、レバーユニット33も露出状態になるので、エンジン8やレバーユニット33のメンテナンスが可能になると共に、レバーユニット33の着脱も容易に行うことができる。また、レバーユニット33を取り外すと、前述した前処理伝動変速装置9のメンテナンスも容易になる。つまり、本実施形態の前処理伝動変速装置9は、エンジン8及びレバーユニット33の奥側に配置されているが、レバーユニット33を取り外すと、エンジン8とレバー取付フレーム24との間にメンテナンス空間が確保されるので、この空間を介して前処理伝動変速装置9のメンテナンスを行うことが可能になる。
叙述の如く構成された本実施形態によれば、作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用される作業機・刈取レバー22を備え、該作業機・刈取レバー22の操作に応じて作業機クラッチ及び刈取クラッチを選択的に入り/切り動作させるコンバイン1において、作業機・刈取レバー22と、作業機・刈取レバー22の回動支点となるレバー支点軸28と、作業機・刈取レバー22の作業機クラッチ操作領域での操作に応じて作業機クラッチを入り/切り動作させる作業機クラッチ動作リンク29と、作業機・刈取レバー22の刈取クラッチ操作領域での操作に応じて刈取クラッチを入り/切り動作させる刈取クラッチ動作リンク30とが組み付けられたレバーユニット33を予め構成し、該レバーユニット33を機体側のレバー取付フレーム24に対して着脱自在に取り付けたので、クラッチ操作系の組立性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、本実施形態では、レバーユニット33の奥側に前処理伝動変速装置9を配置し、レバーユニット33の取り外しにより、前処理伝動変速装置9のメンテナンス空間を確保するので、クラッチ操作系部材に邪魔されることなく、前処理伝動変速装置9のメンテナンスを行うことができる。
コンバインの全体側面図である。 コンバインの全体平面図である。 エンジンカバーを開いた状態を示すコンバインの要部斜視図である。 エンジン及びエンジンカバーを取り除いた状態を示すコンバインの要部側面図である。 エンジン及びエンジンカバーを取り除いた状態を示すコンバインの要部分解斜視図である。 レバーユニットの斜視図である。
符号の説明
1 コンバイン
2 前処理部
3 脱穀部
6 操作部
8 エンジン
9 前処理伝動変速装置
17 エンジンカバー
18 座席
22 作業機・刈取レバー
24 レバー取付フレーム
25 レバーガイドパネル
28 レバー支点軸
29 作業機クラッチ動作リンク
30 刈取クラッチ動作リンク
33 レバーユニット

Claims (2)

  1. 作業機クラッチ操作具及び刈取クラッチ操作具に兼用される作業機・刈取レバーを備え、該作業機・刈取レバーの操作に応じて作業機クラッチ及び刈取クラッチを選択的に入り/切り動作させるコンバインにおいて、前記作業機・刈取レバーと、作業機・刈取レバーの回動支点となるレバー支点軸と、作業機・刈取レバーの作業機クラッチ操作領域での操作に応じて作業機クラッチを入り/切り動作させる作業機クラッチ動作リンクと、作業機・刈取レバーの刈取クラッチ操作領域での操作に応じて刈取クラッチを入り/切り動作させる刈取クラッチ動作リンクとが組み付けられたレバーユニットを予め構成し、該レバーユニットを機体側のレバー取付フレームに対して着脱自在に取り付けたことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記レバーユニットの奥側に前処理伝動変速装置を配置し、前記レバーユニットの取り外しにより、前記前処理伝動変速装置のメンテナンス空間を確保することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
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