以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
実施形態1に係るコンバイン1を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す側面図である。図2は、実施形態1に係るコンバインの概略構成を示す平面図である。図3は、図1に示すコンバインの分草体を一部切欠いて、コンバインの高さ検出装置の構成を示す側面図である。図4は、実施形態1に係るコンバインの高さ検出装置が取り付けられた分草体などの平面図である。図5は、図3中のV−V線に沿う断面図である。図6は、実施形態1に係るコンバインの高さ検出装置の概略構成を示す斜視図である。図7は、実施形態1に係るコンバインの高さ検出装置を保持する保持手段などの背面図である。図8は、図3に示すコンバインの高さ検出装置のユニット本体が接地体の上方に退避した状態を示す側面図である。図9は、図3中のIX−IX線に沿う断面図である。図10は、図9中のX−X線に沿う断面図である。図11は、実施形態1に係るコンバインの高さ検出装置を一部断面で示す平面図である。図12は、図11中のXII−XII線に沿う断面図である。図13は、実施形態1に係るコンバインのセンサーカバーの分解斜視図である。図14は、図3中のXIV−XIV線に沿う断面図である。図15は、実施形態1に係るコンバインのハーネスの配索を説明する模式的な正面図である。図16は、図15中のXVI−XVI線に沿う断面図である。図17は、実施形態1に係るコンバインのハーネスの配索を説明する模式的な側面図である。図18は、実施形態1に係るコンバインの制御装置の概略構成を表すブロック図である。
なお、以下の説明では、前後方向とは、コンバイン1の前後方向であり、このコンバイン1が直進する際の進行方向である。また、車幅方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。さらに、鉛直方向とは、前後方向と車幅方向とに直交する方向である。これら前後方向、車幅方向および鉛直方向は、互いに直交する。なお、直進方向前方を前方、直進方向後方を後方といい、前方右側を右側、前方左側を左側という。
図1に示す実施形態1に係るコンバイン1は、エンジン30が発生する駆動力によって、自走しながら稲、麦等の穀稈を刈り取り、脱穀可能なコンバインである。コンバイン1は、図1および図2に示すように、機体フレーム10と、運転席20と、エンジン30と、走行装置40と、脱穀装置50と、グレンタンク60と、搬送装置70と、フィードチェーン駆動機構80と、刈取装置90と、高さ検出装置100−1と、制御装置200(図18参照)と、を含んで構成されている。
機体フレーム10は、コンバイン1の車体の枠状の構造部材を構成している。運転席20は、作業員が着座した状態で、運転操作や刈取操作などを行うための運転座席である。運転席20は、機体フレーム10の鉛直方向上側に設けられており、キャビン21で覆われている。エンジン30は、コンバイン1で用いる駆動力の発生源であり、燃焼室で燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギーを機械的仕事に変換して回転力として出力する熱機関である。エンジン30は、機体フレーム10上の前後方向前方に搭載されており、運転席20の下方に搭載されている。
走行装置40は、エンジン30からの駆動力によって、コンバイン1全体を走行させるものである。走行装置40は、機体フレーム10の鉛直方向下側に設けられている。走行装置40は、クローラ41を備えている。クローラ41は、機体フレーム10の鉛直方向下側において、車幅方向に間隔をおいて一対設けられている。走行装置40は、エンジン30から伝達される駆動力によりクローラ41が駆動することで、コンバイン1全体を前後方向前方に走行させる。
脱穀装置50は、刈取装置90の前後方向後方で、グレンタンク60の車幅方向左側に設けられている。脱穀装置50は、その上部に脱穀部51を備え、その下部に選別部52を備えている。脱穀部51は、機体フレーム10の鉛直方向上側で、搬送装置70の前後方向後方に設けられている。脱穀部51は、グレンタンク60の車幅方向左側に設けられている。脱穀部51は、エンジン30からの駆動力により搬送された穀稈を脱穀するものであり、刈取装置90が刈り取った穀稈から穀粒を切り離す装置である。選別部52は、機体フレーム10の鉛直方向上側で、刈取装置90の前後方向後方に設けられている。選別部52は、グレンタンク60の車幅方向左側に設けられている。選別部52は、エンジン30からの駆動力により、脱穀部51で脱穀された穀稈の藁等の夾雑物と穀粒とを分離する装置である。なお、脱穀装置50によって穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、コンバイン1の前後方向後方に配置された排藁切断装置へ搬送され、排藁切断装置により切断された後、例えば圃場等に放出される。
グレンタンク60は、脱穀装置50の車幅方向右側に設けられる。グレンタンク60は、脱穀装置50の選別部52が分離した穀粒を一時的に貯蔵するものである。グレンタンク60は、排出オーガー61を備えている。排出オーガー61は、エンジン30からの駆動力により、グレンタンク60内の穀粒を搬送し、グレンタンク60の外部へ穀粒を排出させるものである。
搬送装置70は、刈取装置90の前後方向後方で、キャビン21の左右方向左側に設けられている。搬送装置70は、刈取装置90からフィードチェーン駆動機構80に向けて、刈取装置90により刈り取られた穀稈を搬送する装置である。
フィードチェーン駆動機構80は、搬送装置70の前後方向後方で、グレンタンク60の車幅方向左側に設けられている。フィードチェーン駆動機構80は、フィードチェーン81を回転駆動して、搬送装置70から脱穀装置50の脱穀部51に向けて、刈取装置90により刈り取られた穀稈を搬送する装置である。
刈取装置90は、機体フレーム10の前部に設けられており、図示しない昇降シリンダにより鉛直方向に沿って昇降自在に設けられている。刈取装置90は、エンジン30からの駆動力により駆動して穀稈を刈り取る装置であって、圃場に植生する穀稈を分草し、倒伏している穀稈を引き起こし、引き起した穀稈を切断する装置である。刈取装置90は、引起し装置91と、刈刃92と、分草フレーム93、94と、分草体95、96と、を備えている。
引起し装置91は、分草体95、96の前後方向後方に設けられており、倒伏している穀稈を引き起す装置である。引起し装置91は、引起しケース911と、引起しラグ912と、を備えている。引起しラグ912は、車幅方向に間隔をおいて第1引起しラグ912aと第2引起しラグ912bとが一対設けられている。第1引起しラグ912aと第2引起しラグ912bとは、引起し装置91において、穀稈を引き起すために駆動されるものである。第1引起しラグ912aは、引起しケース911の車幅方向左側に突出し、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向けて循環駆動される。第2引起しラグ912bは、引起しケース911の車幅方向右側に突出し、鉛直方向下側から上側に向けて循環駆動される。
刈刃92は、引起し装置91により引き起された穀稈を切断して刈り取るものである。刈刃92は、支持フレーム5の前後方向前方で、搬送装置70の鉛直方向下側に設けられている。
分草フレーム93、94は、その前部で分草体95、96を支持するものであり、分草フレーム93に分草体95が支持され、分草フレーム94に分草体96が支持されている。分草フレーム93、94は、円筒状に形成されている。分草フレーム94の後方側は、種々の部材を介して機体フレーム10等に連結され固定されている。分草フレーム94は、図3および図8に示すように、前後方向前端部に空間Kと連通する開口を有している。分草フレーム94は、前後方向前方側が後方側に対して鉛直方向上側に位置するように屈曲する屈曲部94aを有している。屈曲部94aは、引起しラグ912(図2参照)の鉛直方向下側に設けられており、分草フレーム94をへの字型に屈曲して形成されている。屈曲部94aは、への字型に屈曲することで形成される空間を引起しラグ912が通過するように形成されている。分草フレーム94は、その前部に、連結部941を備えており、連結部941を介して分草体プレート963の後方側に連結されている。
連結部941は、分草フレーム94の前後方向前方側と、分草体プレート963の前後方向後方側とを連結するものである。連結部941は、カバー支持部材962の前後方向後方側端部に設けられるカバー側フランジ941aと、分草フレーム94の前後方向前方側端部に設けられるフレーム側フランジ941bと、を備えている。カバー側フランジ941aとフレーム側フランジ941bとは、側面視において、矩形状に形成されている。
カバー側フランジ941aは、カバー支持部材962に対して、鉛直方向下側でかつ前後方向後方側に向かって傾斜して設けられている。カバー側フランジ941aは、ボルト等の締結部材941cが挿入されるカバー側挿入孔941dが形成されている。カバー側挿入孔941dは、カバー側フランジ941aの傾斜方向に沿って間隔をおいて2つ設けられている。
フレーム側フランジ941bは、分草フレーム94に対して鉛直方向上側でかつ前後方向前方側に向かって傾斜して設けられている。フレーム側フランジ941bは、カバー側フランジ941aと同様に、ボルト等の締結部材941cが挿入されるフレーム側挿入孔941eが形成されている。フレーム側挿入孔941eは、フレーム側フランジ941bの傾斜方向に沿って間隔をおいて2つ設けられており、カバー側挿入孔941dに対応する位置に設けられている。
カバー側挿入孔941dおよびフレーム側挿入孔941eの一方は、傾斜方向に沿う方向が長い長孔状(角丸長方形状)に形成されている。本実施形態では、カバー側挿入孔941dが正円形状に形成され、フレーム側挿入孔941eが長孔状に形成されているが、この逆であってもよい。カバー側挿入孔941dおよびフレーム側挿入孔941eに締結部材941cが挿入され、締結されることで、カバー支持部材962と分草フレーム94とが連結される。つまり、カバー支持部材962と分草フレーム94とが連結されることで、分草体96が分草フレーム94に取り付けられる。
分草体95、96は、圃場に植立する穀稈(植生穀稈)を、分草体95、96間に分離するものである。分草体95、96は、図2に示すように、車幅方向に間隔をおいて交互に複数設けられ、刈取装置90の下部に取り付けられている。分草体95は、分草フレーム93の前部で、引起しケース911の前後方向前方に配置されている。分草体96は、分草フレーム94の前部で、引起しラグ912の前後方向前方に配置されている。分草体96は、図3および図8に示すように、分草体カバー961と、カバー支持部材962と、分草体プレート963と、パイプ964と、を備えている。分草体96は、鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かって、分草体カバー961、カバー支持部材962、分草体プレート963の順に配置している。
分草体カバー961は、前後方向に延在されており、車幅方向両端部側が中央部よりも鉛直方向下側に位置する樋状に形成されている。分草体カバー961は、前後方向後端部の鉛直方向上端部が、引起しケース911の前後方向前方に配置された分草体95の分草体カバーの前後方向後端部の鉛直方向上端部よりも上側に位置している。分草体カバー961は、カバー支持部材962の鉛直方向上側に取り付けられている。分草体カバー961は、図4に示すように、車幅方向両端部が互いに前後方向に延在されて平行となる一対の平行部961aと、車幅方向両端部が前後方向前方側から後方側に向かうにしたがって互いの車幅方向の間隔が広がるV字状部961bと、を有している。平行部961aは、分草体カバー961の前後方向中央部に形成されており、後述するブラケット110の固定部111とユニット取付部112との連結部から分草フレーム94の前後方向前端部よりも後方にわたって形成されている。平行部961aの車幅方向の幅は、後述するユニット本体120のケース体121の車幅方向の幅よりも大きく形成されている。平行部961aの前後方向の幅は、ケース体121の前後方向の幅よりも大きく形成されている。つまり、平行部961aは、鉛直方向において、ケース体121が分草体カバー961に覆われるように形成されている。平行部961aは、コンバイン1の前進に伴って、V字状部961bにより車幅方向両端部側に分草された植生穀稈を前後方向後方側に案内する。V字状部961bは、分草体カバー961の前後方向前端部側に形成されている。V字状部961bは、コンバイン1の前進に伴って、植生穀稈を車幅方向両端部側に分草する。
カバー支持部材962は、分草体カバー961の一部を構成する部材であり、車幅方向に平行な平板状に形成されている。カバー支持部材962は、分草体プレート963の鉛直方向上側に取り付けられており、図5に示すように、車幅方向両端部が、分草体カバー961の車幅方向両端部と固定されている。カバー支持部材962は、車幅方向両端部が分草体カバー961と固定されることで、分草体カバー961を支持している。カバー支持部材962は、横プレートとも呼ばれる部材である。カバー支持部材962は、図3および図8に示すように、ハーネス140が通される貫通孔962aを有している。貫通孔962aは、高さ検出装置100−1の後述する第1回転軸123より前後方向前方側に設けられている。
分草体プレート963は、図3および図4に示すように、鉛直方向に平行な平板状に形成されており、前後方向に延在されて形成されている。分草体プレート963は、前後方向前方側から前後方向後方側に向かってしだいに鉛直方向上側に高くなって形成されており、前後方向後端部が前後方向に平行に延びて形成されている。分草体プレート963は、図3および図8に示すように、前後方向前端部の鉛直方向下端部が地面Gと対向する下面963aとなっている。分草体プレート963は、縦プレートとも呼ばれる部材である。分草体プレート963は、前後方向中央部の鉛直方向下側にブラケット110が固定されている。分草体プレート963は、前後方向前端部の鉛直方向上端部が分草体カバー961の前後方向前端部を固定している。分草体プレート963は、図3および図5に示すように、カバー支持部材962に対して直交しており、前後方向中央部から前後方向後端部にわたって、鉛直方向上端部がカバー支持部材962の下面に固定されている。本実施形態では、分草体プレート963は、図5に示すように、鉛直方向上端部をカバー支持部材962の下面に突き合わせて、カバー支持部材962の車幅方向中央部の上面から鉛直方向上側に突出させた状態で、カバー支持部材962を固定している。つまり、分草体プレート963は、カバー支持部材962と分草体カバー961との間に形成される空間K内に突出した状態で、分草体プレート963とカバー支持部材962とが十字型となるように固定されている。分草体プレート963には、図3および図7に示すように、保持手段Hが着脱可能に挿通されるプレート側穴963bが形成されている。プレート側穴963bは、図7および図8に示すように、ユニット本体120の後述するユニット側穴121g(図6参照)と軸方向(ここでは車幅方向と同じ方向)に連通するように、前後方向後端部に設けられている。
パイプ964は、図3および図8に示すように、分草体カバー961とカバー支持部材962との間に配置されている。つまり、パイプ964は、図5に示すように、空間Kに配置されている。本実施形態では、パイプ964は、空間K内に突出した分草体プレート963の鉛直方向上端部の上側に配置されている。このため、パイプ964は、空間K内での移動が、空間K内に突出した分草体プレート963により規制されている。パイプ964には、後述するハーネス140が挿通されている。
高さ検出装置100−1は、図2に示すように、コンバイン1の刈取装置90の前部に有する分草体96の鉛直方向下側に設けられており、地面Gに対する刈取装置90の高さを検出する装置である。本実施形態では、高さ検出装置100−1は、図2に示すように、複数の分草体95、96のうち、車幅方向左側から2番目の分草体96、車幅方向右側から2番目の分草体96に取り付けられている。高さ検出装置100−1は、典型的には、車幅方向両端の分草体95および中央の分草体96を除いて取り付けられていればよい。
高さ検出装置100−1は、図3および図8に示すように、ブラケット110と、ユニット本体120と、検出手段130と、ハーネス140と、接地体150と、を含んで構成されている。
ブラケット110は、分草体プレート963に固定されている。本実施形態では、ブラケット110は、分草体プレート963に溶接されている。ブラケット110は、側面視において、全体として、前後方向中央部を鉛直方向上側に向けて屈曲させたへ字状に形成されている。ブラケット110は、側面視において、前後方向前方よりも前後方向後方が地面Gよりも離れた高い位置に配置されている。つまり、ブラケット110は、側面視において、前後方向前方側が後上がりとなっており、前後方向後方側が水平となっている。ブラケット110は、固定部111と、ユニット取付部112と、補強プレート113と、を備えている。本実施形態では、ブラケット110は、側面視において、固定部111とユニット取付部112とが連なる前後方向中央部が鉛直方向上側に屈曲して、ヘ字状に形成されている。また、ブラケット110は、図9および図11に示すように、平面視において、前後方向後方から前方に向かうにしたがって、車幅方向の幅が狭くなる形状に形成されている。
固定部111は、平面視において、車幅方向中央部を前後方向前方側に向けて屈曲させたV字状に形成されている。固定部111は、側面視において、図3および図8に示すように、分草体カバー961と略平行となるように設けられている。固定部111は、分草体プレート963に固定されており、ブラケット110の前後方向前端部を構成している。固定部111は、ブラケット110の最も鉛直方向下側に位置する最下部である。固定部111の前後方向前端部は、ユニット本体120がブラケット110に取り付けられて、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態(図3に示す状態)で、第2ボス部121bの鉛直方向下端よりも下側に位置している。本実施形態では、固定部111は、鉛直方向上端や補強プレート113がカバー支持部材962とほぼ平行になるように傾斜して設けられている。また、固定部111の前後方向先端は、分草体プレート963に溶接(固定)されている。固定部111は、一対の板状部材111a、111bを備えている。
一対の板状部材111a、111bは、図9および図11に示すように、平面視において、板状部材111aと板状部材111bとが連なる前後方向前端部から前後方向後方に向かうにしたがって、互いの車幅方向の間隔が広がっている。一対の板状部材111a、111bは、平面視において、先端同士が連なって、固定部111をV字状に形成している。一対の板状部材111a、111bは、側面視において、後方に向かうにしたがって徐々に上方に向かって設けられている。
ユニット取付部112は、図3および図8に示すように、ユニット本体120を支持しており、ブラケット110の前後方向後端部を構成している。ユニット取付部112は、固定部111から前後方向後方に向けて延出されており、ユニット本体120が取り付けられている。ユニット取付部112は、図9および図11に示すように、固定部111の一対の板状部材111a、111bのうちの一方の板状部材111bから前後方向後方に向かって、前後方向に沿って直線状に延在した平板状に形成されている。ユニット取付部112は、図3および図8に示すように、固定部111よりも地面Gから離れた高い位置に配置されている。ユニット取付部112の下面112aは、上面112bよりも前後方向後方側に延びている。本実施形態では、下面112aは、図3に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、側面視おいて、前後方向後端部がユニット本体120の後述するリブ121cと鉛直方向に重なる位置まで延びている。ユニット取付部112には、ユニット本体120の第1回転軸123が固定されている。ユニット取付部112の外側面112c(車幅方向左側側面)は、ブラケット110の外側面に相当する。
補強プレート113は、図9および図11に示すように、一対の板状部材111a、111bによって挟まれる三角形状の平板状に形成されている。補強プレート113は、一対の板状部材111a、111bに挟まれた状態で、一対の板状部材111a、111bの鉛直方向上端部同士を連結している。補強プレート113は、分草体プレート963に連結されている。本実施形態では、補強プレート113は、その上面が分草体プレート963に溶接(固定)されている。
ユニット本体120は、図3および図8に示すように、ユニット取付部112に第1回転軸123周りに回転自在に取り付けられている。本実施形態では、ユニット本体120は、図3に示す下降限界位置と図8に示す上昇限界位置とにわたって、ブラケット110に対して第1回転軸123周りに上下回転自在に取り付けられている。ユニット本体120は、下降限界位置から鉛直方向下側に回転することが規制され、上昇限界位置から鉛直方向上側に回転することが規制されている。ユニット本体120の下面120aには、前後方向中央部に凹み120bが形成されている。凹み120bは、側面視において、ユニット本体120の下面120aを山形に形成している。
ユニット本体120は、図3、図6および図9に示すように、ケース体121と、蓋体122と、第1回転軸123と、第2回転軸124と、を備えている。
ケース体121は、金属製の鋳物で構成されており、車幅方向右側に開口部を有し、車幅方向の幅よりも前後方向の幅が大きくなる扁平な箱状に形成されている。ケース体121は、図3に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、側面視において、ユニット本体120の凹み120bに対応する位置が鉛直方向上側に向けて屈曲したへ字状に形成されている。ケース体121は、図8に示すように、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態で、分草体プレート963の前後方向後端部とほぼ平行に対向するように形成されている。ケース体121は、図10に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、前後方向前方側の鉛直方向高さH1が相対的に高く、前後方向後方側の鉛直方向高さH2が相対的に低く形成されている。ケース体121は、図3に示すように、第1回転軸123周りに鉛直方向上側に回転され、分草体プレート963と接触することにより、ユニット本体120の上昇限界位置を規制する。つまり、ケース体121は、分草体プレート963と接触することにより、ユニット本体120を上昇限界位置に位置付ける。ケース体121は、図3、図6および図9に示すように、第1ボス部121aと、第2ボス部121bと、リブ121cと、防塵用カラー121d、121eと、固定部121fと、を備えている。
第1ボス部121aは、第1回転軸123を回転自在に通すボス部である。第1ボス部121aは、ケース体121の車幅方向左側面から突出して形成されており、ケース体121と一体に形成されている。つまり、第1ボス部121aは、ケース体121の車幅方向左側面の表面から凸に形成されている。第1ボス部121aは、前後方向前方側に設けられており、第2ボス部121bよりも前後方向前方に設けられている。
第2ボス部121bは、第2回転軸124を回転自在に通すボス部である。第2ボス部121bは、第1ボス部121aと同様に、ケース体121の車幅方向左側面から突出して形成されており、ケース体121と一体に形成されている。つまり、第2ボス部121bは、ケース体121の車幅方向左側面の表面から凸に形成されている。第2ボス部121bは、前後方向後方側に設けられており、第1ボス部121aよりも前後方向後方に設けられている。このため、本実施形態では、第1ボス部121aと第2ボス部121bとは、ケース体121の車幅方向左側に設けられている。第2ボス部121bは、ユニット本体120の最も鉛直方向下側に位置する最下部である。
リブ121cは、第1ボス部121aと第2ボス部121bとを連結している。リブ121cは、ケース体121の車幅方向左側から突出して形成されており、ケース体121と一体に形成されている。つまり、リブ121cは、ケース体121の表面から凸に形成されている。リブ121cは、図3に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、前後方向中央部から前端部までがユニット取付部112の下面112aに対して鉛直方向に重なる位置に配置されている。
防塵用カラー121dは、図9に示すように、第1ボス部121aに取り付けられ、防塵用カラー121eは、第2ボス部121bに取り付けられている。防塵用カラー121dは、内側に第1回転軸123を通し、かつ第1ボス部121aの外周に被せられている。防塵用カラー121dは、塵埃が第1ボス部121a内に侵入すること、泥水等の液体が第1ボス部121a内に浸入することを防ぐ。防塵用カラー121dは、ユニット取付部112と第1ボス部121aとの間に設けられている。防塵用カラー121eは、内側に第2回転軸124を通し、かつ第2ボス部121bの外周に被せられている。防塵用カラー121eは、塵埃が第2ボス部121b内に侵入すること、泥水が第2ボス部121b内に浸入することを防ぐ。防塵用カラー121eは、接地体150の後述する取付部152と第2ボス部121bとの間に設けられている。
固定部121fは、図3および図6に示すように、ケース体121の鉛直方向上端部で、前後方向後端部に設けられている。固定部121fは、ケース体121の鉛直方向上端部の前後方向後端部から突出して形成されており、ケース体121と一体に形成されている。本実施形態では、固定部121fは、図3に示すように、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態で、分草体プレート963の前後方向後端部とほぼ平行に対向する部分に設けられている。固定部121fは、三角形状の平板状に形成されている。固定部121fは、図6および図7に示すように、保持手段Hが挿通されるユニット側穴121gを有している。ユニット側穴121gは、図8に示すように、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態で、側面視において、分草体プレート963の前後方向後端部に設けられたプレート側穴963bと重なる。つまり、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態で、図7および図8に示すように、固定部121fのユニット側穴121gと分草体プレート963のプレート側穴963bとが車幅方向に沿って並んだ状態となり、保持手段Hがユニット側穴121gとプレート側穴963bとに挿通可能となる。ここで、保持手段Hは、プレート側穴963bとユニット側穴121gとが軸方向に連通した状態で、プレート側穴963bとユニット側穴121gとに挿通可能な円柱状に形成されたピン(いわゆる丸鋼)である。つまり、保持手段Hは、プレート側穴963bとユニット側穴121gとに着脱可能に挿通される。本実施形態では、保持手段Hは、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態、すなわち退避状態で、分草体プレート963にユニット本体120を保持する。また、保持手段Hは、ユニット本体120を退避状態で分草体96に保持しない場合には、プレート側穴963bに挿通された状態でスナップピンSPが取り付けられ、プレート側穴963bから抜け落ちないように固定されている。なお、退避状態とは、図8に示すように、接地体150が地面Gに対して非接触状態となるように、ユニット本体120を第1回転軸123周りに鉛直方向上側に回転した状態であり、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態を含む状態である。
蓋体122は、図3および図6に示すように、ケース体121の車幅方向右側の開口部に対応し、ケース体121の形状に対応する平板状に形成されている。蓋体122は、ケース体121の車幅方向右側に取り付けられることで、ケース体121の車幅方向右側の開口部を塞ぐ。蓋体122は、センサー保護プレートとも呼ばれる。
第1回転軸123は、図3および図8に示すように、下降限界位置と上昇限界位置とにわたって、ブラケット110に対してユニット本体120を第1回転軸123周りに上下回転自在に回転させるものである。第1回転軸123は、図9に示すように、車幅方向と平行な円柱状に形成されている。第1回転軸123は、車幅方向左側端部がユニット取付部112、すなわちブラケット110の前後方向後端部に固定されており、車幅方向右側が第1ボス部121a内に回転自在に通されている。つまり、第1回転軸123は、第1ボス部121a内に回転自在に通されることで、第1回転軸123周りに回転自在にユニット本体120をブラケット110に取り付ける。第1回転軸123は、図10に示すように、センサーアーム123aと、係合軸123bと、第1トルクばね123cと、規制部材123dと、を有している。
センサーアーム123aは、第1回転軸123の外周方向(径方向)に延在して形成されている。センサーアーム123aは、第1回転軸123の車幅方向右側端部に固定されている。センサーアーム123aは、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態では、ケース体121の内面に接触せずに、ケース体121の内面から間隔をあけている。
係合軸123bは、センサーアーム123aの先端に設けられている。係合軸123bは、車幅方向左側に突出して形成されており、センサーアーム123aと一体に形成されている。係合軸123bは、後述する一対の検出アーム133と係合する。
第1トルクばね123cは、上昇限界位置から下降限界位置に向かってユニット本体120を付勢する付勢手段である。本実施形態では、第1トルクばね123cは、ねじりコイルばねである。第1トルクばね123cは、コイル部分に第1回転軸123が挿通することで、ケース体121内の第1回転軸123の外周に取り付けられている。第1トルクばね123cは、ねじりコイルばねの巻き込み方向に荷重がかかるように、一端部がケース体121の内面(鉛直方向下側の内面)に当接し、他端部がセンサーアーム123aに取り付けられている。つまり、第1トルクばね123cは、センサーアーム123aからケース体121の内面(鉛直方向下側の内面)が離れる方向、すなわちケース体121が第1回転軸123周りに鉛直方向下側に回転するように付勢している。なお、第1トルクばね123cは、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態であっても、ユニット本体120を第1回転軸123周りに鉛直方向下側に付勢する。
規制部材123dは、センサーアーム123aと接触することにより、ユニット本体120の下降限界位置を規制する部材である。規制部材123dは、ケース体121内の前後方向前端部で、かつ第1ボス部121a(第1回転軸123)よりも鉛直方向上側に設けられており、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態でセンサーアーム123aと接触するように設けられている。本実施形態では、規制部材123dは、蓋体122の外側からケース体121内にねじ込まれたボルト等により構成されている。規制部材123dは、センサーアーム123aと接触して、ユニット本体120を下降限界位置に位置付ける。つまり、規制部材123dは、センサーアーム123aと接触して、下降限界位置から第2ボス部121bが鉛直方向下側に向かうように、第1回転軸123周りにケース体121、すなわちユニット本体120が回転することを規制する。このように、規制部材123dは、センサーアーム123aと接触すると、下降限界位置よりも第2ボス部121bが鉛直方向下側に向かってユニット本体120が回転することを規制する。
第2回転軸124は、図9に示すように、車幅方向と平行な円柱状に形成されている。第2回転軸124は、車幅方向左側端部が接地体150の取付部152に固定されており、車幅方向右側が第2ボス部121b内に回転自在に通されている。つまり、第2回転軸124は、第2ボス部121b内に回転自在に通されることで、第2回転軸124周りに回転自在に接地体150をユニット本体120に取り付ける。第2回転軸124は、第2トルクばね124aと、規制部材124bと、を有している。
第2トルクばね124aは、接地体150を第2回転軸124周りに前後方向後方に向かって回転するように付勢する付勢手段である。本実施形態では、第2トルクばね124aは、第1トルクばね123cと同様に、ねじりコイルばねである。第2トルクばね124aは、コイル部分に第2回転軸124が挿通することで、ケース体121内の第2回転軸124の外周に取り付けられている。第2トルクばね124aは、図9および図10に示すように、ねじりコイルばねの巻き込み方向に荷重がかかるように、一端部がケース体121の内面(前後方向後端部の内面)に当接し、他端部が第2回転軸124に固定された規制部材124bに取り付けられている。つまり、第2トルクばね124aは、接地体150の後述する下端部151cが前後方向後方に向かうように、接地体150を付勢する。
規制部材124bは、図9に示すように、ケース体121内で、第2回転軸124の車幅方向右側端部に固定されている。規制部材124bは、図3に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられて、接地体150の後述する上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置に位置付けられると、ケース体121の内面と当接し、ケース体121に対して第2回転軸124が回転することを規制する。つまり、規制部材124bは、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、接地体150の上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置から前後方向後方に向かうことを規制する。このため、規制部材124bは、ケース体121の内面に当接することで、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられて接地体150の上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置(図3に示す)よりも、下端部151cが前後方向後方に向かう方向に、接地体150が第2回転軸124周りに回転することを規制する。
検出手段130は、第1回転軸123周りのユニット本体120の回転位置を検出する検出装置であり、例えばロータリーポテンショメータである。検出手段130は、図3に示すように、ケース体121に取り付けられており、第1ボス部121aおよび第2ボス部121bよりも鉛直方向上側に設けられている。検出手段130は、第1ボス部121aおよび第2ボス部121bが設けられる車幅方向左側側面に設けられている。検出手段130は、ユニット本体120がブラケット110に取り付けられた状態で、図11に示すように、前後方向において第1回転軸123と第2回転軸124(図10参照)との間に配置されており、ユニット取付部112の外側面112cよりも車幅方向の内側(外側面112cに対して車幅方向右側)に配置されている。本実施形態では、検出手段130は、図3に示すように、第1ボス部121aおよび第2ボス部121bが設けられる面において、第1ボス部121aの中心軸線と第2ボス部121bの中心軸線とを結ぶ仮想線L1よりも鉛直方向上側に配置されている。検出手段130は、センサーカバー131と、検出軸132と、一対の検出アーム133と、を備えており、検出軸132の軸心周りの回転位置を検出することで、ユニット本体120の第1回転軸123周りの回転位置を検出する。
センサーカバー131は、検出手段130とともにケース体121に設けられており、検出手段130を覆っている。センサーカバー131は、ケース体121に重ねられて設けられている。センサーカバー131は、図12および図13に示すように、検出手段130の前後方向前方側および後方側、鉛直方向上側および下側、車幅方向のケース体121とは反対側を覆っている。センサーカバー131は、ケース体121に固定される一対の固定片131a、131bと、この一対の固定片131a、131b間に設けられて検出手段130に重ねられる複数の覆い部131c〜131gと、を一体に備えている。
覆い部131cは、検出手段130の、車幅方向のケース体121とは反対側を覆っている。覆い部131cは、センサーカバー131における車幅方向でケース体121から最も離間した離間部分である。覆い部131cは、図11に示すように、ユニット取付部112の外側面112cとケース体121の車幅方向左側側面との間に配置されている。覆い部131dは、検出手段130の前後方向前方側を覆っている。覆い部131dは、前後方向後方から前方に向うにしたがって徐々にケース体121に近づく方向に、前後方向と車幅方向との双方に対して傾斜している。覆い部131eは、検出手段130の前後方向後方側を覆っている。覆い部131fは、検出手段130の鉛直方向上側を覆っている。覆い部131gは、検出手段130の鉛直方向下側を覆っている。覆い部131gは、検出手段130に接続されるハーネス140側に折り曲げられている。
検出軸132は、ロータリーポテンショメータのいわゆるシャフトであり、検出手段130の軸心周りに回転自在である。検出軸132は、ケース体121内に収容されている。
一対の検出アーム133は、図10に示すように、検出軸132に固定されており、検出軸132の外周方向に互いに平行に延びて形成されている。一対の検出アーム133は、ケース体121内に収容されている。一対の検出アーム133間には、係合軸123bが第1回転軸123に対して相対回転可能かつ相対移動可能に挟持されている。つまり、一対の検出アーム133は、係合軸123bを介して、センサーアーム123aの先端部に対して相対回転可能かつ所定の方向に相対移動可能に連結されている。一対の検出アーム133は、検出軸132側の基端部から先端部まで互いに間隔をおいて平行に延びており、一対の検出アーム133間において、係合軸123bが一対の検出アーム133に沿って移動することを許容している。一対の検出アーム133は、ブラケット110に対して第1回転軸123周りにユニット本体120が回転されると、第1回転軸123がブラケット110に固定され、センサーアーム123aが第1回転軸123に固定されているため、検出アーム133が検出軸132の軸心周りに回転する。ここで、本実施形態では、係合軸123bと、係合軸123bが係合する一対の検出アーム133と、を含んで係合部Eが構成されている。つまり、第1回転軸123と検出軸132とは、係合部Eにより係合されている。
本実施形態では、センサーアーム123aと一対の検出アーム133とは、図10に示すように、センサーアーム123aの長さが一対の検出アーム133の長さより長く形成され、一対の検出アーム133の長さがセンサーアーム123aの長さより短く形成されている。ここで、センサーアーム123aの長さとは、典型的には、第1回転軸123の中心軸線と係合軸123bの中心軸線との距離L2に相当する。また、一対の検出アーム133の長さは、典型的には、検出軸132の中心軸線と一対の検出アーム133の先端部との距離L3に相当する。つまり、センサーアーム123aと一対の検出アーム133とは、距離L2が距離L3より長くなるように形成されている(L2>L3)。
ハーネス140は、例えば、検出手段130に電力を供給するための電線、検出軸132の軸心周りの回転位置を伝えるための電線等、複数の電線で構成されている。ハーネス140は、図3および図8に示すように、ケース体121とユニット取付部112との間を通されている。ハーネス140は、第1ボス部121aの鉛直方向上側に設けられたクランプ142によってケース体121に固定されており、クランプ142から検出手段130までのハーネス140は、ブラケット110に対してユニット本体120が第1回転軸周りに回転しても、その長さが不変である。ハーネス140は、カバー支持部材962に設けられた貫通孔962aを通して、図5に示すように、空間K内に通されている。つまり、ハーネス140は、側面視において、第1回転軸123の鉛直方向上側、分草体カバー961の鉛直方向下側、空間K内、分草体カバー961の前後方向後方側の順で配索されている。ハーネス140は、図3および図8に示すように、空間K内に設けられたパイプ964に挿通されており、空間K内に設けられたクランプ141の近傍でメインハーネス8と接続されている。メインハーネス8は、分草フレーム94の前後方向前端部の開口を通して分草フレーム94内に配索されており、機体フレーム10の適宜箇所に設けられた制御装置200(図18参照)に接続されている。メインハーネス8は、検出手段130が検出した回転位置を制御装置200に伝える。
車幅方向左側に設けられる高さ検出装置100−1からのメインハーネス8は、図2および図15に示すように、分草フレーム94、前フレームパイプ2、支持フレーム5、メインフレーム6、横伝導パイプ7を介して、引起し装置91に動力を伝動するための刈取左伝動ケース3へと配索されている。また、車幅方向左側に設けられる高さ検出装置100−1からのメインハーネス8は、刈取左伝動ケース3から制御装置200(図18参照)へと配索されている。
一方、車幅方向右側に設けられる高さ検出装置100−1からのメインハーネス8は、分草フレーム94、前フレームパイプ2、支持フレーム5、メインフレーム6、横伝導パイプ7を介して、右刈取支持フレーム4へと配索されている。また、車幅方向右側に設けられる高さ検出装置100−1からのメインハーネス8は、右刈取支持フレーム4から制御装置200へと配索されている。
ここで、前フレームパイプ2は、パイプ状に形成され、前後方向に沿って延在されている。前フレームパイプ2は、前後方向後方側に支持フレーム5が連結されている。支持フレーム5は、パイプ状に形成されており、車幅方向に沿って延在している。支持フレーム5には、車幅方向左側および右側の分草体96に対応してそれぞれ設けられる前フレームパイプ2の前後方向後方側端部が連結されている。支持フレーム5は、前後方向前方側に刈刃92が設けられており、前後方向後方側にメインフレーム6が連結されている。メインフレーム6は、パイプ状に形成され、前後方向に沿って延在している。メインフレーム6は、支持フレーム5の車幅方向両端部に1つずつ設けられている。メインフレーム6は、前後方向後方側に横伝導パイプ7が連結されている。横伝導パイプ7は、パイプ状に形成され、車幅方向に沿って延在している。横伝導パイプ7は、車幅方向両端部がそれぞれメインフレーム6に支持されている。横伝導パイプ7は、車幅方向左側端部に刈取左伝動ケース3が連結されており、車幅方向右側端部に右刈取支持フレーム4が連結されている。刈取左伝動ケース3は、パイプ状に形成され、鉛直方向に沿って延在している。刈取左伝動ケース3は、エンジン30からの動力を引起し装置91に伝動する種々の部品を収容している。右刈取支持フレーム4は、パイプ状に形成され、鉛直方向に沿って延在している。
接地体150は、図3および図8に示すように、ユニット本体120に対して、第2回転軸124周りに回転自在に取り付けられており、地面Gに接触することが可能である。接地体150は、地面Gに接触する帯状部151と、この帯状部151の縁に連なった取付部152と、を一体に備えている。
帯状部151は、図3に示すように、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられた状態で、中央部151aが上端部151bおよび下端部151cよりも前後方向前方に位置するように、側面視において、く字状に形成されている。中央部151aは、下端部151cが前後方向前方に向かう方向に第2回転軸124周りに回転すると、図20(d)に示すように、中央部151aが凹み120bに当接する。下端部151cの車幅方向の幅は、図9に示すように、中央部151aの車幅方向の幅よりも広く形成されている。下端部151cの車幅方向の幅は、ユニット本体120の車幅方向の幅よりも狭く形成されている。下端部151cは、車幅方向において、ブラケット110の中央に配置されている。本実施形態では、中央部151aが接地体150の中央部に相当し、上端部151bが接地体150の上端部に相当し、下端部151cが接地体150の下端部に相当する。
また、下端部151cは、図14に示すように、水平方向の断面(前後方向の断面)がU字状に形成されている。下端部151cは、水平方向の断面において、車幅方向中央部が前後方向前方に位置し、車幅方向両端部が中央部よりも前後方向後方に位置している。このため、下端部151cは、ユニット本体120が下降限界位置と上昇限界位置との中間に位置付けられると、車幅方向中央部が車幅方向両端部に対して鉛直方向下側に位置する。
取付部152は、図9に示すように、上端部151bの縁に連なっている。取付部152は、第2ボス部121b内に回転自在に設けられた第2回転軸124に対して固定されている。つまり、取付部152は、ケース体121に対して、第2回転軸124周りに回転自在に取り付けられている。このため、接地体150は、ユニット本体120に対して第2回転軸124周りに上下回転自在である。
制御装置200は、上記の脱穀装置50や刈取装置90などの動作を制御するものであり、高さ検出装置100−1が検出した回転位置に基づいて刈取装置90の地面Gに対する高さ(刈高さ)を制御するものである。制御装置200には、図18に示すように、脱穀装置50と、刈取装置90と、刈取装置90の車幅方向左側および右側の分草体96に取り付けられた高さ検出装置100−1、100−1と、キャビン21内の運転席20の周囲に設けられた自動刈高さ制御スイッチ(以下、単に「ACHスイッチ」と称する)22と、ACHスイッチ22と同様に運転席20の周囲に設けられた脱穀レバー23と、ACHスイッチ22と同様に運転席20の周囲に設けられた報知手段24と、がそれぞれ接続されている。制御装置200は、機能概念的に、データ取得部201と、スイッチ検出部202と、判定部203と、報知部204と、自動刈高さ制御部205と、を含んで構成されている。
なお、ACHスイッチ22は、図2に示す運転席20に着座する作業員によりON/OFFの切り替え操作が可能なスイッチであり、コンバイン1において、刈取装置90の地面Gに対する高さを予め定められた一定の高さに保つように自動刈高さ制御(ACH:Auto Control Height)することを、制御装置200に対して作業員が指示するためのスイッチである。脱穀レバー23は、運転席20に着座する作業員によりON/OFFの切り替え操作が可能なレバーであり、コンバイン1において、刈取装置90により刈り取られた穀稈に対して脱穀装置50が脱穀を開始または停止することを、制御装置200に対して作業員が指示するためのレバーである。報知手段24は、運転席20に着座する作業員に対して報知する装置であり、例えば、運転状況を表示する液晶モニタ装置等の表示装置、操作音や警報音を流すスピーカー装置等の装置である。報知手段24は、液晶モニタ装置等の表示装置であり、高さ検出装置100−1が作動しない状態である場合、「センサーが上方に固定されているため、ACHは作動しません」等のメッセージを表示可能な表示装置である。本実施形態では、報知手段24は、ユニット本体120の退避状態において、ACHスイッチ22がONであり、かつ脱穀レバー23がONである場合に、高さ検出装置100−1が作動しないことを報知する。
データ取得部201は、高さ検出装置100−1が検出した検出軸132の回転位置を取得する。
スイッチ検出部202は、ACHスイッチ22および脱穀レバー23のON/OFFを検出する。
判定部203は、データ取得部201が取得した回転位置から、刈取装置90の地面Gに対する高さを算出する。判定部203は、データ取得部201が取得した回転位置から、ブラケット110に対するユニット本体120の回転位置を取得する。判定部203は、算出した刈取装置90の地面Gに対する高さと、スイッチ検出部202が検出したACHスイッチ22および脱穀レバー23のON/OFFと、に基づいて、高さ検出装置100−1が作動可能か否かを判定する。本実施形態では、判定部203は、ユニット本体120の回転位置が上昇限界位置であり、ACHスイッチ22および脱穀レバー23がONである場合に、高さ検出装置100−1が作動可能ではないと判定する。また、判定部203は、ユニット本体120の回転位置が上昇限界位置ではなく、ACHスイッチ22および脱穀レバー23がONである場合に、高さ検出装置100−1が作動可能であると判定する。
報知部204は、判定部203によって高さ検出装置100−1が作動可能ではないと判定されると、報知手段24により高さ検出装置100−1が作動しないことを報知させる。
自動刈高さ制御部205は、判定部203による高さ検出装置100−1が作動可能であるか否かの判定に基づいて、刈取装置90に対して自動刈高さ制御を実施する。本実施形態では、自動刈高さ制御部205は、判定部203によって高さ検出装置100−1が作動可能であると判定されると、判定部203により算出された高さに基づいて、刈取装置90に対して自動刈高さ制御を実施する。また、自動刈高さ制御部205は、判定部203によって高さ検出装置100−1が作動可能ではないと判定されると、刈取装置90に対して自動刈高さ制御を実施しない。
ここで、コンバイン1は、図15および図17に示すように、直進制御用の左右位置検出装置(いわゆるACD装置)9を備える場合がある。左右位置検出装置9は、高さ検出装置100−1が設けられる分草体96に連結される前フレームパイプ2に設けられる。左右位置検出装置9は、コンバイン1が左右方向において穀稈条の方向等に応じた適正な方向に進んでいるか否かを検出するものである。このため、制御装置200は、左右位置検出装置9の検出結果に基づいて、自動的に左右のクローラ41の速度差を制御し、機体の向きを自動で調整する(自動方向制御、左右制御)。
コンバイン1が左右位置検出装置9を備える場合、高さ検出装置100−1は、図17に示すように、左右位置検出装置9より前後方向前方に配置される。高さ検出装置100−1からのメインハーネス8と、左右位置検出装置9からのACDハーネス9aとは、図15に示すように、前フレームパイプ2内で合流し、メインフレーム6に設けたハーネスガード6a内を介して、刈取左伝動ケース3へと並列に配索される。より詳細には、メインハーネス8とACDハーネス9aとは、前フレームパイプ2内、支持フレーム5内、車幅方向左側のメインフレーム6の側面に設けられたハーネスガード6a内、横伝導パイプ7内、刈取左伝動ケース3内を通って制御装置200(図18参照)へと配索される。
上記のように構成されたコンバイン1は、エンジン30が発生させる駆動力によって走行装置40が駆動して走行しながら、刈取装置90によって穀稈を刈り取る。このとき、刈取装置90は、高さ検出装置100−1が検出した地面Gに対する高さに基づいて自動刈高さ制御されつつ、分草体95、96により植生穀稈を分草し、引起し装置91により倒伏している穀稈を引き起して刈刃92で刈り取る。
次に、コンバイン1は、刈取装置90で刈り取った穀稈を搬送装置70によって脱穀装置50の脱穀部51に搬送し、フィードチェーン駆動機構80が穀稈を前後方向後方に搬送しながら、脱穀部51にてエンジン30から伝達される駆動力によって穀稈を脱穀する。ここで、脱穀された穀粒等は、選別部52に落下する。次に、コンバイン1は、選別部52にて穀粒を選別し、選別した穀粒をグレンタンク60に一時貯蔵する。
次に、このように構成されたコンバイン1の高さ検出装置100−1の動作について、図面を参照して説明する。図19は、実施形態1に係るコンバインの前進時の高さ検出装置の動作を示す説明図である。図20は、実施形態1に係るコンバインの後進時の高さ検出装置の動作を示す説明図である。
まずは、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させていない状態で、かつ接地体150の帯状部151が非接触状態の場合について説明する。このような場合には、高さ検出装置100−1は、第1トルクばね123cの付勢力により、ユニット本体120が下降限界位置に位置付けられ、図3および図19(a)に示すように、接地体150の下端部151cが分草体96の下面963aよりも鉛直方向下側に位置する。ここで、接地体150は、図3および図19(a)に示すように、第2トルクばね124aの付勢力により、上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置に位置付けられると、規制部材124b(図9参照)がケース体121の内面に当接する。また、接地体150は、規制部材124bがケース体121の内面に当接することで、上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置よりも、下端部151cが第2回転軸124周りに前後方向後方に向かう方向に回転することが規制される。つまり、接地体150は、図19(a)に示す位置から第2回転軸124周りに、下端部151cが前後方向前方に向かう方向のみ回転することが許容され、規制部材124b(図9参照)により前後方向後方に向かう方向の回転が規制される。
次に、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させていない状態で、かつコンバイン1の前進時の場合について説明する。このような場合には、高さ検出装置100−1は、接地体150の下端部151cが地面Gや切株に当接すると、これらの地面Gや切株に押されて、接地体150とユニット本体120とが一体となって、図19(b)から図19(g)に示すように、第1回転軸123周りに上昇限界位置に向かって鉛直方向上側に回転する。ここで、高さ検出装置100−1は、検出手段130が第1回転軸123周りのブラケット110に対するユニット本体120の回転位置を検出して、分草体96の地面Gに対する高さを検出する。また、高さ検出装置100−1は、検出結果を制御装置200(図18参照)に出力する。そして、制御装置200は、検出手段130の検出結果から算出される分草体96の地面Gに対する高さ、すなわち刈取装置90の地面Gに対する高さを予め定められた一定の高さにするように、前述の昇降シリンダの動作を制御し、刈取装置90の高さを変更する。
また、接地体150は、図8および図19(g)に示すように、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態、すなわち退避状態で、下端部151cが分草フレーム94に当接し、第2トルクばね124aの付勢力に抗して分草フレーム94を押圧する。このため、接地体150は、第2回転軸124周りに上下方向下側に若干回転する。また、接地体150は、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられると、下端部151cの鉛直方向下端部が、分草体96の下面、すなわち分草体プレート963の下面963aよりも鉛直方向上側に位置する。
次に、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させていない状態で、かつコンバイン1の後進時の場合について説明する。このような場合には、高さ検出装置100−1は、接地体150の下端部151cが地面Gや切株に当接すると、これらの地面Gや切株に押されて、まず、図20(a)から図20(c)に示すように、接地体150がユニット本体120に対して下端部151cが前後方向前方に向かうように第2回転軸124周りに回転する。ここで、接地体150は、中央部151aが凹み120bに侵入して凹み120bに当接した状態となる。つまり、接地体150は、図20(a)に示す上端部151bと下端部151cとが鉛直方向に並ぶ位置と、図20(d)に示す中央部151aが凹み120bに当接する位置とにわたって、ユニット本体120に対して第2回転軸124周りに回転可能である。
また、高さ検出装置100−1は、中央部151aが凹み120bに当接した状態でさらに切株などから鉛直方向上側に押されると、接地体150とユニット本体120とが一体となって、図20(d)に示すように、第1回転軸123周りに上昇限界位置に向かって鉛直方向上側に回転する。ここで、接地体150は、下端部151cの鉛直方向下端部の位置が分草体プレート963の下面963aよりも鉛直方向上側となるので、接地体150が地面Gに干渉することなく、接地体150がユニット本体120と一体に第1回転軸123周りに回転することができる。
次に、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させていない状態で、かつコンバイン1の前進時および後進時において旋回する場合について説明する。このような場合には、高さ検出装置100−1は、下端部151cが断面U字状に形成されているので、帯状部151に車幅方向の力が作用する。そして、この車幅方向の力により帯状部151が鉛直方向上側に押されて、接地体150とユニット本体120とが一体となって、第1回転軸123周りに上昇限界位置に向かって鉛直方向上側に回転する。
次に、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させる場合について説明する。このような場合には、作業員は、作業をしやすいように地面Gから刈取装置90を離間させた状態とし、プレート側穴963bに挿通されてスナップピンSPで固定された保持手段Hを取り外した後、接地体150が地面Gに対して非接触状態となるように、手動でユニット本体120をブラケット110に対して第1回転軸123周りに上昇限界位置に向かって鉛直方向上側に回転させ、ユニット本体120を分草体プレート963に当接させた状態、すなわちユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた退避状態にする。ここで、ケース体121のユニット側穴121gと、分草体プレート963のプレート側穴963bとは、軸方向(ここでは車幅方向と同じ方向)に連通する。
また、作業員は、ユニット本体120を支えて退避状態としつつ、軸方向に連通するユニット側穴121gとプレート側穴963bとに対して保持手段Hを挿通させた後、スナップピンSPを保持手段Hに取り付けることにより、ユニット本体120を分草体96に保持させる。ここで、ユニット本体120は、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた退避状態で、分草体96に保持される。また、接地体150は、図8に示すように、下端部151cが分草フレーム94に当接した状態で、第2トルクばね124aの付勢力により第2回転軸124周りの回転が規制され、地面Gに対して非接触状態となる。また、下端部151cは、分草体プレート963の下面963aよりも鉛直方向上側に位置し、第2回転軸124が第1回転軸123よりも鉛直方向上側に位置する。
次に、保持手段Hによりユニット本体120を分草体96に対して保持させた状態で、自動刈高さ制御を行おうとする場合について説明する。図21は、実施形態1に係るコンバインの制御装置による自動刈高さ制御に関する一例のフローチャートである。このような場合、まず、制御装置200は、図21に示すように、ユニット本体120が退避状態であるか否か判断する(ステップS1)。このステップS1では、制御装置200は、高さ検出装置100−1が検出した検出軸132の回転位置をデータ取得部201が取得し、取得した回転位置からブラケット110に対するユニット本体120の回転位置を判定部203が取得した後、ユニット本体120の回転位置が上昇限界位置であるか否かを判定部203が判定することで、ユニット本体120が退避状態であるか否かを判断する。
次に、制御装置200は、ユニット本体120が退避状態であると判断する(ステップS1:Yes)と、ACHスイッチ22がONであるか否か判断する(ステップS2)。このステップS2では、制御装置200は、ACHスイッチ22のON/OFFをスイッチ検出部202が検出した後、検出したON/OFFを判定部203が判定することで、ACHスイッチ22がONであるか否かを判断する。
次に、制御装置200は、ACHスイッチ22がONであると判断する(ステップS2:Yes)と、脱穀レバー23がONであるか否か判断する(ステップS3)。このステップS3では、制御装置200は、脱穀レバー23のON/OFFをスイッチ検出部202が検出した後、検出したON/OFFを判定部203が判定することで、脱穀レバー23がONであるか否かを判断する。
次に、制御装置200は、脱穀レバー23がONであると判断する(ステップS3:Yes)と、報知手段24により高さ検出装置100−1が作動しないことを作業員に対して報知する(ステップS4)。このステップS4では、制御装置200は、高さ検出装置100−1が作動可能ではないと判定部203が判定することで、「センサーが上方に固定されているため、ACHは作動しません」というメッセージを報知手段24に報知部204が表示させ、高さ検出装置100−1が作動しないことを作業員に報知する。また、制御装置200は、高さ検出装置100−1が作動可能ではないと判定部203が判定することで、刈取装置90に対して自動刈高さ制御を実施しない。
なお、制御装置200は、ユニット本体120が退避状態でないと判断(ステップS1:No)、ACHスイッチ22がONでないと判断(ステップS2:No)、あるいは、脱穀レバー23がONでないと判断(ステップS3:Yes)した場合、上記のステップS1にリターンする。
以上のように、実施形態1に係るコンバイン1によれば、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた退避状態で、保持手段Hがユニット本体120を分草体96に対して保持するので、接地体150が地面Gに対して非接触状態となる。つまり、コンバイン1によれば、保持手段Hが接地体150を地面Gに対して非接触状態に保持することができる。したがって、コンバイン1によれば、湿田や雑草の多い圃場のように自動刈高さ制御を実施せずに、植生穀稈を刈取装置90で刈り取る場合、ユニット本体120を退避状態にすることによって、接地体150の摩耗を抑制することができるという効果を奏する。
また、コンバイン1によれば、保持手段Hがユニット本体120を分草体96に対して保持することにより、ブラケット110に対してユニット本体120が第1回転軸123周りに回転することを規制することができるので、第1回転軸123、第1ボス部121aや防塵用カラー121dに泥などが入り込むことを抑制することができる。したがって、コンバイン1によれば、泥などによって第1回転軸123、第1ボス部121aや防塵用カラー121dが摩耗することを抑制し、高さ検出装置100−1の防水性が低下することを抑制することができるという効果を奏する。
また、コンバイン1によれば、上記退避状態において、プレート側穴963bとユニット側穴121gとが軸方向に連通し、ピン(いわゆる丸鋼)である保持手段Hがプレート側穴963bとユニット側穴121gとに着脱可能に挿通されるので、作業員が保持手段Hの着脱操作を手作業により行うことができる。つまり、コンバイン1によれば、作業員がユニット本体120を退避状態としたり、作業員がユニット本体120の退避状態を解除したりすることができる。したがって、コンバイン1によれば、湿田や雑草が多い圃場のように、自動刈高さ制御の実施が困難な場合には、保持手段Hによりユニット本体120を退避状態で保持し、自動刈高さ制御を実施する場合には、保持手段Hを取り外してユニット本体120の退避状態を解除することができる。
また、コンバイン1によれば、上記退避状態で、接地体150の下端部151cが分草体プレート963の下面963aよりも鉛直方向上側に位置するので、接地体150に対して穀稈や泥などが接触することを抑制することができる。つまり、コンバイン1によれば、高さ検出装置100−1を使用しない場合には、保持手段Hによりユニット本体120を退避状態とすることで、使用しない時の接地体150を保護することができる。
また、コンバイン1によれば、上記退避状態で、ACHスイッチ22がONであり、かつ脱穀レバー23がONである場合に、高さ検出装置100−1が作動しないことを、報知手段24にメッセージを表示することによって作業員に報知し、自動刈高さ制御を実施しない。つまり、コンバイン1は、コンバイン1の作業条件と作業員の意図とが異なる場合には、警告メッセージを出すことで、作業員に誤操作をしていることを報知するとともに、自動刈高さ制御の誤作動を防止する。
また、コンバイン1によれば、上記退避状態で、第2回転軸124が第1回転軸123より鉛直方向上側に位置するので、ユニット本体120が前後方向において後上がりとなり、接地体150の下端部151cが分草フレーム94に当接する。つまり、刈取装置90により植生穀稈を刈り取る作業を行う際に、穀稈や泥などがユニット本体120および接地体150に引っかかることを抑制することができる。
また、コンバイン1によれば、上記退避状態で、第2トルクばね124aの付勢力によって、接地体150の下端部151cが分草フレーム94を押しているので、接地体150がユニット本体120に対して第2回転軸124周りに回転することを規制することができ、第2回転軸124、第2ボス部121bや防塵用カラー121eに泥などが入り込むことを抑制することができる。したがって、コンバイン1によれば、泥などによって第2回転軸124、第2ボス部121bや防塵用カラー121eが摩耗することを抑制し、高さ検出装置100−1の防水性が低下することを抑制することができる。
また、コンバイン1によれば、高さ検出装置100−1が取り付けられた分草体96の分草体カバー961は、前後方向後端部の鉛直方向上端部が、引起しケース911の前後方向前端部に配置されて高さ検出装置100−1が取り付けられていない分草体95の分草体カバーの前後方向後端部の鉛直方向上端部よりも上側に位置しているので、後上がりに高くなる。つまり、コンバイン1によれば、分草体カバー961を後上がりに高くすることにより、分草体カバー961と地面Gとの間の空間が広がるので、高さ検出装置100−1を分草体96に取り付けやすくすることができ、高さ検出装置100−1を分草体96の鉛直方向下側に構成しやすくなる。また、コンバイン1によれば、分草体カバー961を後上がりに高くすることにより、植生穀稈の分草性能(分離性能)を向上させることができる。
また、コンバイン1によれば、高さ検出装置100−1が取り付けられた分草体96の分草体カバー961は、平行部961aを有しているので、植生穀稈の引っかかりを抑制して、分離性能を向上させることができる。また、コンバイン1によれば、平行部961aにより分草体カバー961の強度を向上させることができる。
また、コンバイン1によれば、平行部961aの車幅方向の幅がケース体121の車幅方向の幅よりも大きく形成され、かつ前後方向の幅がケース体121の前後方向の幅よりも大きく形成されているので、鉛直方向において、分草体カバー961により高さ検出装置100−1を覆うことができる。つまり、コンバイン1によれば、分草体カバー961が車幅方向に幅広になるので、分草体カバー961の鉛直方向下側に高さ検出装置100−1を取り付けやすくなり、構成しやすくなる。また、コンバイン1によれば、分草体カバー961により高さ検出装置100−1を覆うことで、高さ検出装置100−1を保護することができる。
また、コンバイン1によれば、分草体プレート963が空間K内に突出した状態で、カバー支持部材962に対して十字型となるように固定されているので、板状に形成されたカバー支持部材962の機械的強度を向上させることができる。つまり、コンバイン1によれば、カバー支持部材962の機械的強度の向上により、カバー支持部材962に支持される分草体カバー961の機械的強度を向上させることができる。
また、コンバイン1によれば、分草体プレート963が空間K内に突出した状態となっているので、空間K内に突出した部分が、空間K内に配索されるハーネス140の移動を規制することができる。つまり、コンバイン1によれば、空間K内に配索されるハーネス140のいわゆるバタツキを抑制することができる。
また、コンバイン1によれば、空間K内にパイプ964を設け、このパイプ964内にハーネス140を挿通させたので、ハーネス140を保護することができる。また、コンバイン1によれば、空間K内にパイプ964を設けたので、簡易な構成により分草体カバー961の機械的強度を向上させることができる。
〔実施形態2〕
次に、図22を参照して、実施形態2に係るコンバイン1が備える高さ検出装置100−2について説明する。図22は、実施形態2に係る高さ検出装置を保持する保持手段などの背面図である。実施形態2に係るコンバイン1が備える高さ検出装置100−2の基本構成は、実施形態1に係るコンバイン1が備える高さ検出装置100−1と同様であるので、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図22に示す高さ検出装置100−2は、蓋体122に固定部122aが設けられており、固定部122aにユニット側穴122bが形成されている。蓋体122は、ケース体121とは異なり、第1ボス部121a、第2ボス部121b、リブ121cなどが設けられておらず、ケース体121の開口部を塞ぐ板状に形成されている。つまり、蓋体122は、ケース体121よりも安価である。固定部122aは、蓋体122の鉛直方向上端部で、第2回転軸124よりも前後方向後方に設けられている。ユニット側穴122bは、実施形態1に係る高さ検出装置100−1のユニット側穴121gと同様に、ユニット本体120が上昇限界位置に位置付けられた状態で、プレート側穴963bと軸方向(ここでは車幅方向)に連通するように形成されている。つまり、ユニット側穴122bは、ユニット本体120に形成されるユニット側穴である。
このため、高さ検出装置100−2は、保持手段Hによって、ユニット本体120を上昇限界位置に位置付けた退避状態で分草体96に保持させることができる。つまり、高さ検出装置100−2は、実施形態1に係る高さ検出装置100−1と同様に、ユニット本体120を退避状態とすることにより、接地体150を地面Gに対して非接触状態にすることができる。
以上のように、実施形態2に係るコンバイン1によれば、ケース体121よりも安価な蓋体122に固定部122aを設け、この固定部122aにユニット側穴122bを形成しているので、ケース体121を用いてユニット側穴121gを形成する場合よりも、高さ検出装置100−2を安価に構成することができる。つまり、コンバイン1によれば、ユニット側穴122bの摩耗に伴って蓋体122を交換する場合、ケース体121を交換するよりも安価である。
なお、上述した本発明の実施形態1または実施形態2に係るコンバイン1は、上述した実施形態1、2に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。