JPH07115336A - 水晶振動子の小割加工方法 - Google Patents
水晶振動子の小割加工方法Info
- Publication number
- JPH07115336A JPH07115336A JP25795093A JP25795093A JPH07115336A JP H07115336 A JPH07115336 A JP H07115336A JP 25795093 A JP25795093 A JP 25795093A JP 25795093 A JP25795093 A JP 25795093A JP H07115336 A JPH07115336 A JP H07115336A
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- JP
- Japan
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- etching
- quartz
- solution
- container
- crystal vibrator
- Prior art date
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- Pending
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- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水晶振動子の小割を精度良く、短時間で大量
に行う技術を提供する。 【構成】 フォトリソグラフィー法とウエットエッチン
グを用いて水晶振動子の小割加工を行う化学的加工技術
において、水晶振動子基板とエッチング液を入れた容器
を密閉し、その密閉容器をヒーターによって任意温度に
設定した恒温槽や温水中に設置して、エッチング液の蒸
気圧によって密閉反応容器内が加圧した条件下で、磁気
回転子によりエッチング液を撹拌させながら、水晶振動
子のエッチングを行う。
に行う技術を提供する。 【構成】 フォトリソグラフィー法とウエットエッチン
グを用いて水晶振動子の小割加工を行う化学的加工技術
において、水晶振動子基板とエッチング液を入れた容器
を密閉し、その密閉容器をヒーターによって任意温度に
設定した恒温槽や温水中に設置して、エッチング液の蒸
気圧によって密閉反応容器内が加圧した条件下で、磁気
回転子によりエッチング液を撹拌させながら、水晶振動
子のエッチングを行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水晶振動子に関し、特に
水晶振動子の小割を化学エッチングにて行う工程に関す
るものである。
水晶振動子の小割を化学エッチングにて行う工程に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子は、水晶の圧電性を利用した
共振器である。
共振器である。
【0003】水晶の薄板に電極を付け、電圧を印加する
と、水晶の圧電逆効果によって、結晶振動が励起され
る。水晶振動子は、水晶片の形できまる固有振動数に等
しい周波数の交流電場を印加すると、共振して安定した
単一周波数の振動を続けることを利用したもので、周波
数計をはじめ多くの発振回路に使われている。
と、水晶の圧電逆効果によって、結晶振動が励起され
る。水晶振動子は、水晶片の形できまる固有振動数に等
しい周波数の交流電場を印加すると、共振して安定した
単一周波数の振動を続けることを利用したもので、周波
数計をはじめ多くの発振回路に使われている。
【0004】機械的安定係数が高く、かつ共振周波数の
大きな水晶振動子の小型化をはかるうえで、水晶板の小
割加工を高精度で再現性よく行うことが極めて重要であ
る。
大きな水晶振動子の小型化をはかるうえで、水晶板の小
割加工を高精度で再現性よく行うことが極めて重要であ
る。
【0005】圧電性を示す室温で安定な水晶は、三方晶
系、点群32に属するα−石英で、旋光性によって分け
られる右水晶と左水晶の2種類がある。右あるいは左水
晶だけであっても天然産の水晶には双晶が多く存在し、
その弁別が振動子の価格を高くしている。水熱合成法で
育成された人工水晶ではその問題がなく、十分に採算が
とれている。573℃以上で、α−石英は六方晶系のβ
−石英に転移し、圧電性がなくなる。したがって水晶振
動子には、α−石英が用いられている。
系、点群32に属するα−石英で、旋光性によって分け
られる右水晶と左水晶の2種類がある。右あるいは左水
晶だけであっても天然産の水晶には双晶が多く存在し、
その弁別が振動子の価格を高くしている。水熱合成法で
育成された人工水晶ではその問題がなく、十分に採算が
とれている。573℃以上で、α−石英は六方晶系のβ
−石英に転移し、圧電性がなくなる。したがって水晶振
動子には、α−石英が用いられている。
【0006】水晶振動子の共振振動数や振動のモード
は、結晶のカットの方向や大きさに依存する。
は、結晶のカットの方向や大きさに依存する。
【0007】例えば、温度による周波数変動を微小にす
るために面法線が光軸と54°45’をなすように切り
出されているATカット板の共振周波数はほとんどその
厚みできまり、2cm角、0.5mm厚の薄片で約3M
Hzである。電極をATカット板の上面と下面の両面に
付け、交流電圧を印加すると励振する。
るために面法線が光軸と54°45’をなすように切り
出されているATカット板の共振周波数はほとんどその
厚みできまり、2cm角、0.5mm厚の薄片で約3M
Hzである。電極をATカット板の上面と下面の両面に
付け、交流電圧を印加すると励振する。
【0008】従来の水晶振動子の作成方法は以下のとう
りである。
りである。
【0009】(1)α−石英の結晶を振動子の使用目的
にあわせて切断(カット)する。
にあわせて切断(カット)する。
【0010】(2)所定の寸法に仕上げた水晶基板を脱
脂および強酸(王水等)で洗浄する。
脂および強酸(王水等)で洗浄する。
【0011】(3)水晶基板に、真空蒸着法により電極
を付ける。
を付ける。
【0012】(4)電極を付けた水晶基板を、必要な大
きさに分割切断する。この分割切断を“小割”と称す
る。
きさに分割切断する。この分割切断を“小割”と称す
る。
【0013】従来、水晶薄板の小割は、ブレードソーや
ワイヤーソーによって機械的に切断する手法によってな
されてきたが、さらに高精度な化学的加工技術として、
フォトリソグラフィーやフォトエッチングプロセスを用
いた小割技術が採用されている。
ワイヤーソーによって機械的に切断する手法によってな
されてきたが、さらに高精度な化学的加工技術として、
フォトリソグラフィーやフォトエッチングプロセスを用
いた小割技術が採用されている。
【0014】水晶薄板上に任意の電極形状のマスクをか
け、真空蒸着法により電極をつけた水晶基板にフォトレ
ジストを薄く塗布する。その上に写真のネガフィルムに
相当するマスクをのせて上から紫外線を照射(露光)す
る。フォトレジストには、光を照射した部分が変化し
て、現像液に可溶となるレジスト(ポジ型レジスト)
と、逆に照射した部分が不溶になる(ネガ型レジスト)
がある。ポジレジストの場合、現像およびベーク(焼き
付け)して露光した部分を除去してレジストの像を作
る。
け、真空蒸着法により電極をつけた水晶基板にフォトレ
ジストを薄く塗布する。その上に写真のネガフィルムに
相当するマスクをのせて上から紫外線を照射(露光)す
る。フォトレジストには、光を照射した部分が変化し
て、現像液に可溶となるレジスト(ポジ型レジスト)
と、逆に照射した部分が不溶になる(ネガ型レジスト)
がある。ポジレジストの場合、現像およびベーク(焼き
付け)して露光した部分を除去してレジストの像を作
る。
【0015】この状態で、水晶基板を適当な食刻液(エ
ッチャント)へ漬けるとレジストの下は溶け出さず、レ
ジストのないところが溶け出し、水晶基板がウエットエ
ッチングによって小割できる。
ッチャント)へ漬けるとレジストの下は溶け出さず、レ
ジストのないところが溶け出し、水晶基板がウエットエ
ッチングによって小割できる。
【0016】この化学的加工は、サブミクロンレベルの
加工技術であり、加工精度が従来の機械加工に比べて優
れている。また、任意の形状のレジストのマスクに従っ
て加工ができ、加工寸法が微細なため、水晶基盤の廃棄
率が少なくてすむ等の利点が上げられる。
加工技術であり、加工精度が従来の機械加工に比べて優
れている。また、任意の形状のレジストのマスクに従っ
て加工ができ、加工寸法が微細なため、水晶基盤の廃棄
率が少なくてすむ等の利点が上げられる。
【0017】このようなウエットエッチングによる小割
は、水晶振動子の製造工程の中で、最も化学的なプロセ
スであると同時に、もっとも経験的要素が必要とされ
る。いいかえると、化学的に説明しにくい技術的要素も
多く、製造現場での技術的知識やこつが蓄積している工
程である。小さな工夫、改良、わずかな薬品の添加が効
果を現し、一方で、制御が難しくなる。
は、水晶振動子の製造工程の中で、最も化学的なプロセ
スであると同時に、もっとも経験的要素が必要とされ
る。いいかえると、化学的に説明しにくい技術的要素も
多く、製造現場での技術的知識やこつが蓄積している工
程である。小さな工夫、改良、わずかな薬品の添加が効
果を現し、一方で、制御が難しくなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ウエットエッチングに
よる水晶振動子の小割加工の工程には時間がかかり、大
量の水晶振動子を製品化するうえで、その工程の短絡化
が望まれている。
よる水晶振動子の小割加工の工程には時間がかかり、大
量の水晶振動子を製品化するうえで、その工程の短絡化
が望まれている。
【0019】一般に水晶のエッチング液として、フッ酸
(HF)や重フッ化アンモン(NH4HF2)の水溶液が
使われており、これらと水晶とのエッチングは以下のよ
うな反応によってなされる。
(HF)や重フッ化アンモン(NH4HF2)の水溶液が
使われており、これらと水晶とのエッチングは以下のよ
うな反応によってなされる。
【0020】
【数1】SiO2+6HF→SiF6-+2H++2H2O SiO2+4HF→SiF4+2H2O SiO2+3NH4HF2→SiF6-+2H++3NH3+
2H2O 通常のエッチング工程における3種類のエッチング液
(50%HF、50%HF+30wt%NH4HF2、3
0wt%NH4HF2)について、エッチング液の温度に
対するエッチング速度の関係を図5に示した。
2H2O 通常のエッチング工程における3種類のエッチング液
(50%HF、50%HF+30wt%NH4HF2、3
0wt%NH4HF2)について、エッチング液の温度に
対するエッチング速度の関係を図5に示した。
【0021】図5から明らかなように、3種類のエッチ
ング液とも、エッチング速度がエッチング液の温度と比
例している。したがって、高温でエッチングすることに
よって、水晶振動子の小割に要する時間を短縮すること
が可能であるが、エッチング液の温度をあげることによ
って、その蒸発が顕著となり、開放系の場合、エッチン
グの液組性を均一に保つことができないという問題があ
る。
ング液とも、エッチング速度がエッチング液の温度と比
例している。したがって、高温でエッチングすることに
よって、水晶振動子の小割に要する時間を短縮すること
が可能であるが、エッチング液の温度をあげることによ
って、その蒸発が顕著となり、開放系の場合、エッチン
グの液組性を均一に保つことができないという問題があ
る。
【0022】飽和NH4HF2をエッチング液に用いた場
合、図6に示したように、エッチング速度はエッチング
液の温度が上昇するにつれて、指数関数的に増加する。
合、図6に示したように、エッチング速度はエッチング
液の温度が上昇するにつれて、指数関数的に増加する。
【0023】エッチング液組性の変化はエッチング速度
の変化につながり、大量生産の工程において、エッチン
グ条件の一定化をはかることができない。したがって、
液組性の変化が水晶振動子の小割の精度のばらつきの原
因となる。
の変化につながり、大量生産の工程において、エッチン
グ条件の一定化をはかることができない。したがって、
液組性の変化が水晶振動子の小割の精度のばらつきの原
因となる。
【0024】本発明は、上述した背景のもとになされた
ものであり、ウエットエッチングプロセスを用いて水晶
の小割加工を行う工程において、高温でのエッチング工
程におけるエッチング液組性の変動を抑さえ、かつエッ
チング速度を低下させないで安定した、バラツキの少な
い水晶振動子の小割加工方法を提供することを目的とす
る。
ものであり、ウエットエッチングプロセスを用いて水晶
の小割加工を行う工程において、高温でのエッチング工
程におけるエッチング液組性の変動を抑さえ、かつエッ
チング速度を低下させないで安定した、バラツキの少な
い水晶振動子の小割加工方法を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するため、請求項1記載の発明は、ウエットエッチング
法を用いた水晶振動子の小割加工方法において、水晶振
動子基板をエッチング用容器内のエッチング液内に浸漬
するとともに、前記エッチング用容器内を気密状態とし
て水晶振動子のエッチングを行うことを特徴とする水晶
振動子の小割加工方法を提供する。
するため、請求項1記載の発明は、ウエットエッチング
法を用いた水晶振動子の小割加工方法において、水晶振
動子基板をエッチング用容器内のエッチング液内に浸漬
するとともに、前記エッチング用容器内を気密状態とし
て水晶振動子のエッチングを行うことを特徴とする水晶
振動子の小割加工方法を提供する。
【0026】請求項2記載の発明は、請求項1記載の水
晶振動子の小割加工方法において、前記エッチング時に
エッチング溶液を加温することを特徴とする水晶振動子
の小割加工方法を提供する。
晶振動子の小割加工方法において、前記エッチング時に
エッチング溶液を加温することを特徴とする水晶振動子
の小割加工方法を提供する。
【0027】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の水晶振動子の小割加工方法において、前記エッチ
ング時に、溶液撹拌手段によって前記エッチング溶液を
撹拌することを特徴とする水晶振動子の小割加工方法を
提供する。
記載の水晶振動子の小割加工方法において、前記エッチ
ング時に、溶液撹拌手段によって前記エッチング溶液を
撹拌することを特徴とする水晶振動子の小割加工方法を
提供する。
【0028】ウエットエッチング技術は、エッチングさ
れる材料の状態に加えて、エッチング液の組性、温度、
撹拌などの因子に左右される。
れる材料の状態に加えて、エッチング液の組性、温度、
撹拌などの因子に左右される。
【0029】従来のような開放系での水晶振動子のエッ
チングでは、エッチング液の蒸発によってエッチング液
の組性が変化し、エッチング条件の一定化をはかること
ができなくなり、水晶振動子の小割の精度がばらつくと
いう問題点を、請求項第1項の発明によって、反応容器
を密閉することにより解決した。
チングでは、エッチング液の蒸発によってエッチング液
の組性が変化し、エッチング条件の一定化をはかること
ができなくなり、水晶振動子の小割の精度がばらつくと
いう問題点を、請求項第1項の発明によって、反応容器
を密閉することにより解決した。
【0030】恒温槽内に設置された密閉容器のエッチン
グ液の蒸気圧は、ランキン−デュプレの蒸気式から評価
できるように、昇温とともに増大する。したがって密閉
した反応溶液中で加圧下でのエッチングが行われ、圧力
効果が期待されうる。
グ液の蒸気圧は、ランキン−デュプレの蒸気式から評価
できるように、昇温とともに増大する。したがって密閉
した反応溶液中で加圧下でのエッチングが行われ、圧力
効果が期待されうる。
【0031】加圧状態下では、エッチング液の温度を容
易に昇温できることや重フッ化アンモンのフッ酸への溶
解量が増大することによって、その結果エッチング速度
も大きくなる。
易に昇温できることや重フッ化アンモンのフッ酸への溶
解量が増大することによって、その結果エッチング速度
も大きくなる。
【0032】また、加圧状態下でのエッチングをエッチ
ング溶液を撹拌させながら行うことにより、各水晶振動
子の小割がすべて一様になされ、かつエッチング溶液が
均一に反応に関与する。
ング溶液を撹拌させながら行うことにより、各水晶振動
子の小割がすべて一様になされ、かつエッチング溶液が
均一に反応に関与する。
【0033】尚、反応容器とエッチング溶液を予熱して
おくことにより、初期のエッチング速度を速めることが
できる。
おくことにより、初期のエッチング速度を速めることが
できる。
【0034】上記構成によって、フォトリソグラフィー
とウエットエッチングを用いた水晶振動子の小割を短時
間で精度良く、大量に加工される。
とウエットエッチングを用いた水晶振動子の小割を短時
間で精度良く、大量に加工される。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】図1に、実施例1の密閉系の反応容器によ
るウエットエッチングの装置を示した。
るウエットエッチングの装置を示した。
【0037】反応容器3に、HF(50%)溶液中にN
H4HF2を30wt%溶解したエッチング液2と水晶振
動子基板1を入れて密封し、80℃の恒温槽4中あるい
は温水7中に放置する。
H4HF2を30wt%溶解したエッチング液2と水晶振
動子基板1を入れて密封し、80℃の恒温槽4中あるい
は温水7中に放置する。
【0038】図2に実施例1のウエットエッチングによ
るエッチング時間と単位分あたりのエッチング深さを示
した。破線で示した従来の開放系のエッチング速度より
も、加圧容器中でのエッチング速度が、エッチング時間
が経過するにつれて大きくなることが判明した。
るエッチング時間と単位分あたりのエッチング深さを示
した。破線で示した従来の開放系のエッチング速度より
も、加圧容器中でのエッチング速度が、エッチング時間
が経過するにつれて大きくなることが判明した。
【0039】実施例1においては、加圧容器内にてエッ
チング液を撹拌してないので、水晶振動子基板の周辺の
液組性のみエッチングに作用し、他のエッチング溶液が
有効に寄与していないことが考えられる。
チング液を撹拌してないので、水晶振動子基板の周辺の
液組性のみエッチングに作用し、他のエッチング溶液が
有効に寄与していないことが考えられる。
【0040】そこで、本発明の実施例2では、図3に示
したように、加圧容器内でもエッチング液の撹拌が行え
るような装置とした。反応実験を遂行するうえで、撹拌
は重要な操作の一つであって、反応の円滑な進行を促
す。密封系の撹拌はマグネチックスタラーが非常に有効
である。
したように、加圧容器内でもエッチング液の撹拌が行え
るような装置とした。反応実験を遂行するうえで、撹拌
は重要な操作の一つであって、反応の円滑な進行を促
す。密封系の撹拌はマグネチックスタラーが非常に有効
である。
【0041】反応容器の底にテフロン被覆磁気回転子を
設置し、反応容器内にバスケット6を設け、バスケット
内に水晶振動子1を入れ、実施例1と同じエッチング液
2を加えて反応容器を密閉し、その密閉容器をスタンド
10を用いて温水中につり下げ、温水容器7の底に磁気
回転子8を設置し、ヒーターによって任意の温度に設定
した温水の恒温槽容器の下に設置したマグネチックスタ
ラー9で2つの磁気回転子を回転させることによって、
加圧下でエッチング溶液を撹拌させながら、水晶振動子
のエッチングを行う。
設置し、反応容器内にバスケット6を設け、バスケット
内に水晶振動子1を入れ、実施例1と同じエッチング液
2を加えて反応容器を密閉し、その密閉容器をスタンド
10を用いて温水中につり下げ、温水容器7の底に磁気
回転子8を設置し、ヒーターによって任意の温度に設定
した温水の恒温槽容器の下に設置したマグネチックスタ
ラー9で2つの磁気回転子を回転させることによって、
加圧下でエッチング溶液を撹拌させながら、水晶振動子
のエッチングを行う。
【0042】図4に実施例2のウエットエッチングによ
るエッチング時間と単位分あたりのエッチング深さを示
した。従来の開放系や実施例1のエッチング速度より
も、加圧容器中でかつエッチング液を撹拌した実施例2
によるエッチング速度が、エッチング時間が経過するに
つれて大きくなることが実証された。
るエッチング時間と単位分あたりのエッチング深さを示
した。従来の開放系や実施例1のエッチング速度より
も、加圧容器中でかつエッチング液を撹拌した実施例2
によるエッチング速度が、エッチング時間が経過するに
つれて大きくなることが実証された。
【0043】図2および図4から、実施例1と実施例2
のエッチング速度は、エッチング開始後の数分間の範囲
では、従来例よりもエッチング速度が遅いが、容器やエ
ッチング液を予熱することによって、これを解決するこ
とができる。
のエッチング速度は、エッチング開始後の数分間の範囲
では、従来例よりもエッチング速度が遅いが、容器やエ
ッチング液を予熱することによって、これを解決するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、以下に述べ
るような種々の効果を奏する。
るような種々の効果を奏する。
【0045】(1)密閉容器中であるので、蒸発による
液組性の変化を防ぐことができる。
液組性の変化を防ぐことができる。
【0046】(2)加圧状態下では、エッチング液の温
度を容易に高くすることができるので、短時間でエッチ
ング液の温度が上昇でき、かつエッチング速度も速くす
ることができる。
度を容易に高くすることができるので、短時間でエッチ
ング液の温度が上昇でき、かつエッチング速度も速くす
ることができる。
【0047】(3)エッチング液組性としてHF(50
%)溶液中に重フッ化アンモン(NH4HF2)を飽和量
溶解した液を用いているが、加圧状態下では重弗化アン
モンの溶解量を増すことができる。重フッ化アンモンの
溶解量が増すほどエッチング速度は一般に高くなり、加
圧容器内でのエッチング速度をより速めることができ
る。
%)溶液中に重フッ化アンモン(NH4HF2)を飽和量
溶解した液を用いているが、加圧状態下では重弗化アン
モンの溶解量を増すことができる。重フッ化アンモンの
溶解量が増すほどエッチング速度は一般に高くなり、加
圧容器内でのエッチング速度をより速めることができ
る。
【0048】(4)ウエットエッチングによる水晶振動
子の小割加工を、密閉系の加圧溶液中にて行うことによ
り、液組性の変動を抑さえ、安定した、バラツキの少な
いエッチングができ歩留まりがよくできる。
子の小割加工を、密閉系の加圧溶液中にて行うことによ
り、液組性の変動を抑さえ、安定した、バラツキの少な
いエッチングができ歩留まりがよくできる。
【0049】(5)加圧容器中のエッチング液の撹拌を
行うことにより、さらにエッチング速度を高めることが
できる。
行うことにより、さらにエッチング速度を高めることが
できる。
【0050】(6)加圧容器とエッチング液を予熱して
おくことにより、エッチング段階初期における加熱に要
する時間を短縮化することができる。
おくことにより、エッチング段階初期における加熱に要
する時間を短縮化することができる。
【図1】実施例1の密閉系の加圧容器によるウエットエ
ッチング装置図である。
ッチング装置図である。
【図2】実施例1によるエッチング時間とエッチング深
さの相関図である。
さの相関図である。
【図3】実施例2の密閉系の加圧容器でエッチング溶液
が撹拌できるウエットエッチング装置図である。
が撹拌できるウエットエッチング装置図である。
【図4】実施例2によるエッチング時間とエッチング深
さの相関図である。
さの相関図である。
【図5】3種のエッチング液によるエッチングの時間と
水晶のエッチング深さの相関図である。
水晶のエッチング深さの相関図である。
【図6】飽和重フッ化アンモン溶液によるエッチング時
間と水晶のエッチング深さの相関図である。
間と水晶のエッチング深さの相関図である。
1…水晶振動子基板 2…エッチング溶液 3…密閉容器 4…恒温槽 5…ヒーター 6…バスケット 7…温水 8…回転子 9…マグネチックスターラー 10…スタンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽場 方紀 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内
Claims (3)
- 【請求項1】 ウエットエッチング法を用いた水晶振動
子の小割加工方法において、 水晶振動子基板をエッチング用容器内のエッチング液内
に浸漬するとともに、前記エッチング用容器内を気密状
態として水晶振動子のエッチングを行うことを特徴とす
る水晶振動子の小割加工方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の水晶振動子の小割加工方
法において、 前記エッチング時にエッチング溶液を加温することを特
徴とする水晶振動子の小割加工方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の水晶振動子の小
割加工方法において、 前記エッチング時に、溶液撹拌手段によって前記エッチ
ング溶液を撹拌することを特徴とする水晶振動子の小割
加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25795093A JPH07115336A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 水晶振動子の小割加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25795093A JPH07115336A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 水晶振動子の小割加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07115336A true JPH07115336A (ja) | 1995-05-02 |
Family
ID=17313473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25795093A Pending JPH07115336A (ja) | 1993-10-15 | 1993-10-15 | 水晶振動子の小割加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07115336A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009233114A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Fujifilm Corp | 内視鏡洗浄消毒装置 |
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1993
- 1993-10-15 JP JP25795093A patent/JPH07115336A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009233114A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Fujifilm Corp | 内視鏡洗浄消毒装置 |
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