JPH06167624A - 光学結晶基板もしくはその基板上の薄膜にリッジ型を作製する方法 - Google Patents

光学結晶基板もしくはその基板上の薄膜にリッジ型を作製する方法

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JPH06167624A
JPH06167624A JP27077092A JP27077092A JPH06167624A JP H06167624 A JPH06167624 A JP H06167624A JP 27077092 A JP27077092 A JP 27077092A JP 27077092 A JP27077092 A JP 27077092A JP H06167624 A JPH06167624 A JP H06167624A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パターン精度が高く、伝搬損失が低いリッジ
型の導波路の作製技術を開発すること。 【構成】 光学単結晶基板もしくはその基板上に形成し
た薄膜上に、フォトレジストを塗布してレジストパター
ンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、チ
ャンバー内において不活性ガスプラズマによるドライエ
ッチングを行うことによりリッジ型を作製するに当た
り、このドライエッチングの処理を、上記チャンバー内
に不活性ガス流し込む前の該チャンバー内の圧力を10-2
Pa未満とし、一方、そのチャンバー内に不活性ガスを
流した後の, このチャンバー内の圧力を7×10-2Pa以
上として行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学単結晶基板もしく
はその基板上に形成した薄膜の少なくとも一部に、リッ
ジ型を作製する方法に関し、特にリッジ型光導波路を作
製する際に有利に適用される技術についての提案であ
る。
【0002】
【従来の技術】光学単結晶基板やその基板上に形成され
た薄膜上にリッジ型を作製するには、一般に、TaやA
l,Cr,Tiなどの金属、あるいはフォトレジストを使っ
てマスクパターンを形成する工程、RIE法, RIB
E法, あるいはイオンビームエッチング法などにより、
ドライエッチングを行う工程、を経るのが普通である。
【0003】すなわち、最も一般的なリッジ型の作製方
法は、図1に示すように、光学単結晶基板1(図1a)
もしくはその基板上に形成した薄膜(図示せず)に、フ
ォトレジスト3を塗布し(図1b)、次いで紫外線によ
る露光および現像を行ってレジストパターン3aを形成し
(図1c)、その後、真空蒸着法あるいはスパッタ法に
よりAl等の金属膜2を被成し(図1d)、最後に、この
基板をアセトン、トリクレン等の有機溶剤に浸漬して前
記レジストパターン3aとともにその上のAl等の金属箔2
を剥離することにより、Al金属パターン2aを形成する
(図1e)方法である。このような一連の工程からなる
リフトオフ法と呼ばれているこの一般的方法は、パター
ン転写を2回行うことになるために、工程が長くなり、
いわゆる金属マスクパターンの精度が悪いという問題点
があった。
【0004】このような問題点を解決するために、特開
昭54−158870号公報に記載のような方法が提案
されている。この従来方法は、光学単結晶基板上1にAl
等の金属を真空蒸着法あるいはスパッタリング法などの
手段を用いて形成し(図2b)、次に、このようにして
得られたAl等の金属2上にフォトレジスト3によるパタ
ーンを形成し(図2c)、最後に、エッチング液による
ウェットエッチングを行うことにより、Al等の金属マス
クパターン2aを残し(図2d)、その後この金属マスク
パターン2aをマスクとしてリッジ部1aを形成する方法で
ある。しかしながら、ウェットエッチングを採用してい
るこの従来方法の場合、これが等方的なエッチングであ
るために、レジストパターンが正確に転写されず、その
ために金属マスクパターン2aの精度が悪いという問題点
が依然として残っていた。
【0005】また、特開平4−104233号公報にて
提案された従来方法では、フォトレジスト膜3を光学単
結晶基板上1に塗布し(図3b)、紫外線による露光お
よび現像を行ってレジストパターン3aを形成し(図3
c)、このレジストパターンを直接、マスクとしてリッ
ジ部1aを形成する(図3d)方法である。この従来方法
によれば、マスクパターンの形成に時間的な無駄がない
という利点があった。しかしながら、この方法の場合、
RIE法によるドライエッチング工程において、反応性
ガスを使用しなければならず、この反応性ガスがフォト
レジストや、被エッチング物と反応しやすいためにデポ
ジション(再付着)が生じるという問題点があった。従
って、この従来方法では、反応ガス圧, 基板温度, 投入
電力などの制御を充分行う必要があった。しかも、この
方法においてRIE法によりドライエッチングする場合
については、レジストのエッチングレートが、反応ガス
圧力の微妙な違いにより大きく変化するため、レジスト
のエッチングレートを制御するのが困難であった。
【0006】さらに、特開昭54−6570号公報に開
示された方法もある。この従来方法は、基板1上にLiNb
O3薄膜4を形成し、この薄膜4上に金属2をフォトレジ
スト3, 3’で挟んだ3層構造のマスクを用いる(図4
a)方法であり、イオンビームエッチングによってLiNb
O3薄膜のリッジ部1aを形成している。この従来方法
は、上述したRIE法とは異なり、イオンビームエッチ
ングによりドライエッチングしているために、レジスト
と光学単結晶基板もしくはその基板上の薄膜とのエッチ
ングレート比が良く、しかもレジストのエッチングレー
トも安定しているという特長がある。しかしながら、こ
の従来方法の下で採用しているイオンビームエッチング
は、イオンビームがガウス分布するために試料固定位置
におけるエッチングレート比に均一性がなく、そのため
に、任意の段差を作製しにくいという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
光学単結晶基板もしくはその基板上に形成した薄膜にリ
ッジ型を作製する際に行う従来ドライエッチングの方法
としては、RIE法およびイオンビームエッチング法は
ともに不適当であることが判った。このようなドライエ
ッチングの方法に関して、従来技術が抱えている上述し
た問題点に対して、発明者らは、プラズマエッチング法
に着目し、その適用を検討した。この検討を行う中で発
明者らは、パターン精度向上のために、フォトレジスト
自身をマスクとする場合、従来のプラズマエッチング条
件では、このフォトレジストが灰化してしまうという重
大な問題点のあることが判った。
【0008】そこで、このような問題点を解決するため
に種々の試験を行った。その結果、この灰化の原因は、
反応域内の酸素分圧の適・不適にあることを突き止めた
のである。すなわち、従来の条件では、不活性ガスをチ
ャンバー内に流し込む前の圧力は10-2〜10-1Pa程度で
ある。ところが、この程度の減圧では、チャンバー内に
残留する酸素の分圧が意外に高く、それ故に、フォトレ
ジストの灰化(ashing)が起こることを知見するに至っ
た。本発明の目的は、上述したような各従来技術が抱え
ているエッチング不良に伴う問題点を解消し、エッチン
グレート比の均一性が高くできて、パターン精度が良
く、そして低伝搬損失のリッジ型を有利に作製する方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】さて、前述の目的を実現
するために、さらに鋭意研究を行った結果、発明者ら
は、フォトレジストをマスクとして直接用いた場合、あ
る条件下で不活性ガスプラズマによるドライエッチング
を行えば、マスクと光学材料とのエッチングレート比が
良く、かつレジストのエッチングレートが安定していて
均一性の高いものが得られること見い出した。
【0010】すなわち、前述のある条件とは、チャンバ
ー内に残留する酸素の分圧を低減させた状態で不活性ガ
スプラズマによりドライエッチングを行うことである。
とくに、本発明では、光学単結晶基板もしくはその基板
上に形成した薄膜上にフォトレジストを塗布し、紫外線
による露光および現像によってレジストパターンを形成
し、このレジストパターンをマスクとして、チャンバー
内において不活性ガスプラズマによるドライエッチング
を行うことによりリッジ型を作製する方法において、、
このドライエッチングの処理を、上記チャンバー内に不
活性ガスを流し込む前の該チャンバー内圧力を10-2Pa
未満とし、また、このチャンバー内に不活性ガスを流し
た後の該チャンバー内圧力を7×10-2Pa以上として、
行うことを特徴とする光学結晶基板もしくはその基板上
の薄膜にリッジ型を作製する方法を要旨構成とする方法
である。なお、前記不活性ガスとしては、NeやAr、Kr、
Xeなどが使用可能であるが、とりわけArガスは安価で入
手しやすいので好ましいガスである。
【0011】
【作用】本発明では、チャンバー内に不活性ガスを流し
込む前の圧力を10-2Pa未満とすることが必要であり、
好ましくは10-3Pa以下がよく、そして、10-7〜9×10
-4Paにコントロールすることがより好適である。この
理由は、10-2Pa以上の圧力では、チャンバー内の酸素
分圧が、本発明が要求しているレベルよりも高く、その
ためにフォトレジストが灰化され、レジストのエッチン
グレートが大きくなるからである。
【0012】次に、不活性ガスをチャンバー内に流して
からの, このチャンバー内の圧力としては、7×10-2
a以上とすることが必要であり、好ましくは90Pa以
下、そして1×10-1Pa〜1Paにすることがより好適
である。この理由は、7×10-2Pa未満では、不活性ガ
ス分圧が小さすぎてエッチングできず、90Paを超える
と、プラズマを発生させにくいからである。
【0013】また、エッチング時の基板温度は、25〜13
0 ℃とすることが望ましい。この理由は、130 ℃を超え
る温度では、灰化が促進されてしまい、一方、25℃未満
ではプラズマが発生しないためである。
【0014】本発明において、使用する光学単結晶基板
およびこの基板上に形成した薄膜とは、ニオブ酸リチウ
ム基板およびタンタル酸リチウム基板、あるいはタンタ
ル酸リチウム基板の上に形成されたニオブ酸リチウム薄
膜が好適である。これらのものに限定して使用する理由
は、これらの材料は電気光学定数や非線形光学定数が大
きく、光学デバイスとして有用な材料だからである。な
お、これらの結晶には、Ti拡散やプロトン交換などの
処理が施されていてもよい。
【0015】ドライエッチング処理時の不活性ガスプラ
ズマの強度は、単位体積(電極の面積×電極とターゲッ
トの距離)あたりの投入電力で表記すると、1×102
1×106 W/m3 であり、より望ましくは、1×104
1×105 W/m3 である。このようなプラズマ強度にコ
ントロールする理由は、1×102 W/m3 未満では、エ
ッチング速度が低下して生産性が低下してしまう。逆に
1×106 W/m3 を超えると、エッチング速度が大きく
なりすぎ、基板とフォトレジストのエッチングレートの
比率を制御ができなくなるからである。
【0016】本発明において使用されるフォトレジスト
としては、特に限定されるものではないが、環化ゴム
系、ノボラック系の樹脂、たとえばポリイソプレンの環
化物とビスアジド化合物又は、クレゾールノボラック樹
脂とナフトキノンジアジド化合物などを用いることがで
きる。
【0017】上述した本発明にかかるるリッジ型作製方
法によれば、レジストと光学単結晶基板もくはその基板
上に形成した薄膜とのエッチングレート比が良く、かつ
レジストのエッチングレートも安定しており、その上、
エッチングレートの均一性も良いことから、パターン精
度を向上させることができる。この理由としては、CF
4 、CCl4 等の活性ガスを用いるRIE法とは異な
り、不活性ガスプラズマによるスパッタ現象を利用して
エッチングを行うからだと考えられる。
【0018】なお、本発明において、上記パターン精度
とは、リッジ幅、リッジ高さの所望の値とのずれを意味
し、かつリッジ部の側壁の荒れの程度を指す。リッジ部
の側壁の荒れが大きい程、伝搬損失が低下する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図5に基づいてさら
に詳細に説明する。 (実施例1) (1) 41.08 mmφ、厚さ1mmのLiTaO3単結晶基板5の(0
001)面を光学研磨した後、液相エピタキシャル成長
法により、LiNbO3単結晶薄膜6を6μmの膜厚でエピタ
キシャル成長させた。この処理は、Na2CO3:20モル%,
Li2CO3:30モル%, V2O5:40モル%, Nb2O5 :10モル
%,MgO をLiNbO3に対して2モル%添加した混合物を白
金ルツボに入れ、エピタキシャル成長育成装置中の空気
雰囲気下で1100℃まで加熱してルツボの内容物を溶解
し、得られたその溶融体を1時間当り60℃の冷却速度で
939℃まで徐冷した。上述のようにして得られた溶融体
中に上記LiTaO3基板5を、回転(50 rpm)させながら5分
間浸漬したのち、そのLiTaO3基板5を溶融体から引き上
げ、さらにこの溶融体上にて回転数1000rpm で30秒間回
転させて溶融体を振り切ったのち、定温まで徐冷した。
このようにしてLiTaO3基板5上に約6μmの厚さのLiNb
O3単結晶薄膜6を作製した。なお、上記LiTaO3単結晶基
板5とLiNbO3単結晶薄膜6のa軸の格子定数はともに5.
154 Åで両者は略一致していた。得られたこの薄膜を、
光学研磨して4μm厚の薄膜とした。この光学研磨は、
定盤に人造皮革、砥粒粒径 500Åのコロイダルシリカを
用いた。
【0020】(2) 次に、前述のようにして作製された薄
膜6(図5a)上に、フォトレジスト3(東京応化株式
会社製)を塗布した(図5b)。レジストの厚みは 1.6
μmとした。そして、フォトリソグラフィ技術を用い、
パターン幅10μmのレジストパターン3aを作製した(図
5c)。得られたレジストパターン3aをマスク材とし、
Arガスプラズマによるドライエッチングを行った。この
ドライエッチングの処理は、Arガスを流す前のチャンバ
ー内の圧力を、4.03×10-4Paとし、Arガスを流した後
のチャンバー内の圧力を6.06×10-1Paとし、また、R
Fパワーを 200Wとして行った。ドライエッチング終了
後、薄膜リッジ部上に残ったレジストパターン3a(図5
d)をトリクレンで除去した(図5e)。このようにし
て得られたリッジ部1aの段差は 1.0μmであった。レジ
ストとLiNbO36 とのエッチングレート比は1:1であっ
た。なお、この段差は、LiNbO36のエッチングレートを
予め測定しておくことにより得た。 (3) こうして作製したリッジ型導波路のパターン側面は
極めて平滑であった。得られたリッジ型光導波路に対し
て垂直に端面研磨を施して、波長1.55μmのレーザーに
対する伝搬損失をカットバック法により測定したとこ
ろ、0.8 dB/cmであった。
【0021】(実施例2) (1) 基本的には実施例1と同じ本発明法に従うリッジ型
作製方法により、リッジ型Ti拡散光導波路を作製した。
即ち、スパッタ法により、TiをLiNbO3基板上に形成した
のち熱拡散させた。この時のTi膜は 900Å、拡散温度は
1000℃、拡散時間は10時間とした。 (2) このようにして作製したたTi拡散LiNbO3基板上に、
フォトレジスト3(東京応化株式会社製) を塗布した。
レジスト厚は 1.9μmである。次に、フォトリソグラフ
ィ技術を用い、パターン幅5μmのレジストパターン3a
を作製した。得られたレジストパターン3aをマスク材と
し、Arガスプラズマによるドライエッチングを行った。
このドライエッチングに当たっては、Arガスを流す前の
チャンバー内の圧力を8.36×10-5Paとし、Arガスを流
した後のチャンバー内の圧力を、4.83×10-1Paとし、
そして、RFパワーは 300Wとした。その後、ドライエ
ッチングを終了してからリッジ部上に残ったレジストパ
ターン3aをトリクレンで除去した。なお、リッジ部1aの
段差は 1.5μmであった。 (3) このようにして得られたリッジ型導波路のパターン
側面は極めて平滑であった。得られたリッジ型光導波路
に対して垂直に端面研磨を施して、波長1.55μmのレー
ザーに対する伝搬損失をカットバック法により測定した
ところ、1dB/cm以下であった。
【0022】(実施例3) (1) 基本的には実施例1と同じ本発明に従うリッジ型作
製方法により、リッジ型プロトン交換光導波路を作製し
た。実施例1との違いは、LiNbO3基板を、H4P2O4(ピロ
燐酸)に浸漬し、浸漬温度: 210℃、浸漬時間:1時
間、アニール温度:300 ℃、アニール時間:1時間の処
理を行った点にある。 (2) このようにして作製したプロトン交換LiNbO3基板上
に、フォトレジスト3(ヘキストジャパン製) を塗布し
た。レジスト厚は、 2.3μmである。次に、フォトリソ
グラフィ技術を用い、パターン幅7μmのレジストパタ
ーン3aを作製した。得られたレジストパターン3aをマス
ク材とし、Arガスプラズマによるドライエッチングを行
った。このドライエッチングに当たっては、Arガスを流
す前のチャンバー内の圧力を8.92×10-4Paとし、Arガ
スを流した後のチャンバー内の圧力を、1.06Paとし、
そしてRFパワーは 400Wとした。ドライエッチング終
了後、リッジ部上に残ったレジストをトリクレンで除去
した。リッジ部1aの段差は 2.0μmであった。 (3) このようにして作製したリッジ型導波路のパターン
側面は極めて平滑であった。得られたリッジ型光導波路
に対して垂直に端面研磨を施して、波長1.55μmのレー
ザーに対する伝搬損失をカットバック法により測定した
ところ、1dB/cm以下であった。
【0023】(実施例4) (1) 基本的には実施例3と同じ本発明に従うリッジ型作
製方法によって、リッジ型プロトン交換光導波路を作製
した。実施例3と異なる点は、基板にLiTaO3基板5を用
いたことである。即ち、LiTaO3基板をH4P2O4(ピロ燐
酸)に浸漬し、浸漬温度:250 ℃、浸漬時間:1.5 時
間、アニール温度:300 ℃、アニール時間:1時間の処
理を行った。 (2) このようにして作製したプロトン交換LiTaO3基板5
上に、フォトレジスト3(ヘキストジャパン製) を塗布
した。レジスト厚は 2.2μmであった。次に、フォトリ
ソグラフィ技術を用い、パターン幅7μmのレジストパ
ターン3aを作製した。得られたレジストパターン3aをマ
スク材とし、Arガスプラズマによるドライエッチングを
行った。このとき、Arガスを流す前のチャンバー内の圧
力は、7.04×10-4Paとし、Arガスを流した後のチャン
バー内の圧力は、9.83×10-1Paとした。なお、RFパ
ワーは 400Wとした。ドライエッチング終了後、リッジ
部上に残ったレジスト3をトリクレンで除去した。リッ
ジ部の段差は2.0μmであった。 (3) このようにして作製したリッジ型導波路のパターン
側面は極めて平滑であった。得られたリッジ型光導波路
に対して垂直に端面研磨を施して、波長1.55μmのレー
ザーに対する伝搬損失をカットバック法により測定した
ところ、1dB/cm以下であった。
【0024】(比較例1)TiをマスクとしてArガスプラ
ズマによるドライエッチングを、LiTaO3基板上のLiNbO3
薄膜に施した。即ち、実施例1と同様にして得られた薄
膜上に、リフトオフ法を用い、パターン幅10μmのTiパ
ターンを作製した。得られたTiパターンをマスク材と
し、Arガスプラズマによるドライエッチングをを行っ
た。Arガスを流す前のチャンバー内の圧力は、5.08×10
-4Paであり、Arガスを流した後のチャンバー内の圧力
は6.32×10-1Paである。また、RFパワーは 200Wと
した。ドライエッチング終了後、リッジ部上に残ったレ
ジストをトリクレンで除去した。リッジ部の段差は1.0
μmであった。得られたリッジ型光導波路の側面にはか
なりの荒れが認められた。得られたリッジ型光導波路に
対して垂直に端面研磨で施した波長1.55μmのレーザー
に対する伝搬損失をカットバック法により測定したとこ
ろ、3.8 dB/cmであった。以上のようにして得られたリ
ッジ型導波路について、パターン精度を表1に列記し
た。このパターン精度は、マスクの開口幅をL、マスク
パターン幅をL’とした時、L’/Lと定義した。
【0025】
【表1】
【0026】(比較例2)不活性ガスをチャンバー内に
流し込む前のチャンバー内の圧力を10-2Pa以上とした
ドライエッチングを行った。すなわち、実施例1と同様
にして得られた薄膜上に、フォトレジスト(ヘキストジ
ャパン製)を塗布した。レジスト厚は 1.7μmであっ
た。次に、フォトリソグラフィ技術を用い、パターン幅
10μmのレジストパターンを作製した。得られたレジス
トパターンをマスク材とし、Arガスプラズマによるドラ
イエッチングを行った。Arガスを流す前のチャンバー内
の真空度は8.92×10-1Paであり、Arガスを流した後の
チャンバー内の真空度は4.38Paであった。また、RF
パワーは 200Wである。ところが、リッジ高さ1.0 μm
が得られる前に、レジストがなくなってしまい、導波路
上部にエッチングによる荒れが見られた。
【0027】(比較例3)不活性ガスをチャンバー内に
流した後のチャンバー内の圧力を7×10-2Pa以下でド
ライエッチングを試みた。すなわち、実施例1と同様に
して得られた薄膜上に、フォトレジスト(ヘキストジャ
パン製)を塗布した。レジスト厚は 1.7μmであった。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、パターン幅10μ
mのレジストパターンを作製した。得られたレジストパ
ターンをマスク材として、Arガスプラズマエッチングを
試みた。Arガスを流す前のチャンバー内の真空度は6.24
×10-4Paであり、Arガスを流した後のチャンバー内の
真空度は6.82×10-2Paであった。また、RFパワーは
200 Wである。ところが、Arガスプラズマが発生せず、
エッチング不可能であった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マ
スクとして直接、フォトレジストを用いているため、無
駄な時間を費やすことなくマスクパターンが形成でき
る。また、レジストと光学単結晶基板もしくはその基板
上の薄膜とのエッチングレート比も良いため、レジスト
膜厚が薄くて良い。その結果、パターン精度の良いマス
クパターンが形成できる。また、ドライエッチングを行
う工程においても、不活性ガスプラズマによるスパッタ
現象を利用したエッチングのため、レジストのエッチン
グレートが安定しており、かつエッチングレートに均一
性がある。その結果、パターン精度の良いリッジ型が作
製可能となる。従って、本発明によるリッジ型作製方法
を用い、例えばリッジ型光導波路を作製すると、リッジ
部のパターン精度が良く、且つリッジ部の側壁の荒れも
解消できるため、低伝搬損失のリッジ型光導波路とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4は、リフトオフ法によってリッジ型を作製
する一般的な方法の工程図である。
【図2】図2は、金属をマスクとしてイオンビームエッ
チングにより、リッジ型を作製する従来の工程図であ
る。
【図3】図3は、フォトレジストをマスクとしてRIE
法により、リッジ型を作製する従来の工程図である。
【図4】図4は、金属をフォトレジストでサンドイッチ
する三層構造をマスクとして、イオンビームエッチング
により、リッジ型を作製する従来の工程図である。
【図5】図5は、本発明によるリッジ型作製方法を示す
工程図である。
【図6】図6は、本発明製造方法で得られた光学結晶基
板リッジ部の電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、従来技術の製造方法で得られた光学結
晶基板リッジ部の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 光学単結晶基板 1a リッジ部 2 金属 2a 金属パターン 3 フォトレジスト 3a レジストパターン 4 光学単結晶薄膜 5 LiTaO3基板 6
LiNbO3単結晶薄膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】図1は、リフトオフ法によってリッジ型を作製
する一般的な方法の工程図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】図6は、本発明製造方法で得られた光学結晶基
板リッジ部における光学結晶構造の電子顕微鏡写真であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】図7は、従来技術の製造方法で得られた光学結
晶基板リッジ部における光学結晶構造の電子顕微鏡写真
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学単結晶基板もしくはその基板上に形
    成した薄膜上にフォトレジストを塗布し、紫外線による
    露光および現像によってレジストパターンを形成し、こ
    のレジストパターンをマスクとして、チャンバー内にお
    いて不活性ガスプラズマによるドライエッチングを行う
    ことによりリッジ型を作製する方法において、 このドライエッチングの処理を、上記チャンバー内に不
    活性ガスを流し込む前の該チャンバー内圧力を10-2Pa
    未満とし、また、このチャンバー内に不活性ガスを流し
    た後の、該チャンバー内圧力を7×10-2Pa以上とし
    て、行うことを特徴とする光学結晶基板もしくはその基
    板上の薄膜にリッジ型を作製する方法。
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