JPH0711494A - アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法 - Google Patents

アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法

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JPH0711494A
JPH0711494A JP17993293A JP17993293A JPH0711494A JP H0711494 A JPH0711494 A JP H0711494A JP 17993293 A JP17993293 A JP 17993293A JP 17993293 A JP17993293 A JP 17993293A JP H0711494 A JPH0711494 A JP H0711494A
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純 川口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミホイールの素材の光輝性を保持し、か
つ塗装後の耐食性(特に糸錆耐食性)並びに密着性に優
れたアルミホイールのクロメート皮膜形成方法を提供。 【構成】 アルミホイールを6価クロムイオン2g/l
以上、硫酸イオン20〜2000ppm及びフッ素10
〜400ppmを含有するpH0.6〜1.7の酸性水
溶液中に浸漬し、該アルミホイールが該酸性水溶液中に
全没してから0.5〜15A/dm2の電流密度で4秒
以上陰極電解処理し、通電終了後1〜300秒経過して
から該酸性水溶液から取り出すことを特徴とするアルミ
ホイールの無色クロメート皮膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミホイールの塗装
前処理方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】アルミニウム又はアルミニウム合金の表面
処理方法としては、陽極酸化(アルマイト法)、着色処
理、化学皮膜処理(反応クロメート法、MBV法、ベー
マイト法等)が一般に知られている。アルミホイールを
塗装する場合、耐食性及び塗装密着性の向上のため塗装
前処理として反応クロメート処理、ノンクロメート処理
(有機金属塩皮膜等)、陽極酸化皮膜処理が施されてい
る。
【0003】アルミホイールの光輝性を生かしたクリヤ
ー塗装用前処理を考えた場合、ノンクロメート処理(有
機金属塩皮膜)では耐食性が不足しており、陽極酸化膜
では耐食性は良好であるが皮膜量が多く光沢が無くなる
ため、素材の光輝性を重視したクリヤー塗装用の前処理
としては不向きである。反応クロメート皮膜は優れた耐
食性を有しているが、無色の皮膜外観を求められた場
合、クロム付着量が10mg/m2以下に制限されるた
め糸錆耐食性が不足する。糸錆とは、金属表面の塗膜を
通して水が金属表面に侵入して局部的に電解腐食を起こ
し幅0.1〜0.5mm程度のミミズ這い状の錆が経時
と共に進行して行く状態を言う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにアルミホ
イールの素材の光輝性を保持し、且つ塗装後の耐食性並
びに密着性に満足できる前処理方法はまだ見いだされて
いない。本発明の目的はアルミホイール素材の光輝性を
保持し、且つ塗装後耐食性(特に糸錆耐食性)、密着性
に優れた前処理皮膜を形成する前処理方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成する為に鋭意研究を重ねた結果、アルミホイールを
特定した濃度の6価クロムイオン、硫酸イオン及びフッ
素イオンを含有し、かつ特定したpHに調整した酸性水
溶液中で、特定の電解方法で陰極電解処理することによ
り前記目的に適応した無色のクロメート皮膜を得ること
が出来ることを見いだし、かつ該皮膜は塗装後糸錆耐食
性、塗料密着性に優れている事を見いだして本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、アルミホイールを6
価クロムイオン2g/l以上、硫酸イオン20〜200
0ppm及びフッ素10〜400ppmを含有するpH
0.6〜1.7の酸性水溶液中に浸漬し、該アルミホイ
ールが該酸性水溶液中に全没してから0.5〜15A/
dm2の電流密度で4秒以上陰極電解処理し、通電終了
後1〜300秒経過してから該酸性水溶液から取り出す
ことを特徴とするアルミホイールの無色クロメート皮膜
形成方法を提供する。以下本発明の構成について具体的
に説明する。
【0007】まず、酸性水溶液を構成する各成分につい
て説明する。6価クロムイオンとしては、無水クロム
酸、重クロム酸、及び重クロム酸のアルカリ金属塩類な
どがあげられ、それらの化合物から任意に1種又は2種
以上を選んで使用でき、その濃度範囲は2〜50g/l
である。6価クロムイオン濃度が2g/l未満では、十
分な耐食性を有するクロメート皮膜が得られず、50g
/lを越えても性能上は問題ないが、排水処理等の負担
がかかり不経済である。また、電解処理を行うにつれ
て、3価のクロムイオンが増加するが、本発明を実施す
るに当たり、皮膜性能上3価のクロムイオンの濃度は影
響が少ないので、特に3価のクロムイオンについては限
定範囲を設ける必要がない。
【0008】硫酸イオンとしては、硫酸、硫酸のアルカ
リ金属塩類が使用でき、その濃度範囲は20〜2000
ppmである。その濃度が20ppm未満では、無色の
クロメート皮膜が形成されない。又、2000ppmを
越えると、クロム付着量が減少し耐食性が低下するので
好ましくない。
【0009】フッ素はフッ素イオン及び/又は、錯フッ
素イオンの形で存在し、フッ素イオンの供給源として
は、例えばフッ化水素酸、錯フッ素イオンの供給源とし
てはケイフッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸、ホウフ
ッ化水素酸等から任意に選んで使用することができる
が、ジルコンフッ化水素酸をもちいるのがより好まし
い。フッ素としての濃度範囲は10〜400ppmであ
る。10ppm未満では塗装後耐食性に優れたクロメー
ト皮膜を形成せず、400ppmを越えると、電解によ
るクロメート皮膜形成を抑制するので、所望するクロム
付着量が得難くなり、比較的少ないクロム付着量でも皮
膜が着色してしまう為、クリヤー塗装用として不適当で
ある。
【0010】酸性水溶液のpHはその値を0.6〜1.
7の範囲に限定する。pHをコントロールするために
は、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アル
カリ金属炭酸化合物、クロム酸及び硫酸等より任意に選
んで水溶液に加えることが出来る。pHが0.6未満で
も塗装性能上は問題ないが、陰極電解処理することによ
り処理液のpHが上昇するため、工業生産上常時pH調
整が必要となり維持すること及びコントロールすること
が困難である。pHが1.7を越えるとクロメート皮膜
付着量が急激に減少し、適性クロム付着量を得るのが困
難となる。
【0011】処理液の温度は特定するものではないが、
電解による皮膜析出反応を一定条件で行うために、30
℃〜60℃の範囲から選ばれた温度で一定に維持するこ
とが必要である。ここで、30℃以下では電解による発
熱があるため温度維持に冷却が必要となり工業生産的に
は不経済である。また、60℃より高くしても、生成す
る皮膜の特性に大きな変化はないが、電解処理後、次の
水洗工程に移行する間に被処理物に処理液が付着したま
ま乾いてしまい、水洗工程での洗浄性を低下させるので
好ましくない。
【0012】次に電解処理は被処理物を陰極とし、陽極
には鉛系合金電極、ステンレス、チタン白金等を用いて
電解処理を行う。電解処理の条件は、陰極における電解
電流密度を0.5〜15A/dm2の範囲で行う。電流
密度が0.5A/dm2よりも低いときはクロメート皮
膜が形成され難く、また、15A/dm2より高いと皮
膜が着色し、さらに皮膜の再溶解が起こり、本発明の目
的である無色のクロメート皮膜は得られない。
【0013】電解処理を行う際の通電開始は必ずアルミ
ホイールが該酸性水溶液に完全に浸漬されてから行う。
これは実際の処理を行うときにはアルミホイールの浸漬
が開始されてから完全に該酸性水溶液中に全没するまで
には数10秒を要するため、通電状態で浸漬するとアル
ミホイールの部位(上下)により電解時間が変化するこ
とにより均一な皮膜形成が困難になるためである。電解
が開始されてからの電解時間は形成皮膜量(クロム付着
量)を所望の範囲とするために4秒以上にコントロール
される。形成皮膜量(クロム付着量)を変動させる要因
としては種々挙げられるが、本発明の方法においては、
処理液の各成分の濃度、pH、温度および電流密度等
を、それぞれ本発明の好ましい条件に固定しておき、電
解時間を変えることにより所望のクロム付着量に制御す
ることができる。また、その逆に電解時間を固定して、
電流密度を変えることによりクロム付着量を制御するこ
ともできる。電解が所定の時間行われた後は、アルミホ
イールを、通電を停止した状態で1〜300秒間該酸性
水溶液中にて保持する。アルミホイールを通電状態で引
き上げたり、通電を停止しても1秒未満の時間内に引き
上げた場合には、アルミホイール表面に形成された皮膜
は黄色を呈し、クリア塗装下地には適さない皮膜となっ
てしまう。一方、300秒を超えて保持された場合には
アルミホイールに形成された皮膜は茶褐色を呈し、クリ
ア塗装下地には適さない皮膜となる。なお、生産ライン
における電解処理液中のアルミホイールの姿勢のバラツ
キ等を考慮すると、全体を均一の安定したクロム付着量
とするため、電流密度1〜3A/dm2で15〜60秒
の陰極電解処理とするのが好ましい。
【0014】本発明において形成された皮膜のクロム付
着量は特に限定されないが、50〜250mg/m2
範囲が好適である。クロム付着量が50mg/m2未満
では、塗装後耐食性、特に糸錆性が劣り、また、250
mg/m2を越えるとクロメート皮膜が着色しクリヤー
塗装用に適さない。ただし、有色塗装の場合は、250
mg/m2以上でも使用できる。
【0015】また、該酸性処理液にコロイダルシリカ、
乾式シリカ、珪酸アルカリ金属塩等の化合物を含有させ
ることにより、無色で比較的厚膜のクロメート皮膜を形
成させることもできる。
【0016】本発明により陰極電解処理されたアルミホ
イールは、水洗した後乾燥して、塗装下地用として適用
される。また、必要に応じて、前記水洗と乾燥の間に一
般的に用いられているクロメート水溶液、及び有機化合
物などによる後処理を行うこともできる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例と比較例を挙げて具体
的に説明する。試験板は、一般にアルミホイールに用い
られるアルミニウム鋳造用合金(JIS記号AC4C、
サイズ70×150×7m/m)板の表面を研削したも
のを、アルカリ脱脂洗浄して表面を清浄にした後、電解
処理に供した。
【0018】(実施例1〜3)6価クロムイオンを無水
クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400pp
m、ジルコンフッ化水素酸でフッ素を100ppm添加
した酸性水溶液のpHを水酸化アンモニウムを用いて表
1に示した条件(実施例1:pH0.6、実施例2:p
H1.0、実施例3:pH1.6)に調整した。試験板
を40℃に加温した前記酸性水溶液に浸漬後、通電を開
始し、電流密度を2A/dm2で、30秒陰極電解し
た。通電終了後5秒間前記酸性水溶液中に保持し、試験
板を取り出し水洗及び脱イオン水洗浄を行った後100
℃の乾燥炉で5分間乾燥した。次に試験板に熱硬化型ア
クリル樹脂クリヤーを塗装し(膜厚30μ)140℃3
0分焼付け乾燥後、耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試
験)を実施した。結果を表1に示す。
【0019】(比較例1〜2)6価クロムイオンを無水
クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400pp
m、ジルコンフッ化水素酸でフッ素を100ppm添加
した酸性水溶液のpHを水酸化アンモニウムを用いて表
1に示した条件(比較例1:pH2.0、比較例2:p
H3.0)に調整し、実施例1と同様の電解処理、塗装
を行い、耐食性試験を実施した。結果を表1に示す。
【0020】(比較例3)6価クロムイオンを無水クロ
ム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で10ppm、ジ
ルコンフッ化水素酸でフッ素を5ppm添加した酸性水
溶液のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調整
し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、耐食性試
験を実施した。結果を表1に示す。
【0021】(実施例4)6価クロムイオンを無水クロ
ム酸で5g/l、硫酸イオンを硫酸で100ppm、硅
フッ化水素酸でフッ素を30ppm添加した酸性水溶液
のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調整し、
実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、耐食性試験を
実施した。結果を表1に示す。
【0022】(実施例5)6価クロムイオンを無水クロ
ム酸で50g/l、硫酸イオンを硫酸で1g/l、ジル
コンフッ化水素酸でフッ素を400ppm添加した酸性
水溶液のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調
整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、耐食性
試験を実施した。結果を表1に示す。
【0023】(実施例6)6価クロムイオンを無水クロ
ム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400ppm、
フッ化水素酸でフッ素を110ppmとなるように添加
した酸性水溶液を水酸化アンモニウムを用いてpH1.
0に調整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、
耐食性試験を実施した。ただし、通電時の電流密度を1
0A/dm2とし電解時間を10秒とした。結果を表2
に示す。
【0024】(比較例4)6価クロムイオンを無水クロ
ム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400ppm、
フッ化水素酸でフッ素を110ppmとなるように添加
した酸性水溶液を水酸化アンモニウムを用いてpH1.
0に調整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、
耐食性試験を実施した。ただし、通電時の電流密度を2
0A/dm2とし電解時間を10秒とした。結果を表2
に示す。
【0025】(実施例7)長さ方向が実際のアルミホイ
ール直径を想定したアルミニウム鋳造合金(JIS記号
AC4C,サイズ70×450×7m/m)板を用意
し、実施例2と同条件の酸性水溶液中(pH1.0)
に、長さ方向450mmが60秒間で全没する入槽速度
で入槽した。試験板が全没してから電流密度2A/dm
2で30秒間陰極電解し、さらに通電終了後に前記酸性
水溶液中にて5秒間保持してから試験板を取り出し水洗
および脱イオン水洗浄を行った後100℃の乾燥炉で5
分間乾燥した。このように作製された試験板の上方の1
00mm分と下方の100mm分を切断し、それぞれ別
々に熱硬化型アクリル樹脂クリヤーを塗装し(膜厚30
μ)140℃で30分焼付け乾燥後、耐食性試験(糸錆
試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を表3に示す。
【0026】(比較例5)長さ方向が実際のアルミホイ
ール直径を想定したアルミニウム鋳造合金(JIS記号
AC4C、サイズ70×450×7m/m)板を用意
し、6.3Aの定電流電解条件(全没状態で電流密度2
A/dm2となる条件)で実施例2と同条件の酸性水溶
液中(pH1.0)に、長さ方向450mmが60秒間
で全没する入槽速度で通電入槽した。全没後30秒間通
電し、さらに通電終了後に前記酸性水溶液中にて5秒間
保持してから試験板を取り出し水洗および脱イオン水洗
浄を行った後100℃の乾燥炉で5分間乾燥した。この
ように作製された試験板の上方の100mm分と下方の
100mm分を切断し、それぞれ別々に熱硬化型アクリ
ル樹脂クリヤーを塗装し(膜厚30μ)140℃で30
分焼付け乾燥後、耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試
験)を実施した。結果を表3に示す。
【0027】(実施例8)実施例2と同条件の酸性処理
液中(pH1.0)に試験板を浸漬後、通電を開始し電
流密度2A/dm2で30秒間陰極電解した。通電終了
後1秒間前記酸性水溶液中に保持し、試験板を取り出し
水洗および脱イオン水洗浄を行った後100℃の乾燥炉
で5分間乾燥した。次に、実施例2と同様に塗装し耐食
性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を
表3に示す。
【0028】(実施例9)実施例2と同条件の酸性処理
液中(pH1.0)に試験板を浸漬後、通電を開始し電
流密度2A/dm2で30秒間陰極電解した。通電終了
後180秒間前記酸性水溶液中に保持し、試験板を取り
出し水洗および脱イオン水洗浄を行った後100℃の乾
燥炉で5分間乾燥した。次に、実施例2と同様に塗装し
耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結
果を表3に示す。
【0029】(実施例10)実施例2と同条件の酸性処
理液中(pH1.0)に試験板を浸漬後、通電を開始し
電流密度2A/dm2で30秒間陰極電解した。通電終
了後300秒間前記酸性水溶液中に保持し、試験板を取
り出し水洗および脱イオン水洗浄を行った後100℃の
乾燥炉で5分間乾燥した。次に、実施例2と同様に塗装
し耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。
結果を表3に示す。
【0030】(比較例6)実施例2と同条件の酸性処理
液中(pH1.0)に試験板を浸漬後、通電を開始し電
流密度2A/dm2で30秒間陰極電解した。通電終了
後360秒間前記酸性水溶液中に保持し、試験板を取り
出し水洗および脱イオン水洗浄を行った後100℃の乾
燥炉で5分間乾燥した。次に、実施例2と同様に塗装し
耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結
果を表3に示す。
【0031】(比較例7)実施例2と同条件の酸性処理
液中(pH1.0)に試験板を浸漬後、通電を開始し電
流密度2A/dm2で30秒間陰極電解した。通電終了
時通電したまま試験板を取り出し水洗および脱イオン水
洗浄を行った後100℃の乾燥炉で5分間乾燥した。次
に、実施例2と同様に塗装し耐食性試験(糸錆試験、塩
水噴霧試験)を実施した。結果を表3に示す。
【0032】(比較例8)試験板をアルカリ脱脂洗浄し
て表面を清浄にした後、反応型クロメート処理(日本パ
ーカライジング製アルクロム3703使用)し、水洗及
び純水洗浄を行った後100℃の乾燥炉で5分間乾燥し
た。次に試験板に熱硬化型アクリル樹脂クリヤーを塗装
し(膜厚30μ)140℃30分焼付け乾燥後、耐食性
試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を表
3に示す。
【0033】(比較例9)試験板をアルカリ脱脂洗浄、
苛性ソーダエッチング、デスマット処理して表面を清浄
にした後、一般的に使用されているアルマイト処理(硫
酸180g/l、溶存アルミニウム5g/l、浴温25
℃、電流密度1A/dm2の条件で15分間陽極酸化処
理を行う)し、水洗及び純水洗浄を行った後100℃の
乾燥炉で5分間乾燥した。次に試験板に熱硬化型アクリ
ル樹脂クリヤーを塗装し(膜厚30μ)140℃30分
焼付け乾燥後、耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)
を実施した。結果を表3に示す。
【0034】(比較例9)試験板をアルカリ脱脂洗浄し
て表面を清浄にした後、100℃の乾燥炉で5分間乾燥
した。次に試験板に熱硬化型アクリル樹脂クリヤーを塗
装し(膜厚30μ)140℃30分焼付け乾燥後、耐食
性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を
表3に示す。
【0035】(評価試験方法) 1)皮膜外観 無処理サンプルを基準として色差計によりJIS−Z8
730に規定されている色差を測定して下記のランクに
分けて評価した。 ◎ 色差 0〜3.2 (目視では変色が確認され
ず) ○ 色差 3.2〜6.5 (僅かに変色が認められ
る) △ 色差 6.5〜13 (明らかに変色が認められ
る) × 色差 13以上 (強く変色が認められる)
【0036】2)クロム付着量 蛍光X線分析装置により測定。
【0037】3)糸錆試験 塗装した試験板にNTカッターで素地まで達するカット
傷をつけた後、腐食液(1規定塩酸と5%過酸化水素水
の混液)に1分浸漬後常温で乾燥し24時間経時する。
湿潤試験(温度50℃、湿度80%)を1000時間行
った後、カット傷より発生した糸錆の長さを測定する。 ◎ 最大糸錆長さ2mm以内 ○ 〃 3mm以内 △ 〃 5mm以内 × 〃 5mm以上
【0038】4)塩水噴霧試験(SST) 塗装した試験板にNTカッターで素地まで達するカット
傷をつけた後、JIS−Z2371に基いて1000時
間行った後、カット傷からの錆やフクレの最大幅を測定
する。 ◎ 最大フクレ錆幅1mm以内 ○ 〃 2mm以内 △ 〃 3mm以内 × 〃 3mm以上
【0039】実施例および比較例から次のことが言え
る。 表1(酸性水溶液の組成)、表2(陰極電解電流密
度)、表3(処理方法)から明らかなように本発明の実
施例1〜10においては、外観および塗装後耐食性(耐
糸錆性、耐塩水噴霧性)ともに優れている。 一方、本発明の範囲外である比較例1〜4、6並びに
従来塗装下地処理法である反応型クロメートを用いた比
較例8、、アルマイトを用いた比較例9、アルカリ脱脂
のみを用いた比較例10では、外観および塗装後耐食性
ともに良好なものはなかった。 また、比較例5のように通電状態で入槽したものは試
験板の上下で皮膜量が異なり、不均一な外観となって好
ましくなかった。 また、比較例7のように通電状態で出槽したものは外
観が悪く、また塗装後の耐食性も良くなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、アルミホイール素材の
光輝性を保持し、かつ塗装後耐食性、密着性に優れた無
色クロメート皮膜を形成させることができ、クリヤー塗
装前処理として、従来問題となっていた耐食性、特に耐
糸錆性を向上させることができる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷部 昭彦 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内 (72)発明者 畑野 憲文 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日本 パーカライジング株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミホイールを6価クロムイオン2g
    /l以上、硫酸イオン20〜2000ppm及びフッ素
    10〜400ppmを含有するpH0.6〜1.7の酸
    性水溶液中に浸漬し、該アルミホイールが該酸性水溶液
    中に全没してから0.5〜15A/dm2の電流密度で
    4秒以上陰極電解処理し、通電終了後1〜300秒経過
    してから該酸性水溶液から取り出すことを特徴とするア
    ルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法。
JP17993293A 1993-06-25 1993-06-25 アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法 Expired - Fee Related JP3224639B2 (ja)

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