JP3176470B2 - 多層皮膜形成方法 - Google Patents

多層皮膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層皮膜形成方法、特
に自動車、電気機器や建材等として用いられる鉄鋼部品
からなる基体の高防錆表面処理として有用な多層皮膜の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼部品への一般的な電気亜鉛めっきや
その合金めっきでは、耐食性が不十分であるので、耐食
性を向上させるために後処理が行なわれている。このよ
うな後処理として特にクロメート処理は優れた耐食性に
加えて、外観及びコスト等にも優れるため広く用いられ
ている。ところが、クロメート処理では有害な6価クロ
ム化合物を使用するため、作業環境が損なわれるのみで
なく、排水処理にともなう技術的かつ作業的困難が大き
いことが指摘されている。さらに近年、製品(皮膜)に
含まれるクロム化合物の有害性も問題となっており、世
界的に使用が規制される動きも見られる。そこで、クロ
メート処理に代わるものとして、リン酸、タングステン
酸、モリブテン酸等による化成処理やゾルゲル法による
セラミックスコーティング、さらには、陽極酸化処理等
が検討されてきた。しかしながら、これまでの化成処理
では耐食性が不充分であり、量産性にも問題があり、さ
らに原料が高価で原料の安全性にも問題がある等の一長
一短があり、実用化にはいたっていない。又、ゾルゲル
法によるセラミックスコーティングでは処理液が有機溶
剤を含むため、作業環境を損ない、さらに原料が高価等
の問題がある。これに対して、陽極酸化処理において水
溶性で安全な化学物質を使用すれば上記のような問題を
解決できるが、処理外観の均一性や処理の再現性や作業
性に問題があった。さらに、耐食性を向上させる目的で
Znめっき上に電着塗装を行なうことも増加したが、Znめ
っき上に直接電着塗装を行なうとピット等の発生が多
く、良好な外観とはならないため、有効な下地形成方法
が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用物質の
有害性に起因する環境問題などを生じることがなく、か
つ優れた外観と耐食性とを有する皮膜を形成できる方法
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、陽極酸化
における形成時の皮膜均一性を改善すべく鋭意研究した
結果、めっき浴種の選択と通電方法に解決の鍵があるこ
とを見い出し、上記課題を解決することができた。すな
わち、本発明は、アルカリ性亜鉛めっき浴から基体に形
成された亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき上に、電解液中
でスロースタート法により電圧を印加し、陽極酸化皮膜
又は陽極火花放電皮膜を形成することを特徴とする基体
上に多層皮膜を形成する方法を提供する。本発明では、
先ず基体上にアルカリ性亜鉛めっき浴から亜鉛めっき又
は亜鉛合金めっきを形成する。ここで使用する基体とし
ては、熱間、冷間の種々圧延鋼板やその他鋼材、鋳物な
ど鉄鋼やZnめっき可能なCu、Al、Zn等その他金属基体及
びその合金をあげる事ができる。又、アルカリ性亜鉛め
っき浴としては、従来公知の浴、例えば、東京鍍金材料
協同組合(昭和62年12月16日)発行の“めっき技
術ガイドブック”の第175頁〜第200頁や(株)広
信社(昭和58年6月15日)発行の“表面技術総覧−
めっき・陽極酸化編−”の第323頁〜第334頁に記
載の浴があげられる。このうち、アルカリ性のシアン浴
やジンケート浴が好ましい。これらめっき浴としては浴
種に応じて、組成、アルカリ度、光沢剤及び添加剤等が
上記文献に書かれている内容にそって適切に管理された
ものであるのが望ましい。
【0005】又、Znと他の金属との合金めっきを形成で
きる浴を用いてもよいが、その場合には共析させる Fe
、Cu、Ni、Co、Mn等の合算比率を10重量%(以下、
%と略称する)未満とするのが望ましい。特に次の工程
で火花放電法を適用するには、0.2〜1.0%が好適であ
る。火花放電法においてこの範囲の共析率とすると火花
放電開始までの時間が短くなり作業能率が向上するため
である。下地とするZnおよびその合金めっきの膜厚は任
意で良いが、形成する陽極酸化ないし火花放電法による
皮膜以上の膜厚を必要とする。好ましくは、上記アルカ
リ性亜鉛めっき浴から温度5〜40℃、時間1〜60
分、通電量0.03〜3AH/dm2 の条件で1〜20μm厚
のめっきを形成するのがよい。このように、本発明では
アルカリ性亜鉛めっき浴を使用するが、めっき浴種とし
て塩化浴、硫酸浴のような酸性のめっき浴種を用いたの
では、皮膜中に微量共析する酸性物質による影響で皮膜
が不均一になりやすい。又、酸性浴では部分的にZnめっ
きが剥離したり、黒色の斑点が生じ、不均一な皮膜しか
得られない。ところが、本発明で用いるアルカリ性のシ
アン浴やジンケート浴では、皮膜中に共析する微量アル
カリ物質が次に行う陽極酸化時に水酸化や酸化を促進す
るという利点がある。
【0006】本発明では、このようにして基体上に形成
した亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき上にさらに第2の皮
膜をセラミック皮膜形成用電解液中でスロースタート法
により電圧を印加して陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮
膜を形成する。ここで、通電法としてスロースタート
法、すなわち、時間に対し電圧を序々に増加させる方
法、例えば1〜100V/分の昇圧速度、好ましくは2
〜50V/分の昇圧速度を採用する。亜鉛皮膜の溶解及
び酸化過程の平衡がくずれやすいので、このように通電
法としてスロースタート法を採用すると序々に膜厚が増
大し、均一な膜厚みが得られるのである。本発明で用い
るセラミック皮膜形成用電解液としては、水溶性若しく
はコロイド状ケイ酸塩を含有する水溶液、若しくは酸素
酸塩を含有する水溶液、又はこれらにセラミックス微粒
子を懸濁させた電解浴があげられる。ここで、該ケイ酸
塩としては、一般的 M2O・nSiO2 (Mはアルカリ金属を
示し、nは0.5乃至100の整数を示す)で表わされる
種々の水溶性のもの、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸カリウム、ケイ酸リチウムと、水分散性のものとして
はコロイダルシリカ等を挙げることができる。これらケ
イ酸塩は単独で、若しくは2種以上の混合物として、又
は両者の混合物として用いることができる。さらにこれ
らに溶解性の酸素酸塩ないし無機フッソ化合物を添加し
ても良い。これらの添加により高電流部から低電流部に
おける均一性を増す事ができる。酸素酸塩としてはタン
グステン酸塩、錫酸塩、モリブデン酸塩、ホウ酸塩、リ
ン酸塩、炭酸塩などを無機フッソ化合物としては、HF、
NaF 、KF、HBF4、NaBF4、KBF4、H2SiF8、Na2SiF5 、K2S
iF8等を上げる事ができる。
【0007】さらに、上記セラミック皮膜形成用電解浴
に不溶性で分散可能な種々のセラミックス微粒子を懸濁
させてもよい。例えば、Al2O3 、Al(OH)3 、SiO2、3Al2
O3・2SiO2 、TiO2、ZrO2、部分安定化したジルコニア、
安定化ジルコニア、Cr2O3 等の酸化物系セラミックスや
SiC、TiC 、TiN 、TiB 、ZrB 、BN、WC、WSi2、MoSi 2
等の非酸化物系セラミックスをあげることが出来る。
尚、これらの単独で、又は2種以上の混合物を用いるこ
とができる。電解浴に用いる水溶液中の水溶性若しくは
コロイド状ケイ酸塩や酸素酸塩の濃度は5g/リットル
以上が好ましく、25〜300g/リットルが好適であ
る。濃度が低いと皮膜が形成困難となり、濃度上昇とと
もに形成された皮膜が不均一となる現象も発生しやすく
なるので上記濃度とするのがよい。又、不溶性で分散可
能なセラミックス微粒子は、1〜100g/リットル懸
濁させるのがよい。尚、水溶液のpHは任意であるが、3
〜13.5とするのがよい。10〜13.5とするのがより
好ましい。陰極には、鉄、ステンレス、ニッケル等不溶
性電極を用いる。陽極酸化ないし火花放電を行う際の浴
温は、5〜90℃とするのが好ましく、陽極酸化では2
0〜70℃がより好ましい。より低温や高温では皮膜が
不均一となりやすいからである。通常これらの皮膜を形
成する場合、めっき後充分水洗した後行なうが希硝酸に
よる活性化を行なう方が良い。
【0008】電解方法としては定電圧電解で行なうが、
印加は序々に電圧を上昇させるスロースタート法により
行なう。所定の電圧に達した後、希望する膜厚となるま
で、その電圧を保持する。陽極酸化法における最終電圧
としては5〜90Vとするのが良く、10〜40Vがよ
り好ましい。又火花放電法における最終電圧は100V
以上とする。所定の電圧までに上昇させる時間は5〜6
00秒が良い。整流器の出力は任意の波形の直流で良い
が、パルス波形(矩形波波形)、ノコギリ波形又は直流
半波波形が好ましい。くり返し周波数は50〜600Hz
が良い。パルス波形、ノコギリ波形がより好ましい。こ
の皮膜上にさらに常法により電着塗装を行なう事ができ
る。例えば、朝倉書店発行の“塗装の辞典”の第154
頁〜第161頁に記載の「5.9電着塗装」の欄や日刊工
業新聞社発行の“塗装技術ハンドブック”の第196頁
〜第205頁及び第293頁〜第307頁参照のこと。
本発明では、陽極火花放電により形成したセラミックス
膜は、充分に脱イオン水等により洗浄し、好ましくは水
切り乾燥等行なった後、電着塗装液に浸漬して電着を行
なうのがよい。電着塗料の種類は大別するとカチオン系
とアニオン系とがあるが、カチオン系電着塗料が好まし
い。
【0009】ここで用いるカチオン電着塗料の種類は任
意で良いが、エポキシ系、アクリル系等をあげることが
できる。耐食性を目的とした用途としては、エポキシ系
が好ましい。一方、アニオン電着塗料としては、乾性
油、ポリブタジエン、エポキシエステル、ポリアクリル
酸エステル、アクリルメラミン系等を主骨格としたポリ
カルボン酸樹脂を用いた塗料をあげることができる。液
温、塗料の攪拌や陽極等は使用する塗料の性質に沿った
ものとし、一般的にエポキシ系カチオン電着塗料では、
液温は25〜30℃、陽極はAnion 交換隔膜を用いた隔
膜陽極を用いるのがよい。通電法としては、基本的に定
電圧法とし、通電開始時から、所定の電圧とする通称ド
カン法と、開始時より序々に電圧を上昇させるスロース
タート法があるが、スロースタート法がより好ましい。
電圧は塗料の性質により又、必要とする膜厚により決定
するが、エポキシ系カチオン電着塗料では150〜32
0Vである。カチオン電着塗膜の厚みは任意とすること
ができるが、3〜50μ、好ましくは10〜30μとす
るのがよい。電着処理後、焼付け炉中で焼付処理を行な
う。塗料の種類により条件は変わるが、通常130〜2
30℃で10〜60分行なうのがよい。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、均一な外観を有し、耐
食性にすぐれ、かつ6価クロム等有害物を含有せず安全
性が高い皮膜を形成することができる。従って、本発明
により皮膜を形成した部材は、自動車、電気機器、建材
等として用いられる高防錆鉄鋼部品などとして幅広く使
用することができる。次に本発明を実施例により説明す
る。
【0011】
【実施例】
実施例1 SPCC鋼板を基体として下記のような工程により前処
理後ジンケートZnめっきを5μm 形成した試験板を陽極
として、ステンレス板を陰極として、ハルセル試験槽を
用い、K2O ・nSiO2 200g/lを含有する50℃のセ
ラミックス皮膜形成用電解液により5V/分の昇圧速度
で電圧を印加し20Vに達するまで電解して陽極酸化皮
膜(セラミックス皮膜)を形成した。 めっき工程 アルカリ脱脂−水洗−酸洗−水洗−電解洗浄−水洗−酸
活性化−水洗−めっき−水洗− 前処理工程使用薬品及び条件
【0012】
【表1】 表1 工程 温度 時間 電流密度 アルカリ脱脂 ディップソール、脱脂-39 50℃ 5分 − 50 g/l 酸洗 塩酸(35%) RT 3分 − 500 ml/l 電解洗浄 ディップソール、NC-20 50g/l 50℃ 2分 3A/dm2 NaOH、70g/l 酸活性化 塩酸(35%) RT 0.5分 − 500 ml/l
【0013】 めっき浴組成及びめっき条件 めっき浴組成 ZnO 16.3 g/l NaOH 120 ディップソール NZ-73S 6 ml/l ディップソール H-0616Y 0.3ml/l ディップソール F-0529 4 ml/l めっき条件 電流密度 3A/dm2 液温 25℃
【0014】実施例2 実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを3μm
を形成した試験板を陽極として、セラミックス皮膜形成
用電解液として Na2O ・nSiO2 90g/lに NaOH 10
g/lを添加した液を用い、実施例1と同様な方法で、
液温70℃として10V/分の昇圧速度で30Vになる
まで電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮膜)を形成
した。 実施例3 実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを8μm
形成した試験板を陽極として、K2O ・nSiO2 200g/
lとKF 20g/lを含有する50℃のセラミックス
皮膜形成用電解液を使用し、実施例1と同様な方法で、
5V/分の昇圧速度で10Vまで電圧を増加させ、この
電圧で3分間保持し、陽極酸化皮膜(セラミックス皮
膜)を形成した。
【0015】実施例4 実施例1と同様なジンケート浴によるZnめっきを5μm
形成した試験板を陽極として、 Na2O ・nSiO2 120g
/l、Na2WO4・2H2O 60g/lと NaOH 20g/lを
含有する30℃のセラミックス皮膜形成用電解液を使用
し実施例1と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜(セラ
ミックス皮膜)を形成した。 実施例5 実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板
に下記のようなシアン浴によるZnめっきを5μm 形成し
た試験板を陽極として、K2O ・nSiO2 200g/lを含
有する50℃のセラミックス皮膜形成用電解液を使用し
実施例1と同様な方法で電解して陽極酸化皮膜(セラミ
ックス皮膜)を形成した。 シアン浴組成 ZnO 19g/l NaCN 30g/l NaOH 50g/l ディップソール M-999 3ml/l めっき条件 電流密度 2A/dm2 液温 25℃
【0016】実施例6 実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板
に下記のようなジンケート浴によるZn-Ni 合金めっき(Z
n 94%、 Ni 6%)を5μm 形成した試験板を陽極と
して、K2O ・nSiO2 200g/lを含有する50℃のセ
ラミックス皮膜形成用電解液を使用し、実施例1と同様
な方法で電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮膜)を
形成した。 ジンケート浴組成 ディップソール IZ-260MS 250g/l NaOH 120g/l ディップソール IZ-260S 5ml/l めっき条件 電流密度 5A/dm2 液温 27℃
【0017】実施例7 実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板
に下記のようなジンケート浴によるZn-Fe 合金めっき(Z
n 99.6%、 Fe 0.4%)を5μm 形成した試験板を陽
極として、K2O ・nSiO2 200g/lを含有する50℃
のセラミックス皮膜形成用電解液を使用し、実施例1と
同様な方法で電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮
膜)を形成した。 ジンケート浴組成 ディップソール FZ-270MS 600g/l ディップソール FZ-270S 6ml/l ディップソール P-0731 0.3ml/l ディップソール F-0529 4ml/l めっき条件 電流密度 3A/dm2 液温 25℃ 実施例8 実施例1と同様にジンケート浴によるZnめっきを5μm
形成した試験板を陽極とし、電解液、陰極板等は実施例
1と同様とし、20V/分の速度で電圧を印加すると、
100V以上で火花開始し、その後定電流法とし、5A
/dm2 に保持すると、均一な陽極火花放電膜(セラミッ
クス皮膜)が形成された。液温は50℃に保持した。
【0018】実施例9 実施例7と同様にジンケート浴によるZn-Fe 合金めっき
を5μm 形成した試験板を用い、実施例8と同様な方法
及び液温で電解して陽極酸化皮膜(セラミックス皮膜)
を形成した。なお、電圧上昇スピードは50V/分とし
た。 実施例10 実施例1と同様な基体上に、めっき浴、陽極酸化電解
浴、さらにそれらの電解条件も同一として、Znめっき上
に陽極酸化皮膜を形成した。該皮膜の洗浄を市水とイオ
ン交換水で充分に行ない、130℃で10分水切り乾燥
後、放冷し、エポキシ−ポリアミド系樹脂と顔料(チタ
ン白、カーボン等)、溶剤、中和剤からなるエポキシ系
カチオン電着塗料(ディップソール(株)、商品名ED
−630)により、液温28℃、電圧250Vで電着
し、180℃で20分焼きつけた。これにより、20μ
mカチオン電着塗膜が形成された。
【0019】比較例1 実施例1と同様な前処理により清浄化したSPCC鋼板
に、下記のような塩化浴によるZnめっき5μm を形成し
た試験板を陽極として、実施例1と同様な方法液温で電
解した。 塩化浴組成 ZnCl2 52g/l NH4Cl 200g/l ディップソール EZ-985A 25ml/l ディップソール EZ-985B 0.5ml/l めっき条件 電流密度 2A/dm2 液温 25℃ 比較例2 実施例1と同様な方法によりジンケート浴によるZnめっ
きを5μm 形成した試験板を陽極として、実施例1と同
様な電解液試験槽により、2秒で20Vまで電圧を上昇
させ、電圧を保持し電解を5分間行なった。 比較例3 実施例10と同様な基体上に、同様な条件でZnめっきを
行ない洗浄、水切り乾燥、カチオン電着塗装等も同一条
件とし、同様なカチオン電着塗装を行なった。上記実施
例及び比較例の条件及び結果をまとめて表2に示す。
【0020】
【表2】 表2 めっき浴種 膜厚 陽極電解浴 電圧上昇 液温 スピード 実施例1 ジンケートZn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ 実施例2 ジンケートZn浴 3μm Na2O・nSiO2 90g/l 10V/分 70℃ NaOH 10g/l 実施例3 ジンケートZn浴 8μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ KF 20g/l 実施例4 ジンケートZn浴 5μm Na2O・nSiO2 120g/l 5V/分 30℃ Na2WO4・2H2O 60g/l NaOH 20g/l 実施例5 シアンZn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ 実施例6 ジンケート 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ Zn-Ni 浴 実施例7 ジンケート 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ Zn-Fe 浴 実施例8 ジンケートZn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 20V/分 50℃ 実施例9 ジンケート 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 50V/分 50℃ Zn-Fe 浴 実施例10 ジンケートZn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ 比較例1 塩化Zn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 5V/分 50℃ 比較例2 ジンケートZn浴 5μm K2O ・nSiO2 200g/l 600V/分 50℃比較例3 ジンケートZn浴 − − − − *実施例10及び比較例3のみが電着塗膜を有する。
【0021】実施例1から実施例9までは高電流部から
低電流部まで乳白色の美麗な均一な外観の皮膜が形成し
た。実施例10ではハジキ、ヘコミ、ピンホール、ぶつ
等欠陥のないカチオン電着塗膜が形成された。一方、比
較例1では、部分的にZnメッキが剥離したり、黒色の斑
点が生じ均一な外観の皮膜は得られなった。一方、比較
例2においても、高電流部を中心に島状ないし点状の欠
陥が発生し均一な外観の皮膜は得られなかった。さら
に、比較例3においては多数ピンホールが発生し欠陥の
ある外観のカチオン電着塗膜となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−208494(JP,A) 特開 昭57−149498(JP,A) 特開 平3−223487(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/34 C25D 5/00 - 7/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性亜鉛めっき浴から基体に形成
    された亜鉛めっき又は亜鉛合金めっき上に、セラミック
    皮膜形成用電解液中でスロースタート法により電圧を印
    加し、陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成するこ
    とを特徴とする基体上に多層皮膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】 セラミック皮膜形成用電解液が、水溶性
    若しくはコロイド状ケイ酸塩を含有する請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ亜鉛めっき浴がシアン浴又はジ
    ンケート浴である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 亜鉛合金めっき上に陽極火花放電皮膜を
    形成する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 基体上にアルカリ性亜鉛めっき浴から亜
    鉛めっき又は亜鉛合金めっきを施した後、セラミック皮
    膜形成用電解液中でスロースタート法により電圧を印加
    し、陽極酸化皮膜又は陽極火花放電皮膜を形成すること
    を特徴とする基体上に多層皮膜を形成する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
    法で形成した多層皮膜上に電着塗装皮膜を形成すること
    を特徴とする多層皮膜の形成方法。
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