JP3107884B2 - アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法 - Google Patents

アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法

Info

Publication number
JP3107884B2
JP3107884B2 JP03358256A JP35825691A JP3107884B2 JP 3107884 B2 JP3107884 B2 JP 3107884B2 JP 03358256 A JP03358256 A JP 03358256A JP 35825691 A JP35825691 A JP 35825691A JP 3107884 B2 JP3107884 B2 JP 3107884B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
plate
ions
ppm
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03358256A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05179488A (ja
Inventor
憲文 畑野
昭彦 長谷部
和幸 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP03358256A priority Critical patent/JP3107884B2/ja
Publication of JPH05179488A publication Critical patent/JPH05179488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3107884B2 publication Critical patent/JP3107884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板又はア
ルミニウム鍍金板、特に帯板の表面処理に関するもので
ある。ここで、アルミニウム板とはアルミニウム、もし
くはその合金板を対象とし、アルミニウム鍍金板とは鋼
板を初めとするアルミニウム以外の素材にアルミニウ
ム、もしくはその合金を鍍金した板材を対象とする。
【従来技術】アルミニウム及びアルミニウム鍍金板は、
建築材料、家電製品、輸送機器等多くの分野で使用され
ている。アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板を塗装
する場合、耐食性及び塗装密着性の向上のため塗装前処
理として反応クロメート処理、ノンクロメート処理(有
機金属塩皮膜等)、又は塗布型クロメート処理が施され
ている。アルミサッシ等の建築材料では陽極酸化処理、
着色処理等が行われている。
【0002】アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の
素材の表面外観を生かしたクリヤー塗装用前処理を考え
た場合、陽極酸化膜では耐食性は良好であるが皮膜量が
多く光沢が無くなるため、素材表面の外観を重視したク
リヤー塗装用の前処理としては不向きである。反応クロ
メート皮膜は優れた耐食性を有しているが、無色の皮膜
外観をもとめられた場合、クロム付着量が20mg/m
2以下に制限されるため耐食性特に糸錆(金属表面上の
塗膜を通して水が金属表面に侵入して局部的に電界腐食
を起こし幅0.1〜0.5mm程度のミミズ這い状の錆
が経時と共に進行して行く状態の錆)耐食性が不足す
る。塗布型クロメート処理の場合も同様に皮膜の着色外
観を抑えるためにはクロム付着量を20mg/m2以下
にする必要があり、このため耐食性が不足する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにアルミニ
ウム板又はアルミニウム鍍金板の素材表面の外観を保持
し、且つ塗装後の耐食性並びに密着性に満足できる前処
理方法はまだ見いだされていない。本発明の目的はアル
ミニウム板又はアルミニウム鍍金の素材の外観を保持
し、耐食性に優れ、且つ塗装後の耐食性(特に糸錆耐食
性)、密着性に優れた前処理皮膜を形成する表面処理方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成する為に鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム板又
はアルミニウム鍍金板を6価クロムイオン、硫酸イオン
を含むpH0.5〜2.0に調整した酸性電解液を用い
陰極電解処理することにより無色のクロメート皮膜を得
ることが出来、該皮膜は塩水噴霧耐食性に優れ、且つ塗
装後耐食性、塗装密着性に優れていることを見いだし、
本第一発明を完成するに至った。第1の発明は、アルミ
ニウム板又はアルミニウム鍍金板の表面を6価クロムイ
オン2g/l以上、硫酸イオン20〜2000ppm含
有し、pHを0.5〜2.0に調整した酸性電解液を用
い、陰極における電解電流密度を2〜25A/dm
2で、電解時間1〜25秒で陰極電解処理して、クロム
付着量として20〜300mg/m2の無色皮膜を形成
させることを特徴とするアルミニウム板又はアルミニウ
ム鍍金板の塗装前処理方法を提供する。
【0005】本発明者等は前記第一発明に続いて研究を
進めた結果、第一発明で使用する酸性電解液に更に、ジ
ルコニウムイオン又はチタニウムイオンを添加すること
により塗装後の耐食性、特に耐糸錆性を更に向上させる
ことができることを見いだし、第2の発明を完成するに
至った。第2の発明は、アルミニウム板又はアルミニウ
ム鍍金板の表面を6価クロムイオン2g/l以上、硫酸
イオン20〜2000ppm、フッ素を400ppm未
満、及びジルコニウムイオン及びチタニウムイオンから
選ばれる1種又は2種のイオンを20〜1000ppm
含有するpH0.5〜2.0に調整した酸性電解液を用
い、陰極における電解電流密度を2〜25A/dm
2で、電解時間1〜25秒で陰極電解処理して、クロム
付着量として20〜300mg/m2の無色皮膜を形成
させることを特徴とするアルミニウム板又はアルミニウ
ム鍍金板の塗装前処理方法を提供する。
【0006】更に、コロイダルシリカ、乾式シリカ、珪
酸アルカリ金属塩の1種又は2種以上のシリカゾルをそ
の固形分濃度で1〜5g/lを添加することにより、ク
ロム付着量を増加させることが出来、これは電解条件
(電気容量)を節約できるものであり工業生産的に長所
であることを見いだし、第3発明を完成するに至った。
第3の発明は、アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板
の表面を6価クロムイオン2g/l以上、硫酸イオン2
0〜2000ppm、フッ素を400ppm未満、ジル
コニウムイオン及びチタニウムイオンから選ばれる1種
又は2種のイオンを20〜1000ppm、及びコロイ
ダルシリカ、乾式シリカ、珪酸アルカリ金属塩の、1種
又は2種以上のシリカゾルをその固形分濃度で1〜5g
/lを含有するpHO.5〜2.0に調整した酸性電解
液を用い、陰極における電解電流密度を2〜25A/d
2で、電解時間1〜25秒で陰極電解処理して、クロ
ム付着量として20〜300mg/m2の無色皮膜を形
成させることを特徴とするアルミニウム板又はアルミニ
ウム鍍金板の塗装前処理方法を提供する。
【0007】本第1発明は、アルミニウム板又はアルミ
ニウム鍍金板を6価クロムイオン、硫酸イオンを含有す
る酸性電解液中で、陰極電解処理することにより無色の
クロメート皮膜を形成させる方法であるが、各々につい
て具体的に説明する。
【0008】まず、酸性電解液を構成する各成分につい
て説明する。6価クロムイオンとしては、無水クロム
酸、重クロム酸、及び重クロム酸をアルカリ金属塩類な
どがあげられ、、1種又は2種以上を混合して使用で
き、その濃度範囲は2〜50g/lである。6価クロム
イオン濃度が2g/l未満では、十分な耐食性を有する
クロメート皮膜が得られず、50g/lを越えても性能
上は問題ないが、排水処理等の負担がかかり不経済であ
る。
【0009】硫酸イオンとしては、硫酸、硫酸のアルカ
リ金属塩類が使用でき、その濃度範囲は20〜2000
ppmである。その濃度が20ppm未満では、無色の
クロメート皮膜が形成されない。2000ppmを越え
ると、クロム付着量が減少し耐食性が低下するので好ま
しくない。
【0010】酸性電解液のpHはその値を0.5〜2.
0の範囲に限定する。pHをコントロールするために
は、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アル
カリ金属炭酸化合物、クロム酸、硫酸、リン酸及び硝酸
等より任意に選んで水溶液に加えることが出来る。pH
が0.5未満でも性能上は問題でないが、工業生産上、
維持すること及びコントロールすることが困難である。
pHが2.0を越えるとクロメート付着量が急激に減少
し、適性クロム付着量を得るのが困難である。
【0011】処理液の温度は特定するものではないがよ
り好ましくは30℃〜60℃である。30℃以下では、
電解による発熱があるため温度維持に冷却が必要となり
工業生産的には不経済である。60℃より高くしても、
生成する皮膜も特性に大きな変化はないが、温度維持の
ための加熱容量が大きくなり工業生産的に不経済であ
る。
【0012】電解処理は被処理物を陰極とし、陽極には
ステンレス、カーボン、チタン白金、鉛、酸化鉛(チタ
ン上に酸化鉛を形成させた触媒電極)等を用いて電解処
理を行う。電解処理時間は、帯板の工業的生産性を考え
た場合短時間処理が望まれている。本発明では1〜25
秒で行う。処理時間が1秒未満では所望するクロムの付
着量が得られず、又、25秒を越えると皮膜付着量が多
くなり過ぎたり、皮膜の再溶解が起こるため皮膜の着
色、不均一となり好ましくない。陰極における電解電流
密度は2〜25A/dm2の範囲で行う。電流密度が2
A/dm2よりも低いときはクロメート皮膜が形成され
難く、所望するクロム付着量が得られない。又、25A
/dm2より高いと皮膜が着色し、更に、皮膜の再溶解
が起こり、本発明の目的である無色のクロメート皮膜は
得られない。本発明の方法においては、形成皮膜量(ク
ロム付着量)を所望の範囲とするために、処理液の各成
分の濃度、pH,温度、及び電流密度等を、それぞれ本
発明の好ましい条件に固定していおても、電解時間の変
える事により被処理金属に応じて、それぞれ所望のクロ
ム付着量に制御することができる。又、その逆に電解時
間を固定して、電流密度を変えることによりクロム付着
量を制御することもできる、但し、電流密度は上記した
ように2〜25A/dm2の範囲である。
【0013】本発明における、好ましいクロム付着量
は、20〜300mg/m2であり、より好ましい範囲
は、50〜200mg/m2である。クロム付着量20
mg/m2以下では、塗装後耐食性が劣り、また、30
0mg/m2以上になるとクロメート皮膜外観が着色
し、クリヤー塗装用に適さない。但し有色塗装の場合
は、300mg/m2以上でも使用できる。本発明によ
り陰極電解処理されたアルミニウム板又はアルミニウム
鍍金板は、水洗した後乾燥して、塗装下地用、又は防食
用として適用される。
【0014】更に、本発明者等は、第1発明にて使用す
る酸性電解液にフッ素及びジルコニウムイオン、チタニ
ウムイオンを特定した量を含有させることにより、塗装
後耐糸錆性に優れた皮膜を形成できることを見いだし、
第2発明を成すに至った。まず、酸性水溶液を構成する
各成分について説明する。
【0015】6価クロムイオン、硫酸イオンは、本発明
と同様である。フッ素としては、フッ化水素酸、ケイフ
ッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化水素
酸の1種又は2種以上の混合物が任意に適用できる。フ
ッ素としての濃度は400ppm未満である。フッ素添
加することにより素材のエッチングを促進し反応性を上
げることが出来るが、400ppmを越えると、電解に
よるクロメート皮膜形成を抑制してしまい、所望するク
ロム付着量が得難くなり、更に得られたクロメート皮膜
は着色してしまうため、クリヤー塗装用として不適当で
ある。
【0016】ジルコニウムイオンは、ジルコンフッ化水
素酸及びナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩、
硫酸ジルコニウム等を挙げることができる。チタニウム
イオン、チタンフッ化水素酸及びナトリウム、、カリウ
ム、アンモニウム等の塩、硫酸チタニル等を挙げること
ができる。本発明に使用するジルコニウムイオン、チタ
ニウムイオンの1種又は2種の添加量は1000ppm
未満である。本第1発明により得られる皮膜の塗装後の
耐食性はすでに述べた通りであるが、ジルコニウムイオ
ン、チタニウムイオンを添加することにより、更に耐糸
錆性が向上することを見いだした。ジルコニウムイオ
ン、チタニウムイオンの添加量は1000ppmを越え
ても効果は変わらない。酸性水溶液のpH範囲、処理液
の温度の条件は、第1発明と同様である。
【0017】本第3発明は、アルミニウム板又はアルミ
ニウム合金を6価クロムイオン、硫酸イオン、フッ素、
ジルコニウムイオン、チタニウムイオンの1種又は2
種、及びコロイダルシリカ、乾式シリカ、珪酸アルカリ
金属塩から選ばれる1種以上の化合物を特定した量含有
させることにより、無色で比較的厚膜のクロメート皮膜
を形成させる方法であるが、各々について具体的に説明
する。
【0018】まず、酸性水溶液を構成する各成分につい
て説明する。6価クロムイオン、硫酸イオン、フッ素、
ジルコニウムイオン、チタニウムイオンは本第2発明と
同様である。シリカゾルとしては、コロイダルシリカ、
乾式シリカ、アルカリ金属の珪酸塩の、1種又は2種以
上の混合物が任意に適用でき、その固形分濃度は5g/
l未満である。シリカゾルを添加することにより、上記
第1、第2発明で得られるクロム付着量が、より低電流
密度、短時間処理で得ることができ、工業生産的に電力
節約が可能である。更に、クロム付着量が多くても皮膜
が着色する事を抑制する効果も兼ね備えている。しか
し、シリカゾルの固形分濃度が5g/lを越えると皮膜
着色を抑制するものの塗装後耐食性が劣り好ましくな
い。酸性電解液のpH範囲、処理液の温度、電解処理の
条件は、第1発明と同様である。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例と比較例を挙げて具体
的に説明する。 (実施例1)試験板は、アルミニウム(JIS記号A5
052)板を使用し、アルカリ脱脂洗浄して表面を清浄
にした後、電解処理に供した。酸性電解液は、6価クロ
ムイオンを無水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫
酸で400ppm添加し、pHを水酸化アンモニウムを
用いて表1に示した条件(pH0.6〜pH1.8)に
調整した。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、
電流密度を5A/dm2で、20秒間通電した。この間
電解液温度は40℃に循環しながら維持した。通電後試
験板を取り出し水洗を行い、100℃の乾燥炉で2分間
乾燥した。次に試験板に熱硬化型アクリル樹脂クリヤー
塗料をバーコート塗装し(膜厚15μ)、200℃の雰
囲気で70秒間焼付け乾燥後、密着性試験(碁盤目、折
り曲げ)、耐食性試験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実
施した。結果を表1に示す。
【0020】(比較例1)実施例1と同様の試験板、同
様の組成の電解液を用い、pH2.2及びpH2.6に
調整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、密着
性試験、耐食性試験を実施した。結果を表1に示す。
【0021】(実施例2)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で5g/l、硫酸イオンを硫酸で50ppm
添加し、pHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調
整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、密着性
試験、耐食性試験を実施した。結果を表1に示す。
【0022】(実施例3)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で50g/l、硫酸イオンを硫酸で1500
ppm添加し、pHを水酸化アンモニウムを用いて1.
0に調整し、実施例1と同様の電解処理、塗装を行い、
密着性試験、耐食性試験を実施した。結果を表1に示
す。
【0023】(実施例4)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm添加し、pHを水酸化アンモニウムを用いて1.0
に調整した。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし
て、電流密度を20A/dm2で10秒間通電した。実
施例1と同様の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を
実施した。結果を表1に示す。
【0024】(比較例2)実施例4と同様の酸性電解液
を使用し、試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、
電流密度を30A/dm2で10秒間通電した。実施例
1と同様の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実施
した。結果を表1に示す。
【0025】(実施例5)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、ジルコンフッ酸でフッ素を250ppm、ジルコ
ニウムを200ppmを添加した酸性電解液のpHを水
酸化アンモニウムを用いて1.0に調整した。試験板を
前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、電流密度を15A/
dm2で7秒間通電した。実施例1と同様の塗装を行
い、密着性試験、耐食性試験を実施した。結果を表2に
示す。
【0026】(実施例6)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸チタニル、及びチタンフ
ッ酸で硫酸イオン400ppm、フッ素を200pp
m,チタニウムを290ppm添加した酸性電解液のp
Hを水酸化カリウムを用いて1.0に調整した。試験板
を前記酸性電解液に浸漬し陰極として、電流密度を15
A/dm2で7秒間通電した。実施例1と同様の塗装を
行い、密着性試験、耐食性試験を実施した。結果を表2
に示す。
【0027】(実施例7)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸チタニル、ジルコンフッ
酸、及びチタンフッ酸で硫酸イオンを400ppm、フ
ッ素を350ppm、ジルコニウムを200ppm,チ
タニウムを80ppm添加した酸性電解液のpHを水酸
化カリウムを用いて1.0に調整した。試験板を前記酸
性電解液に浸漬し陰極とし、電流密度を15A/dm2
で7秒間通電した。実施例1と同様の塗装を行い、密着
性試験、耐食性試験を実施した。結果を表2に示す。
【0028】(比較例3)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、フッ酸及びジルコンフッ酸でフッ素を700pp
m、ジルコニウムを500ppmを添加した酸性電解液
のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調整し
た。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、電流密
度を15A/dm2で7秒間通電した。実施例1と同様
の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実施した。結
果を表2に示す。
【0029】(実施例8)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、ジルコンフッ酸でフッ素を250ppm、ジルコ
ニウムを200ppm、シリカゾルを乾式シリカ(日本
アエロジル社アエロジル300)で2g/l添加した酸
性電解液のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に
調整した。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、
電流密度を5A/dm2で20秒間通電した。実施例1
と同様の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実施し
た。結果を表2に示す。
【0030】(実施例9)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、ジルコンフッ酸でフッ素を250ppm、ジルコ
ニウムを200ppm、シリカゾルをコロイダルシリカ
(日産化学社製スノーテックスO)で4g/l添加した
酸性電解液のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0
に調整した。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極と
し、電流密度を5A/dm2で20秒間通電した。実施
例1と同様の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実
施した。結果を表2に示す。
【0031】(比較例4)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、ジルコンフッ酸でフッ素を100ppm、ジルコ
ニウムを80ppm、シリカゾルをコロイダルシリカ
(日産化学社製スノーテックスO)で8g/l添加した
酸性電解液のpHを水酸化アンモニウムを用いて1.0
に調整した。試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極と
し、電流密度を5A/dm2で20秒間通電した。実施
例1と同様の塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実
施した。結果を表2に示す。
【0032】(比較例5)試験板は実施例1と同様のも
のを使用し、酸性電解液としては6価クロムイオンを無
水クロム酸で20g/l、硫酸イオンを硫酸で400p
pm、フッ酸及びジルコンフッ酸でフッ素を700pp
m、ジルコニウムを500ppm添加した酸性電解液の
pHを水酸化アンモニウムを用いて1.0に調整した。
試験板を前記酸性電解液に浸漬し陰極とし、電流密度を
30A/dm2で10秒間通電した。実施例1と同様の
塗装を行い、密着性試験、耐食性試験を実施した。結果
を表2に示す。
【0033】(比較例6)試験板(アルミニウムA50
52)板をアルカリ脱脂洗浄して表面を清浄にした後乾
燥する。試験板に塗布型クロメート処理(日本パーカラ
イジング社製ジンクロム1415A使用)した後100
℃の乾燥炉で2分間乾燥した。次に試験板に熱硬化型ア
クリル樹脂クリヤー塗料をバーコート塗装し(膜厚15
μ)、200℃の雰囲気で70秒間焼付け乾燥後、密着
性試験(碁盤目、折り曲げ)、耐食性試験(糸錆試験、
塩水噴霧試験)を実施した。結果を表2に示す。
【0034】(比較例7)試験板(アルミニウムA50
52)板をアルカリ脱脂洗浄して表面を清浄にし、た
後、反応型クロメート処理(日本パーカライジング製ア
ルクロム3703使用)し、水洗を行った後100℃の
乾燥炉で2分間乾燥した。次に試験板に熱硬化型アクリ
ル樹脂クリヤー塗料をバーコート塗装し(膜厚15
μ)、200℃の雰囲気で70秒間焼付け乾燥後、密着
性試験(碁盤目、折り曲げ)、耐食性試験(糸錆試験、
塩水噴霧試験)を実施した。結果を表2に示す。
【0035】(比較例8)試験板(アルミニウムA50
52)板をアルカリ脱脂洗浄して表面を清浄にした後、
100℃の乾燥炉で2分間乾燥した。次に試験板に熱硬
化型アクリル樹脂クリヤー塗料をバーコート塗装し(膜
厚15μ)、200℃の雰囲気で70秒間焼付け乾燥
後、密着性試験(碁盤目、折り曲げ)、耐食性試験(糸
錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を表2に示
す。
【0036】(実施例10)試験板は、アルミニウムメ
ッキ板(新日本製鐵社製アルシート材)をアルカリ脱脂
洗浄して表面を清浄にした後、電解処理に供した。酸性
電解液は、6価クロムイオンを無水クロム酸で30g/
l、硫酸イオンを硫酸で200ppm添加し、pHを水
酸化アンモニウムを用いてpH1.0に調整した。試験
板を前記酸性電解液に浸漬し陰極として、電流密度を2
0A/dm2で2秒間通電した。この間電解液温度は4
0℃に循環しながら維持した。通電後試験板を取り出し
水洗を行い、100℃の乾燥炉で2分間乾燥した。この
試験板を塩水噴霧(SST)試験240時間まで行い、
白錆発生面積を評価した。次に同一条件で作成した試験
板に熱硬化型アクリル樹脂クリヤー塗料をバーコート塗
装し(膜厚15μ)、200℃の雰囲気で70秒間焼付
け乾燥後、密着性試験(碁盤目、折り曲げ)、耐食性試
験(糸錆試験、塩水噴霧試験)を実施した。結果を表3
に示す。
【0037】(実施例11)試験板電解液は実施例10
と同一条件のものを用い、電解条件は電流密度を20A
/dm2で、4秒間通電した。通電後試験板を取り出し
水洗を行い、100℃の乾燥炉で2分間乾燥した。この
試験板を実施例10と同一の試験を行った。
【0038】(比較例9)アルミニウムメッキ板(新日
本製鐡社製アルシート材)をアルカリ脱脂洗浄して表面
を清浄にした後、100℃の乾燥炉で2分間乾燥した。
この試験板を実施例10と同一の試験を行った。結果を
表3に示す。
【0039】(評価試験方法) 1)皮膜外観 無処理サンプルを基準として色差計によりJIS−Z8
730に規定されている色差を測定し下記のランクに分
けて評価した。 ◎ 色差 0〜3.2 (目視では変色が確認され
ず) ○ 色差 3.2〜6.5 (僅かに変色が認められ
る) △ 色差 6.5〜13 (明らかに変色が認められ
る) × 色差 13以上 (強く変色認められる)
【0040】2)クロム付着量 蛍光X線分析装置により測定。
【0041】3)碁盤目密着性試験 塗装面にNTカッターで素地に達するよう1mm四方碁
盤目100個を描き、セロテープで剥離する。テープ剥
離後の残存碁盤目数で評価する。 ◎ 異常なし ○ 残存碁盤目95/100以上 △ 〃 80/100以上 × 〃 80/100未満
【0042】4)折り曲げ密着性試験 塗装板(幅50mmに切断)に同一板厚の板を2枚挟
み、180度折り曲げて、折り曲げ部をセロテープで剥
離する。折り曲げ部の塗装剥離面積を評価する。 ◎ 異常なし ○ 塗装剥離面積5%未満 △ 〃 25%未満 × 〃 25%以上
【0043】5)糸錆試験 塗装した試験板にNTカッターで素地まで達するカット
傷をつけた後、腐食液(1規定塩酸と5%過酸化水素水
の混液)に1分浸漬後常温で乾燥し24時間経過する。
湿潤試験(温度50℃、湿度80%)を1000時間行
った後、カット傷より発生した糸錆の長さを測定する。 ◎ 最大糸錆長さ2mm以内 ○ 〃 3mm以内 △ 〃 5mm以内 × 〃 5mm以上
【0044】6)塩水噴霧試験(SST) 塗装した試験板にNTカッターで素地までカット傷をつ
けた後、JIS−Z2371に基いて1000時間行っ
た後、カット傷からの錆やフクレの最大幅を測定する。 ◎ 最大フクレ錆幅1mm以内 ○ 〃 2mm以内 △ 〃 3mm以内 × 〃 3mm以上
【0045】7)皮膜の塩水噴霧耐食性試験 電解処理した試験板を70×150mmのサイズに切断
し、端面をテープシールした後、JIS−Z2371に
基いて塩水噴霧試験を240時間行う。試験面に発生し
た白錆発生面積を評価する。 ◎ 異常なし ○ 白錆発生面積5%以内 △ 〃 25%以内 × 〃 25%以上
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム板又はア
ルミニウム鍍金板の素材の表面外観を保持し、且つ塗装
後耐食性、密着性に優れた無色クロメート皮膜を形成さ
せることができ、クリヤー塗装前処理として、従来問題
となっていた耐食性、とくに耐糸錆性を向上させること
が出来る。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−13431(JP,A) 特開 昭62−278297(JP,A) 特開 平3−44496(JP,A) 特開 平5−309331(JP,A) 特開 平5−179486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板
    の表面を6価クロムイオン2g/l以上、硫酸イオン2
    0〜2000ppm含有し、pHを0.5〜2.0に調
    整した酸性電解液を用い、陰極における電解電流密度を
    2〜25A/dm2で、電解時間1〜25秒で陰極電解
    処理して、クロム付着量として20〜300mg/m2
    の無色皮膜を形成させることを特徴とするアルミニウム
    板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板
    の表面を6価クロムイオン2g/l以上、硫酸イオン2
    0〜2000ppm、フッ素を400ppm未満、及び
    ジルコニウムイオン及びチタニウムイオンから選ばれる
    1種又は2種のイオンを20〜1000ppm含有する
    pH0.5〜2.0に調整した酸性電解液を用い、陰極
    における電解電流密度を2〜25A/dm2で、電解時
    間1〜25秒で陰極電解処理して、クロム付着量として
    20〜300mg/m2の無色皮膜を形成させることを
    特徴とするアルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗
    装前処理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板
    の表面を6価クロムイオン2g/l以上、硫酸イオン2
    0〜2000ppm、フッ素を400ppm未満、ジル
    コニウムイオン及びチタニウムイオンから選ばれる1種
    又は2種のイオンを20〜1000ppm、及びコロイ
    ダルシリカ、乾式シリカ、珪酸アルカリ金属塩の、1種
    又は2種以上のシリカゾルをその固形分濃度で1〜5g
    /lを含有するpHO.5〜2.0に調整した酸性電解
    液を用い、陰極における電解電流密度を2〜25A/d
    2で、電解時間1〜25秒で陰極電解処理して、クロ
    ム付着量として20〜300mg/m2の無色皮膜を形
    成させることを特徴とするアルミニウム板又はアルミニ
    ウム鍍金板の塗装前処理方法。
JP03358256A 1991-12-27 1991-12-27 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法 Expired - Fee Related JP3107884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03358256A JP3107884B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03358256A JP3107884B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05179488A JPH05179488A (ja) 1993-07-20
JP3107884B2 true JP3107884B2 (ja) 2000-11-13

Family

ID=18458348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03358256A Expired - Fee Related JP3107884B2 (ja) 1991-12-27 1991-12-27 アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3107884B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112030170A (zh) * 2020-07-27 2020-12-04 西安金诺表面精饰有限公司 一种镀镍件黄膜处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05179488A (ja) 1993-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4184926A (en) Anti-corrosive coating on magnesium and its alloys
JP4373778B2 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
US4306917A (en) Conversion coating solutions for treating metallic surfaces
JPH0577750B2 (ja)
JP3987633B2 (ja) 金属の保護皮膜形成用処理剤と形成方法
KR100814489B1 (ko) 화성처리 금속판
JP3137535B2 (ja) 塗装性に優れた亜鉛含有金属めっき鋼板複合体、およびその製造方法
JP3105322B2 (ja) 光輝性アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法
JP2005325401A (ja) 亜鉛又は亜鉛系合金メッキ鋼材の表面処理方法
JPS581093A (ja) マグネシウム材表面に保護皮膜を形成する方法
JP2003082497A (ja) 錫めっき鋼板およびその製造方法
JP3107884B2 (ja) アルミニウム板又はアルミニウム鍍金板の塗装前処理方法
JP3737168B2 (ja) 高白色で塗装性に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP6098763B2 (ja) Snめっき鋼板及び化成処理鋼板並びにこれらの製造方法
JP3107883B2 (ja) アルミニウム成形品又はアルミニウム合金成形品の塗装前処理方法
JP2002356785A (ja) 耐酸化性の優れた錫めっき鋼板およびその製造方法
JP2000219975A (ja) 表面処理されたMg合金およびその表面処理方法
JPH0359996B2 (ja)
JP3212754B2 (ja) アルミニウム系金属表面の水系無機塗料塗装前処理方法
JP3224639B2 (ja) アルミホイールの無色クロメート皮膜形成方法
JPH04333576A (ja) 接着性に優れた表面処理鋼板の製造方法
JP3139838B2 (ja) クリア塗装用表面処理アルミニウム及びアルミニウム合金材料とその製法
JP3330423B2 (ja) 陰極電解樹脂クロメート型金属表面処理方法
JP3499328B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金製部材の無色クロメート皮膜形成方法
JPH0340116B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080908

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees