JPH05287589A - アルミニウム又はその合金の化成皮膜形成方法、及びフッ素フリーリン酸塩化成処理剤 - Google Patents
アルミニウム又はその合金の化成皮膜形成方法、及びフッ素フリーリン酸塩化成処理剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アルミニウム又はその合金からなる被処理材
1を、あらかじめ酸又はアルカリ水溶液で処理した後、
実質的にフッ素を含まないリン酸塩化成処理液2中で、
前記被処理材1が前記処理液2に対して有する自然電極
電位から卑(−)の方向に少なくとも一時的に電圧を印
加し、化成皮膜を形成する方法である。 【効果】実質的にフッ素を含まないリン酸塩化成処理液
を用いても、アルミニウム又はその合金の表面に緻密な
化成皮膜を形成することができる。
1を、あらかじめ酸又はアルカリ水溶液で処理した後、
実質的にフッ素を含まないリン酸塩化成処理液2中で、
前記被処理材1が前記処理液2に対して有する自然電極
電位から卑(−)の方向に少なくとも一時的に電圧を印
加し、化成皮膜を形成する方法である。 【効果】実質的にフッ素を含まないリン酸塩化成処理液
を用いても、アルミニウム又はその合金の表面に緻密な
化成皮膜を形成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム系の素材
に対するリン酸塩化成処理方法及びそれに用いる化成処
理剤に関し、更に詳しくは、実質的にフッ素を含まない
化成処理剤を用いてアルミニウム系の素材表面上に緻密
なリン酸亜鉛皮膜を形成する方法、及びそれに用いる実
質的にフッ素を含まない化成処理剤に関する。
に対するリン酸塩化成処理方法及びそれに用いる化成処
理剤に関し、更に詳しくは、実質的にフッ素を含まない
化成処理剤を用いてアルミニウム系の素材表面上に緻密
なリン酸亜鉛皮膜を形成する方法、及びそれに用いる実
質的にフッ素を含まない化成処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
軽量化のために、自動車ボディにアルミニウム材やアル
ミニウム系合金材が利用されるようになってきた。ま
た、自動車ボディに限らず、構造材や機械部品、缶材料
等幅広い分野でアルミニウム材やアルミニウム系合金材
(以下アルミニウム系材料と呼ぶ)が用いられるように
なってきた。これらのアルミニウム系材料は、従来の鋼
材等と同様に、耐食性等の向上を目的として表面を化成
処理するのが一般的である。
軽量化のために、自動車ボディにアルミニウム材やアル
ミニウム系合金材が利用されるようになってきた。ま
た、自動車ボディに限らず、構造材や機械部品、缶材料
等幅広い分野でアルミニウム材やアルミニウム系合金材
(以下アルミニウム系材料と呼ぶ)が用いられるように
なってきた。これらのアルミニウム系材料は、従来の鋼
材等と同様に、耐食性等の向上を目的として表面を化成
処理するのが一般的である。
【0003】アルミニウム系材料の化成処理剤として
は、主に、リン酸亜鉛処理剤等のリン酸系のものが用い
られているが、アルミニウム系材料の表面には安定な
(自然)酸化膜が形成されているため、これを除去して
良好な化成皮膜を形成する目的で、処理溶液中にフッ素
イオンを導入していた。フッ素イオンが存在しないとア
ルミニウム系材料の表面にリン酸亜鉛皮膜を形成するこ
とは不可能であった。
は、主に、リン酸亜鉛処理剤等のリン酸系のものが用い
られているが、アルミニウム系材料の表面には安定な
(自然)酸化膜が形成されているため、これを除去して
良好な化成皮膜を形成する目的で、処理溶液中にフッ素
イオンを導入していた。フッ素イオンが存在しないとア
ルミニウム系材料の表面にリン酸亜鉛皮膜を形成するこ
とは不可能であった。
【0004】本発明者らの研究によれば、フッ素イオン
の添加は、主として以下の2つの効果をもたらすことが
わかった。
の添加は、主として以下の2つの効果をもたらすことが
わかった。
【0005】すなわち、フッ素イオンの添加は、(1) 被
処理材の自然電位を著しく卑な方向にシフトさせる。し
たがって、被処理材表面の自然酸化膜及び被処理材素地
をエッチングし、リン酸亜鉛処理反応を促進させる。ま
た、(2) 化成処理液中の被処理材の腐食電流密度を大き
く増大させる。すなわち、フッ素イオンは被処理材表面
をエッチングし、プロトン還元反応(カソード反応)を
促進し、もって被処理材表面のごく近傍(被処理材と化
成処理液との界面付近)での化成処理液のpHを上昇さ
せ、被処理材表面へのリン酸塩皮膜の析出を可能にする
ものと思われる。
処理材の自然電位を著しく卑な方向にシフトさせる。し
たがって、被処理材表面の自然酸化膜及び被処理材素地
をエッチングし、リン酸亜鉛処理反応を促進させる。ま
た、(2) 化成処理液中の被処理材の腐食電流密度を大き
く増大させる。すなわち、フッ素イオンは被処理材表面
をエッチングし、プロトン還元反応(カソード反応)を
促進し、もって被処理材表面のごく近傍(被処理材と化
成処理液との界面付近)での化成処理液のpHを上昇さ
せ、被処理材表面へのリン酸塩皮膜の析出を可能にする
ものと思われる。
【0006】しかしながら、フッ素イオンを含んだ化成
処理剤を用いて処理を行うと、被処理材の表面に形成さ
れたリン酸塩皮膜中にクリオライト(Na3 AlF6 )が混
入しやすい。クリオライトが化成皮膜中に混入すると、
リン酸亜鉛皮膜上に形成される塗膜の密着性が低下する
ことが知られている。
処理剤を用いて処理を行うと、被処理材の表面に形成さ
れたリン酸塩皮膜中にクリオライト(Na3 AlF6 )が混
入しやすい。クリオライトが化成皮膜中に混入すると、
リン酸亜鉛皮膜上に形成される塗膜の密着性が低下する
ことが知られている。
【0007】また、最近では低公害の処理方法が望まれ
るようになってきており、フッ素(イオン)を含まない
処理剤を用いた方法の開発が望まれている。
るようになってきており、フッ素(イオン)を含まない
処理剤を用いた方法の開発が望まれている。
【0008】そこで、アルミニウム系材料の表面に形成
された自然酸化膜をあらかじめ酸又はアルカリにより除
去し、その後、フッ素イオンを含まないリン酸塩処理液
で化成処理する方法が考えられるが、この方法では、自
然酸化膜を除去した被処理材を(フッ素イオンを含まな
い)リン酸塩処理液に浸漬すると、通常被処理材の表面
に新たな酸化膜が生じやすく、リン酸亜鉛等の化成皮膜
の形成反応が進行しないという問題がある。
された自然酸化膜をあらかじめ酸又はアルカリにより除
去し、その後、フッ素イオンを含まないリン酸塩処理液
で化成処理する方法が考えられるが、この方法では、自
然酸化膜を除去した被処理材を(フッ素イオンを含まな
い)リン酸塩処理液に浸漬すると、通常被処理材の表面
に新たな酸化膜が生じやすく、リン酸亜鉛等の化成皮膜
の形成反応が進行しないという問題がある。
【0009】したがって、本発明の目的は、フッ素イオ
ンを含まないリン酸塩処理剤を用いて、アルミニウム系
材料の表面に緻密なリン酸塩皮膜を形成する方法、及び
その方法に用いる化成処理剤を提供することである。
ンを含まないリン酸塩処理剤を用いて、アルミニウム系
材料の表面に緻密なリン酸塩皮膜を形成する方法、及び
その方法に用いる化成処理剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、フッ素イオンを実質的に含まない
化成処理液を用いてアルミニウム系材料の表面に良好な
化成皮膜を形成する処理方法について鋭意研究の結果、
アルミニウム系材料からなる被処理材をまず酸又はアル
カリにより処理して表面に形成された自然酸化膜を除去
し、次に、実質的にフッ素イオンを含まない化成処理液
に被処理材を浸漬し、この被処理材が化成処理液に対し
て有する自然電極電位より卑(−)方向に電位をかけて
やれば、化成処理液中で被処理材がいわばカソード分極
してプロトン還元反応が促進され、もって化成皮膜形成
反応が促進され、良好なリン酸塩皮膜を得ることができ
ること発見し、本発明を完成した。
の結果、本発明者は、フッ素イオンを実質的に含まない
化成処理液を用いてアルミニウム系材料の表面に良好な
化成皮膜を形成する処理方法について鋭意研究の結果、
アルミニウム系材料からなる被処理材をまず酸又はアル
カリにより処理して表面に形成された自然酸化膜を除去
し、次に、実質的にフッ素イオンを含まない化成処理液
に被処理材を浸漬し、この被処理材が化成処理液に対し
て有する自然電極電位より卑(−)方向に電位をかけて
やれば、化成処理液中で被処理材がいわばカソード分極
してプロトン還元反応が促進され、もって化成皮膜形成
反応が促進され、良好なリン酸塩皮膜を得ることができ
ること発見し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明のアルミニウム又はその
合金の化成皮膜形成方法は、(a) アルミニウム又はその
合金からなる被処理材を酸又はアルカリ水溶液で処理す
る工程と、(b) 前記(a) 工程の後に、実質的にフッ素を
含まないリン酸塩化成処理液に前記被処理材を浸漬し、
前記被処理材が前記処理液に対して有する自然電極電位
から卑(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を印加
する工程とを含むことを特徴とする。
合金の化成皮膜形成方法は、(a) アルミニウム又はその
合金からなる被処理材を酸又はアルカリ水溶液で処理す
る工程と、(b) 前記(a) 工程の後に、実質的にフッ素を
含まないリン酸塩化成処理液に前記被処理材を浸漬し、
前記被処理材が前記処理液に対して有する自然電極電位
から卑(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を印加
する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明のアルミニウム又はその合金
の化成処理剤は、リン酸塩を主成分とするとともに実質
的にフッ素を含まず、前記化成処理剤から得られる処理
液にアルミニウム又はその合金からなる被処理材を浸漬
し、前記被処理材が前記処理液に対して有する自然電極
電位から卑(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を
印加する方法に用いることを特徴とする。
の化成処理剤は、リン酸塩を主成分とするとともに実質
的にフッ素を含まず、前記化成処理剤から得られる処理
液にアルミニウム又はその合金からなる被処理材を浸漬
し、前記被処理材が前記処理液に対して有する自然電極
電位から卑(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を
印加する方法に用いることを特徴とする。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。まず本発明
の化成処理剤は、実質的にフッ素を含まないリン酸塩系
の処理剤である。この処理剤は、Zn、Fe、Mn、Ca、Zr等
の少なくとも一種の第一リン酸塩を主成分とするが、特
にZnの第一リン酸塩を主成分とするものが好ましい。
の化成処理剤は、実質的にフッ素を含まないリン酸塩系
の処理剤である。この処理剤は、Zn、Fe、Mn、Ca、Zr等
の少なくとも一種の第一リン酸塩を主成分とするが、特
にZnの第一リン酸塩を主成分とするものが好ましい。
【0014】このような化成処理剤は実際には、主とし
て水溶液として用いるが、そのような水溶液(化成処理
液)としては、PO4 イオンを2〜30g/リットル含有す
るものが好ましい。他の陰イオンとしては、NO3 イオ
ン、NO2 イオンが挙げられるが、これらはそれぞれ 0.5
〜10g/リットル、及び0.01〜 0.1g/リットルの含有
量とするのが好ましい。
て水溶液として用いるが、そのような水溶液(化成処理
液)としては、PO4 イオンを2〜30g/リットル含有す
るものが好ましい。他の陰イオンとしては、NO3 イオ
ン、NO2 イオンが挙げられるが、これらはそれぞれ 0.5
〜10g/リットル、及び0.01〜 0.1g/リットルの含有
量とするのが好ましい。
【0015】また、金属イオン成分として、各々、好ま
しくはZnイオン 0.5〜2g/リットル、Feイオン0〜0.
5 g/リットル、Mnイオン0〜2g/リットル、Caイオ
ン0〜2g/リットル、及び/又はZrイオンを0〜2g
/リットル含む。なお、反応促進剤としてNiイオンを0
〜2g/リットル含んでいても良い。
しくはZnイオン 0.5〜2g/リットル、Feイオン0〜0.
5 g/リットル、Mnイオン0〜2g/リットル、Caイオ
ン0〜2g/リットル、及び/又はZrイオンを0〜2g
/リットル含む。なお、反応促進剤としてNiイオンを0
〜2g/リットル含んでいても良い。
【0016】亜鉛イオンの供給源としては、例えば酸化
亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。鉄イオンの
供給源としては塩化鉄等が挙げられる。マンガンイオン
の供給源としては、炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化
マンガン等が挙げられ、カルシウムの供給源としては、
炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が
挙げられる。ジルコニアイオンの供給源としては、炭酸
ジルコニア、硝酸ジルコニア、塩化ジルコニア及びそれ
らのオキシジルコニウム塩等が挙げられる。また、ニッ
ケルイオンの供給源としては、炭酸ニッケル、硝酸ニッ
ケル、塩化ニッケル等を用いることができる。
亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。鉄イオンの
供給源としては塩化鉄等が挙げられる。マンガンイオン
の供給源としては、炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化
マンガン等が挙げられ、カルシウムの供給源としては、
炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等が
挙げられる。ジルコニアイオンの供給源としては、炭酸
ジルコニア、硝酸ジルコニア、塩化ジルコニア及びそれ
らのオキシジルコニウム塩等が挙げられる。また、ニッ
ケルイオンの供給源としては、炭酸ニッケル、硝酸ニッ
ケル、塩化ニッケル等を用いることができる。
【0017】一方、リン酸イオンの供給源としては、例
えばリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸亜鉛、リン酸マ
ンガン、リン酸ニッケル、リン酸第一鉄等が挙げられ
る。また、NO3 イオン及びNO2 イオンの供給源として
は、上述した金属の塩を用いることができる。
えばリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸亜鉛、リン酸マ
ンガン、リン酸ニッケル、リン酸第一鉄等が挙げられ
る。また、NO3 イオン及びNO2 イオンの供給源として
は、上述した金属の塩を用いることができる。
【0018】その他添加することができる金属イオンと
しては、Cr、Cu、Co、Mo、W、Mg、Ti、Si等のイオンが
挙げられる。
しては、Cr、Cu、Co、Mo、W、Mg、Ti、Si等のイオンが
挙げられる。
【0019】なお、化成処理液の実際の使用に際して
は、水酸化ナトリウム等を用いて、この溶液の全酸度
(処理液10mlを、フェノールフタレインを指示薬として
0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定したときの所要ml数で
あり、これをポイントとして表す。)を10〜20ポイン
ト、遊離酸度(処理液10mlを、ブロムフェノールブルー
を指示薬として 0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定したと
きの所要ml数であり、これをポイントとして表す。)を
0.8〜1.2 ポイントに調整しておくことが好ましい。ま
た促進剤値(トナー値)は好ましくは 1.0〜4.0 に調整
する。
は、水酸化ナトリウム等を用いて、この溶液の全酸度
(処理液10mlを、フェノールフタレインを指示薬として
0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定したときの所要ml数で
あり、これをポイントとして表す。)を10〜20ポイン
ト、遊離酸度(処理液10mlを、ブロムフェノールブルー
を指示薬として 0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定したと
きの所要ml数であり、これをポイントとして表す。)を
0.8〜1.2 ポイントに調整しておくことが好ましい。ま
た促進剤値(トナー値)は好ましくは 1.0〜4.0 に調整
する。
【0020】本発明の方法は、アルミニウム材、及びア
ルミニウム−銅、アルミニウム−亜鉛、アルミニウム−
マンガン、アルミニウム−マグネシウム、アルミニウム
−マグネシウム−珪素、アルミニウム−亜鉛−マグネシ
ウム等のアルミニウム合金材に対して適用することがで
きる。また、アルミニウムめっき部材に対しても適用す
ることができる。
ルミニウム−銅、アルミニウム−亜鉛、アルミニウム−
マンガン、アルミニウム−マグネシウム、アルミニウム
−マグネシウム−珪素、アルミニウム−亜鉛−マグネシ
ウム等のアルミニウム合金材に対して適用することがで
きる。また、アルミニウムめっき部材に対しても適用す
ることができる。
【0021】このようなアルミニウム系材料は、板状、
棒状、線状、管状等の種々の形態のものであっても良い
し、飲料や食品用の缶部材(キャップ材を含む)であっ
てもよい。
棒状、線状、管状等の種々の形態のものであっても良い
し、飲料や食品用の缶部材(キャップ材を含む)であっ
てもよい。
【0022】次に、本発明の方法について説明する。ま
ず酸又はアルカリによる処理の前に、必要に応じてその
被処理材の表面を脱脂処理する。脱脂処理には溶剤脱脂
とアルカリ脱脂があり、溶剤脱脂にはトリクロルエチレ
ン、パークロルエチレン、ガソリン、ヘキサン等の溶剤
を使用し、アルカリ脱脂には水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の洗
浄液を使用する。
ず酸又はアルカリによる処理の前に、必要に応じてその
被処理材の表面を脱脂処理する。脱脂処理には溶剤脱脂
とアルカリ脱脂があり、溶剤脱脂にはトリクロルエチレ
ン、パークロルエチレン、ガソリン、ヘキサン等の溶剤
を使用し、アルカリ脱脂には水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の洗
浄液を使用する。
【0023】脱脂処理した表面は水洗し、続いて、酸又
はアルカリにより被処理材の表面に形成されている酸化
膜を除去する。これにより、被処理材の表面における通
電性が増大する。
はアルカリにより被処理材の表面に形成されている酸化
膜を除去する。これにより、被処理材の表面における通
電性が増大する。
【0024】被処理材の表面部に形成された酸化膜を除
去するのに用いる酸としては、リン酸、硫酸、硝酸等が
挙げられるが、その効果、及び取扱い易さを考慮する
と、リン酸を用いるのが好ましい。なお、酸化膜の除去
という点のみを考えると、その効果の度合いは、フッ化
水素酸(フッ酸)、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸の順とな
る(フッ化水素酸が最も効果が大である)が、フッ化水
素酸を用いると、フッ素イオンが導入されることになる
ので、本発明では好ましくない。また、塩酸は、ピッテ
ィングの誘発という点で好ましくない。
去するのに用いる酸としては、リン酸、硫酸、硝酸等が
挙げられるが、その効果、及び取扱い易さを考慮する
と、リン酸を用いるのが好ましい。なお、酸化膜の除去
という点のみを考えると、その効果の度合いは、フッ化
水素酸(フッ酸)、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸の順とな
る(フッ化水素酸が最も効果が大である)が、フッ化水
素酸を用いると、フッ素イオンが導入されることになる
ので、本発明では好ましくない。また、塩酸は、ピッテ
ィングの誘発という点で好ましくない。
【0025】酸の濃度、及び洗浄時の酸(水溶液)の温
度は、ともに高いほど効果が高い(酸化膜の除去能が高
い)。酸の濃度は2重量%以上とするのが好ましい。酸
の濃度が2重量%未満では、被処理材の表面部に形成さ
れた酸化膜を良好に除去することができない。より好ま
しくは2〜20重量%とする。また、洗浄時の酸水溶液の
温度は5〜70℃とするのが好ましい。なお、酸の濃度及
び温度を調節することで、酸による被処理材の処理(洗
浄)時間を所望の長さに調節することができる。
度は、ともに高いほど効果が高い(酸化膜の除去能が高
い)。酸の濃度は2重量%以上とするのが好ましい。酸
の濃度が2重量%未満では、被処理材の表面部に形成さ
れた酸化膜を良好に除去することができない。より好ま
しくは2〜20重量%とする。また、洗浄時の酸水溶液の
温度は5〜70℃とするのが好ましい。なお、酸の濃度及
び温度を調節することで、酸による被処理材の処理(洗
浄)時間を所望の長さに調節することができる。
【0026】酸による被処理材の処理方法は、浸漬法、
スプレー法等が挙げられるが、浸漬法が好ましい。
スプレー法等が挙げられるが、浸漬法が好ましい。
【0027】被処理材を処理する溶液として20重量%の
濃度のリン酸水溶液を用い、室温で処理を行う場合、被
処理材を5分間程度浸漬するのが好ましい。
濃度のリン酸水溶液を用い、室温で処理を行う場合、被
処理材を5分間程度浸漬するのが好ましい。
【0028】また、被処理材の表面部に形成された酸化
膜を除去するために、アルカリ水溶液を用いることもで
きる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。そ
の濃度は1重量%以上とするのが好ましい。より好まし
くは2〜5重量%とする。
膜を除去するために、アルカリ水溶液を用いることもで
きる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。そ
の濃度は1重量%以上とするのが好ましい。より好まし
くは2〜5重量%とする。
【0029】アルカリによる処理方法は、上述した酸に
よる処理方法と同様にして行うことができる。
よる処理方法と同様にして行うことができる。
【0030】なお、アルカリ水溶液を用いた場合、アル
ミニウム系材料の表面に偏析したマグネシウムを良好に
除去することができない場合がある。したがって、被処
理材の表面部に形成された酸化膜の除去には酸を用いる
のが好ましい。
ミニウム系材料の表面に偏析したマグネシウムを良好に
除去することができない場合がある。したがって、被処
理材の表面部に形成された酸化膜の除去には酸を用いる
のが好ましい。
【0031】酸又はアルカリにより被処理材を処理した
ら、次に、被処理材を水洗し、さらに、必要に応じて表
面調整剤により浸漬処理をする。表面調整剤としては、
チタン系コロイド水溶液等が挙げられる。
ら、次に、被処理材を水洗し、さらに、必要に応じて表
面調整剤により浸漬処理をする。表面調整剤としては、
チタン系コロイド水溶液等が挙げられる。
【0032】次に、上述したリン酸塩処理液に被処理材
を浸漬し、同時に、被処理材がリン酸塩処理液に対して
有する自然電極電位より卑(−)方向の電位をかけ、被
処理材表面上に化成皮膜を形成する。この工程を添付図
面を参照して説明する。
を浸漬し、同時に、被処理材がリン酸塩処理液に対して
有する自然電極電位より卑(−)方向の電位をかけ、被
処理材表面上に化成皮膜を形成する。この工程を添付図
面を参照して説明する。
【0033】図1は本発明の化成処理を実行することの
できる化成処理装置を示す模式図であり、図2は、その
とき被処理材に印加する電位の一例を示すグラフであ
る。まず化成処理装置は、リン酸塩処理液2を満たした
槽5と、参照電極3と、正極板4と、ポテンシオスタッ
ト6と、ファンクションジェネレータ7とを有する。こ
こで被処理材1は負極側に取り付け、リン酸塩処理液2
に浸漬する。なお槽5中のリン酸塩処理液2は、何らか
の方法で攪拌するのが好ましく、図1に示すように、マ
グネチックスターラー8を用いて処理液2を撹拌するの
がよい。また、処理液2は加温しなくても良いが、好ま
しくはその温度を30〜70℃に保持する。ポテンシオスタ
ット6の代わりに、直流電源、又は交流電源を用いて電
位をかけることもできる。
できる化成処理装置を示す模式図であり、図2は、その
とき被処理材に印加する電位の一例を示すグラフであ
る。まず化成処理装置は、リン酸塩処理液2を満たした
槽5と、参照電極3と、正極板4と、ポテンシオスタッ
ト6と、ファンクションジェネレータ7とを有する。こ
こで被処理材1は負極側に取り付け、リン酸塩処理液2
に浸漬する。なお槽5中のリン酸塩処理液2は、何らか
の方法で攪拌するのが好ましく、図1に示すように、マ
グネチックスターラー8を用いて処理液2を撹拌するの
がよい。また、処理液2は加温しなくても良いが、好ま
しくはその温度を30〜70℃に保持する。ポテンシオスタ
ット6の代わりに、直流電源、又は交流電源を用いて電
位をかけることもできる。
【0034】被処理材1には、リン酸塩処理液2に浸漬
後、ポテンシオスタット6とファンクションジェネレー
タ7とにより、たとえば図2に示すような電位をかけ
る。図2に示すグラフの横軸は、被処理材1が処理液2
に浸漬された時点からの時間(秒)を示しており、縦軸
は処理液2に対する被処理材1の電位を示している。な
お電位E0 は、被処理材1が処理液2に浸漬された時の
自然電極電位であり、破線E0tは自然電極電位の時間的
変化を示しており、Et は電圧が印加された被処理材1
の電位の時間的変化を示している。
後、ポテンシオスタット6とファンクションジェネレー
タ7とにより、たとえば図2に示すような電位をかけ
る。図2に示すグラフの横軸は、被処理材1が処理液2
に浸漬された時点からの時間(秒)を示しており、縦軸
は処理液2に対する被処理材1の電位を示している。な
お電位E0 は、被処理材1が処理液2に浸漬された時の
自然電極電位であり、破線E0tは自然電極電位の時間的
変化を示しており、Et は電圧が印加された被処理材1
の電位の時間的変化を示している。
【0035】図2においては、被処理材1を処理液2に
浸漬後、比較的はやい時間に、電位の変化のグラフが滑
らかな曲線を描きながら自然電極電位から卑(−)の方
向にシフトするように電圧を印加する。そして、被処理
材1の電位が最小電位Em に達した後、卑方向への印加
電圧を減少させ(自然電極電位に近づけ)、浸漬の後半
は実質的に電圧を印加せず、ほぼ自然電極電位に被処理
材1を保っている。なお、後述するように、この電位の
変化は図2に示すものに限らず、種々変化させてよい。
浸漬後、比較的はやい時間に、電位の変化のグラフが滑
らかな曲線を描きながら自然電極電位から卑(−)の方
向にシフトするように電圧を印加する。そして、被処理
材1の電位が最小電位Em に達した後、卑方向への印加
電圧を減少させ(自然電極電位に近づけ)、浸漬の後半
は実質的に電圧を印加せず、ほぼ自然電極電位に被処理
材1を保っている。なお、後述するように、この電位の
変化は図2に示すものに限らず、種々変化させてよい。
【0036】本発明では、このように被処理材1をリン
酸塩処理液2に浸漬後、卑(−)方向に電位をかける。
この電位の最小電位Em は、被処理材1が処理液2に対
して有する自然電極電位E0 と以下の関係となるように
設定するのが好ましい。 E0 −1.5 (V) ≦Em ≦E0 −0.8 (V) ここで、参照(比較)電極としてAg/AgCl電極を用いて
いる。より好ましくは、 E0 −1.2 (V) ≦Em ≦E0 −1.1 (V) とする。
酸塩処理液2に浸漬後、卑(−)方向に電位をかける。
この電位の最小電位Em は、被処理材1が処理液2に対
して有する自然電極電位E0 と以下の関係となるように
設定するのが好ましい。 E0 −1.5 (V) ≦Em ≦E0 −0.8 (V) ここで、参照(比較)電極としてAg/AgCl電極を用いて
いる。より好ましくは、 E0 −1.2 (V) ≦Em ≦E0 −1.1 (V) とする。
【0037】最小電位Em がE0 −1.5 (V)より低い場
合には、プロトン還元反応が過剰に促進され、被処理材
表面近傍の処理液のpHが必要以上に高くなる。また、多
量の水素ガスが発生し、リン酸亜鉛結晶の被処理材(ア
ルミニウム系材料)表面への沈着が阻害される。このよ
うな場合、たとえ被処理材表面に析出物が形成されたと
しても、その析出物の中にはHopeite 以外の生成物、た
とえば水酸化亜鉛等が混入することになり、化成皮膜と
しての性能が低下する。
合には、プロトン還元反応が過剰に促進され、被処理材
表面近傍の処理液のpHが必要以上に高くなる。また、多
量の水素ガスが発生し、リン酸亜鉛結晶の被処理材(ア
ルミニウム系材料)表面への沈着が阻害される。このよ
うな場合、たとえ被処理材表面に析出物が形成されたと
しても、その析出物の中にはHopeite 以外の生成物、た
とえば水酸化亜鉛等が混入することになり、化成皮膜と
しての性能が低下する。
【0038】一方、最小電位Em がE0 −0.8 (V) より
高くなると、プロトン還元反応が抑制され、被処理材表
面近傍の処理液のpHが大きくならないために、リン酸亜
鉛結晶の析出が起こらなくなる。
高くなると、プロトン還元反応が抑制され、被処理材表
面近傍の処理液のpHが大きくならないために、リン酸亜
鉛結晶の析出が起こらなくなる。
【0039】この電位の印加は、被処理材を処理液に浸
漬後、好ましくは40秒以内、より好ましくは20秒以内に
行う。すなわち、図2に示す電圧の変化とした場合、被
処理材1を浸漬した時点から好ましくは40秒以内に、最
小電位Em が生ずるように電圧の印加を設定する。
漬後、好ましくは40秒以内、より好ましくは20秒以内に
行う。すなわち、図2に示す電圧の変化とした場合、被
処理材1を浸漬した時点から好ましくは40秒以内に、最
小電位Em が生ずるように電圧の印加を設定する。
【0040】上述したように、本発明では、被処理材1
の電位を特定の値に少なくとも一時的に保持するが、こ
のような適正制御電位が存在する理由について以下説明
する。
の電位を特定の値に少なくとも一時的に保持するが、こ
のような適正制御電位が存在する理由について以下説明
する。
【0041】本発明では、カソード電流を被処理材1に
通電し、意図的に被処理材1近傍の処理液2のpH(界面
pH)を増大させることで、リン酸亜鉛処理皮膜の形成を
可能にしている。そこで、図3を参照して、カソード電
流密度iから、被処理材(アルミニウム系材料)1の表
面付近におけるpH(界面pH)を推定してみると以下の通
りとなる。なお、図3において、1は被処理材(アルミ
ニウム系材料)を示しており、Aは処理液におけるプロ
トンの拡散層を示しており、Bは通常の処理液部分を示
しており、線Cはプロトンの濃度変化を示している。カ
ソード電流密度iは、 i=nFD(Cb −Co )/δ・・・(1) (ここで、nは電子数であり、Fはファラデー定数であ
り、Dはプロトンの拡散定数であり、Cb はプロトンの
バルク濃度であり、Co はプロトンの界面(近傍)の濃
度であり、またδは拡散層の厚さである。)で表すこと
ができる。
通電し、意図的に被処理材1近傍の処理液2のpH(界面
pH)を増大させることで、リン酸亜鉛処理皮膜の形成を
可能にしている。そこで、図3を参照して、カソード電
流密度iから、被処理材(アルミニウム系材料)1の表
面付近におけるpH(界面pH)を推定してみると以下の通
りとなる。なお、図3において、1は被処理材(アルミ
ニウム系材料)を示しており、Aは処理液におけるプロ
トンの拡散層を示しており、Bは通常の処理液部分を示
しており、線Cはプロトンの濃度変化を示している。カ
ソード電流密度iは、 i=nFD(Cb −Co )/δ・・・(1) (ここで、nは電子数であり、Fはファラデー定数であ
り、Dはプロトンの拡散定数であり、Cb はプロトンの
バルク濃度であり、Co はプロトンの界面(近傍)の濃
度であり、またδは拡散層の厚さである。)で表すこと
ができる。
【0042】上記(1) 式より、界面(近傍)でのプロト
ンの濃度Co は、 Co =Cb −iδ/nFD・・・(2) となる。したがって、界面pHは、 界面pH=−log (Cb −iδ/nFD)・・・(3) となる。ここで、Cb (化成処理液のpHに相当)=10
-3.05 M δ=10-3cm D=9.5 ×10-5cm2 /sec としてiに対する界面pHの変化を調べると、図4に示す
グラフが得られる。図4から、界面pHは、限界電流密度
(ilmt =16340 μAcm-2)に近づくにつれ、急激に上
昇することがわかる。
ンの濃度Co は、 Co =Cb −iδ/nFD・・・(2) となる。したがって、界面pHは、 界面pH=−log (Cb −iδ/nFD)・・・(3) となる。ここで、Cb (化成処理液のpHに相当)=10
-3.05 M δ=10-3cm D=9.5 ×10-5cm2 /sec としてiに対する界面pHの変化を調べると、図4に示す
グラフが得られる。図4から、界面pHは、限界電流密度
(ilmt =16340 μAcm-2)に近づくにつれ、急激に上
昇することがわかる。
【0043】ところで、リン酸亜鉛処理の析出するpH
は、通常の化成処理の条件(リン酸の濃度20重量%、温
度20℃)では、3.1 付近であるが、溶液のpHが上昇し、
pHが7.2 付近では水酸化亜鉛が析出しはじめる。したが
って、被処理材表面に良好な化成皮膜を形成するには、
界面pHを3.1 〜7.2 の範囲に設定することが必要とな
る。好ましくは、pHを3.1 〜4.5 に設定する。この理由
から、本発明では、界面pHが上述の範囲に入るように電
流密度(被処理材の電位)を設定しており、もって、E
m を上述の範囲に設定するのが好ましい。
は、通常の化成処理の条件(リン酸の濃度20重量%、温
度20℃)では、3.1 付近であるが、溶液のpHが上昇し、
pHが7.2 付近では水酸化亜鉛が析出しはじめる。したが
って、被処理材表面に良好な化成皮膜を形成するには、
界面pHを3.1 〜7.2 の範囲に設定することが必要とな
る。好ましくは、pHを3.1 〜4.5 に設定する。この理由
から、本発明では、界面pHが上述の範囲に入るように電
流密度(被処理材の電位)を設定しており、もって、E
m を上述の範囲に設定するのが好ましい。
【0044】被処理材1への電圧の印加の状態は、図2
に示したグラフ以外に、たとえば図5(a) 〜(i) のいず
れかとすることができる。
に示したグラフ以外に、たとえば図5(a) 〜(i) のいず
れかとすることができる。
【0045】図5(a) においては、図2と同様にして卑
(−)の方向に一旦電圧を印加して最小電位Em とした
後に、完全に電圧の印加を解除せずに自然電極電位E0t
よりほぼΔEだけ小さい(卑の方向に)電位を保った状
態としている。また、(b) に示す例においては、卑
(−)の方向に電圧を印加して最小電位Em を経験した
後に、(a) とは反対に、自然電極電位E0tよりほぼΔE
だけ貴の方向に電位をシフトした状態に保っている。さ
らに、(c) の例では、図2及び図5の(a) 、(b) とは異
なって、印加電圧の時間変化を直線状に変化させたもの
となっている。本発明では、上記の図2、図5の(a) 、
(b) のいずれも適用することができる。
(−)の方向に一旦電圧を印加して最小電位Em とした
後に、完全に電圧の印加を解除せずに自然電極電位E0t
よりほぼΔEだけ小さい(卑の方向に)電位を保った状
態としている。また、(b) に示す例においては、卑
(−)の方向に電圧を印加して最小電位Em を経験した
後に、(a) とは反対に、自然電極電位E0tよりほぼΔE
だけ貴の方向に電位をシフトした状態に保っている。さ
らに、(c) の例では、図2及び図5の(a) 、(b) とは異
なって、印加電圧の時間変化を直線状に変化させたもの
となっている。本発明では、上記の図2、図5の(a) 、
(b) のいずれも適用することができる。
【0046】さらに、図5の(d) 〜(i) のような電圧変
化としてもよい。さらにまた、図2及び図5に限らず、
たとえば、図6(a) 〜(g) に示すように、最小電位Em
とする操作を複数回繰り返すような電位変化を施すこと
もできる。このように、印加する電位の形状は特に限定
はされず、パルス状で数回(卑方向に)印加してもよ
い。さらには、上記の三角形状や矩形状のピークに限ら
ず、指数関数的な減衰曲線、正弦波状曲線等であっても
良く、上記した各例を適宜組み合わせた波形でもよい。
また、パルスの場合は、その形状は滑らかな曲線、又は
直線からなる必要はなく、複数のステップからなる階段
状パルスとしてもよい。なお、パルスの幅は特に限定さ
れない。
化としてもよい。さらにまた、図2及び図5に限らず、
たとえば、図6(a) 〜(g) に示すように、最小電位Em
とする操作を複数回繰り返すような電位変化を施すこと
もできる。このように、印加する電位の形状は特に限定
はされず、パルス状で数回(卑方向に)印加してもよ
い。さらには、上記の三角形状や矩形状のピークに限ら
ず、指数関数的な減衰曲線、正弦波状曲線等であっても
良く、上記した各例を適宜組み合わせた波形でもよい。
また、パルスの場合は、その形状は滑らかな曲線、又は
直線からなる必要はなく、複数のステップからなる階段
状パルスとしてもよい。なお、パルスの幅は特に限定さ
れない。
【0047】本発明では電位は少なくとも1回、又はパ
ルス状で数回(卑方向に)印加するが、上述したよう
に、その印加は被処理材の浸漬後なるべく早い時間に行
うほうが好ましい。その理由は、浸漬の初期に被処理材
の界面pHを上昇させ、これによって多数の結晶核を形成
し、より緻密な皮膜とするためである。
ルス状で数回(卑方向に)印加するが、上述したよう
に、その印加は被処理材の浸漬後なるべく早い時間に行
うほうが好ましい。その理由は、浸漬の初期に被処理材
の界面pHを上昇させ、これによって多数の結晶核を形成
し、より緻密な皮膜とするためである。
【0048】電位の印加を含めた合計の浸漬時間(化成
処理時間)は15〜300 秒が好ましく、より好ましくは60
〜120 秒である。
処理時間)は15〜300 秒が好ましく、より好ましくは60
〜120 秒である。
【0049】化成処理後、水洗、乾燥するが、この乾燥
は、90℃で10分間程度で十分である。
は、90℃で10分間程度で十分である。
【0050】このようにして形成した化成皮膜は、塗装
下地皮膜とすることができる。この化成皮膜上に塗布す
ることのできる塗料としては、メラミンアルキド樹脂塗
料、アクリルメラミン樹脂塗料、又はエポキシ樹脂等の
カチオン電着塗料及びアニオン電着塗料などの熱硬化性
樹脂塗料や、アクリルラッカー等の熱可塑性樹脂塗料が
挙げられる。
下地皮膜とすることができる。この化成皮膜上に塗布す
ることのできる塗料としては、メラミンアルキド樹脂塗
料、アクリルメラミン樹脂塗料、又はエポキシ樹脂等の
カチオン電着塗料及びアニオン電着塗料などの熱硬化性
樹脂塗料や、アクリルラッカー等の熱可塑性樹脂塗料が
挙げられる。
【0051】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、以下において、参考例は、フッ素イオン
を含む処理液を用いた例である。
明する。なお、以下において、参考例は、フッ素イオン
を含む処理液を用いた例である。
【0052】電位制御パターン 電位制御のパターンとして、以下の5つを採用した。 (1) 図5(d) に示すように、浸漬直後に被処理材1の電
位を最小電位Em に設定し、その後この最小電位Em を
保持する。 (2) 図6(a) に示すように、浸漬直後に被処理材1の電
位を最小電位Em に設定し、約10秒おきに、最小電位E
m と自然電極電位E0tとの間を矩形的に変化させる。 (3) 図5(f) に示すように、浸漬直後に被処理材1の電
位を最小電位Em に設定し、約30秒後に被処理材1の電
位を自然電極電位E0tとほぼ同じに設定し、保持する。 (4) 電位制御は行わず、自然電極電位E0tとする。 (5) 被処理材1を浸漬直後に、自然電極電位E0tより貴
の方向に0.5 Vの電位を30秒間印加し、その後自然電極
電位E0tとする。
位を最小電位Em に設定し、その後この最小電位Em を
保持する。 (2) 図6(a) に示すように、浸漬直後に被処理材1の電
位を最小電位Em に設定し、約10秒おきに、最小電位E
m と自然電極電位E0tとの間を矩形的に変化させる。 (3) 図5(f) に示すように、浸漬直後に被処理材1の電
位を最小電位Em に設定し、約30秒後に被処理材1の電
位を自然電極電位E0tとほぼ同じに設定し、保持する。 (4) 電位制御は行わず、自然電極電位E0tとする。 (5) 被処理材1を浸漬直後に、自然電極電位E0tより貴
の方向に0.5 Vの電位を30秒間印加し、その後自然電極
電位E0tとする。
【0053】最小電位Em 表2及び表3に示すように、最小電位Em の大きさは、
銀/塩化銀参照電極に対して、−1.5 V、−1.3 V、−
1.2 V、−1.1 V、−1.0 V、−0.8 V、及び+0.5 V
のいずれかとした。
銀/塩化銀参照電極に対して、−1.5 V、−1.3 V、−
1.2 V、−1.1 V、−1.0 V、−0.8 V、及び+0.5 V
のいずれかとした。
【0054】被処理材 A:アルミニウム5000系(Al/Mg/Cu) B:アルミニウム6000系(Al/Mg/Cu/Si) のいずれかを70×10×0.8 mmの大きさにして用いた。
【0055】実施例1〜22、比較例1〜3及び参考例
1、2 各被処理材に対して下記の処理を施した。
1、2 各被処理材に対して下記の処理を施した。
【0056】(1) 脱脂 アルカリ性脱脂剤(サーフクリーナー53、日本ペイント
(株)製)を用いて45℃で2分間の浸漬処理を行った。
(株)製)を用いて45℃で2分間の浸漬処理を行った。
【0057】(2) 酸又はアルカリによる前処理 以下の3つの前処理のうちのいずれかを行った。 イ:リン酸水溶液(リン酸濃度20重量%)に20℃で5分
間浸漬した。 ロ:硫酸水溶液(硫酸濃度5重量%)に20℃で10分間浸
漬した。 ハ:水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5
重量%)に20℃で5分間浸漬した。
間浸漬した。 ロ:硫酸水溶液(硫酸濃度5重量%)に20℃で10分間浸
漬した。 ハ:水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度5
重量%)に20℃で5分間浸漬した。
【0058】(3) 水洗 水道水を使用し、室温で約15秒間水洗した。
【0059】(4) 表面調整 表面調整剤(サーフファイン5N−10、日本ペイント
(株)製)を用い、20℃で20秒間の浸漬処理を行った。
(株)製)を用い、20℃で20秒間の浸漬処理を行った。
【0060】(5) 化成処理 以下に記す組成のリン酸塩処理液を調製した。
【0061】処理液1 実質的にフッ素イオンを含まない処理液。 Zn イオン: 800ppm PO4 イオン: 15000ppm NO3 イオン: 5000ppm
【0062】処理液2 実質的にフッ素イオンを含まず、Niイオンを含有する処
理液であり、上記の処理液1にさらにNiイオンを1000pp
m 添加したもの。
理液であり、上記の処理液1にさらにNiイオンを1000pp
m 添加したもの。
【0063】処理液3 フッ素イオンを含む処理液であり、上記の処理液1にさ
らにFイオンを500 ppm 添加したもの。
らにFイオンを500 ppm 添加したもの。
【0064】処理液4 フッ素イオン及びNiイオンを含有する処理液であり、上
記の処理液1にさらにFイオンを500 ppm 、Niイオンを
1000ppm 添加したもの。
記の処理液1にさらにFイオンを500 ppm 、Niイオンを
1000ppm 添加したもの。
【0065】なお、リン酸塩処理液1〜4の全酸度、遊
離酸度及び促進剤値はそれぞれ表1に示す通りであっ
た。
離酸度及び促進剤値はそれぞれ表1に示す通りであっ
た。
【0066】
【0067】次に、上記(1) 〜(4) の処理を施した被処
理材に対し、上記の処理液1〜4、及び図1に示す装置
を用い、先に示した5つの電位制御のパターンのいずれ
かを採用し、化成処理を行った。被処理材の種類、前処
理の方法、化成処理液の種類、電位制御パターン、及び
最小電位Em の値を、各実施例については表2に、比較
例、及び参考例については表3に示す。
理材に対し、上記の処理液1〜4、及び図1に示す装置
を用い、先に示した5つの電位制御のパターンのいずれ
かを採用し、化成処理を行った。被処理材の種類、前処
理の方法、化成処理液の種類、電位制御パターン、及び
最小電位Em の値を、各実施例については表2に、比較
例、及び参考例については表3に示す。
【0068】 表2 電位制御 例No. 被処理材 前処理 化成処理 パターン Em (1) 実施例1 A イ 処理液1 (1) −1.1 実施例2 A イ 処理液1 (1) −1.2 実施例3 A イ 処理液1 (1) −0.8 実施例4 A イ 処理液1 (1) −1.0 実施例5 A イ 処理液1 (1) −1.5 実施例6 A イ 処理液1 (1) −1.3 実施例7 A イ 処理液1 (2) −1.1 実施例8 A イ 処理液1 (2) −1.2 実施例9 A イ 処理液1 (3) −1.1 実施例10 A イ 処理液1 (3) −1.2 実施例11 A イ 処理液2 (1) −1.1 実施例12 A イ 処理液2 (1) −1.2 実施例13 A イ 処理液2 (1) −1.0 実施例14 A イ 処理液2 (1) −1.3 実施例15 A ロ 処理液1 (1) −1.1 実施例16 A ロ 処理液2 (2) −1.2 実施例17 A ハ 処理液1 (2) −1.2 実施例18 A ハ 処理液2 (1) −1.1 実施例19 B イ 処理液1 (1) −1.1 実施例20 B イ 処理液2 (2) −1.2 実施例21 B ロ 処理液1 (2) −1.2 実施例22 B ロ 処理液2 (1) −1.1 表2注(1) :単位はVである。
【0069】 表3 電位制御 例No. 被処理材 前処理 化成処理 パターン Em (1) 比較例1 A なし 処理液1 (1) −1.1 比較例2 A イ 処理液1 なし なし 比較例3 A イ 処理液1 (5) +0.5 参考例1 A イ 処理液3 (1) −1.1 参考例2 B イ 処理液4 (2) −1.2 表3注(1) :単位はVである。
【0070】得られた化成皮膜を走査型電子顕微鏡によ
り観察し、化成皮膜を構成する結晶の粒径を調べた。
り観察し、化成皮膜を構成する結晶の粒径を調べた。
【0071】また得られた被処理材の化成皮膜に対して
塩水噴霧試験(SST、JIS−Z2371に準拠)を行
い、塩水噴霧60分後の発錆面積を目視によって評価し
た。評価の基準は以下の通りである。
塩水噴霧試験(SST、JIS−Z2371に準拠)を行
い、塩水噴霧60分後の発錆面積を目視によって評価し
た。評価の基準は以下の通りである。
【0072】発錆面積 ◎ : 0% ○+ : 0.1%以下 ○ : 0.2%以下 ○- : 0.5%以下 △ : 1%未満 × : 1%以上
【0073】上記の化成処理で得られた化成皮膜を有す
る試験片上に、カチオン型電着塗料(パワートップU−
600、日本ペイント(株)製)を膜厚25〜30μmに塗装
し、(電圧 180V、通電時間3分)、 175℃で20分間焼
付けした。
る試験片上に、カチオン型電着塗料(パワートップU−
600、日本ペイント(株)製)を膜厚25〜30μmに塗装
し、(電圧 180V、通電時間3分)、 175℃で20分間焼
付けした。
【0074】得られた電着塗装板を以下に示す塩温水浸
漬試験(温度50℃)に供した。この試験では、各電着塗
装板にカットを入れ、5%の塩水に600 時間浸漬し、塗
膜の片側テープ剥離幅(mm)で評価した。評価の基準は以
下の通りとした。 剥 離 幅 ◎ : 0.5 mm未満 ○+ : 0.5 mm以上1.0 mm未満 ○ : 1.0 mm以上1.5 mm未満 △ : 1.5 mm以上2.0 mm未満 × : 2.0 mm以上
漬試験(温度50℃)に供した。この試験では、各電着塗
装板にカットを入れ、5%の塩水に600 時間浸漬し、塗
膜の片側テープ剥離幅(mm)で評価した。評価の基準は以
下の通りとした。 剥 離 幅 ◎ : 0.5 mm未満 ○+ : 0.5 mm以上1.0 mm未満 ○ : 1.0 mm以上1.5 mm未満 △ : 1.5 mm以上2.0 mm未満 × : 2.0 mm以上
【0075】各実施例における試験結果を表4に、比較
例及び参考例における試験結果を表5にそれぞれ示す。
例及び参考例における試験結果を表5にそれぞれ示す。
【0076】 表4 化成皮膜 塗装後の 例No. 粒径(μm) の耐食性 耐食性 実施例1 5〜7 ◎ ◎ 実施例2 5〜10 ◎ ◎ 実施例3 10〜15 ○+ ○+ 実施例4 10〜15 ○ ○ 実施例5 15〜20 ○- ○ 実施例6 10〜15 ○ ○ 実施例7 7〜10 ○ ○ 実施例8 7〜10 ○ ○ 実施例9 15〜20 ○- ○ 実施例10 15〜20 ○- ○ 実施例11 ≦5 ◎ ◎ 実施例12 ≦5 ◎ ◎ 実施例13 5〜7 ○ ○ 実施例14 5〜7 ○ ○ 実施例15 ≦10 ○ ○ 実施例16 7〜10 ○ ○ 実施例17 15〜20 ○- ○ 実施例18 13〜15 ○ ○ 実施例19 7〜10 ○ ○ 実施例20 7〜10 ○ ○ 実施例21 10〜15 ○ ○ 実施例22 ≦10 ○ ○
【0077】 表5 化成皮膜 塗装後の 例No. 粒径(μm) の耐食性 耐食性 比較例1 20〜50 × × 比較例2 20〜50 × × 比較例3 20〜50 × × 参考例1 5〜7 ◎ ◎ 参考例2 5〜7 ◎ ◎
【0078】
【発明の効果】本発明の方法によれば、実質的にフッ素
を含まないリン酸亜鉛処理液を用い、被処理材の電位を
制御することにより、従来のフッ素含有リン酸亜鉛処理
液を用いたのと同等の性能を有する皮膜を形成すること
ができる。
を含まないリン酸亜鉛処理液を用い、被処理材の電位を
制御することにより、従来のフッ素含有リン酸亜鉛処理
液を用いたのと同等の性能を有する皮膜を形成すること
ができる。
【0079】したがって、本発明の方法によれば、従来
不可能とされていたフッ素を含まないリン酸亜鉛処理液
を用いたアルミニウム系材料の化成処理が可能となる。
不可能とされていたフッ素を含まないリン酸亜鉛処理液
を用いたアルミニウム系材料の化成処理が可能となる。
【0080】また、本発明の方法における被処理材への
電極印加は、カソード制御であるから、化成処理浴中に
アルミニウムイオンを溶出させることがなく、鉄や亜鉛
めっきに対する化成を阻害しない。
電極印加は、カソード制御であるから、化成処理浴中に
アルミニウムイオンを溶出させることがなく、鉄や亜鉛
めっきに対する化成を阻害しない。
【0081】本発明の化成処理剤はフッ素を実質的に含
んでいないので、これを用いた化成処理により形成され
る化成皮膜にはクリオライトが混入することはなく、皮
膜性能を低下させることはない。
んでいないので、これを用いた化成処理により形成され
る化成皮膜にはクリオライトが混入することはなく、皮
膜性能を低下させることはない。
【0082】本発明の方法は、自動車のボディや部品、
構造材料、缶材料等の広い分野のアルミニウム系材料に
対して適用することができる。
構造材料、缶材料等の広い分野のアルミニウム系材料に
対して適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実行することのできる装置の一
例を示す模式図である。
例を示す模式図である。
【図2】本発明の方法において被処理材に印加する電位
を模式的に示すグラフである。
を模式的に示すグラフである。
【図3】被処理材の表面近傍におけるプロトンの濃度変
化を示す模式図である。
化を示す模式図である。
【図4】電流密度と界面pHとの関係を示すグラフであ
る。
る。
【図5】(a) 〜(i) はそれぞれ、本発明において適用す
ることができる電位の波形の例を模式的に示すグラフで
ある。
ることができる電位の波形の例を模式的に示すグラフで
ある。
【図6】(a) 〜(g) はそれぞれ、本発明において適用す
ることができる電位の波形の例を模式的に示すグラフで
ある。
ることができる電位の波形の例を模式的に示すグラフで
ある。
1 被処理材 2 リン酸塩処理液 3 参照電極 4 正極 6 ポテンシオメータ 7 ファンクションジェネレータ
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム又はその合金の化成皮膜形
成方法であって、(a) アルミニウム又はその合金からな
る被処理材を酸又はアルカリ水溶液で処理する工程と、
(b) 前記(a) 工程の後に、実質的にフッ素を含まないリ
ン酸塩化成処理液に前記被処理材を浸漬し、前記被処理
材が前記処理液に対して有する自然電極電位から卑
(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を印加する工
程とを含むことを特徴とするアルミニウム又はその合金
の化成皮膜の形成方法。 - 【請求項2】 リン酸塩を主成分とするアルミニウム又
はその合金の化成処理剤であって、実質的にフッ素を含
まず、前記化成処理剤から得られる処理液にアルミニウ
ム又はその合金からなる被処理材を浸漬し、前記被処理
材が前記処理液に対して有する自然電極電位から卑
(−)の方向に、少なくとも一時的に電圧を印加する方
法に用いることを特徴とするフッ素フリーリン酸塩化成
処理剤。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110729A JPH05287589A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | アルミニウム又はその合金の化成皮膜形成方法、及びフッ素フリーリン酸塩化成処理剤 |
US08/042,628 US5348640A (en) | 1992-04-03 | 1993-04-02 | Chemical conversion method and aqueous chemical conversion solution used therefor |
EP93302618A EP0564301B1 (en) | 1992-04-03 | 1993-04-02 | Method for forming a chemical conversion film |
DE69303525T DE69303525T2 (de) | 1992-04-03 | 1993-04-02 | Verfahren zur Herstellung eines Films durch chemische Umwandlung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110729A JPH05287589A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | アルミニウム又はその合金の化成皮膜形成方法、及びフッ素フリーリン酸塩化成処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287589A true JPH05287589A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14543029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4110729A Pending JPH05287589A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | アルミニウム又はその合金の化成皮膜形成方法、及びフッ素フリーリン酸塩化成処理剤 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5348640A (ja) |
EP (1) | EP0564301B1 (ja) |
JP (1) | JPH05287589A (ja) |
DE (1) | DE69303525T2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010087588A (ko) * | 2000-03-07 | 2001-09-21 | 김영호 | 알루미늄 합금재의 산화피막형성방법 |
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US9574093B2 (en) * | 2007-09-28 | 2017-02-21 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Methods for coating a metal substrate and related coated metal substrates |
US20090311534A1 (en) * | 2008-06-12 | 2009-12-17 | Griffin Bruce M | Methods and systems for improving an organic finish adhesion to aluminum components |
US9347134B2 (en) | 2010-06-04 | 2016-05-24 | Prc-Desoto International, Inc. | Corrosion resistant metallate compositions |
CN103153017A (zh) * | 2011-12-06 | 2013-06-12 | 神讯电脑(昆山)有限公司 | 镁铝合金机壳的制造方法 |
US20160160355A1 (en) * | 2014-12-08 | 2016-06-09 | Novelis Inc. | Pretreatment of metal surfaces with a calcium-containing aqueous agent |
US20190316261A1 (en) * | 2016-08-12 | 2019-10-17 | Prc-Desoto International, Inc. | Sealing Composition |
Family Cites Families (4)
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JPS6148597A (ja) * | 1984-08-14 | 1986-03-10 | Nippon Paint Co Ltd | リン酸亜鉛化成処理法 |
JPH03111590A (ja) * | 1989-09-25 | 1991-05-13 | Kobe Steel Ltd | アルミニウム合金の表面処理法 |
JPH03202496A (ja) * | 1989-12-28 | 1991-09-04 | Nippon Paint Co Ltd | 高耐食性化成皮膜の形成方法 |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP4110729A patent/JPH05287589A/ja active Pending
-
1993
- 1993-04-02 DE DE69303525T patent/DE69303525T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1993-04-02 US US08/042,628 patent/US5348640A/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-04-02 EP EP93302618A patent/EP0564301B1/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010087588A (ko) * | 2000-03-07 | 2001-09-21 | 김영호 | 알루미늄 합금재의 산화피막형성방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0564301B1 (en) | 1996-07-10 |
DE69303525D1 (de) | 1996-08-14 |
EP0564301A1 (en) | 1993-10-06 |
US5348640A (en) | 1994-09-20 |
DE69303525T2 (de) | 1996-11-28 |
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