JPH07114484B2 - 回転ヘツド型のビデオ信号記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えばMUSE方式等の帯域圧縮処理が伴うビ
デオ信号の記録に用いて好適な回転ヘッド型のビデオ信
号記録装置に関する。

〔発明の概要〕

この発明は、帯域圧縮が伴う回転ヘッド型のビデオ信号
記録装置において、ビデオ信号の帯域伸張処理において
必要とされるコントロール信号をPCM化し、このディジ
タルのコントロール信号をFM変調されたビデオ信号が記
録される領域と異なる領域にFM変調せずに直接記録する
ことにより、より高度でかつ高能率な帯域圧縮を可能と
し、然も帯域圧縮されたビデオ信号をデコードする際の
精度を向上させるものである。

〔従来の技術〕

従来、信号帯域幅が広く、情報量が多い高品位なビデオ
信号を画質を損なうことなく帯域圧縮して伝送する一つ
方法としてMUSE方式が提案されている。

このMUSE方式は、連続する４つのフィールド毎に位置を
変えて１フィールドに含まれる画素を規則正しく間引い
て送るサビナイキストサンプリングを高品位なビデオ信
号に施し、帯域幅を20M Hzから8M Hzに圧縮して伝送す
るものである。また、この際には、受信側において良好
な画像を復元するのに必要とされる例えば動きベクトル
等のコントロール信号がビデオ信号に重畳されて伝送さ
れる。

つまり、ビデオ信号に対してなんらかの帯域圧縮処理を
行う場合には、帯域圧縮に伴う情報伝達量の低下を補う
ために、帯域伸張処理におけるコントロール信号を形成
してビデオ信号にこのコントロール信号を付加する必要
が生じる。このコントロール信号は原信号をより忠実に
復元しようとすればするほど複雑でかつ多くのコントロ
ール信号が必要とされる。

ところで、このような帯域圧縮処理がなされたビデオ信
号を磁気テープ上に記録する場合には、帯域圧縮処理に
おいて形成されたコントロール信号をビデオ信号のＶブ
ランキング期間にFM変調して重畳し、記録することが考
えられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、コントロール信号をFM変調してビデオ信号のＶ
ブランキング期間に重畳して記録する方法では、ドロッ
プアウト等によりコントロール信号が欠落した場合にお
いて、再生時に忠実に原信号を復元することが困難であ
る。また、Ｖブランキング期間の時間的制約及びFM変調
時のキャリア周波数の制約上コントロール信号の記録量
に制限があり、より高度で高能率な帯域圧縮処理に関し
ては不都合が生じ、ビデオ信号期間を削って記録しなけ
ればならない場合も起こり得るものである。

従って、この発明の目的は、より高度でかつ高能率な帯
域圧縮を可能とし、然も帯域圧縮されたビデオ信号をデ
コードする際における精度を向上させることが可能な回
転ヘッド型のビデオ信号記録装置を提供することにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、ビデオ信号を帯域圧縮する帯域圧縮エンコ
ーダと、 帯域圧縮エンコーダにより帯域圧縮されたビデオ信号を
FM変調するFM変調器３と、 帯域圧縮されたビデオ信号をデコードするのに必要なコ
ントロール信号をディジタル信号として発生すると共
に、ディジタル信号に対してエラー訂正符号化を行うプ
ロセッサ４とからなり、 FM変調回路３及びプロセッサ４から夫々出力される信号
は、テープ状記録媒体上に回転ヘッドにより形成される
トラック上の異なる記録領域に夫々記録されることを特
徴とする回転ヘッド型のビデオ信号記録装置である。

〔作用〕 帯域圧縮エンコーダ２において帯域圧縮されたビデオ信
号がFM変調回路３においてFM変調され、このFM変調され
たビデオ信号が磁気テープ11の巻き付け角180゜に対応
するトラックの所定領域に記録される。また、再生時に
おける帯域伸張処理に必要とされるコントロールデータ
が帯域圧縮エンコーダ２において形成され、このコント
ロールデータがプロセッサ４においてPCM化されてエラ
ー訂正符号化がなされ、このディジタルのコントロール
データがFM変調されることなく磁気テープ11のオーバラ
ップの巻き付け角α゜に対応するトラックの所定の領域
に記録される。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第１図は、この発明の一実施例を示すもので、第１図に
おいて、２〜５で示される回路により記録系が構成さ
れ、12,14〜16で示される回路により再生系が構成され
ている。

第１図において、９で示されるのが回転ドラムである。
回転ドラム９には、180゜の角間隔でもって一対の磁気
ヘッド10A及び10Bが取り付けられている。回転ドラム９
の周面に例えば10゜〜20゜のオーバーラップ部を設ける
ために（180＋α）゜の巻き付け角で斜めに磁気テープ1
1が巻き付けられている。

磁気ヘッド10Aが記録／再生切替スイッチ７の一方の端
子7aに接続され、磁気ヘッド10Bが他方の端子7bに接続
されている。記録／再生切換スイッチ７には端子８から
記録時及び再生時を切り替えるための制御信号が供給さ
れ、この制御信号に基づいてスイッチ回路７の切替動作
がなされる。

例えば、記録時においては、磁気ヘッド10Aと接続され
たスイッチ回路７の一方の端子7aと一方の入力端子7eと
が接続されると共に、磁気ヘッド10Bと接続されたスイ
ッチ回路７の他方の端子7bと他方の入力端子7cとが接続
される。また、再生時においては、磁気ヘッド10Aと接
続されたスイッチ回路７の一方の端子7aと一方の出力端
子7fとが接続されると共に、磁気ヘッド10Bと接続され
たスイッチ回路７の他方の端子7bと他方の出力端子7dと
が接続される。

スイッチ回路７の一方の端子7aと一方の入力端子7eとが
接続されると共に、スイッチ回路７の他方の端子7bと他
方の入力端子7cとが接続される記録時における動作を以
下に説明する。

第１図において１で示される入力端子にアナログのビデ
オ信号が供給され、入力端子１からビデオ信号が帯域圧
縮エンコーダ２に供給される。

帯域圧縮エンコーダ２において、アナログのビデオ信号
が標本化され、アナログ−ディジタル変換がなされてデ
ィジタル信号とされ、ディジタル的に帯域圧縮処理がな
される。また、帯域圧縮エンコーダ２において、帯域圧
縮されたビデオ信号から良質な画像を復元するのに必要
とされるコントロールデータ、例えば動きベクトル，補
間係数，テンポラルフィルター係数，エンファシス量，
ダビング防止コード，アドレス等のデータが形成され
る。

帯域圧縮エンコーダ２において形成された帯域圧縮され
たディジタルのビデオ信号がディジタル−アナログ変換
され、アナログのビデオ信号がFM変調回路３に供給され
る。また、それと共に、帯域圧縮エンコーダ２において
形成されたデコード時に必要とされるコントロールデー
タがプロセッサ４に供給される。

FM変調回路３において、アナログのビデオ信号がFM変調
され、記録信号S1が形成される。この記録信号S1がスイ
ッチ回路５の入力端子5d及び5eに供給される。また、プ
ロセッサ４において、コントロールデータがエラー訂正
符号化され、PCMフォーマットへの変換がなされて、デ
ィジタルの記録信号S2が形成される。この記録信号S2が
スイッチ回路５の入力端子5c及び5fに供給される。

スイッチ回路５は、FM変調回路３からの記録信号S1及び
プロセッサ４からの記録信号S2を磁気ヘッド10A,10Bの
夫々により形成される１本のトラックの異なる所定の領
域に記録するためのものである。スイッチ回路５の一方
の出力端子5bが記録／再生切替スイッチ回路７の他方の
入力端子5cに接続され、スイッチ回路５の他方の出力端
子5aが記録／再生切替スイッチ回路７の一方の入力端子
7eに接続されている。

スイッチ回路５には端子６から回転ドラム９の1/2回転
周期に同期した例えばPGパルス等のタイミング信号が供
給され、このタイミング信号のタイミングでスイッチ回
路５の切替動作がなされる。スイッチ回路５の一方の出
力端子5bと入力端子5c及び一方の出力端子5bと入力端子
5dとが交互に接続されると共に、スイッチ回路５の他方
の出力端子5aと入力端子5e及び他方の入力端子5aと入力
端子5fとが交互に接続される。

FM変調回路３からの記録信号S1がスイッチ回路５を介さ
れることで回転ドラム９の1/2回転周期で磁気ヘッド10A
及び10Bの夫々に交互に供給される。また、プロセッサ
４からの記録信号S2がスイッチ回路５を介されることで
回転ドラム９の1/2回転周期でFM変調回路３からの記録
信号S1に遅れて磁気ヘッド10A及び10Bの夫々に交互に供
給される。つまり、一方の磁気ヘッドに記録信号S1が供
給されている時には、他方の磁気ヘッドには記録信号S2
が供給されるような形で記録信号S1及びS2が交互に磁気
ヘッド10A及び10Bに供給される。

磁気テープ11上には第２図に示すように磁気ヘッド10A
により形成されるトラック18Aと磁気ヘッド10Bにより形
成されるトラック18Bとが交互に形成される。トラック1
8A及び18Bの回転ドラム９と磁気テープ11との巻き付け
角180゜に対応する領域には、FM変調回路３からの記録
信号S1が記録される。また、トラック18A及び18Bの回転
ドラム９と磁気テープ11との巻き付け角α゜に対応する
オーバーラップ部の領域（図中斜線で示す）には、プロ
セッサ４からのディジタルの記録信号S2がFM変調される
ことなく記録される。

スイッチ回路７の一方の端子7aと一方の出力端子7fとが
接続されると共に、スイッチ回路７の他方の端子7bと他
方の出力端子7dとが接続される再生時における動作を説
明する。

磁気ヘッド10Aにより再生された再生信号S3が記録／再
生切替スイッチ回路７を介してスイッチ回路12の一方の
入力端子12aに供給されると共に、磁気ヘッド10Bにより
再生された再生信号S4が記録／再生切替スイッチ回路７
を介してスイッチ回路12の他方の入力端子12bに供給さ
れる。

スイッチ回路12は、磁気ヘッド10A及び10Bの夫々により
再生される１本のトラックの異なる所定の領域からの再
生信号をFM復調回路14及びプロセッサ15に振り分けて供
給するためのものである。スイッチ回路12の出力端子12
c及び12fがプロセッサ15の入力端子に接続され、スイッ
チ回路12の出力端子12d及び12eがFM復調回路14の入力端
子に接続されている。

スイッチ回路12には端子13から回転ドラム９の1/2回転
周期に同期した例えばPGパルス等のタイミング信号が供
給され、このタイミング信号のタイミングでスイッチ回
路12の切替動作がなされる。スイッチ回路12の一方の入
力端子12aと出力端子12c及び一方の入力端子12aと出力
端子12dとが交互に接続されると共に、スイッチ回路12
の他方の入力端子12bと出力端子21e及び他方の入力端子
12bと出力端子12fとが交互に接続される。

磁気ヘッド10Aからの再生信号S3がスイッチ回路12を介
されることで回転ドラム９の1/2回転周期でFM復調回路1
4及びプロセッサ15の夫々に交互に供給される。また、
磁気ヘッド10Bからの再生信号S4がスイッチ回路12を介
されることで回転ドラム９の1/2回転周期でFM復調回路1
4及びプロセッサ15の夫々に交互に供給される。つま
り、FM復調回路14に再生信号S4が供給されている時には
プロセッサ15に再生信号S3が供給され、FM復調回路14に
再生信号S3が供給されている時にはプロセッサ15に再生
信号S4が供給される。

FM復調回路14には、第２図に示す回転ドラム９と磁気テ
ープ11との巻き付け角180゜に対応する領域から再生さ
れた再生信号のみが供給される。また、プロセッサ15に
は、回転ドラム９と磁気テープ11との巻き付け角α゜に
対応するオーバーラップ部の領域から再生された再生デ
ータのみが供給される。

FM変調回路14において、再生信号が復調され、再生ビデ
オ信号が形成される。この再生ビデオ信号が帯域圧縮デ
コーダ16に供給される。また、プロセッサ15において、
再生データのエラー訂正処理がなされて、ディジタルの
コントロール信号が形成される。このコントロール信号
が帯域圧縮デコーダ16に供給される。

帯域圧縮デコーダ16において、アナログの再生ビデオ信
号が標本化され、アナログ−ディジタル変換がなされて
ディジタル信号とされ、ディジタル的に帯域伸張処理が
なされる。即ち、静止領域に関しては補間等の処理がな
され、動き領域に関しては動きベクトルに基づいて動き
補償等の処理がなされ、再生ビデオ信号が形成される。
このディジタルの再生ビデオ信号がディジタル−アナロ
グ変換され、アナログの再生ビデオ信号が出力端子17を
介して取り出される。

尚、この発明の一実施例においては、オーバーラップ部
を設けて、この部分に対応するトラックの領域にディジ
タルのコントロール信号を記録する構成について説明し
たが、ビデオ信号のＶブランキング区間にディジタルの
コントロール信号をFM変調することなく直接記録するよ
うにしても良い。また、この発明の一実施例において
は、180゜対向の２個の磁気ヘッドが用いられる構成に
ついて説明したが、３個以上の磁気ヘッドを有する回転
ヘッド型のビデオ信号記録装置にも適用することができ
る。

〔発明の効果〕

この発明では、帯域圧縮エンコーダにおいて帯域圧縮さ
れたビデオ信号がFM変調回路においてFM変調され、この
FM変調されたビデオ信号が磁気テープの巻き付け角180
゜に対応するトラックの所定領域に記録される。また、
再生時における帯域伸張処理に必要とされるコントロー
ルデータが帯域圧縮エンコーダにおいて形成され、この
コントロールデータがプロセッサにおいてPCM化されて
エラー訂正符号化がなされ、このディジタルのコントロ
ールデータがFM変調されることなく磁気テープのオーバ
ーラップの巻き付け角α゜に対応するトラックの所定の
領域に記録される。

従って、この発明に依れば、PCM化されたディジタルの
コントロールデータがFM変調されることなく直接磁気テ
ープ上に記録されるため、従来に比べて多くの情報が記
録でき、然もコントロールデータがPCM化されているた
めデコード時におけるエラー訂正が可能でデータの信頼
性が高く、より高度で精度の高い帯域圧縮が可能とされ
る。また、１フィールド毎にコントロールデータが得ら
れるため、動画，静止画に対応したダイナミックな帯域
圧縮が可能とされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例のブロック図、第２図はこ
の発明の一実施例の説明に用いる略線図である。 図面における主要な符号の説明 1:入力端子、2:帯域圧縮エンコーダ、3:FM変調回路、4:
プロセッサ、5,7,12:スイッチ回路、9:回転ドラム、10
A,10B:磁気ヘッド、11:磁気テープ、14:FM復調回路、1
5:プロセッサ、16:帯域圧縮デコーダ、17:出力端子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ビデオ信号を帯域圧縮する帯域圧縮エンコ
   ーダと、 上記帯域圧縮エンコーダにより帯域圧縮されたビデオ信
   号をFM変調するFM変調器と、 上記帯域圧縮されたビデオ信号をデコードするのに必要
   なコントロール信号をディジタル信号として発生すると
   共に、上記ディジタル信号に対してエラー訂正符号化を
   行うプロセッサとからなり、 上記FM変調器及び上記プロセッサから夫々出力される信
   号は、テープ状記録媒体上に回転ヘッドにより形成され
   るトラック上の異なる記録領域に夫々記録されることを
   特徴とする回転ヘッド型のビデオ信号記録装置。