JPH07114282A - 定着装置の温度制御装置 - Google Patents

定着装置の温度制御装置

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JPH07114282A
JPH07114282A JP26141993A JP26141993A JPH07114282A JP H07114282 A JPH07114282 A JP H07114282A JP 26141993 A JP26141993 A JP 26141993A JP 26141993 A JP26141993 A JP 26141993A JP H07114282 A JPH07114282 A JP H07114282A
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JP
Japan
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temperature
heater
fixing device
control
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Application number
JP26141993A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Aikawa
行浩 相川
Tomoji Ishii
智士 石井
Hiroyuki Sadamori
裕幸 定森
Tsutomu Sugaya
務 菅谷
Junichi Hirobe
潤一 広部
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】制御部は、複写機の定着装置加熱用のヒータへ
の通電をオンオフ制御する。複写開始に応じて、ヒータ
への通電を開始し、第1回目オフ温度T2 に達すると、
通電を停止するウォームアップ制御を行う。ウォームア
ップ制御後に、所要の制御温度Tcを目標とする通常制
御に移行する。通常制御の処理初期の段階で、制御温度
Tcが初期補正量D1(n)分、高くなるように補正した。 【効果】圧ローラの温度がまだ十分に高くなっていない
と想定される、上記処理初期の段階において、制御温度
を高く補正することにより、上記段階において発生する
定着不良を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電式複写機、ファ
クシミリ等の画像形成装置の定着装置に適用され、定着
装置加熱用のヒータをオンオフ制御する定着装置の温度
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、画像形成装置、例えば複写機に
おいては、感光体ドラムに形成した静電潜像をトナー像
に顕像化し、このトナー像を用紙に転写したのち、定着
装置によって、加熱定着させるようにしている。この定
着装置は、圧ローラおよびヒータにより加熱される熱ロ
ーラを含み、両ローラ間を通過する用紙にトナーを加熱
定着させる。
【0003】加熱定着を行うためには、定着装置が所定
の高温に達していることが必要である。このため、複写
機等においては、電源が投入されてから複写が可能とな
るまでに、所定の待ち時間を要し、ユーザにとって不便
であった。そこで、この待ち時間を短縮すること、でき
れば待ち時間をなくすことが要望されている。そのため
には、定着装置を所定の高温まで短時間で加熱する必要
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、省エネの観点か
ら、定着装置を所要時のみに加熱することが好ましい。
この場合にも、複写が開始されてから、定着装置へ用紙
が搬送されてくるまでの非常に短時間の間に、定着装置
を所定の高温まで加熱する必要がある。そこで、定着装
置の急速加熱を可能とするために、本願発明者は、 ヒータの加熱容量を大きくするとともに、 熱ローラや圧ローラを小径とし、ヒータの加熱容量
に対して、熱容量を相対的に小さくする ことを試みてみた。
【0005】しかし、複写開始から数回までの複写にお
いて、定着不良を発生する場合があった。本発明は、上
記課題に鑑みてなされたものであり、画像形成が行われ
る所要時のみに定着装置を加熱することができ、しかも
その後の画像形成初期において発生する定着不良を防止
することができる定着装置の温度制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、圧ローラおよびヒータによ
り加熱される熱ローラを含み且つ両ローラ間を通過する
用紙にトナーを加熱定着させる、画像形成装置の定着装
置に適用され、熱ローラの温度を検出する熱ローラ温度
検出手段からの信号に基づいて上記ヒータへの通電をオ
ンオフ制御する定着装置の温度制御装置において、画像
形成開始信号の入力に応じて、ヒータへの通電のオンを
伴って処理を開始し、予め設定された第1回目オフ温度
に達した時点でヒータへの通電をオフするウォームアッ
プ制御部、および上記ウォームアップ制御部によるヒー
タへの通電のオフに応じて所要の制御温度を目標とする
処理を開始し、画像形成終了信号の入力に応じて、ヒー
タへの通電をオフした状態で処理を終了する通常制御部
を備え、この通常制御部は、処理初期において、制御温
度に所要の初期補正量を加算する初期補正部を含むこと
を特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1記載の定着装置の温度制御装置において、上記初期補
正部は、上記初期補正量を除々に減少させることを特徴
とするものである。また、請求項3に係る発明は、上記
請求項1又は2記載の定着装置の温度制御装置におい
て、上記初期補正部は、上記ウォームアップ制御部によ
るヒータへの通電のオンの前に上記熱ローラ温度検出手
段によって検出された検出温度が、予め定められた初期
検出温度よりも低いことを条件として、処理を行うこと
を特徴とするものである。
【0008】また、請求項4に係る発明は、上記請求項
1又は2記載の定着装置の温度制御装置において、さら
に、圧ローラの温度を検出する圧ローラ温度検出手段を
含み、上記初期補正部は、上記ウォームアップ制御部に
よるヒータへの通電のオンの前に上記圧ローラ温度検出
手段によって検出された検出温度が、予め定められた初
期検出温度よりも低いことを条件として、処理を行うこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、請求項5に係る発明は、上記請求項
1又は2記載の定着装置の温度制御装置において、さら
に、定着装置回りの雰囲気温度を検出する雰囲気温度検
出手段を含み、上記初期補正部は、上記ウォームアップ
制御部によるヒータへの通電のオンの前に上記雰囲気温
度検出手段によって検出された検出温度が、予め定めら
れた初期検出温度よりも低いことを条件として、処理を
行うことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1に係る発明の構成によれば、画像形成
が開始されると、ウォームアップ制御部によってヒータ
への通電が開始されてウォームアップが行われ、第1回
目オフ温度に達すると、通常制御部による処理に移行
し、その後、定着装置を用紙が通過する。本願発明者
は、上記通常制御部の処理初期の段階では、ヒータによ
り加熱される熱ローラが所定の温度に達していても、圧
ローラが、まだ十分に温まっていない傾向にあり、これ
が定着不良を起こす原因となると考えた。そこで、通常
制御部の処理初期における制御温度を高く補正すること
により、定着不良の発生を防止するようにした。
【0011】請求項2に係る発明によれば、圧ローラの
温度は除々に高くなって所定の温度に収束すると考えら
れるので、これに応ずるように、制御温度を、除々に低
下させた。請求項3に係る発明によれば、処理開始前に
おける熱ローラの検出温度が低いときに、圧ローラの温
度も低いと想定し、この場合のみに、補正を行うように
した。これは、圧ローラの温度が高い場合に補正を行う
と、定着温度が高くなり過ぎることが懸念されるので、
これを防止するためである。
【0012】請求項4に係る発明によれば、処理開始前
における圧ローラの検出温度が低い場合のみに、補正を
行うようにした。これにより、不要な補正によって定着
温度が高くなり過ぎることを防止した。請求項5に係る
発明によれば、処理開始前における定着装置回りの雰囲
気温度が低いときに、圧ローラの温度も低いと想定し、
この場合のみに、補正を行うようにした。これにより、
不要な補正によって定着温度が高くなり過ぎることを防
止した。
【0013】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図1は本発明の一実施例に係る定着装置の温度
制御装置を含む、画像形成装置としての複写機の内部構
成を示す概略図である。同図を参照して、この複写機
は、複写機本体1の内部に、透明な原稿載置板上に載
置された原稿を原稿押さえによって押さえた状態で複写
機本体1の上面に沿って移動させる原稿台2、原稿台
2によって移動される原稿を照明し、原稿からの反射光
を感光体ドラム42に導くための光学系3、感光体ド
ラム42に形成された静電潜像を現像装置41により顕
像化した後、用紙に転写する作像部4、および用紙に
転写されたトナー像を加熱定着させる定着装置54を含
み、給紙トレイ61から作像部4を通して複写機本体内
の排出トレイ56に排出する用紙搬送部5等を備えてい
る。
【0014】図示していないが、複写機本体1の上面に
は、複写開始スイッチその他のスイッチ等が配置された
操作部が設けられている。光学系3は、原稿台上を移動
される原稿を照明する光源としての蛍光ランプ31、原
稿移動方向と直交する方向に配列され、原稿からの反射
光を感光体ドラム42上に結像させる複数の結像レンズ
32を備えている。
【0015】作像部4としては、感光体ドラム42の周
囲に、帯電チャージャ43、現像装置41、転写チャー
ジャ44およびクリーニング装置45を、この順に配置
したものである。この作像部4は、帯電チャージャ43
によって均一に帯電した感光体ドラム42の外周面に、
原稿像を結像させて静電潜像を形成した後、当該静電潜
像を現像装置41によってトナー像に顕像化し、転写チ
ャージャ44によってトナー像を用紙に転写し、残留ト
ナーをクリーニング装置45によって回収するようにし
たものである。
【0016】用紙搬送部5は、給紙トレイ61から1枚
ずつ用紙を引き出す、断面半月形の給紙ころ51と、手
差し給紙部60或いは給紙トレイ61からの用紙を先端
を突き当てて、当該用紙を一時的に待機させるレジスト
ローラ53a,53bと、用紙に転写されたトナー像を
定着するための定着装置54に含まれる熱ローラ54a
および圧ローラ54bと、一対の排出ローラ55a,5
5bとを備えている。
【0017】また、用紙搬送部5には、さらに、給紙検
出スイッチ57、排紙検出スイッチ58、熱ローラ温度
検出センサSHおよび雰囲気温度検出センサSAが備え
られている。給紙検出スイッチ57は、レジストローラ
53a,53bの用紙搬送方向上流側に配置されたリミ
ットスイッチからなり、排紙検出スイッチ58は、排出
ローラ55a,55bの用紙搬送方向上流側に配置され
たリミットスイッチからなる。また、熱ローラ温度検出
センサSHは、熱ローラ54aの所定部に配置されたサ
ーミスタからなり、熱ローラ54aの温度を検出する。
雰囲気温度検出センサSAは、複写機本体1の内部で熱
の影響を受けない所定の位置に配置されたサーミスタか
らなり、複写機本体1回りの雰囲気温度を検出する。
【0018】定着装置54は、圧ローラ54bとヒータ
59により加熱される熱ローラ54aとの間を通過する
用紙にトナーを加熱定着させるものである。熱ローラ5
4aは、金属製のローラからなり、内部にカートリッジ
ヒータからなる上記ヒータ59が収容され、このヒータ
59によって加熱される。圧ローラ54bはゴムローラ
からなり、径方向に移動自在に支持されているととも
に、図示しないばね部材によって熱ローラ54a側へ所
定の付勢力で付勢されている。
【0019】図2はこの複写機の電気的構成を示すブロ
ック図である。複写機の各部の動作を制御するための制
御部7には、CPU71、CPU71が実行するプログ
ラムを記憶したROM72およびCPUのワークエリア
などとして用いられるRAM73が備えられている。C
PU71には、複写機本体1の上面に設けられ、複写開
始スイッチ10aを含んだ操作部10、作像部4、用紙
搬送部5、モータ駆動回路MCおよび原稿台移動機構2
0が接続されている。上記モータ駆動回路MCは、原稿
台2、作像部4および用紙搬送部5等を駆動する駆動源
としてのモータMを駆動するものである。モータMによ
って、原稿台移動機構20、作像部4および用紙搬送機
構PDMが同期して駆動されるようになっている。
【0020】用紙搬送部5には、上記の給紙検出スイッ
チ57、排紙検出スイッチ58、熱ローラ温度検出セン
サSHおよび雰囲気温度検出センサSAの他に、ヒータ
59への通電をオンオフするためのリレーRを駆動する
リレー駆動回路RDC、およびモータMの駆動力により
用紙を搬送する用紙搬送機構PDMが含まれており、そ
れぞれCPU71に接続されている。
【0021】CPU71は、ROM72から読み込んだ
プログラムに基づき、定着装置54のヒータ59をオン
オフ制御するが、このときの制御の概念として、複写開
始信号に応じて、ヒータ59に連続通電して、所定の温
度(後述する第1回目オフ温度T1 )まで一気に上昇さ
せるためのウォームアップ制御部(図示せず)と、ウォ
ームアップ完了後、ヒータ59への通電を、経過時間等
を基準に間欠させて所定の制御温度に保持するための通
常制御部(図示せず)を含んでいる。
【0022】そして、上記通常制御部には、処理初期に
おいて、制御温度に初期補正量を加算する初期補正部
(図示せず)、通紙時のみに、制御温度に通紙時補正量
を加算する通紙時補正部(図示せず)、および雰囲気温
度に応じて、制御温度に雰囲気依存補正量を加算する雰
囲気依存補正部(図示せず)が含まれている。この初期
補正部では、上記初期補正量を除々に低くするようにし
ている。また、上記初期補正部は、上記ウォームアップ
制御部の処理開始前の熱ローラ54aの初期検出温度
が、予め定められた初期検出温度よりも低いことを条件
として、処理を行うようにしている。
【0023】そして、このような制御を行う場合の動作
について、図3ないし図5のフローチャート、並びに熱
ローラ54aおよび圧ローラ54bの温度の時間的変化
を示す図6ないし図8を参照して説明する。ステップS
1〜ステップS11は、上記ウォームアップ制御部によ
る処理の流れを示している。複写開始スイッチ10aの
押下げによる複写開始信号の入力に応じて、上記ウォー
ムアップ制御部が処理を開始すると、まず、各検出温度
0,t1 〜t3 等の前回データをクリアする初期設定
が行われ(ステップS1)、熱ローラ温度検出センサS
Hからの信号に基づいて熱ローラの初期温度t1 を読み
込み(ステップS2)、ヒータ59への通電をオンした
(ステップS3)後、タイマをリセットしてカウントを
開始する(ステップS4,5)。
【0024】次に、ステップS6〜ステップS10にお
いて、熱ローラ54aの検出温度t 2 が監視され、熱ロ
ーラ54aの検出温度t2 が第1回目オフ温度T2 に達
するとヒータ59への通電をオフし(ステップS10,
11。図7参照)、上記ウォームアップ制御部による処
理が終了する。一方、ヒータ59への通電のオンから所
定時間が経過(タイマのカウント値Cが予め定められた
値C1 以上になるかで判断)しても、熱ローラの検出温
度t2 が第1回目オフ温度にならない場合は、異常と判
断され(ステップS7,8)、例えば複写機の操作部1
0等に異常の旨を示す表示が行われる。
【0025】上記の第1回目オフ温度T2 は、後の上記
通常制御部による制御温度Tc よりも低く設定されてい
るので、図7に示すように、温度上昇側へのオーバシュ
ート量を小さくすることができる。その結果として、ヒ
ータ59への通電の第1回目のオフ後の、温度下降側へ
のオーバーシュートを抑制することができ、しかも、後
述するように、経過時間と制御温度Tcに基づく間欠制
御を行うので、第1枚目の複写時において、高温オフセ
ット領域および定着不良領域を回避した状態で温度制御
することができる。特に、温度変化が激しくなりやすい
ウォームアップから通常制御への移行段階での複写に対
し、用紙先端部での高温オフセットの回避および用紙後
端部での定着不良の回避をともに達成できる。なお、図
7において、比較のため、上記第1回目オフ温度を低く
しない場合の温度変化を一点鎖線で示したが、温度上昇
側および下降側のオーバシュート量が何れも大きい。
【0026】次に、ステップS12〜ステップS36
は、上記通常制御部による処理を示している。まず、タ
イマをリセットしてカウントを開始し、ヒータ59への
通電回数n=1を記憶する(ステップS12,14)。
ステップS15では、複写終了信号の有無が判断され、
複写終了信号が入力された場合には、ヒータへの通電の
オフを確認して処理を終了する(ステップS16,1
7)。この複写終了信号が出力される場合としては、操
作部10に設定された枚数の複写が終了した場合の他、
複写機の異常により装置を停止させる場合も含まれる。
【0027】上記複写終了信号が入力されない場合に
は、上記通常制御部による処理が続行される。上記ウォ
ームアップ制御部にる処理開始時に検出された熱ローラ
54aの初期検出温度t1 が、予め定められた初期検出
温度T1 よりも低いことを条件として、初期設定された
制御温度T3 に補正値D1(n)を加算し、これを制御温度
c とする(ステップS18、19)。これは、圧ロー
ラ54bの温度が十分に温まりにくい傾向にある、上記
通常制御部の処理初期において、制御温度Tc を高くし
て、定着不良の発生を防止するためである。また、熱ロ
ーラ54aの初期検出温度t1 が高いときには、圧ロー
ラ54bの温度も高いと想定し、この場合には、補正を
行わないようにした。これにより、不要な補正によって
定着温度が高くなり過ぎることを防止することができ
る。
【0028】なお、上記の補正量D1(n)は、ヒータ59
への通電回数nに応じて零まで減少するように関数設定
されている。これは、上記通常制御部による処理開始か
ら時間が経過するにしたがって、圧ローラ54bの温度
は除々に高くなって所定の温度に収束すると考えられる
ので、これに応ずるためである。これにより、圧ローラ
54bが不要な高温になることを防止することができ
る。
【0029】次に、ステップS20,21では、通紙時
であること(定着装置54に用紙が存在すること)を条
件として、制御温度Tcにさらに一定の通紙時補正量D
2 が加味される。排紙検出スイッチ58のオンから、給
紙検出スイッチ57のオフ後所定時間(例えば3秒)経
過するまでの時間領域を通紙時と判断した。このように
通紙時のみ制御温度Tcを高くすることにより、下記の
利点がある。すなわち、熱ローラ54aの熱容量を小さ
く設定した場合、通過する用紙によって圧ローラ54b
の熱が奪われることにより、用紙の後端部で定着不良が
起こるおそれがある。そこで、制御温度Tcを常時高く
することを考えられるが、そうした場合、用紙の先端部
で、高温オフセットが生ずる。これに対して、図6およ
び図8に示すように、通紙時のみ制御温度Tcを高く設
定したので、用紙先端部での高温オフセットの発生と、
用紙後端部での定着不良の発生の双方を防止することが
できる。すなわち、用紙の先端部の通過時では、この通
過時まで制御温度Tcが低く設定されていたため、熱ロ
ーラ54aの温度が低くなり、高温オフセットの発生を
防止することができる。一方、用紙の後端部の通過時
は、熱ローラ54aの温度が高くなるので、定着不良の
発生を防止することができる。
【0030】一方、上記の一定の通紙時補正量D2 をD
2 (x) とし、通紙開始(排紙検出スイッチのオン)から
の経過時間xに応じて、増加するように関数設定するこ
ともできる。これにより、通紙時における、より精度の
良い温度制御が可能となり、上記の高温オフセットおよ
び定着不良の発生を確実に防止することができる。次
に、ステップS22,23では、定着装置回りの雰囲気
温度t0 が読み込まれ、この雰囲気温度t0 に応じた環
境補正量D3 (t0)が制御温度Tcにさらに加味される。
これにより、下記の利点がある。すなわち、雰囲気温度
0 が低いときは、用紙の温度も低くて圧ローラ54b
から用紙が奪う熱量が大きく、これが安定した温度制御
の妨げとなると考えられるので、雰囲気温度t0 に応じ
て、制御温度Tcを補正することにより、安定した温度
制御を行うようにした。
【0031】次に、ヒータ59への通電のオフの確認し
た(ステップS24)後、ステップS25〜ステップS
28において、第1回目オフ(或いは前回ヒータ59
への通電がオフされたとき)からの経過時間が所定時間
(例えば2秒)以上経過すること(タイマによるカウン
ト値Cが所定の値COFF 以上であること)、および熱
ローラ54aの検出温度t3 が制御温度TC よりも低く
なること、の2つの条件が監視される。両条件がともに
満たされて始めて、ヒータ59への通電をオンする(ス
テップS29)。ヒータ59への通電のオフ状態は、最
低2秒間は続くことになる。その後、タイマをリセット
し(ステップS30)、ステップS15へ戻って処理を
繰り返す。
【0032】ヒータ59への通電がオンされている状態
では、ステップS31〜ステップS34において、前
回ヒータ59への通電がオンされてからの経過時間が、
所定時間(例えば1秒)に達すること(タイマによるカ
ウント値Cが所定の値CON以上であること)、および
熱ローラ54aの検出温度t3 が制御温度TC よりも高
くなること、の2つの条件が監視される。両条件のうち
の何れか1つが満たされて始めて、ヒータ59への通電
をオフする(ステップS35)。したがって、ヒータ5
9への通電のオン状態は、最大1秒間は続くことにな
る。その後、ヒータ59への通電回数nをn+1に置き
換えて、タイマをリセットし(ステップS36,3
0)、ステップS15へ戻って処理を繰り返す。
【0033】上記のようにしてステップS15以降のス
テップを繰り返す通常制御において、ヒータ59への通
電が、オン時間又はオフ時間と制御温度Tcとを組み合
わせて間欠制御され、温度変動が抑制される。また、通
常制御の処理初期において、制御温度Tcが高く補正さ
れ、通紙時のみに、制御温度Tcがさらに高く補正さ
れ、しかも、雰囲気温度t0 に応じた補正も行われる。
これにより、より安定した温度制御を行うことができ
る。そして、複写が終了すると、ヒータ59への通電が
オフされている場合は、そのままで、また、ヒータ59
への通電がオンされている場合は、これをオフして、処
理が終了する。これにより、次の複写開始を待つ状態と
なる。
【0034】以上のように、本実施例によれば、複写時
のみに、ヒータ59への通電制御を行うようにし、省エ
ネを達成した。また、ウォームアップ後であって、圧ロ
ーラ54bの温度が十分に温まりにくい傾向にある、上
記通常制御部の処理初期において、制御温度Tcを初期
補正量D1(n)を加味して補正することにより、定着不良
の発生を防止することができる。
【0035】さらに、初期補正量D1(n)をヒータ59へ
の通電回数nの増加に応じて除々に減少させるようにし
た。これにより、圧ローラ54bが不要な高温になるこ
とを防止することができる。したがって、高温オフセッ
トの発生を防止することができる。しかも、上記の初期
補正は、第1回目のヒータ59への通電のオン前におけ
る熱ローラ54aの検出温度t1 が低いときのみ行い、
高いときには初期補正を行わないようにした。これによ
り、不要な初期補正によって定着温度が高くなり過ぎる
ことを防止することができる。
【0036】なお、上記実施例においては、通常制御の
処理初期において制御温度の初期補正を行うか否かを、
熱ローラ54aの検出温度に基づいて判断したが、圧ロ
ーラ温度検出手段による圧ローラ54bの温度や、雰囲
気温度検出手段SAによる雰囲気温度に基づいて、判断
するようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係る発明の構成によれば、画
像形成が開始されると、ウォームアップ制御部によって
ヒータへの通電が開始されてウォームアップが行われ、
第1回目オフ温度に達すると、通常制御部による処理に
移行し、その後、用紙が定着装置を通過する。圧ローラ
の温度が十分に温まりにくい傾向にある、通常制御部の
処理初期において、制御温度が高くなるように初期補正
したので、定着不良の発生を防止することができる。
【0038】請求項2に係る発明によれば、圧ローラの
温度は除々に高くなって所定の温度に収束すると考えら
れるので、これに応じて、制御温度を除々に低くした。
これにより、圧ローラが不要な高温になることを防止し
た。請求項3に係る発明によれば、第1回目のヒータへ
の通電オンの前における熱ローラの検出温度が低いとき
に、圧ローラの温度も低いと想定し、この場合のみに、
制御温度の初期補正を行うこととした。これにより、不
要な初期補正によって定着温度が高くなり過ぎることを
防止することができる。
【0039】請求項4に係る発明によれば、第1回目の
ヒータへの通電オンの前における圧ローラの検出温度が
低い場合のみに、制御温度の初期補正を行うこととし
た。これにより不要な初期補正によって定着温度が高く
なり過ぎることを防止することができる。請求項5に係
る発明によれば、第1回目のヒータへの通電オンの前に
おける定着装置回りの雰囲気温度が低いときに、圧ロー
ラの温度も低いと想定し、この場合のみに、初期補正を
行うこととした。これにより、不要な初期補正によって
定着温度が高くなり過ぎることを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る定着装置の温度制御
装置を含む複写機の内部構成を示す概念図である。
【図2】複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】定着装置の温度制御の動作のうち、ウォームア
ップ時の動作を示すフローチャートである。
【図4】定着装置の温度制御の動作のうち、通常制御時
の動作を示すためのフローチャートである。
【図5】定着装置の温度制御の動作のうち、通常制御時
の動作を示すためのフローチャートであり、図4のフロ
ーチャートに連続するものである。
【図6】熱ローラおよび圧ローラの温度の時間的変化を
示す図である。
【図7】ウォームアップ制御から通常制御への移行段階
での熱ローラおよび圧ローラの温度の時間的変化を示す
図である。
【図8】通紙時を含む、熱ローラおよび圧ローラの温度
の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
1 複写機本体 54 定着装置 54a 熱ローラ 54b 圧ローラ 59 ヒータ SH 熱ローラ温度検出センサ SA 雰囲気温度検出センサ 7 制御部 71 CPU 72 ROM TC 制御温度 D1(n) 初期補正量 D2(x) 通紙時補正量 D3(t0) 環境補正量 t0 雰囲気温度 t1 熱ローラの初期検出温度 t2 , 3 熱ローラの現在検出温度 T1 予め定められた初期検出温度 T2 第1回目オフ温度
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、請求項5に係る発明は、上記請求項
1又は2記載の定着装置の温度制御装置において、さら
に、定着装置が置かれた環境の雰囲気温度を検出する雰
囲気温度検出手段を含み、上記初期補正部は、上記ウォ
ームアップ制御部によるヒータへの通電のオンの前に上
記雰囲気温度検出手段によって検出された検出温度が、
予め定められた初期検出温度よりも低いことを条件とし
て、処理を行うことを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項4に係る発明によれば、処理開始前
における圧ローラの検出温度が低い場合のみに、補正を
行うようにした。これにより、不要な補正によって定着
温度が高くなり過ぎることを防止した。請求項5に係る
発明によれば、処理開始前における定着装置が置かれた
環境の雰囲気温度が低いときに、圧ローラの温度も低い
と想定し、この場合のみに、補正を行うようにした。こ
れにより、不要な補正によって定着温度が高くなり過ぎ
ることを防止した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、用紙搬送部5には、さらに、給紙検
出スイッチ57、排紙検出スイッチ58、熱ローラ温度
検出センサSHおよび雰囲気温度検出センサSAが備え
られている。給紙検出スイッチ57は、レジストローラ
53a,53bの用紙搬送方向上流側に配置されたリミ
ットスイッチからなり、排紙検出スイッチ58は、排出
ローラ55a,55bの用紙搬送方向上流側に配置され
たリミットスイッチからなる。また、熱ローラ温度検出
センサSHは、熱ローラ54aの所定部に配置されたサ
ーミスタからなり、熱ローラ54aの温度を検出する。
雰囲気温度検出センサSAは、複写機本体1の内部で熱
の影響を受けない所定の位置に配置されたサーミスタか
らなり、定着装置54が置かれた環境の雰囲気温度を検
出する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】一方、上記の一定の通紙時補正量D2 をD
2 (x) とし、通紙開始(排紙検出スイッチのオン)から
の経過時間xに応じて、増加するように関数設定するこ
ともできる。これにより、通紙時における、より精度の
良い温度制御が可能となり、上記の高温オフセットおよ
び定着不良の発生を確実に防止することができる。次
に、ステップS22,23では、定着装置が置かれた環
の雰囲気温度t0が読み込まれ、この雰囲気温度t0
に応じた環境補正量D3 (t0)が制御温度Tcにさらに加
味される。これにより、下記の利点がある。すなわち、
雰囲気温度t 0 が低いときは、用紙の温度も低くて圧ロ
ーラ54bから用紙が奪う熱量が大きく、これが安定し
た温度制御の妨げとなると考えられるので、雰囲気温度
0 に応じて、制御温度Tcを補正することにより、安
定した温度制御を行うようにした。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】請求項4に係る発明によれば、第1回目の
ヒータへの通電オンの前における圧ローラの検出温度が
低い場合のみに、制御温度の初期補正を行うこととし
た。これにより不要な初期補正によって定着温度が高く
なり過ぎることを防止することができる。請求項5に係
る発明によれば、第1回目のヒータへの通電オンの前に
おける定着装置が置かれた環境の雰囲気温度が低いとき
に、圧ローラの温度も低いと想定し、この場合のみに、
初期補正を行うこととした。これにより、不要な初期補
正によって定着温度が高くなり過ぎることを防止するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 務 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 広部 潤一 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧ローラおよびヒータにより加熱される熱
    ローラを含み且つ両ローラ間を通過する用紙にトナーを
    加熱定着させる、画像形成装置の定着装置に適用され、 熱ローラの温度を検出する熱ローラ温度検出手段からの
    信号に基づいて上記ヒータへの通電をオンオフ制御する
    定着装置の温度制御装置において、 画像形成開始信号の入力に応じて、ヒータへの通電のオ
    ンを伴って処理を開始し、予め設定された第1回目オフ
    温度に達した時点でヒータへの通電をオフするウォーム
    アップ制御部、および上記ウォームアップ制御部による
    ヒータへの通電のオフに応じて所要の制御温度を目標と
    する処理を開始し、画像形成終了信号の入力に応じて、
    ヒータへの通電をオフした状態で処理を終了する通常制
    御部を備え、 この通常制御部は、処理初期において、制御温度に所要
    の初期補正量を加算する初期補正部を含むことを特徴と
    する定着装置の温度制御装置。
  2. 【請求項2】上記請求項1記載の定着装置の温度制御装
    置において、 上記初期補正部は、上記初期補正量を除々に減少させる
    ことを特徴とする定着装置の温度制御装置。
  3. 【請求項3】上記請求項1又は2記載の定着装置の温度
    制御装置において、 上記初期補正部は、 上記ウォームアップ制御部によるヒータへの通電のオン
    の前に上記熱ローラ温度検出手段によって検出された検
    出温度が、予め定められた初期検出温度よりも低いこと
    を条件として、処理を行うことを特徴とする定着装置の
    温度制御装置。
  4. 【請求項4】上記請求項1又は2記載の定着装置の温度
    制御装置において、 さらに、圧ローラの温度を検出する圧ローラ温度検出手
    段を含み、 上記初期補正部は、 上記ウォームアップ制御部による
    ヒータへの通電のオンの前に上記圧ローラ温度検出手段
    によって検出された検出温度が、予め定められた初期検
    出温度よりも低いことを条件として、処理を行うことを
    特徴とする定着装置の温度制御装置。
  5. 【請求項5】上記請求項1又は2記載の定着装置の温度
    制御装置において、 さらに、定着装置回りの雰囲気温度を検出する雰囲気温
    度検出手段を含み、 上記初期補正部は、上記ウォームアップ制御部によるヒ
    ータへの通電のオンの前に上記雰囲気温度検出手段によ
    って検出された検出温度が、予め定められた初期検出温
    度よりも低いことを条件として、処理を行うことを特徴
    とする定着装置の温度制御装置。
JP26141993A 1993-10-19 1993-10-19 定着装置の温度制御装置 Pending JPH07114282A (ja)

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JP26141993A JPH07114282A (ja) 1993-10-19 1993-10-19 定着装置の温度制御装置
US08/305,316 US5600406A (en) 1993-10-19 1994-09-15 Fixing temperature control device
GB9419116A GB2283458B (en) 1993-10-19 1994-09-22 Fixing temperature control device
KR1019940026475A KR950012170A (ko) 1993-10-19 1994-10-17 정착온도제어장치
CN94117137A CN1120685A (zh) 1993-10-19 1994-10-18 定影温度控制器件

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012220905A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Brother Ind Ltd 画像形成装置
JP2017107006A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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